多くの国民が誤解している”国民から集めた税金で行政運営している”という言説について

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     今日は「多くの国民が誤解している”国民から集めた税金で行政運営している”という言説について」と題して論説します。

     

     多くの国民が誤解している・・・と表題にしていますが、これは日本国民のみならず、世界中の人々も誤解している人が多いかもしれません。

     

     以前MMT理論について取り上げさせていただきましたが、MMT理論がわかると、公務員の給料や公共事業を行う際、私たちが納める税金で賄っているというのは、間違っていることが理解できます。

     

     その話の前に、そもそもお金はどうやって生まれてくるのか?どうやって生み出されるのか?

     

     お金というのは誰かが”銀行”もしくは”日銀”から借り入れを起こしたときに初めて生まれます。その誰かとは、家計で住宅ローンを借りるでもいいですし、企業が設備投資で銀行から借り入れるでもいいですし、あるいは政府が国債を発行するでも構いません。

     

     上述で”銀行”と”日銀”に限定しているのは、例えば損害保険会社や生命保険会社も企業融資や住宅ローンなどをやっていますが、損害保険会社や生命保険会社はノンバンクであるため、ゼロからお金を生み出す信用創造機能を持ちません。一方、”銀行”と”日銀”はゼロからお金を生み出すことができます。

     

     即ち、バンクとノンバンクの違いということになりますが、バンクはお金をゼロから生み出せるのに対して、ノンバンクはお金をゼロから生み出せません。例えば保険会社がローンで貸し付ける際は、保険料という名目で集めたお金に利ザヤを乗せて貸し出します。消費者金融や商工ローンについても、社債や借入などでお金を低利で調達し、調達した金利よりも高い金利を付けて貸し付けます。このようにノンバンクはゼロからお金を生み出して貸し付けるのではなく、何らかの名目で調達したお金に利ザヤを乗せて貸し出すというのが特徴です。

     

     もう一つ指摘しておきたいこと。それは、よくある言説として「政府は、日本国民から広く税金を集め、そのお金を元手に行政運営している」ということが言われます。公務員の給料の支払いや、公共事業の支払いなど、政府の諸々の経費は、税金を集めてその税金を元手に支払っていると思っている人がほとんどではないかと思います。

     

     実際は間違っています。

     

     仮に日本では、税金を集めて、その税金を元手に行政運営しているとするならば、日本国民は、仕事で給料をもらう前に、いきなり政府に税金を払わなければいけなくなります。これは、おかしな話だと思いませんでしょうか?

     

     基本的に税金は後払いです。

     

     例えば法人ならば、決算後、2カ月後に法人税を納税します。個人の場合、給料から源泉徴収されるとしても、個人事業主ならば、12/31で帳簿を締めて決算し、税金の計算をして3/15までに所得税の確定申告をして納税しなければなりません。

     

     こうしたプロセスを考えますと、税金は後で払っているということがよく理解できるのではないでしょうか?

     

     では、一番最初に日本政府ができたとき、政府が1年間行政運営をしているとするならば、その時はどうしていたのでしょうか?

     

     政府が日本銀行からお金を借り、そのお金を元手に行政運営に関わる支払いをして、日本国民が税金を払う前に、政府は先に支出をしました。具体的には、先に公務員の給料を支払い、いろんなものを購入したり、公共事業の支払いをしていたのです。

     

     私は今、過去形で「支払いをしていた」と書きましたが、現在も同じプロセスで、先に支払いをします。

     

     政府が先にお金を支払う際、政府は建設国債(4条公債)もしくは財務省証券(政府短期証券)を発行して日銀に差し入れ、日銀から日銀当座預金を借り入れ、政府小切手を発行して、公共事業を発注したり、振り込みで公務員の給料を支払います。

     

    <図 Ю府が国債を発行して銀行預金が生み出される一連のプロセスの図解>

     

    <図◆日本政府が財務省証券を発行して銀行預金が生み出される一連のプロセスの図解>

     

     

     上図 ⊂綽洵△猟未蝓∪府小切手も最終的には受注企業が銀行に取り立てることで銀行預金に代わり、受注企業の従業員の給料になります。

     

     このようなプロセスを経ることで、日本国民にお金が行き渡ります。

     

     行き渡ったお金で日本国民は税金を計算して、納税をすることができるようになるのです。

     

     ところが、多くの日本国民、国会議員やエコノミスト、アナリスト、経済学者も、順番を逆だと思っている人がほとんどです。

     

     税金を払ってもらって、その税金を元手に支出をしているのではなく、政府が負債を増やしてお金を生み出し、そのお金を国民に払うことでお金が行き渡り、国民が納税できる環境が整うようになるというのが、真実の順番です。

     

     通貨を発行できる権利を通貨発行権といいますが、通貨発行権は中央銀行が有します。日本の場合、中央銀行は日銀ですが、日銀は株式を上場していて、株式の55%を日本政府が保有します。

     

     財政法第4条で公共事業は建設国債を政府が発行してよいと記され、財政法第7条で通常予算は財務省証券を政府が発行できると記されていることから、日本政府は、お金を生み出すという行為即ち通貨の発行者であるということもできます。

     

     通貨を発行する主体としては、政府が借金するか、企業が借金をするか、家計が借金をするか?3つあります。家計が借金をした場合、負債は相続しますので、住宅ローンを借りたとしても、基本的に返済していきます。企業の場合は、適度なインフレで例えば2%のインフレの状況であれば、設備投資がしやすく銀行から借り入れをしてもビジネスとして儲かるという案件も出てくるでしょう。その場合、自己資金ではなく他人資本、即ち銀行から借り入れて設備投資をするという経営判断も当然あり得ます。

     

     いずれにしても、企業が借金をした場合も、政府が国債発行した際と同様にお金が生み出され、通貨の供給量(マネーストック)が増えることになります。通貨の供給量が増えるということは、国民にお金が行き渡って納税することができるようになるということでもあります。

     

     このように理論上も、実際のオペレーションも、政府は税金を集めなくても、行政運営をすることは可能なのです。

     

     では、税府が税金を集めなくても行政運営ができるならば、税金を取らなくてもいいのでは?という言説があります。いわゆる無税国家と呼ばれるものです。

     

     もともと税金の役割は「景気の安定化装置(ビルトイン・スタビライザー)機能」「格差縮小を目的とした所得再分配」「複数通貨を使用する不便さからの解放」というのがあります。

     

     その中でも「景気の安定化装置(ビルトイン・スタビライザー)機能」とは、経済を調整する機能ともいえます。

     

     通貨を増やして通貨の供給量を増やした結果、インフレ率が高まるとなれば、バブルが発生する可能性がありますので、通貨を回収した方がいいわけですが、その回収する手段が税金であるということができます。

     

     政府は通貨を供給し、一方で税金という名目で供給した通貨の一部を回収しますが、そのことによって国内の景気をコントロールするというのが、税金の景気の安定化装置機能といえるでしょう。

     

     結局のところ、租税とは財源を確保する手段ではなく、経済を調整する手段なのです。

     

     景気がいいときには、増税して日本国内に供給された通貨を回収して景気の過熱を冷まします。逆に景気が悪いときは、減税して供給した通貨を回収しないようにして、通貨の流通量を増やすことで景気を良くしていきます。そうした景気を調整する手段として租税というものが存在するのです。

     

     日本国民のみならず、世界中で勘違いしていること、それは税金は、行政を運営するコストの財源と思っていることです。そのため、政策論争をする際、必ず財源はどうするのか?という話になります。いわばミクロ経済学の「予算制約」を無意識のうちに、国家の財源に当てはめているのです。「予算制約」という考え方は、家計や企業経営では有効ですが、通貨発行ができる国家に当てはめるのは間違っているのです。

     

     予算制約を無視できる政府について、財政政策の運営方法、財源調達の方法を整理すると下記の通りです。

     

     先払い:建設国債(4条公債:財政法第4条)、財務省証券(政府短期証券:財政法第7条)

     後払い:租税

     

     例えば公務員の給料支払いのため、財務省証券を10兆円発行し、公共事業の支払いのため、建設国債を10兆円発行したとしましょう。

     

     だからといって、20兆円分全額を租税で回収しなければいけないという考え方にはなりません。

     

     例えば租税を15兆円しかしなければ、政府には5兆円の財政赤字が発生します。この場合、5兆円分は国民にお金が行き渡って、国民の預金が増えて5兆円分豊かになることができます。

     

     もしバブルの発生を懸念して租税を25兆円回収すれば、政府は5兆円の財政黒字になりますが、その代わり国民から5兆円を余計に吸い上げますので、5兆円分国民の預金が減って貧しくなるのです。

     

     上述の例では、20兆円の支出に対して、15兆円租税で回収、25兆円租税で回収、という例でしたが、租税が5兆円だった場合は、15兆円も国民の預金が増加しますので、相当豊かになることができるでしょう。景気が悪い状況であればデフレ脱却することが可能になるかもしれません。

     

     ところが、プライマリーバランス黒字化という考え方によって、租税で全額回収しなければならないと思っている人がほとんどです。政府の財政の骨太方針にプライマリーバランス黒字化目標というのがありますが、これは政府の行政運営コストを租税収入の範囲内でなされなければいけないという考え方なのですが、これまで述べてきた通り、その考え方そのものが間違っています。

     

     

     

     というわけで今日は「多くの国民が誤解している”国民から集めた税金で行政運営している”という言説について」と題して論説しました。

     「国家の財政を家計に例えたら・・・」とか、「収入が60万円しかないのに100万円も消費して家計は40万借金して・・・」と言われれば、「それはダメだね!」と誤解しがちなのですが、そもそも国家の財政を家計に例えることが間違っているのです。

     政府が借金を増やすという行為は、通貨の発行して国民の預金を増やして豊かにすることであることを、政治家も官僚も一般の日本国民にも知ってもらい、税金は行政運営を賄うコストではないということの理解を深めていただきたいと思います。

     

     

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    日本の財政悪化の原因は、消費増税です!

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       今日は「日本の財政悪化の原因は、消費増税です!」と題して論説します。

       

       昨日の記事でも書きましたが、令和の消費増税10%は、安倍ショックといってもいいほど、経済を大きく破壊する指標を叩き出しました。

       

       消費増税10%の目的は、そもそも何だったでしょうか?

       

       増え続ける医療費用や介護費用などの社会保険の制度を維持するためであるとし、多くの日本国民もまたこの言説を信じ込んでいる人が多いのですが、実際は消費増税をすると、却って財政が悪化します。

       

       なぜならば、消費税は消費に対する罰則課税であって、経済成長のメインエンジンである消費を抑制するからです。

       

       皆さんのお財布の中には、1万円札があると思いますが、1万円札は単純にお金としてみた場合、1万円であることに違いはありません。”なんのこっちゃ!”と思われるかもしれませんが、経済で1万円札を見た場合、1万円を100人で、お金をモノ・サービスの交換をすれば、100人に1万円の所得が発生します。

       

       GDP3面等価の原則でいえば、所得=生産=消費ですので、100人×1万円=100万円の所得が発生します。100万円の所得=100万円の生産=100万円の消費です。

       

       たった1万円が100人のコミュニティの中で、100人がそれぞれ1対1で、お金とモノ・サービスの交換をすれば100万円の所得を生み出します。

       

       この流れが1回転で100万円とするならば、2回転すれば200万円になります。3回転すれば300万、4回転すれば400万・・・・・・。

       

       GDP3面等価の原則で、所得400万円ならば、分配(=所得)面のGDP400万円=支出面のGDP400万円=生産面のGDP400万円です。

       

       この回転が多ければ多いほど、景気が良いということになり、回転が少ないほど、景気が悪いということになります。

       

       回転が多い=消費が活発、回転が少ない=消費が少ない、と考えれば理解しやすいかと思います。そして消費が増えれば所得が増え、税収増という形で国家にも恩恵を与えることができるのです。

       

       こうしてみると消費がどれだけ経済に重要か?メインエンジンたるか?がお分かりいただけるのではないでしょうか。

       

       その消費を抑制させるのが消費税です。下記のグラフをご覧ください。

       

      <実質消費の推移(緑色の線)>

      (出典:内閣府のホームページ)

       

       上図のグラフは、緑色の線が実質消費の推移です。実質消費が落ち込んでいるポイントを4つ黄色でマーキングしました。

       

       1997年:5%消費増税

       2008年:リーマンショック

       2011年:東日本大震災

       2014年:8%消費増税

       

       リーマンショックと東日本大震災のときは、一時的に実質消費が落ち込んだものの、その後の実質消費はV字回復しています。

       

       ところが消費増税は、1997年の5%消費増税、2014年の8%消費増税、いずれも消費の伸びる傾き(赤色の実線と点線)が小さくなっていることがご理解できるかと思います。

       

       消費増税しても実質消費はV字回復せず、L字もしくはL字底割れとなって、傾きが大きくなることはありません。なぜならば消費税は、消費に対する罰則課税であり、インフレ対策で消費を抑制することが目的の税制だからです。

       

       実質消費が落ち込むとどうなるか?当然のことながら、GDP3面等価の原則により、実質消費が落ち込む=実質生産が落ち込む=実質所得が落ち込む、となって、賃金の伸びが抑制され、日本国民が貧困化するのです。

       

       

      <2015年の数値を100とした場合の実質賃金指数の推移>

      (出典:厚労省のホームページの毎月勤労統計の資料の数値を引用)

       

       上図をみれば、消費増税が実質賃金を下落させる効果を持つということが、よく理解できるのではないかと思います。

       

       政府や、与野党問わず多くの政治家、エコノミスト、アナリスト、経済学者と呼ばれる有識者とかいわれる人らは、税収が足りないから消費増税が必要という言説を述べます。

       

       しかしながら、消費増税をすればするほど、消費の抑制が大きくなり、税収を増やすために消費増税をしたとしても、所得税や法人税などの直接税の減少を通じて、全体の税収は伸び悩んでしまうのです。

       

       日本の財政が悪化したのは、消費増税が原因であるということが、こうしたグラフからも読み取れるのではないかと思います。

       

       

       というわけで今日は「日本の財政悪化の原因は、消費増税です!」と題して論説しました。

       2014年4月の8%消費増税が何をもたらしたか?といえば、実質消費を落ち込ませ、賃金が激しく下落したというのが結論です。当然のことながら2019年10月の10%消費増税も同様下落することは確実で、いわば当然の帰結であったといえるでしょう。

       インフレを過度に恐れるがあまり、間違った経済政策、税制の方向性が日本国民の頭に刷り込まれてしまっている状況では、財務省のいうとおりに政治家が動き、緊縮財政が継続され、日本国民の貧困化が止まらなくなります。

       日本だけが貧困化する一方で、仮想敵国の中国、先進国の米国はGDPを伸ばし、EU離脱を決定的にした英国もまたGDPを伸ばしていくことでしょう。

       米国、英国は同盟国なので問題ありませんが、中国がGDPを伸ばし続けるとなれば、軍事費の格差が拡大し、やがて中国が本格的に日本を蹂躙するということになりかねません。

       そうなってしまっては、私たちの将来世代に対して、取り返しのつかないツケを残してしまうということになってしまうということを、改めて申し添えたいと思います。

       

       

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         今日は、日本国内の経済について取り上げたく「令和元年10月に実施した消費増税10%の経済破壊力インパクト」と題して論説します。

         

         経済産業省のホームページで、商業動態統計速報という数値が毎月公表されていますが、昨年末2019/12/27、商業動態統計速報の2019年11月分の速報値が発表となりました。

         

         

        <商業動態統計2019年11月速報:単位「10億円 %」>

        (出典:経済産業省のホームページ)

         

         上表の通り、商業合計では、前月比で0.5%と辛うじてプラスになったものの、内訳は下記の通りです。

         

         卸売業:前月比▲0.5%(販売額:25,694億円 前年同月比:▲8.7%)

         小売業:前月比+4.5%(販売額:11,867億円 前年同月比:▲2.1%)

         

         数字を見るとプラスになっているのは、10月の消費増税の反動で小売業が辛うじてプラスになっただけで、小売業の2倍以上の販売実額は、10月の消費増税の落ち込みから、さらにひどい落ち込み、▲0.5%となりました。

         

         卸売業、小売業、いずれも前年同月比(2018年10月比)では、それぞれ▲8.7%、▲2.1%と、とんでもない落ち込みです。

         

         上述は2019年11月の数値でしたが、それでは2019年10月はどうだったか?

         

         2019年10月はまさに消費増税10%が始まった月になりますが、こちらは確報値が2019/12/13付で公表されています。

         

         

        <商業動態統計2019年10月確報:単位「10億円 %」>

        (出典:経済産業省のホームページ)

         

         上表の通り、商業合計では、前月比で▲9.5%と予想通りひどい落ちこみで、特に小売業の落ち込みは▲14.2%とひどい数字でした。内訳は下記の通りです。

         

         卸売業:前月比▲7.6%(販売額:25,573億円 前年同月比:▲9.5%)

         小売業:前月比▲14.2%(販売額:11,108億円 前年同月比:▲7.0%)

         

         

         2019年10月確報、2019年11月速報の数値をみて、いえることは2019年10月の消費増税10%は、ものすごい消費にダメージを与えたということです。

         

         日本のマスメディアでは、ほとんど消費増税のマイナスインパクトについて報じておらず、日本経済への影響を安倍総理は、そもそも把握しているのか?疑問を持ちます。

         

         この経済産業省のホームページに記載の商業動態統計では、2015年度を基準値100として、各品目ごとに指数が公表されています。その数値について拾ってみますと下表の通りです。

         

        (出典:経済産業省のホームページ)

         

         ついでに2014年4月の8%消費増税と、2019年10月の10%消費増税における前年同月比についてグラフにしてみました。

        (出典:経済産業省のホームページ)

         

         

         表を見れば、わざわざグラフにするまでもないかもしれませんが、敢えて作成しました。

         上記グラフで消費増税の破壊インパクトがよくわかるのですが、0%以上の品目がないということに加え、すべて右肩下がりになっているという点です。消費税が消費に対する罰則課税であって、税率を引き上げれば消費が落ち込むということが改めて認識できるかと思います。

         

         飲食料品においては、前期比こそ軽減税率据置の影響と思われるのですが、前期比で▲3.8%と、消費増税8%の▲6.9%よりも、落ち込まなかったものの、それでも前年同月比で▲1.8%とマイナスであることに変わりありません。日本国民は、軽減税率が適用された食料品ですら消費を減らしたということになります。

         

         上表を参照の通り、2018年10月がすべての品目でマイナスであったところ、そこにさらに輪をかけてマイナスになっているということがよくわかります。というより軽減税率据置でも食料品はマイナスになってしまっていることについて、政府関係者やマスコミはどう思っているのでしょうか?

         

         すべての品目でマイナスですから、グラフにしても当然すべての項目で右肩下がり、即ち消費増税10%の影響は、消費増税8%のときより影響が大きかったという結論が結果として出たといえます。

         

         ただしこの数値は10月の数値ですが、11月の速報においても、商業動態統計で、卸売業は大幅マイナス、小売業はプラスに転じたものの10月の落ち込みをカバーしきれていない状況で、合計ではマイナスになっている状態です。

         

         これらの極めて悪い数字が公表されたことで、2019年10月の消費増税は、前回よりも増税幅が2%と小さかったにもかかわらず、消費への悪影響は多大なもので、その被害の程度は東日本大震災のときの経済被害に匹敵しているのです。

         

         消費増税10%にする10月1日に、日本の新聞はどう報じたか?見出しだけを並べてみました。

         

         日本経済新聞:「万全の対応とる」消費増税で首相 2019/10/01 10:21

         読売新聞:消費税10%・・・景気下支え、首相「万全の対応」 2019/10/01 22:57

         毎日新聞:安倍首相、増税影響「しっかり注視」「万全の対策を」 2019/10/01 12:29

         朝日新聞:安倍首相「万全の対応とっていく」消費税の引き上げで 2019/10/01 11:07

         

         

         私は消費増税10%に反対の立場で過去に記事を書いてきました。上記の通り新聞各紙は、消費増税しても万全を期すから大丈夫であるとする論説を報じていました。

         

         いろんな対策をやると言っていた一つが軽減税率だったのですが、食料品は落ち込まないと思いきや、前年同月比▲3.8%、前期比▲1.8%のマイナスです。

         

         消費者は景気の先行きが悪くなると考えた心理的な影響もあるかもしれませんが、他のモノ例えば電気、電話、水道、ガスなども値上がりしているため、可処分所得が伸び悩んでいるということで、財布のひもを固くした結果であると思われます。

         

         

         というわけで今日は「令和元年10月に実施した消費増税10%の経済破壊力インパクト」と題して論説しました。

         私は、過去の記事で消費税を10%にしたら、8%のときよりも破壊インパクトは大きくなると主張してきましたが、まさにその通りとなりました。

         本当はそうなって欲しくなかったのですが、消費税が消費に対する罰則課税であることに加え、世界的に景気が悪い状況で、ただでさえ8%消費増税の悪影響が抜けきれない中での消費増税だったため、予想の通りの結果となってしまったのです。

         消費は経済学の中では経済成長のメインエンジンであり、消費が伸びていけば、他の指標もすこぶるよくなっていく上に、税収増にですら貢献するのですが、消費増税という経済政策は消費を減らす景気過熱抑制のインフレ対策の経済政策であるため、消費税で税収を確保しつつも、それ以上に所得税や法人税が伸び悩み、結果的に税収が減ってしまうのです。

         「税収が不足しているから消費増税を!」という言説は、全くのウソ・デタラメであり、むしろ消費増税こそ、財政を悪化させている主因であるということを、多くの国民に知っていただきたいと私は思うのです。

         

         

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        安倍総理の”切れ目のない機動的かつ万全”の”万全”とは何に対する”万全”なのか?

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           今日は「安倍総理の”切れ目のない機動的かつ万全”の”万全”とは何に対する”万全”なのか?」と題して論説します。

           

           下記は時事通信の記事です。

          『時事通信 2019/11/27 21:03 安倍首相、景気下支えに「万全の運営」 建設国債の使途拡大論―諮問会議

           政府は27日、経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)を開き、2020年度予算編成の基本方針の取りまとめに向けて議論した。米中貿易摩擦による海外経済の不透明感や消費税増税の影響で経済の下振れリスクが高まる中、首相は「切れ目のない、機動的かつ万全の経済財政運営を行う」と述べ、景気の下支えに全力を挙げる方針を確認した。
           会議では民間議員から、道路や港湾といった公共インフラ整備に使途が限られている建設国債について、「企業の生産性向上や人材投資」の財源に広げるよう求める意見が出た。終了後の会見で、西村康稔経済財政担当相は、「(発行ルールの見直しを議論する予定は)ない」と述べた。歳入を補う建設国債発行額は増加基調にあり、野放図な使途拡大は財政規律を一段と脅かす恐れがある。

           同日示した基本方針の原案には、長引く米中摩擦や10月の消費税率10%への引き上げ後の下振れリスクに備える必要性を明記。来月策定する新たな経済対策では、景気の下支えに加えて、東日本を中心に襲った台風や記録的豪雨の被災状況を踏まえた防災機能の強化に対応。来年の東京五輪・パラリンピック後を見据えた景気維持策も柱に19年度補正と20年度当初を「15カ月予算」として一体的に編成する考えで、原案にこれらが盛り込まれた。』

           

           上記の通り、政府は経済財政諮問会議において、2020年度の予算編成の基本方針の原案を示しました。2019年度の補正予算と一体的に編成する15カ月予算で、自然災害からの復旧、景気減速リスクなどに対応するとのこと。安倍総理は「切れ目のない機動的かつ万全の経済・財政運営を行う」と強調しました、

           

           安倍総理は”万全”という言葉を使っていますが、いったい何に対する”万全”なのでしょうか?

           

           万全とは何か懸念するリスクに対して使う言葉であり、消費増税による悪影響を懸念していることなのでしょうか?

           

           もしそうであれば、消費増税の悪影響に対する対策を”万全”にやるということでしょう。”万全”というのは”完璧”という意味でもあるため、景気の下振れゼロということを意味します。だから”万全”が何に対する”万全”か?といえば、経済対策を”万全”にやるということに他なりません。

           

           とはいえ、どうせ”万全”ではないでしょう。なぜならば既に景気は下振れしています。安倍総理の”万全”には、”万全を目指して”ということなのか?いい加減で軽々しい発言で空虚です。

           

           なぜならば2020年度予算の最大の焦点は、予算総額の3分の1を占める社会保障関係費とされ、概算要求の段階で高齢化による自然増5,300億円を見込んでいるのに、4,000億円余りにまで抑えられるか?が目安になっていると報じられている時点で、”万全”になっていません。

           

           1,300億円も削減すると言っている時点で、”万全”ではないのです。

           

           例えば、高齢者に対して、”政府にはお金がない”から社会保障関係費は削減するなど、万全ではありません。国家の予算は歳出規模約100兆円であり、1,300億円程度なら出せばいいのにと私は思います。

           

           ”政府にお金はない”という発想は、スペンディング・ファーストを理解していない愚者の発想。基本方針では社会保障全般にわたる持続可能な改革を進めると報じられていますが、改革とは何なのでしょうか?支出を削減することなのでしょうか?支出削減=生産削減=所得削減となって経済縮小になることを理解しているのでしょうか?

           

           政府支出削減=生産削減=所得削減は、GDP3面等価の原則上、必ずそうなります。高齢者への給付は、一部貯金に回るものもあるでしょうが、消費に使ってくれれば内需拡大します。

           

           相次ぐ台風や記録的豪雨の被害受けて、防災減災対策の強化に向けた公共事業費の増額を求める声が与党内で強まっているともいわれていますが、こうした声が強まって何が悪いのでしょうか?

           

           借金が増えるから悪いのでしょうか?歯止めが利かないインフレになるからダメなのでしょうか?財政を膨張させると通貨が暴落するからダメなのでしょうか?

