TPPを導入するならば、保護主義のための国内制度を徹底的に強化すべき!

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     今日は「TPPを導入するならば、保護主義のための国内制度を徹底的に強化すべき!」と題して論説します。

     

     下記は産経新聞の記事です。

    『産経新聞 2018/10/31 18:35 日本への経済効果7・8兆円 牛肉など安く TPP

     11カ国によるTPP11の発効により関税が段階的に引き下げられ、貿易が活発になるほか、投資などに関するルールも明確になり企業はビジネスがしやすくなる。政府の試算によれば、貿易や投資の拡大によって、日本の国内総生産(GDP)が年7兆8千億円押し上げられ、雇用は約46万人増える見通しだ。恩恵は暮らしや企業活動の広い範囲に及びそうだ。

     家計で恩恵を実感しやすいのは、輸入食品や農林水産品の値下がりだ。例えば日本に輸入される牛肉の関税率は38・5%だが、発効16年目には9%に下がる。

     発効が12月30日に決まったことで、来年1月1日には早くも発効2年目に入る。発効からの年数によって関税は段階的に引き下げられるため、発効が早まった分、「消費者にとっては海外の商品がさらに安価で手に入る」(茂木敏充経済再生担当相)。

     日本企業にとっては輸出拡大が期待される。日本の代表的な輸出品である自動車は、カナダの関税が現在の6・1%から発効5年目に撤廃される。ベトナムは現在、大型車に70%の高関税を課しているが、発効10年目には撤廃される。(後略)』

     

     

     上記の通り、TPPは今年2018/12/30に発効されることになったというニュースです。茂木経済再生担当大臣が10/31に記者会見をしました。その中で、環太平洋経済連携協定について、日本時間の12/30AM00:00に発効すると発表。世界のGDPのおよそ13%を占め、総人口で5億人を抱える自由貿易圏が誕生するとして、ポジティブに報道しています。

     また茂木経済産業相は、保護主義が強まる中、自由で公正な21世紀型のルールが確立するという強いメッセージの発信になると意義を強調しました。

     

     日本の場合、自動車などの工業製品の輸出で追い風となる一方、牛肉などの安い農産品の流入で国内農業が打撃を受ける可能性があるというより、間違いなく打撃を受けることになるでしょう。

     

     なぜならばTPPの本質は、相手国に対して、「あなたの国の需要を、うちの国の供給力で供給させて欲しい!その結果、あなたの国のその産業が倒産しても仕方がない!そのために互いに関税をかけあわず、お互いに関税をなくして自由に交易ができるようにしましょう!」というのがTPPの本質。となれば自国の産業、とりわけ日本の場合は農業が間違いなく打撃を受け、影響を受けるのは当然の帰結といえます。

     

     日本にメリットはあるのか?となれば、TPPイレブン参加国の中で、日本は最大のGDPを占めており、他国の需要を供給できるということにもならず、非常に大きなリスクを抱え込むことになるでしょう。

     

     もう一つ重要なのは、保護主義が強まる中、自由で公正な21世紀型のルールが確立するというメッセージになるという点について、保護主義が何か悪しきものであるかのごとく、自由と公正の正反対なものが保護主義であるとでも言いたいのでしょうか?

     

     これは完全に間違っています。

     

     なぜならば、保護主義ということをやる自由が主権の中に日本国の主権にあるはずです。それぞれの国の保護主義を、それぞれの国としてやっていくことで、公正なルールが初めて成立することになります。主権がない中で多国籍企業にとって自由があるのはTPPでありグローバリズムです。

     

     そのグローバル市場の中で、多国籍企業が公正に競争するためのグローバリズムとしてTPPがあるわけで、自由と公正は誰のためにあるのか?となれば、結局は他国で商売ができるような人々にとって自由で公正になっただけで、それぞれの国民の自由と公正は著しく侵害されたことになります。

     

     もし、それが侵害されないようにするということになれば、TPPを導入すると同時に、保護主義のための国内制度を徹底的に強化する必要があります。

     

     牛肉などの安い農産品の流入されることになったとなれば、日本の農家を今と同じ水準に保障することが必要です。

     

    <諸外国の穀物自給率(%)の推移(1961年〜2013年)>

    (出典:農水省のホームページの資料から)

     

     

    (出典:経済評論家三橋貴明氏のブログ)

     

     

     上記資料は、いずれも日本の食料自給率が相対的に低いことと、農家に対する支援が欧米とははるかに比べ物にならないくらい支援がされていないということを言いたいために取り上げた資料です。

     

     食料自給率が100%超となっている米国をはじめ、他の欧州国では、多くの補助金を出しています。海外はそのくらい補助金を出したうえで、競争するにもかかわらず、日本の農家だけが国からの補助が他国と相対的に少なく、日本の農家は著しく不利益を被ることになるでしょう。

     

     これを解決するとすれば、TPPで関税はゼロになったとしても、補助金は山ほど出ます!という制度強化が必要です。上記資料の通り、日本は食料自給率が先進国の中でも低く、補助金は欧米が40%〜60%であるところ、日本は27%でしかありません。補助金でこれだけの差があれば、日本の農業は著しく不利な状況が現在進行形で続いているといえます。

     

     例えば街中のスーパーでも、日本産の牛肉は高く、アメリカンビーフやオーストラリア産のビーフは安いです。もし、日本の畜産農家が作る牛肉に対して、日本の政府が補助金を出してスーパーでも安く売ることができれば、価格対抗できて日本産の牛肉が売れやすくなります。そうすれば、日本の畜産農家も牛肉を頑張って数多く生産しようとするでしょう。

     

     食料安全保障の強化を考えるのであれば、むしろ農家の人々には余るくらい農産物を作ってもらい、それを政府が高値で買い取るべきです。その高値で買い取るということによって、日本の農家の所得が安定し、一生懸命数多く供給することに専念できます。余った農産品は、仮想敵国中国や韓国にダンピングして売れば、彼らの胃袋を日本がつかむこととなり、外交カードとなり得ます。

     

     農産物の価格の話に戻しますと、逆に市場価格で売買となれば、豊作のときは捨てることもあります。不作のときは市場に売るものが少ないため、農家の収入は伸び悩みます。農家の収入を安定させるためには、政府が農作物を高く買い取る、補助金を出す、こうした政策に尽きます。

     

     牛肉の場合、TPPによってオーストラリアやニュージーランドから安い牛肉がより入ってくることになることが予想されます。当然、市場価格では日本の牛肉も価格は下がる方向に働きます。どう考えてもTPPで関税が下がれば、畜産農家に対する影響は大きくなることは当然の帰結です。

     

     だからといって、農家に単にお金を配布するのは、よろしくありません。余ってもいいので作ってもらった農産品を政府が高値で買い取る、これに尽きます。お金とモノの対価こそGDP3面等価の原則により、「農家による農産物の生産=政府による農産物への支出=農家の所得」となり、GDP成長と税収増につながるからです。

     

     

     

     というわけで今日は今年2018/12/30に発効予定のTPPについて取り上げました。

     標題の「TPPを導入するならば、保護主義のための国内制度を徹底的に強化すべき!」ということが私の結論であることは、ご理解いただけたのではないでしょうか?

     もし欧米と同程度の農業保護政策をしなければ、ただでさえ低い食料自給率がもっと下がり、食料安全保障が弱体化することが目に見えているからです。

     それとも、そうした状態で食料が安定供給されなくなったとして、お金がある人が自由に高値で買い、お金がない人は飢えて死ぬしかない、それも自己責任なので仕方ないというのでしょうか?これでは、まるでジンバブエなどの発展途上国と同じです。

     むしろ欧米は農家に対する手厚い保護をしており、欧米と比較して日本の農家は保護されていないということを日本人は知るべきであると私は思うのであります。

     

     

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    来年の改元に向けて費用のことをニュースにする日本経済新聞社のセンスは、いかに?

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      JUGEMテーマ:天皇について

       

       今日は「来年の改元に向けて費用のことをニュースにする日本経済新聞社のセンスは、いかに?」と題して論説します。

       

       下記は日本経済新聞の記事です。

      『日本経済新聞 2018/11/01 「平成」あと半年、代替わり準備本格化  予算と規模、バランス探る  

       2019年5月1日の改元まであと半年となった。天皇陛下の退位と皇太子さまの即位に関連する行事の準備が本格化している。近代以降、初の「天皇退位」による代替わり。伝統と格式を守りながら現代にふさわしい形にするため、検討すべき課題はなお多い。

       19年4月30日、同5月1日の皇位継承は宮殿・松の間で三権の長や皇族が見守るなか、三種の神器などを新天皇が受け継ぐ儀式が執り行われる。大枠は決まっているものの、儀式の時間帯や参列者の範囲など、細部の議論はまとまっていない。

       政府と宮内庁は連携しながら20年春まで続く一連の行事について、具体的な内容を詰める。天皇、皇后両陛下は、できるだけ費用を抑えてほしい、との意向を示されており、行事の簡素化も重要なテーマになる。

       

      行事どう簡素化

       

       昭和天皇の死去に伴う「平成の代替わり」にかかった費用は警備費などを含めて123億円。資材と人件費の高騰により前回と同規模、同様式を採用すると費用は大きく膨らむ可能性が高い。

       例えば、新天皇が即位後に国民の安寧や五穀豊穣(ほうじょう)を祈る「大嘗祭(だいじょうさい)」。前回は「大嘗宮」の造営に約14億円の予算が充てられた。前回に準じた大嘗宮とした場合の総工費は25億円前後と見込まれる。異論は強いものの、宮内庁では経費削減策として大嘗宮内の一部の建物をプレハブにする案も浮上している。

       

      特殊な調度多く

       

       伝統装束、調度品も特殊なものが多く、費用が膨らむ要因になる。職員らが着用する衣装などはできるだけ前回のものを再利用する方針だ。

       新天皇即位の祝宴「饗宴(きょうえん)の儀」は平成の代替わりの際、着席形式で4日間にわたって計7回催された。宮内庁の山本信一郎長官は「立席形式も含め、日程や回数を柔軟に検討すべきだ」と述べている。(後略)』

       

       

       上述の通り、2019/05/01の改元に向けて準備が本格化しているというニュースです。

       

       天皇皇后両陛下は、できるだけ費用を抑えて欲しいとの意向を示されていて、行事の簡素化も重要なテーマと記事では報じています。昭和天皇崩御に伴う平成の代替わりにかかった経費は123億円だったのですが、資材・人件費の高騰によって、前回と同じ規模・同じ様式を採用するとなれば、費用は大きく膨らむ可能性があるとも報じています。

       

       行事をどう簡素化するか?ということで、標題の副題で「予算の規模のバランスを探る」としています。

       

       この記事について、私が思う気持ちを言うとすれば、日本経済新聞のセンスを疑うということです。日本経済新聞の職員もまたデフレ脳であるため、財務省のお抱えの記者クラブに出入りして、財務省の緊縮思考に洗脳され、お金の話をするわけです。

       

       いい加減に「カネカネカネ」というのは辞めるべきではないでしょうか?

       

       先日の韓国の徴用工の最高裁判決についても、ひどく憤りを感じるニュースでした。そのニュースに対する怒りを1とすれば、この日本経済新聞の記事は、100とか1000とか10000に相当する怒りが込み上げる記事といえます。

       

       陛下が簡素にしたいというのは理解するとして、私たち下々のものがそれを考えるのはいいとして、なんでこれをニュースとして取り上げなければならないのでしょうか?

       

       自分の娘が結婚するときに、娘が「簡素な結婚式でいいよ!」と言い、父親が「お金がもったいないから、どう挙式を簡素化しようか?」とか、母親の葬式の時に「お金がもったいないからどうしようか?」とか、お金のことは、こっそりと裏で考えることであり、記事にして表に出す話ではないでしょ!という話です。

       

       経団連の中西会長ら、中国製造2025をビジネスチャンス!などと捉えるのと同様で、「カネカネカネ!」「今だけ、金だけ、自分だけ!」という発想の連中が多すぎると憤りを感じます。

       

       今回の改元に向けての記事は、日本経済新聞のセンスが疑われるといっていいでしょう。日本経済新聞社の社員は一体どこの国籍の人なのでしょうか?日本人ではないのでしょうか?

       

       

       というわけで今日は「来年の改元に向けて費用のことをニュースにする日本経済新聞社のセンスは、いかに?」と題して意見しました。

       娘の結婚式であれば、立派な式を挙げる以外に何もないでしょう。同じように改元の行事についても、立派な行事とする以外にあり得ないでしょう。なぜならば時代が変わるという大事な行事であり、そうやって日本の歴史は2000年以上積み上げられて、脈々と受け継がれてきたからです。

       カネカネカネとやって、これをニュースにする日本経済新聞には猛省を促していただきたいと私は思います。

       

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      ”海外に出なければ!”という価値観が日本をダメにする!

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        JUGEMテーマ:グローバル化

         

         今日は「”海外に出なければ!”という価値観が日本をダメにする!」と題し、現在の経団連が安倍政権と緊密であることについて触れたいと思います。

         

         下記は時事通信の記事です。

        『時事通信 2018/09/19 16:15 「軽団連」ブログに返信=中西経団連会長、異例の対応

        労使の賃金交渉で主導権を失っているなどとして経団連を「軽団連」と批判した日本財団の笹川陽平会長は、19日付のブログで、中西宏明経団連会長からの「返信」を公開した。ブログでの批判に対し、経団連会長が自ら長文の書簡を送るのは極めて異例だ。
        笹川氏は8月13日付のブログで、経団連の存在感の低下を憂える「経団連は今や軽団連?」と題した文章を掲載。「最近は、労使の賃金交渉の主導権を官邸にとられ、経済政策もアベノミクスに追従するばかり」と批判した。
        中西氏本人からの書簡がメールで届いたのはその翌14日。
        中西氏は「拝啓 初めてお手紙をお送りさせていただきます」との書き出しで、2000字超をつづった。安倍政権からの毎年の賃上げ要請について「確かに異常と思われる方も少なくない」と指摘し、労使交渉の現状への批判には一定の理解を示した。
        一方、経済政策をめぐっては「デジタル化を真正面に捉えた経済政策を提言し、科学技術基本計画と未来投資計画に反映して頂いた」と主張、政権追従との見方に反論した。ただし、「国民に納得いただいていないのは我々の努力が足りない」と反省の弁も記した。』

         

         

         上記記事は、日本財団の笹川陽平会長が、安倍政権に追従するばかりの経団連のことをブログで「軽団連」と揶揄し、それに対して経団連の中西宏明会長が批判の返信をしたとするニュースです。

         

         日本財団の笹川会長は、ブログで次のように指摘していました。

        『かつて経済団体連合会の会長は財界総理といわれ、政治指導者からも一目置かれる存在だった。然るに最近は、労使の賃金交渉の主導権を官邸にとられ、経済政策もアベノミクスに追従するばかり。経団連には国家観も国民を納得させる経済政策も感じられず、官邸に追従する存在に成り下がってしまっている。そんな体たらくでも格式だけは高く、経団連序列も存在するそうで、旧態依然とした体質に変化はない。(後略)』

         

         笹川会長の経団連に対する評価は、国家観も国民も納得させる経済政策も感じられないという思いを率直に述べられたものと理解します。

         

         例えば経団連がどういう主張をしているか?といえば、法人税を引き下げて欲しいと主張する一方、消費税を引き上げろと主張しています。反論のメールをしたとされる経団連の中西宏明会長は、消費増税は延期すべきでないと再三にわたってマスコミに向かって主張されています。

         

         この2つの主張を考えるだけでも、要は「自分はお金を払いたくないが、自分が払っている分を大衆からお金を取ればいい!」といっているのに等しいのです。

         

         消費増税すれば、確実に消費が縮小して国民生活が苦しくなり、日本国内で展開しているビジネスの収益は落ち込むということが予想されるにもかかわらず、消費増税すべきと主張しているともいえます。

         

         中西会長の出身母体の日立製作所はグローバル企業で輸出も多いため、輸出戻し税の還付金が入ってくるという目論みもあるでしょう。消費増税分が法人税減税の肩代わりになるという目論みもあるでしょう。

         

         とはいえ、これでは日本財団の笹川会長に、国家観も国民が納得できる経済政策も感じられない「軽団連」と揶揄されても仕方がないのではないでしょうか?

         

         長期的なビジョンすら持たず、見ているものは何か?といえば、目先の損得勘定しか見ていないと言わざるを得ません。

         

         目先の損得勘定に走ることで、周囲に迷惑がかかり、国家的にも被害を与え、長期的には日立製作所を含む自分たちも損するということを指摘できるわけであって、国家観がないと言われても仕方がないでしょう。

         

         その経団連は2018年9月に、2019年度の税制改正に関する提言を発表しており、2019年10月消費増税10%の確実な実現と、企業の研究開発費減税の拡充を求めています。

         

         また中西会長は、安倍総理が消費税を予定通り10%に引き上げる方針を表明したことについて、非常に良いことだと歓迎するとも述べています。

         

         消費増税で景気が腰折れする事態も心配されている中で、経団連は消費増税に賛成しているのは、輸出する際、自分たちの下請け会社(部品メーカーなど)には消費税を払わせる一方、自分たちは輸出する分の売上については、輸出戻し税で還付を受けて消費税を払わなくて済むからです。

         

         まさに大衆に消費税を負担させ、自らは消費税は払いたくないというエゴそのものです。

         

         法人税は、かつて40%台だったのが、今や連結決算・連結納税で、20%程度の半分程度まで下がっています。法人税が全体で何百兆円も全体で減少する一方、消費税の税収分は拡大しています。いわば大衆から取った税金で企業の法人税を肩代わりしているともいえるでしょう。

         

         政府や財務省らの家計簿発想の財政運営に加え、経団連までもがその状況を維持もしくはさらに加速化させる経済政策を推進することで、世界最低の経済成長率で低迷し、日本国民の貧困化と日本の発展途上国化をもたらしているともいえます。

         

         いわば政府と企業がタッグを組んで、日本をダメにしているという側面があるのです。

         

         経団連は研究開発費減税の拡充も求めていますが、これには私は賛同いたします。なぜならば研究開発は、その企業だけが儲かるわけではなく、日本の未来を作るための投資という側面があり、公共投資と一部類似するところがあると思うからです。

         

         そうした研究開発費を促進するために減税を望むというのは、一定の意味はありますが、だからといって消費増税するというのは本末転倒です。

         

         日本の未来を考えるのであれば、研究開発をしない企業には法人税を増税するなど、法人税の税制中立でそうした方針も考えることができるでしょう。

         

         中西会長は、市場の状況をみていると、需要が冷える感じがしないとも語っていますが、中西会長の経済についての肌感覚はどうなっているのでしょうか?

         

         

         一点目は、消費増税後、どういう状況になっているか?といえば、2017年度の実質GDPの輸出は2013年比で約17兆円拡大しています。逆に実質GDPの内需は2014年〜2017年で4年間で3兆円前後のマイナスを続け、2013年度の消費税増税前の水準に達していません。家計消費は消費増税8%後、2014年〜2017年で毎年縮小しているのです。

         

        <実質GDPの推移(単位:10億円)>

        (出典:内閣府のホームページから引用)

         

         上図でいえることは下記の通り。

        ●家計消費は2013年度をピークで、消費増税8%以降の2014年〜2017年は2013年度の水準に戻っていない

        ●2019年度に輸出が大きく落ち込んでいるが、これはリーマンショックの影響

        ●消費増税以降も輸出は伸び続けている

        ●輸出は2003年頃までは50兆円前後であり、家計消費200兆円超と比べて25%以下で、内需主導の国力が強い国だった

         

         オレンジ色の輸出が増えて、青色の個人消費が伸び悩むというのは、外需依存が高まったということであり、国力が弱体化しているといえます。

         

         

         二点目として、外需はこれから冷え込むでしょう。株価は米国株が下落し、日本株も23000円を割り込みました。中央政府も景気の不透明感が明確にあるといっています。IMFも将来に対して世界経済が非常に厳しいといっています。外需のおかげでビジネスがうまくいっているのが大企業だとすれば、その外需も危ない状況になっているのです。

         

         何をみて中西会長が「冷える感じがしない」と発言しているのか?輸出が伸ばせると思っているのか?全く理解ができません。

         

         

         

         というわけで今日は「”海外に出なければ!”という価値観が日本をダメにする!」と題して論説しました。

         中西会長の発言は、今が良ければということしか見えておらず、「今だけ、お金だけ、自分だけ」という近視眼的な発言しか聞こえません。内需をもっと大切にすべきなのですが、経団連や大企業は世界を見ています。内需をおろそかにして「海外に出なければ!」という発想でいるからこそ、中国製造2025についてもビジネスチャンスといって飛びつくのでしょう。

         治安が良く、中間層が多いということでアクセスがたやすい日本市場こそ、もっと重視していくべきであり、経団連は、そのための提言を政府・内閣にするべきです。

         海外海外という企業の価値観こそが、日本をダメにしていると私は思います。

         

         

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        徴用工問題における最高裁判決は日本にはいっさい関係ありません!

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          JUGEMテーマ:韓国ニュース

           

           今日は「徴用工問題における最高裁判決は日本関係ありません!」と題して、韓国の徴用工問題を取り上げます。

           

           産経新聞の記事をご紹介します。

          『産経新聞 2018/11/01 19:40 河野外相、徴用工問題は「100%韓国側の責任」

          自民党の外交関係部会・調査会の幹部らは1日、元徴用工をめぐる訴訟で韓国最高裁が日本企業に賠償を命じる確定判決を出した問題について、日韓請求権協定に基づく協議や仲裁を韓国側に申し入れるよう政府に求める決議文を外務省で河野太郎外相に手渡した。

           河野氏は「韓国側がこの問題を重視していないということが見受けられる」とし、「韓国側から『お互いに知恵を出そう』という話があったが、百パーセント韓国側の責任において考えることだ」と強調した。河野氏と面会した松下新平外交部会長が記者団に明らかにした。

           河野氏は在外公館を通じ、各国に日本の立場を正確に発信するよう指示したとも説明したという。』

           

           

           上記の通り、韓国の徴用工問題について、河野外務大臣の対応についての報道です。河野外務大臣の対応内容は、極めて適切です。

           河野外務大臣は、韓国の外務大臣に対して、韓国の徴用工を巡る訴訟で、日本企業に賠償を命じた韓国の最高裁判決について、日本と韓国の法的基盤が根本から損なわれたことを、日本として重く見ているとして、改めて抗議しました。

           

           記事には、在外公館を通じ、各国に日本の立場を正確に発信するよう指示したというのは、大変適切であると考えます。従軍慰安婦問題は難しい問題があるかもしれませんが、正しい事実を正確に発信し続けるということを、日本政府や外務省は怠ってきたのでは?と私は常々思っていまして、今回の徴用工問題については、河野外務大臣は適切な指示を出して対応していると思います。

           

           日本は韓国と1965年に日韓請求権協定というものを締結しています。

           

           その際、今回のような請求はしてはいけないということが取り決められました。

           

           もし、この取り決めが不当ということであるならば、日韓で協定を締結し直すということは、あり得るのかもしれません。とはいえ、今は日韓請求権協定が存在します。

           

           加えて重要なことは次の事実です。

           

           なぜ、今回の請求のように、韓国国内の個人が日本の企業に請求ができないか?

           

           日本側は1965年に、根拠のある請求権について個人への直接支払いを提案しました。ところが韓国側(=韓国政府)が個人を含むすべての請求権に関わる資金を韓国政府に一括して支払うことを要求し、日本側が韓国政府の要求を受け入れ、無償で3億ドル韓国政府に支払いました。

           

           つまり韓国政府が「個人に支払わず、全額を国に払って欲しい!」と言ったから、日本政府は3億ドル払ったのです。その代わりに請求権は全部放棄したというのが、日韓請求権協定です。

           

           なぜ韓国の最高裁判所がこのような判決を出したのか?という疑問はあります。とはいえ、韓国政府という国家権力が日本政府と約束しているのです。

           

           仮にも韓国国内で、このような請求権が存在するとして、最高裁で存在を認める判決を出したとしても、1965年の日韓請求権協定があるわけですから、本来であれば韓国政府は「日本と交わした1965年の日韓請求権協定があるので、最高裁で判決が出たとしても、韓国政府として日本に迷惑かけず、全額韓国政府が払いますよ!だから心配しないでください!」と日本政府に言うべきではないでしょうか?

           

           にもかかわらず日本政府に「お互いに知恵を出し合おう!」などとは、どんな顔で発言しているのか?厚顔無恥にもほどがあるといえます。

           

           

           というわけで今日は韓国の徴用工問題を取り上げました。

           この問題は、絶対に妥協してはいけません。何しろ、日本政府が個人に払ってもいいと提案しているのに、韓国政府が「韓国政府に3億ドルを払って欲しい!これで韓国国民を黙らせるから!」として日本は3億ドルを韓国政府に支払ったわけです。

           韓国国内の最高裁判決がどうであろうと、日本政府は関係ありません。韓国政府に対して、ちゃんと対応してくださいと言い続けること、それを他国に対して日本の立場を正確に情報発信すること、これに尽きるものと私は思います。

           


          第一次補正予算(2018年度)について

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             今日は「第一次補正予算(2018年度)について」と題して論説します。

             

             下記は日本経済新聞の記事です。

            『日本経済新聞 2018/11/07 17:06 第一次補正予算(2018年度)について

             西日本豪雨などの災害復旧費を盛り込んだ2018年度第1次補正予算が7日の参院本会議で全会一致で可決、成立した。総額は9356億円。財源は公共事業に使い道を限る建設国債の発行で6950億円をまかない、残りは17年度決算の剰余金などで確保した。

             第1次補正予算は西日本豪雨や大阪北部地震、北海道地震など自然災害からの復旧・復興に7275億円をあてた。

             熱中症対策として公立の小中学校へのエアコン設置に822億円、地震による倒壊で犠牲者が出たブロック塀の補強対策に259億円を計上。相次ぐ自然災害を受け18年度当初予算の予備費を1000億円積み増した。

             政府・与党は補正予算の成立を受けて、外国人労働者の拡大に向けた出入国管理法改正案の今国会中の成立に全力を挙げる。同法案は13日の衆院本会議で審議入りする見通しだ。』

             

             上記記事の通り、2018年度の第一次補正予算が10/7(水)に参議院本会議で全会一致で可決成立しました。

             歳出総額9,356億円で、相次ぐ自然災害からの復興復旧費が柱になります。

             

             記事によれば、9,356億円の内訳は以下の通りです。

             第1次補正予算の内訳       
            災害復旧・復興費 7,275億円
            公立小中学校へのエアコン設置 822億円
            学校のブロック塀の改修 259億円
            予備費の追加 1,000億円
            総額 9,356億円

             

             今回の補正予算をどう見るべきか?といえば、以前にも記事を書いている通り、小さな現場を見てつぶさに積み上げた結果なのか?十分な金額なのか?という点に尽きます。

             

             2018年度は大阪北部地震、西日本豪雨、台風21号、台風24号、北海道胆振地震と、災害が多い年でした。冬を迎えて、これからも大雪被害とか発生するかもしれません。

             

             3.11のとき、私が損害保険会社に勤務していまして、当時は福島県いわき市にいました。3.11での地震保険の対応で、当時は営業だったのですが、保険金の支払査定をやっていました。このとき、私が在職していた保険会社は、2か月後の5.11までに支払案件の90%を完了させるという目標があり、その目標に向かって邁進した記憶があります。

             

             今年、保険会社の社員の人に聞いたのですが、3.11のときよりも広域であること。地震保険の査定と違って台風の査定はロードがかかることなどから、相当時間を要するというようなお話を聞いております。

             

             そうしたことを踏まえますと、7,275億円というのが、本当に災害復旧・復興費として十分なのか?ということについては、報道記事内容からは把握が難しいです。

             

            <台風24号で被害を受けた鳥取県大山町>

             

            <西日本豪雨災害で被害を受けた鳥取県内の陥没した道路と濁流>

             

             上図の写真は、いずれもふるさと納税支援サイトから引用したもので、鳥取県内における災害発生当時の被害状況です。

             ふるさと納税で支援するというのもわからなくもないですが、マクロ経済的には、寄付者はその寄付した分、他の支出が減る可能性があるため、むしろ普通に政府支出でしっかりと十分に予算を付けた方が、復興は早いに決まっています。

             政府が緊縮して、民間にやらせようとふるさと納税を支援するなどということは、愚の骨頂としかいいようがありません。

             

             京都府では応仁の乱の西軍の陣があった山で船岡山というのがありますが、そこでも倒木が多数あります。京都の街中の山なのですが、森の南側の木が半分くらい台風21号で折れました。倒木は数十本もあり、稲荷社本殿・拝殿も倒壊しました。京都府災害対策本部の資料に文化財保護課発信で、台風21号の文化財被害として、被害状況71社寺等 計136件(国指定登録等81件、府指定登録等55件)ものリストが掲示されています。

             

             こうした文化財の被害も、5,034億円に入っているのか?入っていて欲しいと思うのですが、仮に入っていなければ2次補正ですぐに予算を付けて着手すべきだろうと思います。

             

             先述の鳥取県の被害も含め、予算を付けずに災害復旧が放置されるようなことがあれば、被災地の人々は見捨てられたのと同じであり、ナショナリズムは崩壊していくことになると私は思います。

             

             

             というわけで今日は「第一次補正予算(2018年度)について」と題して論説しました。

             第二次補正予算の金額に注目していますが、2〜3兆円程度では、経済効果も期待できないでしょう。真に必要な復興費用がちゃんと積み上げられることを私は希望します。

             

            〜関連記事〜

            2018年度の第一次補正予算9,400億円をどう見るか?


