仮想通貨の金融商品取引法上の問題点

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     今日は仮想通貨について論説します。

     

     今週、コインチェックと同様に、仮想通貨交換所大手の「Zaif(ザイフ)」で、約67億円分のビットコインなどの仮想通貨が不正流出したというニュースがありました。このニュースを取り上げ、改めて仮想通貨について金融商品取引上の問題点を指摘したいと思います。

     

     下記は読売新聞の記事です。

    『読売新聞 2018/09/20 13:02 仮想通貨67億円相当が流出…「ザイフ」から

     仮想通貨交換業者「テックビューロ」(大阪市)は20日、同社が運営する交換所「ザイフ」から、「ビットコイン」など計3種類の仮想通貨(約67億円相当)が不正アクセスによって外部に流出したと発表した。金融庁は18日、同社に対し、改正資金決済法に基づく報告徴求命令を出した。20日午後にも詳細な報告を受けた後、立ち入り検査に入る。大阪府警は不正アクセス禁止法違反などの容疑で捜査に乗り出した。

     流出したのは、「ビットコイン」のほか、「ビットコインキャッシュ」、「モナコイン」の計3種類。被害額のうち約45億円は顧客からの預かり資産で、残り約22億円が同社の資産だった。テックビューロは、顧客への補償に応じる方針という。被害にあった顧客の数は明らかにしていない。(後略)』

     

     

     上記の記事は、仮想通貨交換業者「テックビューロ」が運営する「Zaif」が不正アクセスを受け、ビットコインなどの3種類の通貨が外部流出したという事件です。「テックビューロ」は2回業務改善命令を受け、3/8、6/22と2回行政処分を受けていました。にもかかわらず、こうした大量流出事件が発生したということで、仮想通貨自体の問題もさることながら、取引所業者についてのシステム管理、ガバナンス管理が問われることになりました。

     

     仮想通貨はいろんな問題点がありますが、そのうちの一つとして、仮想通貨が有価証券ではないため、金融商品取引法、金融商品販売法の規制を受けないことがあげられます。そのため、相場操縦が自由にできてしまうなどの問題があり、リスクが大きいのです。

     

     その一例をケーススタディでご説明しようと思いますが、その前に、仮想通貨の特徴について簡単に触れておきます。仮想通貨では「マイニング」という言葉を聞いたことがある方がおられるかと思います。

     

    <マイニングのイメージ>

     

    (出典:GMOインターネット社)

     

     マイニングとは何か?

     

     仮想通貨の特徴として取引データを台帳に記録して更新していく追記作業のことを、マイニングといいます。ネットワークに分散して保存されている台帳データと、一定期間内に発生したすべての取引データとの整合性を取りながら情報更新していく追記作業のマイニングには、膨大な量の計算を短時間で行う必要があります。こうした追記作業を行う人をマイナー(=採掘者)といい、ビットコインの場合は、追記作業に成功したマイナーに新たなビットコインが報酬として支払われ、新たなビットコインが発行されます。

     

     相場操縦に話を戻しますが、仮想通貨はビットコイン以外にも新たな仮想通貨が世界中で生み出されています。相場操縦が自由にできる例として、例えば、仮想通貨をマイニングするマイナーと呼ばれる業者が、100枚の新しい仮想通貨を発行したとして、そのうち90枚は仲間内でホールドし、10枚だけをマーケットに出します。この出された10枚の値段を、発行主体と仲間たちが結託して吊り上げることが可能なのです。

     

     具体的には、最初に1円で発行した仮想通貨に100円の初値が付いたとして、それを100円で購入した人が200円で売りに出します。そのあと200円で購入した人が300円で売りに出すという方法で、値段をどんどん釣り上げていきます。これがもし株式投資の世界であれば、金融商品取引法で禁じられている相場操縦にあたる行為なのですが、仮想通貨は金融商品取引法の適用を受けないため、こうしたことが自由にできてしまうのです。

     

     上述の例では、仲間内が値段を吊り上げていく中で、広告宣伝を入れて新規市場参入者を増やしながら、自分たちがプールしていた90枚を徐々に売り出していくというということができます。

     

     同じような事例として、絵画のオークションがあります。ある画家の作品が1号10万円だったとして、その絵の値段を吊り上げたい画商がいると仮定します。その画商は絵画の絵を100枚持っていて、100枚のうち1枚をオークションに出して、値段を1号100万円くらいまで吊り上げます。その絵の評価額が1号100万円と当初の10倍に跳ね上がったところで、残りの99枚を売りに出していくのです。このような絵画の値段を吊り上げる行為については、有価証券でなく普通の商品なので犯罪にはなりません。

     

     こうして仮想通貨それ自体にもいろんな問題点があるのですが、今回「Zaif」のように大量の仮想通貨を流出させた業者についても、ガバナンス不在の弊害という問題があります。「Zaif」を運営する業者のテックビューロ株式会社は、仮想通貨交換業者16社の1社です。

     

     ガバナンス不在の弊害という例としては、金融庁が仮想通貨交換業者の検査・モニタリングした際に、5つをあげています。

    〕益を優先した経営姿勢

    ⊆萃役及び監査役に牽制機能が発揮されていない

    6睛散箸箸靴討離螢好管理に知識を有する人材が不足

    ね用者保護の常識や法律を遵法精神が低い

    シ弍直霾鵑篋睫馨霾鵑粒示に消極的

     

     上記 銑イ蓮⇒用者からみれば決しておろそかにして欲しくない項目ばかりですが、テックビューロ株式会社が2018/06/22に受けた行政処分の内容は、下記の通り6つです。

    顱 経営管理態勢の構築(内部管理部門及び内部監査部門の機能が十分に発揮できる態勢等の構築を含む)
    髻 法令遵守態勢の構築
    鵝 マネー・ローンダリング及びテロ資金供与に係るリスク管理態勢の構築
    堯 利用者財産の分別管理態勢の構築
    . 利用者保護措置に係る管理態勢の構築
    . 仮想通貨の新規取扱等に係るリスク管理態勢の構築

     

     先述の通り2018/03/03にも行政処分を受けたにもかかわらず、6/22にも行政処分を受けているのです。上述の顱像の内容についてもまた金融庁の検査で指摘している項目とほぼ一致します。

     

     特に利用者財産の分別管理体制でいえば、2017年4月1日に施行された改正資金決済法によって「利用者財産の分別管理」が義務付けられました。

     

     2018/01/22にNEMの大量流出で問題になったコインチェック社(現在はマネックス証券の傘下)は、顧客資産の保管状況が明らかにならず、仮想通貨交換業者としての適格性を著しく欠いていた点が問題でした。コインチェック社の場合は、財務内容も明らかになってなかったのですが、理由は中小企業の扱いであるためです。中小企業は税制面で優遇措置があるほか、経理の人員が少なく高度な会計処理に対応できる十分な能力や経営体制を持っていないなどの理由で、計算書類などの作成負担を最小限に留めて過重な負担を課さないという措置が取られています。

     

     とはいえ中小企業というだけで、監査も十分にできていない会社に仮想通貨交換業者の認定を与えてもよいのか?という疑問を持ちます。コインチェックでは月間4兆円も取引があったのに、それだけの資金を顧客から預かるに足る能力を体制があったのか?という指摘は免れないと思うのです。

     

     下表はテックビューロ社、コインチェックの2社の概要です。

     

     コインチェックも問題でしたが、テックビューロ社も従業員がコインチェックよりも少ない約60人程度です。70億円もの資金を預かる体制が、テックビューロ社にあったのか?疑問を持たざるを得ません。

     

     これが証券会社であれば、顧客から預かる株式、債券、金銭は証券会社自身の資産とは区別して管理することが、金融商品取引法で義務付けられています。投資信託の場合も、証券会社は販売窓口の販売会社という位置付けで、運用資産は信託銀行で信託銀行自身の資産とは区別して管理されます。

     

     もともと、仮想通貨交換業者が、顧客の仮想通貨を管理している状況では、内部不正や業者が破綻した場合に、預けた仮想通貨が戻らないというリスクもあります。たとえ改正資金決済法の規制通りに、仮想通貨交換業者と顧客の資産を分別管理していたとしても、単に分別管理しているだけでは業者が倒産したときに一般債権と扱われて一定額しか戻らないリスクもあります。

     

     顧客サービスの品質向上のためには、仮想通貨交換業者はコストをかけても信託の仕組みを銀行と締結することが必要でしょう。

     

     分別管理だけでなく、管理方法についても不正アクセスによる流出の防止に十分なコストをかける必要があります。ところが実際は利益追求でコストを抑制し、結果的に事件を引き起こすという業者が多いという印象を私は持ちます。

     

     

     というわけで今日はZaifの不正アクセスによる仮想通貨流出事件を取り上げ、仮想通貨について金融商品取引法上の問題点をご説明しました。

     

     

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    関西空港閉鎖がもたらした日本経済への影響について

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       関西空港は台風21号によって一時閉鎖に追い込まれました。今日は関西空港閉鎖による日本経済への影響について論じたいと思います。

       

       下記は日本経済新聞の記事です。

      『日本経済新聞 2018/9/12 19:27 伊丹・神戸 受け入れ決定 関空代替、1日計70便     

       台風21号で大きな被害を受けた関西国際空港の機能の一部補完について、大阪国際(伊丹)、神戸の両空港が臨時に1日最大で合計70便を受け入れることが決まった。内訳は伊丹40便、神戸30便で国際線を含む。伊丹空港の周辺10市でつくる大阪国際空港周辺都市対策協議会(10市協)と神戸市は12日、国土交通省からの要請をおおむね受け入れると同省に回答した。