           

           こうした危惧は、すべて杞憂です。なぜならば、内国建て債務が増えることは何ら問題がなく、インフレ率抑制は支出のスピードを減速するとか消費増税などの選択肢はいくらでも存在し、対外純資産大国が300兆円超かつ収支黒字国の日本にとっては外貨を円に換える圧力が常にあるわけであって、恐れるに足らずというわけです。

           

           安倍総理が”万全”に対策するといっても、改革だの削減だの言われると空虚な軽々しい発言にしか聞こえず、私はそうした発言に対して本当に腹立たしく思うのです。

           

           

           というわけで今日は「安倍総理の”切れ目のない機動的かつ万全”の”万全”とは何に対する”万全”なのか?」と題して論説しました。

           

           

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             今日は「消費税15%を提唱するIMFよ!お前はIMFではない!IMFの名を借りた財務省職員だ!」と題して論説します。

             

             IMF国際通貨基金は日本経済に対して、定期的に行っている分析を踏まえた報告書を公表しました。それによれば、医療や介護などで増える社会保障費を賄うため、2030年までに消費税率を15%引き上げる必要があるとしています。

             

             IMFは日本の財政に関して債務持続性を維持するための長期的な計画が欠けているとしている。その上で、増大する社会保障費を賄い、債務持続性のリスクを引き下げるためには、消費税率を少なくても15%まで段階的に引き上げるべきだ!とIMFは主張しています。

             

             このIMFの提唱に対して、インターネットなどで不満の声があがっています。下記はテレ朝Newsの記事です。

            『テレ朝News 2019/11/26 IMF「消費税を15%に」提言 ネットに“違和感”も

             増税したばかりということもあってか、不満の声が上がっています。
             先月、消費税率を10%に引き上げた日本。家計の負担が気になるなか、来日していたIMF(国際通貨基金)専務理事のこの発言が波紋を広げています。
             IMF・ゲオルギエワ専務理事:「IMFの見解としては徐々に消費税率を引き上げることが有効だと考えています」
            IMFは消費税率を2030年までに15%、さらに2050年までには20%まで段階的に引き上げる必要があると提言したのです。これに対し、ネット上では反発の声が上がっています。

             消費税率を引き上げたばかりのこの時期にIMFの増税の提言に違和感を持つ人も多いようです。そもそもIMFとは加盟する約190カ国の貿易の促進や国民所得の増大などを目指す機関で、国際通貨制度の番人として1944年に設立されました。消費税率を段階的に引き上げる理由としてIMFは、日本の高齢化を挙げ、働き手が減る一方で、年金や医療費などが増え続け、国の財政運営が厳しくなると指摘しています。それにしても、なぜ日本へここまで具体的に提言するのでしょうか。
             第一生命経済研究所・永濱利廣首席エコノミスト:「IMFというのは、日本の財務省からも職員が出向しています。政策提言的な部分は各国の財務省の意向が色濃く反映されているのが特徴。ある意味、直接、自国の国民に言いにくい耳の痛い話をIMFという外的機関を使って発言することはよくあることです」

             

             上記の記事の通り、IMFのゲオルギエワ専務理事が「IMFの見解として徐々に消費税率を引き上げることが有効だ!」と述べていることを報じています。

             

             いかにも権威あるIMFの専務理事が発言しているのだから、「消費税率を引き上げることは正しい!」と思いきや、この発言はIMF専務理事の発言ではありません。

             

             IMFの名を借りた財務省の連中どもが「消費税率を引き上げることが有効だ!」と述べているのです。

             

             第一生命経済研究所の永濱氏も述べていますが、IMFは日本の財務省職員が出向して、政策提言的な部分は、各国の財務省の意向が色濃く反映されているのが特徴なのです。

             

             ある意味、直接自国の国民に発言しにくい耳の痛い話を、IMFという外的機関を使って発言するのです。いかにも権威ある国際機関がそう言っているとして、消費税率引き上げの正当性を主張するのが、彼ら財務省職員らの手口です。

             

             消費増税15%とか、今の日本経済をさらに崩壊させるだけの話であり、消費税率10%ですら、理がありません。デフレ脱却しない限り、消費税率の引き上げは無理な話。というより消費税率引き上げはインフレ対策であって、未だ日本はデフレであるということも忘れてはなりません。

             

             デフレさえ脱却して、インフレ率が10%とかにでもなれば、消費税率15%も選択肢としてあり得ます。

             

             消費税は景気を冷やすものであり、景気が過熱した場合は、加熱した景気を覚ます意味で消費増税も選択肢の一つとしてあり得るのですが、今はデフレであるため、あり得ないのです。

             

             IMFの名を借りているため、いかにも権威あるIMFが提言しているようにみえますが、実際は日本の財務省職員が勝手に消費税率15%などとほざいているだけです。

             

             

             というわけで今日は「消費税15%を提唱するIMFよ!お前はIMFではない!IMFの名を借りた財務省職員だ!」と題して論説しました。

             

             

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            ”景気は底堅い”と嘘八百を言い続けて失政により貧困化している事実に目を背ける安倍政権

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              JUGEMテーマ:消費税

               

               今日は「”景気は底堅い”と嘘八百を言い続けて失政により貧困化している事実に目を背ける安倍政権」と題して論説します。

               

               私は数年前から、日本が貧困化しているのでは?と思った事象があるのですが、それは若者が車を乗らなくなったこと、電車の車中や街中でディスプレイが割れたスマートフォーンを使っている若者をよく見かけること、この2つです。これらを見るたびに、日本の貧困化が進んでいるのでは?と思うようになりました。

               

               皆さんはどう思われるでしょうか?

               

               よく有識者とか呼ばれている人ら、「最近の若者はゲームばかりで車に興味を持たない」と偉そうに発言をする人がいます。若者は車に興味を持たないのではなく、お金がないから車が買えないということを、彼らは微塵にも思ったことはないのではないでしょうか?

               

               特に都内に住む学生らからみれば、地下鉄や鉄道網のインフラが世界で比較してもずば抜けて整っていることもあり、別に車を必要と感じないと思う学生が多いということもあるかもしれません。

               

               しかしながら、そこにはお金の問題が絡んでいることは明白ではないでしょうか。

               

               免許証を取得するには20万円以上かかり、さらに車を持とうと思えば、駐車場代や税金や保険など、相当の出費が発生します。

               

               バブルを経験した世代や、バブル崩壊後も1997年の構造改革基本法制定による緊縮財政が始まるまで、日本が経済成長していた時代に社会人経験をし始めた人ら、貧困化した日本という事実を知らない人も多いのではと私は思います。

               

               下記の表とグラフは、平成13年度末と平成29年度末で、免許証の取得者数の推移を示したものです。

               

              <年齢区分別 運転免許証取得者数の推移>

              (出典:警察庁の免許証取得者数と、総務省の人口統計から引用)

               

               

               上記折れ線グラフを見ていただきたいのですが、若年層の人口減少という状況はあるものの、取得者数の割合が減少している点に注目していただきたく思います。

               

               20歳〜24歳 82.9%→75.8%

               25歳〜29歳 92.1%→87.9%

               

               20代の数字を見てわかることは、人口減少のスピード以上に免許証取得者数減少のスピードの方が多いため、割合が減少しているのです。

               

               他にも実際に貧困化を示す指標は、いくつもあります。

               

               下記はカオナビというサイトから数字を引用したものです。

               

               企業が労働者に支払った給与総額

               1999年:217兆円 → 2009年:192兆円(▲25兆円)

               

               労働者の平均年収

               1999年:461万円 → 2009年:406万円(▲55万円)

               

               正社員採用数

               2000年:74.0% → 2010年:65.6%(▲14.4%)

               

               

               また国士舘大学の小浜逸郎教授によれば、2015年度のOECD加盟国34か国中、日本の相対的貧困率は29位であることに加え、1995年には世帯収入の中央値が550万円のところが、2017年には423万円にまで減少。金融資産ゼロの世帯は3割を超えています。

               

              <貯蓄ゼロ世帯割合(%)>

              (出典:山本太郎事務所から引用)

               

               上記の通り、貯蓄ゼロ世帯の割合も2012年→2017年で、大幅に増加しています。

               

               決して安倍政権だけが悪いとはいいませんが、1997年の構造改革基本法以降、デフレを放置してきたのは事実であり、特に安倍政権になって以降は、2013年度を除いて、緊縮財政による実質賃金と実質消費の下落により、貯蓄ゼロ世帯の割合の増加したと言えるのではないでしょうか?

               

              <2015年の実質賃金を100として指数化した実質賃金指数の推移>

              (出典:厚労省のホームページの毎月勤労統計の資料の数値を引用)

               

               

               

               少なくても安倍政権が目標に掲げる物価目標2%は達成されず、デフレが続いているということは、消費者物価指数の推移(下記グラフ)を見ても明らかです

               

              <消費者物価指数(コアCPI、コアコアCPI)の推移>

              (出典:総務省のホームページ「e-slat」から引用)

               

               またデフレ放置に加え、労働市場の流動化と称して非正規雇用を増やすことができる、経営的には損益分岐点を左下にシフトできる規制緩和が、派遣業法改正以降ずっと続けられてきたこともあり、職を失う人、職に就けない日本人が続出。仮に職に就いたとしても低年収の人、あるいは非正規社員という雇用が不安定な人が増加していて、今もなお現在進行中の状況です。

               

               非正規雇用では、雇用期間が最長でも1年と不安定なうえに、社会保険が不十分であったりします。2018年4月に規制が強化されて、無期転換ルールが開始されたものの、無期転換ルール開始前に企業から労働契約を打ち切られる「雇い止め」が増加して、生活に困窮している労働者も増加しました。

               

              <年収200万円以下のワーキングプアと呼ばれる層の推移>

               

              (出典:国税庁の民間給与実態統計調査の1年を通じて勤務した給与所得者について集計したもの)

               

               

               ワーキングプアと呼ばれる層は、安倍政権になってからも1,100万人超を推移し続けています。

               

               私は公務員を増やすべきだ!という立場で論説することも多いのですが、実は公務員にも非正規雇用が増えています。小浜逸郎氏(前述)によれば、地方公務員では11年間で非正規雇用の公務員が4割増加し、全体の3分の1を占めるとのこと。しかも正規雇用の地方公務員の平均年収が660万円のところ、非正規雇用の地方公務員は207万円程度ということで、ワーキングプアすれすれの状況で彼らにはボーナスもなければ昇給もないとのこと。それだけにとどまらず、産休や看護休暇や交通費すら認めないとする自治体もあるようです。

               

               これでは地方経済が疲弊するのは、もはや当然の帰結と言えるでしょう。その象徴として、今年10月1日の消費増税を目前の9/30までに閉店した百貨店は10店舗以上あります。

               

               こうした中、国内の子どもの6人〜7人に1人が貧困状態にあるとされ、2012年から子ども食堂というのが全国で開設されています。

               

               下記は日本経済新聞の記事です。

              『日本経済新聞 2019/06/27 10:14 子ども食堂1.6倍に 3700カ所、6校に1つ     

               子供に無料か低額で食事を提供する「子ども食堂」が全国で3700カ所を超え、昨年比で1.6倍に増えたとの調査結果を支援団体が26日、公表した。どれだけ普及しているかを表す指標として、小学校数に対する食堂数の割合(充足率)も算出。都道府県平均は17.3%で、小学校6校に食堂が1カ所ある計算となった。最も高い沖縄(60.5%)と最も低い秋田(5.5%)では大きな開きがあり、地域差も明らかになった。

               子ども食堂は地域のボランティアらが運営。低所得や親の帰宅が遅い家庭の子供向けに2012年ごろ始まり、全国に広がったとされる。住民の交流拠点としての役割を果たすことも多い。

               調査はNPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」(東京)と全国のこども食堂地域ネットワークが実施。都道府県ごとに今年5月までの状況を集計した。

               食堂数は3718カ所を確認。秋田を除く46都道府県で、昨年の調査から計1400カ所以上増えた。最も多かったのは東京の488カ所で、大阪336カ所、神奈川253カ所が続いた。最も少なかったのは秋田の11カ所。全国の年間利用者数は推計で延べ約160万人。

              全ての子供が利用しやすくするには、小学校区単位で食堂があることが望ましいとして、小学校数に対する充足率も算出。高い順に沖縄60.5%、滋賀52.5%、東京36.6%だった。低かったのは秋田5.5%、青森5.6%、長崎7.0%の順だった。

               むすびえの湯浅誠理事長は「子ども食堂には貧困家庭の子供だけが食事する場所との誤解があるが、交流拠点としても機能している。地域の女性を中心に関心は高く、取り組みやすい雰囲気が出てきたことで、増えたと思う」としている。』

               

               

               これだけ貧困化が進んでいる指標や記事が出回っているにもかかわらず、内閣府は「景気は底堅い」などと発表をしていて、マスコミも”いざなぎ越え”と好景気であることを報じています。

               

              <主要国のGDP伸び率>

              (出典:世界経済のネタ帳から引用)

               

               1996年と2016年のGDP成長率でみれば、ケチケチのドイツですら1.4倍になっているにもかかわらず、日本だけが1.0倍と10年間足踏み状態。先進国の米国ですら2.3倍で、トランプ政権になってからは経済はさらに絶好調で、実質賃金は年率換算で2.8%増です。

               

               1995年には、世界のGDPに占める日本のシェアは17%に達していたのですが、現在は2018年には6%以下に落ち込んでいます。

               

               内閣府に限らず政府関係者や、経済学者やエコノミストやアナリストら、国会議員らも含め、これらの指標は誰でも見ることができます。

               

               にもかかわらず、そうした有識者と呼ばれる連中は、東京の場合は「銀座は人が大勢いる」とか「渋谷は活気がある」など、沖縄でいえば「国際通りは人が大勢溢れている」、大阪でいえば「インバウンドが絶好調」などといって「日本は景気が良い」という認識でいるので、あまりにもアホらしくなるのです。

               

               私は都内に住みますが、今年ゴールデンウィークに訪れた欧州視察で、ロンドンの物価、パリの物価が高かったことに驚きました。何しろ屋台で売っているホットドッグは、3.5英国ポンド(日本円で約500円)、500㎖ペットボトルのペプシコーラが3.4€(日本円で約419円)と物価が高く、私は日本が経済成長していないということを実感しました。

               

               日本国内の一部の都市だけをみて、あるいは都内に住む人は、日本の貧困化というのがピンと来ないかもしれませんが、恐るべきスピードで貧困化が進んでいるという実態は、誰もがいろんな指標を通じて知ることができるのです。

               

               

               というわけで今日は「”景気は底堅い”と嘘八百を言い続けて失政により貧困化している事実に目を背ける安倍政権」と題して論説しました。

               

               

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              消費増税は、リーマンショック何回分のダメージか?


              ”税金返せ!”とプラカード持って大嘗祭に反対している人は愚民です!

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                JUGEMテーマ:経済成長

                JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                 

                 今日は「”税金返せ!”とプラカード持って大嘗祭に反対している人は愚民です!」と題して論説します。

                 

                 下記は朝日新聞の記事です。

                『朝日新聞 2019/11/14(木)19:41 大嘗祭「一晩のため税金27億円」 東京駅前で反対集会

                 東京都千代田区のJR東京駅・丸の内駅前広場で14日夜、大嘗祭(だいじょうさい)に反対する集会があった。主催者の男性はマイクを持ち「たった一晩の儀式のために27億円もの税金を使い、巨大な神殿が建てられた」と訴えた。参加者は「インチキ大嘗祭」などと書かれたプラカードを掲げ「大嘗祭反対」「税金返せ」とシュプレヒコールの声を上げた。武蔵野市から来たという女性(37)は「天皇制に反対する人は潜在的にいるのに、声を上げにくい息苦しい状況が生まれている」と語った。』

                 

                 

                 上記は、大嘗祭で27億円も使っているということに対して、反対集会が東京駅の丸の内駅前広場で行われたとする記事です。

                 

                 この記事を見て思ったことがあります。といっても本当はこの言葉は、同じ同胞の日本国民・日本人には使いたくありませんが、それでも言わざるを得ず、敢えていいますが”愚民”です。

                 

                 その理由を2つご説明します。

                 

                 まず一つ目として、「たった一晩の儀式のために27億円もの税金を使い、巨大な神殿が建てられた」と批判するのはいいですが、27億円支出すれば、27億円分所得が発生して、経済成長します。

                 

                 経済成長するとは、実質GDPが成長すると私は定義します。そう定義した場合、実質GDPが増えるというのは、例えば今までパンを10個食べることができたのを、実質GDPが増えたことによって12個のパンを食べることができるようになった、ということを意味します。

                 

                 今まで10個しか買えなかった人が12個のパンを買えるようになったというのは、豊かさを実感できるでしょう。

                 

                 逆に実質賃金が減ったりした結果、10個のパン買えていたのに、8個しか買えなくなったとなれば、貧困を実感することになるでしょう。何しろ食べ物を買える量が減ったということなので、パンが買える個数がどんどん減って、8個→6個→4個→2個→0個となってパンが買えなくなってしまえば、飢えて死んでしまうからです。

                 

                 では27億円を大嘗祭に費消した場合、経済効果はどうなるでしょうか?

                 

                 消費額27億円であれば、消費27億=生産27億=所得27億と、毎度おなじみの”GDP3面等価の原則”で、必ず所得が27億円増えます。

                 

                 プラカードを持って大嘗祭に反対している人の中で、神殿の建築で受注した企業にお勤めの人とか、居ないと思いますが、仮にいたとすれば、大バカ者です。一義的には公共事業を受注すれば、その受注企業が一番初めに潤うからです。

                 

                 とはいえ、受注企業に勤める人も、そのことで給料が増えれば、消費を増やします。

                 

                 消費者として消費を増やす際、製品の購入にしろ、サービスの購入にしろ、その製品やサービスを供給している企業とは、もしかしたらプラカードを持って大嘗祭に反対している人が勤めている企業の製品・サービスかもしれません。

                 

                 そのため、そもそも27億円を無駄遣いといっている時点で間違っているのです。

                 

                 

                 愚民である理由の2つ目は、反対のデモに参加している人が持つプラカードの「税金を返せ」という言説です。

                 

                 こうした「税金を返せ!」という言説について、朝日新聞の記事では「税金返せ!」と書いていますが、これは「(私たちの)税金返せ!」ということで、”私たちの税金”で支出していると思われていることでしょう。

                 

                 ”私たちの税金”という言葉は、”私たちが払っている税金”だと思うのですが、私たちが払っている税金で政府支出をするのではありません。

                 

                 財政法第7条で定められた財務省証券(政府短期証券)や、財政法第4条の建設国債やら、それらを政府が発行し、政府が日銀当座預金を借りるために、財務省証券や建設国債を差し入れて、日銀当座預金を担保に政府小切手を発行して支払っているだけであって、日本国民が納めたお金で支出しているというのは間違っています。

                 

                 政府支出は”スペンディングファースト(支払いが先)”であって、徴税などを担保にして支出しているわけではありません。

                 

                 そのため、私たち日本人が納めた税金で政府支出をしているわけではないので、「税金を返す」というのは、誰に税金を返すのか?という話になります。

                 

                 つまり「私たちの税金を勝手に使って税金ドロボウ!といった言説は、上述を理解できない”愚民”としか言いようがないと私は思います。

                 

                 

                 というわけで今日は「”税金返せ!”とプラカード持って大嘗祭に反対している人は愚民です!」と題して論説しました。

                 この記事が本当にひどい記事であると思うのは、大嘗祭の税金返せという話と別に、天皇制の反対を主張する人がいます。こうした人は、日本の皇統が2000年以上続いて、それが世界最古で世界の人々から尊敬されているという事実を知らないか、もしくはそのことの価値を理解できない人です。

                 そうした人に対しては、やはり”愚者”としか言いようがないものと、改めて私は思います。

                 

                 

                〜関連記事(税金やお金や財政破綻の話)〜

                ”公務員は私たちの税金で飯を食べている”という言説と”スペンディング・ファースト”について

                ”MMTが正しいならば日本は無税国家でよいのでは?”という人は、税金について理解していない人である!

                政府が借金を増やすと国民の預金は増加します!

                3種類の負債

                政府の税収が安定している必要は全くありません!

                税金の役割とは何なのか?

                2018年度の税制改正の主要テーマに取り上げられた所得税の改革について

                「所得税を減税しないと富裕層が逃げていく!」は本当か?

                お金の本質を理解していた江戸時代の勘定奉行”荻原重秀”

                モンゴル帝国のフビライ・ハンの時代にインフレーションが発生したのはなぜか?

                ジンバブエのハイパーインフレについて

                ”政府は借金し放題”という”現代金融理論”について

                親日家の投資家ジム・ロジャーズ氏が指摘する日本の財政破綻に反論する!

                ”国債増刷+財政出動で税金を増せる”という言説は無責任なのか?

                国債は何兆円まで発行できるのか?(管理通貨制度について学ぼう!)

                ミクロ経済学の「予算制約式」について(「政府の負債は税金で返済しなければならない」のウソ)

                憲法改正で財政規律条項を入れる動きに反対!

                日銀が保有する国債は、地球が崩壊して滅亡するまで放置でOK!

                 

                 

                〜関連記事(MMT理論・銀行のビジネスモデルについて)〜

                ”MMT理論よ!お願いだから、引っ込んでくれ!”と恐れる構造改革論者と緊縮財政論者

                政府支出を拡大すればインフレ率が抑制できなくなるという言説に対する反論

                公共事業などの政府支出は銀行預金で借りているわけではありません!

                反論になっていない財務省の”増税不要論”への反論

                MMT理論の批判論に対する反論!

                ゼロからお金を生み出すことができるのが銀行です!

                借入金の否定=資本主義の否定(信用創造機能とは何か?)

                日本には財政問題は存在せず、金融緩和だけでは景気が良くなるわけがありません!

                国債は何兆円まで発行できるのか?(管理通貨制度について学ぼう!)

                ”政府は借金し放題”という”現代金融理論”について

                グリーン・ニューディール政策と現代金融理論

                 

                 

                〜関連記事(天皇関連)〜

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                なぜ日本国の先人らは男系の皇統を守り続けたのか?

                皇室は、日本のナショナリズムの中核です!


                社会保障制度の維持、財政健全化を進めるために消費税をさらに引き上げるべきという言説

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                  JUGEMテーマ:消費税

                   

                   今日は「社会保障制度の維持、財政健全化を進めるために消費税をさらに引き上げるべきという言説」と題して論説します。

                   

                   経済同友会の桜田代表幹事は、「消費税は10%で未来永劫大丈夫ということを言い続けることは危険だと思っている。」などと発言し、物議を醸しました。この発言が消費税のさらなる引き上げを示唆していると受け止められています。桜田代表幹事は、2019/10/01の会見で、消費税は全体としてスムーズにスタートしているとし、社会保障制度の維持、財政健全化をすすめるために、今後さらに引き上げていくべきだという見解を示しました。

                   

                   要するに財政を健全化するために税収を増やすためには、税率を引き上げなければならないと言っているのですが、誠に残念なことに、消費増税をするから、消費税で安定的に税収を確保しつつも、消費に対する罰則課税ということで、法人税、所得税が激減し、財政の健全化からさらに遠のくということを、桜田代表幹事は理解していません。

                   

                   特に中小企業にとっては、ただでさえ増税が転嫁できずに粗利益(=GDP)を縮小させるだけでなく、軽減税率導入による事務処理負担、ポイント還元のためのキャッシュレス導入促進による手数料負担が発生し、厳しい状況に追い込まれるのは目に見えて明らかです。

                   

                   理論上は違うとされていますが、消費税は中小企業にとって事実上「外形標準課税」に等しく、利益に人件費、減価償却費を上乗せして税率をかければ、納税額を概算で算出することも可能です。

                   

                   私はもともと消費増税に反対の立場で論説していますが、理由は日本がデフレ環境にあるということが最大の理由です。消費増税はインフレ対策であり、デフレ化であればむしろ消費減税すべきです。

                   

                   特にこの10/1付の消費増税は、タイミングも最悪です。なぜならば今年に入ってから実質賃金は、毎月前年同月比でマイナスを続けています。

                   

                  <実質賃金指数の推移(左軸は2015年平均値を100とした場合の指数、右軸は前年同月比(%)>

                  (出典:厚労省のホームページ)

                   

                   上記グラフの通り、青の棒グラフは毎月決まって支給する給与は、2015年の平均値を100とした場合で、2019年4月に100.2を付けた以外、すべて100以下となっていますし、100.2を付けた2019年4月にしても、前年同月比では▲1.3%のマイナスです。

                   

                   また、オレンジ色の折れ線グラフを見ますと、2019年度以降、7カ月連続で前年同月比はゼロ以下のマイナスに沈み続けています。

                   

                   消費増税は消費に対する罰則課税であり、個人消費は必ず落ち込むことから、GDP3面等価の原則で、消費減少=生産減少=分配(所得)減少 となります。辛うじて日本の場合は高齢化で、医療費・介護費が増加傾向であるため、その増加分はGDPが増えますが、その増加率ですら抑制しようとしています。本来は日本には財源問題がないので、増加する医療費・介護費は、需要が増加することを意味するのに、家計簿発想、企業経営発想で物事を考えるアホどもが多いので、増加する医療費・介護費は抑制しなければならないといった間違った政策をやっているのが実情です。

                   

                   確かに政府は消費の落ち込みを防ぐための対策を講じています。仮にポイント還元で落ち込みが少なかったとしても、ポイント還元期間が終了すれば、増税がもろに効いてくるため、所詮は時限措置で会って恒久的措置ではないので、消費抑制効果はずっと続くことになります。

                   

                   消費抑制効果がずっと続くということは、生産抑制効果、所得減少効果がずっと続くということになり、過去、消費増税をするたびに実質賃金は、きっちりと減少してきました。(下記グラフを参照)

                   

                  <2015年の実質賃金を100として指数化した実質賃金指数の推移>

                  (出典:厚労省のホームページの毎月勤労統計の資料の数値を引用)

                   

                   

                  <総税収に対する各税収(消費税・法人税・所得税)が占める割合>

                  (出典:全商連の資料から引用)

                   

                   総税収に対する各税収のシェアのグラフを見てお分かりかと思いますが、消費税を増税しておきながら、所得税はシェアがほぼ横ばいで、法人税のシェアは下がっています。日本のGDPが500兆円から下がらない理由は、高齢化による介護・医療費の需要があるからです。

                   

                   とはいえ、日本政府がやってきたことは、各種税収のシェアを見てお分かりの通り、法人税の穴埋めで消費税が使われていると言っても過言ではありません。

                   

                   このような消費税を引き上げて法人税を減税するという政策が正当という理由として、法人税を引き下げなければ企業が海外に逃げていくという声があります。

                   

                   それはそれで否定しませんが、少しだけの話であり、そのような企業は法人税を減税しなくても出ていくことになるでしょう。

                   

                   経済産業省の調査によれば、海外移転する理由の中に、法人税が高いことを理由に挙げる企業はほとんどありません。日本の企業が海外に投資をするのは、日本がデフレで儲かりにくいからということ、これに尽きます。何しろ、作った製品は、値下げしないと売れにくい環境ですから、儲からないというわけです。

                   

                   海外へ投資するのは相対的に日本よりも経済が良いからということもそうですが、そもそもデフレでないからということに尽きます。デフレ環境ですと、名目需要、実質需要いずれも落ち込む傾向にある一方、海外はドイツを除けば、日本のようにデフレになっていませんので、需要が伸びていることから為替リスクを取ってでも日本企業は海外に出ていこうとしているのです。

                   

                   法人税が安いから日本企業が海外に出ていくというのは、全くのウソ・デマです。

                   

                   

                   というわけで今日は「社会保障制度の維持、財政健全化を進めるために消費税をさらに引き上げるべきという言説」と題して論説しました。

                   

                   

                  〜関連記事〜

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                  安倍政権は民主党と同じ「コンクリートから人へ!」内閣です!