            緊縮財政ではなく積極財政の方向に進む米国とカナダ

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               今日は「緊縮財政ではなく積極財政の方向に進む米国とカナダ」と題して論説します。

               

               米国の中間選挙が終わり、上院は与党共和党が多数議席となり、下院は野党民主党が多数議席となりました。これでいわゆる”ねじれ状態”になったことになります。

               

               トランプ大統領は今後、議会を通さない通商政策を中心に先鋭化した対応をすることが予想されますが、そもそもトランプ大統領は、保守本流の共和党から大統領選挙に立候補した人物です。

               

               共和党は伝統的に緊縮財政なのですが、それに背を向け、財政赤字にこだわらないインフラ投資による財政支出拡大を目指していく一方、安倍政権は財務省の影響力が根強く、緊縮財政路線を廃棄できないでいます。

               

               米国であの共和党が、反緊縮に転換して1兆ドル(当時の為替換算で100兆円)のインフラ投資をやるとし、積極財政をやるだけでなく、減税もやるという方向に舵を切りました。

               

               EUでも反緊縮路線が広がってきています。

               

               1980年代からネオリベラリズム(=新自由主義)という潮流が始まりました。経済学者のミルトン・フリードマンが1976年にノーベル経済学賞を受賞します。私は個人的にミルトン・フリードマンを評価しません。なぜならば、彼は小さな政府を推奨したり、公的部門の民間開放を推奨したり、マネタリズムと呼ばれるマネーストックを操作するのにはマネタリーベースを増やすべきという考えを持ち込んだ人だからです。

               

               小さな政府、公的部門の民間開放といった政策は、米国レーガン大統領のレーガノミクス、英国サッチャー大統領のサッチャーリズム、行政改革を目的とするデビット・ロンギ政権のロジャーノミクスなど、1980年代に推奨・実行されてきた経済政策の一つです。いずれも公的部門の需要削減するという点が共通しています。公的部門でやっていたことを民間開放し、市場原理に委ねてインフレ率を抑制することが目的です。

               

               1976年にノーベル経済学賞を受賞したミルトン・フリードマンは、1973年にオイルショックが発生し、インフレ率上昇と失業率上昇が同時進行した時期に活動されていた人でした。インフレ率の指標と失業率の指標をマッピングすると、普通はインフレ率が高いと失業率は低下し、インフレ率が低いと失業率は上昇します。

               ところが1973年のオイルショック時は、インフレ率と失業率の両方が上昇するという事象が発生したため、インフレ率を抑えるという意味で消費削減となる小さな政府を目指すという考えが支持され、各国首脳は小さな政府を目指すべくレーガノミクス、サッチャーリズム、ロージャーノミクスを始めたのです。

               

               そういう意味では、20年くらい遅れて米国・英国の流行が日本に本格上陸します。例えば”小さな政府”の推進は、日本では2000年代に竹中平蔵・小泉純一路線で始まりました。それが今もなお継続しています。

               

               今は、米国も英国も明確に反緊縮であり、積極財政をやることが必要であると主張しています。

               

               下記は少し古い記事ですが、カナダのトルドー首相は今から2年以上前に、トランプ大統領が誕生する前から、既に積極財政を表明していました。

              『ロイター通信 2016/05/20 10:43 財政赤字目標にこだわらず、経済成長を重視=カナダ首相

               [オタワ 19日 ロイター] - カナダのトルドー首相は19日、予算で300億カナダドルの財政赤字を想定していることについて、この数字が上限というわけではないと説明、政府は経済成長の促進をより重視すべきとの認識を明らかにした。 』

               

               上記の通りカナダのトルドー大統領は財政赤字路線で、面白いことに300億カナダドルの財政赤字を想定しているものの、その数字は上限でないとしています。

               

               一方、EUはマーストリヒト条約で「財政赤字対GDP比3%以下」もしくは「政府対GDP比率60%以下」を満たさない場合、報告書を作成して是正するというルールがあります。ここで出てくる”3%以下”や”60%以下”という数値目標に学術的な根拠はありません。デフレ脱却で需要が不足するならば、3%以上となっても仕方ありませんし、60%以下にならなくても仕方がありません。

               

               そもそも政府が赤字を拡大するということは、民間が黒字になるということを意味します。例えば米国政府が100兆円のインフラ投資をやれば、100兆円の財政赤字が拡大する一方、民間の黒字が100兆円拡大することになります。だから需要が不足して景気が良くなるために、需要の不足額以上に政府が支出をするというのが支出額を決める根拠であって、学術的根拠のない入ってくる税収の103%いないでなければいけないなどというのは、全く不毛なのです。

               

               不景気は民間が儲からない以上、儲からなければ所得も投資も減ってますます儲からなくなるため、この不景気から脱却するためには、民間全体のお金の巡りをよくする必要があるため、政府支出の拡大や減税を通じて、政府の財政赤字を拡大させる必要があるわけです。

               そうしたことを踏まえますと、カナダのトルドー大統領は、300億カナダドルを上限とは考えていないという点で、素晴らしいです。マクロ経済を理解している大統領の一人といえます。

               

               

               というわけで今日は「緊縮財政ではなく積極財政の方向に進む米国とカナダ」と題して論説しました。

               積極財政についても、その潮流は20年後に日本に来るかもしれません。とはいえ、20年以上もデフレが続くのは日本だけであり、バブル崩壊後に緊縮財政をやった国、それを体験した国は、日本だけです。

               その日本が経済を痛めつけられ、合併などで供給数が減るという意味で供給力を毀損し、20年間このまま供給力、国力を保持できるのか?心配です。供給力の毀損を続ければ、発展途上国化し、国際的地位も低下して2流、3流の小国に落ちぶれるでしょう。

               逆にプライマリーバランス黒字化目標を破棄して、速やかに反緊縮トレンドが日本国民の風潮となるよう醸成し、カナダのトルドー大統領のように、プライマリーバランス赤字化を目指す。さらには財務省の人事制度を増税できた人・緊縮財政ができた人を評価するのではなく、名目GDPを増やせた人を評価するというように変えるところまで持っていければ、日本は世界の覇権国になることも十分に可能であると私は思うのです。

               

               

              〜関連記事〜

              日本のプライマリーバランスが黒字だったときは?

              財政赤字を増やそうとしたイタリア政府

              デフレ脱却のためには財政赤字の拡大が必要です!

              トランプ大統領が1.5兆ドル(日本円換算約163兆円規模)のインフラ投資を表明

              「自国で通貨発行・政府支出ができる日本」と「EUに加盟しているためにできないフランス」どっちが愚かなのか?

              「政府の債務残高対GDP比率3%以下」という”3%”に根拠なし!

              フランスでも始まるか?日本で猛威を振るうデフレ長期化をもたらした緊縮財政!


              漁師・漁業を救い、日本の食文化を守り、水産業の発展が期待できる海洋山脈造成工事

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                 今日は「漁師・漁業を救い、日本の食文化を守り、水産業の発展が期待できる海洋山脈造成工事」と題して論説します。

                 

                 下記は日本経済新聞の記事です。

                『日本経済新聞 2018/11/07 鳥取のズワイガニ 初セリで過去最高の1杯200万円     

                 鳥取市の鳥取港で7日、ズワイガニの初セリが行われた。この日同港では鳥取のトップブランド「五輝星(いつきぼし)」の認定を受けた松葉ガニ(雄のズワイガニ)が3杯水揚げされ、1杯に過去最高となる200万円の値が付いた。2016年の初セリで競り落とされたカニの最高額130万円を更新した。

                 6日のズワイガニ漁解禁に向け、県漁協などに所属する沖合底引き網漁船23隻が5日、県内3つの港から出漁。7日早朝から初水揚げされた。7日は3漁港で合計9杯が五輝星の認定を受けた。松葉ガニの漁は来年3月20日まで続く。

                 初セリの式典で、鳥取県漁業協同組合の船本源司副組合長理事が「我々にとって待ちに待った正月が来た。全国の皆さんのために一生懸命とりたい」とあいさつした。鳥取県の平井伸治知事は過去最高額のカニを前に「とにかく立派。きれいで身もしっかり詰まっている。今年はいい年になりそう」と話した。

                 水産試験場の調査によると、調査海域の松葉ガニは88万7000匹と推測され、前年の1.6倍に上る。資源量は近年では多い見込みだが、漁業者は昨年同様に11月に3日間の休漁日を設けるなどして資源保護も進める。同試験場の担当者は「資源保護の観点でも全体の漁獲量は前年並みとなる見込み」と話す。

                 五輝星は15年の漁期から始めた認定制度。13.5センチ以上という甲羅の幅や鮮やかな色合いなど5つの基準で漁協や魚市場のセリ人が目利きとなって認定する。17年の漁期での認定は45杯にとどまり、出現率は0.01%と希少性が高い。』

                 

                 

                 上記記事の通り、ズワイガニの初セリが鳥取市の鳥取港で行われ、トップブランドの「五輝星」が3杯水揚げされて1杯200万で競り落とされたというニュースです。日本海の冬の味覚のズワイガニは、記事の通り11/6に解禁されましたが、五輝星が大変希少性が高いということを、私はこの記事で初めて知りました。

                 

                 一方で、来年以降そもそもズワイガニの漁獲量が減少傾向になるそうです。日本海区水産研究所の研究チームによりますと、原因は不明ですが、生後3〜4年まで生き残る個体数が減少しているため、3年後には漁獲量が現在の半分に落ち込むと予想しています。

                 

                 ズワイガニに限ったことではありませんが、近年は海洋資源が枯れているということがよく言われます。理由の一つとしては、北朝鮮や中国が乱獲で勝手に取っていくということもあり得るでしょう。

                 

                 ただ、今年の異常気象の原因の一つである海水温の上昇こそ、真の理由ではないか?とも思います。

                 

                 主因がどちらであったとしても、ズワイガニ以外の海洋資源も減少していますし、漁師も減少しています。

                 

                 もともと日本は海洋国家で、寿司や焼き魚など魚を食べる文化です。ユーラシア大陸の遊牧民族は、放牧する家畜と一緒に生活し、食生活も魚ではなく肉がメインでした。家畜の放牧で生産性を上げるために去勢の技術が発展する一方、家畜をコントロールするという文化から、奴隷という文化の醸成にもつながりました。

                 

                 島国で海洋国家の日本には奴隷文化はありません。キリシタンの大友宗麟や大村純忠らが、火薬や武器と引き換えに自国領の女性や子供を海外に売り飛ばしたという史実は存在します。この史実は日本の記録ではなく、イエズス会のルイス・フロイスという人が書いた書物「日本史」に記載されているものです。

                 

                 それをみた天正遣欧使節の千々石ミゲルという人物がいますが、彼は旅行先でそして売り飛ばされた日本人奴隷を見て、こう述べています。

                「(前略)このたびの旅行の先々で、売られて奴隷の境涯に落ちた日本人を親しく見たときには、道義をいっさい忘れて、血と言語を同じうする同国人をさながら家畜か野獣かのように、こんな安い値で手放す我が民族への激しい怒りに燃え立たざるを得なかった。」千々石ミゲルは、天正遣欧使節4人のうちの一人でしたが、唯一キリスト教を棄教した人物として知られています。

                 

                 豊臣秀吉は、九州征伐のときに、大友宗麟や大村純忠らが火薬などと引き換えに、自国領の女性や子供を奴隷として売り飛ばした事実を知りました。激怒した豊臣秀吉は、ガスパール・コエリョに使者を出して、自分が銀子(お金)を払うから、すぐ放免しろ!とコエリョに指示を出しますが、コエリョはキリシタンらが勝手にやっていることだとして言い逃れをして、豊臣秀吉の怒りを買ったとされています。この歴史については、記事「教科書で語られない16世紀の日本人奴隷(豊臣秀吉の「伴天連追放令」の理由)」でも取り上げていますのでご参照いただければ幸いです。

                 

                 話を少し戻しますと、異常気象の原因ともされる海水温度の上昇をきっかけに、漁業資源が枯渇するという状況は、極めて残念であると思うのです。何しろ、日本は海洋国家として、魚を食べる文化が継続してきたわけです。今でこそ養殖という技術が発達していますが、かつて養殖という技術が出てくるまでは、家畜のように収穫をコントロールすることはできませんでした。

                 

                 もともと日本は寿司や焼き魚を食べる食文化を持ちます。海洋資源が枯渇するということは魚を食べる文化が廃れる可能性があり、何とかしたいところではあります。

                 

                 実は、日本にはマリコン(マリーンコンストラクチャー)の青木マリーン蠅筝淪侶設蠅箸い辰寝饉劼、「海洋山脈造成工事」という技術を持っています。

                 

                <長崎県の五島列島での海洋山脈造成工事>

                (出典:青木マリーン蠅離曄璽爛據璽犬粒ね了殻造成工事を利用した施工実績から引用)

                 

                 

                 上記は青木マリーン蠅施工した海洋山脈造成工事実績です。この技術は、読んで字のごとく海底に山脈を作る技術です。

                 

                 広大な土木技術によって、海洋の底流に巨大な漁礁を作ります。すると、上昇海流が発生してプランクトンがたくさん発生し、魚がたくさん来るのです。

                 

                 日本の漁業を守り、さらに発展させるためにも、こうした「海洋山脈造成工事」への投資を、国が率先してやれば、漁師・漁業を救い、日本の食文化を守り、水産業の発展が期待できるものと私は思います。

                 

                 

                 というわけで今日は「漁師・漁業を救い、日本の食文化を守り、水産業の発展が期待できる海洋山脈造成工事」と題して論説しました。

                 青木マリーン蠅箸いΣ饉劼竜蚕僂法皆様も驚かれるでしょうが、実は青木マリーン蠅蓮経営難に陥った会社の一つです。株式にお詳しい方であれば、かつて青木建設というのがあったのをご存知でしょうか?

                 転換社債がデフォルトしたということで有名な会社で青木建設というのがありました。満期まであと半年という転換社債が100円額面で50円ということで、倒産を予測して価格が低迷していたのです。

                 折しも1997年の構造改革基本法制定、1998年の消費増税をはじめとする緊縮財政が始まり、公共事業削減のあおりを受け、バブル期に将来の建設受注を見込んで土地を先行取得する「造注」戦略がバブル崩壊でプロジェクトそのものがとん挫し、未開発の不動産と多額の借金が残って、2001年12月6日に民事再生法を申請したのでした。

                 とはいえ、青木建設は海洋土木において高い技術力を持っていた会社です。経営難に陥った高い技術力を持った会社を、供給力として温存できたことで、五島列島における「海洋山脈造成工事」という供給が自国でできるのです。

                 本来ならば、五島列島だけでなく、駿河湾とか他でもやればいいのですが、例の財務省が公共事業を増やすことに反対しているため、こうした投資も困難にしているのです。その原因は結局のところ、財務省の家計簿発想が原因だということも、改めて知っていただきたいと思います。


                三菱UFJ銀行と三井住友銀行がATMを相互解放へ!

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                   今日は「三菱UFJ銀行と三井住友銀行がATMを相互解放へ!」と題して論説します。

                   

                   下記は読売新聞の記事です。

                  『読売新聞 2018/11/08 09:08 ATM相互開放で手数料「無料」・・・メガ銀同士初

                   三菱UFJ銀行と三井住友銀行は、駅など店舗外に設置している現金自動預け払い機(ATM)を相互に開放することを決めた。2019年前半にも、両行の預金者が利用する場合に、手数料を原則、無料にする。メガバンク同士の相互開放は初めて。計2300か所以上のATMが対象になる見通しで、両行の預金者にとって利便性が高まる。

                   現在は、他行のATMを使って口座から現金を引き出すと、平日の日中は、108円の手数料がかかる。両行の預金者が相手先のATMを使った場合、自行の口座からの預金引き出しと同様に無料になる。夜間や休日に預金を引き出す手数料(216円)については、減らす方向で検討している。振り込みはこれまでと同じく、手数料がかかる。通帳の記帳は相手先のATMではできない。

                   人口減に加え、インターネットバンキングや、現金を使わずに買い物をするキャッシュレス決済の増加により、預金者が銀行のATMを利用する機会は減っている。

                   このため、両行は、ATMを相互開放する一方で、近隣にあるATMを減らし、コスト削減も進める。両行が駅やショッピングセンター内など店舗外のATMを設置している拠点の計2900か所程度のうち、500〜600か所について廃止する計画だ。(後略)』

                   

                   上記の通り、三菱UFJ銀行と三井住友銀行の2行が、2019年度前半にもATMを相互開放するというニュースです。稼働率の低下という中で、経費削減意向もあり、その中で預金者の利便性を維持向上させるためにATMの相互開放に踏み切ったとしています。

                   

                   マイナス金利が続き、銀行経営も大変なことになっているということがこのニュースで理解できるかと思います。結局これもデフレを放置していることが原因です。

                   

                   そもそも銀行のビジネスモデルとは、どういうものでしょうか?

                   

                  <信用創造の仕組み>

                   

                   お金を預かってそのお金を貸し付けて利息で儲けます。というよりもお金を預からなくても、信用創造機能により、法定準備率を下限とする最低限の日銀当座預金を準備すれば、それ以上のお金を貸し出すことが可能です。

                   

                   例えば法定準備率が1%だったとした場合、日銀当座預金に10兆円の残高を預けることが可能であるとすれば、1000兆円貸し出すことができます。9990兆円は、預金を集めなくても貸し出しが可能です。バンクは信用創造機能があるからできますが、ノンバンクは信用創造機能がないため、商工ローンや消費者金融やリース会社や保険会社は、そうしたことはできません。あくまでもお金を銀行から借りたり社債で借りたり、保険料などの名目でお金を集め、そうやって調達したお金に利子を乗せて貸し出すのがノンバンクですが、銀行は記帳するだけで貸し出すことが可能です。

                   

                   お金を創り出せる機能を持つ銀行といえども、預金者には利息を付ける必要があります。そのため、預金ばかりが集まって借りてくれる人がいないと、銀行は倒産してしまいます。消費者金融なんかと異なり、銀行というと聞こえはいいかもしれませんが、信用創造機能という機能を持つか持たないか?という点を除けば、借りてくれる人がいないと倒産するという点でみれば、ビジネスモデルは消費者金融と変わりありません。

                   

                   それでは、銀行からお金を借りようとするときはどういうときでしょうか?

                   

                   民間企業がお金を借りたいと思うときとは、新しい店を作る、新しい工場を作る、新しい技術開発をする、そういう時に1億とか100億とかお金を借りて資金を調達し、その資金を投下してビジネスを展開して儲かったお金で銀行に借りたお金を返してもらうというのが、銀行のビジネスモデルです。

                   

                   デフレがずっと続いているため、民間企業は投資しても、モノ・サービスを値下げしないと売れないというデフレであるため、民間企業が投資をしないで、内部留保してしまうのです。

                   

                   民間企業は預金を増やすことはあっても、お金を借りるということがありません。銀行としては貸し付ける先がないのです。

                   

                   そんな状況で今の銀行はどうやって稼いでいるのでしょうか?

                   

                  <日銀当座預金とマイナス金利のイメージ>

                   

                   上図は日銀当座預金のイメージ図です。

                   本来の日銀当座預金は、金利が付きません。そのため銀行は、法定準備率よりも多く預けることは通常ではあり得ません。デフレが長期にわたって続くため、貸出先がないにもかかわらず預金が集まってしまうため、仕方なく法定準備率以上の日銀当座預金を預けることになりました。この法定準備率を超える日銀当座預金は超過準備と呼ばれて、ブタ積み預金とも呼ばれました。何しろ利息が付かず収益を生み出さない預金だったからです。

                   

                   ところがこのブタ積み預金に、2008年10月から0.1%の金利が付与されることになりました。ある意味で銀行経営への補助金といってもいいでしょう。何もせずとも0.1%の金利が入ってくるからです。

                   

                   デフレを20年間放置してきたことで、今の銀行は日銀当座預金の超過準備に対する0.1%の補助金で経営が成り立っているというわけで、これもまたある意味で異常なのですが、銀行マンの努力不足というには無理があります。むしろ政府の無策を批判すべきです。

                   

                   こうした中、ATMの稼働率低下もあるので、他行と相互ATM解放すれば経費削減ができる!という判断が働いたかもしれません。しかしながらこうしたコスト削減だけでは、売上を伸ばすことはできないので、銀行経営の本質的な解決策とは言い難いといえます。

                   

                   

                   というわけで今日は「三菱UFJ銀行と三井住友銀行がATMを相互解放へ!」と題して論説しました。

                   銀行は資本主義の肺・心臓のようなものであるのですが、お金を借りる人がいないため、肺・心臓が止まっている状態ともいえます。いわば日本は資本主義が成立していないのです。資本主義とは借金を増やして経済成長していくのですが、政府が緊縮財政を継続する限り、民間がお金を借りてもビジネスが失敗する確率が高く、資金需要がないということになるわけです。

                   だから目先の利益を確保するためにATMの相互開放という話が出たのでしょうが、一刻も早く銀行がビジネスを展開できるようにするため、デフレ脱却を果たさないと、日本の銀行経営はメガバンクでさえもおかしくなってしまうという、そういう問題であることを改めて皆様にもご認識いただきたいと思います。

                   

                   

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                     今日は渋谷のハロウィンについて論説します。

                     

                     当日各地でイベントが開かれましたが、渋谷ではハロウィン本番前の日に、軽トラックが横転されるなどのトラブルが相次ぎました。

                     

                     ハロウィンの前日から警視庁が体制を強化して警備に当たったものの、痴漢や窃盗などでの逮捕者の他、相手を殴ったり警察官を殴ったりする事件も発生しました。

                     

                     渋谷には商店街がたくさんありますが、商店街の人たちは、渋谷の異常な騒ぎについて「怖い街」というレッテルを貼られるため、来年は禁止して欲しいという声まで出ました。

                     

                     一部のニュースによれば、通常ならば20:00までお店を開けているドラッグストアが、2時間早めにシャッターを閉めるという様相。何しろ物を売ることができないし、何かに巻き込まれるのもご免ということで早めに閉店してしまいました。

                     

                     まるで南アフリカで白昼の強盗を恐れる商店街がシャッターを下ろしているかのよう。何しろ今年に限らず、渋谷のハロウィンは暴徒です。

                     

                     アメリカやメキシコなど、地震が発生したときなど民衆が暴徒化して略奪するときがあります。いわば完全無秩序状態なわけですが、渋谷のハロウィンはそれに近い。これは昔の日本では起きなかった現象です。

                     

                     一部の人は、ハロウィンはある種のお祭りに近いという人もいますが、私は異論があります。

                     

                     ハロウィンはキリスト教のお祭りではありません。紀元前の古代ケルト人らによる秋の収穫を祝う行事だったのですが、現代は祝祭本来の宗教的な意味はなくなっており、キリスト教とも関係ありません。

                     

                     日本の全国で行われる祭りというのは、すべて神様を奉るお祭りです。大阪府岸和田市の「だんじり祭り」、長野県諏訪市の「御柱祭」などは、ある意味で渋谷のハロウィンよりも、激しく無秩序の状態になります。

                     

                    <岸和田市のだんじり祭り>

                    (出典:岸和田市のホームページから引用)

                     

                    <諏訪市の御柱祭>

                    (出典:諏訪大社のホームページから引用)

                     

                     上記の写真は、岸和田市のだんじり祭と、諏訪市の御柱祭です。写真をみれば日常とは違うのは明らかです。しかしながら、それは神様が真ん中にいて神様の下で許されている行為です。いわば、すごいレベルの神様を持ち出して日常のルールの一部を解除する。そこには神様がいる。神様が去ったらその無秩序は無くなるという構造ともいえます。

                     

                     ハロウィンも宗教的なものということをいう人がいますが、ハロウィンは完全に宗教観念とは関係なくなっているものであり、そうした日本の祭りの意味とか、ハロウィンの意味を知らない人たちが暴徒化して痴漢したり軽トラックをひっくり返したりしているのです。

                     

                     こうした報道をみていますと、ついに日本もこういう国になってしまったという落胆の気持ちが強くなります。

                     

                     日本はどれだけ盛り上がったり、暴れたりしても、学生が文化祭であれば校則があってそれを皆が守り、祭りでは神様がいてどこかでみんながつながっている。だから暴れていても、どこか冷静なところがあるわけなのですが、渋谷のハロウィンは完全にそれが無くなっているという感じがあります。

                     

                     もちろんゴミを拾ったり、静かににこやかに写真を撮る人もいるものの、そうでない人々も多い。集団心理現象が起きていて、全体を統制するマネジメント・コントロールする仕組みが、渋谷のハロウィンには存在しません。

                     

                    <渋谷で日本人か外国人か?大勢の暴徒が軽トラックを横転させる瞬間と横転直後の様子>

                    (出典:Youtubeの「ハロウィンでの問題シーン」から引用)

                     

                     上記が問題となっているシーンですが、今までの日本人ではあり得なかったことでしょう。この軽トラックが仮にも入ってはいけないところに入って、いわば道路交通法に違反していたり、違法駐車をしていたりというならば、まだわかります。

                     とはいえ、この問題のシーンは、普通に通行していいところに、大勢の人がいるというだけのこと。

                     

                     面白いというだけで、クラスメイトのいじめを全員でやるという無法状態と同じように、全員でやったというような話で、無法無秩序、この一言に尽きます。

                     

                     

                     というわけで今日は、今年2018年度の渋谷のハロウィンについて取り上げました。

                     軽トラック横転事故は、完全に日本社会が病んでいるといってもいいでしょう。何か規範が壊れてしまっているのが心配です。何しろ、財務省が暴走して公文書を偽装してみたり、政治家もめちゃくちゃなことをやっていたりしていれば、若者もこうなります。何もかも”ノリで!”などと言われ、ルールが全部壊れてしまっているようです。

                     平成の次の改元以降では、こうした無法無秩序が一掃されて、昔の日本に戻れるように、若者の雇用問題や低賃金問題に政治家が正しいマクロ経済政策を実行していただき、問題の答えを出していただきたいと思うのであります。

                     

                     

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                    電力サービス、空港サービスなど、大災害時にサービスを維持するために赤字になっても復旧作業できるのは、どういう場合か?