       10市協は伊丹空港の運用時間を現行の午前7時〜午後9時から午後10時まで1時間延長することは認めなかったが、これまで認めなかった遅延便を弾力的に受け入れる姿勢に大きく転換した。

       1日当たりの最大便数は従来の370から410まで拡大することも容認。増便の際の低騒音機の優先導入や、今回の臨時措置が2カ月を超える場合の再協議も求めた。

       神戸空港の施設所有者である神戸市の久元喜造市長は「大阪府知事から要請のあった運用時間の延長についても対応する用意がある」とコメントした。大阪府知事は同空港について、午前7時〜午後10時から午前6時〜午後11時までの延長を要請している。』

       

       上記記事の通り、台風21号の被害で大幅に減少している関西空港の発着便について、伊丹空港と神戸空港の関係自治体が、2つの空港で国際便を含めた増便を受け入れる方針を正式に表明しました。

       

       関西空港の機能縮小で日本経済への影響が心配される中、国内線のみ就航させる取り組みだった2つの空港の伊丹空港、神戸空港が国際線を含めて補完するという異例の対応です。

       

       9/14には第一ターミナルが再開されましたが、関西空港には入国する外国人の3割が利用しているとのことで、国際線の再開が1か月遅れるだけで600億円の被害との試算も出ています。

       

       空港が止まった場合の経済被害は大きいのですが、多くの人々は、それがどのくらい大きいのか?イメージができないかもしれません。

       

       関西空港は、実は超巨大物流空港であるということが意外と知られていないのです。24時間空港という便利さもあって、物流空港としても重要な空港だったのですが、これが閉鎖する・機能が縮小するというのは、相当なダメージです。仮に成田空港を代替したとしても、成田空港から大阪に運ぶ手間があるわけです。

       

       被害額600億円との試算は、旅客移動だけを考慮した試算である可能性もあり、物流移動を含めたら被害がもっと大きい可能性があります。

       

       また、関西空港の運営会社の関西エアポートは、9/14に第一ターミナルを再開したものの、災害は訪日客に影響を与えました。下表の通り、7月の訪日客数は推計値で前年同月比で4.7%増と、伸び率は1ケタ台になってしまいました。

       

      <過去5か年の訪日外国人数の6月と7月の比較>

      (出典:JTB総合研究所作成の訪日外国人の推移を引用 2018年度は推計値)

       

       6月に大阪北部地震、7月の西日本豪雨で、風評被害も広がっているかと思います。とはいえ、それ以上にダメージを受けたものとしては、日本の先進国としての威信が傷付いたことであると思うのです。

       

       関西空港の閉鎖、タンカーが橋げたに激突するという映像は、先進国としていかがなものでしょうか?橋が一本しかないということはあり得るのでしょうか?普通にもう1本橋を架けるのか、地下にトンネルで道路をつなぐなどすれば、関西空港の閉鎖は避けられたでしょうが、実際は橋が1本しか架けていなかったために空港閉鎖に追い込まれました。

       

       たとえ無駄であっても、緊急時には活躍する道路というのは、日本では普通に需要があるのです。大阪維新の会の人たちは、もともと無駄削減を注力してきた政党ですので、彼らが大阪府で基盤が強い状況では、橋をもう1本架けるとか、地下に道路をトンネルでつなげるなどという発想は出ないでしょう。

       

       

       というわけで今日は「関西空港閉鎖がもたらした日本経済への影響について」と題して論説しました。9月の北海道胆振地方の地震では、新千歳空港も一時閉鎖したり、苫東火力発電所が損傷して電力がブラックアウトしてしまいました。

       東日本大震災で福島原発事故で傷付いた日本が、関西空港閉鎖、北海道ブラックアウトで、さらに威信が傷付いてしまったと言えると思うのです。スピーディーに復旧できれば「さすが、先進国日本!」となるでしょうが、全面復旧には相当の時間がかかるでしょう。

       私たち日本は、発展途上国化してそこまで落ちぶれてしまっているという認識を持たなければなりません。日本の威信を回復するためには改革や緊縮財政ではなく、躊躇なき建設国債の発行によってインフラ整備・国土強靭化に邁進する以外に方法はないものと、私は思います。


      現金給与総額の前年比増加率に隠されたイカサマ

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        JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

         

         今日は「現金給与総額の前年比増加率に隠されたイカサマ」と題して論説します。

         

         下記は西日本新聞の記事です。

        『西日本新聞 2018/09/12 10:14 統計所得、過大に上昇 政府の手法変更が影響 補正調整されず・・・専門家からは批判も

         政府の所得関係統計の作成手法が今年に入って見直され、統計上の所得が高めに出ていることが西日本新聞の取材で分かった。調査対象となる事業所群を新たな手法で入れ替えるなどした結果、従業員に支払われる現金給与総額の前年比増加率が大きすぎる状態が続いている。補正調整もされていない。景気の重要な判断材料となる統計の誤差は、デフレ脱却を目指す安倍政権の景気判断の甘さにつながる恐れがある。専門家からは批判が出ており、統計の妥当性が問われそうだ。

         高めになっているのは、最も代表的な賃金関連統計として知られる「毎月勤労統計調査」。厚生労働省が全国約3万3千の事業所から賃金や労働時間などのデータを得てまとめている。1月に新たな作成手法を採用し、調査対象の半数弱を入れ替えるなどした。

         その結果、今年に入っての「現金給与総額」の前年比増加率は、1月1.2%、2月1.0%、3月2.0%、4月0.6%、5月2.1%、6月3.3%を記録。いずれも2017年平均の0.4%を大きく上回り、3月は04年11月以来の2%大、6月は1997年1月以来21年5か月ぶりの高い伸び率となった。安倍政権の狙い通りに賃金上昇率が高まった形だ。

         しかし、調査対象の入れ替えとならなかった半数強の事業者だけで集計した「参考値」の前年比増加率は、1月0.3%、2月0.9%、3月1.2%、4月0.4%、5月0.3%、6月1.3%と公式統計を大きく下回る月が目立つ。手法見直しで、計算の方法を変更したことも誤差が生じる要因とみられる。

         誤差に対しては、経済分析で統計を扱うエコノミストからも疑義が相次いでいる。大和総研の小林俊介氏は「統計ほど賃金は増えていないと考えられ、統計の信頼性を疑わざるを得ない。報道や世論もミスリードしかねない」と指摘。手法見直し前は誤差が補正調整されていたことに触れ「大きな誤差がある以上、今回も補正調整すべきだ」と訴える。

         厚労省によると、作成手法の見直しは調査の精度向上などを目的に実施した。調査対象の入れ替えは無作為に抽出している。見直しの影響で増加率が0.8ポイント程度上振れしたと分析するが、参考値を公表していることなどを理由に「補正や手法見直しは考えていない」(担当者)としている。』

         

         

         この報道で指摘されている毎月勤労統計調査について、私も調べてみました。

         

         具体的には、厚生労働省の毎月勤労統計調査(平成30年7月分結果速報)をみますとと、P2には新たな手法で調査したもの、P13には参考値として従来の事業所を対象にしたものということで、数値が記載されていました。

         

         それぞれの数値を並べますと、下記のグラフの通りとなります。

        (出典:厚生労働省の毎月均等統計調査の平成30年7月分結果速報から引用)

         

         

         上記グラフの通り、事業入替後の統計は、入替前の同一事業所の統計と比べて、毎月上回っています。入れ替えること自体に何か問題があるわけではないと考えますが、問題なのは補正調整をしないということです。

         

         補正調査をしないと上記グラフの青のグラフが正式な統計となります。対象の事業所を入れ替えたとすれば、

         

         実際、この数値を使い、新聞各社は下記の見出しで報道しています。

         

        ●『ロイター通信 2018/08/07 実質賃金、21年5か月ぶりの伸びに=6月の毎月勤労統計』

        ●『日本経済新聞 2018/08/22 6月の名目賃金確報値3.3%増、速報値から縮小 毎月勤労統計』

        ●『時事通信 2018/09/07 7月の実質賃金0.4%増=賃上げ広がる』

        ●『毎日新聞 2018/09/07 7月給与総額、前年比1.5%増 12か月連続プラス』

         

         各紙、毎月勤労統計では実質賃金の上昇を報じています。では、先ほどの入替前の同一事業所の統計で、現金給与総額指数から消費者物価指数を控除すると実質賃金指数が算出されます。それをグラフに加えてみたのが、下記のグラフです。

        (出典:厚生労働省の毎月均等統計調査の平成30年7月分結果速報から引用)

         

         上記の通り、実質賃金は2018年6月以外はマイナスで推移しています。調査対象から「給料が低い事業所」を外して「給料が高い事業所」を入れれば、普通に前年比でプラスします。西日本新聞の記事は、このことを問題視しているのです。

         

         少なくても、入替後の1年間は、旧事業所で同一事業所の数字の比較を出すべきですが、そうせず入替して3.3%増えたしているのです。入替自体に問題があるということを言いたいわけではありませんが、2018年7月速報でいえば、事業所入替後の給与総額がプラス1.5%に対して、同一事業所の実質賃金はマイナス1.1%です。

         

         プラスとマイナスでは印象が大きく変わります。1000兆円の借金問題における「一人当たり800万の借金」と「一人当たり800万の貸付金」というのでは、印象が全く異なるのと同様です。

         

         印象が全く異なるとすれば、これはもうイカサマとしか言いようがありません。しかしながら、こうした数字のイカサマを知らないとどうなるか?「賃金は名目も実質もプラスになっているので、消費増税しても影響はない!」となって、消費増税は強硬されてしまうことになるのです。

         

         

         というわけで今日は「現金給与総額の前年比増加率に隠されたイカサマ」と題して論説しました。

         本来安倍政権は、厚生労働省に対しては、補正調整の指示をすべきですが、それをしないと厚労省の担当者は述べています。数字をでっち上げて平気で発表し、それをマスコミがイカサマと気付かずに報道し、多くの国民がまたそれを鵜呑みにする。

         韓国や中国並みに数字が信用できなくなってしまうくらいに落ちぶれてしまった日本と思うのは私だけでしょうか?