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                  「GDPと税収の関係」と「GDPデフレーターの特徴」について

                  名目GDPと実質GDPとGDPデフレータを完全理解しよう!

                  本当は経済成長していないのに実質GDPがプラスになってしまう現象について

                  財務省職員の人事評価制度について(増税できた人を評価するのではなく、GDPを増やした人を評価すべき)


                  デフレを放置するから投資が進まないことを全く理解していない甘利氏

                  0

                    JUGEMテーマ:経済成長

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                    JUGEMテーマ:消費税

                     

                     今日も引き続き消費増税ネタで「デフレを放置するから投資が進まないことを全く理解していない甘利氏」と題して論説します。

                     

                     内閣府が発表した9月の消費動向調査によれば、消費者マインドの強さを示す消費者態度指数が、8月から▲1.5%下落で、35.6%となったとのこと。そしてこの数値は、比較ができる2013年4月以降の水準で最低水準になったとのことです。(下記グラフを参照)

                     

                    <消費者態度指数(赤線のグラフが消費者態度指数:単位「%」)>

                    (出典:総務省ホームページ e-slatから引用)

                     

                     上記の通り、消費増税8%実施月の2014年4月の37.1%最低水準を下回って35.6%となりました。

                     

                     消費増税10%UPの前に、消費者心理の冷え込みが強まっていたことが鮮明にわかる指標です。因みにその前の月の8月は37.1%で過去最低で2014年4月と並んでいたのですが、9月はその最低水準をも割り込んだということになります。

                     

                     消費増税10%をする前の時点で最悪となっているにもかかわらず、ここからさらに落ちるということは、どうなってしまうのでしょうか?

                     

                     「消費税を引き上げる」=「景気を冷やす」です。私は竹中平蔵氏をよく批判しています。彼は新自由主義者であり、新自由主義者は、1976年ノーベル経済学賞受賞者のミルトン・フリードマンの影響を受けて、自由が何でも正しく、政府の関与を否定する考え方であるためです。しかしながら、その竹中平蔵氏ですら、デフレ化での消費増税は反対しています。竹中平蔵氏ですら、「消費税を引き上げる」=「景気を冷やす」を理解しているのでしょう。

                     

                     経団連や商工会議所の会頭ら、消費増税が景気を冷やすのは理解するが、これは社会保障を広くみんなで負担するから・・・などとよく主張しています。これは全くの欺瞞です。

                     

                     日本の財政危機はウソであり、過去の消費増税分は、法人税減税や所得税の累進課税緩和の財源になっていて、全額社会保障に使いますといっていた政府の説明はウソだからです。

                     

                     経団連、商工会議所の会頭らの主張は、見え透いた言い訳で嘘八百です。

                     

                     自民党の甘利税制調査会長は、2020年度の税制改正で、企業の内部留保や個人の貯蓄を成長分野に回す仕組みづくりに取り組む考えを示し、どうやって企業の内部留保や個人の貯蓄を技術革新に親和性のある投資につなげていくか?在任中に何とか道筋を付けたいと述べています。

                     

                     その理由についても法人・個人が貯蓄から投資への動きが進んでいないからと説明。

                     

                     はっきりいって、甘利氏は経済を全く理解していません。

                     

                     重鎮な国会議員であれば、それなりの知見があるだろうと、多くの人が思うことでしょうが、実際はMMT理論を理解できるか?など真実を知っているか否か?です。残念ながら甘利氏は真実を知らない、まるで白痴と言わざるを得ません。

                     

                     なぜ企業が内部留保をするか?といえば、デフレを放置しているからです。消費増税をやればデフレが進みます。そしたら内部留保するに決まっているのです。

                     

                     消費減税をすれば、内部留保は辞めるかもしれません。法人税減税をすれば内部留保をします。設備投資減税で一括償却を認めれば、内部留保を辞めて設備投資するかもしれません。要はデフレが原因だから内部留保するということなのです。

                     

                     すると頭の悪い人は「内部留保に課税すればいい!」などと言い出す人がいます。甘利氏ではありませんが、そうした声もあります。

                     

                     私は内部留保に課税するのは、私有財産を認めないという憲法違反に当たると思っておりまして、普通に反対です。政府が財政赤字であることが健全であると理解すれば、内部留保に課税などしなくても、普通にデフレ脱却のために政府支出拡大をすればいいだけ。どんな頭の悪い人でも理解ができると思うのに、頭がいいと言われる経済学者、アナリスト、エコノミストら、彼らが財政赤字が健全であることを理解できないというのは、もう馬鹿に付ける薬はないというくらいバカ・アホだと私は思います。

                     

                     そして重鎮と呼ばれる自民党の政治家で税制調査会長の甘利氏もまた経済を全く理解していないバカ・アホの類であると私は思うのです。

                     

                     

                     というわけで今日は「デフレを放置するから投資が進まないことを全く理解していない甘利氏」と題して論説しました。

                     

                     

                    〜関連記事〜

                    日本の企業が内部留保を積み上がることへの対策について

                    企業の内部留保への課税は、私有財産権の侵害であり、反対します!


                    消費増税10%に対する経済対策6.6兆円は、”焼け石にスポイトの水”です!

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                      JUGEMテーマ:経済成長

                      JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                      JUGEMテーマ:消費税増税

                      JUGEMテーマ:消費税

                       

                       今日も消費税ネタで「消費増税10%に対する経済対策6.6兆円は、”焼け石にスポイトの水”です!」と題して論説します。

                       

                       自民公明両党は、消費税率10%引き上げを巡り、警戒を強めていると各紙が報じています。ポイント還元や軽減税率を巡って混乱が起きれば、臨時国会で野党の格好の攻撃材料になるからです。

                       

                       また消費税率引き上げ後の景気動向も今後の政権運営に影響を与えかねないとし、自民公明両党の会合では、政府が軽減税率やキャッシュレス決済を対象にしたポイント還元制度の準備状況を説明。出席した議員からは様々なリスクへの対応をということで、増税に関する相談窓口を周知して欲しいなどの要望が相次ぎました。

                       

                       前回、2014年4月の8%引上げでは、増税直前に駆け込み需要が膨らみ、増税後に反動で個人消費が落ち込みました。今回の増税の影響がどうなっていくのか?は、非常に興味深く思われる方も多いかと思います。

                       

                       そもそも自民党と公明党が警戒するということ自体、消費増税10%が国民のためになる、社会保障の充実のためになるということでやってるにもかかわらず、なぜ怯えているの?という話です。

                       

                       増税後の10/1に、「消費増税10%で日本経済は地獄へ!」という記事を書きましたが、先週の土日、消費増税後の初めての土曜日の10/5(土)に、新宿駅の京王百貨店で18:00頃、買い物に行きましたが、男性用衣類で秋物・冬物衣料やネクタイやスーツやら、ブランド品売り場など5Fは閑散としていました。私は京王百貨店の友の会会員になっていまして、よく利用するのですが、ちょっとびっくりするくらい客がいない。各テナントの店員も手持ち無沙汰で、消費増税の影響を肌で感じました。

                       

                       消費増税が始まった今、個人消費は確実に2%下落します。定義上、実質消費=実質賃金=実質生産で、2%確実に引き下がります。欧州の国のようにインフレ時の消費増税ならまだしも、デフレ放置しての消費増税なので2%が4%〜5%下落していくでしょう。

                       

                       今までのパターンがそうなっており、確実にそうなるものと私は思っています。そして実質消費が下落するということは、実質賃金も減るということになり、過去きっちりと実質賃金指数も減少しました。

                       

                      <2015年の実質賃金を100として指数化した実質賃金指数の推移>

                      (出典:厚労省のホームページの毎月勤労統計の資料の数値を引用)

                       

                       ポイント還元や軽減税率がややこしいとか、そういう批判にエネルギーが割かれているのですが、実際に問題なのは実質賃金指数が減少することではないでしょうか?

                       

                       私たち日本人の賃金・消費が下落して貧困化してかつ税収ですら縮小してしまうところに消費増税の最大の問題があるにもかかわらず、軽減税率がややこしくて、おむつが・・・とか、ウェットティッシュはぜいたく品で・・・とか、そんなレベルの低い話ばかりが巷で報道されています。

                       

                       消費増税の巨大な悪が議論されるべきところ、どうでもいいところにエネルギーが割かれているということがさらに疲弊感を増します。

                       

                       このようなくだらない消費増税報道のために、直接税の税収が減収して財政健全化ですらおぼつかないことに気付かず、日本はどんどんダメになっていく。それを黙って見ているというのは、本当に辛く思います。

                       

                       いやいやちゃんと対策をやっているから問題ないのでは?と思われる方、消費増税10%による負担と対策を下記の通り整理していますので、ご覧ください。

                       

                      <負担増:6.3兆円>

                      ・消費増税による負担増 5.7兆円

                      ・たばこ税・所得税の増税 0.6兆円

                       

                      <対策規模:6.6兆円>

                      ・軽減税率の実施 1.1兆円

                      ・幼児教育無償化 2.8兆円

                      ・診療報酬等による補填等 0.4兆円

                      ・臨時特別の予算措置(※) 2.0兆円

                      ・税制上の支援 0.3兆円

                      ※ポイント還元 商品券 強靭化対策等

                       

                       例えば、幼児教育無償化のような2.8兆円の対策の場合、2.8兆円の移転された所得を全額使ってくれれば、公共事業と同じ効果が得られますが、デフレで先行き不安という状況では、私の感覚では少なくても半分は貯蓄に回るのでは?と考えます。

                       

                       つまり2.8兆円経済対策をやっているといっても、多く見積もっても半分の1.4兆円程度しか消費に回らないでしょう。

                       

                       ポイント還元や商品券も同様です。通常の消費に上乗せして2.0兆円全額消費してくれればいいですが、例えば1万ポイントをもらった人が大勢いたとして、中には1万円貯金を殖やすという人は必ずいます。

                       

                       公共事業ならば2.0兆円と予算が付けば、必ず年内に費消しますが、今回の対策の幼児教育無償化や臨時特別の予算措置のようなお金を配る系、所得移転系の対策では、残念ながら経済対策というにはほど遠いといえます。

                       

                       まさに”2階から目薬を差す”ようなものであり、”焼け石に水”ならぬ”焼け石にスポイトの水”といったところです。 

                       

                       野党は臨時国会で8%に引き下げる法案の提出を検討していると言われていますが、8%どころか5%にまで減税してもいいくらいなのでは?と私は思います。

                       

                       

                       というわけで今日は「消費増税10%に対する経済対策6.6兆円は、”焼け石にスポイトの水”です!」と題して論説しました。


                      6.6兆円の消費税対策は”2階から目薬を差すようなもの”で全く効き目がありません!

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                        JUGEMテーマ:消費税

                         

                         今日は「6.6兆円の消費税対策は”2階から目薬を差すようなもの”で全く効き目がありません!」と題して論説します。

                         

                         既に消費増税が10%となりました。一応、軽減税率やキャッシュレス対応などがあって、10/1以降は5種類の税率が品目ごとによって適用されます。

                         

                         安倍総理は「10年間は増税不要」といっており、日本国内では安倍総理が積極財政論者として持て囃されているようにみえます。しかしながら安倍総理は積極財政論者ではありません。

                         

                        <図 Ц債発行額の推移(2008年〜2017年)>

                        (出典:内閣ホームページ掲載資料「平成29年度予算のポイント」から引用)

                         

                         

                        <図◆Ц債発行額の推移(1989年〜2017年)>

                        (出典:内閣ホームページ掲載資料「平成29年度予算のポイント」から引用)

                         

                         上記は建設国債(4条公債)の発行額の推移をグラフにしたものです。

                         

                         絶対的にいえることとして、2013年よりも建設国債の発行額は減少しているということです。財務省の人や、与野党にいる緊縮財政を是とする輩と比べて、相対的には積極財政を推進しているようにみえますが、少なくても積極財政を推進しているのであれば、上記の公債発行額は右肩上がりで増えていなければならないでしょう。

                         

                         10/1に消費増税した後、安倍首相が増税は10年間不要といった傍から、政府の税制調査会の増税派委員からは、けん制すべく消費税10%はゴールではないという発言が出ています。少子高齢化や働き方の多様化で、社会の変化に対応した税制がどうあるべきか?ということで、今後も何らかの増税策が必要との考えを示しています。

                         

                         安倍首相がダメな奴だとすれば、政府の税制調査会の増税派委員らはもっとダメな奴ということになります。まさにダメな奴ともっとダメな奴の議論ということであって、安倍首相は積極財政推進派ではないのです。

                         

                         今回の消費増税のシミュレーションでは、国民の負担分は6.3兆円としている一方、6.6兆円の対策をしているから万全であるとしています。

                         

                         しかしながら6.6兆円の対策は、ポイント付与や幼児教育無償化など、お金を配る系の対策ばかりであり、ポイント付与や幼児教育を無償化したとしても、その分を毎月もらう給料から貯金が増えることを止めることはできません。対策費で支出した分、国民が貯蓄を増やしてしまうとなれば、結局GDPは増えません。公共事業であれば、たとえ無駄な公共事業であったとしても、政府の支出=民間の生産=民間の所得となって、GDPが増えます。

                         

                         6.3兆円の負担で6.6兆円の対策となれば、いかにも6.3mの津波に対して、防波堤が6.6mあるようにみえますが、実際は中がスカスカのコンクリートであり、6.3mの津波に耐え切れないでしょう。消費税対策の6.6兆円は、いわば2階から目薬を差すようなもので、全く効き目がないでしょう。

                         

                         どうしても消費税率を10%に引き上げるならば、15兆円程度の補正予算を最低でも5年間は継続するべきであると私は考えています。しかしながら緊縮財政を是とする財務省が15兆円の補正予算を5年間もやるはずはなく、となれば事実上消費増税はダメということになります。

                         

                         国民民主党の玉木雄一郎代表は、今の日本経済を考えた場合、躊躇せず消費減税すべきであると述べました。

                         

                         7月の参議院選挙で、消費減税すべきと明確にメッセージを発信していた政治家は少なくても4人認識しています。具体的には、れいわ新撰組代表の山本太郎氏前参議院議員であり、国民民主党代表の玉木雄一郎衆議院議員であり、自民党の西田昌司参議院議員、安藤裕衆議院議員の4人です。

                         

                         とはいえ賽は投げられ、消費税率は10%になってしまいました。

                         

                         となれば15兆円の補正予算を最低5年間やるか、消費減税8%あるいは消費減税5%にするという戦いを、今から始める必要があります。

                         

                         残念ながら他の野党は、前原氏、長妻氏、野田氏といった重鎮の議員らは緊縮財政派であって増税賛成です。政党としては現実的にはれいわ新撰組以外に消費減税すべきと主張している野党はなく、一応消費増税の延期と主張していました。

                         

                         今、賽が投げられて消費税率が10%となった以上、れいわ新撰組の野党以外の野党議員は10/1以降、消費減税を主張する必然性があります。

                         

                         ここで野党が消費税の減税を主張しないならば、消費税率は8%のままで、10%へ引き上げるのは延期すべきと主張していたことがウソになると私は思います。

                         

                         

                         

                         というわけで今日は「6.6兆円の消費税対策は”2階から目薬を差すようなもの”で全く効き目がありません!」と題して論説しました。

                         

                         

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                        本当は経済成長していないのに実質GDPがプラスになってしまう現象について

                        財務省職員の人事評価制度について(増税できた人を評価するのではなく、GDPを増やした人を評価すべき)


                        消費増税10%で日本経済は地獄へ!

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                           今日から遂に消費増税10%となりました。そこで今日は「消費増税10%で日本経済は地獄へ!」と題して論説します。

                           

                           消費税率が10%に引き上げられるのに伴い、対策として酒類を飲食料品の税率を据え置く軽減税率や、キャッシュレス決済時のポイント還元が導入されます。

                           

                           私は改めて残念であると思わざるを得ません。何しろ、日本経済がつぶれていくのを、ただ見ているしかないという状況だからです。

                           

                           政府は消費増税と軽減税率の財源確保など、国民負担分は6兆3000億円と試算し、2兆円のポイント還元策を含めて6兆6000億円規模の対策によって、負担分を帳消しにすると主張しています。

                           

                           要は、こうした対策によって増税後も日本国民はお金を使うという話になるのでしょうか?

                           

                           政府のこうした政策は、典型的な焼け石に水といえます。

                           

                           なぜならば、たった1年で終わる一方、2年目以降は税率10%で変わらないからです。

                           

                           仮に6兆6000億円の対策に効果があったとしても、その効果は短期で終わるので意味がありません。というよりもその短期ですら、果たして効果があるのか?甚だ疑問です。

                           

                           理由は、6兆6000億円の対策の半分は、給付金を配るような政策です。そのため、給付金は全部使われず、消費に回らないで貯金に回ってしまうことでしょう。

                           

                           その分は経済効果が出ないということになります。何しろ、GDP3面等価の原則で、消費=生産=所得です。消費に回らず貯金に回ってしまったものは、経済効果ゼロです。

                           

                           給付金を配るというやり方に変わって商品券を配っても同じこと。日本国民に使用期限がある商品券を10万円分配ったとして、すべての国民が10万円以上、消費が増えるわけではありません。

                           

                           毎月もらっている給料から10万円貯金を増額させる人も、当然のごとく存在します。

                           

                           何が言いたいか?といえば、デフレ期に給付金を配るのは、全くをもってナンセンスであり、公共事業などの政府支出拡大こそ、乗数効果も大きく、経済効果が大きいのです。

                           

                           ところが今回の6兆6000億円の対策では、規模も小さすぎてかつ短期間であるため、焼け石に水どころか、焼け石にスポイトの水をピュッとかける程度であって、何の効果もないでしょう。

                           

                           消費増税10%で日本経済が地獄と化すと断定する理由は、過去2回のデフレ化における増税は、きっちりと日本経済を予想通りに冷やしたからです。

                           

                          <2015年の実質賃金を100として指数化した実質賃金指数の推移>

                          (出典:厚労省のホームページの毎月勤労統計の資料の数値を引用)

                           

                           

                           なぜ消費増税をすると実質賃金が下がるか?といえば、消費税というのは消費に対する罰則課税です。消費増税後、従来よりももっと消費を増やそうとする人は、普通にいません。消費を増やそうと思うためには、毎月もらえる給料が増える場合しか、消費を増やそうとする人はいません。

                           

                           GDP3面等価の原則では、給料は役員報酬などと同じ、分配面のGDPですが、分配=生産=消費であるため、消費が減ることで、分配即ち所得が減るということになります。

                           

                           上記のグラフは、過去2回の消費増税できっちりと実質賃金が減少しているということが一目でわかるグラフ化と思います。

                           

                           足元の経済ではGDPデフレーターもよくありません。下記はGDPデフレーター(前期比)の推移ですが、プラスになっても0.5あたり、期によってはマイナスになるなど、ゼロ近辺を行ったり来たりしている状況です。

                           

                          <GDPデフレーターの推移>

                          (出典:内閣府のホームページ)

                           

                           GDPデフレーターは、物価目標の2%のターゲットで使うことも可能な指標です。ところが、GDPデフレーターで、1%を超えたのは、1997年4月の消費増税5%後の1997年4月〜6月期で1.1、2018年10月〜12月期のリーマンショックで1.3、2014年4月消費増税8%後の2014年4月〜6月期で2.0、の3回です。

                           

                           なぜこの3回、GDPデフレーターが1.0を超えたのでしょうか?

                           

                           それはGDPデフレーターの算出方法に起因します。GDPデフレーターは、下記式で算出されます。

                           

                           GDPデフレーター=名目GDP÷実質GDP

                           

                           消費増税をすることで、強制的に名目GDPが引き上げる一方で、物を買う数を減らしたりサービスを受ける回数を減らすということで実質GDPは下がります。名目GDPが下がるのは、物が売れなくて値下げをしたときに下がりますが、それは消費増税後、物が売れなくて、製品価格・サービス料金を値下げせざるを得なくなって値下げをするからです。

                           

                           消費増税した瞬間は、GDPデフレーターは大きくプラスになるものの、その直後、物価は上昇しないというのは、上述のような算出式に起因するのです。

                           

                           先ほども申し上げた通り、消費増税以降に多くの製品・サービスを値段を高くかつ数多く買おうとする人は普通いません。インフレで物価の上昇以上に実質賃金が増えている状況下では、高い値段でも数多く買われることはあり得ます。日本はバブル崩壊を経験しており、バブル崩壊後に消費増税5%という愚策から、ずっと緊縮を続け、ついには消費増税8%、消費増税10%、さらには東日本大震災で復興税などという名目で増税ばかりやってきました。

                           

                           そのため値下げしないと売れない環境であることから、生産額減少=消費額減少=分配額減少となって、実質賃金が低下を続けたのです。

                           

                           どう考えても、今日からの消費増税10%は、そうしたトレンドをさらに加速化させるとしかいいようがないのではないでしょうか。

                           

                           

                           というわけで今日は「消費増税10%で日本経済は地獄へ!」と題して論説しました。

                           

                           

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                             日本は緊縮財政大好きな国ですが、緊縮財政大好き大国は間違いなく、日本とドイツです。次にフランスといいたいところですが、フランスのマクロン大統領は、緊縮財政から大きく転換し、大減税する政策を実施することになりました。

                             日本のマスコミは、財務省と記者クラブを通じています。そのため、緊縮財政は絶対に正しく、政府の負債を増やすことは、財務省設置法第3条の「健全な財政」とそぐわないなどの理由で緊縮を推進する財務省の意向に沿った記事を書くことしかできません。

                             財務省といえば省庁の中の省庁で超エリートの集団が集まる省庁なわけですが、そんなエリート中のエリートと呼ばれる財務省の人々は、なぜ正しい経済、正しい経済政策を理解できないのか?をお話ししたく、「エリートと呼ばれる人が正しい経済・MMT理論を理解できない理由」と題して下記の順で、論説します。

                             

                            1.センメルヴェイス・イグナーツの「手洗いの重要性」を理解できなかった医師たち

                            2.ウィーン総合病院の医師たちと同様に「日本は財政破綻する」と思っている財務省職員、経済学者

                            3.MMT理論の到来が、財務省職員、経済学者らの過去の言説のウソを暴く

                             

                             

                             

                            1.センメルヴェイス・イグナーツの「手洗いの重要性」を理解できなかった医師たち

                             

                             表題のセンメルヴェイス・イグナーツとは人物の名前で、センメルヴェイス氏はドイツ人の医師です。センメルヴェイスは、「手洗いの重要性」を説いた有名な人物なのですが、「手洗いの重要性」を理解できなかった他の医師によって、精神病院に入院させられ、不名誉な状態のままひっそりと亡くなりました。

                             

                             時は19世紀、ドイツのウィーン総合病院の第一産科で、出産した母親の約20%が死亡していました。出産した母親が出産直後に熱を出して、そのまま死んでしまうという奇妙な病気が流行していたのでした。ところが同じウィーン総合病院の第二産科では、分娩時の死亡率は2%程度と、第一産科の10分の1の確率でした。

                             

                             この頃、実は妊婦は自宅出産を選ぶことが多かったようで、理由は死亡率が低く、はるかに安全だったからです。

                             

                             第一産科と第二産科でなぜこうも差が付くのか?医師のセンメルヴェイスが原因を究明したところ、第一産科では医師の手が汚染されているのでは?という仮説に達しました。なぜならば当時は、午前中に赤ちゃんを取り上げた医師が、午後に別の赤ちゃんを取り上げていたのですが、その行為が不潔で、その不潔な行為により妊婦や赤ちゃんが死亡しているのでは?とセンメルヴェイスは推察したのです。

                             

                             センメルヴェイスは、細菌の知見は持っていないものの、不潔さが死亡する原因であると判断しました。そこで医師たちに手の洗浄を求めると、同僚の医師は鼻で嗤い、センメルヴェイスの説を否定しました。

                             

                             センメルヴェイスの説に共感した医師もいて、彼らは自分たちの手を消毒するようにしました。すると、第一産科の分娩時死亡率が、第二産科と同じ2%にまで下がりました。

                             

                             「そうか!センメルヴェイスの手洗いの重要性は正しかったんだね!」となれば、ハピーエンドですが、歴史はそうなっていません。むしろ医師たちはセンメルヴェイスを病院から追放しました。

                             

                             なぜ追放されたか?

                             

                             その理由は、センメルヴェイスの手洗いの重要性を認めてしまえば、自分たちが不潔な手で妊婦を触っていたことが死につながってしまったということを認めることができなかったからです。

                             

                             当時はお産とは死亡率が高い危険なものと認識され、「母親が死亡するのは医師の責任ではなく仕方がないことなのだ!」という概念でした。本当は不潔な手でお産をしていたことで多くの母親の命が奪われた事実があるにもかかわらず・・・です。

                             

                             その後、ルイ・パスルーツというフランス人の細菌学者が「細菌」の存在を発見し、汚染された医師たちの手から、母親に菌が写り、それが原因で産褥熱(さんじょくねつ)という恐ろしい病気を引き起こしていたということで、センメルヴェイスの主張が正しかったということがわかりました。

                             


                            2.ウィーン総合病院の医師たちと同様に「日本は財政破綻する」と思っている財務省職員、経済学者

                             

                             センメルヴェイス・イグナーツの医師が正しいことを主張していたのも関わらず、センメルヴェイス・イグナーツを鼻で嗤って追放したという話は、今の日本の経済政策と全く同じ状況です。

                             

                             我が国のトップ、エリート中のエリートらは、緊縮財政こそが正しいと信じ込み、継続しています。

                             

                             その緊縮財政のせいで、砂防ダムが作られず、防波堤防潮堤が作られず、豪雨や台風で川が決壊して大勢の人が亡くなってしまったというのは、皆様もご承知でしょう。

                             

                             しかしながら、財務省職員、経済学者らは、それを認めることは絶対にできないでしょう。センメルヴェイスの主張に反対していた同僚の医師たちと同様に、「自分のせいで人が死んだ」というように認めたくないからです。

                             

                             よくある日本を亡ぼすウソは下記のようなものがあります。

                            ●少子高齢化で先細りとなって日本は経済成長できない

                            ●民間企業の頑張りが足らないから経済成長できていない

                            ●財政破綻の危機があるから積極財政ができない

                             

                             これらのウソは、財務省職員、経済学者らが、自分たちのせいで災害時に日本国民を守れなくなっているということに対する責任を追及されることがイヤだからに他なりません。

                             

                             

                             

                            3.MMT理論の到来が、財務省職員、経済学者らの過去の言説のウソを暴く

                             

                             財務省職員や経済学者ら、米国のニューヨーク州立大学のステファニー・ケルトン教授がMMT理論を発表することで、大変不都合な状況に置かれています。なぜならばMMT理論は、ケインズ経済学を源流とした理論で、単に貨幣の仕組みなどの事実を説明するものであって、付け入るスキがほとんどありません。

                             

                             そのため、財務省職員や経済学者は「自分たちがこれまで主張してきたことの正しさ」を守りたいため、MMTをこき下ろそうとしています。これは財務省職員や経済学者のみならず、多くの政治家、自民党か野党を問わずです。

                             

                             MMTをこき下ろそうとする主な言説としては下記のようなものがあります。

                            ●MMTは社会主義なので国が亡びる

                            ●MMTは無制限に借金を膨らませてよいというとんでもない理論

                            ●MMTは正しいかもしれないが現実的にインフレ率をコントロールすること不可能

                            などなど。

                             

                             これらの反論すべてに共通することは、決して中身について厳密な議論ないという点です。

                             

                             それもそのはずで、中身を議論した瞬間に、今まで主張してきた経済理論・経済政策よりもMMTが正しいことは一目瞭然だからです。

                             

                             そのため、「印象操作」や「極論」でMMTを非難し、自分たちが過去間違っていたというボロを必死で隠そう取り繕っているのです。

                             

                             もしこのまま、こうしたエリートらによってMMT理論がつぶされてしまったらどうなるでしょうか?