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                      JUGEMテーマ:反原発と愛国心

                       

                       今日は「電力サービス、空港サービスなど、大災害時にサービスを維持するために赤字になっても復旧作業できるのは、どういう場合か?」と題して論説します。

                       

                      1.発送電分離とは?

                      2.できない理由を並べる関西国際空港の運営会社「関西エアポート」に官邸が激怒!

                       

                       上記の2つの小題に分け、2020年4月から始まる発送電分離と、コンセッション方式で民営化された関西エアポートについて、取り上げたいと思います。

                       

                       

                       

                      1.発送電分離とは?

                       

                       そもそも発送電分離とは何か?ご存知でしょうか?

                       

                       発送電分離とは、発電会社と送電会社を分離させるということで、今の電力会社、例えば東京電力や北海道電力などの電力会社から発電所を切り離して別会社にし、送電会社は発電所を持たせないというルールのことをいいます。

                       

                       重要なことは「発電所を持ってはいけない」という法律になっているという点、即ち法的に発電会社と送電会社を分離しているということが重要な点です。また適正な競争関係を確保するためという理由で、取締役の兼業禁止等の行為規制も課せられています。

                       

                       この発送電分離によって、2020年4月以降、電力会社は「発電所を持たない」ということになります。

                       発電部門と送電部門が、それぞれ別会社になった場合、台風や大地震で停電した際に、速やかに復旧できるのでしょうか?という問題があります。

                       

                       私は3.11のとき、福島県いわき市に住んでいました。福島県といえば福島原発事故が起きたわけですが、福島県いわき市は3.11のときに震度6弱、4.11にも震度6弱が発生しました。3.11のときは小名浜で10メートルの津波が来て亡くなった人々がいましたが、4.11のときも土砂崩れが発生して亡くなった人がいました。そんな経験もした私ではありますが、記憶ベースでは、停電があったか?記憶が定かでないくらいであり、停電については北海道胆振地震による全域ブラックアウトほどの印象は薄いです。むしろ水道が何回も断水したという記憶があり、風呂場に水を何回も貯めたりといった記憶はあります。それとて、復旧はスピーディーでした。東北では、断水の記憶はあっても停電の記憶はないくらい電力サービスは強靭だったといえるかもしれません。

                       

                       電力の話に戻しますが、仮にも発電会社と送電会社が別々に存在しているという状態で、発電会社が倒れてしまった場合、送電会社は真剣に復旧活動をしてくれるのでしょうか?

                       

                       残念ながら復旧活動はスピーディーにはできなくなるでしょう。なぜならば、今は電力会社が発電会社と送電会社の両方をもって経営しているため、電力がギリギリで安定的に供給して需要に応じている状況です。復旧がスピーディーなのは、発電所から配電盤まで一つの会社で統合されているため、コントロールしやすく、電力マンがプライドを持って復旧作業をすることが可能です。要は電力会社の社内で何とかしているというわけなのですが、発送電分離が始まりますと社内で何とかなるというレベルではなくなります。何しろ、電力会社が発電会社と送電会社に分離されてしまうからです。

                       

                       これは原発再稼働問題と同様に、大変な問題です。そして2年後の2020年4月ということで、もう間もなく始まる状況であり、差し迫っているといえるでしょう。

                       

                       

                      2.できない理由を並べる関西国際空港の運営会社「関西エアポート」に官邸が激怒!

                       

                       台風21号で関西国際空港が浸水したのは記憶に新しいかと思います。空港の島と本州を結ぶ連絡橋にタンカーが衝突して往来不能となり、3000人近い人々が孤立した事件です。

                       

                       関西国際空港はコンセッション方式で、商流で一番上の事業の部分を民間企業が運営しています。民間は利益追求の株式会社組織であるため、あのような被害が発生したら、撤退を選択する可能性も十分にあり得ます。「頑張って連絡橋を復旧したとしても、それって利益になるの?」といわれたら、かなり困る話になることは容易かと思います。

                       

                       参考までに、関西国際空港の民営化で運営権を受託したのは、フランス系の外資企業でヴァンシ・エアポート・ジャパン社とオリックスです。

                       

                       外資系企業のヴァンシ・エアポート・ジャパン社は、災害発生時であっても日本の空港サービスを維持するために、赤字になってもお金をたくさんつぎ込んで頑張って復旧作業をするのでしょうか?普通に考えたら株式会社の立場であれば、損切撤退です。オリックスだって、日本企業とはいえ、損切撤退の選択肢があり得ます。

                       

                       台風21号では、こうしたコンセッション方式やらPFIで「水道法改正」などの公部門を民営化させることにおける問題点が一気に噴出したといえるでしょう。

                       

                       関西国際空港の大災害時における孤立状態は、以前から想定されていましたが、予算がないということで放置されていたものです。(関連記事「想定されていた関西国際空港の被害」)

                       

                       事故当時直後は、政府が一日も早い暫定再開を求めたものの、ヴァンシ・エアポート・ジャパン社とオリックスの合弁会社の関西エアポートからは、スピーディーな暫定再開ができない理由ばかりが述べられたとのこと。当時、オリックス出身の山谷佳之社長は大量輸送できる鉄道の早期回復が必要と主張しましたが、鉄道の再開は早くて1か月以上はかかるとみられていました。実際は2週間程度で再開したものの、できない理由しか並べない政府がしびれを切らし、政府主導で早期復旧させたのです。

                       

                       関西国際空港はインバウンドを担うインフラとなっていたこともあり、アベノミクスの成果に影響を与えかねないという懸念が政府主導となった理由です。

                       

                       

                       というわけで今日は「電力サービス、空港サービスなど、大災害時にサービスを維持するために赤字になっても復旧作業できるのは、どういう場合か?」と題して論説しました。

                       政府主導で早期回復となるならば、そもそも関西国際空港の運営を民間にやらせる必要はあったのでしょうか?関西国際空港のコンセッション方式も電力サービスの発送電分離も、災害がない、非常事態がないということを前提にしたものとしか言いようがありません。もし、災害がない、非常事態がないという前提に立つならば、ビジネスとして成り立つともいえますが、日本は世界屈指の自然災害大国です。

                       よくある論説に「民間の血を入れたらよくなる」という論説がありますが、そもそも「公務員がダメ!民間人は正しい!」というのは正しくありません。単に緊縮財政で予算が削減されて公務員が何もできないところに、民間企業や外資系企業が「私たちならば、〇〇なこともできますよ!」と営業しに来ただけの話。商業力だけの話であり、大災害時に赤字を覚悟で資金を投じてでもスピーディーな復旧ができるか?となれば、株式会社組織の利益追求では困難なのです。

                       竹中平蔵氏らが推奨したPFIやコンセッション方式は、まさにそこが盲点でした。と同時に「公務員がダメ!民間人が正しい!」という論調も緊縮財政の結果であって正しくないことを、多くの人々に気付いて欲しいと私は思うのです。

                       

                       

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                         今日は「中国の一帯一路の被害国を増やすことに手を貸す日本企業と、中国とのプロジェクトを決別宣言したマレーシア」と題し、先月2018/10/26(金)に中国の北京市・人民大会堂で開催された「日中第三国市場協力フォーラム」について取り上げ、一帯一路の問題点と、”今だけ金だけ自分だけ”の発想で、それをビジネスチャンスととらえる日本企業の愚かさを指摘したいと思います。

                         

                        1.日本企業が一帯一路に協力することは日本の国際的地位の凋落につながる!

                        2.中国に港を取られてしまったスリランカと、中国と距離を置くことに転換したマレーシアのマハティール首相

                         

                         上記2つを小題として、論説いたします。

                         

                         

                        1.日本企業が一帯一路に協力することは日本の国際的地位の凋落につながる!

                         

                         10/26(金)に安倍首相が中国を訪問し、李克強首相と会談しました。日中両首脳は、経済と安全保障で日中協力を新たな段階に進める考えで一致したとして、経済分野の協力で先端技術や知的財産保護を協議する枠組み新設で合意しました。

                         

                         この合意で、日本側は中国の広域経済圏構想の「一帯一路」に協力姿勢を示すこととなりました。

                         

                         具体的には、日本通運とシノトランス(中国外運)、みずほフィナンシャルグループとシノペック(中国石油化工業団)・中国海南省商務庁などなど、いろんな分野で52ものプロジェクトで協力覚書を交わしたのです。

                         

                        <中国の「一帯一路」構想>

                        (出典:中国中央電視台”CCTV”などから引用)

                         

                         

                         先々月2018/9/26(水)に日米首脳会談を行い、翌日27に公表された声明文で、グローバリズムルールを守らない中国に対して日米欧が連携を取って中国に対して強硬な姿勢を打ち出していたにもかかわらず、翌月の10/26(金)に経済分野で協力覚書を交わすというのは、さすがにトランプ大統領を愚弄している行為だと思います。中国との経済分野の協力を口実に、日米FTA(二国間協定)で、「農産品の関税をゼロにしろ!」とか、アベノミクスの金融緩和が「為替操作国認定する!」など、無茶苦茶を言ってくる可能性があります。

                         

                         日本が自国の主権に基づき、米国の要求を拒否することができたとしても、協力覚書を中国と交わすこと自体、日本の安全保障が危機に晒さられることになる点からも私はネガティブに考えます。

                         

                         そうしたことを踏まえ、2点指摘します。

                         

                         1点目は、日本政府がずっとここ10年以上すすめているインフラ輸出の延長線で、今回の覚書が締結されたという見方はあるかもしれません。

                         

                         インフラ輸出とは、そもそもどういうことなのでしょうか?

                         

                         国内の大手建設会社が十分に受注できていないという状況があり、それは日本国内に建設需要がないことを意味します。「日本国内には建設需要はないよ!だから生き残りたいなら海外で仕事をしなさい!」これをインフラ輸出という言葉でやってきました。

                         

                         もともと国内に十分な建設需要があれば、こうしたことをしなくて済んだということでもあります。では、日本国内に建設需要が本当にないのか?というと、いくらでも需要はあります。災害大国日本では、防波堤防潮堤、砂防ダム、耐震補強、校舎冷房設置など、インフラを海外に輸出する前に、日本の国土強靭化をまず最初にやるべきです。あるいは地方創生というのであれば、地方の新幹線整備や高速道路や港湾の整備も、災害時のパックアップルートとしても活用できる点からやるべきでしょう。

                         

                         日本には建設需要は無限にあって、いくらでもたくさんあるため、インフラ輸出なんてする暇がないはずです。普通に「建設国債」を発行してこうした需要を政府が創出すればいいだけの話であり、政府が内需を重視すれば解決することというのが1点目。

                         

                         2点目は、もし日本政府が内需を重視した経済政策を実施することで、中国の一帯一路に賛成しない場合、中国の一帯一路にブレーキがかかるかもしれません。一帯一路が完成すればするほど、日本と中国の国力の差は相対的に拡大します。ある意味で自ら自分の首を絞める事業ともいえます。

                         

                         インフラ輸出によって小銭とまではいいませんが、日本国家としてお金が一部入って少し儲かるかもしれませんが、世界全体あるいはアジア全体でみた場合、日本の国際的地位の低下を導きかねないものであるということも十分に配慮すべきでしょう。

                         

                         一帯一路は、世界的に評判がよくありません。なぜならば、第三国にインフラ整備を協力するものの、過剰に多額な債務を背負わせて、それが返済できなければ港を長期にわたって賃借する長期契約を締結させられるという手法を取ります。

                         

                         こうした中国の手法に日本企業が側面的に支援することになりかねないだけではなく、日本の国際的地位の低下を導きかねない点も踏まえますと、中国の一帯一路に積極的に協力するという姿勢は、改められるべきであると思うのです。

                         

                         

                         

                        2.中国に港を取られてしまったスリランカと、中国と距離を置くことに転換したマレーシアのマハティール首相

                         

                         中国の一帯一路の手法が国際的に批判される事例として、スリランカのハンバントタ港があげられます。

                         

                         スリランカはハンバントタ港を中国に整備してもらったものの、中国からの多額の債務に追い詰められ、港の運営権を中国に差し出すことになってしまいました。スリランカは、中国が進める一帯一路の被害国といえるでしょう。何しろ、長期契約でなんと99年間もハンバントタ港を中国に運営されることになってしまっているのです。

                         

                         少し古い記事ですが、産経新聞の記事です。

                        『産経新聞 2018/01/18 11:50 中国に運営権「植民地同然」スリランカのハンバントタ港 融資→多額の債務→99年間貸与

                         中国の援助で建設されたスリランカ南部ハンバントタ港。中国からの多額の債務に追い詰められたスリランカが運営権を中国に差し出したいわく付きの港だ。一帯では解雇を懸念する労働者によるストライキが断続的に起きており、異様なまでの警戒態勢が敷かれている。港は地域に何をもたらしたのか。中国が進める現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」が生み出す摩擦の現場を歩いた。(ハンバントタ 森浩)

                        (中略)

                         高台から港の全景をカメラに収めて離れようとした際、警備員が近づいてきた。「ここは敏感なエリアだ。写真を撮ることは受け入れられない」と、強い口調で迫られ写真を削除せざるを得なかった。中国とスリランカが主張する「商業的な港」とはかけ離れた実態がうかがい知れた。

                         5カ所ほどの出入り口があるが、どこにも警備員が立ち、目を光らせている。「かつて港は誰でも自由に入れたんだ。小さい頃はよく魚釣りをした。中国が来てから窮屈になった」と話すのはタクシー運転手のハトタさん(50)だ。海岸沿いに立ち並ぶ住居は空き家が目立ち、すべて港の拡大計画に伴って立ち退きを要求されたという。(後略)』

                         

                         このようにしてスリランカの港は、スリランカ人のものではなくなってしまいました。

                         

                         こうした中国のやり方に、国際社会は批判の声が強くなってきています。マレーシアでも中国寄りの政策を推進していたナジブが、汚職を一掃すると公約したマハティール敗れました。その後、2018/07/03にナジブ元大統領は中国から賄賂を受け取ったなどの疑惑で、マレーシアの捜査当局によって逮捕されています。

                         マハティール首相は、中国と強い関係を持ったナジブ政権が汚職で腐敗していたため、汚職を一掃すると公約していました。そして前首相を逮捕するとそのあと中国を訪問し、中国と共同のプロジェクトをすべて中止にしてしまいました。

                         

                         具体的には、マハティール氏は中国を訪問して「新植民地主義は望まない」とし、東海岸鉄道など大型鉄道整備事業、天然ガスのパイプラインプロジェクトなど、「中国主導の大型インフラ事業中止」を明言したのです。

                         

                         

                         というわけで今日は「中国の一帯一路の被害国を増やすことに手を貸す日本企業と、中国とのプロジェクトを決別宣言したマレーシア」と題して論説しました。

                         米国だけでなく、東南アジアからも批判の声が出ている一帯一路構想ですが、日本はそこに協力することになってしまいました。「自分だけが金儲けできればいいという発想」「金だけ今だけ自分だけ」という発想がいかに愚かしいか?ご理解できるのではないでしょうか?

                         こうした企業のせいで、米国から「コメの関税をゼロにしろ!」「米国に日本が輸出する乗用車だけじゃなく自動車部品も含めて関税を引き上げる」とか、日米FTAでも対応に苦慮する場面があるかもしれません。

                         それだけでなく、一帯一路が成功すれば、中国の国際的地位が上がり、日中格差、政治的経済的格差が拡大して、日本の国際的地位がさらに凋落するということも容易に予想できます。

                         安倍政権はそうしたことも配慮して外交すべきでしたが、中国に協力する結果を残した外交となってしまったのは、誠に遺憾なことと私は思うのです。

                         

                         

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                           今日は、「北海道の泊原発が震度2の地震で外部電源が喪失したというウソ」と題して論説します。

                           

                           私は決して原発推進ではありませんが、現実の問題を考えますと、マクロ経済的にもエネルギー安全保障的にも原子力発電所は稼働させるべきという立場です。

                           そのため、今年の北海道地震でのブラックアウトをきっかけに、電力サービス強靭化のために泊原発再稼働の議論が盛り上がるのでは?と期待していました。

                           

                           ところが一向に盛り上がる気配がありません。それどころか、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーについてポジティブに発言する人が多いと思います。

                           

                           再生可能エネルギーが素晴らしくて原発は廃炉すべきという論説は、電力供給サービスがどういうものか?を知っている人からみれば、全く間違った考えです。

                           

                           下記はAERAというサイトの記事です。

                          『AERAdot. 2018/09/06 14:16 震度2で電源喪失寸前だった北海道・泊原発「経産省と北電の災害対策はお粗末」地震学者

                          (前略)

                           「今回は内陸で起きた地震で、規模としてはそれほど大きなものではなかった。ただ、震源が深く、石狩低地帯は地盤が弱いところが多いため、地盤災害が広がったと思われます。余震も想定されることから、土砂崩れが起きる地域に住む人は警戒を続けてほしい。また、捜索活動を続ける人も、二次災害に気をつけてほしい」(岡村氏)
                           さらに、被災地を混乱させているのは295万戸におよぶ道内全域の停電だ。道内の信号機はストップし、固定電話や携帯電話がつながらない地域も出ている。
                           「2003年のニューヨーク大停電のとき、日本では複数の系統から電源を確保しているから、1つの発電所のトラブルが原因で広範囲の停電は起こりにくいシステムになっていると言われてきた。なぜ、こんなことが起きたのか。訓練も行われていなかったのか。今後、徹底した調査による原因究明が必要です」(岡村氏)
                           なかでも驚かされたのが、北海道電力の泊原発(泊村)で外部電源がすべて失われたことだ。泊村の震度は2。にもかかわらず、現在は非常用ディーゼル発電機で、燃料プールにある使用済み核燃料1527体の冷却を続けている。幸いにも、3基の原子炉は運転停止中だった。

                           2011年の東京電力福島第一原発事故による大きな教訓は、大規模災害が起きても「絶対に電源を切らさないこと」だったはずだ。それがなぜ、わずか震度2で電源喪失寸前まで追い込まれたのか。
                           「泊原発には3系統から外部電源が供給されていますが、北電の中で3つの変電所を分けていただけと思われる。北電全体がダウンしてしまえばバックアップにならないことがわかった。今回の地震で、揺れが小さくても外部電源の喪失が起きることを実証してしまった。『お粗末』と言うしかありません」(岡村氏)
                           北電によると、地震発生直後に同社最大の火力発電所、苫東厚真発電所が緊急停止。電力供給の需要と供給のバランスが崩れたことで周波数の低下が起き、他の発電所も運転が止まった。苫東厚真発電所の復旧は、少なくとも1週間かかるという。泊原発の非常用ディーゼル発電は最低7日間稼働できるというが、「事故にならなくてよかった」ではすまされない。
                           「北電だけの問題だけではなく、監督官庁である経産省や原子力規制委員会にも責任がある。このような事態が起きることを想定して、原発施設の電源確保の仕組みをチェックしていなかったということ。これは大問題です。近づく南海トラフ地震でも、すべての火力発電のブラックアウトを想定しておくべきです」(岡村氏)
                           現在、発電所の再稼働に向けて作業が行われているが、電力復旧のめどは立っていない。もし、泊原発で非常用のディーゼル発電が故障などで使えなかった場合は、“最後の砦”であるガスタービン電源車に頼らざるをえなかったことになる。今回の地震は「原発への電源供給」という災害対応の“基本中の基本”に問題があったことを明らかにした。(AERA dot. 編集部・西岡千史)』

                           

                           

                           言葉尻を取るのは本意ではないのですが、上述記事の赤線部をお読みいただき、皆様はどう思いますでしょうか?

                           

                           この記事の内容は、どう考えても原発に対してネガティブな記事としか言いようがありません。とはいえ、その内容が事実ならば、まだやむを得ません。

                           

                           「震度2の地震で外部電源が喪失した」記事にありますが、北海道全域がブラックアウトしたわけですから、外部電源が喪失するに決まっています。震度2の地震は、泊原発と直接の理由ではありません。「震度7の地震が苫東火力発電所を襲い、北海道全域がブラックアウトして、道内にあった泊原発の外部電源も喪失した」というのが真実です。

                           

                           震度2の地震は全然関係ないのに、あたかも震度2の地震で外部電源喪失したと煽って、原発再稼働を許さないような誘導をしているのでは?との疑義が濃厚です。

                           

                           それだけではありません。非常用電源を動かさざるを得なかったとも報じていますが、そうした非常事態のために非常用電源を置いているため、非常用電源を動かすのは当たり前の話です。

                           

                           記事後半ではディーゼル発電が故障したら、最後の砦のガスタービン電源車に頼らざるを得ないという書き方をしています。しかしながらこのネガティブな論説もまた違和感があります。

                           

                           むしろ停電したとしても原発への電源供給停止に対して「ディーゼル発電機」「ガスタービン電源車」と、非常時の備えとして2重のバックアップ体制を取っていることで、万一非常事態が発生すれば、そのときこそ、ディーゼル発電機、ガスタービン電源車の出番というだけの話ではないでしょうか?

                           

                           

                          <ガスタービン電源車>

                          (出典:明電舎のホームページから引用)

                           

                           

                          <図1:北海道胆振東部地震の震度>

                          (出典:「北海道胆振東部地震における大規模停電の発生について」の資料から引用)

                           

                          <図2:北海道地震発生震源地を中心に拡大したもの>

                          (出典:エレクトリカルジャパンから引用)

                           

                           

                           

                           

                           というわけで今日は「北海道の泊原発が震度2の地震で外部電源が喪失したというウソ」と題して論説しました。

                           再生可能エネルギーを称賛する人は多いと思うのですが、太陽光や風力で無理やり発電させ、電力会社に無理やり電力を買わせているというのが、再生可能エネルギー固定価格買取制度です。無理やり買わせた余分なコストは、私たちが「再エネ賦課金」として電気料金に上乗せされてコスト負担をしています。

                           再生可能エネルギー固定価格買取制度は単なるビジネスであり、いわゆるショックドクトリンという火事場泥棒に近い話です。ソフトバンクの孫正義氏が、菅直人が反原であることをいいことに原発を止めさせて火事場泥棒のごとく導入しましたが、その結果はどうでしょうか?

                           今年の台風21号、台風24号で、太陽光パネルが吹き飛ぶ事件が日本の全国で発生しています。台風を想定していなかったため、耐震基準も対台風基準もない新しい建築物だったため、全国で太陽光パネルが吹き飛びました。

                           その吹っ飛んだ太陽光パネルに、もし太陽が当たると発電してしまう危険性があります。パネルは単体で発電するため、パネル自体が発電するので大変危険です。しかも産業廃棄物としての処理方法が決まっておらず、どうするのか?解決策のメドが未だ存在しません。

                           北海道はこれから寒くなります。今この瞬間もまた大地震が来ないとは言い切れません。冬に北海道でブラックアウトとなれば寒さで凍死する人も出ることが予想されます。北海道民を自然災害から守るためにも原発は稼働しておくべきであると、改めて思うのです。

                           

                           

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                          中国の公平でないグローバリズムに強硬な姿勢をとる米国と、製造2025をビジネスチャンスと考えるアホな国

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                             今日は米中貿易戦争について取り上げたく、「中国の公平でないグローバリズムに強硬な姿勢をとる米国と、製造2025をビジネスチャンスと考えるアホな国」と題して論説します。

                             

                             米中貿易戦争は、どう終着するのか?日本への影響はどうなるのか?これは読者の皆さんも大変気になることでしょう。

                             

                             米国がここまで中国に対して強硬な態度をとる理由の一つに、ピーター・ナヴァロ氏の影響があげられると考えられます。

                             

                             ピーター・ナヴァロ氏は、2017/01/20にドナルド・トランプ大統領から指名を受け、ホワイトハウス国家通商会議ディレクターという役職です。このナヴァロ氏は、中国について猛烈に批判しています。

                             ナヴァロ氏は、具体的には中国共産党政府主導の中国経済と、市場主導の米国経済とでは、全くモデルが異なるとしています。

                             

                             中国は2001年12月にWTOに加盟しましたが、ナヴァロ氏は、中国はWTOに加盟したものの、経済開放が進まない状態で今日に至ったと指摘。2015年時点で、世界の自動車の3割、船舶の4割、テレビの6割、コンピュータの8割を生産して、世界の製造業を支配するに至ったとし、人工知能(AI)やロボット工学でも脅威になりつつある中国の知的財産権問題などの不公正な貿易慣行に対して、米国として早急に強硬に対処すべきであると主張してきました。

                             

                             そして、ナヴァロ氏は、2018年4月16日のウォール・ストリート・ジャーナル紙で、「中国の比較優位は偽物」とする寄稿文が掲載されました。

                             

                             「比較優位」というのは経済用語の一つであり、イギリスの経済学者のデビット・リカード氏が提唱した「比較優位論」というのがあります。

                             比較優位論は端的にいえば、関税障壁をなくして自由貿易を推進すれば、自由な交易によって双方で生産が増えて、両国とも豊かになれるというものです。以前、私も「比較優位論」を取り上げたことがありますので、詳細は、「「リカードの比較優位論」の欺瞞と国際貿易(池上彰の間違った解説!)」をご参照ください。

                             

                             なぜナヴァロ氏は「中国の比較優位は偽物」即ち、中国が礼讃する自由貿易が偽物であると主張したのか?その理由として下記を指摘しています。

                             

                            ●知的財産権の侵害

                            ●国内市場へのアクセスを交換条件とした外国企業に対する技術移転強要

                            ●高い関税障壁(例えば自動車関税は米国の10倍です。)

                            ●外国に厄介な事業免許要件や出資比率規制を課す

                            ●国有企業や政府が資金支援する企業に土地や資本を助成する

                            ●国内企業に対する無数の輸出補助金や寛大な税制優遇措置

                            ●為替介入による為替レート調整

                            ●政府系ファンドの活用

                             

                             これら列挙されたことは、おおよそグローバリズムとは相反し、むしろ自国保護の政策です。中国はグローバリズムを礼讃している一方で、不公正に自国を保護してきたのが実態といえます。

                             

                             トランプ大統領がなぜ米中貿易戦争を仕掛けたのか?それは、ナヴァロ氏が主張する中国アンフェアなグローバリズム批判の考えに基づき、中国に強硬な対策として米中貿易戦争に打って出たと考えることができるでしょう。

                             

                             米国が関税を引き上げる一方、中国は内需主導の経済成長へシフトしようとし、中国製造2025といった新たな政策を打ち出して、国力増強によって外需依存を引き下げようとしています。

                             その一つは鉄道投資について今年8/14、中国共産党政府が毎年6〜7兆円程度(日本の新幹線投資は毎年750億円程度)の投資額を1兆円積み増すと、日本経済新聞が報じました。

                             

                             その後、9/27に日米首脳会談が行われ、日米共同声明を出しています。その内容は下記の通りです。

                             

                            <2018年9月27日に行われた日米共同声明の全文>

                            (出典:外務省ホームページ)

                             

                             上記の赤枠で囲った6項がポイントです。「日米両国は、第三国の非市場志向型の政策や慣行から・・・」というくだりにある”第三国”がどこの国を指すのか?ご理解できるでしょう。もちろん中国です。

                             

                             さすがに名指しで中国とはせず、”第三国”という表現にしています。さらに注目すべきは、「知的財産の収奪」「強制的技術移転」「貿易歪曲的な産業補助金」「国有企業によって創り出される歪曲化」「過剰生産を含む不公正な貿易慣行」に対処するとしており、対処すべき5つの課題は、すべてナヴァロ氏の寄稿文で取り上げたものと一致します。

                             

                             そしてこうした課題に対して、日米または日米欧三極の協力を通じて緊密に作業すると締めています。

                             

                             要は米国は不公正なグローバリズムを続ける中国に対して、日本と欧州を巻き込んで一緒になってつぶしにかかるというのが目的であり、その内容が日米共同声明でうたわれているといえるでしょう。

                             

                             中国は2001年にWTOに加盟して以来、17年間もの間、不公正なグローバリズムで経済成長し、軍事力を強化させてきただけでなく、知的財産権を守らなかったりしてきました。それだけでなく、中国製品はどんどん輸出する一方、他国の製品は買わずに関税で守る。中国は日本や米国の土地は買えるが、日本と米国は中国の土地を買えない。中国で仕事をしたいなら技術供与しなさい。これが不公正なグローバリズムの概要です。

                             

                             これに対して米国が限界に達し、怒り心頭に達したと考えられるでしょう。中国は、中国製造2025という軍事力強化に結び付く製造力強化を宣言し、一帯一路のように帝国主義的なインフラ整備を進めていますが、こうした動きについて、米国は軍事目的と断定して攻撃し始めたのです。

                             

                             マスコミが米中貿易戦争を取り上げるときは、関税の部分だけを報道することがよくあるのですが、これまで知的財産権をどれだけ侵害したか?は、マスコミはほとんど報じていません。

                             

                             AIIBも流れが完全に変わりました。欧州でさえもAIIBから手を引き始めているのです。なぜそうした動きになったかといえば、AIIBから出てきた案件は、すべて中国企業が受注します。

                             

                             2018/08/20付のみずほ銀行のシンクタンク、みずほ総合研究所のレポートによれば、中国と経済関係を強化してきたドイツ政府は、中国企業によるドイツ企業の買収が自国の安全保障を危険に晒すとの警戒感を強めるようになり、外国企業によるドイツ企業買収の審査制度が強化されたそうです。

                             

                            <ドイツの対中直接投資残高>

                            (出典:みずほリポートから引用)

                             

                             上記グラフは、中国からドイツへの投資、ドイツから中国への直接投資残高の推移です。中国→ドイツの直接投資は、2011年頃から急速に急増し、2016年度で50億ユーロを超えています。50億ユーロは現在の日本円換算で約6兆5000億円です。こうした数字を把握した上での審査制度の強化だ考えれば、ドイツですら対中警戒状況に入っているといえるでしょう。

                             

                             そんな中で「アホな国」があります。「今こそ!ビジネスチャンス!」と意気込んだ大企業などの要職幹部700人ほどが、2018/10/26に北京市で、経済プロジェクトで52もの覚書を交わしました。

                             

                             2018/09/27の日米首脳会談での日米共同声明の中身をみれば、「対中国規制が必要!」と声を上げるべきなのですが、「今だけ、カネだけ、自分たちの代だけ」という経団連企業の幹部たちは、なんと中国の企業や政府関係機関や経済団体と協力覚書を52件も締結したのでした。

                             

                             

                             というわけで「アホな国」は日本といいたいわけですが、理由がわかるでしょうか?ナヴァロ氏の中国批判を考えれば、普通に「対中国規制が必要!」となるべきところ、真逆のことをやっているからです。

                             この52の協力覚書の締結を、トランプ政権がどのように思うか?