         中国のGDPの数字がウソ・デタラメなのは有名ですが、それ以外に中国では鉄道貨物輸送量、工業電力消費量なども怪しい数字が多いといわれています。日本も統計数値をイカサマするようになったとすれば、もはや中国や韓国のことを笑ってバカにしてはいられないものと思うのと同時に、そこまで落ちぶれてしまったということに落胆せざるを得ないのです。


        脆弱な北海道のエネルギー供給体制について

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           今日は「脆弱な北海道のエネルギー供給体制について」と題して論説します。

           

           北海道内最大の火力発電所の苫東厚真火力発電所の完全復旧は11月以降になるとの見通しを発表しました。この発表の前までは、1週間程度で復旧するともいわれていたのですが、ボイラーが熱くて中が点検できないなど、思いのほか損傷が多かったというのがその理由です。

           

           北海道電力は泊原発の稼働を停止しています。かといって誤解のなきように申し上げますと、再生可能エネルギーで原発の代替をしていたわけではないのです。再生可能エネルギーで原発の代替が可能と思っている方は、電力について何もわかっていない人たちといえます。

           

           火力発電と原子力発電は安定電源ですが、再生可能エネルギーは不安定エネルギーです。水力発電所でさえ、大雨の状態では水を流すことができません。皆さんは大雨であっても夏場はエアコンで電気をつけっぱなしにされる方がほとんどかと思います。水力発電所でさえも、大雨では稼働できず、ダムに水が溜まらず枯渇しても稼働できません。風力発電にしても、風が吹かなければ発電できず、風が強すぎる場合は設備が破損するために稼働を停止します。風が強いときでも風が全く吹かなかったとしても、暑い夏場はエアコンを付けるでしょうし、寒い北海道は冬は暖房を使うことでしょう。

           

           したがって電力サービスは安定電源の割合が多ければ多いほど、付加価値が増します。何しろ停電になる確率は、安定電源の割合が増えれば増えるほど低くなるからです。

           

           

           という電力サービスの基本を理解していただいたうえで、時事通信の記事をご紹介します。

          『時事通信 2018/09/13 22:43 北海道電、揚水発電が再稼働=20万キロワット追加、供給なお綱渡り

           北力は13日、北海道地震後の電力不足を補うため、京極揚水発電所1号機(京極町、出力20万キロワット)を再稼働させた。地震で損傷した道内最大の火力発電、苫東厚真発電所(厚真町、出力165万キロワット)の全面復旧は11月以降になる見通しで、電力供給はなお綱渡りの状態が続く。
           1号機は水車の不具合で今月2日から運転を停止していた。定期点検で運転を停止している2号機(20万キロワット)も14日に運転を再開する予定。
           経済産業省は、京極揚水発電所1、2号機が再稼働し40万キロワットの追加電源を確保できた場合、平日の昼間を対象とした2割の節電要請を14日午後にも見直すことを検討する。
           13日夜の会見で同省担当者は、計電の実施について「相当リスクが低下した状況にあると理解している」との認識を示した。
           ただ、道内の電力需要は10月以降、暖房の利用に伴い増加する見通し。再稼働させた老朽火力が故障する恐れもあり、道内の家庭や企業には引き続き節電が求められる。
           経産省によると、13日の節電率(午前8時半〜午後8時半)は11.8〜19.6%。2割の節電目標に届いていないが、最低ラインと位置付ける1割を超えている。北海道電は同日、14日までと同様に15日も計電を見送ると発表した。』

           

           合わせて北海道電力の電力設備・発電所についてもみてみましょう。

          発電設備 電力量(Kw) シェア
          水力発電所 1,648,355 21.1%
          火力発電所 4,065,210 52.1%
          原子力発電所 2,070,000 26.5%
          地熱発電所 25,000 0.3%
          太陽光発電所 1,000 0.0%
          合 計 7,809,565 100.0%

           

           

           

          発電所名 電力量(Kw) シェア
          苫東厚真火力発電所 1,650,000 21.1%
          泊原子力発電所 2,070,000 26.5%
          京極水力発電所 400,000 5.1%
          その他 3,689,565 47.2%
          合 計 7,809,565 100.0%

           

          (出典:北海道電力のホームページから引用)

           

           

           発電設備別にみていきますと、火力発電所のシェアが52.1%と大きく、次いで原子力発電所が26.5%となっています。ただし、原子力発電所は泊原子力発電所1か所のみで、しかも3.11の東日本大震災以降、泊原子力発電所は停止しています。稼働別のシェアで見た場合の火力発電所の割合は、さらに大きくなります。

           

           発電所別にみていきますと、電力量で1,000,000Kw以上の発電所は、苫東厚真火力発電所(1,650,000Kw)と泊原子力発電所(2,070,000Kw)の2か所です。この2か所以外は、すべて1,000,000Kw未満の発電所です。

           

           苫東厚真火力発電所は、1号機350,000Kw(昭和55年10月運転開始)、2号機600,000Kw(昭和60年10月運転開始)、4号機700,000Kw(平成14年6月運転開始)の3機です。

           

           泊原子力発電所は、1号機579,000Kw(平成元年6月運転開始)、2号機579,000Kw(平成3年4月運転開始)、3号機912,000Kw(平成21年12月運転開始)の3機で、原子炉型は全てPWRの加圧水型軽水炉です。PWRはBWR(沸騰水型軽水炉)よりも安全な原発といわれています。

           

           こうしてみますと、泊原子力発電所の発電能力は圧倒的で、泊原子力発電所を稼働すれば、節電などしなくても普通にカバーできると考えられるのです。

           

           また苫東火力発電所の1号機、2号機は、1980年代から稼働を開始していますが、老体に鞭を打って火力発電所を使い続けることで、故障した場合の代替はどうすべきか?という議論もあります。いうまでもなく再生可能エネルギーは代替になり得ません。

           

           世耕経済産業大臣は、北海道内の電力需給について、9/9〜9/15の週が特にヤマ場として、平常時よりも2割の節電要請への協力を求めてきました。9/13からは揚水発電が少しずつ稼働を始めました。その結果、9/14には2割の節電という数値目標はなくなったとはいえ、エネルギー供給体制の脆弱さを世耕大臣は指摘していました。

           

           もともと北海道電力は泊原発が動くことが前提で、全体の電力ネットワークが作られてきました。にもかかわらず、泊原発は止まっています。北海道電力としては、そのうち泊原発が動くだろうと考え、暫定的にどう対応するか?ということで、苫東厚真火力発電所の供給割合を集中的に上げ、全体の中で大きな割合を占めました。

           

           もし泊原発が普通に稼働していれば、苫東火力発電所の供給割合はかなり抑えられ、ブラックアウトは回避できた可能性があります。

           

           電気は使う需要側、生産する供給側、常に需給を一致させなければいけないサービスです。需給を柔軟に調整する発電設備は、火力発電と原子力発電以外にありません。今回のブラックアウトは、9月上旬で暖かかったからまだよかったのですが、これが真冬だったらと思うと、ぞっとします。おそらく1000人規模で人が死んだ可能性があると思うのです。

           

           

           というわけで今日は「脆弱な北海道のエネルギー供給体制について」と題して論説しました。

           地震は時期を選び、9月に発生したわけではありません。12月〜2月にかけての真冬に発生する可能性も十分に想定できます。今回はたまたま9月上旬で、サンマが食べられない、牛乳が飲めない、ジャガイモがダメになるというそれだけでも北海道経済への影響は大きいですが、真冬だったら暖房が使えず多くの北海道民が大変な状況になっていたことでしょう。

           再生可能エネルギーで原発の代替をしているわけではありません。原発の代替として再生可能エネルギーを増やそうというのは、大変愚かなことであると同時に、泊原発を早く動かすことが北海道民の利益になり、日本国民の利益になるということを、多くの国民に気付いていただきたいです。

           

           

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          プーチン大統領から提案されたロシアとの平和条約には反対!

