現金給与総額の前年比増加率に隠されたイカサマ

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    JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

     

     今日は「現金給与総額の前年比増加率に隠されたイカサマ」と題して論説します。

     

     下記は西日本新聞の記事です。

    『西日本新聞 2018/09/12 10:14 統計所得、過大に上昇 政府の手法変更が影響 補正調整されず・・・専門家からは批判も

     政府の所得関係統計の作成手法が今年に入って見直され、統計上の所得が高めに出ていることが西日本新聞の取材で分かった。調査対象となる事業所群を新たな手法で入れ替えるなどした結果、従業員に支払われる現金給与総額の前年比増加率が大きすぎる状態が続いている。補正調整もされていない。景気の重要な判断材料となる統計の誤差は、デフレ脱却を目指す安倍政権の景気判断の甘さにつながる恐れがある。専門家からは批判が出ており、統計の妥当性が問われそうだ。

     高めになっているのは、最も代表的な賃金関連統計として知られる「毎月勤労統計調査」。厚生労働省が全国約3万3千の事業所から賃金や労働時間などのデータを得てまとめている。1月に新たな作成手法を採用し、調査対象の半数弱を入れ替えるなどした。

     その結果、今年に入っての「現金給与総額」の前年比増加率は、1月1.2%、2月1.0%、3月2.0%、4月0.6%、5月2.1%、6月3.3%を記録。いずれも2017年平均の0.4%を大きく上回り、3月は04年11月以来の2%大、6月は1997年1月以来21年5か月ぶりの高い伸び率となった。安倍政権の狙い通りに賃金上昇率が高まった形だ。

     しかし、調査対象の入れ替えとならなかった半数強の事業者だけで集計した「参考値」の前年比増加率は、1月0.3%、2月0.9%、3月1.2%、4月0.4%、5月0.3%、6月1.3%と公式統計を大きく下回る月が目立つ。手法見直しで、計算の方法を変更したことも誤差が生じる要因とみられる。

     誤差に対しては、経済分析で統計を扱うエコノミストからも疑義が相次いでいる。大和総研の小林俊介氏は「統計ほど賃金は増えていないと考えられ、統計の信頼性を疑わざるを得ない。報道や世論もミスリードしかねない」と指摘。手法見直し前は誤差が補正調整されていたことに触れ「大きな誤差がある以上、今回も補正調整すべきだ」と訴える。

     厚労省によると、作成手法の見直しは調査の精度向上などを目的に実施した。調査対象の入れ替えは無作為に抽出している。見直しの影響で増加率が0.8ポイント程度上振れしたと分析するが、参考値を公表していることなどを理由に「補正や手法見直しは考えていない」(担当者)としている。』

     

     

     この報道で指摘されている毎月勤労統計調査について、私も調べてみました。

     

     具体的には、厚生労働省の毎月勤労統計調査(平成30年7月分結果速報)をみますとと、P2には新たな手法で調査したもの、P13には参考値として従来の事業所を対象にしたものということで、数値が記載されていました。

     

     それぞれの数値を並べますと、下記のグラフの通りとなります。

    (出典:厚生労働省の毎月均等統計調査の平成30年7月分結果速報から引用)

     

     

     上記グラフの通り、事業入替後の統計は、入替前の同一事業所の統計と比べて、毎月上回っています。入れ替えること自体に何か問題があるわけではないと考えますが、問題なのは補正調整をしないということです。

     

     補正調査をしないと上記グラフの青のグラフが正式な統計となります。対象の事業所を入れ替えたとすれば、

     

     実際、この数値を使い、新聞各社は下記の見出しで報道しています。

     

    ●『ロイター通信 2018/08/07 実質賃金、21年5か月ぶりの伸びに=6月の毎月勤労統計』

    ●『日本経済新聞 2018/08/22 6月の名目賃金確報値3.3%増、速報値から縮小 毎月勤労統計』

    ●『時事通信 2018/09/07 7月の実質賃金0.4%増=賃上げ広がる』

    ●『毎日新聞 2018/09/07 7月給与総額、前年比1.5%増 12か月連続プラス』

     

     各紙、毎月勤労統計では実質賃金の上昇を報じています。では、先ほどの入替前の同一事業所の統計で、現金給与総額指数から消費者物価指数を控除すると実質賃金指数が算出されます。それをグラフに加えてみたのが、下記のグラフです。

    (出典:厚生労働省の毎月均等統計調査の平成30年7月分結果速報から引用)

     

     上記の通り、実質賃金は2018年6月以外はマイナスで推移しています。調査対象から「給料が低い事業所」を外して「給料が高い事業所」を入れれば、普通に前年比でプラスします。西日本新聞の記事は、このことを問題視しているのです。

     

     少なくても、入替後の1年間は、旧事業所で同一事業所の数字の比較を出すべきですが、そうせず入替して3.3%増えたしているのです。入替自体に問題があるということを言いたいわけではありませんが、2018年7月速報でいえば、事業所入替後の給与総額がプラス1.5%に対して、同一事業所の実質賃金はマイナス1.1%です。

     

     プラスとマイナスでは印象が大きく変わります。1000兆円の借金問題における「一人当たり800万の借金」と「一人当たり800万の貸付金」というのでは、印象が全く異なるのと同様です。

     

     印象が全く異なるとすれば、これはもうイカサマとしか言いようがありません。しかしながら、こうした数字のイカサマを知らないとどうなるか?「賃金は名目も実質もプラスになっているので、消費増税しても影響はない!」となって、消費増税は強硬されてしまうことになるのです。

     

     

     というわけで今日は「現金給与総額の前年比増加率に隠されたイカサマ」と題して論説しました。

     本来安倍政権は、厚生労働省に対しては、補正調整の指示をすべきですが、それをしないと厚労省の担当者は述べています。数字をでっち上げて平気で発表し、それをマスコミがイカサマと気付かずに報道し、多くの国民がまたそれを鵜呑みにする。

     韓国や中国並みに数字が信用できなくなってしまうくらいに落ちぶれてしまった日本と思うのは私だけでしょうか?

     中国のGDPの数字がウソ・デタラメなのは有名ですが、それ以外に中国では鉄道貨物輸送量、工業電力消費量なども怪しい数字が多いといわれています。日本も統計数値をイカサマするようになったとすれば、もはや中国や韓国のことを笑ってバカにしてはいられないものと思うのと同時に、そこまで落ちぶれてしまったということに落胆せざるを得ないのです。


    低年金者向けの消費増税対策について

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      JUGEMテーマ:年金/財政

       

       台風21号と北海道地震で被害に遭われた皆様には、お見舞い申し上げます。

       

       今日は「低年金者向けの消費増税対策について」と題して、消費増税について論説します。

       

       下記は日本経済新聞の記事です。

      『日本経済新聞 2018/8/15 20:00 低年金者給付 前倒し浮上 消費増税対策、財源など課題

       2019年10月に予定する消費増税対策の一つとして、政府内で低所得の高齢者への影響を抑える対策が焦点になってきた。低所得の年金生活者に最大で月5千円(年6万円)を給付する新制度について、実際の支給が増税時に間に合うよう制度開始を2カ月程度前倒しする案が浮上。1千億円規模の財源の確保や煩雑な給付作業などを巡り、財務省や厚生労働省は年末に向けて議論する。

      焦点となっている仕組みは、政府が消費増税に合わせて、年金の少ない高齢者向けに予定している「年金生活者支援給付金」だ。5%から10%への消費増税と社会保障の充実を合わせて決めた12年の「社会保障と税の一体改革」の中で決めた措置だ。低所得の高齢者を中心に、増税の影響を和らげるのが狙いだ。

       受け取れるのは世帯全員が住民税非課税で、年間の所得が国民年金の保険料を40年間納めて受け取る額(約78万円)よりも低い水準の高齢者が中心になる。対象は約800万人にのぼる。

       問題は、給付金の支給が年金と同じで2カ月に1回の予定であることだ。年金は2月、4月など偶数月に配る。給付金制度を消費増税を予定している19年10月に始めると、実際に高齢者の銀行口座に振り込まれるのは12月になってしまう。

       増税直後は買い控えなどが起きやすく、給付金の支給が遅れれば高齢者対策としての制度の効果が薄れる恐れがある。こうした状況を踏まえ、与党内では公明党が制度の前倒しを強く求めている。例えば制度の開始を2カ月前倒せば、消費税率が10%に上がる19年10月に給付できる。お金を配ることで個人消費の反動減を抑える狙いだ。

       もっとも、財務省や厚労省は給付の前倒しを巡る課題に頭を悩ませている。1つは財源だ。「社会保障と税の一体改革」を審議していた時点の試算では、年間で約5600億円が必要になるとはじいていた。2カ月前倒しする場合に必要な財源は約1千億円となる。加えて、法改正もしなければならない見込みだ。

       もう1つは給付作業の問題だ。給付を請け負うのは日本年金機構になる。今年2月に支給した公的年金では、過少支給の問題が起きたばかり。過去にも125万人分の個人情報の流出が起きるなど不祥事が相次ぐ。

       仮に前倒しを決めたとしても、システムや給付事務が追いつかず、かえって混乱が広がる懸念がある。市区町村が配るという手もあるが、事務費がかかり必要になるお金が膨らんでしまう。

       3つ目はばらまき批判だ。政府は16年にも低年金者を対象に3万円の給付金を配ったことがある。賃上げの効果がおよびにくい高齢者らを支援するという名目だった。給付は市区町村が担ったが、事務費だけで数百億円かかった。このときは自民党内でも若手議員中心に批判の声が噴出した。

       このほか消費増税に合わせて、65歳以上が支払っている介護保険料の軽減対象拡大の前倒しも検討課題になっている。いまは住民税非課税世帯のうち、特に所得の低い人を対象に軽減している。これを住民税非課税世帯全体に広げる。現在の対象は65歳以上のうち約2割だが、3割に増える。

       最も負担が軽くなる高齢者は負担する保険料が基準額の30%になる。現在は45%だ。前倒しで低所得の高齢者の負担をさらに抑える狙い。来年は参院選を控えるだけに、消費増税に合わせた対策として、高齢者向けの施策が重みを増しそうだ。

       

       ▼年金生活者支援給付金 年金の少ない高齢者らに現金を支給する制度。消費税を8%から10%に上げる2019年10月に創設する予定だ。年金保険料を納めた期間に応じ、最大で月5千円を年金に上乗せする仕組みとなる。障害基礎年金や遺族基礎年金の受給者も給付の対象だ。』

       

       

       まず私は、この報道に大変違和感がありました。何が違和感かと申しますと、消費増税を既成事実化しているということです。消費増税することが当たり前というような環境を作っているといえます。

       

       ポイントは2点あります。

       

       一つ目は、消費増税の既成事実化が徹底的に進んでいる状態です。消費増税は、相当の確率でやるでしょう。何しろ、

      リーマンショックが起きても消費増税は先送りできないなどという政治家もいるくらいです。まるで消費増税することが目的になっているかの如く。

       

       消費増税は社会保障などの用途に使われるのでは?と思った方、残念ながら消費増税しても増税分は一般財源として扱われ、政府の負債の返済に使われるでしょう。事実、2014年の消費増税5%→8%のときは、消費増税分の8割程度が政府の負債の返済に使われ、国民の所得になりませんでした。「政府の負債を借金で返さなければ・・・」という発想は、家計簿の発想であり、企業経営の発想です。実際は政府の負債は、100%円建てであり、外貨建て債務ではないので、いざ返済時期が来たら、借り換えをすればいいだけのこと。政府の負債を返済してしまうと、返済分が消費や投資に使われないわけですから、消費に使われない=生産に使われない=所得が生み出されない と例のごとくGDP3面等価の原則によって、経済成長を抑制します。

       

       そもそも、低年金者向け消費増税対策ということ自体、消費増税を既成事実化するためとしかいえません。多くの人々も、「あ、台風が来るんだ!」と自然災害のように思われて回避できないものと思われる方が多いかもしれませんが、実際は政策を変えることは可能です。

       

       二つ目は、給付金を配るのは、消費増税で取る分を事前に戻すことになるため、消費増税の影響がないと思われる方もおられるでしょう。

       

       心理学的には、消費時にあらゆるタイミングで意識に上り、消費にブレーキがかかる可能性が高いです。すべての消費行動は意思決定で決まるわけですが、給付金は振り込まれるものです。そのため、消費するときに、事前に10000円振り込まれていたから、消費増税分500円を使ったとして、残り9500円が使えるなどと考える人は皆無でしょう。要は、振り込まれた10000円は何となく認識しても、消費する際にいちいち残りがいくらで、今いくら使おうかなどと考える人はいません。消費時には意識されないのです。

       

       消費増税をした後、GDPの成長率は大きく低迷していることが既に実証されていまして、下記は、その検証資料です。

       

      (出典:内閣官房参与の藤井聡氏のフェイスブックより)

       

       

       消費増税10%にすれば、国家の予算が増えて社会保障制度が安定して、公共事業が増え、被災地復興が早まるとか、そうしたバラ色のシナリオにはならないでしょう。

       

       消費増税をしても税収が減収する可能性は極めて濃厚なのですが、その理由は税金とは私たちが働いて稼いだ所得から徴収するからです。

       

       税収=名目GDP×税率×税収弾性値

       GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出(※)

       ※純輸出=輸出−輸入

       

       

       消費増税は直間比率の是正が目的であるなどと、もっともらしい言い方をする人もいて、一見すると間接税で安定的に税収が確保できると思いきや、直接税が税収弾性値によって激減します。実質GDPが増加しても、名目GDPがマイナス、GDPデフレータがマイナスという状況ですと、忙しくなるだけで稼げないという状況になり、稼げない=企業の売上が増えない=賃金UPの原資が増えないということで、法人税と所得税が伸び悩みます。それどころか、赤字になれば法人税を治めなくなりますし、連結決算連結納税で黒字企業も節税します。従業員が解雇されれば、その分の所得税もなくなります。

       つまり名目GDPがマイナスした場合、税収弾性値によってそれ以上に税収が減収するのです。

       

       税収弾性値については以前もテーマで取り上げたことがあります。名目GDPがプラスになれば、税収はそのプラスの伸び率以上に増えます。日本国内の法人のすべてが黒字だった場合は、税収弾性値は1となるため、名目GDPの伸び率=税収の伸び率となりますが、逆に言えば、日本国内の法人がすべて黒字になるには10年以上かかるといわれていますので、そうなるまでは税収弾性値は1以上といえるのです。因みに2013年度の税収弾性値は3.5でした。2013年といえば安倍政権アベノミクスの第二の矢の国土強靭化計画で政府支出を増やしたことで、名目GDPが1.9%上昇し、税収は6.9%増収しました。その後、2014年に消費増税や補正予算の減額をしたため、税収が伸び悩んでしまっています。

       

       9月に入って台風21号、北海道地震と多くの方々が被災している状況で、プライマリーバランス黒字化によって緊縮財政を続ける中、本当に2019年10月に消費増税を行うのでしょうか?これだけ自然災害で被災している以上、消費増税はそもそも凍結もしくは消費減税すべきであると私は考えます。

       

       

       というわけで今日は「低年金者向けの消費増税対策について」と題し、論説しました。消費増税を既成事実化する報道が目に余ります。もし消費増税をこのまま進めるならば、安藤裕国会議員による安藤提言(内閣府ホームページに掲載中)で、消費減税を提言しています。

       消費増税はするものの、非課税品目を大幅に増やし、1取引100万円以下の取引をすべて5%に減税、個人が買う乗用車や住宅も5%に減税するといった内容です。

       本来デフレ下で消費増税をやってはいけないのですが、財務省どものプライマリーバランス黒字化目標を盾に消費増税を目論む彼らの消費増税強行を、うまく手に取った提言です。

       私は法人取引でさえ5%に減税すべきであると思いますので、本来は消費増税中止、凍結、5%への減税と言いたいところですが、プライマリーバランス黒字化目標が残って増税回避不可というのであれば、逆に安藤提言を応援したいと思います。

        

       

      〜関連記事〜

      消費税率1%UPで2.5兆円増収できるというウソ

      税収を増やすためには、名目GDPの成長が必要です!


      小さな政府論は正しいのか?(厚労省の分割問題について)

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         皆さんはよく、”日本は人口が減少するから、「小さな政府」を目指すべきだ!”という論説を目にすることがあるでしょうか?

         「小さな政府」は、1976年にノーベル経済学賞を受賞したミルトン・フリードマンが主張していたのですが、彼こそ新古典派経済学の元祖であり、規制緩和で民営化を推進することを唱えていた学者です。彼は「小さな政府」論を支持すると同時に、マネタリストともいわれ、マネタリーベースを増やせば、マネーストックをコントロールして増やせるという主張もしていまして、私は正直、あまり評価していません。

         

         そこで今日は「小さな政府論は正しいのか?」と題し、日本経済新聞の記事をご紹介したいと思います。

         

        『日本経済新聞 2018/08/02 厚労省の分割検討 政府・自民、20年にも 生産性向上へ政策強化  

         自民党は今月にも厚生労働省(総合2面きょうのことば)の分割を念頭に置いた提言を安倍晋三首相に渡す。これを受け、政府は分割への検討を本格化する。2001年に誕生した厚労省は働き方改革など新たな政策需要に対応しきれていないと判断した。政策立案を強化し、生産性を高める。20年を目標に旧厚生省と旧労働省の業務の2分割による新体制を発足させる計画だ。

         党行政改革推進本部(甘利明本部長)は01年の1府12省庁の中央省庁再編を検証し、月内にも首相に提言する。20年近くが経過して浮かび上がった問題点を洗い出し、課題を列挙する。

         厚労省は07年に旧社会保険庁の年金記録を巡り、年金記録の持ち主が分からなくなった「消えた年金」問題が発覚。その後も年金の個人情報流出や支給漏れなどの不祥事が相次いだ。行革本部幹部は提言について「厚労省の現体制は限界に来ている」とのメッセージを送るのが主眼と説明する。

         労働行政はかつては労働組合を意識した賃上げなど労働環境の改善に傾斜していた。今は働き方改革に象徴されるように日本全体に目配りした政策が求められる。厚労省分割構想の底流には生産性向上への期待がある。

         国会の要因もある。厚労省が国会に法案を提出しても審議する委員会は衆参厚生労働委員会だけ。答弁にあたる閣僚も1人しかいない。厚労省を分割すれば、閣僚も2人になり、委員会も2つになるので、法案審議を加速できる。

         自民党内には総務省、経済産業省など複数の省にまたがる現在の情報通信行政の統合や総合的な通商戦略を担う「日本版通商代表部」を創設する案もある。政府内は厚労省に加え、内閣府や総務省、国土交通省などを創設した01年のような大がかりな再々編には否定的な意見が多い。

         抜本的な省庁再々編に慎重なのは憲法改正や経済再生など看板政策と並行させるのは時間的に厳しいとの認識がある。

         首相が9月の党総裁選で3選したとしても任期は21年9月までだからだ。厚労省分割などに限定した小幅な再編にとどまる公算が大きい。

         政府は01年に厚生省と労働省を統合した際、その理由を「社会保障政策と労働政策を一体的に推進する」と主張した。

         日本のように年金や医療、労働を一つの省で扱う国は世界では珍しい。米国は社会保障、年金、労働政策を複数の省庁で分担。英国やフランス、ドイツも複数に分けている。

         政策研究大学院大学の竹中治堅教授は「厚労省は閣僚の守備範囲があまりに広く、分割すれば意思決定が早くなる利点がある」と評価する。半面「社会福祉問題と労働問題は密接に関連しており、単に省庁を切り離せば解決するというわけではない。国会改革も同時に進める必要がある」と話す。』

         

         

         

         上記記事の通り、厚労省の分割を検討するというニュースです。厚生労働省といえば、今から11年前の2007年に、旧社会保険庁の年金記録を巡り、消えた年金などといわれ、年金記録の所有者がわからなくなったという問題が発生しました。

         

         その後も、年金の個人情報流出、支給漏れなど、不祥事が相次ぎました。

         

         この厚生労働省の分割は、2020年を目標に旧厚生省と旧労働省を2分割するというものですが、記事の詳細を読めば、誰でも納得ができるものと思われます。

         

         とすれば、2001年1月6日に再編統合した省庁再編は、いったい何だったのか?ということになります。

         

         例えば国交省でいえば、運輸省、建設省、北海道開発庁、国土庁の4つを全部1つにしました。全部一つに再編したときの議論は、「効率化する」ことが狙いでした。

         

         国交省の場合は、大臣が4人いたのが1人になった結果、4つあった委員会は1つになりました。当時は「効率化」が大義名分で1つにしたものの、今回の見直し議論では、大臣が1人しかいないから「非効率」であるとし、委員会が1つだと審議が遅いから2つの委員会に分けるとしています。

         

         これは当時の省庁再編の議論と、全く完全に正反対の逆の話です。

         

         当時省庁再編の目的としては、縦割り行政による弊害をなくし、内閣機能の強化、事務および事業の減量、効率化などが謳われていました。1つに集中した結果が「非効率」であるとするならば、当時の再編前のままでよかったのでは?という話になります。

         

         しかも、今回の議論はなぜか厚労省の分割だけが対象です。とするならば、建設省と運輸省、文部省と科学技術庁は、”ゆっくりのまま非効率でいい”と主張しているのと同じです。

         

         ついでにいえば、委員会が1つだと審議のスピードが遅くなるため2つに分けるというのは、速度という点では遅いとしても、権限に関しても議論すべきと思います。

         

         例えば財務省は、収入と支出が一体化して権限が集中しており、世論操作や政治家やマスコミへの影響力が集中しているので解体するか分割するべきという議論もあります。

         

         そうした議論も含め、省庁再編とは何だったのか?小さな政府を目指すというのは、本当に正しかったのか?改めて議論する必要があるのではないでしょうか。

         

         特に財務省については組織の在り方を見直す議論があってしかるべきで、公文書偽装作成を平気で行い、緊縮財政を主導して日本を亡国に追いやる組織といえます。財務省の人事制度が、GDPを拡大することが目標ではなく、増税をすることと出ていくものを抑制する緊縮財政をした人が評価されるという人事制度であるために、政府支出が思うようにできず、他国と国力でどんどん差を付けられ、日本が発展途上国化しているということを認識すべきです。

         

         そのため財務省の組織の在り方を含め、省庁再編についてもう一回見直すという声があってもいいと思います。ところが日本経済新聞の記事では、それをせず、なぜか小幅な改革に留まると報道されています。

         

         できることならば、財務省の人事制度の見直しや組織の在り方にまで踏み込み、全体的な見直しをしてもいいはずであると私は思うのです。

         

         

         

         というわけで今日は「小さな政府論は正しいのか?(厚労省の分割問題について)」と題し、論説しました。

         現在、厚労省が国会法案提出している審議する委員会について、衆参厚生労働委員会だけ答弁に参加する閣僚が1人しかいないので、分割して2人にするとするならば、閣僚が2人、委員会が2つとなって法案審議を加速できるとしています。

         もし、それが本当ならば、2001年1月6日に行った省庁再編によって、様々な法案の審議を減速せしめたといっているのと同じであり、失敗だったのでは?ということにならないでしょうか?

         失敗か否か?という評価は横に置いたとしても、プライマリーバランス黒字化を是とする財務省については、この際、人事評価制度、組織の在り方を見直すべきではないかと思っておりまして、今回の報道の行方を見守りたいと思います。

         

         

         

        〜関連記事〜

        財務省職員の人事評価制度について(増税できた人を評価するのではなく、GDPを増やした人を評価すべき)

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        IR実施法案について(外資規制をかけないことによる問題点と海外のカジノで活躍するジャンケット問題)

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          JUGEMテーマ:公共事業の経済効果

           

           今日は、2018/07/20 21:30に参議院本会議で可決されたIR実施法案について、反対理由とイメージ図に触れながら、次の3つの順で論説したいと思います。

           

           

          1.マクロ経済的の観点から集まったお金以上に収益を上げることはできない

          2.外資規制がないことの問題点

          3.ジャンケット問題

           

           

           私はIR実施法案に反対の立場でした。理由は複数ありまして、前段として下記の通り私見を述べておきます。

          ●ゲーミング事業自体は付加価値がなく、マクロ経済的に利益がない

          ●ゲーミング事業は、パチンコや競馬や宝くじと同じで分配金には課税されず税収増にも貢献しない(下図の「カジノ参加者の分配金」を参照)

          ●ゲーミング事業で仮に分配金が少ない場合は、当選金が少なくなってギャンブルの魅力を失う

          ●もし、IR実施法案を通すのであれば、外国人客に絞り込むようにするか、カジノ事業者に外資規制をかけるべきである

           

           

          <IR施設におけるゲーミング事業・ゲーミング以外事業の収益イメージ>

           

           上図で「賭場の従業員」とは、ルーレットで球を入れる人だったり、ポーカーなどでトランプを配る人などです。「ゲーミング事業以外の人件費」とは、賭場で飲み物を販売したりプレイヤーに持ってきたりする接客する人や、ホテル従業員などです。

           

           

           

          1.マクロ経済的の観点から集まったお金以上に収益を上げることはできない

           

           マクロ経済的に収益を上げられないという理由は、上図イメージをご参照の通り、掛け金以上にカジノ事業者が利益を出すことができないからです。

           

           周辺事業でホテルや会議場運営で利益を出すとしても、ゲーミング事業をメインとして集客する施設と、ディズニーランドのようなエンターテイメント施設をメインとして集客する施設で比較した場合、後者は「カジノ参加者の分配金」というのがない分、集まった客が施設内で使ったお金は、すべて事業者の収益・従業員の人件費とすることができます。

           

           事業者の収益、従業員の人件費は、法人税・所得税の増収につながりますが、分配金は宝くじの当選金等と同様に非課税です。

           

           

           

          2.外資規制がないことの問題点

           

           日本のIR実施法案は、特にカジノ事業者に外資規制をかけていないことに加えて、カジノ事業者が貸金業を併用することができます。

           

           即ち、日本人客を相手にお金を貸し込み、ゲームで負けさせてさらにお金を貸し付けるということができます。

           

           もし外国人観光客のお金を巻き上げることが主目的であるとするならば、日本人の入場は制限されるべきでしょう。

           

           したがって、カジノを日本で作るとすれば、外資規制と日本人の入場者禁止もしくは入場料を10万円など高めの設定をして敷居を高くするべきです。

           

           カジノも文化の一つという考え方として許容するという考え方もありますが、日本に来日する外国人で、カジノを目的に日本に来る人は、どれだけいるでしょうか?

           

           開業してみなければわからないとはいえ、近場ということでいえば中国人がたくさん来る可能性が十分にあり得ます。中国人はギャンブル好きで、実際にマカオのカジノでは大部分が中国人です。

           

           週刊ダイヤモンドの2018/05/18付掲載の「中国大陸客に乗っ取られたマカオ、日本のカジノも同じ轍か?」によれば、マカオの「ギャラクシーマカオ」のプレイヤーの約75%が中国大陸客であるとのこと。シンガポールや韓国のカジノも中国人が大半を占めるとのことです。

           

           何が言いたいか?といえば、外資規制をかけず海外のカジノ事業者が日本人からお金をむしり取るのか、それとも大量の中国人を来日させるのか?どっちも私の価値観では反対であるということです。

           

           外資規制をかけて日本のカジノ事業者が、カジノ事業を運営したとして、大量の中国人がゲームで負けて借金を作ったとして、取り立てることができるのでしょうか?取り立てができなければ、貸金業者の損失となります。

           

           取り立てるにしても、中国に乗り込んで取り立てるのでしょうか?

           

           外資規制をかけないのも問題ですが、かといって外資規制をかけたとしても、こうした問題があるわけです。外資規制の有無は別にしても、日本のカジノもギャンブル好きな中国人客を切り離して考えることはできないでしょう。

           

           もし、「カジノの中国化」が始まると、中国資本が参入し、飲食店に高級中華料理店、ショッピングセンターのテナントには時計や宝飾品で埋められる可能性があります。

           

           私は、日本の国土の一部が「中国人のための賭博場」になるのは嫌です。仮に外資規制をかけて日本人の中間層からお金を取るとしても、同じ成長戦略であれば、普通にインフラ整備や将来の生産性向上のための科学技術投資のほうが、よっぽど将来の子供や孫の世代に感謝される贈り物になると思うのです。

           

           

           

          3.ジャンケット問題

           

           読者の皆様は「ジャンケット」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

           

           ジャンケットというのは、カジノで大口顧客をあっせんし、ゲーム運営の委託を受ける業者のことをいいます。実際にゲーム運営をするとなれば、マネーロンダリングや反社会的勢力の関与といった問題点があります。

           

           一応、政府のIR推進本部事務局によりますと、有識者会議に提出した資料の中で、カジノ業者がゲーム運営や掛け金の貸付といった「中核的な業務」を委託する行為を禁止する方針としており、ジャンケットの活動は大幅に制限されています。

           

           しかしながら、マカオのコンサルタント会社のベン・リー氏によれば、「ジャンケットの活動が認められなければカジノの収益は大幅に下がると予想し、運営業者の投資意欲も削がれる」と分析しています。またCSLA証券のシニアリサーチアナリストのジェイ・デフィバウ氏は、大口顧客をあっせんするジャンケット禁止は織り込み済みで日本のカジノ事業の成否は、日本人の中間層の顧客獲得こそ重要だとの認識を示しています。

           

           ジャンケットがマネーロンダリングや反社会的勢力関与で問題だから、ジャンケット活動を禁止して日本人の中間層を顧客のメインとすべきという論調は、まことにゲーミング事業でいかに収益を上げるか?という答えなのでしょう。

           

           とはいえ、マクロ経済的にゲーミング事業は付加価値がありませんし、毎月の給料が増えないデフレ化では、他の消費を削減してゲーム事業にお金を費消するということになります。本当にこれが経済成長になるのか?といわれれば、「国債増刷」と「政府支出増」が行われない限り、マクロ経済的には経済成長しないということになるのです。

           

           

           

           というわけで、今日は「IR実施法案について(外資規制をかけないことによる問題点と海外のカジノで活躍するジャンケット問題)」と題して論説しました。

           猛暑が続き、熱中症で亡くなる人も多い今年の夏ですが、どう考えてもIR法案を政府が成長戦略として率先して推進するとは、プライオリティが間違っていると言わざるを得ないと思うのは私だけなのでしょうか?