                             

                             「失われた20年」を引き起こした緊縮財政が、今後も何十年も続いていることになるのは当然の帰結になるといえるでしょう。

                             

                             センメルヴェイスを追放した同僚医師と同様に、自分たちの過ちを重ね続け、日本国民に多大な被害を与え続けることになることは避けられません。

                             

                             「財政破綻の危機があるから」という間違った認識の下で、

                            ●自然災害大国なのにインフラが整備されない

                            ●隣国のウイグルやチベットで生きた人間を政治犯で収容して臓器を摘出している中国共産党がいるのに、最低限の国防すら整えることができない

                            ●賃金が安いという理由で外国人をどんどん受け入れ、日本が日本人のための国ではなくなってしまう

                            ●命を救うための医療や、介護費すら削減される

                            ●科学技術や研究費も削減し、日本が発展途上国化していく

                            などなど、こうした事態が今よりも平成時代よりも深刻化していくことになるでしょう。

                             

                             日本は少子高齢化で経済成長できないとか、経済成長できないからグローバルで輸出で稼ぐべきとか、外国人労働者を受け入れるべきとか、公共事業は無駄だからやめろ!などとする言説が、日本国民を殺しているのです。こうした言説を吐く人は人殺しと同じだということを私たちは認識すべきなのではないでしょうか?

                             

                             

                             というわけで今日は「エリートと呼ばれる人が正しい経済・MMT理論を理解できない理由」と題して論説しました。

                             デフレを放置して緊縮財政を継続した場合、発展途上国化は必須です。そうなってしまえば、私たちの子どもや孫の世代はどうなってしまうでしょうか?

                             我が国の先祖や先人が命がけで今の私たちに引き継いでくれた豊かで美しかった日本で生きて生活することができるのでしょうか?私には”できる”と思えません。

                             先人が引き継いでくれた日本の文化・伝統を守るためにも、MMT理論を世に広め、正しい政策へ一刻も早く転換していただきたいと私は思います。

                             

                             

                            〜関連記事(税金やお金や財政破綻について)〜

                            3種類の負債

                            政府の税収が安定している必要は全くありません!

                            税金の役割とは何なのか?

                            2018年度の税制改正の主要テーマに取り上げられた所得税の改革について

                            「所得税を減税しないと富裕層が逃げていく!」は本当か?

                            お金の本質を理解していた江戸時代の勘定奉行”荻原重秀”

                            モンゴル帝国のフビライ・ハンの時代にインフレーションが発生したのはなぜか?

                            ジンバブエのハイパーインフレについて

                            ”政府は借金し放題”という”現代金融理論”について

                            親日家の投資家ジム・ロジャーズ氏が指摘する日本の財政破綻に反論する!

                            ”国債増刷+財政出動で税金を増せる”という言説は無責任なのか?

                            国債は何兆円まで発行できるのか?(管理通貨制度について学ぼう!)

                            ミクロ経済学の「予算制約式」について(「政府の負債は税金で返済しなければならない」のウソ)

                            憲法改正で財政規律条項を入れる動きに反対!

                            日銀が保有する国債は、地球が崩壊して滅亡するまで放置でOK!

                             

                             

                            〜関連記事(MMT理論・銀行のビジネスモデルについて)〜

                            ”MMT理論よ!お願いだから、引っ込んでくれ!”と恐れる構造改革論者と緊縮財政論者

                            政府支出を拡大すればインフレ率が抑制できなくなるという言説に対する反論

                            公共事業などの政府支出は銀行預金で借りているわけではありません!

                            反論になっていない財務省の”増税不要論”への反論

                            MMT理論の批判論に対する反論!

                            ゼロからお金を生み出すことができるのが銀行です!

                            借入金の否定=資本主義の否定(信用創造機能とは何か?)

                            日本には財政問題は存在せず、金融緩和だけでは景気が良くなるわけがありません!

                            国債は何兆円まで発行できるのか?(管理通貨制度について学ぼう!)

                            ”政府は借金し放題”という”現代金融理論”について

                            グリーン・ニューディール政策と現代金融理論


                            政府の税収が安定している必要は全くありません!

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                              JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                              JUGEMテーマ:経済成長

                               

                               今日は「政府の税収が安定している必要は全くありません!」と題して論説します。

                               

                               よく税収の議論をするときに、”消費税は安定的に税収が確保できる”という言説があります。これは正しいか?間違っているか?といえば正しいです。

                               

                               消費税にはスタビライザー機能がないからです。

                               

                               スタビライザー(stabilizer)とは安定装置です。法人税を高くすることや所得税の累進課税を強化することはスタビライザー機能を有効にします。

                               

                               具体的には、景気が良くなれば、企業から法人税を多く徴収し、高額所得者からは所得税を多く徴収します。結果、景気の過熱が抑制されます。他方で景気が悪くなれば、法人税を取れなくなり、所得税も多く徴収できなくなります。

                               

                               逆に消費税は、景気に左右されず、景気が過熱しても消費税は増えませんし、逆に不景気でも消費税は減りません。

                               

                               そういう意味で安定財源と表現することは正しいです。

                               

                               所得税の累進課税を緩和し、消費税率を引き上げるとなれば、どうなるか?

                               

                               高額所得者にとっては消費税率が8%であろうと、10%であろうと関係ありません。値段をいちいち気にして買い物かごに入れるということはないのです。

                               

                               しかしながら消費性向が高い低所得者層にとって、消費税は可処分所得を奪い取る行為です。

                               

                               日本は過去から一貫して、高額所得者層を利する法人税減税と、低所得者層を苦しめる消費増税を同時に進めてきました。下記は、1990年と2018年とで一般会計の歳入の内訳を比較したグラフです。

                               

                              <1990年と2018年の一般会計・歳入の内訳の比較>

                               

                               

                               上記のグラフを見れば一目瞭然ですが、高額所得者層を利する法人税減税と、低所得者層を苦しめる消費増税を同時に進めた結果、消費税が13.1%増えて、所得税と法人税は同率の▲6.1%減少となり、消費税が歳入に占める割合は、4.6%→17.7%にまでシェアが拡大しました。

                               

                               法人税減税と消費税増税の組み合わせは、国民から株式に投資できる高額所得者層への所得移転ともいえます。なぜならば、法人税を引き下げ、企業の純利益が拡大すれば、配当金や自社株買いの資金が捻出できるようになるため、高額所得者層の金融所得までもが増えるからです。

                               

                               法人税収が減った分、「税金は幅広く、平等に負担する」という美辞麗句のもと、国民に負担が押し付けられているというのが、今の日本の実態です。

                               

                               デフレの国における消費増税は、物価が強制的に引き上げられる一方で給料が上がらないため、実質賃金が思いっきり下がります。

                               

                               デフレで貧困化しているところに消費増税となれば、さらに貧困化していくということになるでしょう。

                               

                               そもそも税収が安定している必要はあるのでしょうか?

                               

                               税収が安定している方がいいに決まっているという考えは、国家の財政運営を家計簿や企業経営と重ねている考えを持っていることの証左です。

                               

                               確かに家計では、収入が不安定に高くなったり低くなったりするよりも、安定していた方が生活しやすいに決まっています。企業経営もまた固定給など固定的に支払うものがあるわけで、売上が安定していた方がいいに決まっています。

                               

                               しかしながら国家(=政府)は、税収が不安定になろうとも安定しようと関係なく、税収が安定している必要がありません。なぜならば経世済民(世を経め、民を済う)が政府の存在目的だからです。

                               

                               税収が不安定になって、国家の財政が赤字になったとしても、国家の財政の赤字=国民(家計・企業)の黒字です。

                               

                               10兆円の財政出動をしたとして、8兆円徴税すれば2兆円が国民の資産になりますし、2兆円しか徴税しなければ8兆円が国民の資産になります。仮にも10兆円財政出動して10兆円徴税すれば、国民の資産はゼロです。

                               

                               また、政府は貯めたお金で国家公務員の給料を払っているわけでありません。公共事業についても、徴税した税金で賄っているのではありません。

                               

                               政府が公共事業をするときは、国債を担保に入れて、日銀当座預金を借り入れ、日銀当座預金を担保に政府小切手を発行して業者に支払いします。その業者が政府小切手を銀行に持ち込んで初めて預金が生み出され、企業の資産となります。

                               

                               何がいいたいかと言えば、徴収した税金を貯め込んでそれを公共事業に使っているわけではないということ、これに尽きます。

                               

                               まさに国家の財政では、ミクロ経済学でいう予算制約がないのです。国家の財政を企業経営や家計と同様に考えるからこそ、税収は安定しているべきであるとする言説が生み出されるのでしょう。

                               

                               誠に愚かなことと私は思います。

                               

                               

                               

                               というわけで今日は「政府の税収が安定している必要は全くありません!」と題して論説しました。

                               

                               

                              〜関連記事(税金やお金や財政破綻について)〜

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                              お金の本質を理解していた江戸時代の勘定奉行”荻原重秀”

                              モンゴル帝国のフビライ・ハンの時代にインフレーションが発生したのはなぜか?

                              ジンバブエのハイパーインフレについて

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                              親日家の投資家ジム・ロジャーズ氏が指摘する日本の財政破綻に反論する!

                              ”国債増刷+財政出動で税金を増せる”という言説は無責任なのか?

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                              〜関連記事(MMT理論・銀行のビジネスモデルについて)〜

                              ”MMT理論よ!お願いだから、引っ込んでくれ!”と恐れる構造改革論者と緊縮財政論者

                              政府支出を拡大すればインフレ率が抑制できなくなるという言説に対する反論

                              公共事業などの政府支出は銀行預金で借りているわけではありません!

                              反論になっていない財務省の”増税不要論”への反論

                              MMT理論の批判論に対する反論!

                              ゼロからお金を生み出すことができるのが銀行です!

                              借入金の否定=資本主義の否定(信用創造機能とは何か?)

                              日本には財政問題は存在せず、金融緩和だけでは景気が良くなるわけがありません!

                              国債は何兆円まで発行できるのか?(管理通貨制度について学ぼう!)

                              ”政府は借金し放題”という”現代金融理論”について

                              グリーン・ニューディール政策と現代金融理論


                              日本の企業が内部留保を積み上がることへの対策について

                              0

                                JUGEMテーマ:経済成長

                                JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                                 

                                 今日は「日本の企業が内部留保を積み上がることへの対策について」と題して論説します。

                                 

                                 企業の内部留保が積み上がる理由とは、デフレが長く続いているからに他なりません。デフレとは、貨幣現象ではなく、物価変動現象です。

                                 

                                 モノ・サービスが多く買われていれば、物価は上昇しますし、モノ・サービスが少なく買われている状況であれば物価は下落します。そうしたデフレ状況下では、企業は内部留保を積み上げるというのは、経済合理性があります。

                                 

                                 なぜならばモノ・サービスが少なく買われている状況下では、価格を下げないと売れないからです。

                                 

                                 価格を下げないと売れないということで、値下げをしてモノ・サービスを売ったとすれば、売上高の伸びが抑制されることは当然の帰結です。

                                 

                                 皆さんもご存知の元大阪市長の橋下徹氏は、BS-TBSの「報道1930」という番組の中で、法人税を引き下げる一方で、内部留保のストック部分について課税すべきであると主張されています。その理由は、法人税を引き下げなければ、もしくは法人税を引き上げたら、企業が海外に逃げていくからとしています。

                                 

                                 橋下徹氏は、内部留保が積み上がることに対して何とかしなければならないという声があるものの、グローバル社会では、法人税を引き上げることはできず、法人税を高くしてしまえば、企業が海外に逃げていくと主張しています。

                                 

                                 経済産業省が海外進出する企業に対して、なぜ海外に進出しているのか?アンケートを取っています。下記は2008年〜2017年度にかけての投資する理由に上げられた上位4項目における時系列比較のグラフです。

                                 

                                <投資項目上位4項目の時系列比較>

                                (出典:経済産業省のホームページ)

                                 

                                 なんと、税制の優遇が受けられるからというのは、上位4項目に入っていません。多くの理由は旺盛な需要が見込まれるからというのが大半なのです。

                                 

                                 20年以上も続くデフレ状況に対して、政府は、いつまで経っても財政出動せず、それどころか無駄削減と称して政府支出を削減してきたため、消費は冷え込んだままです。

                                 

                                 消費が冷え込む=需要が冷え込む なので、生産も冷え込まざるええず、投資に対するリターンが見込めない以上、投資したくても投資できません。

                                 

                                 私あ、多くの日本企業の経営者に、敢えて問いたい!

                                 

                                 日本企業が求めているのは、税制の優遇なのでしょうか?

                                 

                                 税制優遇よりも、この日本という国でちゃんと商売ができる環境こそ、本来求められるべきことではないでしょうか?

                                 

                                 ちゃんと商売が出る環境というのは、マイルドなインフレが持続的に続き、実質賃金が持続的に上昇を続けている環境であると私は考えます。

                                 

                                 マイルドなインフレであれば、銀行からお金を借り入れて商売しても儲かりますし、自己資本で商売しても同様に儲かります。自己資本を投資しても金額が足らず、まだ儲かるという状況であれば追加資金は銀行借り入れで行うという経営判断もあるでしょう。そうした方が、財務レバレッジが効いて、ROE(自己資本利益率)も上昇します。

                                 

                                 資本主義というのは、上述のように本来銀行借り入れをして投資することで経済成長するというモデルです。

                                 

                                 なので、そのような環境を作ることこそが政府の役割であるといえます。

                                 

                                 にもかかわらず政府はデフレを放置してきました。デフレを放置すれば、企業は内部留保を積み上げざるを得ません。なぜならば儲からないからです。

                                 

                                 そうやって合法的に貯め込んだ内部留保に対して課税をするというのは、私有財産の侵害に該当し、憲法違反ともいえます。橋下徹氏が主張する内部留保への課税に対して、私は反対の立場です。

                                 

                                 むしろ政府が成長戦略を打ち出して、政府自身が率先垂範して投資し、それをきっかけに民間企業に投資を誘発する形で内部留保を取り崩させるというのが、本来やるべきことではないでしょうか?

                                 

                                 投資の財源はどうすべきか?それは集めた税金でやるという必要がありません。MMT理論で主張されている通り、スペンディング・ファーストの考えで、支出先行で何ら問題がなく、躊躇なく国債を発行して財政出動すればいいだけの簡単な話です。

                                 

                                 財政赤字が拡大すれば、民間の貯蓄が増えます。例えば20兆円政府が国債を発行して、20兆円全額財政出動をすれば、政府にとっては借入金ですが、民間にとっては資産になります。

                                 

                                 だから国債を増刷して何ら問題がなく、デフレであるがゆえにふんだんに国債を増刷して財政出動をすればよいのです。

                                 

                                 確かに高インフレ率は、財政出動の制約とする考えもありますが、高インフレ率になったら、財政出動のペースを落としたり、事業計画を遅らせたり、直接税の累進課税を強化したり、場合によっては消費増税も選択肢の一つとしてあり得ます。

                                 

                                 とにかくデフレを脱却することが大事なのに、デフレ脱却していないまま消費増税をするというのですから、この国は終わっているとしかいいようがありません。ありもしない財政問題。カネカネカネというのは、個人でやってくれればいい。国家政府は破綻しないにもかかわらず、多くの国民が「日本は財政破綻する!」と騙され、不勉強な国会議員が生み出されて、いつまでもデフレ脱却できずにいるというのが、今の日本です。

                                 

                                 内部留保が積み上がる問題も、結局はデフレ脱却を果たせば、自然と内部留保を取り崩し、投資にお金が向かうことでしょう。

                                 

                                 そうやって投資にお金が向かえば、投資として支出したお金が、消費=生産=所得となって、経済成長して税収増にも貢献するのです。

                                 

                                 

                                 というわけで今日は「日本の企業が内部留保を積み上がることへの対策について」と題して論説しました。

                                 

                                 

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                                ”財政規律が無くなると悪性インフレを引き起こす恐れがある”のウソ

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                                   今日は「国債の市中消化の原則」を取り上げ、「”財政規律が無くなると悪性インフレを引き起こす恐れがある”のウソ」と題して論説します。

                                   

                                   よくある言説、そしてMMT理論を批判する言説として、次のようなものがあります。

                                  ●”いくら財源が無限にあるからといって財政赤字を拡大させるとハイパーインフレになってしまう”

                                  ●”政府が財政出動に関与すると(国民の人気どり?)財政の規律が緩んで悪性インフレになる”

                                  ●”財政の規律が緩むと国債の金利が急騰する”

                                  などなど、上述の言説は一見すると、もっともらしく聞こえます。

                                   

                                   この言説を発しているのは、ニュース番組の司会者、アナリスト、エコノミスト、自民党を含めた多くの国会議員(例えば石破茂、橋下徹など)らが言説を発している一方で、自民党の中でも安藤裕衆議院議員(京都府選出)、西田昌司参議院議員(京都府選出)、山本太郎前参議院議員ら3人が、上述言説は間違っていると明言しています。

                                   

                                   言説として目立たないものの、与野党問わず多くの国会議員は、財政規律問題とか財政問題とか、存在しない財政問題を課題とし、このままだと日本は財政破綻すると思っていることでしょう。

                                   

                                   また、日銀のホームページによれば、国債は市中で消化させるということで、日本銀行による国債の引き受け自体は、財政法第5条によって禁じられている旨が記載されています。

                                   

                                  財政法第5条

                                  「すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない。但し、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りでない。」

                                   

                                   このように財政法第5条では、日銀が国債を直接引き受けることを原則禁止としています。

                                   

                                   この理由について、日銀のホームページでは以下の回答をしています。

                                   

                                   おしえてにちぎん

                                   日本銀行における国債の引き受けは、財政法第5条により、原則として禁止されています。(これを「国債の市中消化の原則」と言います。)

                                   これは、中央銀行がいったん国債の引き受けによって政府への資金供与を始めると、その国の政府の財政節度を失わせ、ひいては中央銀行通貨の増発に歯止めがかからなくなり、悪性のインフレーションを引き起こす恐れがあるからです。そうなるとその国の通貨や経済運営そのものに対する国内外からの信頼も失われてしまいます。これは長い歴史から得られた貴重な経験であり、わが国だけでなく先進各国で中央銀行による国債引受けが制度的に禁止されているのもこのためです。

                                   ただし、日本銀行では、金融調整の結果として保有している国債のうち、償還期限が到来したものについては、財政法第5条但し書きの規定に基づいて、国会の決議を経た金額の範囲内に限って、国による借換えに応じています。こうした国による借換えのための国債の引受けは、予め年度ごとに政策委員会の決定を経て行っています。

                                   

                                   

                                   ここで国債を発行することで預金が生み出される仕組みについて、改めて2つのケーススタディをご紹介します。

                                   

                                   

                                  <ケーススタディ1:日銀が政府から新規発行国債を直接引き受ける場合>

                                   財政法第5条で禁止されている日銀による新規発行国債を直接引き受けた場合のオペレーションは下記 銑イ箸覆蠅泙后

                                  ‘銀が国債を購入し、政府の日銀当座預金に振り込む(日銀の政府に治する信用創造)

                                  ∪府は公共事業の発注にあたり、政府小切手で企業に支払う

                                  4覿箸麓莪銀行に政府小切手を持ち込み、代金の取り立てを依頼する

                                  ざ箙圓論府小切手相当額を企業の口座に記帳(預金が新たに創造される=民間貯蓄の増加)し、日銀に代金の取り立てを依頼する

                                  ダ府保有の日銀当座預金が銀行の日銀当座預金勘定に振り替えられる(銀行の当座預金が増える=国債金利の低下

                                   

                                   上記の通り、財政赤字は同額の民間貯蓄(預金)を増やし、国債金利を低下させます。また日銀が購入する際、通貨発行権があるため、資金調達の問題は発生せず、いくらでも国債を購入できます。

                                   

                                   

                                  <ケーススタディ2:銀行が新規発行国債を購入する場合(市中消化の原則)>

                                   日銀が述べている「市中消化の原則」にしたがって銀行が新規発行国債を購入する場合のオペレーションは下記 銑イ箸覆蠅泙后

                                  ゞ箙圓国債を購入すると、銀行が保有する日銀当座預金(※)は、政府の日銀当座預金に振り替えられる

                                  ※日銀当座預金は日銀が銀行へ供与する資産勘定科目であって通常の当座預金ではない。国民の預金は銀行にとっては負債勘定科目である。

                                  ∪府は公共事業の発注にあたり、政府小切手で企業に支払う

                                  4覿箸麓莪銀行に政府小切手を持ち込み、代金の取り立てを依頼する

                                  ざ箙圓論府小切手相当額を企業の口座に記帳(預金が新たに創造される=民間貯蓄の増加)し、日銀に代金の取り立てを依頼する

                                  ダ府保有の日銀当座預金が銀行の日銀当座預金勘定に振り替えられる(日銀当座預金が銀行に戻ってくる=国債金利は上昇しない

                                   

                                   上記の通り、財政赤字は同額の民間貯蓄(預金)を増やし、国債金利は上昇しません。銀行は、戻ってきた日銀当座預金で再び国債を購入します。なぜならば日銀当座預金にお金を置いたままにしておいても、金利はゼロだからです。デフレでお金を借りたい人がいない以上、国債を買わざるを得ません。そして、この 銑イ魯院璽好好織妊1と同様に資金調達の問題は発生せず、永続し得ます。

                                   

                                   上記ケーススタディ1、2をご覧いただいてお分かりの通り、財政法第5条で禁止されている日銀による国債の直接引き受けにせよ、市中消化にせよ、打ち出の小槌のようにお金を生み出して、政府は財政出動することができるというのが結論です。しかもハイパーインフレどころか、金融緩和だけでは日銀当座預金が増えるだけですので、ハイパーインフレにすらなりませんし、財政出動しただけではインフレになるわけがありません。インフレデフレは物価変動現象ですので、日銀当座預金を担保に財政出動したときに初めてモノ・サービスが買われて物価下落に歯止めをかけ、物価を上昇に転じさせることが可能です。

                                   

                                   この財政出動したお金で、

                                  ●首都直下型地震に対する備え

                                  ●南海トラフ地震に対する備え

                                  ●火山噴火に対する備え

                                  ●台風による洪水に対する河川の堤防の強化

                                  ●津波高潮に対する防波堤・防潮堤の整備

                                  ●酷暑で熱中症患者を増やさないための公的建物への冷房設置

                                  ●生産性向上のための高速鉄道網の整備

                                  ●生産性向上のための高速道路網の整備

                                  ●生産性向上のための科学技術投資

                                  ●生産性向上のための港湾整備

                                  ●科学技術振興につながる宇宙開発投資

                                  ●高い生産性を維持するための老朽化したインフラの補強・強化

                                  ●仮想敵国中国に対する防衛の整備

                                  ●食料自給率100%超を目指すための農産物への補助金

                                  ●医療の先進治療を受診しやすくするための公的医療保険の拡充

                                  ●介護サービス向上のための公的介護保険の拡充

                                  などなど、日本人の賃金UP、雇用創出に加え、日本の安全保障が強化されて、国力が強靭化につながる支出をすれば、日本国民は豊かになることができます。

                                   

                                   真に制約があるとすれば、上記のメニューを一気に1年間で100兆円かけてやるとなれば、供給力が追い付かないという意味で制約があります。MMT理論の反論があるとすれば供給力の指摘は仰る通りです。(実際は供給力云々という反論ではなく、国際社会に対する信認とか、意味不明な抽象的な反論しかありません。)

                                   

                                   とはいえ、1年間で100兆円ではなく、10年間で150兆円かけてやるなどと、年間平均15兆円程度で、財政出動するならば、あっという間にデフレ脱却を果たし、マイルドなインフレ2%〜3%に到達することでしょう。

                                   

                                   仮にもマイルドなインフレではなく、インフレ率が7%とか8%とかになったら、10年計画を15年計画にして年間15兆円→10兆円に政府支出額を減額すればいいだけの話。それでもインフレ率が7%とか8%だったら、消費増税することもありです。

                                   

                                   上記のメニューのために使ったお金で発生した財政赤字は、供給力の向上という国力強化につながります。その一方でデフレ化で緊縮財政をやり続け、結果的に法人税や所得税が減少して財政赤字となった場合、賃金UPにもならず、雇用創出にもならず、供給力は強化されるどころか、儲からないということで自主廃業やM&Aが増加して国力弱体化になります。

                                   

                                   そういう意味でデフレ化で緊縮財政を続けるというのは、日本の国力弱体化を続けるということであり、日本を破壊する行為であるといえます。

                                   

                                   もっともらしい言説「”財政規律が無くなると悪性インフレを引き起こす恐れがある”のウソ」によって、緊縮財政が継続されるならば、この言説を吐く輩は、日本の国益を真剣に考えていない輩であると同時に、「ウソ・デタラメをいうな!」と言わざるを得ないのです。

                                   

                                   

                                   というわけで今日は「”財政規律が無くなると悪性インフレを引き起こす恐れがある”のウソ」と題して論説しました。

                                   

                                   

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                                  日銀が保有する国債は、地球が崩壊して滅亡するまで放置でOK!

                                  財政法第4条について(公共事業の費用は国債発行して何ら問題なし!)

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                                  消費税は消費に対する罰則課税です!