                             9/27に共同声明を出した後の10/26に経済協力の覚書締結をしたとなれば、トランプ政権は、日本が中国の不正なグローバリズムに手を貸しているということで、しっぺ返しをするのでは?と危惧しています。

                             例えば二国間協定で、コメの関税をゼロにしろとか、無茶苦茶に言ってくる可能性が十分にあり得ます。だから経団連の企業幹部が52もの協力覚書を締結したという行為は、米国の怒りを買う可能性がある愚弄した行為というだけでなく、仮想敵国中国に対して技術供与を含めて敵に塩を送る行為でもあり、愚かなことだと私は思うのです。

                             

                             

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                            内部留保に課税をかけるのは私的財産権の侵害だからダメです!

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                               今日は「内部留保に課税をかけるのは私的財産権の侵害だからダメです!」と題して論説します。

                               

                               企業の利益剰余金、即ち内部留保は第二次安倍政権が誕生して以降、企業の内部留保が着実に増加を続けている旨のニュースを紹介します。

                               

                              『朝日新聞 2018/09/04 企業の内部留保、6年連続で最大 446兆円、設備投資は低調

                               日本企業の2017年度の「内部留保」が6年連続で過去最高を更新した。世界的な景気回復で企業の利益も過去最高水準だが、設備投資や賃上げに慎重な姿勢が続いているからだ。アベノミクスがめざす経済の好循環には至っていない。

                               財務省が3日に公表した法人企業統計では、17年度の企業(金融業、保険業を除く)の利益剰余金、いわゆる「内部留保」は前年度比9・9%増の446兆4844億円。第2次安倍政権が発足する前の11年度末から約164兆円増えた。

                               背景にあるのは、利益の割に低調な設備投資と賃上げだ。企業の経常利益は前年度比11・4%増の83兆5543億円。比較可能な1960年度以降で最大となったが、国内の設備投資額は同5・8%増の45兆4475億円にとどまる。

                               設備投資は今回、リーマン・ショック直前の07年度の水準を上回ったものの、利益の伸びに比べると、力強さに欠ける。厚生労働省の調査では、17年度の実質賃金指数も前年より0・2%減少している。

                               この日、同時に発表された18年4〜6月期の国内設備投資額は、半導体関連が好調で前年同期比12・8%増の10兆6613億円と、足元では高い伸びを示している。ただ、みずほ総合研究所の大野晴香氏は「企業の手元資金に対する設備投資の水準は、過去に比べるとだいぶ低い。国内市場の成熟で、収益が増えても、企業が自信を持って投資できる案件は限られている」と指摘している。(笠井哲也)』

                               

                               上記の記事の通り、2017年度で利益剰余金が446兆4,844億円に達したとのこと。第2次安倍政権が誕生する2011年度末から約164兆円増加と報じられています。

                               

                               なぜ企業が内部留保を貯め込むのか?これは「デフレだから!」という理由に他なりません。デフレ環境では、モノ・サービスを値下げしないと売れないという環境ですので、投資しても儲かりにくい環境であるためです。いうまでもなく、内部留保を貯め込もうとする企業が、銀行借り入れまでして投資しようとも思うわけがなく、それが金利低下の主因であるともいえます。

                               

                               一方で、給料は0.6%程度の上昇。この上昇率をはるかに上回る増税で家計からの支出は増え、可処分所得は減少を続けました。労働分配率は7年ほど前は70%台だったのですが、アベノミクス後は60%台に落ち込みました。

                               

                               こうしたニュースが出ると、「内部留保に課税すればいい!」ということをいう人がいるのですが、私は内部留保への課税には大反対です。内部留保の課税は、私有財産の保有を認めないというコンセプトと同じです。これは共産主義と同じです。

                               

                               消費増税しなくても、446兆円もある内部留保に1%課税すれば4.5兆円近く税収が増えるというのは、確かに数字上ではそうなります。

                               

                               とはいえ、そもそも労働分配率が下がり、企業が稼いだ所得から人件費に回る割合が減少して、内部留保(企業の現預金)がひたすら増え続け、実質賃金はマイナスという状況が、現在の日本です。この状況は、誰が優遇されているのか?といえば、外国人を含めた株主が優遇された結果です。

                               

                              <上場企業の配当金と当期純利益の推移(1960年〜2016年)>

                              (出典:財務総合政策研究所のサイトから引用)

                               

                               1990年〜2001年頃まで5兆円前後で推移していましたが、2002年から上昇をはじめ、2006年には15兆円を超えました。その後2010年頃まで10兆円に減少しましたが、その後また上昇に転じ、2014年にはグラフでみると15兆円を超えています。

                               内部留保も増えていますが、配当金の増え方も異常な伸び率です。新聞記事では内部留保が増えていることだけを取り上げていますが、配当金の増え方の異常さも報道してもよいのでは?と思います。

                               

                               私の価値観として、賃金を抑制して配当を増やすというのは、賛同できる価値観ではありません。賃金を増やして配当金を増やすならまだ認めますが、賃金を抑制してその分を配当で還元するというのは、目先のお金だけを着目した価値観だと思うからです。

                               

                               とはいえ、安倍政権の政策は、そのベクトルで動いているといわざるを得ないでしょう。だからこそ、経団連の「外国人労働者受入」というロビー活動にも甘んじています。外国人労働者受入は、人件費を引き下げて利益を出しやすい環境になるからです。

                               

                               安倍政権の政策のベクトルが間違っているとしたとして、外国人労働者の受入はどんな理由があっても反対です。かといって内部留446兆円に対して課税することについても私は反対の立場です。内部留保に課税するというのは、一見シンプルでわかりやすいという意見もあるかと思いますが、私有財産権の侵害であり、日本は共産主義国ではないから、絶対にやってはいけないことと思うのです。

                               

                               

                               というわけで今日は「内部留保に課税をかけるのは私的財産権の侵害だからダメです!」と題して論説しました。

                               本来安倍政権がすべき政策とは何か?それは、企業が内部留保を取り崩してでも投資ができるような環境を作ることです。即ちデフレ脱却ということになります。デフレは、モノ・サービスを値下げしないと売れにくい環境ですので、内部留保を取り崩すことはおろか、銀行借入すらしようと思う企業も少なくなります。マイナス金利を導入せざるを得ないくらい長期金利がずっと右肩下がりとなっていることは、その証左です。

                               銀行借入してまでも内部留保をすべて取り崩してでも投資がガンガンできるようにしやすい環境を作ること、それには日本政府による「政府支出増」でしか成し得ません。「政府支出増」によって他の民間ビジネスの需要がキャンセルされるというマンデルフレミングモデルについても、「国債増刷」のパッケージであれば、その指摘に及ばず、デフレ脱却を果たすことができるものと私は思います。

                               

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                              KYBの免振・制振装置の検査データ改ざん問題

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                                JUGEMテーマ:経営

                                 

                                 今日は「KYBの免振・制振装置の検査データ改ざん問題」と題して論説します。

                                 

                                 KYB(証券コード:7242)がどういう会社か?みてみましょう。

                                 

                                『東洋経済新聞社 会社四季報 2018/10/31号

                                【特色】1948年設立の油圧部品メーカー。 自動車用ショックアブソーバと 建設機械用シリンダー、 ポンプが中心。 バイク用や鉄道用、 防衛省の航 空機用の油圧機器も製造。 自動車用ショックアブソーバは国内シェア6割。 筆頭株主のトヨタ自動車が主取引先だが、 内外でカー用品店を通じた市 販も。 建設機械用油圧機器ではパワーショベル用シリンダで高シェア。 ミ キサー車製造も。 国内は岐阜県に主力工場。 中国、 北米、 スペイン、 チェコ、 タイ、 メキシコなどで生産。』

                                 

                                <最新業績情報>

                                (出典:日興コーディアル証券)

                                 

                                 

                                 上記の通り、KYBという会社は、自動車用のショックアブソーバー、建設機械用シリンダーなど、交通インフラをはじめとする機械や防衛省用の航空機用の油圧機器まで手掛けているという点で、日本にとって存在が不可欠な会社であるといえます。何しろ自動車用のショックアブソーバーは国内シェア6割です。

                                 

                                 そのKYBで、免振・制振装置の検査データに改ざんがあったというこの事件は、大変残念なことと思います。

                                 

                                 2018/10/16付の適時開示情報において、KYB社とその子会社が製造した免振・制振装置に、検査データの改ざんがあり、国交省の基準や顧客の性能基準に合わない製品を出荷していたと発表しました。

                                 

                                 不適合の疑いがあるものとして、マンション、病院、庁舎など、全国47都道府県の建物およそ1,000件で使われているとのこと。国交省によれば、震度7程度の地震でも倒壊する恐れはなく、安全性に問題はないとしていますが、仮に揺れが大きくなったり、取り付けている部品が少し壊れたりする可能性もあり得るため、決して安心できるものではないでしょう。

                                 

                                 東洋ゴム工業の免振ゴムでも事件が発生しましたが、「またか!」と思われた方も多いかと思います。もちろん改ざんというカテゴリーで考えれば、日産自動車、神戸製鋼、日本ガイシなどもありました。

                                 

                                 少し話し戻しますが、そもそも多くの建物において、免振・制振装置を付けることはありません。とはいえ、この建物は絶対に倒壊してはいけないということで、敢えて追加の費用を払って免振・制振装置を付けていくという経緯があります。

                                 そのため、それが基準に満たしてなかったとなれば、何のために装置を付けたのか?ということになるわけです。

                                 

                                 KYBによれば、2000年3月〜2018年9月までに製造されたもので、具体的には「オイルダンバー」「免振・制振の油圧」に改ざんの疑いがあったとのこと。2000年3月となれば、実に18年間も・・・ということになります。

                                 

                                 この免振・制振装置を付ければということで、病院などの建物の揺れが少ないという安心を生むはずなのに、18年間も裏切られ続けてきたというのは、大変ショックな話です。

                                 

                                 KYBのこの事件で一ついえることがあるとすれば、たとえ基準を満たさなかったとしても、技術者側に一定の最低限のモラルがあれば、「基準は厳しいから少し基準に満たなくても、この程度なら大丈夫であろう!」という職人的な感覚があってこうした事件になったのか、そもそも「そんなの関係ねー!やっちゃえ!」と職人的な感覚なしでこうした事件になったのか?データ改ざんのランクがどの程度なのか?ということです。

                                 

                                 もちろんコンプライアンス基準が厳しすぎるから大丈夫だろうということでやったとしても、コンプライアンス上は法令違反ということになりますが、改ざんのランクがどの程度なのか?は個人的に気になるところです。

                                 

                                 また、大地震がきたときに倒壊するか否か?も重要ですが、改ざんの手口は、性能検査で適正なデータが出ない場合に、検査員がデータに不適正な係数を加えて、適正な数値になるよう操作していました。なぜそんなことをしたのか?といえば、納期を意識して書き換えたという証言があります。

                                 

                                 製造したダンパーは販売前に検査し、そこで国の基準と顧客が求める性能を満たさなかった場合は、バンパーをもう一回分解して調整して改めて検査するということを繰り返します。これには5時間程度かかってしまうため、納期に間に合わないというケースが想定されます。そこで時間を省くために改ざんを行ったという証言があるのです。

                                 

                                 今回の改ざんのランクが、多少改ざんしたが大丈夫なレベルなのか?データに加えた不適正な係数とやらば、「まぁぶっちゃけ大丈夫な係数!」なのか「トンデモ係数!」なのかによって、対応がかなり変わることになるでしょう。

                                 

                                 今日この瞬間に大地震がきたときに倒壊するか否か?でいえば、係数がどの程度の係数なのか?は非常に大事です。コンプライアンス的も法律的にもアウトだったとしても、職人からみて「ぶっちゃけ大丈夫係数」であれば倒壊しないだろうということであれば、まだましといえるからです。

                                 

                                 とはいえ、早く速やかに取り換えしなければなりません。なぜならば、免振制振は普通の建築物には付けません。大体は耐震が必須と考えられる病院や庁舎などの重要な建築物につけるものだからです。

                                 例えば、スカイツリーが大地震でポキッと折れるようなことがあれば、大災害となって大変なことになります。決して笑い事ではなく、これはダメです。

                                 

                                 

                                 というわけで今日は「KYBの免振・制振装置の検査データ改ざん問題」について取り上げました。

                                 免振・制振装置は、消防署などの災害発生時に危険となるようなところにも入れています。本当ならば、建築の耐震技術の専門家らが、「コンプライアンス上、法令上は基準未達だが、この程度の係数であれば大丈夫!」といってくれれば少し安心できます。

                                 KYBは東証1部上場企業であり、ショックアブソーバーは日本国内で6割のシェアで世界でも2割が搭載されているといわれています。もちろん免振・制振装置もトップクラスです。

                                 証言では納期が原因ということでありますが、納期が遅れてもある意味仕方ない話であり、納期の遅れを恐れて装置を入れ直すとなれば、それぞれの建物でオフィスの人がいったん外に出なければいけないということも想定されます。

                                 たった5時間をケチったことでとんでもない損害が発生することになることが予想され、今回の事件が経営や社会にどのような影響を与えるのか?気になるところです。

                                 

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                                   今日は「消費税10%で日本は発展途上国化が加速する!」と題して論説します。

                                   

                                   私は従来からデフレ状況での消費増税には反対の立場です。逆にインフレ状態であれば消費増税も政策の一つとして有効と考えます。例えば、消費者物価指数がコアコアCPI(生鮮食品とエネルギーの価格変動を除く消費者物価指数)でプラス7%程度、GDPデフレーターでプラス7%程度という状況であれば、むしろ消費増税したほうがいいです。諸外国をみても、負債を増やしながら経済成長し、例えば北欧のスウェーデン、デンマーク、ノルウェーが消費税率25%を筆頭に、イタリアが22%、ベルギー、オランダが21%と続きます。

                                   

                                   欧州の主要国で消費税が20%台なので、日本も消費増税は10%どころかもっと引き上げるべきという意見は、日本がデフレであるという点を見落としています。デフレで消費税率を引き上げた場合、間違いなく経済縮小で経済成長はおろか、日本の発展途上国化が加速します。

                                   

                                   2019年10月に予定されている10%への消費増税については、下記の3つを主な理由として私は反対の立場です。

                                  ●引き続き日本がデフレであること

                                  ●需要縮減策(働き方改革による残業規制、オリンピック特需の減少)の目白押しでタイミングが悪いこと

                                  ●内閣官房参与の藤井聡先生の指摘による10%という数値がもたらす心理的インパクト

                                   

                                   今に限らないかもしれませんが、日本には勢いがありません。中国にGDPで抜かれ、所得もどんどん減少しています。何しろ、中国のファーウェイは、昨年夏の日本国内事業における新卒募集で、初任給40万円で募集していることが話題になりました。

                                   

                                   私は1996年4月に社会人になったのですが、平均して初任給は20万円。銀行が174000円だったことを記憶しています。私が大卒で入社した損害保険会社も20万円台でしたが、家電製品の日立や東芝や富士通やNECなども20万円前後だったと思います。

                                   

                                   1997年に橋本政権による構造改革基本法制定以来、日本はデフレに突入するのですが、20年以上たった今、初任給は20万円ちょっとでほとんど変わらない水準です。これはこの20年間経済成長していなかったことそのものだといえるでしょう。

                                   

                                   今の若い人だけでなく、バブルを経験した世代にしても、「バブル時代はよかったな!」「高度経済成長時代はよかったな!」と思う人がいる一方、「でも2度と私たちは、あのような高度経済成長はできないだろうな!」と自虐的に考える人々は多いと思われます。

                                   

                                   こうした風潮は全て消費増税が原因と私は断定します。

                                   

                                   1997年の消費増税5%がまずかったのは、バブル崩壊後であったことと、消費増税以外に公共事業削減、医療費削減という需要削減をしたことが原因です。公共事業・医療介護費の削減は、いずれも需要削減のデフレ促進策でインフレ対策です。

                                   

                                   日本がバブル絶頂で経済成長率が高いときであれば、消費増税に加え、そうした需要削減策もありです。とはいえ、日本は災害大国であるため、地震対策による耐震化、津波高潮対策による防波堤防潮堤整備、火山噴火予知やゲリラ豪雨予測などの応用技術分野が広いスパコン事業、イージス艦建造や戦車製造などの防衛事業など、生産年齢人口の減少や総人口の減少があっても需要が減ることはありません。こうした事業に対しては、たとえ高インフレという環境を受け入れてでも、継続していく必要があるものと考えることもできます。

                                   

                                   日本は他国と比較して高貯蓄率と言われることがありますが、このルーツについてもいろんな説がありますが、とりわけ戦時中の経済を要因とするルーツについては、戦時中に貯蓄が奨励され、国民の購買力を抑えることを国家として推奨しました。

                                   

                                   戦争するとなれば、購買力の多くを軍事産業の製造業者に与え、限られた人・モノ・カネを集中する必要が出てきます。このとき個人が消費する商品もサービスも減少させなければなりません。

                                   もし、消費者が賃金が伸びていて、実質消費が増えていて、かつ平時の状態を続けていれば、軍事産業と競うこととなって物価がさらに上昇します。その結果、物資を調達するための戦費の高騰を招き、最悪は高インフレ率という形で国民の不満が高まる恐れがありました。その時の解決策とは何か?といえば、貯蓄奨励でした。

                                   

                                   1938年4月、貯蓄率をGDPの30%まで引き上げることを目的として、「全国貯蓄奨励運動」というものが始まりました。貯蓄奨励委員会や貯蓄組合が、全国の役所や民間企業、一般労働者や隣組などに続々と生まれたのです。国民貯蓄奨励員会は日本銀行内に作られ、貯蓄のほとんどは国債や郵便貯金や銀行預金となりました。こうして貯蓄が奨励されることで消費を抑制し、物価の上昇を抑えました。

                                   

                                   いざ戦争になれば、日本語をしゃべられる人は、「おいおい!フリーターとかニートとかやっている場合じゃないよ!戦おうよ!」ということになり、お金をもらって国のために働くことになります。徴兵とはそういうことです。若者はお金を貯めることができるのですが、それを旺盛に消費しようとなると、物価上昇に拍車がかかるため、貯蓄奨励をすすめられたのです。それはそれで、お金が貯められて、いい時代だったのかもしれません。

                                   

                                   少し話を戻しますが、今の日本ではGDP530兆円の6割が個人消費を占めます。この消費そのものを削減するというのが消費増税です。そのため消費増税すればするほど、GDPの半分以上である6割をも占める消費を、過去にわたって削減してきたということになります。

                                   

                                   逆に消費増税さえしなければ、現在の日本は、中国と対等どころか、中国に負けない経済大国になっていた可能性が高いといえます。ひょっとすれば米国と対等くらいの経済力を持っていた可能性ですら、あり得ます。

                                   

                                   米国製品のグーグルとかアップルなど、米国の舶来品をすごいと思っている人々は多いと思うのですが、仮に経済大国となって米国と対等の経済力があれば、グーグルやアップルに変わって日本のシャープやソニーが世界を支配していた可能性もあるのでは?と思っています。

                                   

                                   今はトヨタ自動車だけが世界を支配してシェアを取っている状況ですが、トヨタのみならずあらゆる分野で日本企業が世界を席巻していた可能性は十分にあり、20代〜30代の非正規社員や貧困女子などというものは、全く発生しなかった可能性も十分にあります。

                                   

                                   昨今、インバウンドでお金を稼ごう!という風潮があります。どちらかといえば私はインバウンドは嫌いです。もし、消費増税していなければ、経済成長を続けて物価が高い状況になるため、いろんなものが高くて立派な国となって、外国人は日本に来日できないでしょう。

                                   

                                   昔のバブルの頃、物価が高いために外国人は来日できませんでした。今、来日している外国人は、かつての日本人がフィリピンやタイに行ったら物価が安いということで東南アジアに行くのと同じような気持ちで来日しているだけです。

                                   

                                   消費増税さえしなければ、今の日本の状況は全然違っていたでしょうし、日本人がみんなお金をたくさん持っていたことになるでしょうから、子どもも一人だけではなく、二人目、三人目と産む人もたくさんいたことでしょう。となれば、少子化だって起きなかったに違いません。

                                   

                                   日本の消費増税によって、日本は、とてつもなくダメな国になり、発展途上国化してきました。今度の消費増税10%は、日本をさらにもう1ランク下の国に格下げしていく可能性があります。このまま消費増税した場合、2040年頃にはメキシコやインドネシア程度の貧困国に日本は落ちぶれていくことでしょう。

                                   

                                   

                                   というわけで今日は「消費税10%で日本は発展途上国化がさらに加速する!」と題して論説しました。

                                   日本国民は消費増税が日本を根本からダメにしているということを知らなすぎであると私は思います。読者の皆様にはぜひとも「消費増税は”ヤバイ”」ことを認識していただき、消費増税すべきという国会議員は落選させなければならないということを知っていただきたい。

                                   消費税を社会保障に充当するというのは、すべてデマであり、社会保障費は経済成長することでおつりが十分に出ます。なぜならば日本は税収弾性値が3〜4であり、名目GDPの伸びに対して税収は3倍〜4倍にもなるから。事実として、第二次安倍政権発足時、2013年度は国土強靭化で公共事業費を増やしたため、名目GDPで△1.9%となり、税収は△6.9%も増えました。ところが、その後、消費増税をはじめとする緊縮財政を始めたため、景気は失速しました。

                                   社会保障制度の維持という目的もまた、デフレ脱却で経済成長こそが解決策であるということなのです。だから消費増税をしなければ、昔のままの社会保障制度を、高齢化社会が進行していたとしても完全に維持することができたといえます。

                                   家計簿発想による緊縮財政・増税思考をもつ愚かな財務省職員らが、マスコミを使って巧みなプロパガンダで日本国民を陥れているともいえます。経済成長すれば税収弾性値によって経済成長率以上に税収は増えます。

                                   マスコミどもは財務省のプロパガンダにやられていますが、本当は消費増税は何も決まっていないということを今一度皆様にはご理解いただきたいと思うのです。


                                  輸出戻し税について

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                                    JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

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                                     今日は「輸出戻し税」というものをご紹介いたします。

                                     

                                     経団連の中西氏は、消費増税に前向きなコメントをしています。トヨタ自動車の豊田章男社長は、消費増税のたびに自動車市場の国内需要が減っているとして自動車税の軽減について触れました。

                                     

                                     豊田章男社長は、消費増税で消費が落ち込むという認識をしているわけですが、中西氏は消費が落ち込む落ち込まないに関係なく、消費増税に大歓迎というスタンスです。

                                     

                                    『日本経済新聞 2018/10/15 19:45 経団連会長、消費増税表明を歓迎 10%超の議論「今ではない」     

                                     経団連の中西宏明会長は15日、都内で記者団の取材に応じ、安倍晋三首相が2019年10月に消費税率を予定通り8%から10%へ引き上げると表明したことを受け、「歓迎する。景気対策も同時に考えていただけるということでいい宣言だった」と述べた。

                                     先進国で最悪水準の財政状況を考えると、10%超に引き上げる議論が必要ではないかとの問いに対しては、「今言うべき話ではない。まずは10%にきちっと上げることが非常に重要でステップを踏むことが大事だ」と話した。

                                     日本商工会議所の三村明夫会頭は「引き上げ前後の需要変動に対する平準化対策の一環として検討するガイドラインの策定にあたっては、中小企業の円滑な価格転嫁が損なわれることがないよう十分に配慮していただきたい」と要望した。

                                     経済同友会の小林喜光代表幹事は「財政健全化目標とバランスのとれた需要平準化策の具体化を進めていただきたい」とした。』

                                     

                                     

                                     なぜ中西会長をはじめ、大企業は消費増税に賛成なのでしょうか?

                                     その理由の一つとして「輸出戻し税」の税還付を指摘する人がいますが、輸出戻し税とは、いったい何なのでしょうか?