           普通に小中学校に国費で冷房設置するとかやれば、経済成長に資するだけでなく、デフレ脱却の一助となり、税収も増えます。しかも熱中症で死ぬ人が増えて、本来は制帽設置は急いでやるべきことです。

           本来自然災害大国の日本において、急がれるべきでしかも冷房設置や治水・治山事業といった政策自体が経済成長できるのに、それが無視されてカジノで経済成長などと主張する人は、経済の理論を全く理解していない愚民であるとしか言いようがないと、私は思うのです。

           

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             今日は「安倍首相が表明する豪雨被災地に対する財政支援について」と題し、論説します。

             

             下記は日本経済新聞の記事です。

             

            『日本経済新聞 2018/07/11 21:26 豪雨被災地、首相が財政支援表明 死者174人に

             安倍晋三首相は11日午後、西日本を襲った記録的豪雨の被災自治体を財政面で支援するため、国から定期的に配分する普通交付税を前倒しする考えを示した。被災者の生活支援について「予備費の活用、普通交付税の前倒し(配分)など、財政措置を講じる」と述べた。視察先の岡山市で記者団に語った。

             今回の豪雨による死者は11日までに12府県で計174人となった。同日になって岡山県で安否不明者が増えるなどし、7府県で60人超の安否が依然分かっていない。懸命の捜索活動が続いているが、被害はさらに拡大する恐れが出てきた。

             首相は激甚災害の指定作業を迅速に進めると表明。「被災者が一日も早く安心して暮らせる生活を取り戻すため全力を尽くす」と話した。

             この日、首相は被害の大きかった岡山県倉敷市内の避難所になっている小学校2校を視察し、同市の真備町地区を流れる小田川の決壊現場近くの堤防で黙とう。岡山市内で伊原木隆太県知事と復旧・復興への取り組みについて意見交換した。(後略)』

             

             

             

             上記記事の通り、安倍総理は西日本を記録的豪雨が襲った被災自治体を財政面で支援すべく、普通交付税を前倒して配分する考えを示しました。

             

             被災者の生活支援について十分な予備費の活用するほか、普通交付税前倒しなど、しっかり財政措置を講じていくと述べました。今回の豪雨に対して、迅速に激甚災害指定する作業を進めていることも強調しています。もし、被災自治体が激甚災害に指定されれば、自治体の復旧事業に対する国の補助率が嵩上げされます。

             

             政府がすべきことは、大きく分けて「財政措置」と「人的措置」の2つがあると考えます。

             

             一つ目の「財政措置」からいえば、まずは予備費です。これは余っている財布があるからそれを使うということで、こういう時こそ使うべきものです。予備費に加えて、普通交付金の前倒しとなっていますが、本当に必要なのは予算執行の前倒しではなく、国債発行による十分な財政調達が大事です。

             

             市中の国債を日銀が買い取っているので不足気味になっているため、国債増刷は金融機関にとってはありがたい話です。何しろ、デフレで物・サービスを値下げしないと買われないために資金需要がないからです。

             

             財務省は国債発行を躊躇する傾向がありますが、こういう災害時こそ、国債発行がマッチする局面はありません。

             

             要するにこれだけの被害が発生しているというのは、人間の体でいえば大けがをした状態です。ここで財政措置を十分に対応しない場合は、後遺症が残って普通に活動できなくなってしまいます。逆に、迅速な治癒をしっかり行えば普通に復帰できます。

             

             だからこそ、今ここでしっかりと財政調達して、政府支出によって復旧をスピーディーに推進していかなければ、被害が長引くことになり、後々の人がずっと後遺障害に悩まされることになるでしょう。

             

             今ここで国債増刷して、政府支出によって復旧がスピーディーに行われれば、そのメリットは後世の人々全員が享受できます。

             

             そのため、この復旧復興治癒享受に対して、現代世代の人々だけが財政負担するのではなく、将来世代の人々も財政負担することになるわけですが、むしろ将来世代の人々も「国債増刷」による財源調達と「政府支出増」を望むことでしょう。なぜならば、将来世代の人々が財政負担しなかったことで、後遺障害が残っているのであれば、将来世代の人々からみた過去の治療費をちゃんと払うので、後遺障害が残らないように治癒しておいて欲しいと思うに決まっているからです。

             

             災害時に国債発行するのは、ごく普通の話なのですが、仮に「災害復興のために、国債発行することは許されない」と思っている人がいたとしたら、その人は、バカ・アホです。

             

             国債発行はこういう時こそ行うべきであるということは誰でも理解できるはずです。増税なんて言う人がいたら愚の骨頂。普通に国債増刷で問題ありません。これこそが、真に被災地を救う財政措置です。

             

             二つ目の「人的措置」は、全国から技術者、建設業者を誘導するという人の話です。

             

             今までの政治の流れをみた場合、果たして国債増刷できるのか?私には疑問があります。なぜならば、東日本大震災でも復興増税という名の増税をしました。しかも、被災者からも増税するという残酷さ。そこに気付かない家計簿発想の財政運営を是とする有識者らは、万死に値すると思うのは私だけでしょうか?

             

             ついでにいえば、公務員の給料も3年間削減しました。こうした施策は、マクロ経済的にいえば需要削減で、デフレをより深刻化させ、貧乏にしていくだけです。

             

             今回、国家運営にまともな人が携わっているのならば、普通に国債増刷して、将来のためにもしっかりと復旧復興させるでしょう。

             

             

             というわけで、今日は豪雨被災地に対する財政支援について論説しました。

             こういう災害時でもプライマリーバランス黒字化が正しいと思っている人々は、増税だったり予算の組み換えを主張します。今回安倍首相が表明した交付税の前倒しも、予算の組み換えに近い。本来であれば、国債増刷と政府支出による復旧復興の狼煙が上がってもいいのに、そうした声が出ないことに、私は大変失望しています。

             災害時こそプライマリーバランス赤字化が正しいということに気付き、少しでも早く、国債増刷と政府支出増による復旧・復興が着手されるよう祈っております。


            大阪北部地震や西日本豪雨で、復興増税することは正しいのか?

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               今日は復興増税について取り上げ、大阪北部地震や西日本豪雨で、被害を受けた地域の復興を名目に増税する可能性があるのか?復興増税の是非について、論じます。

               

               今から7年前に発生した2011年3月11日の東日本大震災では、旧民主党政権が非常に素早い対応を見せたのが、復興増税でした。この復興増税は、どういう経緯で決められたか?といえば、いわゆる災害便乗商法のようなものです。

               

               災害便乗商法とは、例えば「水道事業は民営化されるべきである!」とか「財政健全化のため増税するべきである!」などと考える一部の人々がいて、そうした人々が何らかの事件が発生したときにその事件発生に便乗してやろうとと導入する方法です。もともと事件発生前から、「財政健全化のために増税すべき!」と考える人々がいて、彼らが東日本大震災という大事件をきっかけに、いわば災害に便乗する形で復興増税を導入したのです。

               

               こうした手法をショックドクトリンといいます。

               

               先日の改正水道法案でいえば、老朽水道の話題を出して、コンセッション方式導入の議論が始まりました。大阪北部地震の発生をきっかけに、水道管の補修には「コンセッション方式を導入すべきである!」ということで、水道法改正法案が出てきたのです。

               

               東日本大震災でのショックドクトリンで導入された復興増税では、復興財源の確保を名目に、公務員給与の引き下げというのも行われました。以前に、福井県で大雪の対策費が賄えなえる予算がないから、福井県の職員の給与を引き下げるという公務員対象に増税したのを同じです。

               

               東日本大震災のとき、経済財政官僚が「復興のために増税しなければダメですよ!」と与野党国会議員を手引きしたといわれています。東日本大震災復興構想会議(第1回)議事録をみますと、驚くべきことに、第1回から復興増税を導入する方向性の意見を述べている人がいるのです。

               

               東日本大震災復興構想会議は内閣官房のホームページによれば、第1回2011年4月14日を皮切りに、最終回は第13回2011年11月10日が最終回になっています。

               

               第1回の開催日時は、2011年4月14日(木)14:00〜16:37で、議長や各委員の発言を抜粋しますと、

              ●お金に関して、財源のゆとりはない

              ●予算の組み換えを抜本的に行うことは、(大西委員の指摘の通り)どうしても必要

              ●ただし予算の組み換えだけでは不十分であるため、新たな財源が必要

              ●その財源は、(五百旗頭議長のメモの通り)国民全体でコストを負担する

              とあり、復興増税の話題が言及されています。批判も出ておりましたが、批判は出にくい雰囲気だった様子がうかがえます。何しろ増税したい人々は、増税で人を救おうとするのに「人を救いたくないのか?」と議論をすり替えて主張するのです。

               

               普通に”「国債増刷」と「積極的な財政出動」の組み合わせで東北の人々を救うべきである!”と主張する人がいればいいのですが、そうした論説は見受けられませんでした。結果、東日本大震災では復興増税が盛り込まれてしまったのです。

               

               東日本大震災に限らず、今回の大阪北部地震や西日本豪雨にしろ、福井の豪雪対策にしてもそうですが、災害対策は建設国債で対応するのが常識です。

               

               例えば10年前に大災害が発生していたとして、その災害に遭遇した人々が復興するために国債を増刷して復興財源に充当したとします。そのお金で復興できたインフラやサービスなどの便益は、その災害に遭遇した人々は言うまでもなく、その他のすべての日本国民に便益が帰属します。

               

               復興できたことで、被災者が所得を減らさずに稼ぎ続けることができたので、被災者ではない人々が提供する物・サービスを買っていただけたり、被災者ではない人々がインフラを使って自分たちの物・サービスを供給したり旅行に行けたりもします。

               

               もし、その時にお金をケチって復興がもたついてインフラを直さなければ、私たちの暮らしは悪くなります。大災害時に壊れた橋が使える、壊れた堤防がまだ使える、などなど。将来の日本人全員が、ほぼ未来永劫半永久的に、その時のインフラ復興事業の便益について得られるのです。

               

               そうしたことが理解できれば、復興のお金を負担するのは当然であり、予算の組み換えでは、その分の財源を削減する緊縮で復興が遅れます。現在のみならず、将来の日本人全員が便益を受けることが理解できれば、受益者負担の概念から考えて、国債を財源として積極的に政府支出するというのは普通の話です。

               

               露骨な増税がなかったとしても、予算の組み換えで財源をねん出した場合は、その組み換えによって縮小する事業が生み出されることになり、その不便を被るのは今の日本人です。ある意味で広義でみた場合の増税に近いです。

               

               国債増刷による財源以外の方法は、ある意味で増税と同じ不便益を生じます。プライマリーバランス黒字化を是とする発想は、とてつもない害悪を国家にもたらすのです。

               

               

               

               というわけで、今日は復興税について取り上げました。

               私はデフレ促進させ、受益者負担の概念から外れる復興増税には反対の立場です。とはいえ、大阪北部地震や西日本豪雨の復興について「国債増刷」や「政府支出増」の声が全く出ないことにも失望します。プライマリーバランス黒字化を是とする発想が、借金が増える「国債増刷」「政府支出増」を悪と誤解させるのです。

               国家の財政運営は、家計簿とは異なります。「国債増刷」「政府支出増」をセットに行えば、今の日本人、将来の日本人が復興の便益を物理的に受ける以外にも、デフレ脱却という経済的な便益も受けます。皆さんがお住まいの議員の人に、そのことをぜひ教えてあげていただきたいと、私は強く思います。


              サラリーマンの残業代には、どんな意味があるのか?(労働基準法第32条について)

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                JUGEMテーマ:労働者の声

                 

                 今日は、「サラリーマンの残業代とは、どんな意味があるのか?」と題し、論説したいと思います。

                 

                 下記は産経新聞の記事です。

                『産経新聞 2018/06/30 05:03 働き方改革法 残業代削減の還元考えよ

                安倍晋三政権が今国会の最重要法案としてきた「働き方改革関連法」が成立した。

                 長時間残業の是正や正社員と非正規社員の待遇格差の解消、高所得の一部職種を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」の創設が柱だ。

                 労働者の心身の健康を守る上で残業時間に罰則付きで上限を設ける意義は大きい。ただ、残業が減ればその分、収入は減少する。従業員に対する還元策も同時に考えるべきである。

                 働き方が多様化する中で、一部の専門職を対象に仕事の成果で賃金を支払う高プロは、労働生産性の向上に資する制度と位置づけられる。柔軟な働き方を促す選択肢としたい。

                 働き方を大きく変えるものだけに、政府は産業界への周知徹底を図り、働く現場で混乱が起きないようにしてもらいたい。

                 残業規制の導入は、日本の労働法制で初めてとなる。現在は労使で協定などを結べば事実上、青天井で残業時間を延ばせる。これを年720時間までに制限する。

                 違反すれば企業に罰金などを科す。大企業は来年4月、中小企業には2020年4月の導入だ。

                 各企業が順守するためには、業務を効率化し、無駄な残業を排する取り組みが不可欠だ。必要に応じて、労働者を増やす対策なども求められよう。

                 それ以上に、残業規制による残業代の減少への目配りは欠かせない。減少分は産業界全体で5兆円に上るという試算もある。

                 収入の目減り分をそのままにすれば日本経済に悪影響を与える。それを避けるには、浮いた人件費を従業員に再配分する仕組みが求められる。ボーナスによる還元などの制度設計を急ぐべきだ。

                 高プロは、年収1075万円以上の金融ディーラーやコンサルタントなど高度専門人材を対象とする。立憲民主党などは「過労死を招く」などと反対した。本人同意が適用の条件とされ、年104日の休日取得も義務化した。

                 国会審議を通じ、高プロの対象者となった後でも、本人の希望で元の雇用条件に戻れるようにした。現実的な修正といえよう。

                 仕事の多様化に伴い、労働時間で賃金を決める方式が合わない職種も増えている。国民の懸念を払拭しつつ、高プロに幅広い理解を得る努力が欠かせない。』

                 

                 

                 既にご承知の通りですが、「働き方改革法案」が可決されました。無駄な残業を排することを企業に促すことが目的として、産経新聞の記事に限らず、各紙が報じています。

                 

                 そもそも残業代というのはどういう位置づけなのかといいますと、経営者へのペナルティという位置づけです。

                 労働基準法第32条をみてみましょう。

                 

                <労働基準法第32条>

                1.使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。

                2.使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

                 

                 上記労働基準法第32条の通り、従業員を1日に8時間超、週40時間超の労働させてはいけないというルールがあります。ところが現実的には、お客様のニーズ・要望に応じるために、8時間超働いてもらわないと困るときがあります。だからこそ、経営者は労働基準法第32条により、残業代というペナルティを課せられるというのが趣旨です。

                 

                 では、経営者が残業代というペナルティを課せられないようにするためにはどうすべきか?といえば、生産性向上のための設備投資を行うか、「需要>供給」のインフレギャップが大きいときは供給力を補給する意味で従業員を雇用するしかありません。

                 

                 私は竹中平蔵氏に対して猛烈に批判的な論説をしておりますが、この「働き方改革」でも、竹中平蔵氏の発言には目に余るものがあります。

                 

                 竹中平蔵氏は「時間に縛られない働き方を認めるのは自然なこと」とデタラメな高プロフェッショナルの必要性を強調する一方で、「時間内に仕事を終えられない、生産性の低い人に残業代という補助金を出すのも一般論としておかしい」と述べています。

                 

                 この「時間内に仕事を終えられない生産性の低い人・・・」という言い方では、まるで生産性を向上させる義務が一方的に労働者に課せられているということになります。竹中平蔵氏の一般論とは何なんでしょうか?竹中平蔵氏は労働基準法第32条の趣旨が、経営者側に労働生産性の義務を課しているという趣旨を知らないのでしょうか?

                 

                 彼の頭の中で「一般論」の定義がどうなっているのか?私は疑問視せざるを得ません。

                 

                 一般論として言うのであれば、生産性向上とは、一人当たりGDPの成長です。GDPの成長には、従業員自身の努力(自己研鑽)も必要かもしれませんが、企業による人材投資(能力開発・育成)も必要ですし、人材投資以上に効果が大きいのは設備投資、技術投資、政府の公共投資によるインフラ整備です。

                 

                 インフラが整っていなければ、遠方への出張だけでも時間がかかります。遠方への出張が時間がかかるということで生産性向上させるためにはテレビ会議を導入したり、社外でもお客様のインフラも整っていて合意ができていればテレビ電話やスカイプを使った営業もできます。

                 

                 とはいえ、そうしたインフラ整備には高速の光ファイバー網の整備や、テレビ電話・スカイプが実施できるようにするための設備の購入が必要です。

                 

                 光ファイバー網の整備は公共事業によって行われるべきですし、テレビ電話・スカイプのためのPCなどの什器の購入は企業が設備投資によって行うべき話です。

                 

                 こうした投資のことを資本ストックと呼びます。より専門的にいえば、生産性は「資本装備率」と「TFP(Total Factor Productivity)」で決定され、生産性向上=資本装備率の増加+TFPの増加となります。

                 

                 このTFPとはGDP成長を生み出す要因の一つで、資本や労働といった量的な生産要素の増加以外の質的な成長要因のことをさし、技術進歩や生産性効率化などが該当します。一般的にTFPは、算出することができないため、GDP成長幅(変化率)から、TFP以外の要因を控除した残差を推計することで算出します。

                 

                 一方で資本装備率は中小企業庁のホームページで推移が公表されています。

                 下記は1972年〜2008年の期間の日本の資本装備率の推移です。

                 

                 上記の通り2008年までのデータしかありませんが、日本の資本装備率は、1997年の橋本政権時の構造改革基本法、1998年の消費増税後の公共事業削減などの緊縮財政が始まって以来、横ばいで推移してます。

                 

                 下記の資料は、直近2016年度までデータがありますが、「設備投資、減価償却の推移」と「全規模・全産業の資本装備率の伸び率」です。

                 

                (出典:財務省「法人企業統計」(金融業、保険業を除く)より引用)

                 

                 上記資料も1997年以降、投資額が減価償却費を下回る時期があることがわかります。逆に言えば、1997年以前は、投資額は常に減価償却費を上回っており、資本装備率の伸びが高かったことを証明しているかといえます。

                 近年こそ、設備投資は回復傾向ともみえますが、ほとんど減価償却の範囲内での更新投資に注力しており、資本ストックが伸び悩むトレンドは、1997年以降継続しているといえます。

                 

                 

                 

                 

                (出典:財務省「法人企業統計季報(金融業・保険業を除く、ソフトウェアを除く)」より引用)

                 

                 上記は、まず赤の折れ線グラフに注目していただきたいのですが、近年の資本装備率(赤の折れ線グラフ)が細かく増減を繰り返しつつも、ほとんど伸びていないことがわかるかと思います。そして、従業員数の増加(黄緑の棒グラフ)と同じ程度しか、有形固定資産(=資本ストック)(青の棒グラフ)が伸びていないこともご理解できるかと思います。

                 

                 経済産業省は、資本装備率の推移と上昇率の要因分析として、1990年代後半から資本ストックの伸びが低迷して、現在に至るまで資本ストックの伸びは低調で、足元でも低下傾向にあると分析しています。

                 上述のグラフ資料をみれば、経済産業省の分析は正しいといえるでしょう。

                 

                 1990年代後半といえば、橋本政権が財政構造改革基本法を制定し、緊縮財政が始まった年でもあります。即ち公共事業削減、医療介護費削減、消費増税3%→5%といった緊縮財政政策です。その後日本経済がデフレ化したため、企業が投資を増やさなくなったことで、労働者一人当たりの資本ストックの低迷というか企業規模によっては資本ストックが減少し、結果的に生産性が伸びていないというのが真実です。

                 

                 統計をみて数字を語れば、そういう結論になるはずなのですが、竹中平蔵氏の発言では生産性の低迷の責任を労働者に押し付けていることになります。竹中平蔵氏は「高度プロフェッショナル制度」を打ち出した産業競争力会議メンバーの一員であり、産業競争力会議のレベルもたかが知れていると思うのです。

                 

                 なぜならば、1997年以降企業が資本ストックを低迷させ、減価償却費を上回る投資をしてこなかったことは、ある意味で当たり前です。緊縮財政が原因でデフレ化したためです。デフレ環境では、物・サービスの価格を値下げしないと売れにくい環境であるため、借入を増やして投資した場合に、借入金が返済できなくなってしまう可能性があるからです。

                 

                 労働基準法第32条は、勤務時間を制限し、勤務時間を超える場合は罰則として労働者に賃金を払うというのが趣旨であり、労働規制を守らない罰則として残業代というものがあるのです。残業代を払わないようにするためには設備投資をして、一人当たりの生産性を高める努力をしなければなりません。もちろん、従業員個々の自己研鑽も必要ですが、それ以上に革新的に生産性を上げるのは、設備投資です。

                 

                 従業員の個々の自己研鑽と設備投資では、生産性向上の規模が格段に違います。農業で考えればわかりやすいと思いますが、田畑で生産性を上げる場合、耕すためのトラクターや田植え機やコンバインが使われなければ、個々の自己研鑽といえば、筋トレぐらいしかなかったでしょう。腕立て伏せやランニングなどで自己研鑽してスピーディーに田植えをして、斧や鍬を普通の人よりも早く振れるようにスーパーマンになったとしても、トラクターや田植え機やコンバインを使う方がはるかに生産性が高く、比較にならないということは、誰でも想像できるでしょう。

                 

                 産業競争力会議の人々から言わせれば、”近年の労働者の生産性が低下で問題だから「働き方改革」が必要”ということになるわけですが、それは経営者が過去の設備投資を放棄してきたという問題点を、全く把握していないデタラメな発言・論説と言わざるを得ないと思うのです。

                 

                 

                 というわけで、今日は「サラリーマンの残業代には、どんな意味があるのか?(労働基準法第32条について)」と題し、論説しました。


                消費税を引き上げれば引き上げるほど財政は悪化します!

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                   今日は消費税について述べます。5/1に報道された日本経済新聞の記事では、10%への消費増税について、家計負担が「2兆円どまり」という試算結果が出たとされる記事について、論説します。

                   

                  『2018/05/01 20:00 10%への消費税率上げ、家計負担「2兆円どまり」 日銀試算

                  日銀は、2019年10月に予定される消費税率の引き上げ前後に増える実質的な家計負担が、2兆円程度にとどまるとの分析をまとめた。1997年、14年の増税時と比べて約4分の1だ。軽減税率の導入や教育の無償化で家計の負担が軽減されるとしている。

                   19年10月は現行の8%から10%への消費税率の引き上げが予定される。2ポイント上げの負担増は5兆6000億円と試算した。一方、軽減税率(1兆円分)や教育無償化(1兆4000億円分)、年金額改定(6000億円分)など計3兆5000億円分の負担軽減措置が同じ時期に取られる。日銀は「家計の差し引きの負担増は小幅」(調査統計局)とみている。

                   5%から8%に消費税率があがった14年は、家計の実質的な負担増は8兆円だったとも算出。この時は税率の上げ幅が3ポイントと大きく、軽減措置も少なかった。3%から5%に上がった97年は、8兆5000億円。当時は、消費税以外にも所得減税の打ち切りや医療費の自己負担増額なども重なった。

                   日銀は14年の消費増税後の需要の弱さが物価低迷の一因だと分析。19年も「経済状況によって消費者心理に与える影響は大きく異なる」とし、不確実性が大きいとも指摘している。』

                   

                   

                   私は、日経新聞の記事にある日銀の試算は、正確でない可能性が高いと考えております。まず、10%になることの特別な効果、今回の試算には一切考慮されていないと思われます。8%→10%という2%上がることの効果を説明していますが、実際は消費税の精神的・心理学的インパクトについて触れられておらず、5%→8%と、8%→10%では、全く異なると言われているのです。

                   

                   どういうことか?例えば、8,270円という定価のモノを買うとき、10%だと827円と税金が瞬時に計算できます。この逆効果、心理的マイナス効果によって、買い控え行動が出る可能性が高いのですが、その影響が反映されておらず、単に2%増えた試算をしただけになっているのです。

                   

                   おそらく破壊的な結果となると考えるべきであり、影響が2.2兆円で留まるとは、到底思えません。

                   

                   日銀の試算では、消費増税8%→10%で、1年間の家計負担は5.6兆円増えるとして、軽減税率導入、教育無償化で、2.2兆円に留まるとしていますが、社会保険料の負担増は考慮されていません。いずれにしても8%よりも10%の方が計算しやすいという点で、負の効果があるとおもわれるのですが、この影響を無視し、「2.2兆円に留まる!」なんて報道されれば、「じゃぁ、増税してもイイのでは?」と世論が誘導されます。

                   

                   経済同友会の小林代表幹事は、インタビューで、日本にとって持続的な国家を構築するために、大事なのは財政再建とコメントしています。その上で、来年10月の消費増税は予定通り8%→10%に引き上げ、基礎的財政収支を2024年までに黒字化するには、消費税は14%まで引き上げなければならないともコメントを続けています。

                   

                   大変に残念なのですが、小林代表の主張は、間違っています。消費税を引き上げれば引き上げるほど、国民経済は冷え込み、消費税以外の税収が冷え込みます。引き上げれば引き上げるほど財政は悪化するのです。それを理解していない全く残念なコメントといえるでしょう。

                   

                   小林代表幹事に限りませんが、経団連の会員企業の社長や、アナリスト・エコノミスト・経済学者でもこうした論説の方々が多く、日本がデフレ脱却できないのは、彼ら言論人の責任であると私は思います。

                   

                   財政のことを考えるのであれば、税収を確保しようという発想ではなく、名目GDPをいかに増やすか?を考えるのが正しいのに、家計簿発想で考えるから、このようなコメントになってしまうのでしょう。

                   

                   下記は内閣官房参与の藤井聡氏が、分析したもので、消費増税を5%→8%にした後、名目GDPの成長率は大きく低迷していることを示した資料です。

                  (出典:内閣官房参与の藤井聡氏のフェイスブックより)

                   

                   総税収という観点でみれば、一件消費税で税収UP分、増収できたように見えますが、名目GDPの減少により、法人税、所得税が大きく落ち込んでしまうのです。名目GDPと税収は相関関係にあります。

                   

                  GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出(※)

                  ※純輸出=輸出−輸入

                  税収=名目GDP×税率

                   

                   税収を確保するために消費増税という発想が、いかに愚策か?ご理解いただけるのではないでしょうか?

                   

                   

                   というわけで、今日は消費増税10%の影響について報じた日本経済新聞の記事について、過小評価している旨、批判的に論説させていただきました。

                   

                  〜関連記事〜

                  消費税率1%UPで2.5兆円増収できるというウソ

                  消費税増税はインフレ対策です!

                  消費税増税した場合、個人消費は一時的に落ち込んでも、翌年以降V字回復するというのはウソです!

                  税収を増やすためには、名目GDPの成長が必要です!

                  インフレになっていない状況で実施された消費増税の経済へのすさまじい破壊力

                  安倍首相の経済アドバイザー 本田悦朗氏(駐スイス大使)「増税凍結が望ましい!」

                  財務省職員の人事評価制度について(増税できた人を評価するのではなく、GDPを増やした人を評価すべき)

                  「国の借金」と間違った教育を受けている岡山県の女子高生

                  プライマリーバランス黒字化を続けるとノーベル賞受賞者は出なくなります!


                  財政の骨太方針でプライマリーバランス黒字化目標を破棄できるか?(6月の財政の骨太方針に注目!)

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                    JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                     

                     GW直前とGW中、本業が多忙であったこと、チュニジアに視察・取材していたこと、が理由で記事が書けませんでした。昨日5/4にチュニジアから帰国しまして、今日は久しぶりに書きます。チュニジアの旅行記は後日掲載しますが、今日は「財政の骨太方針でプライマリーバランス黒字化目標を破棄できるか?」と題し、プライマリーバランスについて取り上げたいと思います。

                     

                     

                     

                     記事を1つ紹介します。今年の2月なので少し古い記事ですが、財務省職員って本当にマクロ経済・ミクロ経済について何ひとつ理解していない連中であることを示す記事です。

                     

                    『現代ビジネス 2018/02/10 日本の再高級官僚たちが極秘に明かした「世界でこれから起こること」米中は「価値観の競争」の時代に

                     

                     今週、外務省と財務省のトップ級高官と相次いで食事を交えて長時間、話す機会を得た。
                     オフレコ懇談なので、当然ながら相手の名前を記すことはできない。
                     だが、実に興味深い内容だったので、そのまま引用しないが概略を紹介したい。であれば、当該の高官も許してくれるはずだ。

                     まず、外務省高官から。トランプ米政権についての分析が際立っていたので、以下箇条書きする。(中略)

                     

                     次は、財務省高官の話。先に安倍首相が発表した2019年10月予定の消費増税の税収使途変更と所得税の見直しについては熱弁を振るった。以下、発言要旨。

                    (1)プライマリーバランス(基礎的財政収支)の2020年度黒字化という財政再建の達成時期を取り下げたが、安倍政権ではかなり思い切った歳出削減を進めている。
                     過去2回大きな歳出削減を実行している。橋本龍太郎政権時に梶山静六官房長官主導で成立させた財政構造改革法には数字まで書き込んだ。また小泉純一郎政権では中川秀直政調会長主導で打ち出した「骨太改革2006」で10兆円超の歳出削減案が盛り込まれた。
                    (2)安倍政権は、社会保障が占める割合は33%超の一般会計歳出のなかで、特に医療・介護制度の診療報酬と介護報酬の適正化を目指している。こうした歳出削減努力の一方で消費税率引き上げを同時に実施したのは橋本政権と安倍政権だけだ。

                    (3)金融市場関係者が注目する日銀の黒田東彦総裁の再任はほぼ間違いないと思うが、焦点の副総裁人事は雨宮正佳理事の昇格は確定的だとして、残る1人はご本人に意欲がある本田悦朗駐スイス大使(旧大蔵省出身・前内閣官房参与)の可能性が高い。
                    (4)正直言って現下の厳しい株安・円高状況考えると、日本経済の先行きに不透明感が増してきて、本当に2019年の消費増税が実施できるのかと、一抹の不安を覚える。(後略)』

                     

                     

                     上記の記事は、「インサイドライン」の編集長の歳川隆雄氏によるものです。財務省高官の話として、赤字を書かせていただいた箇所をみますと、財務省高官は「消費増税ありき!」の発想になっていることが理解できるのではないでしょうか?