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            JUGEMテーマ:領土問題

            JUGEMテーマ:反原発と愛国心

             

             今日は「プーチン大統領から提案されたロシアとの平和条約には反対!」と題し、論説します。

             

             下記は産経新聞の記事です。

            『産経新聞 2018/09/14 13:10 安倍晋三首相「11〜12月の日露首脳会談が重要」 平和条約締結に意欲

             安倍晋三首相は14日、ロシアのプーチン大統領が領土問題などの「前提条件」抜きでの日露平和条約締結を提案したことに関し「(プーチン氏が)平和条約が必要だという意欲を示したのは間違いない。11月、12月の首脳会談は重要な会談になっていく」と述べた。

             自民党総裁選に関する日本記者クラブ主催の討論会で語った。11〜12月に予定されているアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議や20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせた会談が念頭にあるとみられる。

             首相は「プーチン氏のさまざまな言葉からサインを受け取らなければならない。『とにかく平和条約ちゃんとやろうよ』と言ったことは事実だ」と述べた。同時に「日本は領土問題を解決をして平和条約を締結するという立場だ」と強調した。

             首相は「『私の時代にやる』と言ったから前に進んでいく」とも語り、通算22回の日露首脳会談の成果について言及。総裁選で連続3選を果たせば次の任期中に平和条約締結を目指す考えを重ねて示した。』

             

             

             上記記事に掲載の通り、9/14(金)に安倍首相が平和条約締結に意欲を示したというニュースです。

             ロシア側から持ち掛けられた日ロ平和条約締結の提案は、その2日前の2018/09/12(現地時間で9/13)には、ウラジオストクで第4回東方経済フォーラムが開催されて安倍首相が出席し、その際プーチン大統領から安倍首相に対して、北方領土問題を事実上棚上げにして日ロ平和条約の締結を提案したのです。

             

             日本政府は北方領土の帰属問題の解決が条約締結の前提という立場を崩しておらず、提案通りには応じない方針としていました。これは日本の立場としては当たり前のこと。領土問題が決着しない状態での日ロ平和条約の締結は、言語道断です。

             

             なぜ北方領土が日本国有の領土であるといえるのか?北方領土についての史実を振り返ってみましょう。

             

             1854年 日米和親条約締結 (※安政の南海地震津波が発生)

             1855年 日露和親条約(日魯通行条約、日ロ通行条約、下田条約などともいう)締結 (※安政の江戸地震が発生)

             1875年 千島樺太交換条約締結

             1905年 ポーツマス条約締結

             1951年 サンフランシスコ講和条約締結

             1956年 日ソ共同宣言

             

             ※カッコ書きは本記事の内容と関連がありませんが併記しています。

             

             

            【1855年 日露和親条約締結後の領土】

             ※樺太は、日本もロシア帝国もどちらも帰属していない

             

             

            【1875年 千島樺太交換条約締結後の領土】

             

             

            【1905年 ポーツマス条約締結後の領土】

             

             

            【1855年 日露和親条約】

             江戸幕府時代、1799年から1800年にかけて北方領土のほか、千島樺太を含む蝦夷地を直轄地として日本人が開拓

             日本とロシア帝国間で、平和的・友好的な形で日露和親条約を締結

             自然に成立していた択捉島とウルップ島の間の国境をそのまま確認する

             

            【1875年 千島樺太交換条約】

             日本とロシア帝国間で、千島列島と樺太全島を交換する千島樺太交換条約を締結

             樺太を放棄する代わりに千島列島(現在のウルップ島以北)を獲得する

             

            【1905年 ポーツマス条約締結】

             日本はポーツマス条約でロシア帝国から樺太南部を譲り受ける

             

            【1951年 サンフランシスコ条約】

             日本はサンフランシスコ条約で、樺太南部と千島列島(※)に対するすべての権利を放棄する

             ※千島列島とは「ウルップ島以北」を指し、択捉島・国後島・色丹島・歯舞諸島は含まれない

             またソ連はサンフランシスコ条約に署名しておらず、条約上の権利を主張することはできない

             

            【1956年 日ソ共同宣言】

             日ソ共同宣言で、平和条約締結後にソ連が歯舞群島と色丹島を引き渡すという前提で、平和条約の交渉を行う合意

             しかしながら、以降北方領土についての何らかの現状変更はなく、現在に至る

             

             

             

             ソ連は1945年8月9日に日ソ中立条約に違反して対日参戦し、ポツダム宣言受託後の1945年8月28日〜9月5日の間に北方四島のすべてを占領しました。その当時の四島はソ連人が一人もおらず、日本人は四島全体で約17,000人が住んでいましたが、ソ連は1946年に四島を一方的に自国領として「編入」し、1948年までにすべての日本人を強制退去させたのです。

             

             史実を振り返れば、誰もが理解できると思うのですが、北方領土は少なくても史実で確認できる江戸時代の頃から日本の領土であり、ソ連に帰属したことはありません。1951年のサンフランシスコ条約で、日本は南樺太と千島列島を放棄したのは事実ですが、千島列島とはウルップ島以北を指し、北方領土は含まれないのです。

             

             それだけではありません。サンフランシスコ条約の際には、既に冷戦に突入しており、ソ連とポーランドとチェコスロバキアの共産圏3か国は、署名しませんでした。サンフランシスコ条約に署名しない以上、ソ連は条約上の権利すら主張することはできません。

             

             こうして史実を振り返りますと、ソ連は領土を泥棒のごとく盗んだというのが正しい認識です。プーチン大統領がそうした史実や立場を知っているのか否か?不明ですが、泥棒で国土を盗んでおきながら、経済協力を得るために平和条約を結ぼうというのは、あまりにもバカにしている話です。

             

             日本政府の見解として菅官房長官は、今まで通り北方領土の返還・帰属があってこその平和条約といっていますが、「北方領土を横においてまずは年末に平和条約を結ぼう!」との呼びかけに対して、「極めて遺憾である!」とはいっていません。

             

             失礼な呼びかけであって完全に舐められているといいくらい失礼にもほどがあります。

             

             一部の安倍首相を持ち上げる識者らは、”安倍の外交”とか”外交の安倍”などと持ち上げる人がいます。日ロ首脳会談の際、「平和条約が締結されていない異常な戦後を、私(安倍首相)と大統領(プーチン)で終わらせる」といいました。安倍首相の意図としては、北方四島の返還をやってからその後という意図だったはずです。

             

             それを逆手にとってプーチン大統領は、安倍首相が異常というなら、平和条約を締結しようというノリで発言したにすぎないでしょう。プーチン大統領ですら”平和条約締結”を口に出すことすらヤバイと思っていたかもしれません。しかしながら、安倍首相が平和条約を締結していない状態が異常というから、だったら平和条約締結について触れてもいいのでは?と思った可能性があります。

             

             完全にプーチン大統領は軽く見ており、見下しているといえるでしょう。

             

             プーチン大統領は、平和条約締結後に歯舞諸島、色丹島を引き渡すと発言。1956年日ソ共同宣言は、ソ連の最高会議と日本の国会で批准されたが、日本がその後に拒否したとも言及しました。

             

             確かに日本が拒否したのは事実です。なぜならば2島だけではなく4島一括返還を主張したからです。拒否したという言い方で止めるのは、4島一括返還という日本の主張を意図的に無視した言い方であり、悪質です。

             

             私たち日本人は、「4島返還以外平和条約の締結はできない」という主張を続けるしかありません。

             

             

             というわけで今日は「プーチン大統領から提案されたロシアとの平和条約には反対!」と題して論説しました。

             日ソ共同経済活動とも関係しますが、法律を作ってからやるべきことを、法律を作る前に仲良くやろうといっているのに等しく、仮にロシアの法律で共同経済活動を行うとしたら、北方四島がロシアの領土であることを日本政府が認めたことになってしまうのです。

             識者と呼ばれる人の中には、「2島返還で妥協してもいいのでは?」という論説を述べる人がいます。これは史実を知らないばかりか、国益が何なのか?を理解しない愚民です。仮に国会議員の中にそうした人がいるとするならば、すぐにその職を辞していただきたい。日本の国益を損ねるからです。

             そもそもなぜ日本は平和条約を締結しないか?といえば、平和条約を締結すれば領土問題が存在しないことを認めることになるからであり、国際的に常識な話なのです。 


            無駄を省くために民営化という欺瞞が引き起こした北海道電力ブラックアウトと関西空港閉鎖

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               今日は「無駄を省くために民営化という欺瞞が引き起こした北海道電力ブラックアウトと関西空港閉鎖」と題し、論説します。

               

               毎日新聞の記事をご紹介します。

              『毎日新聞 東京朝刊 北海道地震 節電2割目標撤廃 需要削減要請は継続 経産相

               世耕弘成経済産業相は14日、北海道地震後に家庭や企業に要請していた「平常時から2割節電」との数値目標を同日夜で撤廃すると明らかにした。京極水力発電所(北海道京極町)の稼働などで電力供給が上積みされたため。数値目標は撤廃するが、連休明けの18日以降も厳しい需給は続くとして、1割の需要削減努力を求める。

               世耕氏は記者団に「一律2割の節電目標の設定はしない」と明言。計画停電も「当面実施する必要はない」との見通しを示した。

               6日未明の大規模停電を受け、政府と北海道電力は8日から2割節電を要請。老朽火力発電所を急きょ稼働させたほか、本州からも電力融通を受けた。13日に京極水力発電所1号機(20万キロワット)を、14日に2号機(同)をそれぞれ動かして地震前のピーク需要(5日夜の383万キロワット)を上回る386万キロワットの供給力を確保した。京極水力発電所は、電力需要の少ない深夜などにくみ上げた水を、需要のピーク時に落として発電する「揚水式」で、効率的に電力を活用できる。

               経産省は「生活に大きな制限がかからないような節電でも、需給のバランスが保てるレベルになった」と判断。北電や道と協議の上、負担感の強い数値目標は撤廃することにした。

               10月以降は火力で道内最大出力(3基計165万キロワット)を持つ苫東厚真火力発電所や、定期検査などで停止中の他の火力発電所の復旧が順次見込まれる。このため寒さの本格化で電力需要が増えても需給は安定するとの見通しを示した。