                                     

                                     

                                    1.消費税の始まりについて

                                    2.輸出戻し税の概要とその問題点

                                    3.輸出戻し税で相対的に大企業が有利とされる言説について

                                     

                                     上記の順で「輸出戻し税」の問題点を論じます。

                                     

                                     

                                     

                                    1.消費税の始まりについて

                                     

                                     米国では、州税という付加価値税がある一方で、米国国家として課税する付加価値税制度が存在しません。即ち米国には国家として課税する消費税というものがないのです。

                                     

                                     消費税が導入されたのはフランスが世界で初めてなのですが、導入された背景としては、フランス政府が自動車メーカーのルノーを支援するためだったという説があります。ルノーといえば、日本の自動車メーカー日産自動車(証券コード:7201)の親会社です。

                                     

                                     フランスにおける消費税導入は、日本のように直間比率是正(直接税と間接税の歳入の比率について、法人税や所得税の比率を下げて消費税の比率を引き上げること)やら財政再建などということを目的に導入したわけではありません。

                                     

                                     では、フランスで導入された消費税がルノーを支援するというのは、どういうことなのでしょうか?

                                     

                                     GATT体制下において、輸出企業に対して政府が助成金を出すことはできません。そこで輸出を振興させたいフランス政府が付加価値税の仕組みを考え、ルノーに堂々と「事実上の補助金」を出すべく、付加価値税を国民に課税したことが現在広まった消費税の始まりだったとする言説があります。

                                     

                                     GATTとは「ガット」といい、General Agreement on Tariffs and Trade の略で、日本語で「関税及び貿易に関する一般協定」と訳します。ガットは国内産業育成のための保護手段として関税のみを認めてきました。ガット締結国は、関税引き下げのための二国間交渉ではなく、多数国間交渉のほうが効率的であるとし、多角的貿易交渉によって関税を引き下げてきたという経緯があります。初めての多国間貿易交渉は第一回、スイスのジュネーブで1947年に行われ、23か国45,000品目において、関税引き下げの措置が行われました。

                                     

                                     

                                     

                                    2.輸出戻し税の概要とその問題点

                                     

                                    日本の消費税法第7条に輸出免税に関する記載があります。

                                    『(輸出免税等)

                                    第7条 事業者(第9条第1項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く)が国内において行う課税資産の譲渡等のうち、次に掲げるものに該当するものについては、消費税を免除する。

                                    一 本邦からの輸出として行われる資産の譲渡又は貸付け(後略)』

                                     

                                     消費税は、外国の消費者に負担させてはいけないという考え方があります。これはGATTが消費地課税主義という考え方に基づいているためであり、輸出製品に対する消費税は免除されます。即ち海外に輸出したものは、消費税が免除されるのです。

                                     

                                     

                                    (1)消費税8%で1台200万円の自動車を国内販売した場合のシミュレーション

                                     

                                    <図 Ь暖饑韮検鵑韮餌罍横娃伊円の自動車を国内販売した場合>

                                     

                                     上図,蓮⇔磴┐丱肇茱深動車や日産自動車をはじめとする自動車メーカーが自動車部品を100万円で購入し、自動車メーカーが組み立てて200万円で日本国内の消費者に販売した場合のイメージ図です。

                                     

                                     日本国内で販売した場合は、消費地課税主義に基づき、国内の購入者は消費税16万円を負担します。これを自動車メーカーと部品メーカーのそれぞれに分解してみましょう。

                                     

                                     自動車メーカー(自動車の組立製造と組立後完成車両の販売)の付加価値200万円×8%(消費税率)=16万円

                                     自動車部品メーカー(自動車部品の製造と自動車メーカーへの販売)の付加価値100万円×8%(消費税率)=8万円

                                     

                                     お金の流れは下記の通りです。

                                    ●自動車部品メーカーは自動車メーカーから消費税込み108万円受領する

                                    ●自動車部品メーカーは消費税8万円を消費税として納付する

                                    ●自動車メーカーは自動車部品メーカーに対して、部品代100万円と消費税8万円を合わせた108万円を支払う

                                    ●自動車メーカーは国内消費者から消費税込み販売価格216万円受領する

                                    ●自動車メーカーは消費税8万円を消費税として納付する

                                     

                                     このようにして、自動車メーカーは8万円、自動車部品メーカーは8万円の消費税をそれぞれ納付します。

                                     

                                     参考までに、この場合の自動車メーカーの売上総利益(粗利益≒GDP)は、売上高200万円ー売上原価100万円=100万円となります。

                                     

                                     

                                    (2)消費税8%で1台200万円の自動車を海外へ輸出販売した場合のシミュレーション

                                     

                                    <図◆В餌罍横娃伊円の自動車を海外へ輸出販売した場合>

                                     

                                     上図△蓮⇔磴┐丱肇茱深動車や日産自動車をはじめとする自動車メーカーが自動車部品を100万円で購入し、自動車メーカーが組み立てて200万円で海外の消費者に輸出販売した場合のイメージ図です。

                                     

                                     海外に輸出販売した場合は、消費地課税主義に基づき、海外の購入者は消費税16万円の課税はありません。この場合、自動車メーカーと自動車部品メーカーでお金の流れを分解しますと下記の通りです。

                                     

                                    自動車メーカー(自動車の組立製造と組立後完成車両の販売)の付加価値200万円×0%(消費税率)=0万円

                                    自動車部品メーカー(自動車部品の製造と自動車メーカーへの販売)の付加価値100万円×8%(消費税率)=8万円

                                     

                                    お金の流れは下記の通りです。

                                    ●自動車部品メーカーは自動車メーカーから消費税込み108万円受領する

                                    ●自動車部品メーカーは消費税8万円を消費税として納付する

                                    ●自動車メーカーは自動車部品メーカーに対して、部品代100万円と消費税8万円を合わせた108万円を支払う

                                    ●自動車メーカーは海外消費者から販売価格200万円受領する

                                    ●自動車メーカーは輸出戻し税8万円の税還付を受ける

                                     

                                     このようにして、自動車メーカーは輸出戻し税による8万円の税還付を受ける一方、自動車部品メーカーは8万円の消費税を納付します。

                                     

                                     参考までにこの場合の自動車メーカーの売上総利益(粗利益≒GDP)は、図,里箸と同じで、売上高200万円ー売上原価100万円=100万円となります。

                                     

                                     

                                     

                                    3.輸出戻し税で相対的に大企業が有利とされる言説について

                                     

                                     輸出戻し税について、”大企業優遇策だ!”とか、”輸出戻し税で大企業が儲かる”という言説があるのですが、これは間違っていると考えておりまして、少し考察したいと思います。

                                     

                                     先述の図´△離院璽好好織妊でいえることは、,皚△蘯動車メーカーの粗利益は100万円で同じです。ところがデフレで値下圧力がある場合、自動車メーカーと自動車部品メーカーとの間では、自動車メーカーが強く圧力をかけることがあります。

                                     

                                     輸出振興するために消費税を導入したとして、果たして自動車メーカーが自動車部品メーカーから100万円定価で税込み108万円を払ってくれるか否か?

                                     

                                     例えば自動車メーカーが部品メーカーに対して相見積もりを取るなどして値下げ圧力をかけ、結果的に消費税分値下げをして税込み100万円で部品を調達した場合はどうなるでしょうか?具体的には自動車メーカーが「車が売れなくなって、うちも経営が苦しいから消費税8%をまけて欲しい!」などといって、消費税分8%相当を部品メーカーに負担させてしまったらどうなるでしょうか?

                                     

                                    自動車メーカー(自動車の組立製造と組立後完成車両の販売)の付加価値200万円×0%(消費税率)=0万円

                                    自動車部品メーカー(自動車部品の製造と自動車メーカーへの販売)の付加価値92.59万円×8%(消費税率)≒7.4万円

                                     

                                     消費税分8%相当を部品メーカーに負担させることで、部品価格92.6万円、消費税7.4万円となります。

                                     

                                     このとき、自動車メーカーは輸出戻し税7.4万円を手にし、自動車メーカーは部品メーカーに支払った7.4万円を相殺できます。

                                     

                                     この流れを考えれば、ご理解できると思うのですが、自動車メーカーは輸出戻し税で儲かってはいません。消費税7.4万円を輸出戻し税の税還付で相殺しているだけですので、輸出戻し税で大企業が儲かるという言説は間違っているといえます。

                                     

                                     では消費税が輸出補助金になっているという言説はどうでしょうか?

                                     

                                     輸出補助というと、海外への輸出促進という側面が強く感じられるかと思います。それは輸出戻し税という税制問題で大企業が還付を受けられるからという問題よりも、消費税分下請企業に負担させて、自らは粗利益を減らさないで海外輸出しているだけであり、どの部分が輸出補助になっているのか?私には理解ができません。

                                     

                                     輸出補助というよりは下請の粗利益を減らすという点で、「大企業粗利益維持」と「下請企業粗利益減少」の組み合わせによって、”下請企業よ!大企業より貧乏になれ!”という政策というのが実態であると私には思えるのです。

                                     

                                     特に価格圧力の値下げは、まさに大企業と下請企業の間で発生するのですが、デフレ放置によって消費者からの値下げ圧力で大企業が苦しんでいることも確かです。

                                     

                                     経団連の中西会長は輸出戻し税があるから、消費増税に賛成しているわけではなく、別な理由なのでは?と考えます。端的にいえば、社会保障費などを、富裕層の負担を抑制し、広く貧乏人も含めて多くの人から取るべきだという考えが根底にあるのだと考えます。

                                     もちろん、私はこの考えには賛同いたしませんが、だからといって消費増税反対の理由に、輸出戻し税で大企業は儲かる旨を指摘するのは無理があると思うのです。

                                     

                                     

                                     というわけで今日は「輸出戻し税」を取り上げ、ご紹介しました。

                                     私はデフレ放置の状態での消費増税は反対の立場です。とはいえ「輸出戻し税で大企業が儲かるから反対」という言説は間違っています。

                                     また、直間比率是正という消費税賛成の大義名分にも反対です。間接税が異常に低く、直接税が異常に高かったりしたとしても、ビルトインライザー機能が効くというメリットがあります。

                                     「法人税」「所得税の累進課税」が高いということは、決して悪いことではありません。投資抑制して景気を自動的に安定させるというスタビライザー機能を持つからです。景気が悪くなった結果、赤字企業や失業者が発生しても彼らに税負担させず、景気が良くなった場合は、逆に投資過熱を抑制するという効果があるのです。景気の過熱を防いで景気を自動的に安定させるという働きのことをスタビライザー機能といいます。

                                     税制の議論をする際には、こうした正しい理解のもと、日本国家としてはどうすべきか?議論を進めていただきたいと思います。

                                     

                                     

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                                       今日は「消費増税8%引き上げ時よりも消費増税10%引き上げの方が影響が小さいというのは本当か?」と題して論説します。

                                       

                                       下記は時事通信の記事を紹介します。

                                      『時事通信 2018/10/14-13:07 「景気に大きな影響ない」=10%への消費税増税で−黒田日銀総裁

                                       【ヌサドゥア(インドネシア)時事】黒田東彦日銀総裁は14日、安倍晋三首相が予定通り来年10月に実施する意向を固めた消費税率10%への引き上げに関し、「現時点で景気に大きなマイナスの影響があるとは考えていない」との認識を示した。訪問先のインドネシアのバリ島で開かれた討論会で発言した。

                                       黒田総裁は、消費税率が一律に5%から8%へ引き上げられた前回の増税時と異なり、食料品などを8%に据え置く軽率が適用されると説明。10%への税率引き上げによる負担増は「前回引き上げ時に比べ約3分の1から4分の1」にとどまるとの試算を紹介し、「(景気への影響は)極めて小さい」と述べた。』

                                       

                                       上記記事の通り、日銀の黒田総裁が消費増税10%の負担増による日本経済への影響は極めて小さいと述べられました。

                                       

                                       この記事自体も、2019年10月の消費増税10%が、あたかも決まったかのような印象操作の疑義が濃厚な記事ですが、それに加えて、日銀の黒田総裁が日本経済への影響が小さいと述べたことについては、極めて遺憾と言わざるを得ません。

                                       

                                       安倍総理が「消費税を上げる」と意思を決めたということはありません。リーマンショック級の事件が発生しない限り増税するということを菅官房長官も述べられていますし、内閣の方針であるといえます。

                                       

                                       重要なのは、もし消費増税10%にして何の問題も発生しないのであれば、リーマンショック級の金融危機が発生しようとしなかろうと消費増税すればいいということです。

                                       

                                       ところが、リーマンショック級の事件の発生というのは、ものすごい幅があります。どのくらいのショックがあれば消費増税をしないことになるのでしょうか?

                                       

                                       増税することによって経済的破壊インパクトが大きいということであれば延期する可能性は高くなるかもしれませんが、時事通信の記事の通り、黒田総裁は4年前の2014年4月の消費増税8%引き上げ時よりも、影響は小さいと述べられています。

                                       

                                       この発言は、明らかに間違っていると私は考えます。その理由を3つ指摘させていただきます。

                                       

                                       一つ目は、デフレ状況で消費増税をすれば、経済への破壊力は極めて大きいということ。そしてそれは過去も実証されてきたことです。

                                       

                                       二つ目は、タイミングの問題です。2019年の秋でオリンピック需要が終わるというタイミングです。しかも米中貿易戦争や欧州の経済失速で、外需は間違いなく冷え込み、スロートレード(世界貿易の伸び率が経済成長率を下回る状態)が加速する可能性があります。その上、働き方改革で5兆円〜8兆円の所得が減るといわれています。こうした需要消失・需要削減の要因が、全部2019年度に訪れるというタイミングであるということ。

                                       

                                       三つ目は、内閣官房参与で京都大学の教授の藤井聡先生が指摘しているのですが、心理的なインパクトです。10%という税金は計算しやすいのです。皆さんにお考えいただきたいのですが、例えば1万円の物を買うとなれば、消費税は1000円です。1000円となればレストランに行って食事ができます。500円ランチならば2食分行けたりもします。

                                       税率が8%の場合、1000円の消費税がかかるとか、1200円の消費税がかかるとか、買い物をしていても瞬時にわかりません。定価8,500円の8%といっても、すぐに税金が計算できる人は少ないと思いますが、定価8,500円の10%となれば、消費税は850円とわかりやすいのです。

                                       何がいいたいかと言えば、心理的なインパクトが大きいということです。

                                       

                                      <藤井聡内閣官房参与が指摘する消費増税10%の心理的なインパクト>

                                      (出典:藤井聡先生のフェイスブックより引用)

                                       

                                       2019年10月の消費増税の税率UPが2%だったとして、2014年4月の消費増税の税率UPは3%でした。

                                       確かに今回の税率UP幅は前回の3分の2ですが、トータル10%増税にした場合、8%増税時よりも消費減退効果は1.4倍もの消費縮小をもたらすと、藤井聡氏は指摘しています。

                                       

                                       以上3つの理由を述べましたが、日本経済が破壊されることはほぼ間違いありません。未だ日本はデフレを脱却できておらず、タイミングも最悪であり、増税後の10%という数値も心理的インパクトも大きいため、日本経済への影響は極めて大きいといわざるを得ないのです。

                                       

                                       消費増税8%で日本人の多くが貧困化しました。経済学では実質賃金という指標で、物価の上下を加味した賃金の推移を評価することがあります。例えば購買力が500万円(年収が500万円)だったとして、物価が高くなれば500万円分のモノ・サービスを買うことはできません。

                                       

                                       もし消費税を2%引き上げた場合、強制的に物価が2%引き上がることとなり、実質賃金は2%下がるということになります。

                                       

                                       仮に500万円の賃金をもらっているとしても、消費増税2%によって実質的には10万円の所得が下がることになります。したがって給料が据え置きの場合は、着実に10万円お金を失うということになるのです。

                                       

                                       しかも増税することでお金を使わなくなるため、給料をもらっている会社の売上は確実に下がるため、給料の額面も下がる可能性があります。

                                       

                                       1998年の消費増税5%、2014年の消費増税8%、どんどん貧困化が進み、デフレスパイラルで130万もの所得を日本人は失っています。給料額面が下がり、実質的な消費も下がるということは、消費増税が日本人を効率的に貧困化させるともいえるでしょう。

                                       

                                       

                                       

                                       というわけで今日は「消費増税8%引き上げ時よりも消費増税10%引き上げの方が影響が小さいというのは本当か?」と題して論説させていただきました。

                                       

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                                      アジア諸国の最低賃金引き上げに、日本企業はどう立ち向かうべきか?

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                                         今日は日本経済新聞の記事を取り上げ「アジア諸国の最低賃金引き上げに、日本企業はどう立ち向かうべきか?」と題して論説したいと思います。

                                         

                                         下記が日本経済新聞の記事です。

                                        『日本経済新聞 2018/10/28 01:31 最低賃金上げ、アジア席巻「人気取り政策」外資警戒

                                         東南アジアの各国が法令で定める最低賃金を大きく引き上げている。新興国の賃上げは消費の市場を広げるが、生産性の伸びを上回る賃上げは外資の投資を鈍らせる恐れがある。自国民の優遇を強める政権の姿勢が背景にあり、労働力が安価なカンボジアの最低賃金も数年後にはマレーシアなどに追いつく。新興国のポピュリズム的な政策を前に、日本企業もアジア進出の戦略見直しを迫られる。

                                         輸出品の6割を縫製業が占め、日本記号の進出も続くカンボジア。アートネイチャーは2017年に、現地のかつら縫製工場を香港企業に売却した。新設からわずか3年で方針転換した要因の一つが、人件費の上昇だ。

                                         縫製業や製靴業に適用する18年の最低賃金は前年比11.1%増の月170ドル(約1万9千円)。12年の3倍近くに上がった。フン・セン首相は3月、23年までに最低賃金を月250ドルに上げると表明。実現すれば、東南アジア諸国連合(ASEAN)では早く成長したマレーシアと並ぶ。

                                         カンボジアでは2月の上院選、7月の国民議会選で与党カンボジア人民党(CPP)がすべての議席を獲得した。一党独裁となったフン・セン政権が進めるポピュリズム政策が、賃金を押し上げる。

                                         ミャンマーでも5月から最低賃金が33%上がり、1日につき4800チャット(約350円、8時間労働)となった。海外ブランドの縫製請負は人件費が原価の7〜8割を占める。ミャンマー縫製業者協会のミン・ソー会長によると、約550カ所の縫製工場のうち10カ所前後がコスト高などで閉鎖に追い込まれた。

                                         アウン・サン・スー・チー国家顧問が率いる国民民主連盟(NLD)は20年に政権党として初めての総選挙を迎える。政権は半ば強権的に国民の生活水準を上げる政策に取り組むが、ミン・ソー会長は「工場の生産性が低く、賃上げが進めば多国との競争に勝てなくなる」と危惧する。

                                         最低賃金は国などの行政機関が定め、企業はその水準を守る必要がある。日本でもアジアでも位置づけは変わらない。貧しい人も多いアジアでの賃上げは購買力を向上させ、市場が拡大して先進国にも恩恵が及ぶ。だが、経済成長率や物価の伸びとかけ離れた賃上げは企業のコストを圧迫し、かえってアジアへの投資を鈍らせる恐れがある。

                                         日本企業も危機感を強めている。日本貿易振興機構(JETRO)によるアジア・オセアニアに進出した企業への調査では、18年の営業利益が悪化する理由に4割の企業が人件費の上昇と回答した。ミャンマーに進出する企業を支援するトラストベンチャーパートナーズの後藤信介代表は「生産性の向上を置き去りにしたまま賃金が上がっている」と指摘する。

                                         生産性の伸びに見合う賃上げを目指す動きはある。生産拠点として注目されたベトナムは15年に輸出額がインドネシアを抜き、最低賃金は11年比で2倍超になった。中国などと比べたコスト面の優位は薄れている。19年の最低賃金は前年比5.3%上昇の見通しで、16年まで続いた2桁の伸び率からは落ち着いた。

                                         一方で足元では多くの新興国が米国の利上げに伴う通貨安に見舞われている。ミャンマーなどは輸入に頼る日用品が値上がりすると、働く人から賃金上げの要望が強くなる。

                                         世界最貧国の一つであるラオスも18年は最低賃金を月額110万キップ(約1万5千円)に22%上げた。12年比では2倍だ。米利上げの影響で通貨安になり、輸入品が値上がりして物価が上がった。一党独裁が続くラオスでも、政権は国民が不満をためないことを重視する。賃上げをしなければ、労働者が他国に流出する懸念もある。

                                         マレーシアのマハティール新政権は19年1月、全国統一で最低賃金を引き上げる賃金の低い外国人労働者の増加がマレーシア人の給与を低く抑えているとみて、選挙で賃上げを公約していた。公約通りなら5年以内にさらに43%上がる。

                                         「世界的にポピュリズムの傾向が出ている」(野村総合研究所の木内登英氏)なかで、自国民を優遇する政策は賃上げに向かいやすい。だが生産性の向上が置き去りになれば「人手に頼る資源投入型の投資はいずれ行き詰まる」(みずほ総合研究所の小林公司氏)。

                                         アジアの成長もポピュリズム的な政策が壁になるのか。世界経済の不確実性は、アジアでも着実に広がっている。(中村結、ヤンゴン=新田裕一、ハノイ=大西智也)』

                                         

                                         

                                         このニュースを見て思うこと。それは、いい加減に人を安く使って利益を出すという発想を、そろそろ止めませんか?ということです。東南アジア諸国の各国が法令で最低賃金を上げるということ自体、国家の主権で行うことであり、それをポピュリズムなどと批判することは、内政干渉に他なりません。

                                         

                                         日本の真の国益を考えた場合、海外で低賃金の労働者を安く使って、そこで製造した製品を逆輸入で日本に輸入するということが、どれだけ国益を損ねているのか?と考えます。

                                         

                                         その一方、上記記事に記載の通り、野村総合研究所の方のコメントが出ていますが、”ポピュリズム”という言葉を使い、ネガティブにコメントしています。

                                         

                                         グローバリストと呼ばれる人々の発想では、米国のトランプ大統領や英国のメイ首相やフランスのマリーヌルペンといった人々に対して、過激なナショナリズムを醸成する人たちというレッテル貼りをすることが多い。2年前に私が楽天証券の主催のセミナーで竹中平蔵氏が講演したとき、ちょうどブレグジットが話題になっていまして、「過激なナショナリズム」という言葉を使っていました。

                                         

                                         グローバリストが称賛する企業には、ニトリやファーストリテイリングといった企業を称賛することが多いと思います。

                                         

                                         とはいえ、日本の企業が海外に出なければ、コスト競争力で負けるという論説は間違っています。

                                         

                                         理由は単位当たり労働コストという考え方があるからです。

                                         

                                         単位当たり労働コストというものを考えてみましょう。

                                         

                                         例えば中国では、一人当たりの人件費が100円だったとして、一人が鉛筆を100本製造できるとしましょう。この場合の中国の単位当たり労働コストはいくらになるか?

                                         

                                         100円÷100本=1円 となります。

                                         

                                         もし日本では、一人当たり人件費が1000円だったとして、一人が鉛筆を10000本製造できるとしましょう。この場合の日本の単位当たり労働コストはいくらになるか?

                                         

                                         1000円÷10000本=0.1円 となります。

                                         

                                         上記をみて、どう思われるでしょうか?

                                         

                                         日本人は人件費だけをみれば、中国の10倍です。単純に人件費100円と1000円であれば、1000円の日本は人件費のコストが高いといえます。

                                         

                                         ところが、鉛筆を10000本製造できるとなると、鉛筆一本当たりの労働コストは0.1円と十分の1になります。

                                         

                                         では、日本の方が0.1円と中国の1円よりも単位労働コストが安いのはなぜでしょうか?

                                         

                                         絶対にありえませんが、生物学的に物理学的に、例えば日本人は千手観音菩薩のように手と足が10本余計にあって、中国人は手と足が2本ずつだったということではありません。

                                         

                                         考えられるのは、日本は設備投資で最新鋭の機械を導入し、教育レベルが高く、能力開発費も十分に蓄積されているということ以外にありえません。教育レベルという点では、国家がサービスとして提供する義務教育も含まれます。つまり資本をそれだけ投下した投資(国家が提供する義務教育を含む投資)の蓄積の差ともいえるのです。

                                         

                                         そのため、日本人の人件費が、たとえ東南アジア諸国の人々の賃金に比べて10倍高かったとしても、企業が最新鋭の設備投資を行い、能力開発費などの人材投資にお金を投ずることで、単位当たり労働コストは逆に10分の1にまで下げることができるのです。

                                         

                                         コストで10倍差が付けば、海上輸送などのロジスティクスの費用(日本から海外に輸出する費用)のハンデがあっても、日本で製造した場合であったとしても十分にコストで勝つことが可能です。

                                         

                                         単位当たり労働コストの格差は、別に10倍が最高と決まっているわけではありません。より従業員を教育し、最新鋭の設備を導入することで、20倍、30倍と差を付けることも可能です。

                                         

                                         ところがこうしたことを知らずしてか、日本企業は海外の安い人件費を求め、日本で工場を閉鎖して、海外に工場を作るということをやってきました。当然海外の工場では、現地の人々を安く雇い、品質を日本国内に勝るとも劣らないくらいにまでレベルを引き上げるということをやります。この場合、本来日本人が得るべき雇用・所得を得られず、海外の人々が雇用・所得を得ることとなります。

                                         

                                         とはいえ、日本経済新聞の記事の通り、東南アジアの発展途上国でも、自らの主権で自らの国民の生活レベルを上げようと最低賃金の引き上げをする旨のトレンドが明確になってきました。

                                         

                                         いい加減に日本企業も、人を安く使うという発想を捨て、むしろ日本に戻って日本に工場を作り、設備投資や日本人従業員に人材投資をすることで単位労働コストを引き下げていくといった取り組みをする必要があるのではないでしょうか?