                     

                     この世の中、経済政策において、常に万能な政策というのはありません。インフレであれば、消費増税も検討できる政策の一つであるといえるわけですが、日本は20年間デフレに苦しんでおり、消費増税する必要がありませんし、そもそも財政を黒字にする必要もありません。政府の財政が黒字の場合は、反対側で民間が赤字になります。

                     

                     第一に財務省高官の発言からみるところ、国力増強・安全保障強化の発想が皆無です。歳出削減を称賛し、消費増税を果たした政治家、歳出削減努力をした政治家を持ち上げていますが、こうした姿勢こそ、国力=お金と間違ったドグマに囚われていることの証左です。

                     

                     この外務省と財務省の高官との話す機会を持った歳川氏が、この発言をどういう意図で記事に書き、何を伝えたかったのか?意図は不明ですが、上記発言が事実だとすれば、財務省高官というのは、本当にヤバイと思います。日本のためになると思って間違った政策をやっているわけですから。

                     

                     言葉尻を取って、私なりにコメントしてみたいと思います。

                     

                     

                    ●安倍政権のプライマリーバランス黒字化の達成時期を取り下げたが、安倍政権が思い切った歳出削減を進めている・・・

                     

                     その分、デフレが促進します。それでもGDPが大幅にマイナスにならないのは、少子高齢化とりわけ高齢者人口の増加で、医療・介護費が増大しているからです。医療・介護費の増大=GDPの増大=経済成長です。

                     本来歳出削減しなければ、普通に経済成長してデフレ脱却できるはずが、歳出削減をしているために、医療・介護費の経済成長分を帳消しにしてしまっているのです。

                     国家の財政を、家計簿や企業経営と同じように黒字にしなければならないと考える点が間違っているということを知らないのでしょう。財務省高官って相当に頭が悪いです。

                     

                     ついでに言えば、「プライマリーバランス黒字化の達成時期を取り下げたが・・・」という時点で、プライマリーバランス黒字化があたかも目標になっています。

                     

                     政府の存在意義って何でしょうか?プライマリーバランスを黒字化することが目的でしょうか?お金をどれだけため込んでも、「お金を貯め込む」は誰の所得にも、生産にも、支出にもなっていません。所得=生産=支出でGDP3面等価の原則にある通り、「お金を貯める」=「借金を返済する」=[所得でも生産でも支出でもない」=「経済成長に貢献しない」=「国力維持増強に貢献しない」です。

                     

                     政府の目的は「経世済民」です。「世を經(おさ)め、民を濟(すく)う」が政府の目的であり、政府組織の中にお金を貯め込むことなど全く不要。いうまでもなくプライマリーバランス黒字化も、目的ではありません。プライマリーバランス黒字化を敢えて言えば、インフレを放置して国民生活が苦しい時に検討できる政策手段の一つにすぎません。

                     

                     だから「(黒字化の)達成が延期された」という時点で、財務省高官は目的と手段が混在しているか、もしくは国家の財政を家計簿と同じ発想で考えているバカ・アホとしか言いようがありません。

                     

                     

                     ●小泉政権時に中川秀直政調会長主導が打ち出した「骨太財政改革」で10兆円超の歳出削減・・・

                     

                     これも同じです。10兆円歳出削減を持ち上げていますが、デフレ期はむしろ10兆円の支出増加でなければいけません。にもかかわらず、10兆円歳出削減しているとしています。政府の目的が「経世済民」であることが理解している人であれば、10兆円削減について厳しい意見があってしかるべきですが、そもそも財務省高官の頭の中に「経世済民」を理解している人はイナイのでしょう。政府にお金を貯め込むことが目的とは言わないまでも、支出削減・借金返済が目的になっているとしか、言いようがありません。

                     

                     借金が外貨建てである場合は問題ですが、日本の国債は100%円建てです。円建てである以上、政府の負債の債権者は私たち日本国民です。

                     

                     支出削減=日本国民の所得削減=日本国民の生産の削減

                     借金減少=日本国民の資産の減少

                     

                     支出増加=日本国民の所得増加=日本国民の生産の増加

                     借金増加=日本国民の資産の増加

                     

                     財務省高官は上記が理解できていないのでは?歳川氏は単に日本の官僚のトップエリートと会談したということを自慢したいだけなのか?記事の真意は不明ですが、高官の発言に対して、批判論説がない点を考えれば、歳川氏もまたマクロ経済の理解が不足しているジャーナリストといえるでしょう。

                     

                     

                     ●安倍政権は、社会保障が占める割合は33%超の一般会計歳出のなかで、特に医療・介護制度の診療報酬と介護報酬の適正化を目指している。こうした歳出削減努力の一方で消費税率引き上げを同時に実施したのは橋本政権と安倍政権だけだ。

                     

                     診療報酬、介護報酬の適正化とは、なんでしょうか?適正化という曖昧な言葉を使い、結局支出削減を推進しているのです。その証拠に、歳出削減努力という言葉を使い、消費増税引上げと同時実施した内閣は橋本龍太郎政権と安倍晋三政権の2内閣だけと持ち上げています。

                     

                     消費増税は需要削減ですし、医療介護報酬の削減もまた需要削減です。バブル崩壊で個人も企業も借金返済、預金内部留保を増やすという環境の中で、政府自体が医療介護報酬削減し、さらに民間消費を冷え込ませる消費増税をやったからこそ、日本は長期に渡って深刻なデフレが継続しているのです。

                     

                     GDPが500兆円で横這いになっているのは、辛うじて高齢化によって医療介護費が増大しているからです。需要が増大している介護医療費の増加を抑制し、消費増税をやっているというのは、デフレ環境においては全くの落第点なのですが、財務省高官は2内閣を持ち上げているのです。

                     

                     

                     ●正直言って現下の厳しい株安・円高状況考えると、日本経済の先行きに不透明感が増してきて、本当に2019年の消費増税が実施できるのかと、一抹の不安を覚える。

                     

                     このフレーズも変です。日本はデフレであるがゆえに、消費増税は凍結もしくは減税してもいい。経世済民が目的である以上、消費増税も消費減税も政策の一手段に過ぎません。なのに、この高官の発言は、2019年の消費増税がさも当たり前で、株安・円高状況を考えると消費増税ができる環境なのか?一抹の不安を覚えるということで、「消費増税できないのでは?という不安に思う」という時点で、消費増税することが目的になっていると思われます。

                     

                     2018年2月の株安とは、仮想通貨暴落などの要因で株安だったわけですが、もし株高だったら消費増税するのか?と言いたい。おそらく、デフレ・インフレというのがどういうことなのか?マクロ経済を知らないことの証左と言えます。

                     

                     

                     上述の通り、コメントをさせていただきました。財務省高官って本当に頭が悪いと思います。と同時に、エリート中のエリートと会談できたことを自慢したかったのか?批判的論説がない歳川氏というジャーナリストも同様です。

                     

                     

                     その一方で、「経世済民」を理解している国会議員もいます。下記は日本経済新聞と京都新聞の記事です。

                     

                    『日本経済新聞 2018/05/02 消費増税「凍結を」自民若手 黒字目標撤回も、政府に提言へ

                    自民党の若手議員のグループが来年10月の消費増税凍結や基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)黒字化目標の撤回を求める提言をまとめた。「デフレから完全に脱却できなければ自民党政権の信任に関わる」として財政出動の拡大を訴えた。今月中旬にも政府と党執行部に申し入れ6月にまとめる経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に反映を求める。(後略)』

                     

                    『京都新聞 2018/05/01 自民若手「消費税増税凍結を」 官邸や党に提言へ

                    自民党の若手議員による「日本の未来を考える勉強会」は1日、デフレからの完全脱却に向けた経済政策として、消費税の10%への増税凍結などを求める提言を明らかにした。大型連休後に首相官邸や党に提出し、政策への反映を目指す。
                    提言ではアベノミクスで名目GDP(国内総生産)が増加したものの、2014年の消費税増税で消費が縮小して「再デフレ化に直面している」と分析。「この状況のままでは自民党政権の信任にも関わると危惧(きぐ)される」と指摘する。
                    19年10月に予定される10%への増税については「かえって税収を縮小させ、財政を悪化させるリスクが大きい」と強調し、「減税を視野に、最低でも増税凍結が必要」と盛り込んだ。また基礎的財政収支の黒字化目標は大規模な財政出動を妨げているとして撤回を求めている。

                    勉強会は同党の安藤裕衆院議員(京都6区)が呼び掛けて主宰し、当選3回までの衆院議員と当選1回の参院議員が参加している。』

                     

                     政治家といえば、当選回数が多い議員が著名で実力があると思われるでしょう。重鎮議員と比べて当選回数が多くない自民党の若手議員が政府に消費税の凍結もしくは減税を提言するという記事です。

                     

                     この記事でも気になる点があります。アベノミクスで名目GDPが増加したというのは正しくありません。アベノミクスに関係なく、高齢化の進行によって医療・介護のGDPが勝手に増大しているという点です。むしろ増大している医療介護費を削減して伸び率を抑制しようとしている点で、アベノミクスのおかげでGDPが増加したという表現は、正確な表現とは言えないと考えます。

                     また、2016年12月にはGDPの統計方法について研究開発費を含むという改定を行っています。そのため、アベノミクスでGDPが増えたというのは、少なくても2014年以降は正しくないです。

                     なぜ2014年以降という言い方をしたか?2013年度は逆にアベノミクスのおかげで名目GDPで1.9%プラス成長し、税収は6.9%増えました。これは、金融緩和と国土強靭化による財政支出増をしたことが原因です。

                     

                     少なくても2013年度に限ってはアベノミクスのおかげで名目GDPが増えて税収が増えたということだけは事実です。

                     

                     少し話を戻しまして、経済学者や政治家や財務省官僚など、消費増税すべきという人は多い。私は何が何でも消費税に反対しているわけではありません。消費税はインフレ対策であるため、例えば物価上昇率7%くらいがずっと続くというのであれば、消費増税も選択肢の一つとして視野に入れられるという程度のものです。

                     

                     ところが先に挙げた人々は、財政規律、即ち「財政の改善」のために消費増税が必要と論じます。もし、真の財政改善を考えるのであれば、消費増税は採用すべきではない施策です。理由は消費増税を行うとGDPが伸び悩み、却って税収が縮小していくことになるからです。

                     

                     その税収減の傾向は、さらに続く可能性があります。消費税による税収増があっても、それを上回って法人税、所得税が減少します。理由は「消費が減る→企業の売上高が減少する→給料が減少する→消費が減る」という負のスパイラルが少しずつ進行していくからです。

                     

                     財務省は2017年6月頃、2016年度の税収が7年ぶりに前年度を下回ったと発表しましたと毎日新聞などが報じています。

                     

                     このときの財務省が理由として挙げた要因は下記の通りです。

                    )/誉埜詐の理由として、2016年度前半に円高が進行して企業業績に陰りが出た。特にイギリスのEU離脱などの影響で、円高になったため、企業の輸出が減った。

                    ⊇蠧誓埜詐の理由として、株価が伸び悩んで譲渡所得が減った。

                     

                     イギリス向けの輸出にしろ、株価の譲渡所得にしろ、税収が減収した理由としては、大した割合ではありません。イギリス向けの日本の輸出がGDPに占める割合は1%未満。所得税に占める株式譲渡所得の割合は5%程度。

                     

                     一方で個人消費は日本のGDPの6割で300兆円にものぼります。年間消費支出額は下記の図の通り、3%もマイナスしています。GDPのうち6割を占める個人消費で3%のマイナスというのは、当然税収の減収要素として一番に挙げられるべきことです。

                     

                    (出典:総務省の統計データを元に作成)

                     

                     

                     消費増税が目的になっている財務省からみれば、消費増税の結果、消費が落ち込んで税収が減収したという事実は、絶対に知られたくないことでしょう。

                     だからこそ、株安や円高やGDPに占める割合が1%も満たないイギリスへの輸出減少を理由にし、事実を隠ぺいしていると私は考えます。森友学園における偽装公文書作成と同じ。財務省という組織は、佐川長官の偽装公文書作成や、福田事務次官自身のセクハラ事実隠蔽など、都合の悪いことは公表せずコンプライアンスを犯しても隠ぺいするという体質であるという疑義が極めて濃厚であると考えます。

                     

                     

                     

                     というわけで、「財政の骨太方針でプライマリーバランス黒字化目標を破棄できるか?(6月の財政の骨太方針に注目!)」と題し、論説しました。僭越ながら、自民党の若手議員の方は、よく勉強されていると思います。

                     私も彼らに託し、ぜひとも今年の財政の骨太方針で、プライマリーバランス黒字化を破棄していただきたい。その上で、プライマリーバランスを赤字にすることを目標にすること。そのためには国債増刷と財政出動の組み合わせによって、再び日本を経済成長の軌道に乗せること、これが日本にとっての最善策であると考えるからです。

                     私は、周りで日本の株式投資をやっている方に対して、プライマリーバランス黒字化が破棄されない場合は、悲惨なデフレに突入することから、内需関連を中心に株式保有を減らした方がいい旨を話していますが、GW中に消費税凍結もしくは減税を自民党若手議員が内閣府に提起というニュースをみて、株式保有を減らすのは早いと思いました。

                     中長期的な株式相場環境にも大きく影響を与えますので、株式投資をやっている皆様におかれましても、こうした環境・動きに注視していただければと思います。

                     

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                    TPPもFTAでもなく日本の内需拡大政策こそ、貿易不均衡是正の最大の経済政策です!

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                      JUGEMテーマ:安全保障

                       

                       今日は、「TPPもFTAでもなく日本の内需拡大政策こそ、貿易不均衡是正の最大の経済政策です!」と題し、日米首脳会談について意見します。

                       

                       下記は読売新聞の記事です。

                      『読売新聞 2018/04/18 11:56 米朝会談で「拉致」提起、首相にトランプ氏約束

                      【パームビーチ(米フロリダ州)=海谷道隆、田島大志】安倍首相とトランプ米大統領による日米首脳会談が17日(日本時間18日)、行われた。

                       両首脳は対北朝鮮で連携を確認、トランプ氏は首相に対し、6月初旬までに開催予定の米朝首脳会談での日本人拉致問題の提起を約束した。トランプ氏は米朝が極めて高いレベルで協議していることを明らかにし、休戦状態にある朝鮮戦争の「終戦」にも意欲を示した。

                       日米両首脳の会談は6回目で、昨年2月と同じく米南部フロリダ州パームビーチにあるトランプ氏の別荘「マール・ア・ラーゴ」で行われた。通訳だけを交えて約55分話し合った後、日本側から西村康稔官房副長官、谷内正太郎国家安全保障局長、杉山晋輔駐米大使ら、米側からサリバン国務長官代行、ケリー大統領首席補佐官、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)らが加わり少人数会合を約1時間10分行った。(後略)』

                       

                       上記記事の通り、安倍首相がトランプ大統領と会談し、北朝鮮の核弾道ミサイルについて、完全検証可能なかつ不可逆的な廃棄を目指し、最大限の圧力を維持していくことを確認したとの記事です。

                       

                       トランプ大統領は、韓国と北朝鮮が朝鮮戦争の終戦について議論することについて、賛同している模様です。ご存知の通り、現在韓国と北朝鮮は休戦中ですが、終戦の議論をする時が来たと述べ、休戦状態の朝鮮戦争の終戦実現に意欲を示しているとのこと。トランプ大統領は日本人拉致問題を取り上げることを約束し、核ミサイル問題を含めて、日本のためになる最善のベストを尽くすと強調しています。

                       

                       日本は米国と100%行動を共にする旨を、安倍総理の口から何度も言ってきたわけですが、それが確認されたといえます。100%行動を共にするんだという言質があるからこそ、これを解決すると公言している米国側も、当然こういう発言をすることを追い込まれ、日本人拉致問題を取り上げていると考えられます。

                       

                       いわば拉致問題を人質にとり、100%米国と行動を共にするという構造があって、今回それが確認されたというわけです。

                       

                       一方、米国の北朝鮮に対する態度、交渉のプロセスというのは、この会談を経ていようがいなかろうが、それほど変わらないという見方もあります。

                       

                       日米首脳会談は、経済通商分野も議論になっており、対日貿易赤字の削減を求めるトランプ大統領に対して、安倍総理はTPPへの復帰を促したとみられます。

                       

                       ただトランプ大統領は会談の後、ツイッターで日本はTPP復帰を望んでいるが、自分は米国にとって好ましくないと思っていると述べ、二国間協定(FTA)の方が効率的で有益だと述べています。

                       

                       もともと米国は何十年にもわたり、二国間協定の締結を訴え続けてきたのですが、日本側が国益の観点からこれを拒否し続けてきた経緯があります。ところが米国は相変わらずFTA締結を訴えているのです。

                       

                       今回の日米首脳会談で、公表されているか否か?不明ですが、日米FTA締結の要望の圧力が、北朝鮮問題と絡められ、例えばFTAを締結しないならば、北朝鮮問題について協力しないと言われた場合、即ちバーターにされた場合、日本政府としてこれをしのぐことができるのか?ということが問われます。

                       

                       日本政府としては、貿易問題は貿易問題、軍事問題は軍事問題、地政学問題は地政学問題、安全保障問題は安全保障問題として、北朝鮮問題と絡められないように貫く努力をすべきですが、貫けない場合にFTAを締結せざるを得ないという最悪の事態が起こるかもしれません。

                       

                       そうならないように、安倍総理には日本の国益を守る交渉をしていただきたいと思います。具体的に言えば、FTAやTPPといった関税障壁を失くす貿易自由化ではなく、日本国内の内需拡大を通して、自然に自動的に日本人が米国製品を買う量が増え、その結果、自然と対日貿易赤字を解消していくというシナリオがベストです。

                       

                       即ち、内需拡大のための財政出動を約束することこそ、トランプ大統領への最高のプレゼントといえるでしょう。そのためには金額ベースで、10兆円〜20兆円規模の財政拡大を宣言するのが、トランプ大統領へのお土産として最高なのです。

                       

                       

                       というわけで、今日は日米首脳会談を取り上げ、安全保障問題と通商問題を絡めてくるトランプ大統領に対して、日本はどう立ち回るべきか?という観点で論説しました。

                       内需拡大をすれば、おのずと輸入が増えます。消費増税をした場合、日本製品の買う量が減るのは言うまでもありませんが、米国製品を買う量も減ります。日米同盟が安定したものとするには、通商問題をないがしろにするわけにはいかず、だからといって二国間協定(FTA)を締結するのでは、日本の供給力を毀損して国力を弱体化させるだけです。

                       供給力を維持して国力強化をさせ、デフレ脱却を急ぎ、そして日米貿易不均衡を是正するためにも、財政出動を望みます。財務省の「財政出動は経済効果がない!」というウソ・デタラメに対しては、安倍首相・総理官邸ともども、正論で論破していただきたいと思います。私たち日本国民も経済について理解を深め、後押ししていく必要があるものと思うのです。

                       

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                      大阪府が凋落したのは大阪維新の会の緊縮財政が原因です!(大阪府の県内総生産が愛知県に抜かれた理由とは?)

                      0

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                         今日は大阪府が愛知県に県内総生産(国家でいうGDP)で抜かれて3位になったことについて論説します。

                         

                         下記は朝日新聞の記事です。

                        『朝日新聞 2018年3月12日 10:27 都道府県版GDP、大阪は3位に転落 愛知に抜かれる

                         国内総生産(GDP)の都道府県版「県内総生産」で、東京都に次いで全国2位を維持してきた大阪府が初めて愛知県に抜かれた。GDPの算出基準が変わった影響が大きいという。

                         大阪府が9日に発表した2015年度の府内総生産は39兆1069億円。前年度比2・4%増だが、愛知県の県内総生産39兆5593億円と比べると、約4500億円下回った。

                         内閣府によると、今回の15年度の発表分から県内総生産の算出基準が国際基準に合わせて改定され、新たに企業の研究開発費用などが算入された。このため、トヨタ自動車をはじめ、製造業が盛んな愛知の数値が大幅に伸びたとみられる。

                         大阪府によると、統計を取り始めた1950年度以降、大阪は東京に次ぐ2位の座を守ってきた。府幹部は「ショッキングだ。大企業が中心の愛知と、中小企業が多い大阪の違いが出てしまった」と語った。

                         新基準でさかのぼると、愛知は07年度には大阪を上回っていた。リーマン・ショックで製造業が低迷した08〜12年度は大阪が2位に戻ったが、13年度からは愛知が2位を維持していた。』

                         

                        <都府県別総生産の比較>

                        (出典:内閣府ホームページの県民経済計算から数値を引用)

                         

                         今日はこの記事を取り上げ、「大阪府が凋落したのは大阪維新の会の緊縮財政が原因です!(大阪府の県内総生産が愛知県に抜かれた理由とは?)」と題し、以下の順で論説します。

                         

                        1.県内総生産で大阪府が2位に転落したという歴史的な転換を迎えた日本

                        2.大阪府が愛知県に抜かれた真因は?

                        3.激しい緊縮財政をして却って財政を悪化させた大阪府に対して愛知県は何していたか?

                         

                         

                         

                        1.県内総生産で大阪府が2位に転落したという歴史的な転換を迎えた日本

                         

                         さきほどの記事の通り、大阪府が愛知県に抜かれて県内総生産で3位に転落しました。大阪府が2018/04/10月曜日に発表した2015年度の大阪府の府内総生産は、39兆1069億円で前年比2.4%増だったのですが、愛知県の県内総生産は、39兆5,593億円とくらべて、4,500億円下回ったと報じられています。

                         

                         内閣府によれば、理由は2015年度発表分から県内総生産の算出基準が国際基準に合わせて改訂され、企業の研究開発費用などが算入されたためとしています。

                         

                         もともと日本国全体のGDPについても2016年12月に算出基準が改定され、研究開発費が含められるようになりました。この改定自体は、私は賛成の立場です。何しろGDPは、物・サービスとお金が交換されていれば、生産=支出=所得となるため、GDPに入れて何ら問題がないことです。内閣府は県内総生産についても2015年度発表分から研究開発費を含めて算出することにしたとしています。

                         

                         こうした改定という計算上の理由があるとはいえ、大阪府が3位に転落したのか?愛知県が2位に浮上したのか?どう考えるべきでしょうか?この問題を理解するうえでは、大阪が3位に転落したということ自体が、日本において歴史的に重大な転換であると考えるべきです。

                         

                         なぜならば、東京と大阪は日本における2トップで、いわば東京都は東の横綱、大阪府は西の横綱です。その大阪府が横綱から転落してしまったということだからです。西日本全体を背負っていた大阪府が3位に転落したということは、西日本全体が凋落していったということを意味します。

                         

                         明治時代、大阪は商都といわれていました。いわば商売の中心地はずっと大阪だったのです。戦後、数十年でダメになってきて、特にこの10年で加速度的に凋落していったと理解すべきです。

                         

                         読者の皆さんの中には、数字の算出基準が変わったから、名古屋が数字上2位になっただけで、大阪が3位に落ちたわけではないという意見もあるかもしれませんが、私は違うと思います。

                         

                         グラフを見ればお分かりの通り、東京都と大阪府では県内総生産で2.5倍前後の2倍以上の開きがあります。もともとは商都だったのにもかかわらず、大阪は凋落を続けてきました。これは大阪府が努力をしてこなかったということではなく、東京都が首都でインフラ整備が進んだからです。

                         

                         高速鉄道をみれば明々白々で、東京都は東海道山陽新幹線、東北山形秋田北海道新幹線、上越新幹線、北陸長野新幹線の発着駅ですが、大阪府は九州新幹線の発着駅ではあるものの、東海道山陽新幹線では単なる通過駅に過ぎません。

                         

                         結果、算出基準が変わったら愛知県に抜かれてしまう程度にまで、大阪府がダメになったといえます。例えば算出基準が変わったからといって、鳥取県が2位に浮上することはあり得ません。

                         

                         だから大阪府がダメになったというのが真実であり、算出基準が変わろうが、2位になっていなければならないのに、ダメになったということです。

                         

                         大阪府の幹部は、愛知県は大企業が多く、大阪府は中小企業が多いため、違いが出たとコメントしていますが、もともと大阪府は大企業が多かったのです。東京よりも大阪の方が一部上場企業が多く、関西経済連合会の方が、全国組織の経団連よりも発言力が強かったとされています。

                         

                         例えば、シャープがありましたが、シャープは身売りされてしまいました。いろんな企業が大阪にあって、大阪の方が商いの中心だったのですが、そうではなくなってしまったと理解すべきです。

                         

                         

                         

                        2.大阪府が愛知県に抜かれた真因は?

                         

                         では、なぜ大阪府が県内総生産で愛知県に抜かれてしまったのでしょうか?

                         

                         その理由は、日本維新の会の政治に本質的な問題があると考えます。

                         

                         大阪維新の会の橋下徹氏が大阪府知事になってから、この10年間でダメになっていったのです。もともと凋落傾向にあった大阪が、橋下徹氏が大阪府知事になってからの10年間で特にダメになっていきました。

                         

                         要は日本維新の会の政策に問題があったのです。

                         

                         その問題とは何でしょうか?日本維新の会の政策のどこに問題があるのか?それは、徹底的な緊縮財政を推進する政党であるということです。日本維新の会は、改革が必要だとして、政府の公共事業を忌み嫌う風潮があります。

                         

                         日本政府自体も財務省職員のアホなプライマリーバランス黒字化目標で緊縮財政になっていますが、大阪府の緊縮財政は特に激しくヒドイ緊縮です。

                         

                         日本維新の会は、大阪府の財政についてプライマリーバランスを改善するため、負債の発行額を減らすことを徹底してきました。

                         

                         具体的にやってきた主なものは下記の通りです。

                        ●地震関連11事業を6割カット

                        ●密集住宅市外地整備補助金を大幅削減

                        ●教育関連費を大幅削減

                        ●福祉・医療関係費の大幅カット

                        ●環境農林水産総合研究所・産業技術総合研究所を独立行政法人化

                        ●中小企業対策費を削減

                        ●農業費を削減

                        ●水産業費を削減

                         

                         橋下徹氏が大阪府知事選で公約した一つに、新規に負債を発行しないということを掲げていました。上記の徹底した緊縮財政をやった結果、税収が減り、結果的に新発府債を増発せざるを得なくなってしまうくらい財政が悪化したのです。

                         

                         橋下徹氏が大阪市長になって、松井大阪府知事になっても同様です。とにかく改革が必要だ!と称して、切り詰める緊縮財政を徹底します。切り詰めをやって政府の事業を削減することと並行して、自由市場を作って経済を活性化させるということをやってきました。

                         

                         そもそも「自由市場を作れば経済が活性化するという件(くだり)」について、皆さんはどう思われるでしょうか?これは明確にウソ話です。自由市場にすればするほど、価格競争に晒され、デフレ圧力が高まります。

                         

                         このウソ話は、日本維新の会が信じているというわけではありません。世の中、小泉政権も安倍政権も民主党も立憲民進党も共産党も、とにかく改革という革命的なことをやれば、日本は変わるんだ!としてやってきました。

                         

                         そして、このウソ話を最も急進的にやってきたのが、大阪維新の会であり、大阪府民・大阪市民は、その犠牲者になってしまったといえるでしょう。

                         

                         

                         

                        3.激しい緊縮財政をして却って財政を悪化させた大阪府に対して愛知県は何していたか?

                         

                         大阪維新の会が緊縮財政で却って財政悪化して凋落ぶりが加速度を増していたとき、愛知県はどうしていたのでしょうか?

                         

                         名古屋市長の河村たかし氏は、減税をやっていました。もちろん、河村市長の減税だけで愛知県が浮上したとは言いません。トヨタ自動車がグローバル経営で強くなったという一面もあるでしょう。

                         

                         とはいえ、大阪維新の会がやっていたような猛烈過激な緊縮財政は、愛知県内ではやりませんでした。大阪府に象徴される過激な緊縮財政をやらなかっただけで、それをやってきた大阪府とで、差が縮まり、ついに逆転してしまったということなのです。

                         

                         もともと地盤沈下していた大阪に、過激な緊縮財政によって大阪の経済が凋落し、徹底的に地盤沈下の速度が速くなって、あろうことか、愛知県に抜かれてしまったというのが、今回の事象であることを理解するべきです。

                         

                         にもかかわらず、懲りずに日本維新の会は、大阪都構想について賛否を問う住民投票を、今年の9月か10月にやるといっています。これが大阪府民にとって、大阪市民にとって、プラスか?マイナスか?といえば、明確にマイナスです。

                         

                         大阪都構想とは、東京都のようになるようなイメージで語られることが多くて、私もうんざりするのですが、実体は最強の権限を持つ政令指定都市という権限を捨てて、権限のない特別区に移行するというものです。

                         

                         大阪市政は政令指定都市であるということ自体が最大の権限です。その権限があればこそ、政令指定都市は発展してきました。神奈川県の横浜市然り、川崎市然り、北海道の札幌市然りです。

                         

                         地方自治法第252条19項で規定する政令指定都市は、特別区よりも権限が多い。だからこそ、自治体が大きくなれるのです。東京が弱小権限の23区でも発展できたのは、単に首都であるということでインフラ整備が大阪よりも格段に進んでいるからであり、都区制度があって豊かになっているわけではないことを理解すべきです。

                         

                         そのため、大阪市が政令指定都市という強力な権限を捨ててしまい、特別区になったとすれば、目も当てられないくらいもっと激しいスピードで凋落していくことになるでしょう。

                         

                         愛知県は、大阪維新の会に代表されるような緊縮財政をやらなかったから、緊縮財政を激しくやってきた大阪が凋落したということが、ご理解いただけたのではないでしょうか?