               一方、北電の真弓明彦社長は14日、札幌市内で記者会見し、「今後は一律の2割節電目標は設定しない。需要減1割に向け節電の協力を継続してほしい」と呼びかけた。【岡大介、日下部元美】』

               

               

               北海道で発生した最大震度7の地震で、本州から北海道内に電力を送電することができず、送電の全面復旧に時間がかかり、多くの課題を浮き彫りにしました。

               

               北海道と本州では、電力が足りなくなった時に電力を融通しあう送電線がありましたが北海道と東北だけがつながっている状態で送電量も少ないことから、災害時の電力供給が不安視されていました。東日本大震災のときは、東日本と西日本で電力の周波数が異なるため、他の電力会社から十分な電力を得られなかったということもありました。

               

               北海道地震に限ったことではないのですが、電力の融通網が弱いのが、日本のエネルギー事情です。欧州と比べて考えられないほど弱いのですが、その理由は日本の場合は民間主導でやっているからです。日本のエネルギーはベースである電気・ガスはすべて民間企業で株式会社が独立して運営しています。

               

               そのため、JRでいえば、東北と東海道が切れてしまっています。本当は全部つながっていた方が利用者は楽なはず。しかもJR東日本は首都圏に多く人が集まることで山手線を中心にドル箱路線を持ち、JR東海は東海道新幹線というドル箱路線を持つ一方、JR北海道やJR四国では新幹線整備が遅れて、ドル箱路線を持ちません。そうしたインフラ格差があるにもかかわらず、地域で別々に民営化して株式会社組織で運営いるのが日本の鉄道網です。

               

               電力会社も北海道電力、東北電力、東京電力など、別々に運営しているため、その間の接続は空白になって融通網が弱いのが日本の電力サービスです。

               

               原発停止と再生可能エネルギー推進によって、日本全体の電力システムが極めて脆弱化しているのは明らかです。それだけにとどまらず、自由化・民営化すれば、そもそも電力サービスは脆弱化します。なぜならば、地震のことを考えるにしても、株式会社は短期的な利益を考えます。地震対策、リスク管理は長期的というより下手すれば超長期的に考えなければならず、経営でそんな先のことまで考えて投資するというのは、極めて難しいです。

               

               こうした問題を抱えているにもかかわらず、今でさえ日本は過剰に民営化を推進してきました。安倍政権は、さらに自由化させて、発送電分離をやると言っています。北海道電力のブラックアウトを経験しているにもかかわらず、なぜデメリットしかない発送電分離をやろうとしているのか私には全く理解ができません。

               

               もともと公務員がやると無駄が多く、無駄を省くためには民営化が必要という話があります。しかしながら、災害のことを考えると、その無駄が必要なのではないでしょうか?

               

               無駄がないから北海道はブラックアウトしたともいえます。関西空港でいえば、もう1つくらい橋を架けるか、地下トンネル開通しておけば、空港閉鎖にはならなかったはずです。にもかかわらず、お金がないからという理由でそれをしなかった。そのため無駄がないから大損をしているのです。

               

               北陸や山陰での大雪被害でいえば、除雪車が十分に配備されていれば、道路が不通になるリスクは軽減できます。しかしながら、余分に配備するのは無駄として、配備車両を少なくすれば、道路が不通になるリスクは高くなります。

               

               想定される南海トラフ地震(土木学会による想定被害額1400兆円)では、広域にわたって発電所が運転停止するということもあり得ます。

               

               首都直下型地震(同750兆円)や南海トラフ地震に備え、全体的に電力不足が生じたときに生き残った地域の発電所が融通し合うシステムを作らないと、いつまで経っても非常時における電力供給システムの脆弱さは解消されないでしょう。

               

               

               というわけで今日は「無駄を省くために民営化という欺瞞が引き起こした北海道電力ブラックアウトと関西空港閉鎖」と題し、論説しました。

               国土強靭化ならぬエネルギー強靭化もまた、資源がない日本にとっては必須です。エネルギー強靭化のためには、発送電分離ではなく政府の力でネットワーク全体が融通し合うよう増強させる必要があるでしょう。地域ごとの株式会社がそれぞれ融通し合うとしても、いつ起きるかわからない地震に対して投資を継続するのは難しいですが、政府なら可能です。なぜならば政府は利益追求が不要の非営利団体組織(NPO法人)だからです。無駄であってもインフラを整備できるのは、営利組織の株式会社ではなく、政府しかできません。そうした無駄を私たち国民も認めるよう理解する必要があります。

               また原発の稼働についても、国民の理解を得る必要があるでしょう。現状は老朽化した火力発電所で、綱渡りの運営をしています。いわば老体に鞭を打っているのが、今の日本のエネルギー事情です。再生可能エネルギーは何の役にも立ちません。

               こうした電力サービスについての知見も、多くの国民が持つ必要があるものと私は思うのです。


              日本における科学技術の衰退(このままだとノーベル賞受賞者が出なくなります!)

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                 今日は、「日本における科学技術の衰退(このままだとノーベル賞受賞者が出なくなります!)」と題して論説します。

                 

                 人口当たりの修士・博士号の取得者について、近年主要国だけ、日本が減少しているのをご存知でしょうか?

                 下表は、主要国における博士号・修士号の取得者数の2008年と2014年の比較です。

                (出典:文部科学省 科学技術・学術政策研究所、「科学技術指標2018」を基に、杉っ子が加工・作成。)

                 

                 

                 上記の通り、近年主要国では、日本だけが減少しています。日本の研究論文の質、量も低下していることも問題になっているのですが、大学院に進む若者の数でも一人負けの状態であり、研究力の衰退を示す結果が出ているといえるでしょう。

                 

                 今、大学はボロボロになっています。なぜならば、研究費が大幅に削減されているからです。

                 

                 その結果、ポジションも削減される一方で「改革しろ!」の掛け声のもと、研究に充てるべき大切な時間を、「改革」の対応のために時間が割かれてしまっているのです。

                 

                 

                 毎日新聞の記事をご紹介します。

                『毎日新聞 2018/08/22 19:49 日本だけ減少…研究力衰退あらわ 7カ国調査

                 人口当たりの修士・博士号取得者が近年、主要国で日本だけ減ったことが、文部科学省科学技術・学術政策研究所の調査で判明した。日本の研究論文の質や量の低下が問題になっているが、大学院に進む若者の数でも「独り負け」で、研究力の衰退を示す結果といえる。

                 比較可能な日米英独仏中韓の7カ国で修士・博士号の人口100万人当たり取得者数を、2014〜17年度と08年度で比べた。

                 その結果、最新の修士号の取得者数は、中国が08年度比1.55倍の350人▽フランスが1.27倍の1976人−−などで、日本以外で増加。日本だけが08年度比0.97倍の570人と微減だった。

                 博士号も同じ傾向で、韓国は1.46倍の279人▽英国は1.23倍の353人−−などと増える中、日本だけが0.90倍の118人と減った。内訳が明らかでない中国を除く6カ国で自然科学で比較しても、日本だけが修士・博士号取得者は横ばい、または減少していた。

                 研究所によると、日本の取得者は自然科学に偏るが、他国では特に修士で人文・社会科学の取得者が多く、全体の取得者数に影響しているという。

                 日本の博士号取得者は、06年度をピークに減少に転じた。取得後も多くが雇用が不安定な任期付き研究員にならざるを得ず、敬遠されたことも背景にあるとみられている。【酒造唯】』

                 

                 

                 記事に記載の通り、2006年をピークに減少し、2008年との比較で一人負けとのこと。博士号を取得しても、多くが雇用が不安定な任期付き研究員にならざるを得ず、敬遠されていることが背景と報道されています。

                 

                 要は、博士号を取得しても、多くが派遣社員などの短期雇用者として就業するということ。これ、不安定な雇用ばかりでは、博士号を取ろうとする人など、減少して当たり前です。

                 

                 安倍政権は雇用が回復したと述べていますが、不安定な雇用が増えているというのが実態であり、こうした研究の職場においても不安定な雇用が多いということの現れです。

                 

                 なぜ、不安定な雇用形態なのか?といえば、緊縮財政をやっているからです。科学技術予算を増やしていないからです。それどころか緊縮財政で「無駄を削減しろ!」とやっているわけですから、こうした結果になったのは、もはや必然といえるでしょう。

                 

                 お金を削減するだけではありません。大学として十分な研究費を割り当ててもらえるようにするために、文理融合をやれということで分離融合学部を作ることを指示されます。本当は、作りたくもないのに、そうした学部を作らざるを得ません。

                 

                 例えば、九州大学では「共創学部」、横浜国立大学では「都市科学部」、滋賀大学では「データサイエンス学部」、宮崎大学では「地域資源創成学部」といった具合です。

                 

                 緊縮財政でなく、積極財政で支出増の中で、上記のような各部を作るならまだいいのですが、緊縮財政でもともとお金を削られている中で、こうした文理融合の各部を作るのは、大変な事務量やロードがかかり、大学の現場は疲弊するだけでしょう。

                 

                 上述の例は文科省が主導しているのですが、大阪では大阪府立大学と大阪市立大学を一緒にしろと、大阪府と大阪市の命令でやらされ、そこに大変な時間とロードが費やされているのです。

                 

                 それだけではありません。先進国の中で、GDPに対する大学にかけるお金はダントツに低く、他国が1.0%〜2.0%のところ、日本では0.6%程度です。

                 