                                         

                                         

                                         というわけで今日は「アジア諸国の最低賃金引き上げに、日本企業はどう立ち向かうべきか?」と題して論説しました。上述の設備投資や日本人従業員への能力開発費などの投資の成果が上がりやすい環境にするためには、デフレ脱却が必須です。モノ・サービスを値下げしなければ売れにくい状況では、投資しても成果が出にくいわけです。そのためにも政府はデフレ脱却を急ぐ必要があることを、改めて申し添えたいと思います。

                                         

                                         

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                                        東京オリンピック後の会場施設の利用について

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                                           今日は「東京オリンピック後の会場施設の利用について」と題して論説します。

                                           

                                           読売新聞の記事を紹介します。

                                          『読売新聞 2018/10/04 13:18 五輪施設「負の遺産化」防止へ早期に運営者決定

                                           2020年東京五輪・パラリンピック会場を「負の遺産」としないために、東京都は、五輪後に競技施設を運営する民間事業者について、新設6施設のうち5施設は早ければ今月中、1施設は来春に選定する方針を固めた。民間運営者が五輪前から施設活用の営業活動を始めることで、都は施設の利用予約が五輪後1年先まで埋まっている状況を目指す。都幹部は「開催の1年以上前に大会後の運営者が決まるのは異例」と説明している。

                                           都が新設するのは、水泳の「東京アクアティクスセンター」(江東区)やボートなどの「海の森水上競技場」(東京湾中央防波堤)、「カヌー・スラローム会場」(江戸川区)など6施設。

                                           うちバレーボールなどの「有明アリーナ」(江東区)は、コンサートなど様々な用途で利用でき、ノウハウのある民間に運営権を売却する「コンセッション方式」を採用する。黒字化も見込まれ、来春には売却先事業者を選定する。(後略)』

                                           

                                           上記記事の通り、民間運営者がオリンピック前から施設活用の営業を始めることで、東京都は施設の利用予約がオリンピック後の1年先まで埋まっている状態を目指すようです。

                                           

                                           よくオリンピック開催でいわれることは、オリンピックが終わった後に経済が悪くなるからオリンピック招致に反対するという論説があります。そのうえ会場施設が負の遺産になるから無駄だともいわれます。

                                           

                                           こうした負の遺産批判というのがオリンピック開催国では、どこの国でも起きるため、こうした早めに検討すること自体悪い話ではありません。

                                           

                                           とはいえ、オリンピックは世界的なお祭りでもあります。負の遺産批判に対する対応は不要とまでは言いませんが、それ以前にまずオリンピックの開催について、しっかりと盛り上げていくということが大事であると思うのです。

                                           

                                           確かにロンドンオリンピックのときは、会場施設をコンサートホールとして利用し、有効活用している事例もあります。だから日本でも同じようにやればいいだけのこと。

                                           

                                           だた利用する側からみれば、利用料金がどのくらいになるのか?という問題が出てきます。あまりに高い金額設定となれば、予算がなくて使えないということになるでしょう。

                                           

                                           要はデフレを放置した状態だと誰も使いません。デフレ脱却ができなければ閑古鳥が鳴くに決まっています。それはオリンピックが終わるからという話とは別の経済の話です。世の中がインフレになれば、猫の手も借りたいとなれば、高くても何でもいいから使いたいということになるため、この問題も解決できます。

                                           

                                           結局デフレ脱却が、こうした問題の解決策となるのです。

                                           

                                           

                                           というわけで今日は「東京オリンピック後の会場施設の利用について」と題して論説しました。

                                           東京オリンピックの後、1.0%程度はGDPが下がるでしょう。オリンピック後はそうなるのはある意味当然の成り行き。とはいえ経済政策次第ではGDPを下げないことは可能です。「国債増刷」「政府支出増」となればデフレ脱却していく過程で、民間の施設利用の名目需要も実質需要も伸ばしていくことは十二分に可能です。

                                           となるとデフレ脱却対策という意味で、消費増税の延期・凍結というのは非常に重要な意味を持ちますし、消費増税がどれだけマイナスインパクトを持つのか?逆に恐ろしい話になるともいえるのです。


                                          過去5年間で日本の国土は強靭化されていなかったという事実

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                                             今日は「過去5年間で日本の国土は強靭化されていなかったという事実」と題して国土強靭化について述べたいと思います。

                                             

                                            1.リーマンショック以前の水準にすら及ばない公共事業費の安倍政権

                                            2.国土強靭化基本計画改定案のポイント

                                            3.まんべんなく国土全体を使っていくことこそ、自然災害大国日本における国土強靭化の真の意味

                                             

                                             上記の順に論説し、国土強靭化のためには躊躇なく予算を付けて対応することのほか、災害大国日本においては、国土全体をまんべんなく使っていくことが必要であり、そのためには地方の高速鉄道・高速道路網の整備が必要である旨を論じたいと思います。

                                             

                                             

                                             

                                            1.リーマンショック以前の水準にすら及ばない公共事業費の安倍政権

                                             

                                             国土強靭化という語彙が出てきたのは、2013年に発足した第二次安倍政権発足後、アベノミクス第二の矢で出てきたものです。安倍政権は、2013年度こそ、国土強靭化で公共事業を増やしたため、名目GDPで△1.9%、税収で△6.9%増収させました。

                                             

                                             ところが2014年度以降、消費を削減する消費増税8%の他、公共事業を増やさなくなり、補正予算を減らすなどして緊縮財政を推進してきました。

                                             

                                            <1997年以降の公共事業費の推移>

                                            (出典:財務省の予算資料、国交省の予算資料、内閣府のホームページなど)

                                             

                                             2016年度は、補正予算で公共事業費が増えていますが、それでも本予算と補正予算を合わせた合計値では、リーマンショック以前の水準以下に留まっています。

                                             

                                             過去安倍政権の下では、国土が強靭化されていなかったということが分かったと受け止めるべきです。

                                             

                                             日本は災害大国です。特に今年は大阪北部地震、西日本豪雨、台風21号、台風24号、北海道胆振地震、さらには地震で北海道全域が電力でブラックアウト。さらには国際線が入航する関西国際空港、千歳国際空港の2空港が完全閉鎖になりました。

                                             

                                             日本の国土が強靭化されていないのは、それだけではありません。全国のいろんな場所で、橋やトンネルのメンテナンスに十分な予算を付けないため、通行止めになっているところがあちこちで発生しているのです。

                                             

                                            <2014年から始めた道路橋一斉点検で、2016年3月までに終えた点検結果>

                                             

                                            <通行止めとなった橋>

                                             

                                             

                                            2.国土強靭化基本計画改定案のポイント

                                             

                                             国土強靭化基本計画改定案のポイントは、北海道地震で発生したブラックアウトに備え、火力発電、太陽光発電などの発電の多様化と地域内での発電設備の分散化推進を明記しています。

                                             

                                             北海道のブラックアウトは、事実だけいえば泊原子力発電所さえ稼働していれば、北海道全域停電は発生しなかった可能性が極めて高かったであろうといえます。

                                             

                                             もちろん泊原発を動かさなくてもブラックアウトを回避できた方法は他にもあったと思いますが、少なくとも泊原発が稼働していれば、発電の分散化ができていたということになり、ブラックアウトは発生しなかったのです。

                                             

                                             同じように原子力発電所が動いていない他のエリアも同様です。南海トラフ地震が発生したとき、多くの原子力発電所が稼働していない状態では、北海道と同じように特定の火力発電所による集中発電の状態になっています。もし集中発電の状態の火力発電所が止まってしまえば、同じようにブラックアウトの危機が発生します。

                                             

                                             今、原子力発電所が止まっているという状況において、日本の電力システムは極めて脆弱であるといえます。

                                             

                                             電力システムをどうするのか?ということは、電力強靭化の基本方針になるわけですが、原子力発電行政の問題として、8万年〜9万年に1回起きる起きないというシビア事故の議論をしています。

                                             30年以内に南海トラフ地震、首都直下型地震が70%の確率で発生するという話と、原発のシビア事故で8万年〜9万年に1回という話というように、いわば国土強靭化行政と原子力行政を別々に議論しているのです。

                                             そのため、原子力行政で原子力発電所は稼働できないということを前提に、国土強靭化計画を策定するしかないというのが今の状況です。

                                             

                                             国土強靭化では防災行政という言葉も出ていて防災省創設という議論もあるようです。防災省を創設するまでせずとも、防災行政は、耐震強化、津波・高潮対策など、国土強靭化行政そのものです。

                                             

                                             しかしながら国土強靭化という場合、耐震強化、津波・高潮対策といった防災だけでなく、マクロで考えれば「東京一極集中の是正」や「高速鉄道・高速道路網整備を中心とした地方創生」というのも国土強靭化に資します。東京都で首都直下型地震が発生しても、地方の都市の人々が東京都の人々を助けることができるようになるという点で、「東京一極集中の是正」や「高速鉄道・高速道路網整備を中心とした地方創生」は必須であると思います。

                                             

                                             何しろ日本という国家の機能の中心が、日本列島の30%〜40%近くも東京圏に集中しています。ここで首都直下型地震が発生したり、高潮が発生するとなれば、大勢の人々が命を落とし、日本が崩壊してしまうからです。

                                             

                                             

                                            3.まんべんなく国土全体を使っていくことこそ、自然災害大国日本における国土強靭化の真の意味

                                             

                                             電力の話に戻しますが、原子力発電所を含めた電力が一極集中している自体、国土の利用の脆弱化をもたらしているのが、今の日本です。

                                             

                                             日本海側の国土を含めた原子力発電所の再稼働を含め、まんべんなく国土全体を使っていくことこそ、自然災害大国日本における国土強靭化の真の意味であるといえます。

                                             

                                             したがって、そうした議論抜きの議論であれば、それは防災です。永遠に国土強靭化を成し遂げることはできないでしょう。

                                             

                                             だから「国土全体をまんべんなく使うために分散しましょう!」という議論が完全に隠蔽されて議論が進んでいると思うのです。

                                             

                                             国土全体をまんべんなく使うとなれば、地方に新幹線を作るしかないですし、高速道路を作る必要も出てきます。

                                             

                                             一極集中緩和税制などやっても、しょせんマイナーな政策であって本道ではありません。

                                             

                                             かつて田中角栄は列島改造論を唱え高速鉄道・高速道路網の整備を進めてまいりました。国土全体をまんべんなく使うというのは、まさに国土の分散化であり、それは地方におけるインフラ投資であって、それ以外に他の策はありません。

                                             

                                             それが隠蔽されている限り、国土強靭化基本方針をどれだけ立派なものを改定案として策定しても、うまくいかないのでは?と私は考えます。

                                             

                                             

                                             というわけで今日は「過去5年間で日本の国土は強靭化されていなかったという事実」と題して論説しました。

                                             アベノミクス第二の矢で産声を上げた「国土強靭化」という言葉ですが、第2次安倍政権が2013年に誕生して以降、残念ながら日本の国土は強靭化されませんでした。災害大国オンパレード国の日本にとっては、防災は大事ですが、そもそもそれ以上に国土構造を分散化させる必要があるものと思うのです。

                                             諸外国のフランスのパリ、ドイツのベルリン、イギリスのロンドンのように、東京への集中を20%以内に抑えておくような国土構造にしておくこと以外に、物理的に首都直下型地震の被害を抑制する方法は存在しません。

                                             だから分散が重要であり、地方に新幹線を作る、高速道路を作る、地方の都市開発をすることが重要です。そうすれば地方でも仕事が十分にできて東京に引けを取らず快適に生活ができるようになり、東京に住んでいる人が地方でもビジネスができるということで分散して住むことができるようになります。こうしたことを推し進めていくためには、お金を使うことを嫌う財務省職員の意識改革が必要で、プライマリーバランス黒字化は間違っていると認識していただき、改めてもらう必要があるものと私は思います。


                                            一人を救うために何百人も投入し、救おうとされる以上の人々が亡くなっても助けるのが国家です!

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                                               今日はジャーナリスト安田純平さんが無事保護されたことを取り上げ、「一人を救うために何百人も投入し、救おうとされる以上の人々が亡くなっても助けるのが国家です!」と題して論説したいと思います。

                                               

                                               下記はAFP通信の記事です。

                                              『AFP通信 2018/10/28 17:02 シリアで拘束・解放の安田純平さん、喜びの帰国 ネットでは誹謗中傷も

                                               【AFP=時事】内戦下のシリアで2015年に拘束され、先日解放されたフリージャーナリストの安田純平(Jumpei Yasuda)さんは25日夜に無事帰国し、喜びに沸く親族や支援者らの歓迎を受けた。拘束されていた3年余りを「地獄」だったと振り返る安田さんは、妻や両親との再会を果たした。

                                               ただ、海外で人質になった安田さんのような日本人は、紛争地域に渡航する捨て身の行動で厳しい批判にさらされる。安田さんは帰国前からインターネットなどで、無謀さに対する非難から日本人ではないとの言いがかりまで、怒りに満ちたさまざまな誹謗中傷を浴びせられている。ツイッターでは世間に迷惑をかけているとの投稿や、安田さんを非国民扱いするつぶやきもみられる。(中略)

                                               

                                               日本では解放された人質について賛否両論が出ることが多く、拘束されたのは自己責任だとする批判も珍しくない。上智大学(Sophia University)の寺田俊郎(Toshiro Terada)教授(哲学)は、人質は被害者であり法律に違反していないのに謝罪を求められるのは奇妙なことであるものの、それが日本社会の一部のものの考え方だと指摘し、安田さんは社会に迷惑をかけたとして非難されているとの見方を示した。
                                               人質に対する反応の衝撃的な一例を挙げると、2004年にイラクで現地の武装集団の人質となり、その後解放された日本人3人は、帰国直後から自己責任論にさらされた。武装集団はイラクに派遣された自衛隊の非戦闘部隊の撤退を要求し、これに応じなければ3人を殺害すると警告した。
                                               しかし当時の小泉純一郎(Junichiro Koizumi)首相は要求に応じず、人質の家族との面会も断り、強硬な姿勢が日本社会の一部で称賛された。右派メディアに支持された日本政府も、当時戦闘地域だったイラクに渡航自粛勧告を無視して入国した3人を無責任な若者たちと捉えた。
                                               3人の一人である今井紀明(Noriaki Imai)さんは最近、「死ね」や「ばか」などと書かれている手紙を数通受け取った。今井さんによると、ネット上でのバッシングは10年続いたという。(後略)』

                                               

                                               

                                               上記AFP通信の記事の通り、シリアで拘束された安田純平さんが無事保護されたというニュースです。3年4か月ぶりに解放さえれた安田さんは、10/25(木)夜に無事に日本に帰国しました。安倍総理は今回の解放にはカタールとトルコの協力があったと述べました。

                                               

                                               自己責任とかお金の無駄遣いだとか、いろんな批判はあっても、私は安田さんの解放は大変喜ばしいニュースと思います。同じシリアに捕らわれた後藤健二さんは、ISに殺害されました。

                                               

                                               フリージャーナリストが敢えて危険な場所に飛び込む行為の結果、テロリストらにとらえられることについて、「自己責任」という言葉が付いて回りました。

                                               

                                               自己責任論という問題がある一方で、フリージャーナリストがいることで、初めて得られる情報があります。その得た情報が日本の国民の世論形成に一定の意味を持つ情報となることも数多くあり、フリージャーナリストとは、そうした情報を提供する人たちともいえます。

                                               

                                               そうしたフリージャーナリストが捕まった場合、同じ日本国民だから同胞を救うために国税を使って、血税を使って救出するということになります。

                                               

                                               そこで使った税金が無駄だという論説は正しいのでしょうか?

                                               

                                               日本国家において、幅広い活動の一つであるフリージャーナリストが皆無になった場合、そうした情報は全く入ってこないということになるため、フリージャーナリストらが自分の身を守るための最善の努力をしている限り、適切な情報を収集している限り、必要不可欠な費用ともいえると考えています。

                                               

                                               安田純平さんは難民を自分の目で確かめたいということでシリアに入国しました。そこで身の安全を怠っていたとか、普段から怠っていたというなら確かに問題です。

                                               

                                               とはいえ現地に行かなければ、真実がわからないということはよくあることで、”百聞は一見に如かず”です。ジャーナリズムは非常に重要であり、特に民主主義国家においては、活動で得た情報が国民の世論形成に影響を与えるということから、非常に重要な職業であるといえます。

                                               

                                               菅官房長官は記者会見で、安田さん開放について、官邸を司令塔とする国際テロ情報収集ユニットを中心に、トルコやカタールなどの関係国に働きかけを行った結果だと述べ、日本政府として身代金を払った事実はないと説明しました。

                                               

                                               ただ、カタールが身代金を肩代わりしたという情報があり、一説によれば5億円という数字も出ています。

                                               

                                               なぜカタールが肩代わりをしたのでしょうか?

                                               

                                               カタールは2017年、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)から断交されました。イスラム原理主義のイランに近づいたことで、サウジアラビアなどの中東諸国から反発を受けたのです。経済制裁も受けており、食料の調達も困難な状況で、トルコでサウジアラビア人記者の殺害事件が発生しました。

                                               

                                               その事件をきっかけに、主要国では一斉にサウジアラビアから撤退を始めました。カタールとしては撤退する企業がカタールに戻ってきてくれれば、身代金を払ったとしても十分に元が取れるという判断があったのでは?と推測されています。

                                               

                                               ある意味、いいタイミングで「シリアで捕らわれていた日本人ジャーナリストを救出したよ!」というアピールできたということです。

                                               

                                               もともとテロには屈しないというのが先進国の態度で、日本としては、その前提を守ったわけですが、なかなか難しい複雑な問題といえます。

                                               

                                               今回、日本政府は2015年に発足した邦人テロの情報収集に特化した専門組織を活用したといわれていますが、日本と友好関係にある中東各国との連携を重視し、今回の解放ではカタールとトルコの協力があったとされています。今回安田さんが、どういう形であれ、無事救出に至ったことをみれば、この組織を作ってよかったということになるでしょう。

                                               

                                               こういうものこそ、利益追求を目的としない非営利団体組織の国家でしかできないことです。特にこうしたテロ事件などの海外で問題が発生したときにこそ、政府が一人の国民も殺さないように助けにするということは大事だと私は考えます。

                                               

                                               皆さんは「プライベートブライアン」という映画をご存知でしょうか?

                                               

                                               この映画は1998年7月24日に米国で初公開された戦争映画なのですが、アカデミー賞を受賞したスピルバーグ最高傑作作品とされています。内容は、ノルマンディー上陸任務の後、ミラー大尉以下8人の兵士が行方不明のライアン二等兵救出を命ずるという作品です。

                                               

                                               また同じ戦争映画では、「ブラックホークタウン」という作品もあります。この作品は2001年12月18日に米国で初公開となりましたが、この作品はソマリアで発生した「モガディシュの戦闘」を舞台とした戦争映画です。モガディシュという市街地において、米国中心の多国籍軍とゲリラとの間で激しい市街戦が行われました。

                                               

                                               ソマリアのモガティシュ市街戦では、米国のヘリコプターが攻撃を受け、取り残された操縦士一人を救おうと、デルタフォースの隊員2名が降下し、ヘリコプター操縦士を救出したものの、民兵ゲリラによって殺害されました。

                                               

                                               その殺害された米兵の遺体が全裸にされてソマリア市民に市街地を引きずり回されるという凄惨な映像が放映され、当時は大きなニュースとなりました。

                                               

                                               「プライベートブライアン」も「ブラックホークタウン」も象徴的なのは、一人の軍人を救うために、大勢の軍人が投入され、救おうとされる人数よりも多くの人々が亡くなるリスクがあっても助けようとすることです。

                                               

                                               これは軍隊の話ではありますが、ある意味で国家の本来的な意義、政府の本来的な意義というのは、こうしたことではないだろうか?と私は思うのです。

                                               

                                               強い信頼関係があって初めて国家はナショナリズムとしてまとまります。だからといって、積極的に危険な場所に身を投ずるということを賛美してはいけません。とはいえ、自己責任という問題があっても、そんな人間でも助けるというのが、国家というものではないでしょうか?

                                               

                                               未だに横田めぐみさんを救出できないというのが、憲法9条が原因だとするならば、国家としては横田めぐみさんを救出するために憲法改正の議論をするべきでしょうし、後藤健二さんがISに捕らえられた時も、憲法9条が制約になっているのであれば、閣議決定でも何でも行い、自衛隊を派遣するなどするべきだったと思うのです。

                                               

                                               

                                               というわけで今日は「一人を救うために何百人も投入し、救おうとされる以上の人々が亡くなっても助けるのが国家です!」と題して論説しました。

                                               この種の話題がニュースとして取り上げられると、「自己責任」という言葉が蔓延しますが、私は全く賛同できません。「自己責任」というを言う人は、国家の本来的な意義、政府の本来的な意義を考えたことがない思考停止者と言いたくなるのです。

                                               安田純平さんは救出されましたが、同じように横田めぐみさんも救出されることを改めてお祈りしたいです。

                                               

                                               

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                                              ノーベル賞受賞者でさえ医療費が払えない米国社会と国民皆保険が機能する日本社会

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                                                 今日は「ノーベル賞受賞者でさえ医療費が払えない米国社会と国民皆保険が機能する日本社会」と題して論説します。

                                                 

                                                 日本では今年10/19に、ボストン大学名誉教授でノーベル化学賞を受賞した下村脩氏が90歳で亡くなりました。また米国でも今年10/6に、ノーベル物理学賞を受賞したレオン・レーダーマン氏が96歳で亡くなりました。

                                                 

                                                 下記は日本経済新聞のレオン・レーダーマン氏死去のニュースです。

                                                『日本経済新聞 2018/10/06 レオン・レーダーマン氏(ノーベル物理学賞受賞者)     

                                                 レオン・レーダーマン氏(ノーベル物理学賞受賞者)米フェルミ国立加速器研究所によると10月3日、米アイダホ州の高齢者施設で死去、96歳。同研究所の元所長で、宇宙を構成する基本的な粒子「素粒子」の実験の大家。素粒子ニュートリノの研究で1988年にノーベル物理学賞を他の研究者らと共に受賞した。(ワシントン=共同)』

                                                 

                                                 日本のノーベル化学賞受賞者である下村脩氏は、オワンクラゲから緑色蛍光タンパク質の発見で2008年にノーベル化学賞を受賞しましたが、レオン・レーダーマン氏は日経新聞の記事の通り、素粒子ニュートリノやヒッグス粒子を発見して1998年にノーベル物理学賞を受賞しました。

                                                 

                                                 レオン・レーダーマン氏が、ニュートリノやヒッグス粒子を発見したことで、宇宙の構造を理解するという点で、レーダーマン氏は人類に重要な貢献をした人物です。

                                                 

                                                 レーダーマン氏は2010年代に入り、認知症に悩まされるようになりました。その治療費を工面するために、ノーベル賞のメダルを売却するところまで追い詰められてしまっていました。

                                                 

                                                <ノーベル賞のメダル>

                                                (出典:「The Nobel Prize」のホームページから引用)

                                                 

                                                 ノーベル賞のメダルは、数千万から数億円でオークションなどで落札されるといったニュースがあります。それだけ高価なものなのですが、米国では医療サービスで自由診療の推進や民営化が進んで、政府の補助が少なくなり、家計に占める医療費コストが上昇しました。そのため、ノーベル賞受賞者のレーダーマン氏でさえ、自分が獲得したメダルを処分して、自分の医療費を工面できないという状況に陥ったのです。

                                                 

                                                 レーダーマン氏は、ニュートリノもそうですが、リニアコライダーのヒッグス粒子を発見した人でもあり、人類の科学技術に多大な貢献をした優秀な物理学者でもあります。そんなレーダーマン氏ですが、2010年代に入って認知症に悩まされ、2015年にオークション会社を通じてメダルを処分売却せざるを得ませんでした。

                                                 

                                                 通常、米国の高齢者は、メディケアという健康保険に加入していますが、長期老人ホームに滞在しているリーダーマンさんにはメディケアの健康保険が適用されないということがあったようです。

                                                 

                                                 とはいえ、これだけ人類に貢献して世界的に優秀な頭脳を持つ人が、その栄誉を称えるメダルを処分するところまで追い込まれるという米国社会の医療事情とは、いったい何なのでしょうか?そのような社会がいつまでも繁栄するのでしょうか?

                                                 

                                                 米国の医療費高騰の背景の一つに、1980年代から保険適用外の自由診療が増えたというのがあります。医療保険において市場原理を徹底したことで、巨大資本による独占が進み、病院が株式会社化して利潤追求が極端になるといった方向に進みました。

                                                 

                                                 その結果、米国では中間所得層の人は、一回の病気で貧困層に落ちるという状況なのです。

                                                 

                                                 それだけ医療費が高いということの証左でもあります。米国では個人破産の半分以上が医療費絡みで自己破産するようです。

                                                 

                                                 こうした米国の悪い先例があるにもかかわらず、日本国内では米国の圧力で、医療を含めたサービス分野で自由化を進めようとする動きがあります。日本もこのままグローバリズムを推し進め、規制緩和でカネカネカネと医療分野での政府の補助をやめた場合、将来的には米国のような医療事情になる可能性が十分にあります。

                                                 

                                                 事実、派遣社員などとその家族約50万人が加入する国内2位の規模の健康保険組合である人材派遣健康保険組合が2019/04/01付で解散する予定になっています。人材派遣健康保険組合ですが、これは「派遣健保」と呼ばれています。また生協の職員・家族で構成される生協健保も2019年3月末で解散する予定です。

                                                 

                                                 こうした人々の健康保険制度はどうなるかといえば、中小企業従業員を対象にしている「協会けんぽ」に加入することになります。

                                                 

                                                 この場合、保険料は間違いなく上昇し、しかも今後も上昇を続ける可能性が高いです。何しろ生産年齢人口減少で派遣社員が増えているから。そうなると健康診断や女性では乳がん、子宮がん検診が今ほどサービス提供できなくなる可能性があります。

                                                 

                                                 派遣社員で働く人々は、もともと経済的に大変な人が多いはずです。そのため、医療費の自己負担で貧しくなるか、病気になるリスクを上げるか?2者択一が待っているという話になるでしょう。

                                                 

                                                <2017年度 医療費の動向 (単位:「兆円」)>

                                                (出典:厚生労働省のホームページから引用)

                                                 

                                                 上図は厚生労働省が発表した2017年度の医療費の動向です。これをみますと、平成29年度は42.2兆円で前年比9,500億円増加で、過去最高を更新し続けています。

                                                 

                                                 厚生労働省の上図資料は。いかにも過去最高を更新して支出が止まらないことを主張したいように思えます。しかしながら9,500億円増加したという増加額だったり、42.2兆円で過去最高を更新したとか、必ずしも支出金額に意味があるとは言い切れません。

                                                 

                                                 なぜならば、GDPの伸びが医療費の伸び率より高ければ必ずしも問題がないことは、皆さんもご理解できるでしょう。

                                                 

                                                 現在の日本は人口減少が問題とされていますが、そういう国家で医療費がいつまでも上昇を続けるというのは信じられません。いずれにしても今は団塊世帯がリタイアして、医療費が多くかかる年齢層の人々が多いわけです。そしてその人たちは戦後の日本を気付いてくれたおかげで、今日の私たちの快適さ・便利さという環境があるのです。

                                                 

                                                 日本は財政問題が存在しません。にもかかわらず、こうした高齢者の人たちを切り捨てるようなことをすれば、誰が国家を信頼するでしょうか?人々が国家を信用しなくなれば、ナショナリズムを結成することは難しく、最終的には日本は滅びていくしかないと思うのです。

                                                 

                                                 

                                                 というわけで今日は「ノーベル賞受賞者でさえ医療費が払えない米国社会と国民皆保険が機能する日本社会!」と題して論説しました。

                                                 米国では、市場原理を徹底して自由化を進めた結果、ノーベル賞受賞者でさえ医療費が払えない米国社会になってしまっていました。

                                                 そして麻生太郎大臣は10/23の会見で、「不摂生が理由で病気になった人の医療費を、健康のために努力している人が負担するのは、アホらしい」と指摘した知人の発言を紹介し、肯定的に同調する発言をしました。

                                                 麻生氏の発言について、健康維持の必要性を訴える趣旨としては理解できなくもないですが、病気になった人に対する表現として果たして適切と言えるでしょうか?例えば不摂生が理由で病気になったとしても、収入が低いために目いっぱい働かざるを得ず、不摂生になった人はどうなるのでしょうか?その医療費を負担するのは、本当に”アホらしい”のでしょうか?

                                                 都合が悪くなったら弱者から切り捨てるという発想では、政府は信用されなくなるでしょうし、そうした国家が未来永劫繁栄を続けて存続することは難しいのでは?と私は思うのです。

                                                 

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                                                   今日は「お金」をテーマに論説します。

                                                   

                                                   人類で初めて硬貨が使われたとされるのは、古代ギリシャ人の歴史家ヘロドトスによれば、アナトリア(今のトルコ)で使われていた「エレクトラム硬貨」と呼ばれるもので、紀元前610年頃の話です。

                                                   では紙幣が使われるようになったのはいつか?モンゴル帝国における紙幣発行の歴史について触れ、「モンゴル帝国のフビライ・ハンの時代にインフレーションが発生したのはなぜか?」と題し、下記の順で論説したいと思います。

                                                   

                                                  1.唐の時代の「飛銭」と宋の時代の「交子」「会子」

                                                  2.人類初の不換紙幣を発行したモンゴル帝国のフビライ・ハン

                                                  3.国家の経済力や国力とは、どういうことなのか?

                                                  4.フビライ・ハンの時代にインフレーションが発生した真の理由とは?