                         

                         

                         というわけで、今日は「大阪府が凋落したのは日本維新の会の緊縮財政が原因です!(大阪府の県内総生産が愛知県に抜かれた理由とは?)」と題して論説しました。歴史的に愛知県には、江戸時代に尾張藩主で、徳川宗春という人物がいました。時は徳川吉宗が享保の改革で緊縮財政を推進し、極度のデフレ経済となって、物価下落と増税による庶民の困窮と貧富の格差拡大と人口増加のストップという、現在の日本と同じような状況に陥っていたところ、徳川宗春は財政出動によって、尾張経済を立て直した人物とされています。

                         徳川吉宗が緊縮を好み、徳川宗春は財政出動を推進する。まさに大阪府と愛知県がやってきた経済政策は、江戸時代でも見られた事象と同じです。

                         緊縮財政を是とするのは、家計や企業経営ではいいでしょうが、政府までもが緊縮してしまうと、合成の誤謬で却ってダメになるのです。このことを徳川宗春という人物が証明しているといえます。同じように愛知県政、名古屋市政、いずれも大阪維新の会が好む改革や緊縮財政をやってこなかったからこそ、大阪府の凋落ほど、愛知県は凋落しなかったと理解すべきなのです。

                         

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                           今日は「安倍首相の大阪都構想についての否定的な発言について」と題し、大阪都構想について意見します。

                           

                          下記は、産経新聞の記事です。

                          『産経新聞 2018/04/14 01:46 安倍首相が大阪都構想に否定的 住民投票「しょっちゅうやるものとは違う」

                          自民党総裁の安倍晋三首相は13日夜、自民党大阪府連の幹部らと大阪市内で会食し、大阪市を廃止して4つの自治体(特別区)を置く「大阪都構想」に否定的な見解を示した。出席した府連幹部が明らかにした。

                           府連の左藤章会長(衆院議員)や朝倉秀実幹事長(大阪府議)によると、府や大阪市の両議員団の幹事長が、都構想の制度設計を議論する法定協議会の状況を首相に説明。首相は「住民投票はしょっちゅうやるものとは違いますね」などと述べたという。

                           都構想は、日本維新の会の松井一郎代表(大阪府知事)が推進。松井知事と首相は2025年国際博覧会(万博)の大阪誘致などで連携しているが、首相は維新の応援についても否定的に語ったという。松井氏は記者団に「(府連への)リップサービスが過ぎるかなと思う」と話した。』

                           

                           安倍首相が大阪都構想を標榜する維新の応援について否定的に語ったという記事です。私は大阪都構想については全く反対の立場です。私も当初は、大阪都構想の問題点について理解しておりませんでしたが、内閣官房参与の藤井聡氏と、奈良女子大学の中山徹教授の論説を目にして、明確に反対の立場となりました。

                           

                           日本維新の会は、「大阪都構想」を実現するか否か?「住民投票」で行うとしています。この住民投票の対象者は、現在の「大阪市市民」が対象となります。大阪市民は、賛成・反対のどちらに票を投じるべきなのか?について、藤井聡氏が挙げている7つの事実をご紹介いたします。

                           

                          <事実1>住民投票で賛成多数となった場合でも「大阪都」にはならない

                          <事実2>日本維新の会が主張する「都構想」とやらは「大阪市を解体して5つの特別区に分割する」ことを意味する

                          <事実3>年間2200億円の大阪市民の税金が市外に「流出」する

                          <事実4>流出した2200億円の多くは、大阪市外に使われる

                          <事実5>特別区の人口比について東京が70%であるのに比べて大阪は30%である

                          <事実6>東京23区の人々は、「東京市」がないために損をしてる

                          <事実7>東京が反映しているのは「都」という仕組みではなく、「一極集中」の賜物である

                           

                           

                           上記は、藤井聡氏が挙げた大阪都構想に関する「7つの事実」です。

                           

                           なぜ、大阪市は疲弊していて、東京23区は豊かなのか?といえば、理由は行政の仕組みの問題ではなく、そもそも経済規模が全く違うからというのが理由です。

                           

                          <東京都・大阪府・愛知県の都府県別GDP>

                          (出典:内閣府ホームページの県民経済計算から数値を引用)

                           

                           

                           上記は、都道府県別の名目GDPの上位3都府県である東京都、大阪府、愛知県の名目GDPの数値を2013年度から2015年度までグラフ化したものです。2015年度の数値から、研究開発費を含めたことで、大阪府は愛知県に抜かれて3位になりました。愛知県はトヨタ自動車をはじめ、製造業が盛んで研究開発費が多いため、算出基準改定によって愛知県に抜かれてしまったのです。

                           

                           数値を見れば、一目瞭然ですが、トヨタ自動車を中心とした製造業がある愛知県と大阪府が39兆円の水準で、トップの東京は100兆円を超えています。その差は2.5倍程度はあります。

                           

                           さらに東京23区と大阪市で比較した場合、大阪市については大阪市役所のホームページで公表されている数値で、2015年度は19.4兆円です。東京23区は公表されている数値がないのですが、三多摩よりも圧倒的に23区内に集中していると想定して104兆円のうち80兆円程度と見た場合で、その差は4倍です。

                           

                           20兆円と80兆円もの差がある大阪市と東京23区では、経済規模が4倍もの巨大な格差があります。これは首都東京にあらゆるものが一極集中していることを示しており、これが東京23区の豊かさの理由であるといえます。

                           

                           この豊かさは「東京都と23の特別区」という制度によってもたらされたものではなく、「首都」という特殊事情によるインフラ整備がもたらしたものです。さらにいえば、その豊かさは「東京市」という地方自治法第252条19項に定める政令指定都市の保護システムがないことで、自主財源が流出して23区民が損をしたとしても余りあるほどの豊かさだったということなのです。東京23区は、政令指定都市ではないため、固定資産税などの市町村税を徴収しても、いったん東京都に上納されてしまい、財源が自由に使えないという意味で、保護されていません。

                           

                           大阪市は、東京23区とは比較できないくらい少ない人口と小さい経済規模です。その結果、23区とは比べものにならないくらいの少ない自主財源しかもっていません。しかしながら地方自治法第252条19項に定める政令指定都市であるため、市町村が徴収する税金について大阪府に上納することなく、大阪市が大阪市民のために使うことが可能です。

                           

                           もし、大阪市を解体して特別区にした場合、この保護システムがなくなってしまい、東京23区と同様に大阪市が徴収する税金を大阪市民のために使えなくなってしまうのです。その結果、何が起こるか?といえば、大阪市の自主財源が流出することで、大阪市がさらに疲弊していくということが決定的です。

                           

                           安倍首相がこのことをわかって否定的なコメントしたか?どうか?はともかくとして、日本維新の会が推し進める大阪都構想を否定したということは、大阪市民にとっても、大阪府にとっても、決して悪いことではありません。むしろいいことです。

                           

                           そもそも、大阪都構想の住民投票とは、法律的に定められる協定書に対して賛否を問うものです。しかしながら、協定書には「大阪都」という言葉は一回も出てきません。表記される言葉は「大阪府」だけです。

                           

                           なぜならば、今の法律では東京都以外の道府県を「都」に名称変更することは定められていないからです。そのため、仮に住民投票でこの協定書が認められたとしても、「大阪都」になることはありません。大阪府は大阪府のままです。

                           

                           要は日本維新の会が推し進める「大阪都構想」とは、大阪市を解体して5つの特別区(2014年度7月の協定書における区割り案では東区、北区、湾岸区、中央区、南区)に分割するということなのです。

                           

                          <参考:2014年7月の協定書における区割り案>

                          (出典:ウィキペディアから引用)

                           

                           上述の通り、「大阪都構想」とは、大阪市を解体することを意味するわけですが、地方自治体法第252条19項に定める政令指定都市の中でも、大阪府はトップランクの権限を持っている政令指定都市です。なぜトップランクの権限なのかといえば、市町村が徴税する財源を使って、強力な都市計画を推し進める力を持っている自治体だからです。この強力に推し進める力こそが、大阪が関西・西日本の中心として発展してきた決定的な理由です。

                           

                           大阪の中心である大阪市に強力な権限を与え、キタやミナミなどに集中投資を行い、これを基盤に発展してきたというのが大阪という街であって、関西の活力の源泉だったと言えます。

                           

                           もし、「大阪都構想」が実現したとして、大阪市を分割された後の特別区5区には、この強力な権限はありません。その結果、大阪市が集めた税金は、大阪市外に流出することになるのです。

                           

                           また東京都が23区の人口比が7割であるのに対し、大阪市は大阪府の人口比は3割程度にしか過ぎません。その結果、東京都知事のように特別区23区の住民の意向に手厚く配慮しながら行政を進めることは難しい。大阪府内でいえば、大阪市民は3割程度なわけですから、たった3割の大阪府民のために、残りの7割の大阪市民への配慮を無視して、大阪市を手厚く行政を進めていくというのは困難であると言えるでしょう。

                           

                           何が言いたいかと言えば、議会における数の論理からみて、東京都のように特別区を重視した行政はできないということです。

                           

                           

                           というわけで、今日は安倍首相が大阪都構想について否定的な発言をしたことについて、産経新聞の記事を紹介させていただき、大阪都構想の問題点を述べさせていただきました。大阪市が発展していくためには、東京都並みにインフラ整備をする必要があります。例えば、現在進行している北陸新幹線を新大阪まで延伸することや、リニア中央新幹線を関西国際空港まで延伸することに加え、山陰新幹線、四国新幹線、紀伊新幹線など、東京駅のように大阪駅に複数の新幹線の発着駅とすることが必要であると考えます。

                           そうした場合、現在進行している新幹線整備計画は、緊縮財政であまりにも時間が遅すぎ。本来であれば国債を増刷し、国は一切口出ししないので、JR東海にはリニア中央新幹線を、他のJR各社には整備計画となっている新幹線を早く作らせることが必要です。

                           これには地方自治体の支援も必要ですし、各地方選出の国会議員が地方交付税交付金をもっと配分を多くするよう声をあげ、その財源として普通に建設国債の大量発行を政府に求めるといったことが必要です。

                           マイナス金利でタダ同然で借りられる状況ですし、建設国債の大量発行は、将来世代のツケにはなりません。なぜならば、円建てで借りるから、何ら問題がないのです。

                           こうしたことも、今年6月の財政骨太方針のプライマリーバランス黒字化目標があると、実行に移しにくいでしょう。安倍政権がプライマリーバランス黒字化目標を今年の6月に破棄すること、大阪の復活も日本の復活も、まずはここから始まるといえるでしょう。

                           

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                             今日は「森友学園問題!偽装公文書作成を朝日新聞にリークしたのは誰なのか?」と題し、論説いたします。

                             

                             私は安倍政権を批判する記事を書くことが多いと認識しています。とはいえ、自民党の総裁選で、後継者とされる石破、岸田、小泉の3人のいずれかが総裁になった場合、日本の発展途上国化は、より深刻なものになると考えております。安倍政権を批判するのは、デフレ脱却を標榜して誕生した政権であるにもかかわらず、デフレ脱却どころか、緊縮財政・グローバリズム推進というインフレ対策をやっているから批判をしているのです。

                             

                             しかしながら、安倍政権に批判的な記事を書いているからといって、後継者とされる上述の3名を推せるか?と言われれば、答えは「NO!」です。

                             

                             理由は、安倍政権はプライマリーバランス黒字化目標を破棄したがっている!と思われる一方、上述の3名は財務省職員に緊縮財政を洗脳され、バリバリのグローバリストと考えられるからです。

                             

                             経済評論家の三橋貴明氏によれば、2017年12月12日に、安倍総理と内閣官房参与の藤井聡氏、京都選出参議院議員の西田昌司氏と三橋貴明氏と、4者による会食が行われました。その時の会談で、安倍総理の課題認識の大きな一つに、プライマリーバランス黒字化目標が、あらゆる政策の壁になっているとする旨の発言があったとのことでした。

                             

                             

                            1.昨年の年末に行われた4者(安倍総理、藤井聡、西田昌司、三橋貴明)による会食

                             

                             以下は2017年12月12日の日本経済新聞に掲載された首相動静の記事です。

                            『日本経済新聞 2017/12/12 安倍首相の動静

                            ▽9時5分 東京・富ケ谷の私邸発。21分 党本部。32分 党役員会。56分 官邸。

                            ▽10時5分 閣議。17分 宇宙開発戦略本部。29分 石井国交相。33分 麻生財務相。

                            ▽11時19分 太田党女性局長。33分 防衛省の豊田次官、高橋官房長。47分 三反園訓鹿児島県知事、県産和牛「鹿児島黒牛」の生産者団体関係者らの表敬。

                            ▽13時53分 西村官房副長官、山野内外務省経済局長。

                            ▽14時29分 「高知県高校生津波サミット」に向けたビデオメッセージ収録。

                            ▽15時4分 世界食糧計画(WFP)のビーズリー事務局長の表敬。34分 梶山行革相。

                            ▽16時30分 報道各社のインタビュー。

                            ▽17時 北村内閣情報官。29分 長谷川首相補佐官、秋葉外務審議官。

                            ▽18時4分 前田防衛省防衛政策局長。31分 公邸。西田昌司参院議員、藤井内閣官房参与、経済評論家の三橋貴明氏と会食。

                            ▽21時8分 西田、藤井、三橋各氏出る。宿泊。

                             

                             

                             上記は首相動静といって、その日の総理大臣の予定が掲載されるものなのですが、ここに掲載されるということは、4者会談がオープンにした(公にした)ということでもあります。

                             この会談がオープンにするか否か?官邸側の意向でオープンになったとのことです。

                             

                             これは極めて重要な事実で、4者会食をオープンにするということは、官邸側に何か意図があったものと推察できます。もともと自民党の参議院議員の西田昌司氏、内閣府官房参与の藤井聡氏、この2人が企画したのか?不明ですが、政権与党側のこの2人の働きかけがあって4者会食が実現したと思われます。

                             

                             官邸側の意向でオープンにしたのは、なぜか?といえば、安倍総理がプライマリーバランス黒字化目標を破棄したがっている。具体的には、プライマリーバランス黒字化と緊縮財政は、自分の代で終わらせたい、という安倍総理の意向が働いているのでは?と考えられるのです。

                             

                             

                            2.いつ、プライマリーバランス黒字化目標と緊縮財政が始まったのか?

                             

                             プライマリーバランス黒字化目標やら緊縮財政やらが始まったのは、バブル崩壊後の1997年4月の橋本政権のときに法律施行された「財政構造改革法」がきっかけです。

                             

                             少子高齢化という人口構造の変化が想定されていた当時、年金・医療・介護の費用が増大するとして、それら費用を抑制し、増税と支出削減を同時に始めました。

                             

                             1997年といえば、バブルが崩壊した後です。バブル崩壊後の1992年以降、1997年頃まで、日本のGDPは右肩上がりでした。バブル崩壊後の1992年以降も、傾きこそ鈍化したとはいえ、右肩上がりに経済成長を続けていたのです。

                             

                            <日本のGDPの推移>

                            (出典:世界経済のネタ帳)

                             

                             

                             ,猟未蝓▲丱屮詈壊までは右肩上がりで、しかも傾きも急です。△隆間、即ちバブル崩壊後、1997年の財政構造改革法制定前までも、実は経済成長していました。バブル崩壊後も経済成長をしていたということが、このグラフで一目瞭然であることがご理解できるでしょう。

                             

                             は小泉純一郎内閣のときですが、思ったほど経済成長していません。当たり前ですが、毎年7000億規模で公共事業削減をやってきました。小泉政権は支持率が高かったですが、公共事業を削減しまくっていました。その小泉政権のときに、竹中平蔵氏がプライマリーバランス黒字化目標という考え方を導入し、閣議決定されたのです。

                             

                             い韮韮庁个右肩下がりになっているのは、サブプライムローン、リーマンショックと続いたからです。その後イ悩討啀Ω上がりになったのは、2013年に安倍政権がアベノミクスで財政出動に転じたことによるもの。2013年度は名目GDPで1.9%、税収は6.9%増えました。(税収弾性値≒3.63)

                             

                             その後、2016年12月にGDPが改定され、これまで研究開発費が含まれていなかったのですが、研究開発費についてもGDPとしてカウントすることになりました。生産=支出=所得というGDP3面等価の原則を考えた場合、研究開発費による支出は、間違いなくお金と物・サービスの交換となりまして、「開発をするために投資してくれた企業による支出」=「開発に関連する物・サービスを生産する企業の生産高」=「開発に関連する物・サービスを生産した企業の所得」であるため、この改定自体は、正しい方向と考えております。

                             

                             ただ改定後と改定前で算出基準が異なるのに、500兆のGDPが530兆円に増えているので、経済成長しているというのは、正しい論説でないことはご理解できるでしょう。改定前と改定後と同じ基準で論じるべきで、「経済成長している」とは言い切れず、単なる数字のごまかしです。

                             

                             少し話を戻しまして、グラフから読み取れることは、財政構造改革法制定の1997年からGDPが500兆円で横ばいになっているということです。

                             

                             

                             

                            3.バブル崩壊後に絶対にやってはいけない「緊縮財政(消費増税・公共事業削減)」をやってしまった橋本政権

                             

                             世界中の中で日本だけがなぜデフレで経済成長していないのでしょうか?理由はバブル崩壊を経験しているからです。

                             

                             人類が初めてバブルを経験しているのは、1637年のオランダにおけるチューリップバブルと呼ばれるものです。チューリップとは皆さんもご存知のお花です。その球根が1個あたり、現在の日本円で2億4000万円まで高騰したのがチューリップバブルです。

                             

                             チューリップの球根は、足で踏みつぶせば普通につぶれちゃいます。そんなものがなぜそこまで高騰したのか?ある意味で現在におけるBitcoin、バブル期のゴルフ会員権と同じです。

                             

                             バブル期のゴルフ会員権でいえば、1991年に平均4200万円にまで価格が高騰し、今の平均は110万円とほぼ40分の1にまで下落しました。

                             

                             私がバブルとは何か?定義するとすれば、キャピタルゲイン目的の投資がたくさんなされる場合と定義します。こうしたキャピタルゲイン目的の投資がたくさんされることを投機と言います。英語でも「Investment(投資)」「Speculation(投機)」と使い分けられます。

                             

                             投機がたくさんされて価格がつり上がること=バブル、何かのきっかけで値下りが始まって急降下する=バブル崩壊です。

                             

                             バブル崩壊すると、例えばゴルフ会員券を4200万円、確実に値上がりすると見込んで借金して購入した場合、ゴルフ会員券が110万まで値下がりしたとしても、借金4200万円は値下がりしません。借金の元金4200万円は、そのままです。

                             

                             すると、将来不安から借金返済、銀行預金をみんながやります。もちろん、バブル崩壊後に、個人や企業が借金返済、銀行預金をすることは極めて合理です。ところがみんなが借金返済、銀行預金をやれば、カタストロフィを引き起こします。これが「合成の誤謬」と呼ばれるものです。

                             

                             バブル崩壊後の借金返済、銀行預金は個でみれば合理的ですが、マクロでみると誰の所得にもならず、経済成長を抑制します。この状態で、政府までもが緊縮財政をやった場合、確実にデフレに突入するのです。

                             

                             本来ならば橋本政権は、緊縮財政ではなく、積極財政に転じ、デフレ突入を防ぐべきでしたが、1997年に構造改革基本法を制定以来、1998年に消費増税3%→5%に加え、公共事業削減により建設会社を中心に経営悪化した企業が増大しました。

                             

                             さらに規制緩和を推進。規制緩和はインフレ対策なのですが、インフレでもないのに規制緩和を推進すれば、値下げ圧力となってこれまたデフレ助長させることになるわけです。

                             

                             そして小泉純一郎政権が誕生して、竹中平蔵氏がプライマリーバランス黒字化目標という考え方を持ち込み、閣議決定されてしまいました。

                             

                             建設業者はピーク時、1999年度で60万社ありましたが、2016年度で47万社にまで減少しています。建設業就業者数でみますと、1992年就業者619万人から2015年には500万人と100万人も減少しています。災害復興もままならず、技術継承も困難にしてきたのは、まさにバブル崩壊後の緊縮財政の賜物であるといえるでしょう。

                             

                             

                             

                            4.安倍総理はプライマリーバランス黒字化目標を破棄したがっている!

                             

                             安倍総理は、財務大臣を経験していません。その影響もあると思いますが、財務省職員に洗脳される機会がなく、消費増税をやりたくないというのが本心だと思います。

                             

                             ところが、多くの国民が、緊縮財政を求めている。具体的に言えば「無駄な工事はするな!」に代表される公共事業否定の論説をはじめ、公務員を削れとする民営化の推進、規制緩和の推進、グローバリズムの推進、これらは、いずれもデフレを助長するということを安倍総理は理解している可能性が高い。にもかかわらず、デフレ脱却と真逆な政策となってしまうのは、ある意味、大多数の国民に加え、自民党の国会議員の中にも、安倍総理に忖度して「緊縮財政を推進している」と思っている議員が多いからと思うのです。

                             

                             テレビや新聞で、岸田が「消費増税は当たり前」、石原前経済産業省も「消費増税は避けられない」などと、当選回数が多い国会議員がこうしたコメントをしております。

                             

                             安倍総理は独裁政権ではありませんので、プライマリーバランス黒字化目標を破棄したくても、身内の自民党議員から「道路作って欲しいから予算を付けていただきたい!」といった声が上がらない限り、動きようがありません。

                             

                             なぜ、多くの国民が緊縮財政を是とし、国会議員までもがそうなのか?マスコミを使った財務省の財政破綻プロパガンダが奏効した結果であると思うのです。中身は全部ウソ・デタラメであるにもかかわらず、情報操作などで事実を捻じ曲げられ、財政破綻論が醸成され、扇情されてきたのです。

                             

                             私がこのブログを始めたきっかけ、それは財政問題です。本当は財政問題なんて存在しないのに、あたかも財政危機を煽る経済評論家、エコノミスト、アナリストら。彼らが間違っていることを言うはずがないなんて思っていたら大間違い。まったくのウソ・デタラメなことがわかったからこそ、このブログを通じて真実を知って欲しいと思っています。

                             

                             財務省はマスコミを使って情報操作、世論操作を巧みに行います。公共事業は無駄だという主張のために、乗数効果が1.1程度などと説明したり、税収弾性値も本来2とか3とかあるはずなのに、1.1程度などといい、積極財政を否定しています。

                             

                             彼らは仮にそれらがウソとわかっても、「いや!経済学者らが言っている!」とうそぶくことでしょう。何しろ、森友学園問題は、偽装公文書作成というとんでもない罪です。緊縮財政で出世するために、「このくらいやってもいいや!」という組織風土が醸成されているとすれば、これは万死に値すること。

                             

                             こうした財務省の信頼を失墜させるために、今回の森友学園問題を通じ、偽装公文書作成という情報をリークしたのではないか?と思うのです。つまり、財務省の信頼を失墜させ、プライマリーバランス黒字化目標を破棄し、消費増税の中止・凍結・減税・廃止ということを安倍総理が考えているのでは?と思うのです。それが、「私の代で、プライマリーバランス黒字化目標を破棄して、緊縮財政を辞めさせたい!」という発言につながったのではないでしょうか。

                             

                             

                             というわけで、森友学園問題を誰がリークしたか?ということで私見として推論を述べました。仮にリークした人が、官邸サイドでなかったとしても、安倍総理がプライマリーバランス黒字化目標を破棄したいとするならば、私は安倍総理を支持したいと思うのです。その第一歩が、このタイミングで森友問題の偽装公文書作成のリークと、2018年6月に予定されている財政骨太方針です。

                             財政の骨太方針でプライマリーバランス黒字化が破棄できるか否か?日本の運命、株式相場にも大きく影響するものと考えており、行方を見守りたいと思っております。

                             

                             

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                            震災から復興するためには?

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                               今日は「震災から復興するためには?」と題し、意見させていただきます。

                               

                               下記は読売新聞の記事です。

                              『読売新聞 2018年03月08日 07時18分 仮設住宅、ピークの1割以下へ…解消の流れ加速

                               東日本大震災の被災者が入居する仮設住宅が、今年秋にはピーク時の1割を下回る1万2000戸以下に減少する見通しになっていることが国や関係自治体への取材でわかった。

                               この時期までに入居期限が切れる被災者に限った集計で、復興庁は「期限前の退去も増えている」としており、今後、仮設住宅解消に向けた流れが加速する見通しだ。

                               読売新聞は先月から今月にかけ、国や岩手、宮城、福島各県がまとめている最新データを聞き取ったほか、災害救助法に基づく仮設住宅に入居する住民がいる3県の29市町村に見通しなどを取材した。集計にはプレハブ型の住宅のほか、県などが民間アパートなどを借り上げた「みなし仮設」への入居者や、同法に基づき県外で住宅の無償提供を受けている被災者も含めた。(後略)』

                               

                               

                               上記ニュースをご覧いただき、皆さんはどのように思われるでしょうか?記事では仮設住宅の入居者がピーク時の9.7%に減少し仮設住宅解消の流れが加速と報じてはいますが、東日本大震災から7年も経過しております。読者の皆さまのみならず、多くの国民が何事も無かったか?のように思っておられる国民が居られると思うのですが、私は敢えてまだ1割も仮設住宅入居者が残っているという現実を理解すべきだと思うのです。

                               

                               安倍政権はアベノミクス第二の矢において、2013年度は国土強靭化を大義名分に政府支出増に転じました。結果、名目GDPは1.9%増加し、税収も6.9%増えました。ところが2014年度以降、消費増税5%→8%の個人消費の需要削減、補正予算実績前年割れの政府支出削減の緊縮財政政策に転換。2014年度以降デフレに戻ってしまったのです。

                               

                               もし、国土強靭化をすれば、大被害があったときでも迅速に回復します。にもかかわらず、国土強靭化は忘れ去られ、2014年以降、デフレギャップに対して十分な補正予算を計上せず、前年よりも補正予算を減額させてきました。国土強靭化はどこに行ってしまったのでしょうか?

                               

                               3.11から7年も経ってまだ1割も仮設住宅入居者が居るという実態を考えた場合、本来国土強靭化によって計上すべき予算をしっかり計上するということをやっていれば、もっと早く1割になっていたのではないかと思うのです。

                               

                               東北地方では、3.11発生前の産業水準、人口水準に回復されていない地域が当然存在します。回復していないというところは、国土が強靭化されていなかったということであり、なぜそうなったか?議論する必要があると思うのです。

                               

                               私見では民主党政権だったことも大きく影響していると思いますが、人体のケガだったとして最初の治療があるかないか?で、その後の計画は全然変わってきます。そこでけがをして3〜4日ほったらかしにして治療するのと、すぐに治療するのとでは、全く回復できる出来ないが変わってくるでしょう。

                               

                               自民党政権だったらそれができたかどうか?はわかりませんが、その初期対応の遅れという認識でいえば、迅速性が極めてなかったといえます。

                               

                               当時の民主党政権では、増税の話が出ていました。復興復旧を急がなければならないのに、財源をどうしようとか?増税しようとか?という議論。国力はお金を持っているかどうかではありません。国力と速やかな復旧力を含めたモノ・サービスの供給力です。にもかかわらず、国力とはお金だと、カネカネカネとやってきたのが民主党政権。日本には財政問題が存在しないのに、なぜか増税。

                               

                               東日本大震災が発生したのは2011年3月11日ですが、そもそも2010年6月に当時の菅直人政権は、プライマリーバランス(=基礎的財政収支)を、2015年度までに赤字対GDP比率で2010年度から50%とし、2020年までに黒字化させるという財政健全化目標を閣議決定しています。

                               

                               因みに、麻生政権はリーマンショック後ということもあり、プライマリーバランス黒字化をいったん棚上げしていました。にもかかわらず、菅直人政権はプライマリーバランス黒字化目標を復活させていたのです。大震災が発生したということで、再び棚上げにすることもできたはずですが、実際はどうだったか?日本政府は復興予算が必要ということで「復興増税」を実施し、しかも信じがたいことに、復興税は被災地からも容赦なく徴収しているのです。これほどにまで残酷な国家は、日本以外にあるのでしょうか?

                               

                               大震災が発生したら、やるべき税制は「減税」です。復興・復旧の財源をどうすべきか?それは国債を発行すれば済む話です。「国の借金」とやらが増えるのがどうしても嫌ならば、日銀が買い取ってしまえば終わりです。

                               

                               以前、このブログにおいて財政法第5条という法律をご紹介したことがあります。この条文は下記の通りです。

                              「すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない。但し、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りでない。

                               

                               東日本大震災のような自然災害は「特別な自由」に該当しないはずがないと思うのですが、いかがでしょうか?

                               

                               東日本大震災のような大災害が発生したとして、どれだけお金がたくさんあったところで、土木・建設業、自衛隊、警察、消防等の供給能力がなければ、日本国民を助けることはできません。日本国民を救う、モノ・サービスの供給力の総合計こそ、GDPであり経済力であり国力です。

                               

                               発展途上国は大震災が発生しても国民を救うことができません。

                               

                               なぜでしょうか?お金がないからでしょうか?