                 そもそも橋本政権の構造改革基本法制定後の1997年以降、緊縮財政によってGDPが成長せず、その中で予算を削減しています。緊縮財政で予算を削減しているがゆえに、大学がダメになっているといえるでしょう。

                 

                 統計的にいえば、論文数の世界シェアは、GDPシェアと相関関係があります。経済成長しないということは、論文が書けず、ノーベル賞が出ないということ。今、ノーベル賞が出ている研究領域であっても、今後はネタが尽き、やがて日本からノーベル賞受賞者が出なくなってしまうことでしょう。

                 

                 今のノーベル賞受賞者は、20年以上前の研究の成果です。1997年の構造改革基本法から20年以上経過し、緊縮財政を継続しているため、今後はノーベル賞がほとんど出ない国になる可能性は大です。

                 

                 日本は資源がない国であるため、科学技術費・研究費を削減している現状では、未来は暗いといえます。このままだと日本は東南アジアや南アメリカやアフリカのように途上国と化していくことでしょう。

                 

                 そのための解決策は、緊縮財政を止めることです。建設国債でなくても教育国債でも何でもいいので、国債発行してそれを財源に科学技術予算をしっかり付けることです。負債を増やしていくことで経済成長するのが資本主義であり、国債発行を否定する輩は資本主義を否定することと同じなのです。

                 

                 もちろん経済成長は科学技術予算を付すだけでなく、インフラ投資でも構いません。生産年齢人口減少の日本は、将来の生産性向上のためのインフラ投資や、自然災害の安全保障強化のためのインフラ投資など、需要は山ほどあります。その需要に政府が負債を増やしてお金を付ければ、支出増=生産増=所得増 となってGDPが成長するのです。

                 

                 

                 というわけで今日は、「日本における科学技術の衰退(このままだとノーベル賞受賞者が出なくなります!)」と題して論説しました。

                 「国債発行」「政府支出増」を組み合わせれば、普通に経済成長できます。幸いにも日本はデフレでマイナス金利です。インフレですと「政府支出増」ができないことがあり得るのですが、デフレであるがゆえにインフラ投資や科学技術投資に、多額の政府支出ができる環境です。あとは資本主義とは、負債を増やして経済成長するということが理解できれば、国債発行を躊躇することもなくなるでしょう。

                 その結果、年率で2〜3%GDPが増えれば、研究費も2〜3%伸びていくでしょう。予算が増えると思えば、やる気が出るはずです。今は「削減しろ!」「改革しろ!」という緊縮思考であるため、修士・博士になりたいと思う若者がいないのだと思うのです。

                 日本は科学技術振興があってこそ、「資源がない」という弱点を克服し、先進国であり続けることが可能な国であると私は考えます。

                 しかしながら、借金=悪という家計簿発想が、科学技術分野においても足枷となっているわけです。この状況を打破するためにも、無駄削減、借金=悪、という発想を持つ国民の誤解を解き、少しでも早く緊縮財政から積極財政に転じれるように知見を高めていかなければならないと、改めて思いました。


                北海道地震の停電による北海道経済への影響

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                   今日は9/15ですが、北海道地震が発生して10日近く経ちました。

                   

                   厚真町で大規模な山崩れ・土砂崩れが発生し、得体のしれない恐竜のようなものが踏みつぶしたか、爪でひっかいたみたいに、一連の山が土砂崩れを起こしました。

                   

                   震度7ということでしたが、このクラスの地震が東京、大阪、名古屋で発生したらとんでもないことになるでしょう。

                   

                   生乳と野菜の出荷が停滞しているなど、既に食卓にも影響が出ており、旬のサンマや一部の野菜が品薄になっていると各紙が報道しています。特に食料の供給力としては一大供給地といえる北海道で発生した地震です。

                   

                   首都圏でも卸値が高騰していて家計にも痛手でしょう。

                   

                   全国の生乳の5割超を占める北海道では、停電した後も、非常用電源で搾乳した業者もいたようでしたが、流通ルートが寸断され、大手工場の停電などもあって、北海道内各地で生乳の廃棄が相次ぎました。

                   

                   牛は乳を搾らないと死んでしまうため、非常用電源がない酪農家は、手作業で乳を搾ったとのこと。

                   

                   こうした事態を聞くと、電力供給の強靭化の確保は極めて大事なことだと認識させられます。

                   

                   ところが政府は発送電分離して電気を自由化しようとしています。これは明らかに電力供給の強靭性を下げます。

                   

                   何か大災害が発生したときに、今回のような事態を発生させる確率を、どんどん高めていくことになるでしょう。

                   

                   それでも発送電分離をして電気を自由化しようとするのはなぜなのでしょうか?

                   

                   私には理解ができません。

                   

                   酪農家がどれだけひどい状況になっているのか?築地市場ではサンマは今年は豊漁といっていましたが、この事故で一転し、停電で出荷に支障が生じました。1756円のサンマが1,512円と2倍の値をつけたという事態も発生し、北海道地震ではこうした影響も出ているのです。

                   

                   

                   というわけで、今日は「北海道地震の停電による北海道経済への影響」と題して、記事を書きました。本当は原発を持っているので、全面停電なんてしなくてもいいのですが、発電所を止めている。そのことでどれだけの北海道の人たちが困っているのか?私たちは改めてエネルギー安全保障の問題と電力供給の強靭化について考える必要があると、私は思います。

                   

                   

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                     今日は「大阪湾の防潮堤投資の功績」について取り上げ、高潮の恐ろしさについても改めてお伝えしたいと思います。

                     

                     高潮の恐ろしさについては、以前にも述べました。日本列島で高潮が発生する地域は、下記の図の通り、大阪湾、東京湾、伊勢湾、有明湾があげられます。

                     

                    <高潮の多い地域>

                    (出典:大阪湾高潮対策危機管理行動計画(案)から引用)

                     

                     

                     東京を高潮が直撃する場合の恐ろしさについて、あまり知られていないと思われます。大阪の場合は南側に紀伊半島があるため、弱まってから高潮が上陸するのですが、東京湾は太平洋に直接接しているため、弱まらずそのままダイレクトに襲います。そのため、東京で高潮が発生した場合、相当に恐ろしいことが起こり得るのです。

                     

                     では、大被害を防ぐためには、何をすればいいでしょうか?個々にはソフト面の対策でBCP策定して、止水板や土嚢を準備するなどやればいいですが、そもそもハード面の対策が必要です。具体的に言えば防潮堤をしっかり作るということです。

                     

                     下記は大阪湾における高潮対策の基本的な考え方ということで、3mの防潮堤のイメージ図です。

                    (出典:大阪湾高潮対策危機管理行動計画(案)から引用)

                     

                     

                     上記は大阪湾高潮危機管理行動計画(案)から引用していますが、大阪の港湾行政が対策に注力した結果3mの防潮堤を作りました。このきっかけは、1961年に襲来した第二室戸台風です。第二室戸台風の潮位は293僂箸い錣譴討い泙靴董∪萋の台風21号は潮位が329僂世辰燭里如第二室戸台風よりも30センチ以上も高い高潮だったことになります。

                     

                     かつて1961年に襲来した第二室戸台風では、防潮堤が低かったため、200人前後の人々が命を落としました。

                     

                     今回の台風21号では、潮位が第二室戸台風よりも30儖幣綛發ったにもかかわらず、そこまでの被害とはなっていません。

                     

                     何十年もかけて、防潮堤投資を継続してきたため、第二室戸台風のときのように、200人近くの命が奪われずに済んだともいえます。それどころか、1961年よりも人口密度が高いため、実際は200人よりもはるかに多くの人々の命を救ったかもしれません。

                     

                     そういう意味では、国家のインフラ投資が人命を救ったといえるでしょう。

                     

                     しかしながら、329僂茲蠅100儿發す眥だった場合は、防げないといわれ、その被害想定額は121兆円との試算が土木学会から出ています。

                     

                     大阪湾は5000億円もあれば、十分でない部分を補強するなどして、被害額は35兆円〜50兆円へ半減できるというシミュレーションもあります。もし、5000億円で50兆円損失を回避できるとして、必ず来るとわかっていれば、100倍の投資効果があることになります。

                     

                     一方で早く作るべきところ、我が国には存在しない財政問題を理由に放置して、高潮の被害が発生してからでは、復旧・復興で何兆円も払う羽目になります。

                     

                     財務省の緊縮という発想で考えた場合でも、速やかに防潮堤投資を実行していた方が、100年〜200年くらいの期間、大阪も名古屋も東京も安全になるでしょう。

                     

                     では、その財源はどうすればいいのでしょうか?いうまでもなく、国債を発行すればいいのです。室戸台風の対策では、何十年も前に実行され、今回の台風21号では大阪が救われたといえます。

                     

                     今回しっかりと国債を発行して防潮堤対策をやれば、大阪市民、名古屋市民、東京都民の命を救えるのです。

                     

                     

                     というわけで今日は、「大阪湾の防潮堤投資の功績」について取り上げ、高潮の恐ろしさについて改めてお伝えしました。

                     

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                    国土強靭化を理解しない政治家は、選挙で落選させるしかありません!