                                                   

                                                   

                                                   今回のテーマを理解するために、少しだけ歴史を編年体で記載させていただきます。

                                                   

                                                  ●唐の後期 「飛銭」と呼ばれる銅との兌換紙幣が流通する

                                                  ●宋の時代 「公子」「会子」と呼ばれる銅銭との兌換紙幣が流通する

                                                  ●  970年 宋が貨幣を発行する「便銭部」を創設する

                                                  ●1023年 宋が紙幣を発行する「交子務」を設立する 

                                                  ●1206年 チンギス・ハンがモンゴルを統一し、モンゴル帝国を建国する

                                                  ●1227年 モンゴル帝国がシルクロードの西夏(せいか)を征服する

                                                  ●1231年 首都臨安で大火災が発生する

                                                  (南宋政府は、臨安復興のために「会子」の発行量を増やした結果、インフレーションとなって通貨の価値が下落する)

                                                  ●1234年 モンゴル帝国が中国北部の金を征服する

                                                  ●1235年 モンゴル・南宋戦争が勃発する

                                                  ●1260年 フビライ・ハンが「お金の統一」に成功し、銀を担保とした「中統元宝交鈔」を発行して流通させる

                                                  ●1287年 フビライ・ハンが新通貨「至元通行宝鈔」を発行して従来の通貨を廃絶させ、インフレ抑制を図る

                                                   

                                                   

                                                   

                                                  1.唐の時代の「飛銭」と宋の時代の「交子」「会子」

                                                   唐の時代、政府は約束手形を発行していました。これを「飛銭(ひせん)」と呼びます。当時の唐は、銅銭を中心とした貨幣経済が成立していました。ところが銅銭は重いため、大量の持ち運びには不便でした。そこで地域間の交易を容易にするために政府が「飛銭」と呼ばれる決済手形を発行し始めました。

                                                   唐が亡び、宋の時代に入って、商人たちは「交子」「会子」と呼ばれる手形を使うようになりました。経済成長が著しく、交易を容易にするために「手形(お金)」を必要としたのです。

                                                   その宋では970年に「便銭部」を創設しましたが、北宋時代では2600億枚以上の効果が鋳造されたとされています。

                                                   

                                                   宋は1023年「交子務」を設立し、本格的な紙幣の発行を始めました。なぜ、紙幣の発行を始めたか?理由は金属を材料に鋳造する硬貨よりも、製造コストが安い紙片を用いることで、著しい経済成長を背景とした貨幣の需要に応じられるようにするためです。

                                                   宋が「交子務」を創設して紙幣の発行を始めて以来、紙幣の発行量は増やしやすくなります。南宋の時代では、経済成長率が低迷したにもかかわらず、紙幣発行量の増加は収まる気配を見せなかったといわれています。

                                                   

                                                   そして1231年に首都臨安で大火災が発生し、その復興のために南宋政府が「会子」の発行量を増やした結果、通貨の価値が下落し、インフレーションが発生しました。

                                                   

                                                   

                                                   

                                                  2.人類初の不換紙幣を発行したモンゴル帝国のフビライ・ハン

                                                   モンゴル帝国のフビライ・ハンは南宋を滅ぼした後、「お金の統一」を図り、成功します。1260年に銀を担保にした「中統元宝交鈔」と呼ばれる紙幣を発行し、モンゴル政府がモンゴル国内で流通する唯一のお金であると宣言しました。その宣言以降、紙幣の偽造が発覚した場合は、死刑に処されるようになりました。

                                                   

                                                   モンゴル帝国は度重なるインフレーションに苦しめられます。なぜならば南宋を滅ぼした後、6000万人もの人口が増加したため、膨大なお金の需要が生まれたからです。

                                                   

                                                   ところが「中統元宝交鈔」の裏付けは「銀」という金属です。銀は、金と同様に産出量には限界があります。

                                                   

                                                   そのため、モンゴル帝国は「銀」を裏付けにしない銀と無関係な紙幣の発行を始めました。産出量に限界がある銀を裏付けとしない紙幣発行を始めることで、「中統元宝交鈔」の価値が暴落したとされています。

                                                   

                                                   フビライ・ハンは1287年に「至元通行宝鈔」を発行して、従来の通貨を廃絶し、インフレの抑制を図りました。この「至元通行宝鈔」は金や銀などの貴金属との兌換を認めなかったため、現在の現金紙幣と完全に同じの不換紙幣です。

                                                   

                                                   モンゴル帝国は「至元通行宝鈔」を普及させるため、商売や交易における金、銀の貴金属の使用を禁止しました。

                                                   

                                                   にもかかわらず、金・銀の使用禁止を受けた人々は、貴金属を集めて退蔵するようになり、裏で旧来の金貨・銀貨流通を続けました。そのため、新通貨「至元通行宝鈔」の価値は下がり続けました。

                                                   

                                                   

                                                   

                                                  3.国家の経済力や国力とは、どういうことなのか?

                                                   国家の経済力とか国力という言い方をする際、皆さんはどうお考えになるでしょうか?

                                                   

                                                   金をたくさん保有していることでしょうか?紙幣がたくさん流通していることでしょうか?基軸通貨ドルをたくさん抱えていることでしょうか?

                                                   

                                                   国家の経済力、国力とは、国民が必要とするモノ・サービスを生産することができる力であり、貴金属をどれだけ保有しようが、基軸通貨ドル紙幣をたくさん保有していようが全く関係ありません。

                                                   

                                                   例えば無政府状態のリビアやサハラ砂漠のど真ん中で1億円持っていたとして、モノ・サービスを大量に生産できる工業先進国日本での1億円と、インフラがほとんど整備されておらずモノ・サービスの生産が自国でできない発展途上国での1億円では、生活レベルが全く異なるのは想像できるのでは?と思います。

                                                   

                                                   先進国は自国民の需要を自国の生産力で満たすことができる割合が高い国をいい、国内需要を満たすのに十分な生産能力を保持している国といえます。

                                                   

                                                   一方で発展途上国は、自国民の需要を自国の生産力で満たすことができる割合が低い国をいい、国内需要を満たすのに十分な生産能力を保持していない国といえます。

                                                   

                                                   発展途上国が貧しいのは、金の保有が少ない、米ドルなどの外貨準備が少ない、という話ではありません。自国でお金を流通させたいということであれば、政府が幾らでも自国紙幣を発行することは可能です。

                                                   

                                                   仮に金の保有がたくさんあり、米ドルなどの外貨準備が多かったとして、それらを裏付けに自国通貨を中央銀行に膨大に発行させて自国に流通させようとしても、その国民は貧しいことに変わりありません。何しろ、手元で紙幣がどれだけたくさん積まれても、その紙幣で買うことができるモノ・サービスが不足しているからです。

                                                   

                                                   モノ・サービスの需要に対して供給が不足する状態のことをインフレギャップといいます。(下図を参照)

                                                   

                                                  <インフレギャップのイメージ>

                                                   

                                                   インフレギャップに対して供給力増強で充足できない場合、どれだけたくさん紙幣を発行しても普通に物価上昇します。これがインフレーションです。

                                                   

                                                   

                                                   

                                                  4.フビライ・ハンの時代にインフレーションが発生した真の理由とは?

                                                   モンゴル帝国の歴史を振り返りますと、領土拡大のたびに人口が増加するなどして、モノ・サービスの需要が増加していきました。しかしながら銀を裏付けにした兌換紙幣の「中統元宝交鈔」、貴金属を裏付けにしない不換紙幣の「至元通行宝鈔」といった通貨発行しながらも、インフレーションによる通貨の価値の下落を防ぐことはできず、衰退していきました。

                                                   

                                                   フビライ・ハンは1287年に「至元通行宝鈔」を発行してインフレーションの抑制を図ったにもかかわらず、なぜインフレーションによる通貨の価値の下落を防ぐことができなかったのでしょうか?

                                                   

                                                   銀を裏付けとした兌換紙幣の「中統元宝交鈔」、貴金属を裏付けにしない不換紙幣の「至元通行宝鈔」といった紙幣は、何を目的に使われるでしょうか?いうまでもなく、モノ・サービスの購入のためです。

                                                   

                                                   即ち、モンゴル人がモンゴル政府が発行する紙幣を使って買い物をしようとしたにもかかわらず、モンゴル国内で十分なモノ・サービスが存在していなかったからために物価が上昇していった。あるいはモンゴル国民の需要を満たすだけのモノ・サービスが生産されていなかったということが、インフレーションによる通貨価値の下落を防げなかった理由と言えるでしょう。

                                                   

                                                   インフレーションは「お金の発行量」が多いから発生するわけではありません。フビライ・ハンが銀を裏付けとしない「至元通行宝鈔」という不換紙幣を躊躇なく発行したとして、それでインフレーションになるわけがありません。

                                                   

                                                   インフレーションは、国民がモノ・サービスを買おうと需要があるにもかかわらず、供給を満たすだけの生産能力が不足しているときに、モノ・サービスの価格は上昇していくのです。

                                                   

                                                   もし、中世のフビライ・ハンの時代に、モンゴル帝国が現代の日本や米国を上回る驚異的な経済力を保有していた場合を想像してみてください。

                                                   

                                                   モンゴル帝国の人々の需要を、軽々と上回る生産能力を保有している状態で、モノ・サービスが有り余っているような場合、銀を裏付けとした「中統元宝交鈔」、銀を裏付けとしない「至元通行宝鈔」を大量発行したとして、インフレーションになるでしょうか?

                                                   

                                                   どちらの紙幣もおそらく価値を維持することができると予想できます。なぜならばモンゴル帝国の人々の需要を、十分に満たすだけの生産力を保有している先進国の環境であれば、紙幣を大量発行したとしてもインフレになりようがありません。

                                                   

                                                   逆に生産力を十分に保有しない発展途上国の環境であれば、政府がお金の発行を抑制したとしようが、大量にお金を発行しようが、インフレーションを止めることはできないでしょう。

                                                   

                                                   モンゴル帝国でインフレーションが発生した真の理由は、銀を裏付けにしない「至元通行宝鈔」を大量発行したからではなく、モノ・サービスの需要に対して、モンゴル国内での供給力が不足していたこと、これが真の理由です。

                                                   

                                                   

                                                   

                                                   というわけで今日は「モンゴル帝国のフビライ・ハンの時代にインフレーションが発生したのはなぜか?」と題して論説しましたが、 私が「国債増刷」「政府支出増」を主張している理由もご理解いただけるのではないでしょうか。

                                                   アベノミクス第一の矢の金融緩和は、物価上昇率2%の目標を掲げ、2%に達成するまで金融緩和を継続実施するとしています。コアCPIではエネルギー価格の変動を含んでしまうため、本来はエネルギー価格の変動を含まないコアコアCPIで2%目標とすべきということを、私は従前から主張しています。

                                                   一方で物価上昇率を引き上げるためには、金融緩和だけでは達成しえないということが、モンゴル帝国の紙幣の歴史を振り返ると理解ができると思います。

                                                   日本を発展途上国にして物価上昇させた場合、貧困が進みます。何しろコメを食べたい、パンを食べたいという需要に対して、日本が十分な供給力を持たないという話ですから、日本円をどれだけ刷ってもインフレーション進むと当時に貧困化も進みます。

                                                   とはいえ日本はモンゴル帝国と違って先進国です。その日本が先進国であり続ける(供給力を保持する)状況で物価上昇させた場合、”豊かさが続く”もしくは”より豊か”になれます。日本をインフレにするためには、どれだけたくさんの日本円を発行するか?ではありません。安倍政権が5年間経っても、物価上昇2%の達成ができていないことがその証左です。

                                                   民間の需要が冷え込んでいる以上、政府が需要を創出すること。その財源は躊躇なく不換紙幣の自国通貨を発行すること。これらによって通貨を維持しながら供給力を保持・増強し続けることができます。これこそが経済成長であり、日本国民を豊かにすることができるのです。

                                                   

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                                                  360度評価を導入しようとしている財務省の省内改革の本気度

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                                                    JUGEMテーマ:省庁の情報

                                                     

                                                     皆さんは、360度評価というものを聞いたことがあるでしょうか?

                                                     

                                                     この360度評価は、多面評価とか多面観察という言い方をすることもあります。私の前々職の職場では、毎年1回多面観察を実施し、人事評価に組み込まれていました。

                                                     

                                                     今日は「360度評価を導入しようとしている財務省の省内改革の本気度」と題し、財務省がこの360度評価を導入するというニュースを取り上げたいと思います。

                                                     

                                                     下記は朝日新聞の記事です。

                                                    『朝日新聞 2018/10/22(月)12:40 財務省は変われるか 部下が上司を評価する制度導入へ

                                                     森友学園の公文書改ざん問題や前事務次官のセクハラ問題を受け、財務省は、部下が上司を評価する「360度評価」の導入などの改革案を盛り込んだ中間報告を公表した。来年6月までに改革案の具体化を目指すが、信頼回復につながる実効性のある仕組みがつくれるかが問われる。
                                                     中間報告は職員へのアンケートやヒアリングなどをもとにまとめた。評価制度の見直しのほか、本省の「コンプライアンス推進会議」のアドバイザーとして、大久保幸夫・リクルートワークス研究所所長ら3人の外部有識者を任命。文書管理や情報公開の研修の拡充などを盛り込んだ。
                                                     アドバイザーに任命された山口利昭弁護士は今後の課題として「縦社会の意識が強いままでは改革を進められない」と、意識改革の必要性を訴える。
                                                     財務省は中間報告について、19日にホームページで「進捗(しんちょく)報告」として公表しただけで、記者会見などは開かなかった。別の省庁幹部からは「事務方トップの事務次官が世の中に訴える姿を見て職員の意識も変わるはず。そういう姿勢を示さなければ改革案は作文になりかねない」と、本気度を疑問視する声もあった。(笹井継夫)』

                                                     

                                                     

                                                     財務省は学校法人森友学園への国有地売却を巡る決裁文書の改ざん問題などを受け、再発防止に向けた省内改革案をまとめたというニュースです。その改革案の中に、「360度評価」を導入するとも報じられています。

                                                     

                                                     部下が上司の意向に逆らえない財務省の風土が不祥事につながったという反省を踏まえて、法令順守を徹底する組織に立て直そうとしていることがわかります。

                                                     

                                                     財務省のホームページを見ますと、今年7月27日の新体制発足以降、ボストン・コンサルティング・グループの秋池玲子氏を財務省参与に迎え入れ、一連の問題行為を二度と行ないよう省を挙げて財務省再生のための取り組みを進めているようです。

                                                     

                                                     その取り組みの一環として「360度評価」の導入も図ろうとしているといえるでしょう。

                                                     

                                                     これは財務省自身が自分たちは相当ヤバイ状況であるということを認めながらやっているともいえます。そもそも財務省再生のための取り組みがなされるということは、何もしなければ再び起きる可能性があるからともいえます。

                                                     

                                                     財務省自身がちゃんとやれていれば、こんな再生のための取り組みなんてのは不要です。もちろん財務省自身がやばい状況と認めたうえで、こうした取り組みをすることはいいことですし、やるべきだと思うのですが、問題が1点あります。

                                                     

                                                     それは上司も部下も同じ罪を犯しているときは、この「360度評価」は全く機能しないということです。

                                                     

                                                     例えば日本は国家としてデフレ状況から抜け出せずにいるにもかかわらず、財務省が中心となって緊縮財政を推進していることで、日本の国力を大きく阻害し、日本国民を不幸のどん底に落としていると、まともな主張をする経済学者、エコノミストらがいます。

                                                     

                                                     こういう主張に対しては、上司も部下も緊縮財政を推進することが正しいと思っているため、「360度評価」をやっても、政策に関しては緊縮が正しいと思っている限り、評価もクソもあったものではありません。

                                                     

                                                     「360度評価」の導入自体を否定するものではありませんが、法令順守を徹底するためには、「360度評価」の導入だけでどうにかなるものでもないと思うのです。

                                                     

                                                     評価の方法を「360度評価」でやるのか、他の方法でやるのか、ということよりも、思考停止的に緊縮財政が正しい、グローバリズムが正しいという発想を止めさせなければどうにもならないでしょう。また政府の財政運営を家計簿発想で考えることも、間違っているという教育も必要です。

                                                     

                                                     

                                                     というわけで今日は「360度評価を導入しようとしている財務省の省内改革の本気度」と題して論説しました。

                                                     参考までに「360度評価」のイメージのため、下方に例として分析例を掲示いたします。

                                                     財務省には、省益のためという発想ではなく、親の国益とは何なのか?を考えることができるように、ぜひとも教育していただきたいと思うのです。

                                                     

                                                     

                                                    <多面観察対象者の分析結果の例>


                                                    消費増税を既成事実化しようとするマスコミ

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                                                      JUGEMテーマ:消費税増税

                                                      JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                                                       

                                                       消費増税は決まっていません。にもかかわらず、着々と既成事実化しようとする動きを、マスコミが中心になって推進しています。財務省のプロパガンダであることの証左である読売新聞の記事をご紹介し、マスコミ報道の問題点と合わせ論説したいと思います。

                                                       

                                                       下記は読売新聞の記事です。

                                                      『2018/10/14 06:00 消費増税、予定通り来年10月実施…首相表明へ

                                                       安倍首相は、消費税率を来年10月1日に現行の8%から10%へ予定通り引き上げる方針を固めた。社会保障制度を全世代型に転換する財源を確保するため、増税は不可避だと判断した。15日の臨時閣議で表明し、増税の影響を和らげる対策の検討を指示する。中小小売店での商品購入時にクレジットカードなどを使った消費者に対し、購入額の2%分をポイントで還元する案などが柱となる。

                                                       政府は15日に臨時閣議を開き、2018年度第1次補正予算案を決定する。首相はこの席上、増税を実施する決意を示すとともに、具体的な増税対策について指示する方向だ。増税の最終判断時期を探っていた首相は、自身の経済政策「アベノミクス」の成果でデフレ脱却を実現しつつあり、様々な増税対策を総動員すれば個人消費の落ち込みは抑制できると判断した。(後略)』

                                                       

                                                       上記の記事の通り、消費増税対策ということでポイント還元について検討するという記事です。この新聞記事の後、世耕経産相がクレジットカード会社に手数料下げを要請するという報道がされました。

                                                       

                                                       こういう記事をみて、皆様はどう思ったでしょうか?

                                                       

                                                       「消費増税って、やっぱりやるんだなぁ」と思われる人がほとんどではないかと思うのです。しかしながら実際には消費増税は決定していません。

                                                       

                                                       このポイント還元の記事の真意は、早く総理指示を出さないと間に合わないということ以外に真意はありません。安倍総理は何があっても絶対に消費増税するという意思表示のために言ったわけではないのです。 

                                                       

                                                       この新聞記事自体、2018/10/14(日)のAM06:00です。朝刊一面トップで「安倍総理が2019年10月消費増税の意向を表明へ!」と報じました。とはいえ、閣議は翌日2018/10/15(月)です。月曜日も、火曜日も「増税は決定的!」的な言い回しで、増税は決まったと報道され続けています。その後で世耕大臣のポイント下げ要請の記事もありました。

                                                       

                                                       なんでこんなことになっているのでしょうか?

                                                       

                                                       実は、読売新聞は財務省の天下り先の一つといわれています。そのため、読売新聞も財務省の増税したい意向に乗っかって報していると思われるのです。その以降に乗っかり、意図的に既成事実化を強化しようとしているものと考えられます。

                                                       

                                                       今回の読売新聞の記事で指摘しておきたい点は2点あります。

                                                       

                                                       1つ目はとにかく消費増税が確定かどうかは現時点では不明であるということ。

                                                       

                                                       2つ目はポイント還元について、そもそも2%ポイント還元を、数カ月から1年に延ばすと報じています。消費税UPは2年目も3年目もずっと続きます。2%ポイント還元を数か月実施することによる消費の落ち込みの緩和効果がゼロとまで言うつもりはありません。

                                                       

                                                       とはいえ巨大な消費の落ち込みを大きく和らげる効果があるか?といわれれば、ほとんど期待できないでしょう。もちろん他の政策と合わせ技であるとしても、この程度の政策をどれだけ積み重ねたとしても、巨大な消費の落ち込みを和らげる効果はほとんどなといえます。実質賃金、実質消費の大幅な低下を抑えるのは不可能でしょう。

                                                       

                                                       実質賃金、実質消費は、額面の給料から物価変動分を調整します。仮に消費増税10%にすると、強制的に物価は2%上昇します。となれば100%間違いなく例外なく2%分の実質賃金、実質消費が減ります。仮に消費量が同じだったとしても、2%分減ります。

                                                       

                                                       賃金と消費の落ち込みを軽減するのは並大抵のことではなく、もしポイント還元するのであれば、消費税10%全額還元するというくらいでなければ、埋め合わせ効果は部分的にも期待できないでしょう。

                                                       

                                                       デフレ脱却していないのに、なぜ消費増税なの?という意見は言うまでもありませんが、消費税は消費を削減するための税制であることに、政治家は気付いていないのではないでしょうか?

                                                       

                                                       だから逆に日本が高インフレの状態であれば、消費を抑制し、景気の過熱を抑制してバブルの芽を摘むという意味で、消費増税を政策の選択の一つとして検討することは可能です。

                                                       

                                                       しかし今はインフレなのでしょうか?

                                                       

                                                       内閣府が9/10に発表した第2四半期(4月〜6月)のGDPデフレータは第二次速報値で前期比0.0%、総務省が10/19発表した9月のコアコアCPIは前年同月比で0.4%(6月は0.2%、7月は0.3%、8月は0.4%)。

                                                       

                                                       何が言いたいかといえば、2%とか3%とかいう数値からは程遠く、プラスマイナス0前後をウロチョロしている状況で、デフレ脱却したとはいえません。この状態で消費増税をすれば、より大きく消費が落ち込むことになるのは当然の帰結です。

                                                       

                                                       そもそも税金をかけると、消費行動は抑制されます。そのため、普通は抑制したい項目に税金をかけます。だから「消費増税すると消費が減退する恐れがある」という言い方をする人もいますが、”恐れ”があるとかないとかいうのではなく、消費を抑制させたいという意図に基づいてかけるのが消費税なのです。

                                                       

                                                       そういうコンセプトで消費税という税金をかける以上、消費が落ち込まないように努力するというのは、どう考えても普通に無理です。消費を増やすためには、消費減税しか道はありません。

                                                       

                                                       

                                                       というわけで今日は「消費増税を既成事実化しようとするマスコミ」ということで論説しました。

                                                        消費増税は法律で決まっている以上、消費増税する可能性はあるため、早く対策の指示を出さなければならないということから安倍総理が対策を指示しただけであり、まだ決まっていません。

                                                       それを閣議の前日の朝刊で「消費増税の意向を固める!」といった報道は、日本国民に「増税は決まったんだ!」と思わせる財務省のプロパガンダそのものです。

                                                       また記事で報じているポイント還元にしても、消費税による経済のダメージを補う政策として、2%程度を1年間続ける程度のことをどれだけ組み合わせたとしても、ほぼ絶望的に効果がないと考えられます。なぜならば、消費増税の影響はそれ以降も続くからです。

                                                       V字回復せずL字であることは過去の消費増税でも実証済み。今こそマスコミ報道に騙されることなく、消費増税ではなく消費減税こそ、日本を救うということ多くの人々にご理解いただきたいと思うのです。

                                                       

                                                       

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                                                      医学部受験の男女差別問題について

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                                                        JUGEMテーマ:医療崩壊

                                                         

                                                         今日は東京医科大学で発生した不正入試問題について述べたいと思います。

                                                         

                                                         下記は朝日新聞の記事です。

                                                        『朝日新聞 2018/10/17 16:30 合格基準に男女差、疑い 他の医学部、一部受験生優遇も 文科省調査

                                                         文部科学省が、東京医科大の入試不正をきっかけに全国81大学の医学部医学科の入試を対象に実施している調査で、男女によって異なる合格基準を設定している疑いのある私立大学が出ていることが、関係者の話で分かった。追加合格者らの決定が学長や医学部長に一任されていた例もあったという。文科省は各大学に説明を求め、不正があった場合は自主的に発表するよう呼びかけている。
                                                         調査は、東京医科大で女子や浪人回数が多い受験生が一律に不利な扱いを受けていたことが判明したことをきっかけに行われている。関係者によると、文科省はこれまでに複数の私立大で、男女や年齢によって受験生の間に差を設けている例を把握している。
                                                         ある大学では男女で異なる合格基準を設け、男子を優遇していた疑いがあるという。この大学では1次試験(学科)の結果と、2次試験(小論文・面接)を数値化し、0・5点刻みで評価した結果を組み合わせて合否判定をしているが、女子は常に男子より1レベル下に置かれていた。1次試験がトップレベルの受験生の場合、男子は2次試験の結果が2・5点以上で合格か最優先の補欠だったが、女子は3・0点以上を取らないと同じレベルにならず、2・5点であれば2番手扱いの補欠だった。
                                                         また、追加合格の決定が学長や医学部長に一任され、面接では「不適格」とされるような点数の受験生が合格している大学もあった。年齢によって受験生に差をつけている大学や、2次試験で「同窓」「教職員」と記載のある受験生を優遇している大学もあったという。
                                                         医学部入試をめぐっては東京医科大のほか、昭和大が15日、現役と1浪の受験生に加点をし、同窓生の親族を優先させていたことを認め、謝罪している。順天堂大も不適切な入試を行っていた疑いがあるとして、説明を求められている模様だ。(矢島大輔、寺本大蔵) 』

                                                         

                                                         上記朝日新聞が報じている通り、文科省が東京医科大学の不正入試をきっかけに全国81の大学の医学部医学科の入試を対象に行っていた調査の結果が出ました。

                                                         

                                                         東京医科大学だけでなく、他でも男女によって異なる合格基準を設定するという不適切な入試を行っている大学があることがわかりました。

                                                         

                                                         記事の後半では昭和大学や順天堂大学などの大学も出ていますが、順天堂大学は当面は事実関係を公表しない方針としています。

                                                         

                                                         順天堂大学によれば全国医学部長・病院長会議で、今後まとめる入試の公平性担保に向けたガイドラインに照らし合わせ、問題があったか?を検証し直したうえで、事実関係を公表するとしています。

                                                         

                                                         順天堂大学の対応をみてますと、こうした問題は、医療現場の要請で、組織ぐるみ、業界ぐるみでやっていたということでしょう。

                                                         

                                                         医療現場では、女性が医者になった場合、結婚や出産で現場を離れられてしまうと困るという要望があり、大学側が現場の要望に応じる形で、女子合格者を減らす不正入試をしたと思われます。

                                                         

                                                         なぜ組織ぐるみ、業界ぐるみでこのようなことになったのでしょうか?

                                                         

                                                         日本の国民皆保険の影の部分といえるかもしれません。日本は諸外国と異なり、少しのことでもすぐ病院に行くことが多く、ある意味それは需要です。しかしながら供給が満たない状態、例えば医師が少ない、看護師が少ないとなれば、現場は忙しすぎて激務であるにもかかわらず、国民皆保険で医療手当がフリーアクセスであるがゆえに、受診者がひっきりなしに来院するということがあるでしょう。

                                                         

                                                         例えば医療に関して適正な医療水準を定め、それに合わせた社会の風潮や制度にしていく。さもなければ「需要>供給」のインフレギャップ状態が変わることはありません。むしろ少子高齢化で、日本の場合は高齢者は長生きしますから、需要は増え続けていくため、「需要>供給」のインフレギャップ幅は拡大し続けていくことでしょう。

                                                         

                                                         仮に供給が少なくて人手不足を何とかぎりぎりでやりくりしているときに、女医さんが出産・結婚で一部抜けるとなれば、そうした巨大な需要に対応することはできなくなってしまいます。女医が提供する供給力では、需要に対応できないのです。

                                                         

                                                         

                                                         というわけで今日は「医学部受験の男女差別問題について」と題して、医学部の不正入試を取り上げました。

                                                         この問題は、「不正入試はけしからん」「コンプライアンス違反だ!」というのは簡単なのですが、国民皆保険というフリーアクセスが可能な日本が海外に誇れる制度と、少子高齢化を乗り切る方法をどう両立させるか?という非常に難しい問題であると思うのです。私は解決策のためのジャストアイデアを持ち合わせませんが、サイバーダインのパワーアシストスーツやロボットなどを活用して生産性向上で乗り切ることで、男女差別もなくしていく方法を模索していただきたいと思います。


                                                        失業率が下がるのは、アベノミクスの成果でも何でもありません!