                               

                               理由は、お金がないからではなく、モノ・サービスの供給能力が不足しているからです。即ち経済力がない、国力が弱いということです。

                               

                               デフレを放置しますと、モノ・サービスの需要が縮小していくため、虎の子の国家の供給力(=経済力)を毀損していきます。いったん毀損した供給力は、すぐに元に戻りません。

                               

                               何しろ第二次大戦前はゼロ戦を作る航空機製造技術を持っていた日本ですが、敗戦後GHQの政策により航空機が製造できなくなりました。結果、MRJのようなジェット機でさえ、70年近く経たないとジェット機が作れなかったわけです。

                               このままデフレを放置し、虎の子の供給力が毀損されていった場合、日本は間違いなく大災害が発生しても国民を救う手立てがない発展途上国に落ちぶれていくことでしょう。

                               

                               日本国民の一部の人の中には、今この瞬間も自己努力が足りないなどと、震災に遭った人々を貶める発言をする日本人も多い。これは、経済政策が間違っているということを理解していない大変残念な話です。

                               

                               日本政府がカネカネカネとやっているのは、”日本には「財政問題」が存在しない”ことを理解していないことが原因。そのために「国の借金問題」「財政破綻問題」に政策が縛られ、復興もままならず、将来世代に震災復興が不可能な発展途上国となった日本を、私たちがまだ見ぬ子ども・子孫の将来世代に引き渡してしまうのは、万死に値すると思うのは私だけでしょうか?

                               

                               

                               というわけで、今日は「震災から復興するためには?」と題し、意見させていただきました。

                               

                               

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                              2018年度の予算案も緊縮財政か?

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                                JUGEMテーマ:プライマリーバランス

                                 

                                 今日は2018年2月28日に衆議院本会議で、2018年度予算案が自民公明両党の賛成多数で衆議院を通過したニュースをご紹介し、2018年度の予算案も緊縮財政としかいいようがないくらい計上された予算が少ない旨を論じたいと思います。

                                 

                                 下記は産経新聞の記事です。

                                『産経新聞 2018.2.28 22:33更新 平成30年度予算案が賛成多数で可決、年度内成立が確定

                                一般会計総額が97兆7128億円と過去最大となる平成30年度予算案は28日夜の衆院本会議で、自民、公明両党の賛成多数で可決された。参院送付後30日での自然成立を定めた憲法の衆院優越規定により、3月末までの年度内成立が確定した。

                                 予算案の2月中の衆院可決は、戦後2位タイの早さだった昨年に次ぐスピードとなった。』

                                 

                                 

                                 上記の通り、2018年度の予算が衆議院本会議を通過しました。一般会計総額97兆7128億円で過去最高と報じられています。3/1からは予算案の審議に入る予定。予算案では、安倍政権の看板政策の生産性革命、人づくり革命といった関連費用を盛り込み、保育の受け皿の確保、インフラ整備に充てる費用なども計上される予定です。

                                 

                                 生産性は向上した方がいいに決まっています。人づくりもより高度化する方がいいに決まっています。大きな意味ではこうした政策が進められるべきですが、生産性とは単位労働時間当たりの生産を意味します。即ち単位労働当たりのGDPです。この単位労働当たりのGDPを増やすためには、ミクロの経済対策よりも、マクロ経済対策としてGDPが拡大していけば、おのずと生産性は大きく拡大します。逆にGDPが拡大しない中でどれだけ努力しても、過剰サービスが逆に増えていくだけとなってしまうでしょう。

                                 

                                 過剰サービスが増えていくと、単にブラック企業化していきます。1時間当たり作れる個数、1時間当たりのサービス量が増えますが、GDPが拡大しない状況では、賃金UPしません。もし、ブラック企業を排除するというのを目指す姿とすれば、それは単にGDPが拡大すればいいだけの話です。

                                 

                                 また人づくり革命や待機児童を減らしましょうというのも大きな目玉とされていますが、待機児童を減らすための方策は、保育園を増やすこともそうですが、みんながちゃんと稼げるようにすれば、共働きしなくてもいいというのが確実に増えます。

                                 

                                 トラックドライバーの運転手、タクシーの運転手、とび職、建設業現場作業者、介護職、飲食サービス業などなど、一人当たりの生産性が向上して、普通に年収がUPすれば、共働きする必要がなくなります。そうすれば待機児童はおのずと減らすことができるでしょう。

                                 

                                 それにはデフレ脱却が必要。デフレさえ脱却できれば、生産性革命や人づくり革命など、一気に進むことでしょう。

                                 

                                 マクロ経済的にみた場合、デフレさえ脱却できれば、ミクロの細かいことはやらなくてもよくなります。今回の予算でいえば、6年連続で一般会計総額は過去最高を更新と記事では報じています。

                                 これは、高齢化で医療介護年金の費用が膨らみ、社会保障費だけでも32兆9732億円、北朝鮮の核ミサイルに対処する防衛関連費用で5兆1911億円となり、過去最高になったということです。

                                 

                                 この過去最大というとすごく聞こえるかもしれませんが、GDPは過去最大を更新し続けています。2016年12月の改定後のルールだったことを差し引いても更新を続けています。ただし名目GDPは2017年度はマイナス成長。GDPデフレータがマイナス、物価上昇率も2%に程遠いということを横に置いたとして、平たくいえば年度ごとに実質GDP自体は拡大していています。その水準も1%とかその程度です。とはいえ、政府の目標は3%です。

                                 

                                 一般会計が過去最高とはいっても、どれだけ増えているかといえば5300億円です。5300億円というのはGDPに占める割合で約0.5%程度。政府としてGDPで3%伸びることを目標とするのであれば、一般会計を0.5%程度しか増やさないというのは、どういうことなのか?という声があってしかるべきです。

                                 ついでにいえば、5300億円のうち、社会保障費が5000億円を占めており、それ以外はたったの300億円です。

                                 

                                 結局、2018年度予算は緊縮財政といえます。97兆7128億円で過去最高ではありますが、伸び率が低すぎるということをマスコミなど報道機関は強く指摘すべきではないでしょうか?

                                 

                                 

                                 というわけで、今日は2018年度の予算案について意見しました。GDP成長で3%を目指すとすれば、当然15兆円くらい予算が増えていなければならないのに、たったの5300億円。これは緊縮財政。結局プライマリーバランス黒字化目標のために、財務省が支出を抑制しようとしているからです。政治家もほとんどマクロ経済を理解できていない。だから緊縮が正しいと思い込んでいる。一般国民も、長期間に及ぶデフレで自らが節約にいそしんでいるため、政府が支出拡大することは、すべての国民に便益があるのに、「無駄を削減しろ!」「なんでそんな無駄遣いするんだ!」と政府を批判する。

                                 これではいつまで経ってもデフレから脱却することはできず、インフラはボロボロになり、軍事費で中国に大きく水をあけられ、ノーベル賞が出なくなり、災害が来ても国民を直接的被害から守れず、復旧もスピーディーにできなくなって餓死や病死などの間接被害からも守れなくなる、そんな風に発展途上国化していくことが、止められなくなるものと思うのです。

                                 国力が弱くなったところで、仮想敵国中国が攻めて、中国の配下に落ちる。チベットやウイグルのように、中国の属国になるシナリオも考えられます。

                                 こうした発展途上国化は、私たちのまだ見ぬ子供や孫など将来世代に大きなツケを残すものと思いまして、一刻も早く正しい政策が打たれることを願ってやみません。


                                第4四半期GDP年率換算△1.0%をどう見る?

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                                   今日は今月13日に内閣府が発表した第4四半期のGDP速報について触れたいと思います。下記はロイター通信の記事です。

                                   

                                  『GDP10─12月期年率+1.0%、4四半期連続プラス成長 外需けん引

                                  [東京 13日 ロイター] - 内閣府が13日に発表した2016年10─12月期国民所得統計1次速報で、実質国内総生産(GDP)は前期比プラス0.2%、年率換算プラス1.0%となった。4四半期連続のプラス成長で、景気は堅調に推移していることが示された。

                                  名目成長率も前期比0.3%のプラス。16年暦年の実質成長率はプラス1.0%で5年連続プラス成長となった。もっとも、10─12月期のGDPデフレーターは前年比マイナス0.1%、国内需要デフレーターは同マイナス0.3%にとどまり、デフレ脱却は見通せていない。

                                  <外需と設備投資がけん引>

                                  日本経済はプラス成長が続き回復が鮮明だ。16年暦年は年率プラス0.8%の潜在成長率を上回る成長となった。内需の伸びが2四半期連続でマイナスとなる中、けん引役となっているのは外需だ。世界経済の持ち直しを背景に輸出の伸びが前期比プラス2.6%と輸入のプラス1.3%を上回り、引き続き全体の成長率を外需で稼ぎ出した。

                                  輸出は米国や中国向けの自動車が好調だったほか、企業向けサービスや半導体等電子部品などが増加に寄与した。輸入は企業向けサービスや非鉄金属などが増加した。

                                  内需では設備投資の健闘が目立つ。前期比プラス0.9%と、しっかりとした増加を示した。資本財出荷や機械受注が堅調なことから、老朽化設備の更新や新規の情報化投資などが出てきているものとみられる。10─12月期はソフトウェアや通信機器などの投資が増加した。

                                  他方で個人消費は前期比マイナス0.0%となり、4四半期ぶりに増加が止まった。天候不順による生鮮食品の高騰が響き、消費者がその他の消費を節約する動きが出たとの見方がある。年末にかけて気温が高めで推移したことから、被服も不調だった。一方、飲食・サービスは増加に寄与した。

                                  <成長持続に先行き不透明感>

                                  世界経済の回復を追い風に順調にプラス成長を続けてきた日本経済だが、この先は「不確定要素が非常に多い」(内閣府幹部)ことから、見通しが立たない状況だ。

                                  本来であれば、輸出の拡大を起点に生産、設備投資の拡大へと好循環が回り始めるところだが、日米首脳会談を経てもなお米国の政策がどう展開し、日本にどのように影響するのか分からないためだ。内需がけん引するには、個人消費に力強さが戻らない状況。外的環境が不透明な中では、従来から課題となっている内需拡大のための構造改革の継続が不可欠となる。

                                  石原伸晃経済再生相はGDPを受けて談話を公表し、景気は「雇用・所得環境の改善が続く中で、緩やかな回復基調が続いている」との認識を示した。

                                  もっとも、「海外経済の不確実性や、金融資本市場の変動の影響が留意する必要がある」とし、経済の好循環を継続していくには「鍵は今年の賃上げであり、今年の春季労使交渉において、成果が出ることを期待している」と春闘での賃上げに期待感も表明した。』

                                   

                                   

                                   日本経済新聞や朝日新聞や毎日新聞など、日本国内の新聞社の新聞記事は「日本は経済成長が続いている!」という論説なのですが、上述の通り、ロイター通信の記事は指標とは裏腹に消費などの指標が弱いという指摘をしています。

                                   

                                   日本は景気がいいのか?悪いのか?経済成長しているのか?していないのか?実際のところはどうなんでしょうか?実質GDPがプラスになっているので豊かになっていると言えるのでしょうか?

                                   

                                   2017年10月〜12月期の内閣府のGDP発表は、実質GDP△0.1%、名目GDP▲0.0%、GDPデフレータ▲0.1%です。計算上の実質GDPはプラスになっているのですが、GDPデフレータはマイナスであり、名目GDPもマイナスですので、実際はデフレです。

                                   

                                   名目GDPが減っているということは、稼ぐ所得(=給料)が減っています。その所得の減少率以上に物価がマイナスになっていたらどうでしょうか?実質ではプラスになります。

                                   イメージがしやすいように極端な例を申し上げれば、所得は10%減ったが、物価下落率50%という場合は、所得は減っているが、買う個数は増えているということになります。

                                   また、名目GDPが消費増税で強制的に引き上げられたが、買う個数は減ったという場合も、前年比でGDPデフレータはプラスになります。GDPデフレータ=名目GDP÷実質GDPですので、分子の名目GDPの増加にもかかわらず、分母の実質GDPが減少するため、GDPデフレータはプラスになるのです。

                                   

                                   前者は実質GDPが増えていても、名目GDPは減少、物価は下落しているという状態。後者はGDPデフレータと名目GDPはプラスだが実質GDPはマイナスという状態。

                                   

                                   消費増税をする場合は、必ず後者の事象となります。2017年第4四半期の事象は前者です。即ち2017年第4四半期は所得が減っているが、それ以上に物価が下落しているという状況なのです。

                                   

                                   ブルームバーグの記事では先行きの見通しを懐疑的に述べていますが、日本国内の新聞社は、そうではありません。「日本経済は成長している!」と報じているのです。

                                   

                                   このままだと財務省職員が「実質GDPが10期以上プラスだから消費増税できるでしょ?」ということになり、デフレで消費増税はさらなる財政悪化となるにもかかわらず、増税が実行されるという悲劇になりかねません。

                                   

                                   また、日本の報道で問題と思うのは、GDPデフレータを前期比で報道します。GDPデフレータは本来対前年比でみるべきです。下記はGDPデフレータの1995年〜2016年までの指標をグラフにしたものです。

                                   

                                   

                                  (出典:内閣府のホームページ)

                                   

                                   3%→5%の消費増税時の1997年、リーマンショックの2009年、消費増税5%→8%の2014年〜2016年と、GDPデフレータはプラスになっています。

                                   1997年のプラスは、消費増税をしたから。2009年のプラスは、リーマンショックで世界中が物を買わなくなったから。2014年は消費増税をしたから。2015年以降はさらにデフレが進み、所得の減少以上に物価の下落が急であることによるものといえます。

                                   

                                   本来デフレ脱却を宣言するのであれば、実質GDPがプラス、名目GDPがプラス、GDPデフレータがプラスでこれが数年間継続する状態になったときです。例えば、実質GDPと名目GDPがプラスでGDPデフレータ△2という状態は、所得が増えて、物を買う個数も増えているという状態ですので、豊かさを実感できる、まさに経済成長しているといえるのです。

                                   

                                   ところが、物・サービスを買わないデフレ状態で消費増税をした場合、計算上はGDPデフレータは必ずプラスになります。GDPデフレータ=名目GDP÷実質GDPです。デフレで増税すれば、より物・サービスを買うことを控える人が増えるでしょう。結果、名目GDPは増えやすいですが、実質GDPは名目GDPの伸び以上に増えにくく、名目GDP>実質GDPとなりやすい以上、必ずGDPデフレータはプラスになるわけです。

                                   

                                   リーマンショックは横においておき、消費増税すると必ずGDPデフレータはプラスになります。今の日本が前年比でなく、前期比でGDPデフレータプラスと報じ、前年比でのGDPデフレータのマイナスや名目GDPがマイナスになっていることを報じないで、プラスとなっているところを強調し、報道するというのは、明らかにミスリードです。

                                   

                                   経済指標が怖いのは、どこを見せるか?によって、国民をミスリードしたり洗脳したりすることができます。一般人は、普通こうした経済指標を知りません。日本経済新聞を見て「あぁ経済成長しているんだ!」という人がほとんどであり、ブルームバーグやロイター通信といった海外メディアが日本をどう見ているか?どう伝えているか?など、考えたこともない人がほとんどでしょう。

                                   

                                   本来、安倍政権を批判すべき政治家、例えば野党。あるいは、毎日新聞や朝日新聞といった反自民の新聞社ら。なぜこうした野党や新聞社は、経済指標の発表に対して突っ込みを入れることができないのでしょうか?

                                   

                                   基本的に経済指標の見方を知らないからとしか言いようがありません。知らなければ突っ込みようがありません。野党は単にバカで勉強をしていないからとしかいえません。

                                   

                                   その一方、内閣府は知っています。にもかかわらず、実質GDPがプラスだから日本経済が順調だと統括します。自分たちが自民党政権に怒られるのが嫌なので、こうした報告をしているのでは?とも勘ぐれます。

                                   

                                   

                                   というわけで、実質GDP△1.0%について私見を述べました。残念ながらGDPデフレータが前年比マイナス、名目GDPがマイナスという状況で、実質GDPがプラスですと言われても、景気がイイ、経済成長しているとは言い難いです。経済成長しているというのであれば、少なくても名目GDP、実質GDP、GDPデフレータが全てプラスで、その状態が2〜3年間続いているという状態であることが条件です。

                                   今日の日本は需要不足でデフレに陥っているというのが真の姿です。名目GDP、実質GDP、GDPデフレータが安定して継続的にプラスとなる状態になるまで、政府が需要を創出する。一番いいのは長期プロジェクトで新幹線整備や港湾整備や科学技術への投資を政府が国債を増刷して行うことです。

                                   人口減少云々に関係なく、名目GDP、実質GDP、GDPデフレータが全てプラスで、その状態が2〜3年間続いているという状態にするということは可能なのです。


                                  円高ドル安を食い止めるには財政支出増による内需拡大が必要です!

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                                     今年に入り、特に1月下旬から仮想通貨の暴落に始まり、米国株の急落を相まって円高も進み、日本株も暴落しました。その上、トランプ大統領の一般教書演説で、163兆円のインフラ投資を大々的に打ち出し、米国政府は財政拡大を謳っております。しかもトランプ政権の要人からドル安を容認する発言が出ており、ドル円相場は、円高に振れやすい環境に向かうかもしれません。

                                     

                                     円高となれば、株式投資をやって居られる方、間違いなく株価は下落します。政府に「安倍政権は何やっているんだ!」といって、声を荒げても解決しません。何しろ、円高ドル安を食い止めなければならないのですが、その方法は内需拡大以外にありません。仮に為替介入をすれば、為替操作国認定を受け、日本から米国への輸出品への報復の関税引き上げなどが考えられます。関税引き上げについて、自由貿易を邪魔をするのか?という反論があるかもしれませんが、米国国民の国益を考えれば、米国政府が不当に自国通貨を安くする国々に対して、報復関税措置を取ることは、ごく当たり前のこと。むしろ日本国民やら日本の政治家が「報復関税なんてけしからん!」と主張すること自体が内政干渉となります。

                                     

                                     では、円高ドル安を食い止めるためになぜ財政支出増が必要なのでしょうか?

                                     

                                     理由は簡単で、輸入を増やせばいいからです。もしかしたら、読者の皆様の中には、「日本は少子高齢化で需要が伸び悩む」「成長著しいアジアの需要を積極的に取り込むべき」などと、海外の需要を積極的に取り込めばよいのでは?と思われる方がいるかもしれません。

                                     仮に海外の需要を積極的に取り込み、貿易黒字の黒字幅を拡大させるということになると、それ自体が円高の原因になります。またインバウンドを積極的に取り込もうとすればするほど、外貨が流入して円買いを加速します。

                                     

                                     今、巷でやっていることといえば、

                                    ●海外の需要を取り込むべき(特にアジアなどの新興国を中心とした海外需要を取り込むべき)

                                    ●インバウンドで観光立国を目指し、来日外国人を増やしてたくさんお金を使ってもらえるような政策をするべき

                                    という感じで、上述を肯定して積極的にすべきという論説が蔓延っています。

                                     

                                     海外の需要を取り込むことを積極的にやれば貿易黒字の黒字幅を拡大させますので円高を加速させ、インバウンドで日本製品を買ってもらおうとすれば、来日外国人はたくさんの日本製品を買うために自国通貨をたくさん売ってたくさん日本円を買わねばならず、たくさん円を買うことは円買い→円高につながります。

                                     

                                     円を安くするためには、むしろ輸入が増える必要があります。輸入を増やすためにはどうするか?日本国内の需要を拡大することです。日本の場合は内需拡大の手段は財政支出増で問題ありません。マイナス金利でタダ同然で日本政府はお金を借りられます。

                                     財政出動による内需拡大は、輸入増加を通じて自国通貨安となり、結果的に国際競争力を高めることになるのです。

                                     

                                     よく財政出動をすると金利上昇を通じて通貨高を招き、輸出が減少してしまう。結果的に財政出動の需要増が、輸出減少分でキャンセルしてしまうので、財政出動は効果がないとする論説があります。これは、マンデル・フレミングモデル理論( マンデルフレミングモデルとクラウディングアウト理論を振りかざすエコノミストらへの反論 )というやつです。

                                     

                                     このマンデル・フレミングモデル理論は、需要が十分にあって、物・サービスが常に売れるというセイの法則(ジャンパティストセイ)が成り立っているときの理論です。今の日本は、極端に需要が不足しているデフレ環境で、物・サービスが常に売れるというセイの法則が成立していない環境です。

                                     

                                     なので、デフレ環境下における日本の経済政策に、マンデル・フレミングモデル理論を理由に財政出動に効果がないと主張するには無理があるのです。何が言いたいかと言えば、マンデル・フレミングモデル理論のような金利上昇も起きず、結果通貨高は発生しない。デフレを完全に脱却しない限り、金利の大幅上昇はあり得ないというのが、私がいいたいことです。

                                     

                                     財政出動を否定する人の中にマンデル・フレミングモデル理論を持ち出す識者(エコノミスト・アナリスト・経済学者)がいるため、それは間違っていると指摘しておきたいと思います。

                                     

                                     また、日本国民の中には、1000兆円の借金があるから、財政出動に拒否反応する人もいます。日本は貿易黒字よりも所得収支の黒字幅が大きく、経常収支黒字国かつ世界最大の対外純資産大国であり、しかも政府の負債は、全て内国建て債券(100%円建て)であり、債務不履行になることは物理的にあり得ません。

                                     

                                     少子高齢化とは、内需拡大が望めないということが真の問題ではありません。真の問題は、供給力の減少です。特に日本の場合は医療水準が高く、高齢者は長生きしますので、長生きしている間は高齢者=需要です。逆に生産年齢人口=供給力です。

                                     

                                     少子高齢化で供給不足(需要>供給)となって、そのインフレギャップ幅を生産性向上で埋めることができない場合、懸念すべきは真のインフレです。この問題を解決するためにも、設備投資、インフラ整備、科学技術投資を通じ、生産者の一人当たりの生産性向上に努める必要があるのです。上述の「設備投資」「インフラ整備」「科学技術投資」は、いずれもGDPにカウントされるものであり、国内需要拡大とイコールです。GDPにカウントされることで税収増になります。政府が継続的に「設備投資」「インフラ整備」「科学技術投資」をすることで、民間企業の投資を後押しします。

                                     

                                     こうして内需拡大しますと輸入が増えます。輸入が増えることで自国の通貨が切り下がり、結果的に輸出産業も輸出しやすくなるのです。この循環を続けていけば、供給力強化を通じて、国力強化にもつながり、生産性向上の結果として一人当たりの生産性が高まり、賃金UPして豊かになれます。今の政府に求められているのは、こうした政策ではないかと思うのです。

                                     

                                     

                                     というわけで、今日は最近の為替動向で円高ドル安に振れていることについて触れ、今こそ内需拡大が必要であるということをお伝えしました。マンデル・フレミングモデル理論という経済理論を出しましたが、この理論は1999年にノーベル経済学賞を受賞した理論です。ところが、この経済理論は一定の条件に合致したときのみ成立する理論なのですが、なぜか経済学者やアナリスト・エコノミストを中心に取り上げられ、財政支出増は経済効果がないとして、財政出動をネガティブに捉えられています。ノーベル経済学賞を受賞した理論であっても、現実の経済に当てはめた場合、正しくないということは、よくあることなのですが、こうした誤解もまた日本のデフレ脱却の解決を遠ざけている原因の一つであるといえます。

                                     

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                                    日本の行く先の運命を決する今年6月の骨太方針

                                    0

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                                      JUGEMテーマ:年金/財政

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                                       今日は「日本の行く先の運命を決する今年6月の骨太方針」と題して論説します。

                                       

                                       日本のデフレが始まったのは、バブル崩壊後ではありません。バブル崩壊後もGDPは成長を続けていました。もちろん右肩上がりの傾きが緩やかにはなりましたが、右肩上がりでした。日本のデフレが始まったのはいつか?それは、今から20年前の1998年です。そういう意味で、今年2018年はデフレ20周年となります。

                                       

                                       なぜデフレになったか?といえば、バブルが崩壊し、バブル期中とその後も借り続けた借金の返済に加え、将来不安から家計が貯蓄増加し、消費や投資が減ったからです。

                                       バブル崩壊を経験しますと、必ず消費と投資を抑制し、過去の借金の返済や内部留保の積上げ、貯蓄増加に励むようになります。

                                       

                                       理由はバブル期に借金をしてまでして買った不動産や株式やゴルフ会員権など、価格が暴落しても借金の元金が減ることがないからです。そのため、月々のフローから生み出されるお金(企業でいえば利益、家計でいえば所得)を、借金返済や貯蓄増加に使うことになります。

                                       

                                       この借金返済や貯蓄増加という行動は、バブル崩壊を経験している場合は極めて合理的な経済行動です。この状況で民間が主導的に投資や消費を増やすことはできないでしょう。

                                       

                                       この状況で投資や消費を増やすことができる主体は全くないのでしょうか?それは違います。政府は利益追求する必要のないNPO法人ですので、政府だけはこのような状況でも投資や消費を増やすことが可能です。通貨発行権を持つからという説明もできます。地方自治体は通貨発行権を持ちませんが、政府・日銀は通貨発行権を持つため、消費や投資が冷え込む状態であっても、通貨発行して政府支出を増やすことが可能です。

                                       

                                       このように消費や投資が減ってデフレになっているため、政府が消費と投資を増やせば解決するにもかかわらず、政府がそれをやらない。むしろ構造改革基本法という法律を1997年に制定し、1998年には5%への消費増税を実施し、公共事業削減などの緊縮財政を始めました。

                                       民間が消費と投資を減らしている状況で、政府までもが緊縮財政を行い、それで経済成長ができたら奇跡です。

                                       

                                       しかも竹中平蔵氏がプライマリーバランス黒字化目標なるものを導入しました。この結果、20年間もデフレが続いたのです。長さ的には世界最長のデフレです。

                                       

                                       デフレ国がすべき対策とは、いったいどのような政策でしょうか?

                                       

                                       デフレで所得が不足すると税収が減ります。私たちは税金を所得から払うから、所得が不足すると税収が減ってしあうのです。税収が減ると政府の財政は悪化します。本来は政府の財政なんて気にせず、国債発行や日銀の国債買取をやるなどして、どんどん政府が支出を増やせばいい。

                                       

                                       ところがそれをやらず

                                      ●国の借金で破綻する−

                                      ●政府は支出を削減しろ−

                                      ●将来のツケを残さないために増税しろ−

                                      などと、緊縮財政をやれば、消費と投資が減ってデフレが促進されるのは当たり前です。

                                       

                                       経済が悪化して国民の所得がさらに減少し、税収が減れば財政が悪化します。すると

                                      ●国の借金で破綻する−

                                      ●政府は支出を削減しろ−

                                      ●将来のツケを残さないために増税しろ−

                                       

                                       この循環をいつまでやってきたのか?

                                       

                                       これが今の日本です。

                                       

                                       まずはデフレを脱却すること、これに尽きるのですが、このデフレを食い止めるために邪魔になっているのが、竹中平蔵氏が導入したプライマリーバランス黒字化目標です。

                                       

                                       例えば防衛予算で考えた場合、「北朝鮮問題があるから防衛予算を増やしましょう!」というのは、多くの日本国民が理解できると思います。ところが、プライマリーバランス黒字化目標があるとどうなるか?防衛予算を1兆円増やしたので、反対側で社会保障費か科学技術予算か医療介護費か何か他の支出を1兆円削減する、もしくは1兆円分増税するというデフレ化促進政策の話になってしまうのが今の日本の現状。

                                       

                                       そう考えた場合、プライマリーバランス黒字化目標が、日本の豊かさやデフレ脱却して経済成長したくてもできない毒矢のように刺さった最悪の概念であることが理解できると思うのです。

                                       

                                       既に国民の貧困化は著しく、日本国民の実質賃金のピークは1997年1月〜3月期と比べて、橋本政権が消費増税した1998年4月、その1年前と比べて15%も減少しています。

                                       

                                       実質で貧乏になっている状況で、国民が消費を増やせるはずがありません。当然所得が減って税収が減ります。その結果財政悪化だからといって、公共事業を削減し続け、インフラは老朽化して科学技術予算には予算を付けず、科学技術小国化し、防衛費も増やせず、という状況が過去20年も続いてきたのが日本です。

                                       

                                       となれば、デフレ脱却に期待を寄せると思いますが、その運命が今年の6月に決まります。それが財政の骨太方針です。ここでプライマリーバランス黒字化目標を破棄できるか?日本の行く先の運命が決まるといっても過言ではありません。

                                       

                                       問題なのは、2018年の今年、プライマリーバランス黒字化目標が破棄できたとしても、予算反映するのは2019年度からです。今年は補正予算を多く組んで乗り切るしかありません。

                                       来年度の予算の前提を、今年決めるというプロセスになっているため、そうならざるを得ないのです。

                                       

                                       

                                       というわけで、今日は「日本の行く先の運命を決する今年6月の骨太方針」と題し、プライマリーバランス黒字化目標が破棄できるか否か?の重要性について述べました。株式投資をやってらっしゃる方も、直近では米国株大暴落に引きずられ、日本株も下がってきています。私は米国株の大暴落は一時的とみています。FRBは金融緩和を維持して利上げはしないでしょう。せっかくの財政政策が無駄になってしまうからです。

                                       金融政策と財政政策をパッケージにして行う、これがデフレ脱却と強い経済力への唯一の道です。だから米国株はトランプ大統領が在任中は安泰です。

                                       もしこのプライマリーバランス黒字化目標が破棄できない場合は、恐ろしいくらいのデフレに突入することとなり、日本株も上昇余地が限られるでしょう。安倍首相の後継者と言われる石破、岸田、小泉らは緊縮財政の考えに染まっています。極めて危険です。

                                       今年の6月の結果によっては、私は日本株の半分を現金化することを検討しています。それだけ6月の骨太方針に着目しています。GDPが増えないのに株価が上昇するというのは極めていびつで、必ず是正されます。そしてGDPを増やすためにはプライマリーバランス黒字化破棄が必要。デフレ脱却の第一歩はプライマリバーランス黒字化破棄です。株式投資をされている方もそうでない方も、ぜひデフレ脱却のための声を上げていただきたい、そう願っております。


                                      少子化の結果がデフレではなく、デフレの結果が少子化である!