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                                    JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                                     

                                     今日は「消費税は消費に対する罰則課税です!」と題して論説します。

                                     

                                     下記は東京新聞の記事です。

                                    『東京新聞 2019/06/09 消費増税、反対60% 全国世論調査 景気対策も反対61%

                                     安倍政権が十月に予定する消費税増税に反対する人が60%に上ることが、本社加盟の日本世論調査会が一、二日に実施した全国面接世論調査で分かった。負担増や景気への悪影響に懸念が根強い。キャッシュレス決済へのポイント還元など、景気の腰折れを防ぐための経済対策にも61%が反対し、十分な理解を得られていない実態が浮き彫りになった。

                                     米中貿易摩擦などで世界経済の減速懸念が強まっている。景気の現状を悪化傾向とみる人は57%に上り、改善は39%にとどまった。改善が51%で悪化が44%だった昨年六月の調査から逆転した。

                                     増税反対の理由は、低所得者の負担が重くなる逆進性の問題を挙げる人が最多の33%で、税金の負担増が大変だと考える人と、景気への悪影響を懸念する人がいずれも23%で続いた。賛成する人では、年金や医療、子育て支援など社会保障の充実に必要との理由が40%と最も多かった。

                                     クレジットカードなどキャッシュレス決済の利用者を優遇するなどの景気対策は、年齢層が上がるほど反対が増え、高年層(六十代以上)では70%に達した。現金志向が強い高齢世代にはメリットだと捉えられていない。軽減税率導入は反対が49%、賛成が48%で拮抗(きっこう)した。

                                     景気を悪化傾向とみる理由を聞くと、給料やボーナスなど収入が増えていないとしたのが28%で、消費の伸び悩みを挙げる人も18%いた。景気を良くなっていると判断する人では「雇用情勢が改善している」との理由が最多だった。

                                     安倍政権の経済政策「アベノミクス」には「期待しない」「あまり期待しない」との回答が計50%で、「ある程度」を含めて期待するとした48%をわずかに上回った。

                                     米グーグルなど巨大IT企業に対する規制強化の是非は「どちらともいえない」と判断を留保する人が45%に上った。賛成は39%だった。』

                                     

                                     上記の東京新聞の記事は、日本世論調査会が実施した世論調査によれば、消費増税に反対する人が60%に上ることが分かったとのニュースです。政府はキャッシュレス決済へのポイント還元など、景気の腰折れを防ぐための経済対策を講じようとしていますが、その経済対策に対しても61%が反対していて、十分な理解を得られていないと報じています。

                                     

                                     過去の世論調査で、消費増税の賛否について、2年ほど前は、反対割合は5割越えになったことはないものと、私は記憶しています。おそらく、先のことなのでよくわからないということで、最近になってあと4ヶ月、あと3か月と、2019年10月に近づいてきたため、反対が増えてきたというところでしょう。

                                     

                                     増税の反対理由として、逆進性の問題を上げたり、景気への悪影響を懸念するという理由がありますが、反対理由の人の中でも気付いていないと思われることは、そもそも消費増税の目的が財政健全化のためであるということです。

                                     

                                     そして、大変残念なことに、消費増税をやれば却って財政健全化は遠のきます。私は消費増税に反対の立場で論説することが多いのですが、最大の理由は財政が悪化するという点です。

                                     

                                     景気の悪影響という理由は、まさに財政が悪化するということに他なりません。なぜならば、消費税は消費に対する罰則課税です。

                                     

                                     例えば炭素税が増税されたとして、ある企業が「よっしゃぁー!炭素税がUPしたから今後はどんどん二酸化炭素を排出するぞぉー!」なんて企業はありません。

                                     

                                     またたばこ税が増税されたとして、喫煙者が「よっしゃぁー!たばこ税がUPしたから今後もっとたばこを吸うぞぉー!」という人はいません。

                                     

                                     同じように消費税が増税されたとして「よっしゃぁー!消費税がUPしたから私は今後もっと消費を増やすぞぉー!」とか、「よっしゃぁー!消費税がUPしたから我が社は今後もっとたくさん設備投資や経費を増やすぞぉー!」とはなりません。

                                     

                                     そもそも、GDP3面等価の原則で、消費(支出)=生産=所得(分配)です。日本のGDPに占める割合が6割も占める個人消費が必ず減ります。消費を抑制する=生産を抑制する=所得を抑制する となります。

                                     

                                     ところが景気が絶好調の時であれば別です。よくヨーロッパ諸国の消費税率が20%台であることを引き合いに出し、日本も20%台にするべきという言説がありますが、ヨーロッパ諸国はケチケチのドイツですら、公共事業は1996年比で30%増で、米国でさえトランプ大統領登場前で2.3倍に増やしています。日本は公共事業を削減しまくっているわけで、欧州は物価が上昇しているのと比べて、日本は物価が下落もしくは横ばいで、少なくとも欧州のように上昇はしていません。

                                     

                                     景気が好調だった1980年代後半は、景気が良すぎてプライマリーバランスが黒字化していたときがありました。消費税が0%→3%、即ち消費税が初めて日本で導入されたのは1989年4月ですが、この頃はバブルでした。1985年〜1992年の間、日本はプライマリーバランス黒字だったのです。

                                     

                                    <プライマリーバランスの推移(1980年〜2017年)>

                                    (出典:政府財政統計より数値を引用)

                                     

                                     上記のグラフの通り、バブル期1985年〜バブル崩壊時1992年は、プライマリーバランスは黒字でした。1989年に消費税を導入したときは、財政黒字だったので、むしろ消費税の導入は景気の過熱を抑制するという点で考えれば、正しい政策だったと私は思います。

                                     

                                     しかしながらバブル崩壊後に1997年に消費税率3%→5%のときは、既に財政が赤字になっており、バブル崩壊後で景気が悪かったところに、消費増税をしたため、プライマリーバランスの赤字幅が拡大しました。

                                     

                                     2008年にはリーマンショックが発生し、このときは世界で誰も物を買わなくなったため、景気が悪くなり、プライマリーバランスの赤字額が拡大しています。

                                     

                                     2014年4月の消費増税5%→8%では、プライマリーバランス赤字額の悪化というのは見られませんが、景気の指標を示す数値でいえば、直近の実質GDPは△2.2%とはいえ、大きな輸入の減少がなかりせば、マイナスに沈んでいます。GDPデフレーターもゼロ近辺を推移しており、景気が良いとはいえません。

                                     

                                     消費税を上げるべきというのは、景気が良くて、景気の過熱を抑制するためというならば、政策として選択し得ます。1989年のバブル真っただ中であり、3%の増税がそれほど問題も起こさなかったのです。

                                     

                                     消費税が消費に対する罰則課税であることを考えれば、例えばGDPが△10%が2年〜3年続いたら、さすがに景気が良すぎるということで、景気の過熱を抑制するため、消費税を20%とかもあり得るかもしれません。この場合、20%がいいのか?10%なのか?5%なのか?議論の余地はあります。

                                     

                                     とはいえ、今は景気が悪いので、消費増税をやれば、デフレがさらに深刻化し、資金を借りる需要がさらに減って銀行の決算悪化が進行するでしょうし、消費が落ち込んで、GDPやコアコアCPIやGDPデフレータなどの指標も間違いなく悪化するでしょう。

                                     

                                     何しろ消費税は消費に対する罰則課税であり、消費=生産=所得 なので生産に対する罰則ともいえますし、所得も減るという話になります。

                                     

                                     

                                     というわけで今日は「消費税は消費に対する罰則課税です!」と題して論説しました。

                                     自民党の女性議員で片山さつきという議員がいますが、彼女は財務省出身の国会議員です。かつて朝まで生TVだったか?何かの討論番組で、1997年の消費増税5%で経済が悪化したことについて、アジア通貨危機があったからであって消費増税は景気悪化とは関係がないというような発言をしていた記憶があります。

                                     もしかすると、消費税を上げたい輩からすれば、米中貿易戦争やブレグジットなどを、消費増税10%による景気悪化の理由とすり替えるかもしれません。というより世界の経済情勢ですり替えることが可能と考えれば、今こそ消費増税10%のチャンスと考える財務官僚や国会議員らがいるのでは?という疑義を持ちます。

                                     しかしながらそうした外的要因以前に、消費税は消費に対する罰則課税であり、GDP3面等価の原則で、消費減少=生産減少=所得減少となるということを、まず私たちは理解する必要があるものと考えます。

                                     その上で、さらに外的要因でリーマンショックのようなことが発生すれば、消費増税による影響に加算されてさらに景気が悪くなることを理解し、増税派らの景気悪化のすり替えを許さないようにするべきであると、私は思うのです。

                                     

                                     

                                     

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                                       今日は「金融庁の”一人当たり老後資金2000万円必要”との報告書について」と題して論説します。

                                       

                                       まずは日本経済新聞の記事を紹介します。

                                      『日本経済新聞 2019/06/03 21:02 人生100年時代、2000万円が不足 金融庁が報告書     

                                       金融庁は3日、人生100年時代を見据えた資産形成を促す報告書をまとめた。長寿化によって会社を定年退職した後の人生が延びるため、95歳まで生きるには夫婦で約2千万円の金融資産の取り崩しが必要になるとの試算を示した。公的年金制度に頼った生活設計だけでは資金不足に陥る可能性に触れ、長期・分散型の資産運用の重要性を強調した。

                                       金融審議会で報告書をまとめ、高齢社会の資産形成や管理、それに対応した金融サービスのあり方などを盛り込んだ。

                                       平均的な収入・支出の状況から年代ごとの金融資産の変化を推計。男性が65歳以上、女性が60歳以上の夫婦では、年金収入に頼った生活設計だと毎月約5万円の赤字が出るとはじいた。これから20年生きると1300万円、30年だと2千万円が不足するとした。

                                       長寿化が進む日本では現在60歳の人の25%は95歳まで生きるとの推計もある。報告書では現役時代から長期積立型で国内外の商品に分散投資することを推奨。定年を迎えたら退職金も有効活用して老後の人生に備えるよう求めた。

                                       

                                       上記の記事は、日本経済新聞のみならず、国内紙だけでなくロイター通信なども報じているため、目にした人も多かったと思います。そもそも「2000万円貯めろ!」といわれても、「そんなの無理だ!」「年金制度はどうなる?」と思われた方、多いと思います。金融業界の関係者の声としては、証券業界は貯蓄から投資への大きなチャンスと考え、銀行業界も窓販を通じてNISA・iDeCoで投資信託の拡販のチャンスなどのコメントが紹介されています。

                                       

                                       私は、この前の土日、金融審議会の市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理(令和元年6月3日)」という56ページの資料を読ませていただきました。

                                       

                                       所感をいえば、「今後日本が、経済成長しないことが前提になっている」ということです。さらに「公的年金の受給に加えて、就労継続、支出の削減、資産形成・運用が必要」として、NISA・iDeCoの活用を進めており、金融機関の金融商品販売が促進されるような煽り方・言説が顕著です。

                                       

                                       もし、30歳の方が、60歳までの30年間、初期投資0円で、毎月積み立てで2000万円を年率1.0%で運用できたとして、どのくらい貯金をしなければならないか?というと、48,000円です。全く運用しない場合は、56,000円となります。

                                       

                                      <年率1.0%で運用できたと仮定した場合の60歳まで2000万円貯めるための毎月の積立額のシミュレーション>

                                       

                                      <年率0.0%で全く運用しないと仮定した場合の60歳まで2000万円貯めるための毎月の積立額のシミュレーション>

                                      (出典:新生銀行)

                                       

                                       

                                       いかがでしょうか?運用利回りが1%違うだけで、月々の拠出額が1万円以上変わります。そしてこれは何を意味するでしょうか?

                                       

                                       端的にいえば、毎月の給料から48,000円〜56,000円、年間では57.6万円〜67.2万円は、消費として使ってはいけないということになります。

                                       

                                       ではGDPや税収との関係を見るとどうなるか?というと、GDPと税収の関係は下記のとおりです。

                                       

                                       名目GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出(※)

                                       ※純輸出=輸出−輸入

                                       税収=名目GDP×税率×税収弾性値

                                       

                                       皆さんが稼ぐ給料から毎月資産形成のため、30歳の人の場合は、年間57.6万円〜67.2万円は、貯金や投資信託を買うために消費をしてはいけないということになります。

                                       

                                       これは、ものすごいデフレ圧力となり、デフレ促進策です。なぜならば将来2000万必要だから貯金や投資をして資産形成しなさいという、この資産形成に要した金額は、GDP3面等価の原則でいう「消費」「生産」「所得」に該当しません。即ち資産形成に要したお金は、誰かの消費でもなければ、誰かの生産でもなければ、誰かの所得にもならないため、税収増加にも貢献しません。

                                       

                                       年金だけでなく医療費・介護費といった社会保険は、経済成長が前提となっており、それはGDPの成長を意味します。GDPの成長は人口減少と関係ありません。たとえ人口が減少しようとも、政府支出を増やして防波堤・防潮堤、高速道路・高速鉄道、老朽化したインフラ整備、火山噴火予知、北朝鮮や中国に対抗する防衛整備、国際リニアコライダーなど科学技術分野への投資、酷暑に備えたエアコン設置などなどなどなど・・・。リスクが高すぎ、もしくは儲かりにくいために民間企業では投資がしにくいものの需要がある投資分野はたくさんあります。そうしたリスク高すぎて民間企業が手を出せない、もしくは儲かりにくくて民間企業が投資しにくい、だけど需要は高いというものが、災害大国日本だからこそ、たくさんあります。そしてそうした分野は利益追求が不要な政府しか投資できません。

                                       

                                       その政府が支出するお金はどこから調達すればいいのか?政府は銀行からお金を借りる必要はなく、政府が国債を発行して日銀当座預金を調達して、その日銀当座預金を担保に政府小切手で支払えば済む話です。国債を発行して政府小切手で民間企業に支払い、民間企業が政府小切手を銀行に持ち込んでからやっと、預金が生み出されます。

                                       

                                       国民から集めた税金でなければ支出ができない、もしくは国民から税金を集めてからでなければ支出ができない、といった考えこそ誤りであり、資本主義とは誰かが負債を増やさない限り経済成長もできなければ、預金を生み出すこともできないのです。

                                       

                                       仮にも57.6万円〜67.2万円を全額投資信託や国内株式・外国株式を買ったとしても、GDPにカウントされるのは、証券会社に支払う手数料に加え、投資信託の場合は、投資信託委託会社や信託銀行に手数料がかかるのですが微々たるもので、高いものでも購入時に3%、毎年払う手数料でせいぜい1.5%とか、そのくらいです。

                                       

                                       購入時の販売手数料は、これまたデフレ圧力で銀行窓販ですと3%とかかかるものがある一方、ネット証券ではノーロード投信などといって販売手数料ゼロ円の投資信託もあります。

                                       

                                       年間でかかる手数料は信託報酬と呼ばれるものがあり、これは販売会社と投資信託委託会社と資産を保全管理する信託銀行に払うものですが、これも高いもので1.5%程度です。

                                       

                                       何がいいたいかと言えば、トヨタ自動車のカローラを200万円買った場合と、投資信託を200万円買った場合とでは、GDP二カウントされる金額ははるかに違うということです。

                                       

                                       カローラを200万円買った場合、200万円が全額が個人消費の支出となり、支出200万=生産200万=所得200万です。一方で投資信託を200万円買った場合は、手数料が4%だったとして、支出8万円=生産8万円=所得8万円となります。

                                       

                                       以上はGDP3面等価の原則でいう消費というものについて、モノを買った場合と金融商品を買った場合で比較しました。

                                       

                                       もう1つ別の角度から、日本国民全員が2000万円銀行預金を増やすという場合、日本の人口が1億3000万人とすれば実に2000万円×1億3000万人=2600兆円の預金が新たに創出されなければなりません。

                                       

                                       昨日、銀行預金はどうやって生み出されるか?という記事を書いた通り、誰かが負債を2600兆円の増やさなければ、2600兆円の預金は創出されません。

                                       

                                       2600兆円ものお金を、誰が借りてくれるのでしょうか?銀行預金は誰かが借りてくれなければ生み出されないのです。

                                       

                                       また銀行預金は、借入返済することで消滅してしまいます。

                                       

                                       そのため、借金=悪と考えて、個人が住宅ローンを繰り上げ返済し、企業は自己資本比率を引き上げて財務の健全性を高めるなどといって銀行借入を返済してしまうと、銀行預金は減少します。さらに政府までもが1000兆円の借金は将来世代にツケを残すといって、消費増税や所得税・法人税を引き上げてその税収で返済してしまった場合、やはり銀行預金は消滅してしまうのです。

                                       

                                       デフレで個人も企業もお金を借りようとしない状況で、むしろ借金返済を推進する状況でかつ政府までもが緊縮財政で借金をせず、むしろ消費増税で借金を返済しようとしているとするならば、これはもう最初から2600兆円の預金は創出されず、2000万円貯金をすることは不可能ということになります。

                                       

                                       では、どうすればいいのか?といえば、経済成長しかありません。経済成長こそ、年金制度を維持し、医療・介護保険制度を維持し、いや維持するどころかより多く利益が受けられるバージョンアップを図ることですら可能にします。

                                       

                                       しかしながら、銀行預金は誰かが負債を増やさない限り生み出されない以上、家計や企業はお金を借りるのは難しいため、代わりに政府が2600兆円の政府小切手を発行して公共事業をやらなければならないということになります。

                                       

                                       ところが、金融審議会の市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理(令和元年6月3日)」には、日本が経済成長するというシナリオが全くなく、財政出動すべきと指摘するどころか、むしろ緊縮財政を継続することが前提となっています。

                                       

                                       緊縮財政の継続が前提となっている時点で、この報告書で指摘している国民2000万円の預金が必要というのは、全く矛盾しているということに金融庁の職員は気付いていない。この時点で、この報告書は読むに値しないものと私は思います。

                                       

                                       

                                       というわけで今日は「金融庁の”一人当たり老後資金2000万円必要”との報告書について」と題して論説しました。

                                       このような報告書に踊らされて、将来不安を掻き立て、毎月消費を減らして貯金・投資を増やさなければ・・・と煽られ、むしろデフレを促進しているということに気付かないことこそ、今の日本が深い病に犯されているということの証左です。

                                       このままでは日本は中国とGDPで10倍くらい差が付き、そうなったら軍事費は20倍もの差が付くことになります。私たちの将来の子どもやお孫さんが、中国の属国となるような日本を引き渡してはいけない。そのためには緊縮財政を辞めさせなければならない!と改めて強く思うのです。

                                       

                                       

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                                         今日は「反論になっていない財務省の”増税不要論”への反論」と題して論説します。

                                         

                                         まずは共同通信の記事をご紹介します。

                                        『共同通信 2019/04/17 19:01 財務省「増税不要」に反論 13年ぶり地方公聴会を5月に

                                         財務省は17日、国有財産の売却や積極的な財政出動といった増税に頼らない手法で政府債務の解消を目指す、いわゆる「増税不要論」への反論をまとめた。10月からの消費税増税に向け、インターネット上などで盛んに活動している増税反対派に対抗した。増税の理解を得るため13年ぶりとなる地方公聴会を5月に開く。

                                         財務相の諮問機関「財政制度等審議会」の分科会に同日、財務省が提出した資料によると、道路やダムといった国の財産の多くは売却が難しく、政府の借金返済には充てにくい。

                                         積極的な財政出動でインフレを起こし国の借金を帳消しにする「シムズ理論」は、「現実的ではない」と断じた。

                                         

                                         

                                         上記共同通信の記事について下記1〜4の順で論説します。

                                         

                                        1.シムズ理論とは?

                                        2.財務省が誤解していることとは?

                                        3.MMT理論とその批判論について

                                        4.MMT批判論に対する反論

                                         

                                         

                                         

                                        1.シムズ理論とは?

                                         

                                         上記は「シムズ理論」への批判という書き方になっていますが、実際はMMT理論(モダンマネタリーセオリー)への批判とすり替えていると思われます。MMT理論の破壊力がすさまじく、MMT理論をシムズ理論にすり替えて批判していると私は考えます。

                                         

                                         シムズ理論は、2011年にノーベル経済学賞を受賞したクリストファー・シムズ氏による理論で、記事では、積極財政をすることでインフレを引き起こし、実質的な借金の価値が減るという趣旨で取り上げられています。

                                         

                                         しかしながらシムズ理論は、通貨発行権を持つ日本政府と、中央銀行である日本銀行を、統合政府ととらえる点は、事実であって優れた考え方です。なぜならば、日本政府と日本銀行と統合政府として考えますと、実質的に返済しなければならない政府の負債(日本国民への返済)は減少していることになるからです。

                                         

                                         日本銀行はJASDAQに上場しており、55%の株式を日本政府が保有します。そのため、日本銀行の親会社は日本政府ということになり、日本政府にとって日銀は連結子会社となります。連結子会社の日銀が、親会社の日本政府が発行した国債を買い取るとなれば、その債務は帳消しになります。

                                         

                                         これはある会社において本店と支店の取引があった場合、連結損益計算書作成時に相殺したり、CMS(キャッシュマネージメントシステム)で、子会社が親会社からお金を借りるという取引があった場合、連結貸借対照表作成時に相殺するということと、全く同じです。

                                         

                                         

                                         

                                        2.財務省が誤解していることとは?

                                         

                                          すり替え論と思われるのは、 先述の共同通信の記事にある「道路やダムの売却が難しく、政府の負債の返済に充当できない」という言説も同様です。政府の借金=政府の負債(Government Debt)は、政府が借り入れているものであって、日本国民が銀行預金や生命保険・損害保険・社会保険料などを通じて日本政府に貸し付けているものであって、国民一人当たり800万円の貸付金が生じているのです。

                                         

                                         そもそも財務省は次の点を誤解しています。

                                        ●政府の目的は財政健全化でもなければ緊縮財政推進でもない

                                        ●財政健全化の定義は「政府の負債を減らすこと」ではなく、政府の負債対GDP比率を引き下げること

                                         

                                         財務省設置法第3条には「健全な財政の確保」というのが明文化されていますが、消費増税で実質賃金が下落して貧困化が進み、生活が苦しくなって自殺者が増えるということがあっても、明文化されている「健全な財政の確保」がゆえに増税や緊縮財政(公共事業削減など)を推進するとするならば、これは「個人の尊重、生命・自由・幸福追求の権利の尊重」と明文化している憲法13条と齟齬が生ずるものと私は思います。

                                         

                                         そして財政健全化の定義は「政府の負債を減らすこと」ではなく、政府の負債対GDP比率を引き下げることです。もし日本政府が「今日以降、日本政府の財政と日本銀行を統合して扱います!」と宣言してしまえば、それだけで財政健全化が達成されたことになり、デフレ脱却に向けた財政拡大の障害は普通になくなります。

                                         

                                         ところがそうなると困る人たち、即ち財務省やマスコミなどこれまで財政破綻を煽ってきた人々らにとって不都合なことが生じます。不都合なこととは何か?といえば、消費増税はやる必要がなく、公共事業を削減するといった緊縮財政も、間違っていたということになります。要は「今まで主張してきたことは間違っていました!ゴメンナサイ!」ということになり、自分たちの立場・メンツが丸つぶれになるのです。

                                         

                                         同じようにMMT理論についても、彼らにとっては自分たちの存在を揺るがしかねないヤバイ理論であるため、猛烈なMMT理論批判をしています。

                                         

                                         

                                         

                                        3.MMT理論とその批判論について

                                         

                                         そのMMT理論は、ニューヨーク州立大学のステファニー・ケルトン教授が提唱している理論で、本ブログでも最近取り上げている話題の一つです。MMT理論の要点は、端的に下記の3つです。

                                        ー国通貨建ての債務について、ミクロ経済学でいう予算制約は受けない

                                        ∩瓦討旅餡箸蓮∪源困伴要について実物的な限界という制約を受けることはあり得る

                                        政府の赤字は民間の黒字である

                                         

                                         にもかかわらず財務省は上記 銑に対する反論と関係のない反論をしています。具体的には2019/04/17に財務省はMMT理論への批判について、24ページにもわたる資料として関係者に配布しています。

                                         

                                         その中で、MMT理論への批判の言説をたくさん取り上げています。一部を抜粋して原文を皆様にご紹介します。

                                         

                                        ■2019年3月15日 黒田日銀総裁会見

                                        MMTというのは、最近米国でいろいろ議論されているということは承知していますが、必ずしも整合的に体系化された理論ではなくて、いろいろな学者がそれに類した主張をされているということだと思います。そのうえで、それらの方が言っておられる基本的な考え方というのは、自国通貨建て政府債務はデフォルトしないため、財政政策は、財政赤字や債務残高などを考慮せずに、景気安定化に専念すべきだ、ということのようです。

                                         

                                        ■ポール・クルーグマン ニューヨーク州立大学、経済学者 2019年2月12日 ニューヨークタイムスへの寄稿

                                        債務については、経済の持続可能な成長率が利子率より高いか低いかに多くを左右されるだろう。もし、これまでや現在のように成長率が利子率より高いのであれば大きな問題にならないが、金利が成長率より高くなれば債務が雪だるま式に増える可能性がある債務は富全体を超えて無限に大きくなることはできず、残高が増えるほど、人々は高い利子を要求するだろう。つまり、ある時点において、債務の増加を食い止めるために十分大きなプライマリー黒字の達成を強いられるのである。

                                         

                                        ■ジェローム・パウエル FRB議長 2019年2月26日 議会証言

                                        自国通貨で借りられる国にとっては、赤字は問題にならないという考えは全く間違っている(just wrong)と思う。米国の債務は国内総生産(GDP)比でかなり高い水準にある。もっと需要なのは、債務がGDPよりも速いペースで増加している点だ。本当にかなり速いペースだ。歳出削減と歳入拡大が必要となるだろう。

                                         

                                        ■ローレンス・サマーズ 元財務相長官 2019年3月4日 ワシントンポストへの寄稿

                                        MMTには重層的な誤りがある(fallacious at multiple levels)。まず、政府は通貨発行により赤字をゼロコストで調達できるとしているが、実際は政府は利子を払っている。全体の貨幣流通量は多いが、政府によってコントロールできるものではない。第2に、償還期限が来た債務を全て貨幣創造し、デフォルトを免れることができるというのは間違っている。幾つもの途上国が経験してきたようにそうした手法はハイパーインフレを引き起こす。インフレ税を通じた歳入増には限界があり、それを超えるとハイパーインフレが発生する。第3に、MMT論者は閉鎖経済を元に論じることが典型的だが、MMTは為替レートの崩壊を招くだろう。これはインフレ率の上昇、長期金利の上昇、リスクプレミアム、資本逃避、実質賃金の低下を招くだろう。・・・保守にとってもリベラルにとっても、そんなフリーランチは存在しない。

                                         

                                        ■ウォーレン・バフェット バークシャー・ハサウェイCEO 2019年3月15日 ブルームバーグインタビュー

                                        MMTを支持する気にはまったくなれない(I'm not a fan of MMT − not at all)。赤字支出はインフレ急上昇につながりかねず、危険な領域に踏み込む必要もなく、そうした領域がどこにあるのか正確にはわからない。(We don't need to get into danger zones, and we don't know precisely where they are.)