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                       今日は「国土強靭化を理解しない政治家は、選挙で落選させるしかありません!」と題して論説します。

                       

                       台風21号は大変な爪痕を残しましたが、そのあと北海道の胆振地方を震源とするマグニチュード6.7、震度6強の大きな地震が発生しました。住宅の倒壊も相次ぎ、厚真町では山体崩壊で山が崩れ、大きな土砂災害で家が何件も押しつぶされました。

                       

                       台風21号が来てその後の地震ということもあり、改めて日本は災害大国であることを、まざまざと見せつけられました。

                       

                       被害状況の全貌を把握し、インフラの速やかな復旧を躊躇なく政府は実行に移すべきです。財源は普通に建設国債で問題ありません。財政法第4条でも、インフラについては国債発行を財源にすることを認めています。

                       

                       東日本大震災では当時の民主党の菅直人政権は、復興税を新たに創設して、集めた税金を被災地の復興に充てる方針を打ち出しましたが、今もなお復興税は続いています。

                       

                       これは完全に家計簿の発想で誤りです。お金を集めてから支出するという発想は、「信用創造」というものを理解していないといえます。資本主義の否定であり、家計簿の発想で考える政治家は、すぐにその職を辞していただきたいです。

                       

                       夏場は台風がいくつも来ましたが、その前に大阪北部地震が発生し、西日本豪雨では200人以上の人々が命を落とし、関東でも大水害があって、9月に入って台風21号が襲来した後に、北海道の地震です。

                       

                       2か月間でこれだけの大災害が発生しているわけで、台風22号は日本列島を通りませんでしたが、今後同じような台風が上陸することは十分にあり得ます。

                       

                       日本国内で人が生活するということは、災害対策をしっかりやるということが大前提であり、景気がよかろうが悪いかろうが、こうした対策をしないと、人々の生命を守ることができません。仮に自分が助かったとしても、家族や親せきや友人が命を落とすかもしれないのです。

                       

                       それだけではありません。家が倒壊して財産を失うかもしれませんし、仕事がなくなる可能性もあります。しかもどこで起きるかわかりません。いわばロシアンルーレットと同じです。

                       

                       ロシアンルーレットの弾が当たっても大丈夫なように、日本人は保険に入るつもりで、どこに住んでいても地震が発生しても、ちゃんとすぐに復旧・復興してくれるという保証を、政府が与える必要があります。

                       

                       その復旧・復興はもちろんですが、防災対策も行い、災害安全保障を強化するということが、日本国民が税金を払う見返りといえます。したがって、政府は国土強靭感を断固としてやらなければなりません。

                       

                       昔の人が一生懸命防災対策をしてくれたので、私たちは安全に暮らせます。だから、その過去の対策分のお金を負担するという意味でも防災対策に政府はお金を払うべきです。

                       

                       要は災害大国日本で生活するということは、防災対策について負担しなければならないという認識が必要です。

                       

                       しかも防災対策をやれば、それ自体が経済対策になり、経済成長にもなり、民間投資も誘発してGDP拡大に資します。にもかかわらず、なぜ政府は国土強靭化を徹底してやると言わないのでしょうか?

                       

                       国土強靭化を言わない政治家は、私たち国民が選挙で落とすしかありません。

                       

                       

                       というわけで今日は「国土強靭化を理解しない政治家は、選挙で落選させるしかありません!」と題して論説しました。

                       

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                         今日は、台風21号で被害を受けた関西国際空港について述べます。

                         

                         下記は読売新聞の記事です。

                        『読売新聞 2018年09月08日 12時43分 関空国際線、一部再開…B滑走路使用し14便

                         台風21号の影響で欠航が続いていた関西空港の国際線が8日、部分的に再開された。7日に一部で再開された国内線と同様、被害の少なかったB滑走路と第2ターミナルを使用し、関空を拠点とする格安航空会社(LCC)「ピーチ・アビエーション」などが計14便を発着する予定。

                         この日正午過ぎ、全日空の上海便が国際線再開後、初めて離陸した。関空を運営する「関西エアポート」によると、8日はピーチのソウル、台北、香港行きなど12便と、全日空の上海の1往復2便を運航。貨物便も計6便が発着する予定。

                         また国内線は7日よりも増便し、ピーチが31便、日本航空が2便を運航する。

                         一方、閉鎖されているA滑走路と、大手航空会社などが拠点とする第1ターミナルは、7日に浸水が解消された。電気設備や機械類などの修復を進めており、関西エアは1週間以内に使用を再開させる方針を示している。(後略)』

                         

                        <関西国際空港>

                        (出典:清水建設のホームページ)

                         

                         

                         台風21号の影響で閉鎖された関西空港を運営する関西エアポートがB滑走路を使って一部再開したというニュースです。

                         

                         上記の写真は清水建設のホームページから抜粋ですが、台風21号によって高潮被害で海水が流れ込み、滑走路や駐機場で最大50儡Э紊靴燭畔鵑犬蕕譴泙靴拭また左側に連絡橋がみえますが、そこにはタンカーが衝突し、アクセス手段が絶たれて一時旅行客ら8,000人が取り残されました。

                         

                         関西空港は沖合5キロほどの場所で1994年9月4日に開港した空港ですが、実はこれまでも冠水被害や地盤沈下など、海上空港特有のもろさを指摘されていました。

                         

                         何しろ、水深18mの軟弱な地層に作られ、地盤沈下が課題となっていて、開港時と比べて場所によっては3m以上沈下したといわれています。

                         

                         そのため、高潮で50冂度のものが来れば、水に浸かるというのは最初から分かっていたことで想定通りの展開だったといえます。どちらかといえば、冠水後にどのくらい早期に復旧できるか?という課題を抱えた空港なのです。

                         

                         このように関西空港は高潮危険に晒されている危ない地域であるため、津波が来た場合の想定として、漂流物が建物に衝突して損壊したり、タンカーが漂流、コンテナが漂流するリスクがあったわけですが、それがまさに起きたといえます。

                         

                         たとえ津波が来ても流れる程度で、建物は頑丈に作られているため、津波で建物そのものが損壊することはあまり想定されず、大きな損害を受けるとすれば、漂流物による被害であることは予想されていました。今回は、タンカーが連絡橋に激突しましたが、これは残念ながら想定される事態だったのです。

                         

                         関西空港と陸を結ぶ橋は一本しかないため、タンカーが停泊するのは危ないのです。台風が来るのを事前に知りながら、アンカーをやっていても、こうした橋との衝突事故を起こしてしまったわけであり、今後、賠償責任問題などの議論が始まることでしょう。

                         

                         不幸中の幸いは、燃料を移した後で燃料が空だったことです。もし、燃料が入った状態で橋に激突していたら、火災が発生して大変な被害になっていたことでしょう。

                         

                         連絡橋は真ん中に鉄道の線路が走る左右を2車線の道路が左右にあるのですが、タンカー激突事故によって、片方の道路がずれてしまっています。片側だけが残ったため、取り残された人々は、緊急でシャトルバスで輸送避難できました。

                         

                         一方で鉄道はどのくらいの被害か?わかりません。鉄道は精密機械の塊であるため、道路と違って精密インフラなので復旧にも時間がかかることでしょう。そのため、どのくらいの被害か?まだわかりません。

                         

                         また関西空港が再開したものの、滑走路は1本しか使えず、旅行客の影響は避けられないことでしょう。何しろ人が往来できなくなるからです。

                         

                         日本経済全体からみれば、インバウンドの需要は大したことありませんが、関西エリアはインバウンドに頼ったビジネスがたくさんあるため、そうした産業は大打撃を受けることになるでしょう。

                         

                         

                         というわけで、今日は「想定されていた関西国際空港の被害」と題して論説しました。もともと橋が1本だったとはいえ、海上空港のもろさを露呈したといえます。だからといって、関西空港を作るべきでなかったというのではなく、高潮対策、津波対策、地盤沈下対策を講ずればいいだけのこと。災害がなければ利便性はあるわけですから、関西空港は作った意味があります。

                         あえていうならば橋が1本だけだったため、今回は空港にいる人々が取り残されるリスクを露呈したわけですが、逆に橋を2本作るとか、海底トンネルで鉄道と道路を作るなどしていれば、そうしたリスクの軽減になることでしょう。

                         海底トンネルで鉄道と道路をつなぐこと自体が、経済成長になり、デフレ脱却にも資します。財源はどうしたらいいのか?いうまでもなく建設国債を発行すればいいだけのこと。デフレであるがゆえに、企業や家計はお金を貯めざるを得ませんが、政府はお金を貯める必要は全くなく、安全保障や将来の生産性向上のために、すぐに利益が出にくい分野であるインフラ投資こそ、政府の出番なのです。(インフレの場合は、政府がお金を貯めて需要を抑制するのもありです。)

                         「借金は何が何でも悪」と考える人は、資本主義を否定しているのと同じです。資本主義とは借入金で信用創造によって経済成長していくものであり、こうしたインフラ投資こそ政府の出番であることを、私たち国民が理解する必要があるものと考えます。


                        低年金者向けの消費増税対策について

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                          JUGEMテーマ:年金/財政

                           

                           台風21号と北海道地震で被害に遭われた皆様には、お見舞い申し上げます。

                           

                           今日は「低年金者向けの消費増税対策について」と題して、消費増税について論説します。

                           

                           下記は日本経済新聞の記事です。

                          『日本経済新聞 2018/8/15 20:00 低年金者給付 前倒し浮上 消費増税対策、財源など課題

                           2019年10月に予定する消費増税対策の一つとして、政府内で低所得の高齢者への影響を抑える対策が焦点になってきた。低所得の年金生活者に最大で月5千円(年6万円)を給付する新制度について、実際の支給が増税時に間に合うよう制度開始を2カ月程度前倒しする案が浮上。1千億円規模の財源の確保や煩雑な給付作業などを巡り、財務省や厚生労働省は年末に向けて議論する。