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                                        JUGEMテーマ:年金/財政

                                         

                                         今年の日本経済がどうなっていくか?ということで、今日は「少子化の結果がデフレではなく、デフレの結果が少子化である!」と題し、少子化とデフレとの関係について意見します。

                                         

                                         今の日本は、未だデフレという総需要不足の経済現象に苦しめられています。デフレが継続することで、国民は貧困化、財政は悪化してインフラは老朽化してボロボロになり、科学技術部門の凋落は見るも無残となり、防衛力は弱体化していきます。結果、税収が伸び悩み、社会保障も維持できなくなります。さらにいえば、少子化で人口が維持できなくなる自治体も出てくるでしょう。こうした現象がなぜ起きているか?といえば、デフレが継続しているからです。

                                         

                                         安倍政権はデフレ脱却を標榜して誕生した政権ですが、なぜデフレから脱却できないのか?一番の大きな理由はプライマリーバランス黒字化目標です。このプライマリーバランス黒字化目標がある限り、政府は対策が打てません。

                                         

                                         デフレと人口減少は、どのような関係があるのか?人口減少するからデフレなのか?デフレだから人口減少するのか?この答えについても多くの人々が誤解しています。人口減少している国は日本だけではありません。下図は2000年〜2015年の人口減少率と平均経済成長率を示したグラフで、人口減少のペースが早い順に左から右へ並べたものです。

                                         

                                        (出典:IMF)

                                         

                                         このグラフを見ますと一目瞭然ですが、日本よりもハイペースで人口減少している国は18か国あります。ほとんどの国々が日本よりも高い経済成長率で経済規模を拡大し、しかもデフレではありません。

                                         

                                         一番人口減少のペースが激しいジョージア(旧グルジア共和国)の2000年〜2015年の平均経済成長率は5.67%とものすごく高いです。日本の経済成長が低迷しているのは、デフレのせいであり、人口減少は関係ないのです。

                                         

                                         仮にデフレが人口減少によって発生するとするならば、ジョージアを含め18か国は、どう説明するのでしょうか?

                                         

                                         地球規模で人口を見ますと、アフリカを中心に人口は増えています。一方で上図の日本を含む19か国が人口減少しています。ジョージアはいうまでもなく、ラトビア、リトアニアといったバルト3国は1%超のペースで人口が減っています。こうした国と比べれば、日本の人口減少率は大したことないといえるでしょう。ただし、日本だけがデフレで経済成長率が低迷しており、これはどのように説明されるべきなのか?疑問に思いませんでしょうか?

                                         

                                         2017年度の消費者物価指数が発表されているのですが、コアコアCPI(エネルギーと食料の価格変動を除く消費者物価指数)は、▲0.1%と前年比(2016年度比)でマイナスでした。ということは、日本は未だデフレから脱却できていないということがいえるのです。デフレだと物価が下がります。問題なのは、それ以上のペースで所得が減少し、実質賃金が減ることです。若者の実質賃金が低迷すると間違いなく婚姻率が低下し、結婚が減ります。結婚が減ると出産が減り、少子化になっても人口が停滞します。

                                         今の日本の人口減少についていえば、少子化に限り、デフレが原因といえるのです。

                                         

                                         実質賃金の低迷と少子化とで、密接な関係があるというのは、世界最悪の少子化国である台湾がいい例です。台湾では見事に若者の実質賃金が減少しており、結婚が減っています。結婚の減少が少子化の主因であることを政治家は理解するべきでしょう。即ち、日本の少子化と人口減少は、デフレの結果であるということです。

                                         

                                         デフレの結果が少子化・人口減少であるというのが正しいのに、少子化・人口減少だからデフレになっているという、話が逆になっている論説も多い。それが人口減少とデフレとの関係の正しい理解を妨げていると思われます。なぜならば、人口が減っているからデフレになっていると説明するとすれば、ジョージアはどう説明するのでしょうか?というわけです。

                                         「デフレだから少子化になっている」が正しい!ということ、それに尽きます。

                                         

                                         日本の若者は実質賃金が低下し、手取り10万とか15万とか、こうした若者が結婚できるでしょうか?できるわけがありません。少子化担当大臣の省庁が「若者に結婚したいか?」という調査をした結果、80%以上が結婚したいと答えています。この数値は欧米より高いです。結婚ができない理由が経済的事情と答えている人が60%超です。

                                         まず、この問題を解決することが大切であることは言うまでもありません。若者の給料が増える必要があるのです。

                                         

                                         安倍政権は経団連に賃金引上げを促す取り組みをしていますが、政府が緊縮財政をしておきながら、企業に賃金UPを要請するというのは無理があります。労働組合に給料の引上げの声掛けをするならば、まず政府が政府支出を拡大して需要を創出し、企業の設備投資を促す必要があるのです。

                                         設備投資を促すために、法人税減税しても、需要がなければ内部留保が増えるだけ。それを賃金UPの原資にしようと声掛けしたとしても、経営者は長期に渡って需要拡大するという見込みがなければ、賃金UPは一時的なものにならざるを得ません。仮にもベースアップが毎年行われるようになるためには、長期にわたって需要が伸び続けるという確信がなければ、毎年ベースアップさせるということはできないでしょう。なぜならば、一度引き上げた賃金は引き下げが難しいからです。

                                         

                                         民間企業と家計は長期間のデフレ環境の中で、設備投資拡大や消費拡大という行動は起こしにくい。設備投資拡大と消費拡大を誘発し、持続的に拡大が続くまで、政府支出増による需要創出が必要なのですが、このとき需要創出を阻むのがプライマリーバランス黒字化目標です。

                                         

                                         

                                         というわけで、今日はデフレと少子化の関係について意見しました。少子化だからデフレになっているは誤りで、デフレだから少子化が正しい。これを解決するためには政府支出増が必要です。それを阻むプライマリーバランス黒字化目標について、今年の6月の財政の骨太方針の中で削除ができるか?私はここに注目しています。


                                        2年で物価目標2%を達成させるための大規模金融緩和政策という壮大な社会実験の失敗

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                                           今日は、「2年で物価目標2%を達成させるための大規模金融緩和政策という壮大な社会実験の失敗」と題し、日本の金融緩和政策について振り返りたいと思います。

                                           

                                           昨年末になりますが、2017/12/07(木)に、日銀の黒田総裁が「物価目標2%について、なお距離があることは事実だ。」と述べられました。理由については、正社員の賃上げの鈍さ、企業が物・サービスの値上げに慎重な姿勢があると述べられ、なかなか値上げしない姿勢にあると仰っていました。

                                           

                                           安倍政権が誕生し、2013年4月、日銀の黒田総裁は2年で物価を2%にするとコミットメントしました。コミットメントとは、責任を伴う約束です。少なくても責任云々を言っていた岩田規久男副総裁は2年で物価2%上昇の達成ができなかった時点で、辞任すべきでした。金融市場関係者に「そこまで宣言してデフレ脱却のためにやるんだ!」という信頼感を、事実上黒田総裁自らが壊してしまったと言えます。

                                           

                                           事実だけ申し上げますと、日銀は2013年3月以降、340兆円の通貨を発行しました。通貨発行の方法は、紙幣の増刷ではありません。日銀が、銀行にとって資産勘定となっている国債を買い取り、銀行が保有する国債を、日銀当座預金をいう資産勘定に振り替える方法でした。日銀当座預金は日銀にとって負債勘定です。銀行は国債を日銀に売却して、デジタルの日銀当座預金を増やしてきました。

                                           

                                           結果、実質的に返済すべき政府の負債は減少しています。なぜならば、日本銀行はJASDAQに上場する株式会社組織であり、日本政府が55%の株式を保有しているため、連結決算で親子関係にあるのです。親会社の政府の負債を、子会社の日銀が買い取った場合、その国債について、政府は日銀に元本の返済をしてもイイですし、しなくてもいいのです。利息も払ってもイイですし、払わなくてもいいのです。

                                           何しろ、連結貸借対照表を作成する際、親子関係の取引は相殺されますので、当たり前です。

                                           

                                           とはいえ、日銀の金融緩和政策の目的は、政府の負債を減らすことを目的としたわけではなく、物価上昇2%の達成です。2年で2%という目標でしたが、5年経過しても達成ができませんでした。

                                           

                                           注目すべき指標は、GDPデフレータ、コアコアCPI(生鮮食品・エネルギーの価格変動を取り除いた消費者物価指数)ですが、いずれもほぼ±ゼロです。GDPデフレータ、コアコアCPIがプラス2%だったら、デフレ脱却できたといえます。

                                           

                                           なぜ、5年経過したのに達成できなかったのでしょうか?

                                           

                                           理由は、デフレは貨幣現象ですという間違った認識のもとで政策をやってきたことです。インフレ・デフレという物価変動の事象について、需要過不足説と貨幣量説があります。

                                           

                                           需要過不足説は、需要(実質需要・名目需要)が不足しているからデフレという考え方。貨幣量説は、お金をたくさん刷ればインフレになるが、市場に出回っているお金が不足しているからデフレとする考え方です。このブログでも、インフレ・デフレとは何か?というテーマを何回か取り上げています。私は、後者の貨幣数量説は間違っていて、前者の需要過不足説が正しいという立場です。

                                           

                                           お金をたくさん刷ったところで、それをやっただけでは物価変動するはずがありません。物価上昇・物価下落とは、物・サービスとお金の対価があって、初めて上昇・下落します。

                                           物の個数、サービスの回数が多く買われるという実質需要が多く、価格も値下げせずともむしろ値上げしても売れるという状態であれば、物価は上昇します。

                                           逆に、物の個数、サービスの回数が少なく買われるという実質需要が少なく、価格も値下げして売れないという名目需要が不足している状況ですと、物価は下落します。

                                           

                                           このように、貨幣をどれだけたくさん刷っても、物・サービスとお金のやり取りがない限り、物価は変動しません。今この瞬間、日銀が100兆円増刷したとして、焼き芋食べるのに焚火で燃やしてしまえば、物価変動に影響がないわけです。政府・日銀の失敗はここにあります。単にお金をたくさん刷れば、物価上昇できると考えてきたことが、物価目標2%未達の原因です。

                                           

                                           もっとも、日銀は金融緩和政策を継続しており、財政出動は日本政府の問題です。日本政府は金融政策だけを日銀に丸投げしておいて、自分たちは財政出動どころか、緊縮財政をやってきました。2013年に政府支出増をした以外、2014年以降安倍政権は、ずっと緊縮財政です。本予算と補正予算を足したものの合計支出が、前年比を下回っている年度が4年も続けられているのです。

                                           

                                           デフレの国であれば、「金融緩和」と「財政出動」をすべきなのですが、「金融緩和」と「緊縮財政」というアクセルとブレーキの組み合わせで、いつまで経っても物価上昇が果たせないでいるのです。

                                           

                                           日銀の岩田副総裁は、フィッシャー方程式「実質金利=名目金利−期待インフレ率」を持ち出し、日銀が強く2%を達成するとコミットメントすれば、期待インフレ率2%分、名目金利が控除されて、実質金利が低下し、金利が下がることで企業が設備投資をしやすくなって、デフレ脱却できるという理論のもと、社会実験として大規模金融緩和政策を行うということで、金融緩和を5年も継続してきたのです。

                                           

                                           需要がなければ、どれだけ金利が下がろうと、法人税を引き下げようと、経営者は投資するはずがありません。物・サービスの値段が下げないと売れない、個数・回数が少なく買われてしまうという、名目需要も、実質需要も減少しているデフレ環境下では、経営者は投資しても損する可能性が高いと考え、設備投資を辞めたり、様子見で先送りになってしまうのです。

                                           

                                           これを打破できるのは、利益追求する必要がない日本政府が、長期プロジェクトで需要を創出し続けることです。具体的には、各種新幹線整備、リニア新幹線の早期開業、港湾整備、イージス艦・潜水艦を作る、リニアコライダーの岩手県北上市への招致を急ぐなど、日本には需要がたくさんあります。こうした需要に、政府自らが投資することで、民間企業の投資を誘発できるのです。

                                           

                                           

                                           というわけで、今日は改めて日銀の金融緩和政策が失敗したことを述べました。誤解があるといけないのですが、私は日銀の金融緩和を辞めるべきとは一言もいっておりません。辞めた場合、一気に円高となって株式市場で株が売られて、日本発の金融危機が発生することになるでしょう。私が申しあげたかったのは、デフレ脱却は金融政策だけではできないということと、政府支出が組み合わさって初めてデフレ脱却が可能になるということです。

                                           巷では「出口戦略」とかいって、それっぽいこと言っている人いますが、別に日銀が国債を増刷して、日銀のバランスシートが拡大したからといって、困ることは何もありません。それっぽいこと言う人の中には、日銀のバランスシートの肥大化とかなんとか、日銀のバランスシートが大きくなることを問題視する人が居ますが、全くの的外れ。

                                           日銀が国債を増刷して資産を増やした場合、反対側に紙幣や日銀当座預金という負債が増え、日銀の純資産額が変わることはありません。「たくさん増やした国債をそのまま放置していいのか?」といわれれば、「地球が滅亡するまでそのまま放置でOK!」なのです。

                                           経済評論家やエコノミスト・アナリストで、日銀の出口戦略などと語る人たち、この人々はマクロ経済について全く理解していない人たちです。こうした人々が政府に間違った情報発信することも、日本がデフレから脱却できない原因といえます。

                                           そのためには、私たち一般国民がデフレ・インフレなどの経済について知見を高め、識者と呼ばれる人々の間違った論説を、間違っていると指摘する必要があると思うのです。


                                          ショボすぎてデフレ脱却には程遠い2017年度の補正予算と、その根拠となる経済指標の分析について

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                                             今日は、「ショボすぎてデフレ脱却には程遠い2017年度の補正予算と、その根拠となる経済指標の分析について」と称し、2017年度の補正予算が2兆円台となったことについてのエコノミスト・アナリストらの論説について、意見したいと思います。

                                             

                                            下記は、2017/11/28に掲載されたブルームバーグの記事です。

                                            『2017年11月28日 10:40 JST 高橋舞子 景気回復で補正予算2兆円台に、現政権で最小規模−当初予算へ軸足

                                             2017年度補正予算は安倍晋三政権下で最小規模となる見通しだ。足元の経済情勢が好調な中、「人づくり革命」「生産性革命」の二枚看板の実現に向けて財政を投入するが、大型の経済対策を伴う補正とは一線を画す。有識者からは、単年度に限定される補正予算から、より長期的な計画を立てられる当初予算充実への転換を図るべきだとの声も高まっている。

                                             複数の政府関係者によると、今年度補正予算の規模は3兆円を下回る2兆円台に抑える方向で調整している。待機児童解消に向けた施設整備や、生産性向上関連施策、日欧経済連携協定(EPA)大筋合意を受けた農林水産業の強化策が中心となる。財源は2016年度の剰余金や国債費など義務的経費の使い残しのほか、建設国債の発行で確保する。12月22日に来年度予算と併せて閣議決定される見通しだ。
                                             安倍首相は21日の参院本会議で、「今年度補正予算は景気下振れへの対応ではない」と言明。10月26日の経済財政諮問会議では、高橋進日本総研理事長ら民間議員が「補正予算の編成は必要最小限にとどめ、必要な予算は、物価・賃金動向を踏まえつつメリハリをつけて当初予算に計上すべきだ」と提言していた
                                             足元の経済情勢は好調で、7−9月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は7期連続のプラス成長を記録した第一生命経済研究所の星野卓也副主任エコノミストは24日の電話取材で、「短期的な景気の底上げの必要性は薄い」と指摘した上で、「安倍政権の財政政策は補正予算から当初予算へ、建設投資から人材投資へシフトした」と説明。当初予算は前年踏襲の慣行を改め、大胆な組み替えが必要だと述べた。
                                             12年末の第2次政権発足以降、安倍首相は4回の経済対策を実施し、財源を確保するための補正予算を編成。義務的経費の追加なども含めた各年度の一般会計の追加歳出は3.9兆円から8.2兆円規模に上った。うち16年度には第1次〜3次補正で計5.5兆円を計上。15年度は4.8兆円の補正を編成したが、経済対策は策定していない。
                                             自民党は10月の衆院選で大勝し、単独過半数の議席を獲得したばかり。野村証券の桑原真樹シニアエコノミストは大型の補正予算編成について、「実際に景気が良いことに加えて選挙も終わり、支持率も持ち直しているので、いろいろな意味で必要ない」と否定的な見解を示した。(後略)』
                                             上記記事の通り、2017年度の補正予算は2兆円台となりました。はっきり申し上げまして、これではデフレ脱却は不可能でしょう。
                                             記事では「足元の経済情勢は好調で、実質GDPは7期連続のプラス成長を記録した」と報じていますが、GDPデフレーターは、7-9月期でやっとプラスに転じ、しかも0.10とほぼゼロに近い状態です。
                                             景気がイイという状況は、数値的に申し上げますと、
                                            ●実質GDP、名目GDPがともにプラス2%以上で推移
                                            ●GDPデフレーターが2%以上で長期間推移
                                            ●コアコアCPI(エネルギーの価格変動を除く消費者物価指数)が2%以上で推移
                                            この3つの条件が出揃ったときです。
                                             この3条件が揃っている状態は、景気がいい状態です。何しろ、物価が2%上昇しており、物・サービスの個数・回数も多く買われ、しかも物価が緩やかな上昇をしているという状況。この状態であれば、給与も伸び、消費も増やしているので、多くの国民が豊かさを実感できるでしょう。
                                             景気が過熱しているとすれば、どのくらいのパーセントか?わかりませんが、借金をしてまで投資する、特に土地や株式への投資が借金をしてまでするような人が、周りで増えてきたらバブルといえます。
                                             ではブルームバーグ記事が伝える”景気がいい”というのは、実際はどうなのでしょうか?
                                             名目GDP(前期比)、実質GDP(前期比)、GDPデフレーター(前年同期比)で見てみましょう。
                                              名目GDP 実質GDP

                                            GDPデフレータ

                                            (原系列前年同期比)

                                            94年1Q      
                                            94年2Q -0.1 -0.5 0.00
                                            94年3Q 0.9 1.3 0.00
                                            94年4Q -0.3 -0.5 0.00
                                            95年1Q 0.6 1 -0.40
                                            95年2Q 1 1.2 -0.80
                                            95年3Q 1.2 1.1 -0.50
                                            95年4Q 0.3 0.2 -0.50
                                            96年1Q 0.5 1 -0.70
                                            96年2Q 1.2 1.1 -0.20
                                            96年3Q -0.1 0 -0.50
                                            96年4Q 1 1.1 -0.70
                                            97年1Q 0.3 0.4 -0.30
                                            97年2Q 0.3 -0.8 0.80
                                            97年3Q 0.2 0.3 0.70
                                            97年4Q 0.2 0 0.90
                                            98年1Q -1.3 -1.2 1.00
                                            98年2Q -0.6 -0.4 -0.20
                                            98年3Q -0.2 0.2 -0.50
                                            98年4Q 1.1 0.9 -0.40
                                            99年1Q -2 -1.4 -0.90
                                            99年2Q 0.1 0.5 -1.10
                                            99年3Q -0.1 0.5 -1.40
                                            99年4Q -0.2 0 -1.80
                                            00年1Q 1.6 1.9 -1.50
                                            00年2Q -0.2 0.2 -1.60
                                            00年3Q -0.2 0.1 -1.20
                                            00年4Q 0.6 0.9 -1.30
                                            01年1Q 0.7 0.6 -0.80
                                            01年2Q -1.3 -0.5 -1.20
                                            01年3Q -1.4 -1.1 -1.30
                                            01年4Q -0.5 -0.3 -1.20
                                            02年1Q 0.2 0.1 -1.40
                                            02年2Q -0.3 0.8 -1.50
                                            02年3Q 0 0.4 -1.50
                                            02年4Q 0.1 0.3 -1.50
                                            03年1Q -0.8 -0.1 -2.40
                                            03年2Q 0.8 0.8 -1.20
                                            03年3Q 0 0.4 -1.20
                                            03年4Q 0.4 1.1 -1.70
                                            04年1Q 0.6 0.8 -1.30
                                            04年2Q -0.4 0 -1.60
                                            04年3Q 0.4 0.5 -1.20
                                            04年4Q -0.1 -0.3 -0.30
                                            05年1Q 0 0.5 -0.80
                                            05年2Q 0.3 0.8 -0.90
                                            05年3Q 0.6 1 -1.10
                                            05年4Q 0.1 0.2 -1.30
                                            06年1Q -0.1 0.1 -1.20
                                            06年2Q 0.1 0.4 -1.10
                                            06年3Q -0.3 -0.2 -0.70
                                            06年4Q 1.3 1.2 -0.50
                                            07年1Q 0.5 0.7 -0.60
                                            07年2Q 0.1 0.1 -0.50
                                            07年3Q -0.9 -0.4 -0.60
                                            07年4Q 0.1 0.5 -1.20
                                            08年1Q 0.1 0.3 -1.10
                                            08年2Q -0.7 -0.5 -1.40
                                            08年3Q -2 -1.3 -1.50
                                            08年4Q -1.1 -2.3 0.00
                                            09年1Q -4.8 -4.9 0.20
                                            09年2Q 1.2 2.1 -0.10
                                            09年3Q -0.8 0 -0.30
                                            09年4Q 0.7 1.4 -2.30
                                            13年4Q 0 0 0.00
                                            14年1Q 1 0.8 0.30
                                            14年2Q 0.2 -1.7 2.20
                                            14年3Q -0.1 0 2.10
                                            14年4Q 1 0.7 2.40
                                            15年1Q 2.4 1.2 3.40
                                            15年2Q 0.4 0.1 1.60
                                            15年3Q 0.3 0.1 1.90
                                            15年4Q -0.1 -0.2 1.70
                                            16年1Q 0.9 0.5 0.90
                                            16年2Q 0.1 0.4 0.50
                                            16年3Q -0.1 0.2 -0.10
                                            16年4Q 0.5 0.3 -0.10
                                            17年1Q 0.1 0.4 -0.90
                                            17年2Q 0.8 0.7 -0.40
                                            17年3Q 0.8 0.6 0.10
                                            (出典:内閣府ホームページ)
                                            この数値で注目していただきたいのは、次の部分です。
                                            1997年2Q(4−6月期)
                                            2008年4Q(10−12月期)
                                            2014年2Q(4−6月期)
                                            1997年2Q(4−6月期)
                                             この四半期は、1997年4月という消費増税3%→5%となった四半期です。名目GDP、実質GDP共に2%未満でマイナスとプラスを往来しています。GDPデフレーターはプラスに転じています。
                                             これは消費増税という強制的に名目の物価上昇させる政策のため、名目GDP前期比増減>実質GDP前期比増減 となることからプラスに転じたものです。何しろGDPデフレーター=名目GDP÷実質GDPで算出されます。
                                             名目GDPの減少幅が、実質GDPの減少幅より小さい、即ち、名目GDP減少幅の絶対値<実質GDP減少幅の絶対値 となるため、必ずそうなります。
                                            2008年4Q(10−12月期)
                                             この四半期は、2008年9月15日にリーマンショックが発生し、世界的に景気が悪くなり始めた10月からの数値です。世界的に景気が悪くなると輸入物価が下がり、交易条件が良化します。輸入物価が下がると、名目GDPは上昇します。なぜならば、輸入はGDP算出の際、控除される項目だからです。
                                            GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出(※)
                                            ※純輸出=輸出−輸入
                                            控除されるものが減少するということは、GDPが増えるということになります。即ち名目GDPが増えるということ。GDPデフレーター=名目GDP÷実質GDPですので、GDPデフレーターはプラスに押し上げられたというわけです。
                                            2014年2Q(4−6月期)
                                             この四半期は、2014年4月という消費増税5%→8%となった四半期です。GDPデフレーターは4半期連続で前年同期比で2%台と高い数値を継続しています。
                                             これは景気が良くなって2%台を推移しているのではなく、,汎瑛佑法¬礁棕韮庁仭梓比増減>実質GDP前期比増減 かつ 名目GDP減少幅の絶対値<実質GDP減少幅の絶対値 となるため、GDPデフレーターがプラスするのです。
                                             確かに、実質GDPは7期連続でプラスではありますが、GDPデフレーターはプラス0.10と小幅なプラスです。物価上昇率は、コアCPI△0.7%、コアコアCPI±0%です。ブルームバーグの記事が伝えるような、とても”景気がいい”という数値ではありません。
                                             ところが、野村證券のアナリストは景気がイイとコメントしています。第一生命研究所のエコノミストも景気の短期的な底上げは不要とコメントしています。民間議員で日本総研の高橋進氏は、補正予算は必要最小限にとどめるべきと、財政支出増となる補正予算は少なくてよいという旨をコメントしています。
                                             どうでしょうか?このようにエコノミストもアナリストも民間議員とやら識者と呼ばれる人も、この程度の認識です。実質GDP7期連続プラスが2%台で達成し、コアコアCPIで2%を達成し、しかもGDPデフレーターがプラスだったら、上述のコメントも理解できます。とはいえ、そうではない。だからほとんどの人が”景気がいい”という実感が乏しいものと思うわけです。
                                             というわけで、今日は補正予算2兆円台についてのエコノミスト・アナリストらのコメントについて触れ、私見を述べさせていただきました。エコノミストやアナリストらは、内閣府が公表する数値を見ていても、その数字がイメージするものが理解できていないのでは?と思います。
                                             そのため、権威のある彼らの論説がマスコミ報道を賑わせ、結果的に日本国民が「景気がイイんだ!」と誤認すると思うのです。確かに株価は上昇し、景気がイイと思わせるような報道も多い。とはいえ、株価がどれだけ上昇しても、円安で外国人投資家が日本株に買いを入れているという現状ですので、もともと今の日本において株価上昇とGDP成長には相関関係がないといえます。
                                             もちろん、コアコアCPIで2%以上、名目GDP・実質GDPがともにプラス、GDPデフレーターで2%以上プラスという状況で、実質賃金が増えて、実質消費が増えることで、企業の一人当たり利益が上昇し、株価が上昇しているということであれば、株価上昇についても誇れます。現実はそうではありません。
                                             政府が長期プロジェクトを制定して政府支出増をする、トランプ大統領のように大々的なインフラ投資をすると宣言する。そうすれば、政府支出自体がGDPを押し上げ、民間企業の投資を誘発することでGDPを押し上げます。結果、名目GDP・実質GDPがともにプラス、GDPデフレーターで2%以上プラス、コアコアCPIで2%以上、という状況になって、実質賃金も実質消費が増え、豊かさを実感できるでしょう。そうなって初めて”景気がイイ”といえるものと、私は思うのです。

                                            グローバリズムと構造改革という二つのインフレ対策

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                                              JUGEMテーマ:経済全般

                                              JUGEMテーマ:グローバル化

                                              JUGEMテーマ:TPP

                                               

                                               今日は、グローバル化、構造改革、という二つのキーワードについて取り上げます。皆さんは、グローバル化、構造改革という言葉を聞いた場合、どのようなイメージをお持ちでしょうか?

                                               

                                               例えばグローバル化といえば、TPPなどの貿易自由化や関税障壁撤廃といった言葉が出てくるでしょう。構造改革といえば官業の民営化や無駄削減で指名競争入札・談合排除の一般競争入札推進といった言葉が出てくるでしょう。

                                               

                                               どちらもこの2つは、インフレ対策です。インフレ対策とは、インフレを抑えるための政策です。日本は今もなおデフレです。なぜならば、物価上昇率は日銀の目標値の2%を達成できておりません。実質賃金、実質消費も伸び悩み、プラスマイナスを一進一退していますが、エンゲル係数は2014年以降急上昇し、1989年ころの水準にまで上昇しています。

                                               エンゲル係数は、家計の消費支出に占める飲食費の割合であり、この数値が低ければ低いほど、食費以外のスポーツや文化といった消費支出に充当している割合が多いということになります。エンゲル係数の考え方からすれば、毎月支給される月給が伸び悩む、もしくは減少し、その状態で消費増税で名目需要を引き上げれば、家計は余裕がなくなり、食費以外の支出を削減する人が増えるでしょう。支出の削減=生産の削減=分配の削減と、GDP3面等価の原則でいえば、経済成長とは逆行します。

                                               

                                               構造改革でいえば、官業の民営化とは、政府や地方自治体の公共機関がやっていたものを、民間がコストを抑えて受託することで、支出を削減することを目的に民営化します。民営化する際、従来かかっていた費用(高い給料をもらっているとされる公務員の給料や随意契約などで値段を高く発注した費用)よりも、受託したあるいは委託を受けた一般の民間企業が高いコストを払ってやるということは、あり得ません。

                                               人件費であれば公務員ではなく、一般社員となりますし、随意契約ではなく競争入札にするなど、利益を捻出するために経営者はあらゆる分野で費用を抑制しようとします。

                                               こうした高いコストを削減することは、支出の削減=生産の削減=分配の削減と、GDP3面等価の原則で、やはり経済成長とは逆行します。

                                               

                                               要するにこの2つは、デフレ対策ではないのです。経済成長、物価上昇を目的とするのであれば、グローバル化と構造改革は明らかに逆行します。どちらも物価上昇を抑制し、経済成長と逆行する、すなわちインフレ対策です。

                                               

                                               

                                               というわけで、今日はグローバリズムと構造改革がインフレ対策であることをご説明しました。何かと聞こえがいい「グローバル化」「構造改革」ですが、デフレ環境ではデフレを促進するため、この2つは100害あって一利なしです。インフレ環境では「グローバル化」「構造改革」が適切な政策になることもあり得ますが、日本は20年もデフレに苦しんでいます。本来は、デフレ対策を打たなければならなのに、インフレ対策をやっているというおかしなことになっているのが今の日本であることを、皆様にご理解いただきたく思います。


                                              消費支出減少の苦しい言い訳(天気のせい?エアコン販売減少のせい?)