                                         

                                        ■ジャネット・イエレン(前FRB議長) 2019年3月25日 クレディ・スイス主催アジア投資家会議

                                        現代金融理論(MMT)は支持しない(not a fan of MMT)。この提唱者は何がインフレを引き起こすのか混乱している(confused)それ(MMT)は超インフレを招くものであり、非常に誤った理論(very wrong-minded theory)だ

                                         

                                        ■クリスティーヌ・ラガルド(IMF専務理事) 2019年4月11日 記者会見

                                        MMTが本物の万能薬だとわれわれは思っていない。MMTが機能するようなケースは極めて限定的である。現時点でMMTが持続的にプラスの価値をもたらす状況の国があるとは想定されない。(理論の)数式は魅惑的だが、重大な注意事項がある。金利が上がり始めれば(借金が膨張して)罠にはまる。

                                         

                                         

                                         よくもまあこれだけの批判言説をまとめたものです。ある意味で財務省連中の執念を感じます。自分たちのメンツがつぶれて、今まで言ってきたことが間違っていたと恐れるならば、人はここまでできるものなのか?と思います。何しろ上記は1/4程度を抜粋したものなのです。

                                         

                                         

                                         

                                        4.MMT批判論に対する反論

                                         

                                         これらの言説に対して反対論を申し上げます。

                                         

                                         国債の「新規」発行は、金利高騰をもたらしません。むしろ下げます。例えば1億円の国債の新規発行&政府支出したとしても、下記の事象をもたらしますが、銀行当座預金は変わらないため、金利高騰はありません。

                                         

                                        「銀行の1億円国債購入」=「日銀当座預金1億円縮小」

                                        「政府支出を受注した業者の1億円小切手の銀行での換金」=「日銀当座預金1億円増加」

                                         

                                         そして市場においては1億円の資金供給を意味します。その資金が市中の国債マーケットに流入すれば、むしろ金利は下がることになります。つまり金利は「インフレ/経済成長」によって、資金需要が拡大して初めて上昇するのです。

                                         

                                         また「インフレ率に歯止めがかからない・・・」に対しては、例えばインフレ率2%以上4%以下に抑える下記のような具体的な政策が存在します。

                                         

                                        (1)上限規律(インフレ率を4%以下に抑える)の具体的な対策

                                        ●金融政策における金融引き締め(公定歩合引き上げ、法定準備預金利率引上げ、国債売りオペレーションによる公開市場操作)

                                        ●財政支出の長期投資計画を立てておき、期間中インフレ率が4%を超えてしまったならば、終了年次を先延ばしにして投資速度を落とし、単年度の支出を削減(ただし、インフレ率が2%を下回れば再び加速させる)

                                        ●所得税、法人税の「累進性」を高く設定

                                        ●インフレ率が安定的に一定水準を超えれば、自動的に消費税を増税し、中長期的にインフレ率を下落させる(ただし、インフレ率が2%を下回れば、消費税の減税をする)

                                         

                                        (2)下限規律(インフレ率を2%以上にする)の具体的な対策

                                        ●米国でやっているような雇用保障プログラム

                                        →日本は生産年齢人口の減少で失業率が低いので、むしろ「賃上げ」のための対策の方が、現時点では効果があると思われる。

                                        ●実質賃金を下げる消費税の減税、最低でもインフレ率が安定的に一定水準(例えば2%)を超えるまで「増税凍結」

                                        ●長期家投資計画を立て、インフレ率が2%を超えるまで迅速投資し(投資速度を上げ)、単年度の支出を拡大させる

                                        ●法人税の投資減税・賃上げ減税(&外形標準課税減税)

                                        ●所得税、法人税の「累進性」を高く設定(低所得者減税)

                                        ●金融政策については、もちろん「緩和」で現状の通り

                                         

                                         上記の具体的な政策が普通に存在しますし、政策施行にあたって制約はありません。このようにMMT理論は「金利」の真実である、国債の「新規」発行が金利高騰をもたらさず、むしろ下げるという事実が盲点になっていると私は思います。

                                         

                                         

                                         というわけで今日は「反論になっていない財務省の”増税不要論”への反論」と題して論説しました。

                                         日本は「インフレ」「金利高騰」を恐れるあまり、デフレを放置しすぎました。確かに過剰なインフレや金利高騰は回避すべきであるという言説は、その通りです。

                                         しかしながら、だからといってこれ以上デフレを放置することが正しいか?といえば、いいはずがありません。デフレ放置によって、貧困と格差が広がり、国力が衰退し、揚げ句には中央政府も地方政府も財政が悪化してしまったからです。

                                         金利とインフレ率と資金供給量の現実的関係を見据えるMMT理論は、過剰なインフレとデフレと戦わなければならないことをのみならず、「金利高騰リスク」の大半が杞憂に過ぎないことも教えてくれています。

                                         今こそ、勇気をもって「インフレ率2%の安定的実現」に向けた積極財政を展開していただきたいと毎度ながら私は思います。

                                         

                                         

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                                          JUGEMテーマ:経済成長

                                           

                                           今日は、5/20に内閣府から発表されたGDP速報値について取り上げ、「中身がボロボロの2019年1月〜3月のGDP1次速報の数値」と題して論説します。

                                           

                                           下記は日本経済新聞の記事です。

                                          『日本経済新聞 2019/05/20 1〜3月GDP、年率2.1%増 個人消費は0.1%減     

                                           内閣府が20日発表した1〜3月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除く実質で前期比0.5%増、年率換算では2.1%増だった。2四半期連続のプラス成長となった。10〜12月期は年率換算で1.6%増だった。住宅投資や公共投資の増加がプラス成長に寄与した。QUICKが集計した民間予測の中央値は前期比0.1%減で、年率では0.3%減だった。

                                           生活実感に近い名目GDPは前期比0.8%増、年率では3.3%増だった。名目でも2四半期連続のプラスになった。

                                           実質GDPの内訳は、内需が0.1%分のプラス、外需の寄与度は0.4%分のプラスだった。

                                           項目別にみると、住宅投資は1.1%増で、3四半期連続でプラスだった。持ち家を中心に持ち直しの傾向がみられた。公共投資は1.5%のプラスだった。』

                                           

                                           

                                           上記の通り、内閣府が発表した1〜3月GDPの1次速報値は、実質で前期比0.5%増(年率換算2.1%増)、名目は0.8%増(年率3.3%増)となりました。記事では住宅投資と公共投資の増加がプラス成長に寄与したと報じられています。

                                           

                                           この件について、内閣府のホームページに掲載のCSVファイルを掲載し、実際に中身を見ていきたいと思います。

                                           下記は実質GDP・名目GDPの季節調整系列の実額です。(数字が小さくてゴメンナサイ。)

                                           

                                          <実質GDP・名目GDPの季節調整系列の実額(字が小さくてゴメンナサイ)>

                                          (出典:内閣府のホームページに掲載のCSVファイルから引用)

                                           

                                           このブログサービスの画面の構成の関係で、大きすぎる図は横にはみ出してしまうため、数字が小さくなってしまうことをご容赦ください。

                                           

                                           字が小さくなっている部分(図の赤く丸した部分)を改めて大きく取り上げます。

                                           

                                          <実質GDPの10-12と1-3の数値実額>

                                          民間設備投資:87.7兆円→87.4兆円(▲3,000億円)

                                          在庫投資:1.8兆円→2.5兆円(△7,000億円)

                                          公的固定資本形成:24.6兆円→25.0兆円(△4,000億円)

                                          輸出:93.2兆円→90.9兆円(▲2兆3,000億円)

                                          輸入:96.8兆円→92.3兆円(▲4兆5,000億円)

                                           

                                          <名目GDPの10-12と1-3の数値実額>

                                          民間設備投資:90.6兆円→89.6兆円(▲1兆円)

                                          在庫投資:1.9兆円→2.5兆円(△6,000億円)

                                          公的固定資本形成:26.6兆円→27.1兆円(△5,000億円)

                                          輸出:101.1兆円→97.6兆円(▲3兆5,000億円)

                                          輸入:102.9兆円→94.7兆円(▲8兆2,000億円)

                                           

                                           

                                           日本経済新聞の記事では指摘がされていない点がありまして、合わせて見ていただきたく思います。実質GDPと名目GDPの違いについては、関連記事をお読みいただきたく。簡単にいえば実質GDPは直接計算できません。名目GDPを統計算出し、定点観測している物価指数を表すGDPデフレーターを増減して実質GDPを算出します。

                                           イメージ的には、実質GDPは、商品製品の個数・サービスの回数、名目GDPは、商品製品の値段・サービスの値段ととらえていただければと思います。

                                           

                                           そしてGDPと税収の関係は下記の通り。

                                           

                                           GDP=個人消費+設備投資+政府支出+純輸出

                                           純輸出=輸出−輸入

                                           税収=名目GDP×税収弾性値×税率

                                           

                                           

                                           話を戻しまして実質GDP数値の内容でいえば、輸出と輸入が大きく落ち込んでいることが分かります。輸出の大きな落ち込みは、米中貿易戦争や世界的なデフレでスロートレード(貿易量の減少)によって落ち込んでいると思われますが、一番の要因は米中貿易戦争による影響が大きいと考えられます。

                                           輸入の落ち込みは、日本がデフレで海外のモノを買うことができるほど、国内消費が旺盛ではないということで、その証拠に個人消費と設備投資はマイナスです。

                                           在庫投資については見方が微妙で、増えたら増えたで投資が増えたとみる一方、在庫が売れずに積み上げてしまったと考えることもできるため、ポジティブにもネガティブにも捉えられます。

                                           公的資本形成とは、公共事業を指します。2018年度に2次補正予算で2.7兆円の予算を付けた影響で増えていると思われます。

                                           

                                           こうしてみますと、数字的にインパクトが大きいのは”輸入の減少”です。実質GDPで▲4兆5,000億円、名目GDPで▲8兆2,000億円となり、今回のGDP寄与で最も大きく影響した項目です。

                                           

                                           GDPをカウントするとき、上記式の通り輸入は控除(マイナス)されます。何が言いたいかといえば、輸入のマイナス、即ち実質GDP4兆5,000億円、名目GDP8兆2,000億円が前期比同水準レベルで推移してプラスマイナスゼロだった場合、GDPは下記の通りとなります。

                                           

                                          実質GDP:▲1.3%(実質実額で、534.8兆円→537.6兆円 ⇒ 534.8兆円→533.1兆円 ▲1.7兆円)

                                          名目GDP:▲2.7%(名目実額で、549.4兆円→554.0兆円 ⇒ 549.4兆円→545.8兆円 ▲3.6兆円)

                                           

                                           もしも輸入の減少がなかりせば、1-3のGDPは大きなマイナスだったというのが日本経済の第1四半期の統括です。

                                           いかがでしょうか?GDPがプラスになったといっても、全然喜べる数字ではないということがご理解いただけるのではないでしょうか?

                                           

                                           日本経済新聞の記事には個人消費もマイナスと報じていますが、日本は国力が強い内需国であって、個人消費はGDP530兆円のうち300兆円(約6割弱)を占めます。普通、内需が冷え込むと購買力が下がるため、輸入は減少する傾向にあるのですが、米中貿易戦争などの要因があるとしても、輸入の大きなマイナスについて注目している新聞記事は、私が見る限りありませんでした。

                                           

                                           

                                           というわけで今日は「中身がボロボロの2019年1月〜3月のGDP1次速報の数値」と題して、2019年1月〜3月のGDP1次速報値について論説しました。

                                           この状況で、消費増税をするなど、鼻で笑うほどあり得ない状況であることを改めて申し上げたいと私は思うのです。

                                           

                                           

                                          〜関連記事〜

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                                             今日は「消費増税10%実施は、日本発のリーマンショック級危機か!」と題して論説します。

                                             

                                             安倍政権の側近の萩生田光一氏が消費増税延期をコメントし、4/23には週刊ポストで「消費増税5%への減税が必要!」という言説が出てきたりして、消費増税について雰囲気がガラリと変わった感があります。

                                             

                                             昨年の暮れ12月末の時点では、消費増税をするのかしないのか?5分5分くらいのイメージでしたが、4分6分くらいになったような気がします。

                                             安倍首相の本音は、消費増税10%をやりたくないということだと思われます。何しろアベノミクスがうまくいっていないのは、2014年10月の消費増税8%が原因であるということが、事実でもあると同時に安倍首相も「消費増税8%に引き上げても、消費はV字回復するから大丈夫!」という言説に騙されたと思っている可能性は多分にあります。

                                             

                                             米国ではトランプ大統領の経済政策がうまくいっており、実質賃金の上昇率は年率3.2%、失業率は3.8%と過去50年で最低水準にまで下がっています。

                                             ところが日本は消費増税8%によって、デフレ促進となりました。デフレ脱却を標榜して誕生した第2次安倍政権ですが、明らかにアベノミクスは失敗しています。

                                             以前にもお見せしたグラフですが、2015年の実質賃金の▲0.8%という数値を100として指数化した折れ線グラフです。

                                             

                                            <2015年を100として、1990年〜2018年の期間における実質賃金指数の推移>

                                            (出典:厚労省のホームページの毎月勤労統計の資料の数値を引用)

                                             

                                             オレンジ色の折れ線グラフが示す通り、2014年4月に消費増税8%を施行以降、実質賃金指数は、リーマンショック時ですら回復していないのです。

                                             米国のトランプ政権の経済運営が好調なのとは対照的に、日本は消費増税8%に加え、緊縮財政によって経済成長できず、国民の貧困化が進んでいるともいえます。

                                             日本の失業率は米国の3.8%よりも低いという指摘もありますが、それは単に少子高齢化が進んでいて生産年齢人口の減少という環境に起因するものであり、残念ながらアベノミクスとはほとんど関係ありません。むしろアベノミクスでは雇用の質が悪い非正規社員の雇用が増えているというのが実態です。

                                             

                                             こうして明らかに消費増税8%は失敗だったという言説が溢れ始め、ついには消費増税延期どころか消費減税5%という言説も登場するなど、状況はガラリと変わりました。

                                             

                                             もちろん緊縮財政を推進する財務省を中心としたマスコミは、幼児教育無償化の財源として消費増税10%は避けられないなど、火消しに躍起です。メディアリテラシーが高い人であれば、最近の日本のマスコミ報道で、消費減税の言説をチョロチョロと紹介しながらも、「消費増税10%は決まった!」とか既成事実化しようとする記事も多く見受けられることに、お気付きかと思います。

                                             

                                             そんな中、昨日次のような記事がありましたのでご紹介します。

                                             

                                            『ロイター通信 2019/05/16 19:58 インタビュー:消費増税凍結必要、実施なら日本発リーマン級危機も=本田氏

                                             [東京 16日 ロイター] - 前スイス大使で安倍晋三首相の経済アドバイザーとして知られる本田悦朗氏(TMI総合法律事務所顧問)は16日、ロイターとのインタビューの中で、10月に予定されている消費税率引き上げを実施すれば、デフレ脱却が難しくなるだけでなく、日本発のリーマン・ショック級の危機誘発になりかねず、「増税凍結」が適切と述べた。

                                             また、消費増税を前提とした教育無償化などの財源は、赤字国債発行で充当し、日銀の量的金融緩和で対応すれば、財政・金融の両輪がそろって回り、「一石二鳥」の効果が期待できると主張した。

                                            <無償化財源は「人材育成国債」発行で>

                                             本田氏は、大規模な金融緩和と財政出動を重視するリフレ派の代表的な論客。2012年末の第2次安倍政権発足以降、3党合意に基づいた消費税率の引き上げに一貫して反対してきていた。

                                             特に2014年4月の消費税率5%から8%への引き上げは、「予想以上に長期間にわたり深刻な悪影響を与えた」とみる。

                                             今年10月に予定通り増税すると、「実質賃金と期待インフレ率が大きく下落し、予想実質金利上昇、デフレに戻ってしまうリスクがある」と懸念。期待インフレ率の低下を招き、実質金利の高止まりから円高リスクを増大させることにもなりかねないと危機感を示した。

                                             政府は、リーマン・ショック級の事態が起きない限り、予定通り増税するとの見解を繰り返しているが、「むしろ消費増税により日本発でリーマン・ショック級の事態が起きる可能性を懸念すべきだ」と述べた。

                                             また「単なる増税延期では、いつか増税すると人々は考えるため、消費を手控えてしまうので、増税は凍結すべき」との考えだ。

                                            消費増税による増収分は、教育無償化など社会保障の安定財源に充てられることが決まっている。このため政界や市場関係者には、増税延期は難しいとの見方が少なくない。

                                             こうした見解に対し、本田氏は「増税凍結を受けた(消費増などによる)税収増で充て、それでも足りない財源は赤字国債で補えばよい」と提案。「『赤字国債』という名称のイメージが悪ければ『人材育成国債』などではどうだろう」と指摘。国債発行額が増発されれば、日銀が買い入れることの可能な国債の量も増えるため「量的緩和に効果があり、一石二鳥」と主張し、財政と金融が連動して政策効果を上げる利点に注目するべきだとした。

                                             今の時点での増税凍結は、軽減税率やポイント還元に対応した企業などから反発を招くとの見方もあるが、「今回の増税は税率が10、8、6、5、3%と5種類もの多岐にわたり複雑すぎる上、9カ月の時限措置では恒久増税のショックを和らげる効果も疑問。まだ対応できていない小売店も多く、(増税凍結は)大きな問題にはならないのでは」との見方を示した。

                                             今後の財政再建のあり方について「消費増税の実施時期はあらかじめカレンダーで決めず、物価や成長率など経済状況を目安にすべき」との見解を示した。

                                             また「日本の消費税率は確かにスウェーデンなどと比較して低いが、税収に占める間接税比率は十分大きい。財務省悲願の直間比率改善は既に達成されている」と述べた。

                                             今後の政策運営では「財政赤字を急激に減らさないよう、財政出動を継続してほしい」とした。

                                             米国などで議論されている国債発行と中央銀行の買い入れをセットにした現代金融理論MMTについては「定義がよく分からない」と慎重な立場。「無制限な国債発行は不可能で、国の純債務を名目国内総生産(GDP)で割った比率が、収束する状態が財政の持続性に重要」と強調した。

                                             また「財政状況を改善するためにこそ、まずはデフレからの完全脱却が必要。名目成長率が名目金利を上回っている限り、財政状況は改善し、現在その条件を満たしているにもかかわらず、これを壊すべきではない」と強調した。』

                                             

                                             

                                             上記は安倍政権の経済アドバイザーである本田悦郎氏へのインタービューです。本ブログでも本田悦郎氏の論説をご紹介したことがあります。( 安倍首相の経済アドバイザー 本田悦朗氏(駐スイス大使)「増税凍結が望ましい!」 )

                                             

                                             消費増税10%に増税すればデフレ脱却が遠のくとはまさに仰る通りです。また最近のマスコミが幼児教育無償化の目玉政策があって消費増税の税収を充当することになっているから、消費増税は避けられないという見方に対しても、本田悦郎氏は、赤字国債を発行すればよいとしています。まさに私がよくいう「国債発行」と「財政出動」の組み合わせで、国債不足も解消できる旨の論説をされておられます。

                                             

                                             最後のMMT理論については、中立の立場というか、よくわからないというお立場のようで、そこは少し残念ですが、消費増税についての考え方は、ほぼ私と同一見解です。

                                             

                                             赤字国債の「赤字」というイメージで、「借金が悪だ!」とか「借金を将来世代に先送りするのはダメ!」とか、間違った言説が広まっているわけであり、MMT理論のポイントの一つである政府の赤字は民間の黒字、政府の黒字は民間の赤字ということが理解できれば、MMT理論も自ずとご理解できるものと私は思います。

                                             

                                             それにしても、消費増税10%が、日本初のリーマンショック級の危機の発生という言説までされておられます。これまた全くその通りであり、欧米諸国と比べて消費税率が低いからとか、これらもクソな言説です。

                                             

                                             欧米諸国はケチケチのドイツですら公共事業を1996年比で30%増やしているわけで、公共事業を減らし続けて物価も上昇せず、初任給も1997年から20万円前後で20年以上も変わらないという事実もあり、欧米との消費税率の比較なんか何ら意味がありません。

                                             

                                             消費税率を高くしているのは、過激なインフレを抑制してマイルドなインフレにするために消費税率を20%にしておくということはありますが、それは経済が絶好調すぎて投資が過熱が止まらないような状況下であれば、検討の余地はあります。

                                             

                                             とはいえ、そもそも消費増税という選択肢そのものがインフレ対策なのですが、未だ日本ではインフレにすらなっていませんので、消費増税という政策自体、選択肢にすら入らないというのが正しい考え方なのです。

                                             

                                             

                                             というわけで今日は「消費増税10%実施は、日本発のリーマンショック級危機か!」と題して論説しました。

                                             本田悦郎氏が消費増税についてインタビューに答えたロイター通信の記事をご紹介させていただきましたが、皆様はどう思われたでしょうか?「消費増税すべきだ!」などという言説は、鼻で笑うくらい経済をまるで分っていない音痴な人だということが、よくご理解いただけたのではないでしょうか?

                                             今後行われる日米の通商協議でも、消費増税は輸出補助金の増額ということで米国政府からも懸念されており、最悪通商協議で消費増税するなら米国産の農産物や自動車を最低限○○だけ買え!みたいなミニマムアクセス米ならぬミニマムアクセスカーみたいな要求を飲まざるを得なくなるかもしれません。

                                             こうしたことを考えても、安倍首相には早々に消費増税の凍結もしくは消費減税5%のメッセージを出していただきたいものと思うのです。

                                             

                                             

                                            〜関連記事〜

                                            安倍首相の経済アドバイザー 本田悦朗氏(駐スイス大使)「増税凍結が望ましい!」

                                            ”合わせ技”リーマンショック

                                            消費増税対策2兆円とは、20m級の津波に対して2mの堤防しかないことを意味する!

                                            ついに消費減税5%という言説が登場!

                                            乗数効果について

                                            増税して政府の財政を健全化させることは憲法13条違反です!

                                            財政法第4条について(公共事業の費用は国債発行して何ら問題なし!)

                                            「日銀の円建て国債購入が財政法第5条による財政ファイナンスに該当する」との指摘に対する反論

                                            政府の黒字は国民の赤字、政府の赤字は国民の黒字です!

                                            デフレ脱却のためには財政赤字の拡大が必要です!


                                            消費増税対策2兆円とは、20m級の津波に対して2mの堤防しかないことを意味する!

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                                              JUGEMテーマ:消費税増税

                                              JUGEMテーマ:消費税

                                              JUGEMテーマ:年金/財政

                                               

                                               今日は「消費増税対策2兆円とは、20m級の津波に対して2mの堤防しかないことを意味する!」と題し、消費増税対策について論説します。

                                               

                                               下記は3/27に報じられた日本経済新聞の記事です。

                                              『日本経済新聞 2019/03/27 23:00 消費増税対策2兆円 19年度予算が成立首相 消費増税へ万全 

                                               2019年10月の消費増税を前提とした19年度予算が27日の参院本会議で成立した。一般会計総額は過去最大の101兆4571億円で、ポイント還元制度など個人消費を下支えする2兆280億円の増税対策を盛った。安倍晋三首相は消費税率10%への引き上げに向け経済運営に万全を期す考えを示した。

                                               首相は27日の参院予算委員会で「幼児教育無償化などの政策は消費税の増税分を充てる。消費税を引き上げられる状況をつくり出したい」と表明した。予算成立後、記者団に「世界経済が不透明感を増すなか、予算の早期執行、2兆円の増税対策により経済運営に万全を期したい」と述べた。

                                               菅義偉官房長官は同日の記者会見で「リーマン・ショック級の出来事が起きない限り、10月に10%に引き上げる」と説明した。リーマン・ショック級の景気悪化をどう判断するかを問われ「発生した状態の状況を踏まえながら判断する」と語った。

                                               2兆円の増税対策はクレジットカードや電子マネーなど現金を使わずに買い物をした人に最大5%のポイントを還元する制度が柱。システム改修支援なども含め2798億円の国費を確保した。

                                               2歳以下の子どもがいる世帯と低所得層向けのプレミアム付き商品券に1723億円、住宅購入支援に2085億円をそれぞれ計上。景気の押し上げ効果が高いとされる防災・減災対策に1兆3475億円を充てる

                                               消費税の増税を前提に、対策費用を盛り込んだ当初予算が成立したのは安倍政権下で初めてだ。

                                               首相はこれまで14年11月と16年6月に増税の延期を表明した。いずれも当初予算案の閣議決定や成立の前だった。経済活動が混乱しないよう増税予定日から1年ほど前に延期を判断していた。

                                               予算や税制関連法の成立により、関連業界では準備が進む。住宅業界では4月1日から税率10%が事実上適用される。4月1日以降に注文住宅の請負契約を結び、10月以降に引き渡しを受ける取引には10%が課される。

                                               小売店などでは飲食料品に8%の軽減税率が適用されるため、複数の税率に対応したシステムを準備している。

                                               政府は3月20日に公表した月例経済報告で、景気回復が続いているとの認識を維持しつつ、景気の総括判断について表現ぶりを下方修正した。

                                               首相は「リーマン・ショック級の事態が起きない限り予定通り増税する」と繰り返す。政権内には「金融機能の破綻や東日本大震災並みの災害がなければ引き上げる」との意見が強い。

                                               増税を延期する場合、消費税法などの税制改正に加え、増税による増収分を盛った19年度予算の減額を措置する補正予算案の国会提出が必要になる。

                                               国会法の規定で7月28日の参院議員の任期を超えた国会会期の延長はできず、政治日程は窮屈だ。増税を前提に準備が進む企業活動の混乱も避けられない。』

                                               

                                               

                                               上記記事の通り、2019年10月消費増税を前提とした2019年度予算が2019/03/27に参議院本会議で成立し、特に消費増税対策として幼児教育の無償化を政策として打ち出しました。幼児教育の無償化の政策の財源として、消費増税分を充当するとして、消費税を上げられる状況を作り出したいと表明しました。

                                               

                                               その後、安倍総理の側近の萩生田氏が、消費増税延期どころか、消費減税5%という言説が飛び出し、消費増税の実施の有無について改めて議論を呼んでいますが、私は、そもそも消費増税には反対の立場であると同時に、幼児教育無償化は経済効果が乏しいと考えております。

                                               

                                               幼児教育無償化を肝入りの政策として、そのほかはキャッシュレスでの買い物に対するポイント還元を柱に2兆円の対策ということ自体、そもそも対策として全くの不十分です。

                                               

                                               まず、2兆円の対策と別に、幼児教育無償化が経済効果が期待できるか?といえば、経済効果がゼロとまでは言いません。しかしながら公共事業と比べれば、格段に経済効果は落ちます。乗数効果が低い政策だからです。

                                               

                                               なぜならば幼児教育無償化で数兆円が使われるとして、幼児を持っている家庭の可処分所得は確かに増えます。その増えた分、全額が消費に回れば、その分が経済効果となります。GDP3面等価の原則で、消費=生産=所得であるため、幼児を持っている家庭の可処分所得の増分を、そのまま全額買い物に充当すれば、他の誰かの所得を生み出すので、必ずそうなります。

                                               

                                               公共事業もまた政府支出=民間の生産=民間の所得となるため、しかも無駄だろうが何だろうが、1年以内に予算は必ず執行されるため、公共事業費として予算が付いた分は、用地買収などの土地の取得金を除けば、全額が他の誰かの所得を生み出します。

                                               

                                               ここで考えていただきたいのですが、前者の幼児教育無償化がなぜ公共事業よりも乗数効果が低いか?