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                                                          JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

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                                                           今日は「失業率が下がるのは、アベノミクスの成果でも何でもありません!」と題して論説します。

                                                           

                                                           下記はFNNプライムニュースの記事です。

                                                          『FNN 2018/10/12 PM05:32 外国人労働者「永住も可能に」 人手不足“深刻化”

                                                           人手不足の深刻化を受け、政府は12日、外国人労働者について、事実上、永住も可能となる在留資格の創設などを柱とする、新制度の骨子を提示した。

                                                           政府が2019年4月の導入を目指すこの制度では、人手不足の深刻な分野について、一定の日本語能力と専門性・技能を有する外国人材を受け入れるための2つの在留資格が創設される。

                                                           「特定技能1号」は、一定の知識・経験があり、専門技能などの試験をクリアした外国人が対象で、在留の上限は5年とし、家族の帯同は認められない。

                                                           「特定技能2号」は、より厳しい試験に合格するなど、技能の熟練した外国人向けで、配偶者と子どもの帯同も認められ、5年以上の在留も可能。

                                                           介護や農業、建設など、単純労働を含む十数業種での導入が検討され、今後、数十万人規模の受け入れが想定されている。

                                                           また、2号の資格については、更新し続ければ、事実上の永住も可能となるが、山下法相は、厳格な審査を行うことや、人材不足が解消されたあとの受け入れ停止措置などを挙げ、永住を認めるのではないと説明している。』

                                                           

                                                           上記は、外国人労働者の受入拡大に向けて、政府が2019年4月の導入を目指す新制度の概要についての記事です。

                                                           新たな在留資格を「特定技能1号」「特定技能2号」の2種類を設定し、熟練した技術を持つと認定された外国人労働者には、日本での永住を事実上認めることが柱になっています。政府は少子高齢化に伴う人手不足に対応するため、外国人労働者受入の拡大を検討しています。

                                                           

                                                           技能実習生の場合、最長10年間働くことが可能ですが、熟練した技術を持つと認定されれば、事実上永住権を認めるとしているのです。記事では山下法相が永住を認めるわけではなく、人手不足が解消されるまでと限定的と思わせる発言をしています。

                                                           

                                                           いいかげんに政府は移民を受け入れていると認めたらどうでしょうか?

                                                           

                                                           国連の人口部によれば、移民の定義は「1年以上住んでいる人」であり、そうした人々を統計上移民といっています。この定義に照らせば、日本政府は現在進行形で移民受入政策をやっているといえるでしょう。

                                                           

                                                           コンビニエンスストアの従業員や、新宿のビックカメラの従業員や、こうした人々は移民でなければ、何なのでしょうか?

                                                           

                                                           どう考えても移民政策以外に言葉がありません。彼らが移民でなければ、何民なのでしょうか?日常用語では、移民の拡大としか言いようがありません。

                                                           

                                                           そして日本における移民の拡大のスピードは早く、何カ月かおいて移民枠が拡大し、少子高齢化によって発生し得る労働賃金の上昇に対して、確実に上昇抑制圧力をかけてしまっているといえます。これは大変残念なことです。

                                                           

                                                           なぜならば、デフレ脱却を目標にしているのに、賃金上昇圧力を下げてしまうからです。

                                                           

                                                           吉野家ホールディングス(証券コード:9861)などでは人手不足のため、仕方なく賃金を上げようとしています。現場は人手不足を辛抱していますが、経営者も仕方なく賃金を上げざるを得ないのです。

                                                           

                                                          <インフレギャップのイメージ>

                                                           

                                                            人手不足の状況とは、上図のインフレギャップの状態です。上記のインフレギャップを埋めるためには、人件費を上げて人材を採用しやすい環境して人を採用するか、生産性向上しかありません。

                                                           

                                                           私が勤務するオフィスビルには、天丼の”てんや”がありますが、最近になって、券売機を入れ始めました。「注文する」「会計する」の業務が削減され、券売機という設備投資によって生産性向上によって供給力を増強というわけです。

                                                           

                                                           吉野家の場合は、人を採用して供給力を補うという方法で、そのために採用しやすくするために賃金UPして人を募集しているのです。

                                                           

                                                           労働市場におけるこうしたインフレ状況は、ただ放置すればいいのです。なぜならば、賃金UPや生産性向上のための設備投資が誘発され、物価を押し上げるというマクロ経済におけるデフレ脱却のための本質的唯一の道だからです。

                                                           

                                                           にもかかわらず、財界人は移民受入のために政府内外ですさまじいロビー活動をしています。ロビー活動に屈して移民を拡大して、日本人の賃金が上がらないとなれば、由々しき事態だと思いませんでしょうか?

                                                           

                                                           日本政府は賃金UPこそアベノミクスの本丸といっているにもかかわらず、財界は移民受入のロビー活動という真逆なことを推進しているのです。

                                                           

                                                           よくアベノミクスで失業率が下がったと主張される人がいます。そして失業率が下がったことがアベノミクスの成果だとも主張します。

                                                           

                                                           しかしながら、アベノミクスをやろうとやらなかろうと、少子高齢化となれば60歳〜65歳の人々は、どんどん仕事を辞めていきます。20歳の人は少ないから、放置しておけば必然的に失業率は下がります。

                                                           

                                                           もちろんアベノミクスでさらに失業率が下がったという側面もあるかもしれませんが、アベノミクスは賃金UPといっていました。賃金UPがあって初めて所得が上昇し、消費を拡大して経済成長することができます。

                                                           

                                                           そこに冷や水をかける外国人労働者の永住可能という政策は、「人手不足だから外国人労働者を増やさなければだめ!」という財界人の徹底したロビー活動によって引き出された政策としか言いようがありません。

                                                           

                                                           

                                                           というわけで今日は「失業率が下がるのは、アベノミクスの成果でも何でもありません!」と題して論説しました。

                                                           財界人のロビー活動といえば、米国もそうでした。スーパーPACという政治資金管理団体に企業が献金し、ロビー活動をしてきたのです。オバマでさえスーパーPACから献金を受けていましたし、クリントン氏もスーパーPACから献金を受けていました。そこに現れたのがスーパーPACから献金を受けず、マスメディアの報じるニュースをフェイクニュースと断言し、米国民ファーストを掲げて登場したのがドナルド・トランプ大統領です。トランプは今でもNAFTA見直しや、関税引き上げ、1兆ドルインフラ整備など、米国国民の賃金UPとなるための政策を矢継ぎ早に実行しています。

                                                           それと比べて日本は、せっかく少子高齢化でインフレギャップ到来なのに、高度経済成長できるチャンス到来なのに、政策を間違えて移民受入をやってきたのです。間違いで済む程度ならいいのですが、移民受入を推進すると日本人の賃金UP抑制だけでなく、社会保険などを含め、日本の国家機能が崩壊します。

                                                           移民受入だけは、何とか思いとどまっていただきたいと、切に願うばかりです。


                                                          2年遅れで開場した豊洲市場と、法で裁けない小池都知事に対する巨大な罪

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                                                            JUGEMテーマ:東京都

                                                            JUGEMテーマ:豊洲市場移転問題

                                                             

                                                             先々週ではありますが、2018/10/11(木)00:00に、豊洲市場が開場しました。今日はこの豊洲市場移転問題について述べたいと思います。

                                                             

                                                             豊洲市場は40万屬發旅さの敷地で、これは築地市場の約1.7倍に相当します。壁がない開放的だった築地市場とは対照的に、豊洲市場は外気を遮断した構造となっているため、気候の影響を受けることなく温度管理が可能です。

                                                             

                                                             もともとは2016年11月に開場予定でしたが、土壌汚染問題で2018年7月まで追加対策工事を行い、開場が1年11か月ほど遅れました。

                                                             

                                                             1年11か月も開場が遅れた理由は、その追加対策工事が原因です。なぜ追加対策工事が必要だったのか?といえば、小池都知事が衛生問題があるからと発言してしまったことが理由です。その結果、追加対策工事をやりましたが、そもそも追加対策工事は不要でした。

                                                             

                                                             本来ならば追加対策工事のお金も不要で、2016年11月に完成していたはずなのですが、ベンゼンが出てきたなどの理由で衛生問題があるという主張を続けてきたのです。

                                                             

                                                             しかしながら小池都知事のそれらの主張は、すべて地下・地中の話であり、地上の話ではありません。だいたい築地市場の土壌からも同程度のベンゼンなどの物質が出ていました。数値こそ異なるとはいえ、同程度の物が築地市場でも出ていたのです。

                                                             

                                                             小池都知事が当時、開場を延期してまでして問題だといってきたことは何か?それを東京都民は絶対に忘れてはいけないと私は思います。

                                                             

                                                             それとは何か?「築地はコンクリートで覆われているから大丈夫だ!」という主張です。

                                                             

                                                             仮に小池都知事がそれを主張するならば豊洲市場もコンクリートで覆われているので大丈夫という話です。

                                                             

                                                             コンクリートで覆われているか覆われていないかということでいうならば、2年間延期する必要は何もありませんでした。さらに衛生面でも豊洲市場の方がずっと安全だったということが、技術的にも技術者も証言していました。耐震性も圧倒的に豊洲の方が最新式の技術を使っており、耐震性が優れていました。

                                                             

                                                             そのため2年前に開始した追加対策工事を開始する以前から、耐震性も衛生面も豊洲市場は築地市場よりも優れていたということになります。

                                                             

                                                             2年前、豊洲市場の開場を延期するとして世論を喚起し、大変な任期で豊洲の女と呼ばれた小池都知事ですが、今はどうでしょうか?

                                                             

                                                             豊洲市場移転問題を人気取りのための道具に使ったとしか、それ以外に意味を見い出すことができません。

                                                             

                                                             これは法律で裁けませんが、巨大な犯罪といえるのではないでしょうか?東京都民は改めてその理解をする必要があると思うのです。

                                                             

                                                             下記は産経新聞の記事です。

                                                            『産経新聞 2018.10.11 08:05 開場直後の豊洲市場でトラブル相次ぐ ターレから出火、接触事故も

                                                             11日開場したばかりの豊洲市場(東京都江東区豊洲)では、火災や事故などのトラブルが相次いだ。

                                                             午前2時55分ごろ、市場内の「7街区」と呼ばれるマグロなどの水産物を扱う水産卸売場棟で、小型運搬車「ターレ」から出火。東京消防庁が消防車など19台を出動させて消火にあたり、約30分後に鎮火した。けが人はいなかった。同庁によると、電気系統のトラブルとみられるという。周囲は一時騒然とした。

                                                             また、午前4時半ごろには「6街区」と呼ばれる水産仲卸売場棟で、市場関係者とみられる60代の女性が、後ろからきたターレと接触して転倒。東京消防庁や警視庁深川署によると、女性は病院に搬送されたが、軽傷とみられる。』

                                                             

                                                             上記は産経新聞の記事ですが、開場直後に小型運搬車ターレット(通称「ターレ」)が出火して焼けたというニュースです。原因は電気系統のトラブルと報じられていますが、築地市場から豊洲市場にターレが移動していて、開場早々に燃えたということで、先行きを懸念しているという人もいるようです。

                                                             

                                                             その豊洲ではAM05:30からマグロの初競りが始まりました。照明の見え具合が築地と違うなどとも報道され、卸値に影響が出るとも報道されました。

                                                             

                                                             こうしたネガティブなニュースもある豊洲市場ですが、コンクリートで覆われて築地と異なって外気が遮断されて鮮度がキープできるため、圧倒的に清潔という声もあるようです。

                                                             

                                                             豊洲市場は今後さらなる安全のアピールもするでしょうが、どう集客するか?が課題となっています。

                                                             

                                                             築地市場は、飲食業や小売業が集客力を発揮して活性化をもたらしてきました。豊洲市場もそれを引き継ぐわけですが、目玉となるのは千客万来施設は、2022年12月に完成し、2023年に開業予定となっています。

                                                             

                                                             さらに環状2号線の開通が、豊洲市場スタートに間に合いませんでした。環状2号線は、2年前から工事していても間に合うスケジュールではありませんでしたが、オリンピックの渋滞緩和に備えることが目的であったため、築地跡地を使う環状2号線の工事の着手が早ければ、2020年の東京オリンピックに間に合う予定でした。

                                                             

                                                             日本の台所と呼ばれた伝統・文化を受け継いで、新たな豊洲ブランドの確立を目指す一方で、環状2号線開通の遅れによる交通渋滞という課題は浮き彫りになることでしょう。

                                                             

                                                             また、スーパーや産地直送やネット通販の拡大により、卸売市場を通す水産物が50%割れ寸前ともいわれています。卸売市場の存在意義が問われる中、物流機能の向上や海外輸出拠点の役割に活路を見い出す考えで、豊洲市場はその先導役としても期待されています。

                                                             

                                                             豊洲移転を推進してきたのは、気まぐれで何となく推進してきたのではありません。築地市場には従来から衛生問題、老朽化問題、耐震性問題といった安全性の問題がありました。

                                                             

                                                             このままでは先行きが見通せないということがずっと言われ、様々な関係者が知恵を絞った結果、豊洲が代替地としてベストとして、巨額なお金をかけて2016年11月開場予定で豊洲移転をすすめてきましたが、土壌汚染の問題があるからという理由で1年11か月開場が延期されました。

                                                             

                                                             この土壌汚染問題は豊洲だけでなく築地でも出ていたものであることは先述の通りです。なぜ築地がそのまま使われているのか?と言われれば「コンクリートで覆われているから大丈夫」というめちゃくちゃな理由でした。

                                                             

                                                             豊洲市場もコンクリートで覆われ、最新式の地下水管理システムを入れているので、より安全なのですが、この時マスコミは地下水管理システムがある地下空間について、盛り土がないなどと意味不明な報道をして、小池都知事の豊洲市場開場延期を助長するどころか、豊洲市場移転反対という報道をしていたのです。

                                                             

                                                             技術関係者の主張を全部無視し、イメージを印象操作してほとんど決まりかけていたものを中止しましたが、そのとき東京都民もマスコミも多くは小池都知事を称賛しました。

                                                             

                                                             これは八ッ場ダムも同じです。ほとんど工事が終わっていたのにもかかわらず、民主党政権が誕生して事業仕分けだかなんだか、八ッ場ダムの工事を止めました。そのとき民主党政権に投票した多くの国民は、民主党が素晴らしいと称賛していました。

                                                             

                                                             こうした人気取りのためにインフラの完成を遅らせるということは、ある意味で巨大な政治犯罪と言えませんでしょうか?

                                                             

                                                             法律では裁くことはできませんが、民主党にしろ、小池都知事にしろ、道義的にはとんでもない犯罪だと思うのです。

                                                             

                                                             

                                                             というわけで今日は、豊洲市場開場について取り上げました。

                                                             小池都知事の豊洲移転問題、民主党の八ッ場ダム問題、いずれも巨大な政治犯罪であると考えます。特に豊洲市場については大局的なそうした問題に触れることなく、その場だけ近視眼的にみて、火事発生や渋滞発生が課題と報道するマスコミの姿勢にも問題があるものと思います。

                                                             豊洲築地問題について、いろんな関係者が血の滲むような努力があって豊洲市場はオープンしたということを、私たち東京都民も東京都以外の日本国民にも知っていただきたい、私はそう思います。

                                                             

                                                            〜関連記事と東京都庁のホームページから豊洲市場について(抜粋)〜

                                                            築地市場も土壌汚染の恐れ?

                                                            豊洲の移転延期の判断誤りを認めようとしない小池都知事

                                                            小池知事の豊洲市場の安全宣言とは、いったい何なのか?

                                                             

                                                             

                                                            <豊洲市場の見学コースと魚の卸売の様子>

                                                            (出典:東京都庁のホームページから引用)


                                                            世耕経産相の”カード手数料下げ要請”にみるデフレ脳と泥縄状態の消費増税対策

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                                                              JUGEMテーマ:消費税増税

                                                              JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                                                               

                                                               今日は「世耕経産相の”カード手数料下げ要請”にみるデフレ脳と泥縄状態の消費増税対策」と題し、世耕大臣によるカード手数料引き下げ要請のニュースを取り上げます。

                                                               

                                                              1.カード会社の手数料下げ要請の目的は何か?

                                                              2.ポイント配布や商品券配布や現金配布の経済効果について

                                                              3.増加する社会保障費のために税収を増やそうとするならば名目GDPを増やすことが必要

                                                               

                                                               上記の順で論説し、改めて消費増税に対して反対の旨を述べさせていただきます。

                                                               

                                                               

                                                               まずはブルームバーグの記事を紹介いたします。

                                                              『ブルームバーグ 2018/10/19 12:59 クレセゾンや丸井G株急落、経産相がカード手数料下げ要請検討と発言

                                                               クレディセゾンや丸井グループなどクレジットカードを発行する企業の株価が急落している。世耕弘成経産相が19日午前の会見で、加盟店がクレジットカード会社に支払う手数料の引き下げを要請する考えを明らかにしたことが売りを誘った。

                                                               エポスカードを手掛ける丸井G株は一時前日比11%安と2015年8月以来の日中下落率、クレディセゾン株は8.7%安と16年6月以来の下落率となった。このほか、楽天カードを持つ楽天株やイオンカードのイオンフィナンシャルサービス株も5%超の下落率だった。

                                                               世耕氏は同日午前の閣議後会見で、キャッシュレスの対応では日本が世界の流れに遅れているとし、その背景には「手数料負担が重いことがあった」と指摘。消費税の引き上げに合わせキャッシュレス決済を活用すればポイントを還元したり、値引きしたりする景気対策の導入が検討されていることから、手数料の引き下げ措置を考えることが必要だとし「関係事業者に協力をお願いしないといけない」との考えを示した。

                                                               みずほ証券の佐藤耕喜シニアアナリストは同日付のリポートで、クレジットカード業界にとってこれまでの競争条件に変化を及ぼす可能性のある話で「マージン悪化リスクがある」と指摘。しかし、手数料率が少々引き下げられたとしても、中小の小売店舗に導入を決断させるような水準までは下がりにくいと考えられることや、より手数料率の低いQRコード決済などが主流となる可能性があることなどから「実効性には疑問符」との認識を示した。

                                                               SMBC日興証券の原貴之アナリストは、経産省が主導するキャッシュレス化推進と、消費増税に伴う経済対策は別の命題で、「これらを組み合わせる経済合理性や政策実現性は低い」との見方を示した。

                                                               政府のカード手数料引き下げ要請については、産経新聞が19日付朝刊で報じていた。』

                                                               

                                                               

                                                              1.カード会社の手数料下げ要請の目的は何か?

                                                               

                                                               カード会社への手数料引き下げとはいったい何のためにすることなのでしょうか?

                                                               

                                                               消費増税対策を推進するため、キャッシュレスで2%ポイント還元するための環境の整備が目的といえるでしょう。政府はクレジットカード決済をすることで2%ポイント還元するとして、「消費増税対策」と「キャッシュレス推進」の一石二鳥と言いたいのだと考えます。消費増税を実施した後、個人消費が落ち込むと思うから、こんなことをするとしか考えようがありません。既に消費税は泥縄の状態といえます。こんな泥縄の複雑になるくらいなら、消費が落ち込むことを予想するのであれば、最初から消費増税をしなければいいのです。

                                                               

                                                               カード会社の話に戻します。

                                                               

                                                               1つ目として、クレジットカード会社というのは、個人の信用を調査し、買い物の決済における集金代行をするサービスともいえるのですが、そのサービス料を加盟店から手数料として徴収します。それがクレジットカード会社の売上高になります。

                                                               

                                                               カード決済の金額が大きければ大きい(名目需要が高い)ほど、件数が増えれば増える(実質需要が多い)ほど、クレジットカード会社は儲かるというわけです。

                                                               

                                                               ブルームバーグの記事の中で経済産業省の世耕氏が、日本のキャッシュレス対応の遅れの原因は、”カード会社の手数料が高い”旨の発言をされています。マクロ経済的にいえば、これはデフレ脳に侵された発言です。

                                                               

                                                               みずほ証券のアナリストの声でも批判的な意見が掲載されていますが、私が思うに「料金が高いから安くしろ」というのは、名目需要を削減するインフレ対策です。 

                                                               

                                                               もちろんカード会社が加盟店手数料を引き下げることで、カード決済のシステムを持たない小売店などは、新たにカード決済のシステムを導入することはあるかもしれません。仮に手数料が高いことを嫌って高額商品を取り扱う小売店などが加盟する可能性もあります。

                                                               

                                                               とはいえ、加盟店手数料を下げるという名目需要の削減によって、逆に加盟店の店数が増加して決済金額と決済件数が増加することで名目需要・実質需要が増えたとして、加盟店手数料の減少分をそれらの増加分で埋め合わせることは可能なのでしょうか?

                                                               

                                                               その答えは、可能かもしれないし不可能かもしれないし、誰にもわかりません。消費増税をすれば、高額商品自体の消費は減少するでしょうし、決済件数も増加するとは限らないのではないでしょうか?

                                                               

                                                               これは「法人税を減税すれば投資が増える」とか「銀行が貸出金利を引き下げれば投資の需要が増える」という発想と似ていると思うのです。

                                                               

                                                               例えば法人税を減税したとしても、需要がなければ経営者は投資(設備投資・在庫投資)しません。減税した分効率よく内部留保を貯めていくだけです。

                                                               

                                                               また銀行の貸出金利を引き下げても投資の需要がないのは、値段を下げなければモノ・サービスが売れにくいデフレの状況であれば、銀行から借り入れをしてのビジネスはたとえ金利がどれだけ安くても儲からない環境であるがゆえに、経営者はお金を借りてまでして投資をしようとはしないのです。

                                                               

                                                               何が言いたいかといえば、カード会社の手数料を引き下げ要請するくらいならば、普通に消費減税して個人消費を喚起すれば「カード決済の金額も件数も増えていくのでは!」と思うのです。

                                                               

                                                               

                                                              2.ポイント配布や商品券配布や現金配布の経済効果について

                                                               

                                                               2つ目として、ポイント還元することで、その分の消費が増えるでのは?という意見もあるかもしれません。しかしながらポイント還元した分が必ず消費が増えると言い切れるのでしょうか?

                                                               

                                                               この議論は、個人消費を活性化するために商品券を配布するという政策と同じことがいえます。例えば消費税対策として商品券を10万円配布するとしても、10万円分月収から現金で貯金をする人、住宅ローンなどの借金返済をする人っていないでしょうか?

                                                               

                                                               因みにこの10万円分貯金や住宅ローンの借金返済は、消費ではないため、誰の所得にもなりません。消費=支出=生産のどれにも該当しないため、貯金した分や借金返済した分はGDPは増えず経済成長は抑制されます。

                                                               

                                                               何が言いたいかといえば、還元されたポイントは有効期限があるから、必ず消費に回るという議論は、商品券配布の議論と同じで、その分毎月もらえる給与から貯金が増える、借金返済する人が絶対ないとは言い切れますか?ということ。政府が「ポイント分を貯金したり借金返済に回すのは禁止で、必ずモノ・サービスを買いなさい!」と個人の消費行動をコントロールすることは不可能です。

                                                               

                                                               大変残念ですが、リフレ派が主張するようなヘリコプターマネーにしろ、商品券配布にしろ、ポイント配布にしろ、その分が必ず消費に回ると考えている人の誤解は、政府が個人の消費行動の選択肢の中に、毎月もらえる給料からポイント分を預貯金する、借金返済の一部に充てるという選択肢があることを見落としていることに尽きます。

                                                               

                                                               ポイント還元や商品券配布の経済政策が個人消費に全く経済効果がないとまでは言いませんが、少なくとも政府支出による公共事業は、予算化されて年度内に必ずお金を費消しますので、必ず年度内に消費=生産=分配が発生するのと比べれば、経済効果は限定的といえるでしょう。

                                                               

                                                               カード会社への手数料引き下げは経済成長に必ず資するとは誰も言い切れず、公共事業を増やす方がはるかに経済成長効果があります。もとより消費増税によって消費が落ち込むことを心配するのであれば、最初から消費増税なんてしなければいいだけの話です。

                                                               

                                                               

                                                              3.増加する社会保障費のために税収を増やそうとするならば名目GDPを増やすことが必要

                                                               

                                                               そもそも税収を増やすことが目的であるならば、名目GDPをどう増やすべきか?を考えるべきです。税収を増やしたいのであれば、名目GDPがどうやったら増えるのか?を理解しなければなりません。なぜならば税収は名目GDPと相関関係にあるからです。(下記グラフを参照)

                                                               

                                                              <日本におけるGDPと税収の推移>

                                                              (出典:「財務省のホームページの一般会計税収」「世界のネタ帳の名目GDP」数値を引用)

                                                               

                                                               よく言う論説として「少子高齢化のために年々増加を続ける社会保障費に対応するためには増税以外に方法はない」という人がいます。この論説が正しいならば、確かに消費増税は正当化されるでしょう。

                                                               

                                                               そもそも社会保障費は、これからも「右肩上がり」で続いていきます。これについては疑う余地はありません。私は消費増税で経済不況にならないという考え方には全否定の立場ですが、仮にも消費増税で経済不況にならない、デフレ脱却が遠のかないという仮定の下、消費増税以外に道がないとするならば、消費税率を「右肩上がり」で増やし続けなければなりません。

                                                               

                                                               しかしながら消費税率を「右肩上がり」で増やし続けるというのは、あまりにも非現実的であり、「社会保障制度を維持するためには消費税率を上げざるを得ない」という論説そのものが論理的に破綻していないでしょうか?

                                                               

                                                               では、社会保障費が増えていくのを黙って見れいればいいのか?という意見もあろうかと思いますが、それは税収が名目GDPと各種の税率に依存するものであって、税率を変えなくても名目GDPを増やせば税収は増えるという事実を見落としています。

                                                               

                                                               上図のグラフがその証左です。税収の動きと名目GDPの動きは、相関関係にあることが理解できるのではないでしょうか?

                                                               

                                                               GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出(※)

                                                               ※純輸出=輸出−輸入

                                                               税収=GDP×税率×税収弾性値

                                                               

                                                               上記の式の通り、GDPが増えるということは、国民の消費や所得や企業の収益が増えるということを意味するため、税率が一定であったとしても、消費税、所得税、法人税が増えるのは、当たり前なのです。

                                                               

                                                               

                                                               というわけで今日は「世耕経産相の”カード手数料下げ要請”にみるデフレ脳と泥縄状態の消費増税対策」と題して論説しました。

                                                               既に消費増税対策は、泥縄状態と言えるでしょう。何しろコンビニ業界ではイートインを廃止するとか、自動車業界は代わりに自動車税を引き下げて欲しいとか、何のために消費増税をやるのか?意味が分かりません。

                                                               こうした中で「カード手数料下げ要請」や「携帯電話料金が高い」といった話が出てくること自体、世耕経産相や菅官房長官をはじめ、自民党議員の多くがデフレ脳に汚染されていることの証左ではないでしょうか?最初から消費増税は意味がないことを知っていれば、こうした発言は出てこないものと思うのです。

                                                               とにかく、政府が消費を喚起するために特定の業界が生産するモノ・サービスに対して値下げを強要するとか、少子高齢化なので増税は待ったなしというような論説には全く正当性がありません。本ブログをお読みいただく賢明な読者の皆様には、世間の流布された俗説に惑わされないようお願いしたいと思うのであります。

                                                               

                                                               

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