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                                                 今日は総務省が発表した9月の家計調査について触れ、消費支出が減少している状況をお伝えします。

                                                 

                                                 下記はロイター通信の記事です。

                                                『ロイター通信 12/1(金) 8:59配信 9月全世帯の実質消費支出は前年比-0.3%、2カ月ぶり減少=総務省

                                                [東京 31日 ロイター] - 総務省が31日発表した9月の家計調査によると、全世帯(単身世帯除く2人以上の世帯)の実質消費支出は前年比0.3%減となった。減少は2カ月ぶり。実額は26万8802円だった。
                                                ロイターが民間調査機関に行った聞き取り調査では、前年比0.7%増が予測中央値だった。
                                                季節調整済み全世帯消費支出は前月比0.4%増、勤労者世帯の実収入は実質で前年比2.1%増だった。』

                                                 

                                                 上記の通り、9月の実質消費支出は前年比で▲0.3%と前年同月でマイナスとなり、2か月ぶりの減少です。実質消費とは、物が買われる個数、サービスが買われる回数で、コメやパンを買う量が減り、美容院や床屋やネイルサロンに行く回数が減ったということで、物・サービスが買われる個数や回数が減少したということです。

                                                 名目消費ではなく、実質消費のため、金額ではなく数量が減ったことになります。つまり貧困化したといえます。

                                                 

                                                <2017年9月の消費支出>

                                                (出典:総務省のホームページ)

                                                 

                                                 上記資料には、2016年9月からの推移となっています。2016年2月はうるう年で、消費額が1日分大きい分、前年比でプラスになりやすいのですが、うるう年効果を除き、今年2017年5月まで21か月間連続で前年比割れが続いていました。6月〜8月で横ばいになってきたと思いきや、9月にまた下落しているのです。

                                                 

                                                 これほどまでに日本国民の実質消費を減らした総理大臣は、文句なしで安倍総理だけです。普通はこのような状況に陥る前に、内閣支持率が下がって退陣することが多いのですが、他の野党も、グローバリズム推進や緊縮財政を是としていまして、投票に入れる先がないという、フランス大統領選挙のような状態にあるのが、今の日本といってよいでしょう。

                                                 

                                                 とはいえ、総務省のこうしたデータから読み取れることは、どんどん日本国民が物・サービスを買う数量が買えなくなっているという話です。パンを買う個数を減らし、コメを買う量を減らし、床屋などのサービスを受ける回数を減らす。

                                                 

                                                 安倍総理も消費が伸び悩むどころか数値が悪いという認識があってなのか、株価上昇をやたらとアピールするのは、その辺が理由かもしれません。本ブログで何度も触れていますが、株価の上昇なんてのは、単に円安が進んだからに過ぎません。

                                                 名目GDP、実質GDPがちゃんと成長して、消費が増え、結果企業の売上高が増えて利益も確保でき、その結果の株価上昇であれば称賛しますが、現実は円安が進み、外国人投資家が割安になった日本株を買ったに過ぎず、株価の上昇自体、日本国民の中でも日本株投資をやっている人しか恩恵を受けません。

                                                 

                                                 

                                                 実質消費が減る前の2013年9月と、2017年9月で比較してみましょう。

                                                <2013年9月の消費支出>

                                                (出典:総務省ホームページ)

                                                 

                                                 実質消費(住居費含む)の実額で見た場合、

                                                2013年9月:280,692円(実質△3.7% 名目△5.2%)

                                                2017年9月:268,802円(実質▲0.3% 名目△0.4%)

                                                となり、金額でみて▲4%強のマイナスになっています。

                                                 

                                                 2013年9月の資料でみますと、2012年10月以降、安倍政権が誕生して以来、2013年9月までプラスで推移していました。これは安倍政権が、アベノミクス第一の矢の金融緩和と合わせ、第二の矢の国土強靭化計画で政府支出増を実行したからです。2013年度は名目GDPが1.9%も増加し、税収は6.9%増加しました。

                                                 

                                                 ところが、2017年9月との数値比較で、▲4%以上のマイナスということは、4年間で国民が買う物・サービスの数量が、100個から95個しか買えなくなってしまったということになります。

                                                 

                                                 

                                                 同じくロイター通信で、下記は10月の家計調査についての記事です。

                                                『ロイター通信 2017年12月1日 / 08:42 10月全世帯の実質消費支出、前年比横ばい=総務省

                                                [東京 1日 ロイター] - 総務省が1日発表した10月の家計調査によると、全世帯(単身世帯除く2人以上の世帯)の実質消費支出は前年比横ばいとなった。実額は28万2872円だった。

                                                ロイターが民間調査機関に行った聞き取り調査では、前年比0.4%減が予測中央値だった。

                                                季節調整済み全世帯消費支出は前月比2.0%減、勤労者世帯の実収入は実質で前年比2.9%増だった。』

                                                 

                                                (出典:総務省ホームページ)

                                                 

                                                 上記の通り、総務省のホームページでも12/1に10月のデータが公表されていますが、実質消費は住居含むで0.0%、除く住居で▲0.3%のマイナスです。

                                                 なぜ実質消費が増加せず、減少トレンドになっているのか?といえば、4年連続での減少は、間違いなく実質賃金低下の影響です。毎月給料が増えるという状況がなければ、必ず国民は消費を減らします。消費が減ると、他の誰かの所得が減り、需要が減る結果、企業の設備投資も減少する、そういう循環になります。

                                                 

                                                 本来であれば、消費の落ち込み、実質賃金の落ち込みという結果を受けて、原因を正しく統括して、正しいデフレ対策の経済政策が打たれなければならないわけです。ところが「台風のせい!」とか「エアコンの消費が伸びなかったから!」と、正しいデフレ対策をするわけでもなく、デフレ脱却を放置して、天気を言い訳にすることが多い。

                                                 

                                                <台風の上陸数>

                                                (出典:気象庁の台風上陸回数)

                                                 

                                                 上記の気象庁の資料の通り、今年の9月の台風の上陸回数は1回です。昨年の9月の台風の上陸回数は2回です。

                                                 なんで台風の上陸回数が少ないのに、台風のせいで実質消費が減るんでしょうか?上陸する台風の破壊力が違うからでしょうか?というより、台風と実質消費と相関関係はありません。まともに言い訳をすると失政が原因だから、もしくは言い訳ができないデータ解析ができないから適当な言い訳として”天気のせい”にしているとしか思えません。

                                                 

                                                 要は財政を拡大してデフレ脱却すれば、実質賃金も実質消費も必ず拡大するにもかかわらず、プライマリーバランス黒字化が足を引っ張り、財政拡大に転じることができないでいて、そのために「台風のせいです!」と適当な言い訳をしつつ、「株価は上昇しています!」と報道する。これが今の安倍政権です。

                                                 

                                                 すべてはプライマリーバランス黒字化が原因で、政策が打てないという状況。確かに、プライマリーバランス黒字化目標の達成期限を延期するという公約はありました。とはいえ、デフレだったらプライマリーバランスは赤字にしなければならない。というよりも赤字が悪で、黒字が善という家計簿発想の考え方自体、プライマリーバランスにおいてはあり得ません。だから本来はプライマリーバランスの黒字化の達成延期ではなく、破棄すべきです。

                                                 

                                                 毎年6月の財政の骨太方針において、政府の負債額の絶対額の減少ではなく、GDP対政府の負債比率の引き下げに、目標が変わりました。結果、GDPが拡大すれば、負債比率は低下します。ところがプライマリーバランス黒字化目標が残ると、GDP拡大の政策ができません。しかしながら、本来プライマリーバランス黒字化なんてのは、閣議決定すればいいだけのこと。財務省がどれだけ緊縮財政をやろうとしても、人事権は内閣府にあります。

                                                 正しい政策を理解してさえいれば、プライマリーバランス黒字化は破棄するでしょうし、破棄できないまでも閣議決定するなどの行動に出ることができるでしょう。

                                                 

                                                 総務省の言い訳も苦しい。台風の上陸回数が昨年よりも少ないのに、「台風のせいです!」と言い訳をする。であるならば、内閣や霞が関の官僚は、テルテル坊主でも作り、「台風が、どうか日本列島に来ませんように!」と祈祷でもすればいい。もし、理由が他に見つからない場合は、天候が悪いから外出を控えるようになったとか、インバウンドが減少したとか、実質消費と関係のない適当な言い訳をするのでしょうか?

                                                 

                                                 

                                                 というわけで、今日は実質消費の数値が弱い状況が続いている現状をお伝えしました。また、総務省や内閣の人たちが、実質賃金や実質消費の減少を”天気のせい”にするという適当な言い訳をして、それがマスコミでも報じられている現状をお伝えしました。

                                                 こうしたことに私たち国民が騙されないようにするためにも、経済の指標についてリテラシーを高め、知見を深めていくしかないと思うのであります。


                                                日本人にとって、国内における真の敵は財務省の職員?

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                                                   今日は「日本人にとって、国内における真の敵は財務省の職員?」と称し、プライマリーバランス黒字化問題をはじめとする財務省の考え方について、批判的な意見を述べたいと思います。

                                                   

                                                  1.財務省が固執するプライマリーバランス黒字化目標が日本を破壊する!

                                                  2.デフレ放置は中国問題と直結する!

                                                  3.中国の軍事費拡大に対して日本がすべきことは?

                                                   

                                                   上記の順で論説いたします。

                                                   

                                                   

                                                  1.財務省が固執するプライマリーバランス黒字化目標が日本を破壊する!

                                                   

                                                   財務省の職員は、プライマリーバランスの黒字化に異様なまでに固執しています。そのため、毎年6月に閣議決定される財政の骨太基本方針に、プライマリーバランス黒字化が入ってしまっています。

                                                   内閣府官房参与の藤井聡氏が、プライマリーバランス黒字化の破棄に向けた活動をされていますが、藤井聡氏によれば、プライマリーバランス黒字化こそ、日本を滅ぼす元凶であるとして、本も出版されています。

                                                   

                                                   プライマリーバランス黒字化が骨太方針に入ることによって、私たちの身の回りにどういう影響が出るか?

                                                   

                                                   日本は高齢化社会が進むため、社会保障支出が増えることになりますが、その伸び率を抑制し、できれば他の予算も削減する、もしくは増税しなさいという発想で政策が打たれることになるのです。

                                                   

                                                   実際にそういう形で予算が執行され、デフレ対策が打たれずにいます。結果、日本国民は実質賃金が下がり、貧困化が進んでいるのです。エンゲル係数の上昇という指標がそれを表しています。

                                                   

                                                  <日本のエンゲル係数>

                                                   

                                                   また、全体のGDPも増えていません。安倍政権はGDPが30兆円増えたと言っていますが、これは統計方法を変えただけの話。2016年12月から研究開発費についてGDPに加算するよう算出方法を変えたのです。

                                                   IMFの調査によれば、過去20年間で世界160か国の中で、GDPが減少しているのは日本だけだそうです。諸外国のGDPは上昇していまして、中国は8倍、カタールは10倍でトップ。ついでに言えば、ドイツやアメリカも1.5倍くらいになっていますが、日本はマイナスです。

                                                   

                                                   このままの状況が続くとどうなるか?これは仮想敵国の中国の問題と直結します。要はデフレを放置して日本のGDPが伸び悩むどころか減少し、反対側で中国のGDPの上昇が続くと、2040年代には中国のGDPは日本の10倍近くなることが予想されるのです。

                                                   

                                                   

                                                   

                                                  2.デフレ放置は中国問題と直結する!

                                                   

                                                   下記グラフは、日本と中国の世界に占めるGDPの割合ですが、2015年で既に日本6%弱と中国15%と、2倍以上の差がついています。

                                                   

                                                  <日中のGDPの世界に占める割合(ドル換算)>

                                                  (出典:IMF)

                                                   

                                                   このトレンドのまま日本のGDPのシェアが低下して、中国のシェアが上昇すると2040年頃にはGDPで10倍近くの差が開きます。このとき軍事費は20倍近い差が出てくることでしょう。中国共産党はGDPの伸び率以上に軍事支出を増やすからです。

                                                   

                                                   日本の将来の経済成長を否定する論説者は多くいます。とはいえ、経済成長しなければ中国の属国、即ち日本という主権国家がなくなって、中国日本省になる日が来るかもしれないのです。

                                                   

                                                   そしてその環境を作っているのは誰でしょうか?私は財務省の職員ですと言いたい。

                                                   

                                                   財務省はデフレ脱却の邪魔をしています。そもそも基礎的財政収支を一致させましょうというこの発想、つまりプライマリーバランス黒字化の発想があるために、大胆な財政出動ができないでいるのです。

                                                   

                                                   この影響が日本を破壊しているといえます。例えば、診療報酬や介護報酬は削減され、医療の現場、介護の現場はボロボロの状態です。またインフラが老朽化しているのに直されません。道路も穴ぼこだらけで、通れなくなって通行止めになっている橋やトンネルがあちこちに点在して今もなおその数が増えているのです。

                                                   なぜならば、プライマリーバランス黒字化目標の発想が、財政支出を抑制させ、結果的に上述の状態となっているわけです。

                                                   

                                                   財務省の職員は、医療現場でいえば、診療報酬は物価の下落に比べ、それほど下落していないと考えているようで、財務省としては、自分たちの緊縮財政の政策でデフレで賃金が下がっているのに、医師は賃金が下がっていないという理由で、診療報酬を引き下げようとしています。みんなが貧乏になっているから医師も貧乏にしましょうという発想なのです。

                                                   

                                                   本来は支出を増やさなければなりませんが、プライマリーバランス黒字化目標があるためにそういう発想になってしまう。安倍政権は、プライマリーバランス黒字化目標を破棄したいという思いがあるかもしれませんが、財務省はマスコミ対策を行い、プライマリーバランス黒字化破棄すべきという人々に対しては、猛烈に袋叩きにするでしょう。

                                                   

                                                   こうした財務省の職員の動きに対して、安倍政権が強く出られるようにするためには、正しい経済指標の見方など、私たち国民が私見を高めるしかないと思うのです。

                                                   

                                                   

                                                   

                                                  3.中国の軍事費拡大に対して日本がすべきことは?

                                                   

                                                   話題を中国の軍事費の拡大について戻しますが、日本はこの問題についてどうすべきでしょうか?

                                                   答えは簡単で一刻も早くデフレ脱却すればいいだけです。

                                                   

                                                   現在の日本は、生産年齢人口の減少という課題を抱える中で、実質賃金が下がっています。フルタイムで働く団塊世代が退職して、短時間のパートタイムで雇われたり、それだけで人手不足をカバーできないから女性も労働市場に参加して、パートタイムやアルバイトや派遣社員などが多い状況です。結果、名目賃金を下げて実質賃金は上がりませんが、就業者数は増えています。

                                                   

                                                   ところが、もう間もなくこのやり方では人手不足をカバーできない状況が来ます。フルタイムで雇用し、生産性を向上せざるを得ないくらい人手不足が深刻化するでしょう。何しろ今この瞬間、出生率が上昇に転じても、人口構造上生産年齢人口は増加しません。

                                                   

                                                   だから政府が生産性向上のための政府支出を増やし、インフラ整備をやって、技術開発投資をやって、民間企業の設備投資を誘発してとなれば、これは高度経済成長期と同じ環境になるのです。

                                                   人手不足を生産性向上で埋める→賃金が上昇する→賃金が上昇した個人がお金を使う→需要が増えてまた人手不足になる→生産性向上で人手不足を埋める→賃金が上昇する→賃金が上昇した個人がお金を使う→需要が増えてまた人手不足になる・・・という経済成長の循環に入る環境を迎えつつあり、高度経済成長に入る可能性があります。

                                                   

                                                   それをぶち壊すのは外国人労働者の受入です。外国人労働者の受入さえせず、政府が普通に国債を発行して財政出動さえすれば、経済成長率で中国を普通に追い抜くことが可能なくらい、人手不足が深刻化しています。

                                                   

                                                   高度経済成長に入るためにはどうすべきか?といえば、政府が安定的に需要を作る、しかも長期的に作るということが必要です。新幹線の全国整備でもいいですし、リニア新幹線の早期完成でもいいし、日本海側の港湾整備でもいいですし、全国のインフラの補強でもなんでも核兵器を作るとかもありです。がんの最先端治療など、テルモ社のハートシートのように健康保険適用するでもOK。医療報酬を引き上げ、介護報酬も引き上げれば、サイバーダインのようなパワーアシストロボットの開発も、新しい技術も生まれやすくなります。

                                                   

                                                   普通に政府が赤字国債や建設国債を発行して財政出動すればいいのに、プライマリーバランス黒字化目標がそれをできなくしているのです。

                                                   

                                                   なぜ、企業が従業員の給料を増やさず、内部留保を貯め込むのでしょうか?それは、経営者が需要の先行きに自信が持てないからです。長期プロジェクトを計画できるのは、通貨発行権を持ち、経世済民で利益追求の必要がない政府だけです。その政府が長期プロジェクト計画を打ち出し、自らも国債を発行して投資すれば、民間企業も自信をもって投資するでしょう。結果、内部留保で現金を貯めるよりも、より儲けようとして設備投資に支出することになるでしょう。

                                                   

                                                   

                                                   というわけで、今日は日本国内において真の敵(あまりこの言葉使いたくないですけど)は財務省職員であるとし、プライマリーバランス黒字化目標がその元凶であることをお伝えいたしました。内閣府官房参与の藤井聡氏をはじめ、安倍政権や一部の自民党の政治家の中には、プライマリーバランス黒字化目標が足かせになっていることを認識している政治家もいると思われます。

                                                   一方で財務省の職員はアホ集団なのか、プライマリーバランス黒字化目標に固執し、破棄しようとする人々を攻撃するようです。であるならば、プライマリーバランス黒字化目標破棄を訴える政治家に力を与えるために、私たち国民一人一人が知見を高める必要があります。内閣府官房は人事権を持っていますので、人事権を使って脅してプライマリーバランス黒字化を閣議決定で破棄し、財政拡大路線に持っていくことができれば、日本は再び成長への道を歩むことができるのです。


                                                  2017年第3四半期のGDP1次速報について

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                                                    JUGEMテーマ:経済全般

                                                    JUGEMテーマ:経済成長

                                                     

                                                     今日は11/15に内閣府のホームページに掲載された2017年第3四半期速報について取り上げます。

                                                     

                                                     内閣府のホームページに掲載のGDP速報によれば、2017年7月〜9月の実質GDP成長率、名目GDP成長率は下記の通りとなりました。

                                                     

                                                     実質GDP △0.3%(年率換算△1.4%)

                                                     名目GDP △0.6%(年率換算△2.5%)

                                                     

                                                     この数値を見ると、経済成長しているというように見えますが、残念ながら中身を見て私は唖然としました。以下、内閣府のホームページにあるPDFファイルから、中身が掲載されているものを抜粋します。

                                                     

                                                    (出典:内閣府ホームページ)

                                                     

                                                     

                                                     要は国内需要はマイナスし、純輸出で貢献したという状況です。純輸出=輸出−輸入ですので、輸出が増えるもしくは輸入が減ることで、純輸出は増えます。純輸出の中身と合わせ、内需についても内訳を見てみましょう。

                                                     

                                                    <民間最終消費支出>

                                                    家計最終消費支出や住宅投資など、個人消費の合計の消費支出です。

                                                     

                                                     

                                                    <家計最終消費支出>

                                                    家計の消費支出です。家計分野が物・サービスを買うときの、値段、数量でプラス、マイナスになります。

                                                     

                                                     

                                                    <民間住宅投資>

                                                    住宅投資そのものであり、一戸建て住宅、マンション新築が増えますとプラスになります。

                                                     

                                                     

                                                    <民間企業設備投資>

                                                    民間企業の設備投資です。機械を最新のものにしたり、生産性向上のためにシステム投資するなどが盛んになりますとプラスになります。

                                                     

                                                     

                                                    <民間在庫変動>

                                                    在庫を積み上げますと、民間在庫変動ということで、プラスになります。

                                                     

                                                    <政府最終消費支出>

                                                    社会保険で医療費や介護費について、サービスを受ける回数が増えていれば実質値は上昇し、値段が高く買われていれば名目値が上昇します。

                                                     

                                                     

                                                    <公的固定資本形成>

                                                    道路整備や高速鉄道などのインフラ事業ですが、大きくマイナスとなっています。

                                                     

                                                    <財貨・サービスの輸出>

                                                    純輸出のうち、輸出です。円安もあってか輸出は増えています。

                                                     

                                                    <財貨・サービスの輸入>

                                                    円安で輸入が減っているということもあるかもしれませんが、実質値もマイナスですので、要は日本は景気が悪いということです。

                                                    景気がいい場合は、輸入も増えます。

                                                     

                                                     

                                                     以上は、すべて出典は内閣府のホームページに掲載されているGDP速報の解説書から抜粋したものです。この資料から7〜9月の数値を実質値と名目値で注目すべき数値を整理すると以下の通りです。

                                                     

                                                    <実質GDP>

                                                    ●民間最終消費支出 ▲0.5%

                                                    ●家計最終消費費出 ▲0.5%

                                                    ●民間住宅 ▲0.9%

                                                    ●民間設備投資 △0.2%

                                                    ●政府最終消費支出 ▲0.1%

                                                    ●公的固定資本形成 ▲2.5%

                                                    ●輸出 △1.5%

                                                    ●輸入 ▲1.6%

                                                     

                                                     

                                                    <名目GDP>

                                                    ●民間最終消費支出 ▲0.4%

                                                    ●家計最終消費支出 ▲0.5%

                                                    ●民間住宅 ▲0.2%

                                                    ●民間設備投資 △0.6%

                                                    ●政府最終消費支出 △0.2%

                                                    ●公的固定資本形成 ▲1.8%

                                                    ●輸出 △3.0%

                                                    ●輸入 ▲0.4%

                                                     

                                                     

                                                     統括しますと下記の通りです。

                                                    ◎実質値も名目値も、いずれも民間消費、政府支出がマイナスになっている

                                                    ◎国内需要では、民間設備投資だけが名目値、実質値いずれも辛うじてプラスになっている

                                                    ◎公的固定資本形成は大きくマイナスし、公共事業は4月〜6月の反動もあると思われるが、大幅に減少している

                                                    ◎輸出は増えているが、輸入も減っている

                                                     

                                                     上記の通り、国内需要は設備投資以外すべて̠マイナスで、輸出増加と輸入減少によって純輸出の上昇幅が大きくなって、GDPがプラスになったという状況です。

                                                     

                                                     GDPデフレーターについては、輸入が大きく減少していることから、前期比では2期ぶりにプラスに転じ、前年同期比でも4期ぶりにプラスになったという状況です。(下記を参照)

                                                     

                                                    (出典:内閣府ホームページ)

                                                     

                                                     

                                                     本来であれば、名目GDP、実質GDPが2%以上となり、かつGDPデフレーターが安定的に2.0%以上を継続するまでは、デフレ脱却したとはいえません。0.0%近辺を横ばいの状態ですので、デフレ脱却とはいえないのです。

                                                     しかも、7月〜9月は、輸入が大幅に減少した結果、GDPデフレーターがプラスになったという状況ですので、本ブログでも取り上げたGDPデフレーターがプラスになる例外に該当します。(「GDPと税収の関係」と「GDPデフレーターの特徴」2.名目GDPと実質GDPとGDPデフレーターの指標の見方」 を参照)

                                                     

                                                     今回は輸入の減少と内需の縮小で、GDPデフレーターがプラスとなり、国内需要の指標がボロボロなのに、経済成長しているように見えてしまうのです。

                                                     

                                                     マスコミの報道では、7四半期連続のプラス成長と報道されていますが、実質GDPも名目GDPもそれほど拡大していません。その証拠にGDPデフレーターがマイナスになったりプラスになったりという状況で一進一退を繰り返しているのです。

                                                     しかも今回は輸入減少によるGDPデフレーターの例外的なプラス。中身を見れば、国内需要は設備投資以外全部マイナスです。

                                                     

                                                     本来は国内需要を中心に実質GDPがプラスし、GDPデフレーターがプラスとなり、名目GDPがそれ以上にプラスになっているという状態が正しい。さらにいえば、GDPデフレーターがプラスを継続している状態で、数値も2.0%程度が続いて初めて景気がイイといえます。この状態は、給料も上がって物価も上がってという状況だからです。

                                                     

                                                     安倍政権は、実質GDPが7四半期プラス成長を続けていることを成果と語り、アナリストらがそう分析して、マスコミもそのように報道します。とはいえ、GDPデフレーターがマイナス圏に沈み、今回は輸入減少という状況でGDPデフレーターがプラスになったという状況では、景気が回復しているとはいえないわけです。

                                                     

                                                     景気が回復しているとは、名目GDP、実質GDPがともにプラス成長で、GDPデフレーターがプラスの状況が継続している状況です。それも国内需要がプラスで大きく寄与する場合の方が、足腰の強い経済といえます。

                                                     

                                                     

                                                     というわけで、今日は2017年7月〜9月の第3四半期のGDP速報を取り上げました。


                                                    政府はお金を使わず、経済対策は企業に丸投げの安倍政権

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                                                      JUGEMテーマ:経済全般

                                                       

                                                       今日は、「政府はお金を使わず、経済対策は企業に丸投げの安倍政権」と題し、2017年の補正予算案編成について意見します。

                                                       

                                                       下記はブルームバーグの記事です。

                                                      『ブルームバーグ 2017年11月1日 第4次安倍内閣が発足、今年度補正予算案の編成を表明−全閣僚再任

                                                       安倍晋三首相(自民党総裁)は1日召集の特別国会で開かれた衆参両院の本会議で第98代首相に指名され、第4次内閣を発足させた。衆院選での与党大勝で政権が継続することになり、全閣僚を再任したが、デフレ脱却に向けた経済再生に加え、北朝鮮への対応、憲法改正など課題は山積している。

                                                        首相は1日夜の記者会見で、今後の政権運営に当たって「今、求められていることは一心不乱に政策を前に進め、そして結果を出すことだ」との決意を表明。「仕事人内閣の新しいチャレンジ」への理解と支援を求めた。その上で、2017年度補正予算案を年末に向けて編成し、子育て支援策の前倒し、災害対応、農林水産業強化策などを盛り込む考えを明らかにした。

                                                       また、「生産性を大きく押し上げることで、4年連続の賃上げの勢いをさらに力強いものとし、デフレからの脱却を目指す」と強調。20年までの3年間を生産性革命集中投資期間と位置付け、税制、予算、規制改革などの施策を総動員するとの方針を示した。その上で、「生産性革命」と「人づくり革命」に関連した政策パッケージを来月上旬に取りまとめ、可能なものから速やかに実行すると表明した。

                                                       政府・日銀が掲げている2%物価目標については「引き続き、日銀が目標達成に向けて取り組むことを期待している」と言明。来年4月に任期満了となる日本銀行の黒田東彦総裁の手腕を信頼しており、金融政策を任せていると述べたが、後任人事については「全くの白紙」と述べるにとどめた。(後略)』

                                                       

                                                       

                                                       上記記事の通り、衆議院議員選挙で掲げた目玉政策「人づくり改革」に向けて実現のため、待機児童対策の前倒しなど、少子高齢化対策に全力を尽くすとしています。補正予算の財源は、国債の利回りが想定より低いため、国債費の余った分を充てて、追加で国債発行はしない方針で調整するとも述べられています。

                                                       

                                                       少子高齢化対策は、今の日本でいえば待機児童問題が深刻で、保育園に子供を入れられないから子供を作らないと思われている方、それは贅沢な悩みの人です。今の日本は若者の賃金が安くなり、婚姻率が下がって少子化になっているのです。

                                                       

                                                       待機児童問題については、国会議員に限らず、地方議員など、いろんな政治家が意見をしますが、根本はデフレで若者の雇用が不安定になり、低賃金であるために婚姻率が下がっているという点を見逃しています。

                                                       

                                                       一方安倍政権は、もともとグローバリズムの発想の政権。そのため、待機児童問題をきっかけに、幼児教育をビジネスにするという魂胆が見据えます。具体的にいえば、規制緩和して新規参入を促して無償化するという流れです。

                                                       

                                                       少子高齢化対策以外では、中小企業の設備投資を促して、生産性を高める施策を盛り込むとしています。その他、EUとの経済連携協定に備えた農業対策、豪雨などの災害対策も柱になるとし、緊迫する北朝鮮情勢を踏まえてミサイル防衛対策の強化も急ぐとしています。

                                                       

                                                       確かに生産性革命という生産性向上の取り組みは必要です。経済成長そのものだからです。でもまず政府がお金を使わなければなりません。インフラの整備や技術投資をもっともっとやる必要があるのに、それをせずもしくは抑制し、企業に丸投げするというのが安倍政権の基本的なスタンスです。

                                                       

                                                       北朝鮮のミサイル防衛でいえば、米国の兵器を買うことになるわけですが、これも本来日本で作られれば、雇用が生まれて経済対策になります。

                                                       

                                                       また安倍政権は経団連に賃金3%以上のUPを促し、経済を活性化させるとしていますが、財政拡大は絶対にやらず、企業に口先だけで依頼をしています。さらに企業に「設備投資をしてください!」と依頼する。政府がお金を使わず、需要の長期的拡大が見込まれない状況で、設備投資をするわけがありません。デフレを放置しておき、賃金3%UPを依頼したり、設備投資を促すというのであれば、まず政府がお金を使うことが必要。なのにそれをやりません。

                                                       

                                                       国債についていえば、利回りが低くて余っているから発行できるというだけで、政府の負債残高が増えるプラス発行はしません。プライマリーバランス黒字化目標が足かせとなり、国債増刷も政府支出の拡大もできないのです。それに加えて、財務省が医療・介護報酬引き下げなど、緊縮財政をやって需要削減策をやっている状況で、どうして経営者がベースアップや積極的な設備投資ができるでしょうか?