                                               

                                               それは絶対に全額消費に回らないからです。多かれ少なかれ半分程度は貯金に回ります。これは高校の授業無償化の政策も同じですし、公明党が好きな商品券の配布も同じです。こうした政策に共通することは、経済政策として高校の需要無償化や商品券を配布したところで、毎月もらう給料から貯蓄に回るお金が必ずあるということです。

                                               

                                               貯金した額は、GDP3面等価の原則でいうところの、消費でも生産でも他の誰かの所得にもならないため、貯金に回った分全額が、経済成長を抑制します。

                                               

                                               一方で、消費増税対策の2兆円の対策のうち、キャッシュレスの買い物に対するポイント還元が柱になっています。

                                               

                                               ここでよくある言説は、クレジットカードを持っていない人はどうするのか?とか、地方ではキャッシュレスができないなどといった言説もよく耳にします。そうした意見は、それはそれでよいのですが、私はマクロ経済学的に、GDP3面等価の原則で、公共事業よりも経済効果が抑制されるということを、改めて主張すべきではないか?と思うのです。 

                                               

                                               また、今回の消費増税で消費減少額が8兆円といわれています。また大和総研の試算で年収1000万以上の残業規制で8兆円のマイナスに加え、オリンピックの特需の減少分で5兆円のマイナスということで、実に20兆円近い経済縮小効果が既に試算されています。

                                               

                                               にもかかわらず、ポイント還元とやらも、期間は限定されるうえに、そもそも増税対策が2兆円ということで、あまりにもしょぼい。

                                               

                                               正直なところ、20m近い津波が来るという警報があるにもかかわらず、防波堤・防潮堤は2mしかないというのが実情であり、このまま消費増税10%を敢行すれば、日本経済は壊滅的なダメージを受けることになるでしょう。

                                               

                                               

                                               というわけで今日は「消費増税対策2兆円とは、20m級の津波に対して2mの堤防しかないことを意味する!」と題して論説しました。

                                               先月は「ついに消費減税5%という言説が登場!」という記事も書きましたが、マスコミが消費増税を既成事実として報道しているものの、安倍総理は本当は消費増税をしたくないのでは?とも思え、総理自らが言うのではなく萩生田に言わせたのかもしれないとも思えます。

                                               いずれにしてもベア前年割れ、輸出も減るという状況で、今後注目すべきは1〜3月のGDP統計です。これが5/20に発表となりますので、ここで数字が思わしくなければ、普通に消費増税は延期、もしくはさらに踏み込んで凍結や5%へ減税ということもあり得ると考えます。

                                               7月に参議院選挙がある中、野党各党も財政破綻懸念とかいって、共産党・社民党以外は消費増税すべきという考えであるため、安倍総理が消費減税5%を打ち出してW選挙に打って出るならば、自民党が圧勝するというシナリオも考えられるように思います。

                                               いずれにしても、私は財務省の組織改革まで踏み込まなければならないと思っておりまして、それができるのは安倍政権しかいないかもしれないとも思っております。

                                               

                                               

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                                              増税して政府の財政を健全化させることは憲法13条違反です!

                                              財政法第4条について(公共事業の費用は国債発行して何ら問題なし!)

                                              「日銀の円建て国債購入が財政法第5条による財政ファイナンスに該当する」との指摘に対する反論

                                              政府の黒字は国民の赤字、政府の赤字は国民の黒字です!

                                              デフレ脱却のためには財政赤字の拡大が必要です!


                                              ついに消費減税5%という言説が登場!

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                                                JUGEMテーマ:消費税増税

                                                JUGEMテーマ:消費税

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                                                 今日はゴシップ記事ではないのですが、「ついに消費減税5%という言説が登場!」と題し、NEWSポストセブンの記事を紹介し、国家の財政運営をミクロ経済学でいう予算制約に当てはめる発想、例えば「直間比率是正」が間違っていることを指摘させていただきます。

                                                 

                                                 下記がその記事です。

                                                『NEWSポストセブン 2019/04/23(火) 16:00 安倍政権、増税延期どころか「消費税5%に下げる」案が浮上

                                                 補選での2敗など求心力に陰りが見えた安倍晋三首相にとって、夏に控える参院選必勝の切り札とされるのが3回目の「消費税増税延期」説だ。

                                                 安倍側近も「景況感次第で延期もあり得る」(萩生田光一・幹事長代行)と示唆しているが、有権者も同じ手には引っかからない。

                                                 そこで浮上しているのが消費税率を5%に引き下げる消費税減税というサプライズである。

                                                 麻生太郎・副総理兼財務相らは増税断行を目指してきたが、4月16日から始まった日米貿易交渉で風向きが変わった。トランプ政権は消費税の輸出戻し税を自動車などへの「輸出補助金」と批判し、10月からの消費増税を問題視したからだ。

                                                 そのうえ景気に急ブレーキがかかる雲行きがある。大和総研が3月に発表した「日本経済中期予測(改訂版)」では、

                                                2019年以降、トランプ政権の迷走、中国経済や欧州経済の悪化、残業規制の強化、株価下落による個人消費の悪化など内外の様々な下振れリスクが顕在化した場合、日本の実質GDPは最大で3.6%程度減少する可能性がある

                                                 と見ている。リーマンショック当時のGDPマイナス3.7%に匹敵する事態だ。逆に舵を切れば、景気減速を防ぎ、選挙にも有利、米国の圧力もかわす一石三鳥になる。それが「サプライズ減税」の動機のようだ。

                                                 問題は“閣内不一致”だ。日経新聞政治部OBの政治ジャーナリスト・宮崎信行氏が語る。

                                                「安倍首相が減税を決断すれば、今度こそ増税できると準備を進めてきた麻生財務相は完全に面子を潰され、抗議の辞任をするはずです。第二派閥の麻生派が反安倍に回る。さらに岸田派など党内の財政再建派も黙っていない」

                                                 たとえ選挙を乗り切ったとしても、安倍首相の足元に火が付く。』

                                                 

                                                 

                                                 上記の通り、NEWSポストセブンの記事ですが「消費減税」というキーワードが出てまいりました。本当は存在しない財政破綻を憂い、消費増税で財政再建などとほざく輩(不勉強な国会議員、1流のフリをしたアナリスト、エコノミスト、経済学者ら)からすれば、とんでもない記事だといえるでしょう。

                                                 

                                                 かつて私が大学生だったころ、消費税3%→5%というのが議論されており、私は英文で消費税5%にすべきであることを趣旨とするレポートを書いていました。かくいう私も消費増税賛成論者で、学生の当時の私は、景気に左右されて安定しない直接税(法人税、所得税)を引き下げ、景気に左右されない安定財源として消費税は正しい制度で、消費税率も5%にアップするのが正しいという旨の主張を英文でレポートを書いておりました。

                                                 

                                                 1990年代大蔵大臣だった新党さきがけの武村正義が「財政破綻」を宣言し、1997年には橋本政権の下で構造改革基本法が制定されて消費税も5%が施行されましたが、消費税は5%では足らないのでもっと引き上げるべきとも思っていました。

                                                 

                                                 そのころから言われていたキーワードに「直間比率是正」という言葉があり、先述の直接税を引き下げて間接税を増やすという考え方のことを「直間比率是正」といっていたのです。なぜそんなことをするか?といえば、「景気に左右されない安定財源の確保」ということが目的だったと私は記憶していて、その言説は正しいものと思いこんでいました。

                                                 

                                                 「景気に左右されない安定財源の確保」という件は、今でも消費税議論の際に使われている言説であり、もっともらしく聞こえますが、これはミクロ経済でいう予算制約を国家の財政運営に当てはめているという点で、間違った言説です。

                                                 

                                                 なぜならば国家は経世済民(世を経め、民を済う)のためならば、何をやってもよく、通貨発行権を持つ政府は負債を増やして通貨を供給し、公共事業や公務員を増やして防衛力強化やインフラ運営力強化をしたとしても、何ら問題がないのです。

                                                 

                                                 また財政再建が目的という言説も、多くの国会議員らが主張していますが、これらも間違っています。日本には財政問題が存在しないのです。1000兆円の借金とやらだけを抜き出して、破綻すると騒ぐのは、全くの間違いです。

                                                 

                                                 世界標準の財政問題として、「政府の負債対GDP比率」というのがあり、日本の場合は政府の負債約1000兆円に対して、GDPが500兆円で、200%という水準です。1000兆円が100%自国通貨建てなので、財政破綻しようがないのですが、仮にも200%という数字が高いことが問題であることを指摘するのであれば、それはGDPが減少していることを問題視すべきでしょう。

                                                 

                                                 仮にも政府の負債が増加したとして、その分GDPが増えていれば、「政府の負債対GDP比率」は下がります。GDPと税収の関係は下記の通りです。 

                                                 

                                                 税収=名目GDP×税率×税収弾性値

                                                 GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出

                                                 ※純輸出=輸出−輸入

                                                 

                                                 1997年以降、消費増税5%にして以来、日本は衰退途上国となり、GDPが500兆円で伸び悩んでいるという失われた20年が続ている状況です。

                                                 

                                                 それもそのはず、日本のGDPは約6割が個人消費を占めています。消費税は消費に対する罰則課税でもあるため、消費を抑制します。結果、GDPは伸び悩み、税収も減収します。具体的には安定財源の消費税は、その名の通り安定して税収が確保できる一方で、所得税や法人税は激減します。何しろGDPは会計上は粗利益に相当するため、企業の売り上げは減ることになるのです。

                                                 

                                                 実質賃金が伸び悩む状況下で消費増税10%となれば、普通に2%分は購買力が下がり、物が買えなくなります。その分、企業の売り上げが落ち込むことになるというわけです。

                                                 

                                                 私は、失われた20年となってしまった原因の主因は、バブル崩壊後の緊縮財政が原因であると考えています。インフレ率が10%程度で好景気が続いているようであれば、消費税が3%→5%になったとして、消費・投資が減少することは無かったかもしれません。しかしながら現実は、バブル崩壊で借金返済しまくっている状況で、消費・投資が減少を続ける中で、1997年消費税5%をやってしまったことで、借金返済や貯金を殖やすという形でGDPが伸び悩み続けるという衰退国家の道を歩んでしまったのだと考えます。

                                                 

                                                 この状況を解決するには、消費減税5%というのは普通に考えられる話であり、デフレ脱却を標榜する安倍政権は、本来ならば2014年4月の消費増税8%はやるべきではありませんでした。

                                                 

                                                 アベノミクスの第二の矢の国土強靭化で公共事業をやるならば、普通に国債を発行すればいいだけの話で、財源の心配などする必要がなかったのです。

                                                 

                                                 安倍政権は消費増税10%を本当にやるのか?やれば日本経済は壊滅的となり、GDPは韓国にも抜かれ、その先は中国に蹂躙されることになっていくことでしょう。中国共産党政府に逆らうものは、政治犯として捉えられ、臓器売買の餌となるような将来も考えられるのです。

                                                 

                                                 私たちの世代はともかく、私たちの将来世代がそのような日本に住むことになると考えますと、断固としてデフレ脱却を急ぐべきであって、デフレ脱却を阻害する消費増税10%には反対としかいいようがありません。こうした中、消費減税5%という文言がゴシップ記事とはいえ、出てきたことを私は歓迎したいと思うのです。

                                                 

                                                 政府は借金し放題というMMT理論も国会で議論されていますが、今までの考えが間違っていたという衝撃的な事実を証明するものであり、MMT理論の行方についても見守っていきたいとも思います。

                                                 

                                                 

                                                 というわけで今日は「ついに消費減税5%という言説が登場!」と題して論説しました。

                                                 

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                                                   今日は「災害対策庁舎の耐震化が遅れているのは緊縮財政が原因です!」と題して論説します。

                                                   

                                                   下記は日本経済新聞の記事です。

                                                  『日本経済新聞 2019/03/17 災害対策庁舎、耐震化に遅れ 市町村の18%、財政難で

                                                   全国の約2割にあたる321市町村で災害時の司令塔となる「災害対策本部」の設置庁舎が、耐震不足であることが総務省消防庁の資料から分かった。財政難のなか、多額の費用がかかる改修や建て替えに踏み切れずにいるためで、ほかの公共施設に比べても対応の遅れが目立つ。被災時に迅速な応急措置の妨げとなる恐れがある。

                                                   災害対策本部は災害時に被害状況を把握し、応急対策を決める。通信設備や非常用電源の整った本庁舎の会議室などに設ける場合が多い。消防庁によると、2018年3月末時点で全国の1741市町村のうち18%が耐震化を完了できていなかった。

                                                   学校や診療施設、社会福祉施設などを含めた公共施設全体の耐震化率は93%だった。トップの文教施設は99%に上る。災害対策本部を設置する自治体の庁舎の耐震化率は公民館や体育館なども下回っており、調査対象のなかでも最下位となった。

                                                   都道府県別にみると、耐震化を終えていない自治体を最も多く抱えるのは北海道で71市町村に上った。道内全市町村の40%にあたる。その一つである稚内市は市役所本庁舎に設置する予定だが、老朽化により耐震強度が足りていない。担当者は「建て替えれば概算40億円以上かかる。財政への影響を抑えなければ市民や議会の理解を得られない」と話す。

                                                   本庁舎の建て替え・改修には多額の支出が伴う。人口減などで財政難にあえぐ中小の自治体では、同じように住民への説明に苦慮しているところが多い。

                                                   山口県は47%の市町村が耐震化に対応できておらず、全国で最も割合が高い。市役所本庁舎の耐震強度が足りないと診断された同県防府市では、できるだけ早く新庁舎を整備したい意向だ。ただ、市の防災担当者は「市役所を建て替える経費があるなら住民サービスを高めてほしいという声もある」と苦しい胸の内を明かす。

                                                   栃木県も全25市町のうち、40%が耐震不足となった。同県足利市は「市民生活に関わる施設の整備が優先される。ごみ処理場や斎場など4施設の建て替えを計画し、それだけで約350億円と財政負担が重い」と説明する。

                                                   自治体で災害対策本部設置庁舎の耐震化が遅れている状況に対し、消防庁は「災害より目の前の福祉という自治体もある。国としては少しでも早くとお願いするしかない」と話す。災害対策基本法が災害対応の責任は自治体にあると定めているためだ。

                                                   災害復旧に詳しい東京大学生産技術研究所の沼田宗純准教授は「災害対策本部を設ける庁舎が活用できないと情報伝達のミスが生じやすくなり、応急対応の混乱や復旧の遅延につながる」と指摘。市町村が効果的な災害対応を実施できるよう「災害対応の標準形を学べる訓練プログラムを整備していくべきだ」と訴える。』

                                                   

                                                   

                                                   上記の記事は、全国のおよそ2割にあたる321の市町村で、災害時の司令塔となるはずの災害対策本部、この設置庁舎が耐震不足であることが、総務省・消防庁の調べで分かったというニュースです。

                                                   

                                                   これは極めて深刻な問題といわざるを得ません。災害が発生したとき、例えば熊本地震のときがそうだったのですが、災害発生時、救護救援復旧をしなければならないわけで、その司令塔になるのが自治体庁舎です。

                                                   

                                                   熊本地震では自治体庁舎が被災し、別のところで救護救援復旧作業をせざるを得ず、結果的に救護救援が遅れてしまいました。これは日本が災害時における救護救援体制について、強靭性が低く脆弱な状況に置かれているということです。

                                                   

                                                   政府は国土強靭化を掲げており、その中でも最も重要な対策の一つが指令本部となる自治体の庁舎の建物の強靭化です。自治体の庁舎の建物の強靭性の有無によって、復興の速度が全然変わってしまうからです。

                                                   

                                                   下記は消防庁がまとめた施設別の耐震棟数と耐震未対応の棟数とその割合を示したものです。

                                                  (出典:消防庁の資料「消防の動き」2019年3月号より引用)

                                                   

                                                   

                                                   上記資料の通り、学校や診療施設の社会福祉施設などを含めた公共施設全体の耐震化率は93.9%となっており、文教施設に至っては98.5%に達しています。祖日報で、自治体の庁舎は84.0%と調査対象施設の中で最下位となっています。

                                                   

                                                   学校は文科省の事業であり、文部科学省で予算をしっかりつければ耐震化を進めることができる一方、自治体庁舎は国の直轄ではなく、自治体の予算で対応しなければなりません。

                                                   

                                                   この資料から読み取れることは、地方自治体・市町村都道府県が貧乏になっているということを反映しているといえるのではないでしょうか?

                                                   

                                                   なぜ地方自治体・市町村都道府県が貧乏になるかといえば、プライマリーバランス黒字化があるからと思っております。つまり税収以下の支出しかしていないということです。

                                                   

                                                   ではなぜ税収以下の支出しかしないかといえば、将来不安があるため、税金で吸い上げたものを借金返済したり、内部留保したりしていて、経済が疲弊しているということにほかならず、前向きな投資ができないのです。

                                                   

                                                   学校は子供たちの将来があるため、半分は国の直轄でお金を出すことはあるものの、自治体の建物の耐震化にまでお金を回せないという状況なのでしょう。

                                                   

                                                   もちろん地方自治体は、日本政府と異なり、通貨発行権を持ちません。例えばある県庁の庁舎の地下でお金を増刷していたら、普通に通貨偽造で逮捕されます。そのかわり、地方交付税交付金があるわけですが、安倍政権の緊縮財政により、1.1兆円圧縮されています。

                                                   

                                                   プライマリーバランス黒字化目標という行政によって、日本政府・財務省の支出圧縮の最大のしわ寄せ・被害が、こうした問題につながっているということです。

                                                   

                                                   消防庁は、自治体で災害対策本部の設置庁舎の耐震化が遅れている状況について、とにかく災害よりも目の前の福祉という自治体もあるため、国としては少しでも早くお願いするしかないとしているのですが、地方自治体にお願いするくらいならば、財務省にちゃんと予算をつけろ!という働きかけをしていただきたいものです。

                                                   

                                                   

                                                   というわけで今日は「災害対策庁舎の耐震化が遅れているのは緊縮財政が原因です!」と題して論説しました。

                                                   この問題は、災害が起きてからでは遅く、起きた後にいろいろ問題になって、どうせまた批判が出ることでしょう。復興が遅れるということの意味は、復興が早ければ救援救護が早ければ助かる命が山ほどあるのに、そうした人々を見殺しにする政策でもあります。いわば財務省の緊縮財政は人殺し政策であると私は思うのです。


                                                  福島県大熊町の避難指示解除について

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                                                     今日は「福島県大熊町の避難指示解除について」と題して論説します。

                                                     

                                                     産経新聞の記事を紹介します。

                                                    『産経新聞 2019/04/14 16:03 避難指示解除の福島・大熊町役場が開庁式

                                                     東京電力福島第1原発事故で全町避難を余儀なくされ、今月10日に一部で避難指示が解除された福島県大熊町で14日、安倍晋三首相らが出席し、新しい町役場庁舎の開庁式が行われた。
                                                     旧庁舎はJR大野駅に近い下野上地区に置かれていたが、原発事故の影響で帰還困難区域となり、現在も解除されていない。旧庁舎から約4キロの大川原地区に置かれる新庁舎は地上2階建てで総工費は約27億4千万円。昨年5月に建設が始まり、今年3月に完成した。通常の行政機能や町議会議場などに加え、広場や町民の交流スペースを設けた。これまでも同地区には連絡事務所が置かれ、証明発行や地区の案内などを担ってきたが、新庁舎開庁で「部署が集中し、連携や情報交換もしやすくなる」(同町)と期待されている。
                                                     開庁式で安倍首相は「ここからが新たなスタート。政府も生活インフラの復興、産業の再生に総力をあげて取り組みたい」と述べた。渡辺利綱町長は「『ただいま帰りました』。ようやくこの言葉を言える日が来ました」と語った上で、「この新庁舎は復興を必ず実現するという誓いの象徴だ。新たなステージで力強く進みたい」と決意をみせた。
                                                     新庁舎では5月7日から業務を開始する予定。昨年4月に入庁した税務課の山浦萌子さん(19)は「新庁舎開庁は復興の第一歩。町民の方の困っていることなどをよく聞きながら、自分にできることを尽くしていきたい」と話した。』

                                                     

                                                     上記の記事は、東日本大震災以降、東京電力福島第一原発事故によって避難が続く大熊町で、一部避難指示が解除され、2019/04/14に大熊町役場の新役場庁舎の開庁式が開かれ、安倍総理らも出席したというニュースです。

                                                     

                                                     双葉町・大熊町の避難解除で、大熊町が先に解除になったことになります。

                                                     

                                                     8年経ってようやく一番近い自治体での避難解除が可能となってきたとのことであるものの、8年も経過しており、どれだけ人が戻るのか?未知数です。

                                                     

                                                     人々の中には、故郷を愛しているので大熊町に戻りたいという人もいるでしょうが、8年も別のところで暮らしが始まっているため、全員が大熊町に戻るというわけにはいかないと思われます。

                                                     

                                                     そういう意味で回復ということでいえば、前途多難であることに違いありません。何とか戻ってもらいたいとしか言いようがありません。

                                                     

                                                     仮に戻ってもらうためには仕事がないとどうしようもありません。土地の整備もされていなければ、8年経過することで失ったものは多いはずです。

                                                     

                                                     いばらの道としか言いようがありませんが、地元の皆さんには、しっかり頑張っていただきたいと思うのと同時に、政府もしっかりと支援すべきであると私は思います。

                                                     

                                                     コミュニティを維持するということでいえば、防波堤・防潮堤などのインフラ整備は最重要です。津波から町民を守るためにも、政府は、そうしたインフラ整備に躊躇なく予算をつけて対応していただきたいものと思うのであります。

                                                     

                                                     

                                                     というわけで今日は「福島県大熊町の避難指示解除について」について述べました。

                                                     「公共事業が無駄だ!」という誤解を解き、改めて日本には公共事業という需要があるのだと正しい認識を多くの国民が持つべきです。そのためにもプライマリーバランス黒字化目標を破棄し、消費増税を中心とした緊縮財政を辞めさせること、これが新時代の令和で求められているものではないでしょうか?

                                                     「緊縮財政」「グローバリズム」「構造改革」のダメトリオ真っ盛りだった平成政治との決別し、被災地の復興のため、しっかりと予算をつけて復興を急いでいただきたいものと私は思うのです。

                                                     

                                                     

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                                                    増税して政府の財政を健全化させることは憲法13条違反です!