                                                       

                                                       

                                                       というわけで、今日は2017年度の補正予算についての記事を取り上げました。安倍政権の特徴といえば特徴なのですが、プライマリーバランス黒字化目標にとらわれ、積極財政は絶対にやらず、企業に賃金UPを依頼、設備投資を依頼というのが、基本スタンスです。このやり方では、日本がデフレ脱却するはずがありません。

                                                       安倍政権はプライマリーバランス黒字化目標は延期する方針を表明していますが、延期では緊縮財政発想は継続されますので、そもそも廃棄する以外に、日本がデフレ脱却することはあり得ないのです。

                                                       デフレ脱却を放置すれば、国内の供給力が毀損し、私たちはいろんなサービスが受けられなくなる可能性があります。これは発展途上国化です。そうならないためにも、私たちが知見を高め、政治家を動かし、国債増刷・財政支出拡大への政策転換が急がれると私は思っております。


                                                      10/22投開票が行われた衆議院選挙を読み解く!

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                                                        JUGEMテーマ:経済全般

                                                        JUGEMテーマ:グローバル化

                                                        JUGEMテーマ:移民

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                                                        JUGEMテーマ:大阪維新の会

                                                         

                                                         

                                                         今日は「衆議院選挙を読み解く」と題し、世界の動きを見ながら、日本の政治について意見したいと思います。

                                                         

                                                         10/22投開票が行われた衆議院議員選挙での主な政党の獲得議席は次の通りです。

                                                         

                                                        自民党  :284議席

                                                        公明党  : 29議席

                                                        立憲民主党: 55議席

                                                        希望の党 : 50議席

                                                        共産党  : 12議席

                                                        維新の会 : 11議席

                                                        社民党  :  2議席

                                                        無所属  : 22議席

                                                         

                                                         上記の通り、自民党が圧勝しました。私は日本が不幸であると思うことがあります。それは、上記の党に共産党と社民党といった左寄りの政党を除き、右寄りかつグローバリズム路線に歯止めをかける政党がないということです。

                                                         

                                                         日本でも少し前、「日本のこころ」や「次世代の党」という政党が、どちらかというと右寄りのグローバリズムに歯止めをかける政党の類でしたが、希望の党と一緒になってしまったり、自民党に一部入党した人が居たりということで、中途半端になってしまいました。

                                                         

                                                         右寄りの反グローバリズム路線がない日本と比べて、世界の動きはどうでしょうか?欧米でいえば、必ず右寄りの反グローバリスト勢力が支持を高め、与党に影響を与えるという状況になっています。

                                                         

                                                         例えば、ドイツのAfD(ドイツのための選択肢)という政党は、総選挙で94議席を獲得して、第3党に躍り出ました。メルケル首相は、「難民の受け入れに上限はありません!」なんて言っていましたが、難民受け入れについて制限せざるを得なくなってしまいました。

                                                         

                                                         東欧のオーストリアでは、自由党が多くの支持を集めたため、与党の国民党が自由党の政策に抱き着いた形になりました。自由党は反移民の政策を打ち出して選挙で勝ち、自由党と連立を組むという状況になったのです。同じ現象は、チェコスロバキアやニュージーランドでも起きています。ニュージーランドでいえば、あれだけTPPに積極参加の意向を示していましたが、ガラッと変わってしまったのです。

                                                         こうした国々の前でいえば、英国のEU離脱、米国大統領選挙、オランダ総選挙、フランス大統領選挙も同じです。フランスは、バリバリのグローバリストのマクロンが大統領になったものの、第1回大統領選挙では、右寄り反グローバリズムを掲げるマリーヌ・ルペン氏と、左寄りの反グローバリズムを掲げるメランション氏が約40%強の票をとりました。

                                                         

                                                         ところが日本では、こうした右寄りの反グローバリスト的な政党が存在しないのです。即ち安全保障を重視し、国民に根差した政策をやるという政党が存在しません。民進党解体、希望の党の誕生というのがありましたが、既存の枠組みの中で組み替えただけです。

                                                         

                                                         日本では、右寄りの反グローバリズム政党が存在せず、なぜ他国には存在するのか?一番の理由は移民問題だと私は思います。移民問題で、国民が疲弊してしまい、反移民を掲げる政党が支持を集め、完全に勝ち切って政権交代とまでは行かないまでも、与党の政策に影響を与えるようになっているのです。

                                                         

                                                         一番すごいのはドイツのAfD(ドイツのための選択肢)です。何がすごいかといえば、他党からの攻撃のされ方です。ドイツ国内では、他人をナチス呼ばわりするのは絶対にタブーな国です。にもかかわらず、AfDに対して、他党は「AfDはナチスだ!」と攻撃して、議論は終わり。AfDはナチスでも何でもありません。そんな中でも94議席を獲得し、第3党に躍り出ました。

                                                         

                                                         残念ですが、日本にはドイツのAfDのような政党がなく、このままですと、普通にグローバリズムのセットである以下の3つ

                                                        ゞ杤椋眄

                                                        規制緩和

                                                        自由貿易

                                                        が全部進んでいくことになるのでは?と危惧しています。特に一番まずいのは、ゞ杤椋眄です。

                                                         

                                                         安倍総理は、2016年の財政の基本方針の中で、プライマリーバランス黒字化目標は延期するといってますが、延期とは排除したわけではないため、続けるということでもあります。さらに消費増税も決定されています。

                                                         このままでは、日本の先行きが明るくなることはなく、中国とGDPシェアで2040年までに10倍の差が付き、軍事費で20倍の差が付き、経済小国、発展途上国となって、中国日本省となるしかないと思うのです。

                                                         

                                                         では、解決策としてはどうすべきでしょうか?特に財政拡大についていえば、私たち日本国民が次の2つを理解する必要があります。

                                                         

                                                        ●デフレだからこそ財政拡大しなければならない

                                                        ●日本は財政破綻することは絶対にない

                                                         

                                                         このことを国民が理解し、世論を変えて国会議員を動かさないと解決できないと考えます。厳密にいえば、政府の子会社の日本銀行(政府は日本銀行に55%出資している)に、国債を買い取らせ、日銀当座預金の残高を増やす形で通貨発行すれば、お金を印刷する必要もありません。国債の所有シェアでみれば、既に日銀が40%強を保有しており、その分は借金返済は不要です。なぜならば、連結決算で連結貸借対照表を作成する際、親子間取引は相殺されるからです。

                                                         

                                                         ジョセフ・スティグリッツ教授(2001年ノーベル経済学賞受賞者)が来日したときに、長期国債や無期限国債に組み替えてしまえば、返済の必要が無くなり、借金の問題は無くなると安倍総理に提言しましたが、政府の負債なんていうのは、しょせんその程度の話です。

                                                         

                                                         にもかかわらず、財政が破たんするといって、財政出動せずデフレを放置して支出削減を継続し、デフレを深刻化させて、発展途上国化させているというのが日本の現状です。

                                                         

                                                         そういう意味で、「デフレだからこそ財政出動が必要であること」「日本が財政破綻する確率はゼロであること」を私たち国民が理解しなければ、政治家がそうした政策を打つことができず、解決は困難であると思うのです。

                                                         

                                                         経済の話は別にしたとして野党がしっかりしていなかったという声もありますが、野党は単純に枠組みが変わっただけです。本当の意味で真に必要な他国と同じ、例えばドイツのAfDのような右寄りかつ反グローバルの野党が存在しないと理解するのが正しいと考えます。

                                                         

                                                         例えば「希望の党」でいえば、一瞬ブームになったものの、公約の内容は日本維新会と同じ内容であり、結局グローバリズムを激しく推進しようとしている点で従来の枠組みと変わりません。他国と比べれば日本だけが状況が異なるのです。

                                                         

                                                         自民党が恐れるシナリオは、反グローバリズム的な路線を国民が支持し、自分たちが選挙で負けることだと思います。だからそういう野党が存在すれば、ドイツやオーストリアのように与党である自民党も変わらざるを得ないでしょう。

                                                         

                                                         次の総選挙までにそうしたドイツのAfDやオーストリアの国民党のような政党ができているか?これが今後の日本が、このまま発展途上国化するか、再び成長路線を取り戻して世界的に飛躍できるか?というカギだといえます。

                                                         

                                                         日本は小選挙区制で大体10万票が当選ラインなので、2万票が動けば”行って来い”で結果はひっくり返ります。1万〜2万票が”行って来い”になれば、3万〜4万票の差が出て、選挙の勝敗が変わります。だから公明党の選挙協力は自民党にとって心強いわけで、野党にもそうした勢力が必要であると思うのです。

                                                         

                                                         日経平均が16日営業日続伸するなど、金融経済だけをみれば、景気が良くなっているように見えますが、どれだけ株価が上昇したとしても、皆さんの所得は1円も増えません。株価が上がって消費が拡大するなど、デフレ長期化によって実体経済への波及ルートが弱っているため、資産効果も限定的です。実質賃金が下落し続けるという状況からみて、資産効果は薄いと考えられます。

                                                         

                                                         結局のところ、政府の持続的な財政拡大があって、需要が安定的に増えていくという確信があって、初めて企業は設備投資を行い、人件費も上げていかざるを得なくなるわけです。政府がその根本の需要拡大をやらない限り、日本は普通にデフレが継続するでしょう。

                                                         

                                                         

                                                         というわけで、今日は「10/22投開票が行われた衆議院選挙を読み解く!」と題し、世界の政治の動きと合わせ、マクロ経済政策についての私見も述べさせていただきました。


                                                        「株価の上昇が安倍政権の成果だ!」に対する反論

                                                        0

                                                          JUGEMテーマ:経済全般

                                                           

                                                           今日は株価の上昇下落が、通信簿であるとする考え方、例えば「日経平均株価の上昇が安倍政権の成果だ!」とか「経営者の成果だ!」という考え方について反論したいと思います。

                                                           

                                                           先週金曜日、東京証券取引所は、日経平均株価が14連騰と報じられ、21,457円64銭(9円12銭高)で取引を終えました。またTOPIXは1,730.64ポイント(0.6ポイント高)でした。

                                                           

                                                           私は本ブログで株式投資について記事を書くことがありまして、私自身も国内外45銘柄ほどを保有しております。ですが、率直に申し上げて、安倍政権誕生後の株価上昇は、円安による原因が大きいと考えております。金融緩和を行うことで自国通貨安に誘導して、その結果株価が上昇したと考えております。

                                                           

                                                           

                                                           

                                                          1.東証1部銘柄の売買代金の69%を外国人投資家が占めているという現状

                                                           

                                                           もともと日本の株式市場は外国人投資家が売買の50%以上を占めています。下記は、10/2〜10/13の期間における東京証券取引所第一部銘柄での売買代金の投資主体別シェアです。

                                                           

                                                          <東証1部銘柄における売買代金シェアの円グラフ>

                                                          (出典:日本取引所のホームページ)

                                                           

                                                           

                                                          <東証1部銘柄における委託売買の主体別売買シェアの一覧>

                                                          (出典:日本取引所のホームページ)

                                                           

                                                           

                                                           上記は、東証1部に限定されているため、69%と高い数値になっています。東証2部とマザーズ、ジャスダックの3市場が加わっても、売買シェアは50%を越えます。

                                                           因みに日経平均株価は東証1部の銘柄から225種の銘柄を採用して構成されたものです。そのため、東証1部の銘柄が高く買われれば、日経平均株価は上昇するのです。

                                                           何が言いたいかといえば、外国人投資家が売買の主体の69%を占めているということから、日経平均株価は外国人投資家の売買動向に左右されるといえるのです。

                                                           

                                                           

                                                           

                                                          2.海外投資家が日本株に買いを入れるタイミングはドル円相場が円安のとき!

                                                           

                                                           外国人投資家はどういう局面で日本株に買いを入れるでしょうか?下記は日経平均株価とドル円相場を指数化して比較したグラフです。

                                                           

                                                          <日経平均225とドル円相場について10年前の数値を起点にして現在までの価格変動を指数化したグラフ>

                                                          青いグラフ:日経平均  赤いグラフ:ドル円相場

                                                          (出典:ヤフーファイナンス)

                                                           

                                                           2012年末に安倍政権が誕生して、アベノミクス第一の矢の金融緩和によって、ドル円相場が円安になりました。通貨を発行することで自国通貨が切り下がり、日本国内の輸出産業の価格競争力が強くなったことで、輸出産業を中心に収益回復してきたというのがわかると思います。

                                                           大まかではありますが、円高では日本株は売られ、円安では日本株は買われる、これが日本の株式市場のトレンドです。

                                                           

                                                           つまり円安に誘導すれば日本株は買われます。とはいえ、例えばドル円相場が110円→115円になったとして、決算が上方修正されたとします。この場合、翌年度の決算もまた115円→120円という円安にならなければ、実質の輸出量が増えない限り、翌年は増収しないということになります。

                                                           

                                                           では、為替を円安にしさえすれば株価は上昇を続けるのか?ということになりますが、2つあります。一つ目は円安を政府が誘導したとして米国などの他国から為替介入と認定され、関税引き上げなどのペナルティを設定することがあり得ます。トランプ大統領が、メキシコで製造した製品に高関税をかけるなどと言うように、日本は為替操作国とトランプ大統領が認定することで、日本製品に高関税をかけるということがあり得ます。

                                                           高関税を米国がかける掛けないは、米国の主権にかかわる問題。私たち日本人がとやかく言うことではありません。内政干渉です。

                                                           

                                                           二つ目は、仮に円安誘導したとしても、輸出の実需即ち輸出数量が増えない場合、単にドル建ての売上債権を円転した際に為替差益が発生したというだけということになります。この場合は、先述の通り、次年度も輸出に頼って増収増益決算となるためには、数量が増えない状況では、ドル円相場についてもう1年上昇しない限り、増収増益にはなりません。例えば、2018年3月期決算が、ドル円相場115円で決算を迎え、想定為替レート105円で決算予測していたので、増収したとします。この場合、2019年3月期決算は、125円程度までドル円相場が上昇せず、かつ輸出数量が増えないとなれば、増収増益しないのです。

                                                           

                                                           このように輸出に頼るというのは、為替相場の変動を受ける、外国の需要は自国の主権でコントロールできない、この2点で不安定といえるのです。

                                                           

                                                           

                                                           

                                                          3.バフェット指数でみた日本の株価の割高感と企業経営

                                                           

                                                           以前、本ブログでバフェット指数を取り上げたことがあります。バフェット指数のバフェットは、米国の著名投資家のウォーレン・バフェットという人物の名前に由来します。その国のGDPと株式時価総額総和を比率でみて、今のマーケットが割高か?割安か?を判断するという使い方をします。

                                                           

                                                           GDP<株式時価総額  ⇒  割高

                                                           GDP>株式時価総額  ⇒  割安

                                                           

                                                           

                                                           日経平均が上昇し、TOPIXが上昇していますので、株式時価総額が増加していることは間違いありません。とはいえ、GDPは増えていません。2016年12月にGDPの測定方法が変更され、日本のGDPは500兆円→530兆円になりました。ですが、これは研究開発費について、従来算入していなかったものを、算入するようにルールを変えただけの話です。前年比で30兆円増えたわけではありません。

                                                           それもそのはず、緊縮財政で需要を政府自らが率先して削減をしています。プライマリーバランス黒字化というものが存在する以上、日本のGDPは前年比で増加することはないのです。

                                                           

                                                           企業経営についても同じです。一株当たり利益が上昇して株価が上昇したとしても、一株当たり利益の増加の主因が単に海外輸出分の為替差益だったとすれば、経営者の功績でも何でもないと私は思っています。むしろ、実需で輸出数量が増えたにもかかわらず、円高となって為替差損が発生して、減収減益となることもあり得ます。実需が伸びないで為替差益で増収した会社、実需が伸びたが為替差損で減収した会社、どっちの経営者が優秀か?といわれれば、私は甲乙つけがたいと思うのです。

                                                           

                                                           もちろん、為替相場のリスクヘッジで、オプション取引などを使って為替相場による決算への影響を小さくするというリスク管理は取られるべきですし、その拙劣の成果が増収増益、減収減益の結果につながったと考えれば、増収増益した会社の経営者が優秀だと考える見方もあります。

                                                           

                                                           とはいえ、本来の企業の実力は、為替や金融でのリスク管理がメインであるはずがなく、高品質で優れた製品を製造できる会社が、その会社の実力だと考えます。それは言わば、国力と直結します。高品質で優れた製品を製造できる会社を多く抱える日本は、国力が強いといえます。

                                                           

                                                           

                                                           というわけで、私は直近の株価上昇は全くうれしくありません。単に為替が円安になっているというだけで、外国人投資家が日本株に買いを入れているだけという状況。いわば地に足が付いた株価上昇だと思っていないのです。加えて、日本の国債所有シェアについて、銀行の所有シェアが減少して日銀の所有シェアが大幅に上昇し、現在もシェアUPし続けているこの現状を見れば、やがて国債が尽きて金融緩和ができなくなる日が近づきます。そのとき、国債増刷やら政府支出増がなされなければ、金融緩和強制終了→超円高→外国人投資家らによる日本株の大量売却→日経平均大暴落 というこのシナリオの発生する確率が極めて高いのです。

                                                           最近の日産自動車や神戸製鋼の偽装事件も、大変残念な話ですが、これもデフレを放置してきた結果と考えています。デフレを放置する中で、増収増益を果たそうとすると、品質は低下せざるを得ない。絶対に品質の低下は起きないと断言できません。何しろ派遣会社などの非正規雇用者らが、会社に忠誠心を持って働くことはできるでしょうか?不満を持たないまでも、高い条件がでれば、今の会社を辞めて、いい条件の会社に転職しようとする非正規雇用者は多い。というよりそれが普通の考えです。

                                                           そうした派遣会社社員らに、会社の技術・ノウハウを継承するとしても、「どうせ仕事が無くなったり不景気になれば解雇される」と思っていたら、満足に技術・ノウハウの継承することはできないでしょう。

                                                           人件費を安くするために人材派遣業の業種を拡大した規制緩和は、コスト削減を推進して、一時的に株価を上昇させた功績はあるかもしれません。ですが、その代わりに失ったものが製品・サービスの品質低下であり、日産自動車や神戸製鋼の事件であると思います。

                                                           政府には、株価上昇のための株価対策ではなく、普通に政府支出を増やし、GDPが増えて国民が豊かになり、結果企業の一株当たり利益が上昇して株価が上がっていくという、そんな地に足が付いた株価上昇となることを私はただ望むばかりです。


                                                          誰かの所得=誰かの消費であり、「誰か」は個人だけでなく、企業でも国家でもよいのです!

                                                          0

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                                                             選挙戦が始まりましたが、正直どこの党が勝っても、ろくな結果にならないと確信します。なぜならば、選挙戦の議論の中で、「誰かの所得=誰かの支出」であり、誰かが支出を増やさない限り、所得が創出されないことを全く理解していないと思われる論説が多いからです。

                                                             

                                                             たとえ無駄といわれるものであっても、物・サービスとお金を対価に交換されれば、所得が創出され、課税所得として税収を増やせます。もちろん消費税も徴収できます。

                                                             

                                                             ぜひ、落ち着いて考えていただきたいのですが、皆さんのお財布の中に入っているお金は、どのように入手したものでしょうか?神様が与えてくれた財産でしょうか?違いますね!過去に皆さんが働き、物・サービスを生産してお客さんにお金を支払ってもらった、即ち「買ってもらった」からこそ稼ぐことができた所得なわけです。

                                                             そして、皆さんのお客さんは、皆さんが生産、販売する物・サービスのお金をどのように入手したと思いますでしょうか?

                                                             もちろん、過去にお客さんが働き、物・サービスを生産して誰か別の人にお金を支払ってもらって所得として入手したものです。

                                                             

                                                             人々は働き、物・サービスを生産し、お客さんにお金を支払ってもらい、所得を稼ぎます。すると所得を稼いだ人が別の人から物・サービスを買うことで、新たに別の人が所得を得て、今度はその人がさらに別の人が生産した物・サービスを買います。要は国民経済は繋がっているのです。

                                                             

                                                             このブログをお読みいただく読者の皆様の中には、「公務員はけしからん!」「国会議員はもっと給料を減らすべきだ!」「地方議員なんて役に立たないから定数を削減すべきだ!」といったお考えをお持ちの方もいるかもしれません。

                                                             

                                                             例えば公務員がけしからんとして、民営化したり、公務員そのものの数を削減したり、給料を減らしたりしたことができたとしましょう。実現したとすれば、彼ら、彼女らの給料を減らせれば、皆さんの鬱憤(うっぷん)は晴れるかもしれません。しかしながら、給料を減らされた公務員は、間違いなく物・サービスを買うのを控えるようになるでしょう。永久雇用でなくなって民間人となった公務員でいえば、中には住宅ローンを組むのが怖くて家を購入するのを控えるという人も出てくるかもしれないでしょう。

                                                             

                                                             議員でいえば、法律を作るという立法サービスを生産した結果、議員報酬を得ていると考えることもできます。次回の選挙に当選するために毎月得る報酬を貯金しかしない、あるいは極力安いものを買って貯蓄する、借金の返済を優先して安いものを買う、という政治家がいたとすれば、それは経済成長に全く貢献していないということができます。

                                                             

                                                             なぜならば、貯金は誰の所得になりません。借金返済もまた自動車ローンであれ、住宅ローンであれ、誰の所得にもなりません。ついでに言えば、安いものを買う行為自体が、誰かの所得が下がるだけで、デフレ化を促進させて税収も減らすことになります。

                                                             

                                                             国民経済は繋がっていますので、こうした公務員叩きや議員報酬削減や議員定数削減としたとして、叩かれた公務員や報酬削減された議員が、物・サービスの購入をやめてしまった場合、その物・サービスを生産しているのは、あなたかもしれないのです。

                                                             公務員でいえば、皆さんが生産する物・サービスを買うのを思いとどまってしまうと、皆さんの所得が減ります。皆さんが貧乏になってしまうのです。

                                                             国民経済は繋がっていると繰り返していますが、他人の足を引っ張ると、自分の足も引っ張られてしまうということなのです。

                                                             

                                                             自分たちが節約に励んでいるからといって、政府にまで無駄削減を求めるというのは、明らかに間違っています。デフレ脱却のためには、誰かが支出を増やさなければならないからです。

                                                             

                                                             とはいえ、デフレで物・サービスの値段が下がっている以上、皆さんの給料も増えにくい環境となるため、支出を増やしにくくなります。物価が下落するだけであれば、誰も困りません。むしろ、物がたくさん買えるような気になるからです。

                                                             ですが、実際は買う個数・数量までも減らします。減らさない場合は、労働時間は多く働けども稼げないというブラック企業化していくことになります。仮に個数・数量まで減らした場合、結局支出額は減少することとなり、みんなが所得を減らして税収も減らすということになるわけです。

                                                             

                                                             家計分野は仕方がありません。家計分野では何しろ負債は、相続放棄しない限り、子孫に引き継がれます。国家もまた外貨建て債務、例えば米ドル建ての債務があったとしたらそうなります。何しろ日本が米ドルの通貨発行権を持たないからです。米ドルで日本政府がお金を借りていたとすれば、米ドルで返済せざるを得ません。ですが、日本の政府の負債は、100%円建てです。日本政府が通貨発行権を持つ以上、日本の財政破綻する確率は、「限りなく低い」ではなく、「0%(ゼロパーセント)」です。

                                                             

                                                             ですが、政府は通貨発行権を持つ特別な存在です。だからこそ、政府は物・サービスを高く買うことができます。物・サービスを高く買えば、名目GDPの増加に貢献します。値段を高く買うだけでなく、数多く買ってもらえれば実質GDPの増加に貢献します。

                                                             物・サービスを多く買ってもらっても、値段を安く買われてしまいますと、労働時間は多けれど稼げないというブラック企業化していくことになります。

                                                             

                                                             今の日本はデフレであるため、普通に政府が、金額を多く、数量も多く、私たち日本国民から物・サービスを買っていただければ、それだけで皆さんの所得が増え、税収も増えることになるのです。

                                                             

                                                             

                                                             というわけで、今日は所得創出のプロセスを中心にお話ししました。所得とは誰かが支出しない限り創出されません。ボランティアでは、所得を稼げず、皆さんのお仕事自体を生業とすることができません。一方で誰かが支出の誰か?というのは、別に個人である必要はなく、企業でも国家でもいいのです。ただ、企業も家計と同様に通貨発行できません。国家だけが”ある意味”で無限に需要を創出できる存在なのです。

                                                             個人や企業が物・サービスを積極的に買うことを控える環境であり、企業が積極的に設備投資ができない環境、即ちデフレであるがゆえに、政府が支出を増やしていただく以外に、デフレ脱却することができません。私が政府支出増を訴え続けているのは、そのためなのです。


                                                            発展途上国に対する支援について

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                                                              JUGEMテーマ:経済全般

                                                               

                                                               今日は、先進国と発展途上国の違いについて意見したく、発展途上国に対する支援(食品ロス対策と資金援助)について述べます。

                                                               

                                                               食品ロスという言葉を聞いたことがあるでしょうか?よく、食べ物が余って捨てなければならないとなったときに、「こんなに食べ物を捨てるのはもったいない。この食べ物を内戦で苦しむシリアの貧しい人々に届けられれば、人々は上に苦しまなくて済むのに。」とか「アフリカの難民に日本の余った食料を届けることができれば、多くのアフリカの上に苦しんでいる人が救えるのに。」と思ったことがありませんでしょうか?

                                                               

                                                               私は、その価値観について否定する気はありません。ただ、現実には、日本の余剰食糧を飢えに苦しむ国々に送ったところで問題解決はしません。単に餓死するのが今日でなく、明日に延びたというだけの話です。

                                                               貧しい国を救いたいと、真に思うのであれば、その国の国民たちが自分たちの需要、自分たちが必要な物・サービスを、自分たちで生産可能な状態にしなければなりません。

                                                               食料援助を否定する気はありませんが、それだけでは解決策にならないわけです。

                                                               

                                                               例えば、現在のシリアでいえば、政府軍と反政府軍とISが入り混じり、血みどろの内戦が続いています。悲惨な内戦が続く中、シリア国民が生産性向上のための投資をできるでしょうか?

                                                               内戦が続いている状態で、シリアの国力強化のための生産性向上の投資を、国家であれ企業であれ、できるはずがありません。まずは内戦を終わらせる必要があります。

                                                               

                                                               その上で、インフラ投資などを支援し、シリア国民が自分たちの需要を、自分たちの供給力で満たせる経済力(=国力)を取り戻すことを助けることこそ、飢えに苦しむ人々を救う真の解決策であると考えます。

                                                               

                                                               また、生産性向上をサポートするとして、資金援助は、それほど役に立ちません。もちろん外国から必要な資源や資材を購入する資金として、資金援助するという考え方はあります。とはいえ、お金は生産設備、交通インフラなどの資本強化に使うべきであり、「お金で食料を買ってプレゼントする」では、短期的には助かっても、中長期的に飢えに苦しむ人々を救うことはできません。

                                                               

                                                               ましてや刻一刻と腐敗が進む食料を提供したところで、1日の飢えをしのぐのに役に立つに過ぎないわけです。だいたい、それ以前の問題として、内乱が継続しているシリアにおいて、どれだけ多額の現金を支援したとしても、必要な人に必要な食料を届けるということは不可能です。

                                                               

                                                               経済力がある国とは、生産性が十分に高い国であり、それは国力が強い国を意味するとも考えられます。生産性が十分に高いのは、過去から継続的に投資を蓄積してきたからです。経済力が大きい国は、国民が豊かに暮らせ、餓死の恐怖から解放されています。

                                                               

                                                               日本国民が飢えの恐怖から解放されているのは、お金があるからではありません。過去の日本国民が投資(株式投資や不動産投資を除く、インフラ投資や設備投資や人材投資)をした結果、日本の生産性が向上したからなのです。

                                                               

                                                               そう考えますと、シリアやアフリカ難民に対する真の支援とはどうすべきなのか?皆さんにもわかるかと思います。

                                                               シリアでいえば、内戦を終わらせ、交通インフラや生産設備を整備し、シリア国民の生産性が高まる手助けをする必要があります。シリア国内で生産された農産物が、消費者市場に届けられるように、バリューチェーンやロジスティクス(=物流網)を整備し、かつ国内産業が必要とする資源などについて、外国からの輸入を可能な状態にするのです。

                                                               破壊された生産設備や物流網を復活させて、シリアの人々が以前と同じように物・サービスの生産ができるようにし、さらに投資や技術支援によって、シリア国民の生産性を向上させます。

                                                               そこまでやって初めて、シリア国民は餓死から解放されるのです。

                                                               

                                                               

                                                               というわけで、今日は発展途上国に対する支援について私見を述べました。飢えから人々を救う、あるいは国力増強させるという点で考えた場合、多額の資金を援助したとしても、問題解決にはなりません。また食料を援助したとしても、餓死するのが数日先に延びるだけであり、根本解決になりません。

                                                               解決策は国力強化を支援することであり、生産性の向上のためのインフラ投資や技術投資、それが自国でできなければ、先進国が支援する、それこそが発展途上国を救う真の解決策であると、私は考えます。


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