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                                                       今日は「増税して政府の財政を健全化させることは憲法13条違反です!」と題して論説します。


                                                       よく憲法の議論をするとき、憲法9条については耳にされることも多いかと思います。憲法13条とは、どのような内容か?と言いますと、下記のとおりです。

                                                       

                                                      『憲法第13条 個人の尊重、生命・自由・幸福追求の権利の尊重

                                                      すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他国政の上で、最大の尊重を必要とする。』

                                                       

                                                       端的にいえば、政府は国民の幸福を実現する最大の手助けをしなければならないということです。そのため、立法行為によって政府が国民の幸福を毀損したらダメということになり、即ち憲法13条違反ということになります。

                                                       

                                                       例えば財務省はプライマリーバランス黒字化を掲げています。各省庁は設置法という法律に基づき、設置されていますが、財務省も財務省設置法という法律に基づいて存在します。財務省設置法では、健全な財政の確保に基づくという趣旨が書かれており、健全な財政とは政府の財政を指します。

                                                       

                                                       とはいえ、日本国家は政府だけが存在するのではありません。政府と民間が一緒になってできた国です。したがって政府の財政が豊かになったとしても、国民の財布が豊かでなければ、国民の幸福は毀損しているといえます。要は増税をたくさんやれば、政府の財政が健全化されるかもしれませんが、国民の財布が空っぽになって貧乏になって不幸になってしまいます。

                                                       

                                                       

                                                      <財務省設置法における任務と所掌事務>

                                                      (出典:財務省のホームページ)

                                                       

                                                       

                                                       上記は財務省ホームページに記載されているものです。

                                                       

                                                       「適正かつ公平な課税の実現」でいう公平の定義は何か?とか、いろいろ突っ込みどころはあります。国民の幸福に資すると捉えることもできるでしょうし、公平の定義によっては、却って国民の幸福を毀損することもあり得るでしょう。「税関業務の運営」や「国庫の適正な管理」ほか、任務の記載がありますが、これらは国民の幸福ではなく、国民の幸福につながらないようなものもあります。

                                                       

                                                       その筆頭ともいえるのが「健全な財政の確保」です。私は、財務省設置法にある「健全な財政の確保」というのは憲法13条に抵触しているといえると考えます。

                                                       

                                                       他の省庁においても、国交省設置法、厚労省設置法、文科省設置法・・・とありますが、厚労省設置法は、国民の労働や福祉を保障するということで、国民の幸福につながります。国交省設置法にしても、国民生活がちゃんとできるように国土や交通網を整備しましょうということで、国民の幸福につながります。

                                                       

                                                       国土交通省でいえば、「国民が不幸になろうがならなかろうが、とにかく道路を作りまくる!」とはなっていません。国民の幸せのために道路を作ります。

                                                       

                                                       農林水産省も「国民の生活なんてどうでもよくて、とにかく農業を発展させるんだ!」ではないですし、「東京都のコンクリートを全部はがして農地にしてやるぞ!」とはなりません。

                                                       

                                                       ところが財務省の場合、「健全な財政の確保」という文言は、「国民の生活なんてどうでもよくて、とにかく財政の健全化をするんだ!」ということです。

                                                       

                                                       よくある言説で、消費増税反対論者に対して、わがままだとか、とにかく消費税を欧米並みにしなければならないとか、これらの言説は、国民の生活を考えているとは言い難く思います。とにかくカネカネカネで、国民のために金を使うのは悪、国民のために政府支出を増やすのは悪、国民のために円建て国債を発行するのは悪、ということであり、こうした言説は明確に憲法13条違反といえるのではないでしょうか。

                                                       

                                                       その大前提として政府の負債というものを間違って国民に伝えているマスコミや経済学者、経済評論家、エコノミスト、不勉強な国会議員ら、彼らを責めたくもありますが、記者クラブを使ってそうしたウソの情報をマスコミに垂れ流し、そこに加担する経済学者がいるというのは、少なくても財務省設置法第3条でいう「健全な財政の確保」という文言があるからとしか考えられません。

                                                       

                                                       一方で憲法13条によって、政府は国民の幸福を守る義務を負っています。プライマリーバランス黒字化の問題は、政府の財政の赤字を失くすという目標であり、2020年までに財政の収支を黒字化しましょう!赤字化を回避しましょう!予算を削減しましょう!増税しましょう!ということで、こうした考えのもと、政府は機械的に消費増税を敢行し、機械的に支出削減をやってきました。

                                                       

                                                       その結果、大不況となって賃金は伸び悩み、貧困化が進み、格差が拡大している状況は、憲法13条違反になっているといえるでしょう。

                                                       

                                                       そう考えますと、プライマリーバランス黒字化目標達成に向けた行政そのものが憲法13条違反です。

                                                       

                                                       したがって私は、プライマリーバランス黒字化を緩和するか?撤回するか?事実上反故にすべきだと思います。なぜならばプライマリーバランス黒字化目標を達成するよりも、国民の幸福を達成することの方が大事だからですし、憲法13条にもそう謳われているからです。

                                                       

                                                       しかしながら現実の日本は、プライマリーバランス黒字化目標があるために、その目標にピッタリ沿う形で、財政支出が調整・操作されています。

                                                       

                                                       そのため、増税で経済が悪くなって自殺者が増えたとしても、財務省は「そんなの関係ねー!」とばかりに、「健全な財政の確保」という財務省設置法第3条に基づいて、増税や支出削減をやります。財務省職員が順守しようとしている財務省設置法は、国民の幸福に目を向けない反社会的な法律です。

                                                       

                                                       財務省の前は大蔵省だったわけですが、大蔵省もそうした考え方を引き継いでいる可能性があります。以前、財政法第4条について記事を書いたことがあります。

                                                       

                                                       この財政法第4条は、作家の佐藤健志氏によれば、GHQによって、日本が再軍備しないように作られた法律だとしています。

                                                       

                                                       財政法第4条には次のように書かれています。

                                                      財政法第4条
                                                       1.国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。
                                                       2.前項但書の規定により公債を発行し又は借入金をなす場合においては、その償還の計画を国会に提出しなければならない。
                                                       3.第1項に規定する公共事業費の範囲については、毎会計年度、国会の議決を経なければならない。

                                                      (出典:杉っ子の独り言「財政法第4条について(公共事業の費用は国債発行して何ら問題なし!)」から抜粋)

                                                       

                                                       佐藤健志氏は、上記の青字で書いてある部分が、問題だと指摘しています。この財政法第4条が問題と思えるのは、「1.国の歳出は公債または借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない」という”くだり”です。

                                                       

                                                       憲法第85条では、「国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基くことを必要とする」とありますので、公共事業で国債を発行することは何ら問題がないのですが、「1.国の歳出は公債または借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない」という”くだり”によって、借入金を禁止しているのです。

                                                       

                                                       これは憲法9条を守るためにあるものとも言われています。戦争するためには「国債発行」が必要です。1689年に勃発した第2次100年戦争において、英国が戦況を有利に進めた理由の一つとして、1694年にイングランド銀行という中央銀行を設立し、英国ポンドを発行しまくったからともいわれています。通貨発行するのに国債を発行して借り入れを増やしてでも軍事力を強化し、敵と戦わなければならないのが戦争というものだからです。

                                                       

                                                       例えば中国と日本とで戦争が始まったとして、「中国共産党の政府さん!今、お金がないから攻めるのを待って欲しいんだけど・・・!」といったところで中国共産党政府は、「そんなの関係ねー!」で待ってくれません。国債を発行してでも資金を調達して戦争に勝ち抜かなければ、日本は中国に蹂躙されてしまうだけです。

                                                       

                                                       「国債発行ができなければ戦争計画ができない、戦争遂行できない」ということで、戦争放棄のために憲法9条を守るために財政法第4条があると言われているのは、佐藤健志氏が述べられていました。

                                                       

                                                       こうして考えますと、財務省設置法や財政法第4条は、憲法13条と不整合となっており、国会で議論していただきたいと私は思います。憲法13条があるにもかかわらず、財務省設置法や財政法第4条がある理由で、プライマリーバランス黒字化目標行政が遂行されてしまっては、国民が幸福になれないからです。

                                                       

                                                       

                                                       というわけで今日は「増税して政府の財政を健全化させることは憲法13条違反です!」と題して論説しました。

                                                       財政法第4条をどう変えるか?アイデアが思いつきませんが、財務省設置法の場合ならば、他の省庁と同じように「国民の幸福のために」などという文言を一句加えるだけでもニュアンスが変わります。

                                                       今の財務省は、プライマリーバランス黒字化目標にこだわるものの、債務対GDP比率にはこだわりません。債務対GDP比率で国家の財政を考えるのは世界標準であり、GDPは国民の幸せを指すともいえます。ところが債務対GDP比率にこだわらないという思考は、国民の幸福など考える必要がなく、財務省設置法に基づく財務省設置の意義だけを考えればよいとする考え方であり、極めて問題であると私は思うのです。

                                                       

                                                       

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                                                         下記がその記事です。

                                                        『ブルームバーグ 2019/03/20 17:36 景気総括判断を3年ぶり下方修正、輸出や生産の一部に弱さ−月例報告

                                                         政府は20日発表した3月の月例経済報告で、日本経済の総括判断を2016年3月以来3年ぶりに下方修正した。「景気は緩やかに回復している」との基調判断は維持しながらも、中国経済の減速などの影響を受けて「このところ輸出や生産の一部に弱さも見られる」との表現を追加した。

                                                         総括判断は18年1月に「緩やかに回復している」へ上方修正されて以降、据え置かれていた。今月の月例報告では、一部に弱さが見られるものの「緩やかに増加」としていた生産を、「おおむね横ばい」へ2カ月連続で下方修正。景気の先行きについても「緩やかな回復が続くことが期待される」との表現を維持しつつ、「当面、一部に弱さが残る」を追加した。

                                                         政府は1月の月例報告時に、第2次安倍内閣が発足した12年12月からの景気拡大局面が1月で74カ月と「戦後最長になった可能性がある」との認識を示し、その後も維持してきた。景気の山と谷は専門家で構成する内閣府の景気動向指数研究会の議論を基に決定され、通常は判定に1年以上を要する。

                                                         今月発表された1月の景気動向指数では、一致指数の基調判断が後退局面に入った可能性が高いことを示す「下方への局面変化」に引き下げられた。米中貿易摩擦の影響などから足元で輸出や生産の指標の弱さが目立つ中、日本銀行は15日の金融政策決定会合で海外経済と輸出、生産の現状判断を引き下げた。
                                                         内閣府は今回の月例報告について、現時点で景気回復が途切れたとは考えておらず、緩やかな回復との認識に変わりはないと説明。国内総生産(GDP)の7割を占める個人消費と設備投資は増加傾向にあり、雇用・所得環境の改善や高水準の企業収益を背景に、内需中心の緩やかな景気回復が続いているとしている。
                                                         SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは発表前のリポートで、「日本経済が2019年中に景気後退へ向かう、つまり景気の山が早晩訪れる展開を肯定する」と指摘。19年終盤に世界経済が失速し、日本も下降を余儀なくされることをメインシナリオにしており、「19年序盤にすでに日本経済が景気後退に入ったとは考えていない」としていた。』
                                                         上記記事の通り、政府は3月の月例経済報告で、景気判断を3年ぶりに引き下げました。
                                                         中国経済の減速で輸出が落ち込み、企業の生産活動が鈍っているものの、消費の底堅さなどから、景気拡大は続いていると報じています
                                                         中国経済の減速を主な原因として、国内の景気判断を3カ月ぶりに下方修正したわけですが、正直なところ、データをみればこうしたニュースは鼻で笑うくらいばかばかしい話です。
                                                         輸出が落ち込んでいるのは間違いありませんが、内需について消費が底堅く推移しているとは、馬鹿らしい話です。なぜならば2014年の消費増税で消費がものすごくひどく落ち込み、それがちょっとずつ回復しているというだけの話です。
                                                         消費が大きく落ち込んでいるものの、輸出が少しマシになったというだけなのです。
                                                         何しろ安倍政権になってから26兆円輸出が拡大し、100兆円前後になろうとしています。
                                                         これはラッキーで外国人の景気がいいので、日本の製品・サービスを買ったというだけの話でもあります。
                                                         もちろん円安の効果もあるかもしれませんが、このところ米中貿易戦争やブレグジットで先行きが不透明となり、外国人の景気が悪くなったから、少し日本の製品・サービスを買うのを控え、日本の輸出が減ったということです。
                                                         にもかかわらず、「景気拡大が続いている」という政府当局の判断は、国民をバカにしている話であり、データ改ざんをしてまでして”いざなぎ越え”などとしているのですから、中国や韓国のデータで嘘を並び立てるのと何ら変わらない国に落ちぶれてしまったのか?と落胆せざるを得ません。
                                                         というわけで今日は「”個人消費は底堅い”と報じるマヌケなマスコミ報道」と題して論説しました。

                                                         

                                                         

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                                                        官製春闘は効果があったといえるのか?

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                                                           今日は「官製春闘は効果があったといえるのか?」と題して論説したく、下記の記事を紹介します。

                                                           

                                                          『産経新聞 2019/03/13 16:34 【春闘】「額が小幅」「国民の不満・不満感高まる可能性」 識者談話

                                                           平成31年春闘は13日、主要企業の集中回答日を迎え、従業員の基本給を一律に引き上げるベースアップ(ベア)は前年水準を割り込む回答が相次いだ。専門家に聞いた。

                                                          ■日本総合研究所の山田久主席研究員

                                                           ベア自体が継続されたことは評価できる。ただ、額が小幅になっている。春闘の牽引(けんいん)役だったトヨタ自動車がその座を降りたことよりも、政府からの働きかけが弱くなったことが影響した。

                                                           世界経済の不透明感が固定費の上昇につながるベアを避ける企業心理につながった。企業体力的には賃上げ余地はまだあるが、産業構造の変革に伴い、企業は一律ベアに危機感を持っている。労使だけで自主的な賃上げをしていくことの難しさが示された格好で、官製春闘なしでもベアを維持できる仕組みが必要だ。

                                                          ■明治安田生命保険の小玉祐一チーフエコノミスト

                                                           官製春闘が始まって以来、最も厳しい結果となった。ベアは景気の高揚感を演出する側面もある。低調に終われば個人消費が減ることが予想され、景気マインドにも悪影響を与える。要因は米中貿易摩擦を中心とする先行きの不透明感。特に中国の景気が、経営者の予想以上に悪かったということだ。

                                                           今年は消費税増税を控え、商品を値上げする企業も増える中、肝心の賃金が上昇していかないことで国民の間で政府の施策への不安・不満感が高まっていく可能性がある。

                                                           

                                                           

                                                           上記の記事の通り、今春の春闘では、ベアが前年水準を割り込む回答が相次ぎました。米中貿易摩擦などによる世界的な景気減速懸念を反映し、従業員の基本給を一律引き上げるベースアップについて、先行きの事業環境を見通せない中、経営側は人件費増加につながるベアに対して慎重な判断をしたということです。

                                                           

                                                           安倍政権が賃上げを促す官製春闘は薄らぎ、労使のベアへの拘りは後退しているとも言われています。景気が縮み込む局面に入った可能性がある中で、60年余り続いている春闘について岐路を迎えたといえます。今春の春闘についていえば、景気が悪いからできないということに他ならないでしょう。

                                                           

                                                           EU離脱、米中貿易戦争などに起因するスロートレードの加速で、先行き不安が増しており、こんな状況ではベアは無理と言わざるを得ません。

                                                           

                                                           そもそも官製春闘といっても、結局のところ景気に基づいてベアをやっていた可能性が高いのではないでしょうか?

                                                           

                                                           2018年までは輸出がものすごく伸長していますが、春闘をやっている企業はほとんどが輸出関連企業です。

                                                           

                                                          <2000年〜2018年における名目GDP実額の推移>

                                                          (出典:内閣府のホームページのGDP速報から引用)

                                                           

                                                           

                                                           上記は、2000年から2018年にかけての輸出と輸入の名目GDPの推移です。

                                                           このグラフをみますと、小泉政権下で輸出が60兆円から90兆円以上にも増えていることが分かります。

                                                           また2009年はリーマンショックで、輸出も輸入も大きく落ち込んだことも一目でわかります。

                                                           2011年以降、名目実額で輸入>輸出となっている期間がありますが、これは3.11東日本大震災で福島第一原発事故により、原子力発電所が停止し、カタールなどの産油国から高値で石油や天然ガスを買わざるを得ない状況となったことから、実額で輸入額が増加していたということです。

                                                           安倍政権になってからは輸出が増えて100兆円を超えました。輸出依存が増えたということは、国力が弱体化したともいえます。

                                                           

                                                           因みに春闘を実施する企業のほとんどは日立やトヨタ自動車などの輸出関連企業です。

                                                           

                                                           官製春闘についていえば、政府のいうことを聞いてベアをやっているふりをしていて、実際はラッキーにも海外が景気がよくて輸出が増えていたからベアを実施し、今年は昨年と比べて輸出が落ち込むからベアを実施しないという状況だったのでは?という疑義を持たざるを得ず、実際に官製春闘がどれだけ効果があったのか?疑問といえます。

                                                           

                                                           輸出が伸びて儲かっていたからベアを実施したというだけの話であり、儲かっていないのにベアを実施することはできないのです。

                                                           

                                                           自動車業界では日産自動車が前年と同様、要求通りの3000円の満額回答をした一方、本多は前年より300円少ない1400円。長く相場をけん引してきたトヨタ自動車はベアを開示しませんでした。

                                                           

                                                           改めて官製春闘の効果については、本当に効果があったのか?疑義があるのと同時に、今後の賃上げは景気が良ければベアはできても、大したもうけがない状況ではベアは無理ということでしょう。

                                                           

                                                           何しろ安倍政権下で、景気はすさまじく冷え込んでいます。その冷え込んだ数字を、政府官邸、官僚らが隠そうと毎月勤労統計の不正にまで手を染めている状況です。

                                                           

                                                           先のグラフの通り、もともと70兆円程度だった輸出が2018年時点で100兆円となり、輸出関連企業にとってはぼろ儲けの状況だったにもかかわらず、成長率がわずかだったということは、外需の好調がなかりせば、ものすごく経済が衰退していたということを意味します。

                                                           

                                                           それだけ内需は大事であり、この状況で消費増税とか、論外中の論外といえるでしょう。

                                                           

                                                           

                                                           というわけで今日は「官製春闘は効果があったといえるのか?」と題して論説しました。


                                                          ”合わせ技”リーマンショック

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                                                             長期間記事の掲載をお休みしてしまい、皆様にご心配おかけしました。今日からまた復活いたします。

                                                             

                                                             毎月勤労統計をめぐる不正調査問題は、最近の報道ではやや下火になっていますが、あえて毎月勤労統計の不正調査問題を取り上げながら、「”合わせ技”リーマンショック」と題して論説します。

                                                             

                                                             厚生労働省の不正統計問題により、アベノミクスの効果について疑いの目が向けられています。アベノミクスで賃金UPしたとされているのですが、数字が変わるとどうなるでしょうか?

                                                             

                                                             官僚の人らは、財務省による緊縮財政の足枷があるため、財政政策をやらずして「どうやってアベノミクスが成功したと報告しようか?」と考えていたものと思われます。

                                                             

                                                             普通に財政政策を一発かければ、賃金UP、コアコアCPI(生鮮食品・エネルギーの価格変動を除く消費者物価指数)、GDPデフレーターも上昇し、デフレギャップを埋めてすべての指標が上昇して経済成長に資することは誰でもわかっていることです。

                                                             

                                                             ところが、財務省の緊縮財政が原因で、財政政策は禁じ手とされています。

                                                             

                                                             首相官邸は、そうした中で安倍政権がアベノミクスを成功させたいということで、各省庁に忖度圧力がかかっていたのでしょう。何しろ、官邸は「ベースアップをやって欲しい!」「3%の賃金のベースアップを!」と官製春闘と呼ばれるものをやってきました。

                                                             

                                                             仮にもその意向に沿って3%の賃金が上昇すれば、アベノミクスの目標としては全くいいことではあるのです。

                                                             

                                                             しかしながら実際は、財務省の緊縮圧力がかかる中で、財政出動なしにプライマリーバランスを黒字化に改善する前提で、ベースアップ3%を達成するため、苦肉の策で「3%の賃金ベースアップをお願いします!」と頼んでいたというのが実態でしょう。

                                                             

                                                             政府は財政出動は一切やらず、それどころか支出削減の緊縮に励み、経団連に「賃金を上げて下さい!」とお願いする官邸に対し、経団連も「頑張ります!」とやってきたのですが、今年は、ついに経団連も「上げられません!」ということになってしまいました。

                                                             

                                                             3%賃金UPしたと報告したい人々らにしてみれば、3%上がったらいいなぁー!3%上げるためにはどうしたらいいだろう?と、しかも財政出動なしで・・・、と思っているときに不正に走るのでは?と私は思っています。

                                                             

                                                             彼もさすがにデータ操作までしようとまでは思わないでしょう。なぜならば明確な嘘つきになるという認識はあるでしょうから、そこまではしないでしょう。

                                                             

                                                             とはいえ、数値データを少しハンドリングしたら、具体的には賃金が上昇している事業所にサンプルを変更してみたら、「あれ?3%上がっている!」となり、「今までと同じ統計手法ではあるが、サンプルを少し変えただけで3%上がっている!」となったら、どうでしょうか?「このまま注釈でサンプル変更を示し、このデータをそのまま使い、黙っておこう!」と考えても不思議ではありません。

                                                             

                                                             心理的な話として、「忖度」には明確なウソを言わなくても、ウソであることを黙っておこうということで、都合がいいウソを放置するくらいの力はあります。

                                                             

                                                             実際に2018年7月に毎月勤労統計の調査が発表され、厚生労働省のホームページに掲載された賃金統計の推移は下記のとおりです。

                                                             

                                                            <厚労省が2018年8月に発表した7月の速報値>

                                                            (出典:厚生労働省の毎月勤労統計調査の平成30年7月分結果速報から引用)

                                                             

                                                             上記グラフの通り、サンプル変更後(青色の折れ線グラフ)は毎月賃金がプラスになっている一方、サンプル変更前(灰色の折れ線グラフ)では6月にプラス0.5%となっている以外は、すべての月でマイナスです。

                                                             

                                                             そして当時2018年8月にマスコミはどう報じていたか?下記がその見出しです。

                                                             

                                                            ●『ロイター通信 2018/08/07 実質賃金、21年5か月ぶりの伸びに=6月の毎月勤労統計』

                                                            ●『日本経済新聞 2018/08/22 6月の名目賃金確報値3.3%増、速報値から縮小 毎月勤労統計』

                                                            ●『時事通信 2018/09/07 7月の実質賃金0.4%増=賃上げ広がる』

                                                            ●『毎日新聞 2018/09/07 7月給与総額、前年比1.5%増 12か月連続プラス』

                                                             

                                                             このように新聞社各社は、アベノミクスによって賃金UPという成果が表れていると報じていました。

                                                             

                                                             これを消費増税を本当にやるのかやらないのか?という観点で考えた場合、どうでしょうか?

                                                             

                                                             具体的にいえば、2019年10月に予定されている消費増税UPに影響が出るでしょうか?出ないでしょうか?

                                                             

                                                             出るに決まっています。菅官房長官はリーマンショック級の事件が発生すれば、消費増税は延期すると言っており、よほどの事件がなく賃金UPが明確になっているとするならば、消費増税は予定通り実施するということです。

                                                             

                                                             ところが実際は賃金が伸び悩んでいるとなれば、判断に迷いが出るでしょう。

                                                             

                                                             また、そもそも菅官房長官がいうリーマンショック級の解釈には幅があります。

                                                             

                                                             一つは本当にリーマンショック的なものが発生するということなのですが、これは2019年9月までに発生する確率はゼロではなく100%発生するとも言えません。そのため、リーマンショック級の事件が一発というのではなく、「”合わせ技”リーマン」というのが、リーマンショック級という「級」の重要な概念になるものと考えられます。

                                                             

                                                             例えば「オリンピック特需の落ち込みで○○兆円マイナス」「年収1000万以上の残業代規制で○○兆円マイナス」「世界貿易のスロートレードで○○兆円マイナス」となり、「全部合わせると状況はリーマンショック級ですよ!」というのが、消費増税延期シナリオとして、一番確率の高いシナリオではないでしょうか?

                                                             

                                                             その時に重要なのは足元の賃金がどれだけUPしているか?GDPがどれだけの状況か?コアコアCPI、GDPデフレーターは?・・・と統計的に明らかにしたうえで、まだ○○兆円下がりそうだから・・・というシナリオを描くのが「リーマンショック級」という概念において一番あり得る話ではないかと思うのです。

                                                             

                                                             そこに思いっきり影響するのは統計の修正。毎月勤労統計の不正調査問題が発覚して以降、2019年1月23日付で厚労省はデータを修正しました。下記がその修正後の数値をグラフ化したものです。

                                                             

                                                            <図 Ъ村祖其盪愎堯癖神27年平均を基準とした場合)>

                                                            (出典:厚生労働省ホームページの実質賃金指数のCSVファイル)

                                                             

                                                            <図◆Ъ村祖其盪愎堯2013年度平均を基準とした場合)>

                                                            (出典:厚生労働省ホームページの実質賃金指数のCSVファイル)

                                                             

                                                             

                                                             2014年の消費増税5%→8%実施以降、実質賃金は2013年度水準を回復していないのです。

                                                             この状況で消費増税というのは、私から見れば論外中の論外としか言いようがありません。

                                                             

                                                             様々な直近の統計をみてみますと、日本はリーマンショックが発生せずとも、すでに”合わせ技”リーマンを喰らっていると認識するべきであると私は思います。

                                                             

                                                             

                                                             というわけで今日は「”合わせ技”リーマンショック」と題して論説しました。

                                                             

                                                             

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                                                            政府の黒字は国民の赤字、政府の赤字は国民の黒字です!

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                                                               今日は「政府の黒字は国民の赤字、政府の赤字は国民の黒字です!」と題して論説します。

                                                               

                                                               下記は産経新聞の記事です。

                                                              『産経新聞 2019/01/31 08:47 PB黒字化見通し、1年前倒し 経財諮問会議、中長期試算を提示

                                                               政府は30日の経済財政諮問会議で、経済財政に関する中長期試算を公表し、2025年度を目標とする基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化時期について、従来試算の27年度から26年度へ1年前倒しするとの見方を示した。社会保障費抑制など歳出改革の効果や最近の税収上積みが反映された。

                                                               試算によると、高成長ケースでは、消費税増税対策の影響により、昨年7月の従来試算で8兆9000億円と見込んでいた20年度のPB赤字が10兆1000億円に拡大。21年度以降は歳出改革の効果などで従来試算よりも財政状況は改善するとした。昨年6月の新財政健全化計画で設定された21年度の中間指標(1)国内総生産(GDP)比のPB赤字を1.5%程度(2)財政収支の赤字を3%以下(3)債務残高を180%台前半−はいずれも達成するとしている。

                                                               経済面では、従来試算に比べ足元の潜在成長率や物価上昇ペースが鈍化する一方、消費増税対策の効果で20年度の実質成長率が従来の1.4%から1.6%に上方修正。21年度は消費増税対策の終了で一時的に低下するが従来と同様に23年度には実質成長率2%を達成するとした。

                                                               名目成長率は従来は21年度に3%に達するとしていたが、1年後ずれして22年度になるとしたほか、名目GDP600兆円の達成時期も22年度と1年ずれ込むとしている。消費者物価上昇率の見通しは、22年度としていた2%の達成時期を23年度に後ずれさせた。』

                                                               

                                                               

                                                               産経新聞のこの記事ですが、もうめちゃくちゃすぎて突っ込みどころが多い記事です。

                                                               

                                                               この記事はプライマリーバランスを黒字化にすることが良いことであり、目指すべき財政政策であるという前提で、記事が書かれています。すべてのフレーズが家計簿発想で、しかも財政収支の赤字が3%以下という、EUのマーストリヒト条約にもある「財政赤字対GDP比率3%以下」と同じ発想です。

                                                               

                                                               財政収支の赤字が3%以下に納めなければならない、抑制しなければならないというのは、なぜなのでしょうか?また3%以下の3%とは、具体的にどのような学術的な根拠があるのでしょうか?

                                                               

                                                               おそらく、エコノミスト、アナリスト、財政に詳しいとされる有識者ら、答えられないでしょう。そんな言説がマスコミを通じて垂れ流され、通説としてまかり通っているのです。

                                                               

                                                               標題にも記載の通り、プライマリーバランス黒字は、国民が赤字になるということであり、景気が悪くなって国民が貧困化するということです。逆にプライマリーバランス赤字は、国民が黒字になるということであり、景気が良くなって国民が豊かになるということになります。

                                                               

                                                               未だ日本はデフレ脱却できていない状況で、プライマリーバランスを改善するということは、お金を使わないということ、即ち緊縮財政をするということに他なりません。お金を使わない=支出削減ですが、これはGDP3面等価の原則で、支出削減=生産削減=所得削減 となるのでデフレ促進策です。要は緊縮した分だけ経済成長が抑制され、下手すれば経済成長がマイナスになってしまうということでもあります。

                                                               

                                                               このような記事で、多くの人が誤解しがちと思いますが、プライマリーバランスが改善されるということは、完全に日本にとっては悪い話です。プライマリーバランスが黒字になるということは、日本人の暮らしがダメになり、かつデフレ脱却から遠のくということなのです。

                                                               

                                                               仮にプライマリーバランスが赤字幅が拡大したとなれば、日本国民は黒字となって豊かになるため、いいニュースとなるのですが、この産経新聞の記事は完全に真逆に報じています。

                                                               

                                                               こうした記事は産経新聞に限らず、新聞だけでなくテレビニュースも同様に、もうめちゃくちゃです。

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               というわけで今日は「政府の黒字は国民の赤字、政府の赤字は国民の黒字です!」と題して論説しました。

                                                               カナダのトルドー首相は、財政赤字1%拡大目標を掲げています。財政収支が赤字になることは、いいことだということを分かっていてやっているのです。

                                                               日本もそうした知識・見聞をもって、財政運営をしていただきたいと私は思います。

                                                               

                                                               

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                                                              「自国で通貨発行・政府支出ができる日本」と「EUに加盟しているためにできないフランス」どっちが愚かなのか?

                                                              「政府の債務残高対GDP比率3%以下」という”3%”に根拠なし!


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