                          焦点となっている仕組みは、政府が消費増税に合わせて、年金の少ない高齢者向けに予定している「年金生活者支援給付金」だ。5%から10%への消費増税と社会保障の充実を合わせて決めた12年の「社会保障と税の一体改革」の中で決めた措置だ。低所得の高齢者を中心に、増税の影響を和らげるのが狙いだ。

                           受け取れるのは世帯全員が住民税非課税で、年間の所得が国民年金の保険料を40年間納めて受け取る額(約78万円)よりも低い水準の高齢者が中心になる。対象は約800万人にのぼる。

                           問題は、給付金の支給が年金と同じで2カ月に1回の予定であることだ。年金は2月、4月など偶数月に配る。給付金制度を消費増税を予定している19年10月に始めると、実際に高齢者の銀行口座に振り込まれるのは12月になってしまう。

                           増税直後は買い控えなどが起きやすく、給付金の支給が遅れれば高齢者対策としての制度の効果が薄れる恐れがある。こうした状況を踏まえ、与党内では公明党が制度の前倒しを強く求めている。例えば制度の開始を2カ月前倒せば、消費税率が10%に上がる19年10月に給付できる。お金を配ることで個人消費の反動減を抑える狙いだ。

                           もっとも、財務省や厚労省は給付の前倒しを巡る課題に頭を悩ませている。1つは財源だ。「社会保障と税の一体改革」を審議していた時点の試算では、年間で約5600億円が必要になるとはじいていた。2カ月前倒しする場合に必要な財源は約1千億円となる。加えて、法改正もしなければならない見込みだ。

                           もう1つは給付作業の問題だ。給付を請け負うのは日本年金機構になる。今年2月に支給した公的年金では、過少支給の問題が起きたばかり。過去にも125万人分の個人情報の流出が起きるなど不祥事が相次ぐ。

                           仮に前倒しを決めたとしても、システムや給付事務が追いつかず、かえって混乱が広がる懸念がある。市区町村が配るという手もあるが、事務費がかかり必要になるお金が膨らんでしまう。

                           3つ目はばらまき批判だ。政府は16年にも低年金者を対象に3万円の給付金を配ったことがある。賃上げの効果がおよびにくい高齢者らを支援するという名目だった。給付は市区町村が担ったが、事務費だけで数百億円かかった。このときは自民党内でも若手議員中心に批判の声が噴出した。

                           このほか消費増税に合わせて、65歳以上が支払っている介護保険料の軽減対象拡大の前倒しも検討課題になっている。いまは住民税非課税世帯のうち、特に所得の低い人を対象に軽減している。これを住民税非課税世帯全体に広げる。現在の対象は65歳以上のうち約2割だが、3割に増える。

                           最も負担が軽くなる高齢者は負担する保険料が基準額の30%になる。現在は45%だ。前倒しで低所得の高齢者の負担をさらに抑える狙い。来年は参院選を控えるだけに、消費増税に合わせた対策として、高齢者向けの施策が重みを増しそうだ。

                           

                           ▼年金生活者支援給付金 年金の少ない高齢者らに現金を支給する制度。消費税を8%から10%に上げる2019年10月に創設する予定だ。年金保険料を納めた期間に応じ、最大で月5千円を年金に上乗せする仕組みとなる。障害基礎年金や遺族基礎年金の受給者も給付の対象だ。』

                           

                           

                           まず私は、この報道に大変違和感がありました。何が違和感かと申しますと、消費増税を既成事実化しているということです。消費増税することが当たり前というような環境を作っているといえます。

                           

                           ポイントは2点あります。

                           

                           一つ目は、消費増税の既成事実化が徹底的に進んでいる状態です。消費増税は、相当の確率でやるでしょう。何しろ、

                          リーマンショックが起きても消費増税は先送りできないなどという政治家もいるくらいです。まるで消費増税することが目的になっているかの如く。

                           

                           消費増税は社会保障などの用途に使われるのでは?と思った方、残念ながら消費増税しても増税分は一般財源として扱われ、政府の負債の返済に使われるでしょう。事実、2014年の消費増税5%→8%のときは、消費増税分の8割程度が政府の負債の返済に使われ、国民の所得になりませんでした。「政府の負債を借金で返さなければ・・・」という発想は、家計簿の発想であり、企業経営の発想です。実際は政府の負債は、100%円建てであり、外貨建て債務ではないので、いざ返済時期が来たら、借り換えをすればいいだけのこと。政府の負債を返済してしまうと、返済分が消費や投資に使われないわけですから、消費に使われない=生産に使われない=所得が生み出されない と例のごとくGDP3面等価の原則によって、経済成長を抑制します。

                           

                           そもそも、低年金者向け消費増税対策ということ自体、消費増税を既成事実化するためとしかいえません。多くの人々も、「あ、台風が来るんだ!」と自然災害のように思われて回避できないものと思われる方が多いかもしれませんが、実際は政策を変えることは可能です。

                           

                           二つ目は、給付金を配るのは、消費増税で取る分を事前に戻すことになるため、消費増税の影響がないと思われる方もおられるでしょう。

                           

                           心理学的には、消費時にあらゆるタイミングで意識に上り、消費にブレーキがかかる可能性が高いです。すべての消費行動は意思決定で決まるわけですが、給付金は振り込まれるものです。そのため、消費するときに、事前に10000円振り込まれていたから、消費増税分500円を使ったとして、残り9500円が使えるなどと考える人は皆無でしょう。要は、振り込まれた10000円は何となく認識しても、消費する際にいちいち残りがいくらで、今いくら使おうかなどと考える人はいません。消費時には意識されないのです。

                           

                           消費増税をした後、GDPの成長率は大きく低迷していることが既に実証されていまして、下記は、その検証資料です。

                           

                          (出典:内閣官房参与の藤井聡氏のフェイスブックより)

                           

                           

                           消費増税10%にすれば、国家の予算が増えて社会保障制度が安定して、公共事業が増え、被災地復興が早まるとか、そうしたバラ色のシナリオにはならないでしょう。

                           

                           消費増税をしても税収が減収する可能性は極めて濃厚なのですが、その理由は税金とは私たちが働いて稼いだ所得から徴収するからです。

                           

                           税収=名目GDP×税率×税収弾性値

                           GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出(※)

                           ※純輸出=輸出−輸入

                           

                           

                           消費増税は直間比率の是正が目的であるなどと、もっともらしい言い方をする人もいて、一見すると間接税で安定的に税収が確保できると思いきや、直接税が税収弾性値によって激減します。実質GDPが増加しても、名目GDPがマイナス、GDPデフレータがマイナスという状況ですと、忙しくなるだけで稼げないという状況になり、稼げない=企業の売上が増えない=賃金UPの原資が増えないということで、法人税と所得税が伸び悩みます。それどころか、赤字になれば法人税を治めなくなりますし、連結決算連結納税で黒字企業も節税します。従業員が解雇されれば、その分の所得税もなくなります。

                           つまり名目GDPがマイナスした場合、税収弾性値によってそれ以上に税収が減収するのです。

                           

                           税収弾性値については以前もテーマで取り上げたことがあります。名目GDPがプラスになれば、税収はそのプラスの伸び率以上に増えます。日本国内の法人のすべてが黒字だった場合は、税収弾性値は1となるため、名目GDPの伸び率=税収の伸び率となりますが、逆に言えば、日本国内の法人がすべて黒字になるには10年以上かかるといわれていますので、そうなるまでは税収弾性値は1以上といえるのです。因みに2013年度の税収弾性値は3.5でした。2013年といえば安倍政権アベノミクスの第二の矢の国土強靭化計画で政府支出を増やしたことで、名目GDPが1.9%上昇し、税収は6.9%増収しました。その後、2014年に消費増税や補正予算の減額をしたため、税収が伸び悩んでしまっています。

                           

                           9月に入って台風21号、北海道地震と多くの方々が被災している状況で、プライマリーバランス黒字化によって緊縮財政を続ける中、本当に2019年10月に消費増税を行うのでしょうか?これだけ自然災害で被災している以上、消費増税はそもそも凍結もしくは消費減税すべきであると私は考えます。

                           

                           

                           というわけで今日は「低年金者向けの消費増税対策について」と題し、論説しました。消費増税を既成事実化する報道が目に余ります。もし消費増税をこのまま進めるならば、安藤裕国会議員による安藤提言(内閣府ホームページに掲載中)で、消費減税を提言しています。

                           消費増税はするものの、非課税品目を大幅に増やし、1取引100万円以下の取引をすべて5%に減税、個人が買う乗用車や住宅も5%に減税するといった内容です。

                           本来デフレ下で消費増税をやってはいけないのですが、財務省どものプライマリーバランス黒字化目標を盾に消費増税を目論む彼らの消費増税強行を、うまく手に取った提言です。

                           私は法人取引でさえ5%に減税すべきであると思いますので、本来は消費増税中止、凍結、5%への減税と言いたいところですが、プライマリーバランス黒字化目標が残って増税回避不可というのであれば、逆に安藤提言を応援したいと思います。

                            

                           

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                             台風21号と北海道地震で被害に遭われた皆様には、お見舞い申し上げます。

                             

                             台風21号が西日本を通過して、北海道にも爪痕を残しましたが、今日は猛威を振るった台風21号で関西国際空港を襲った高潮について述べたいと思います。

                             

                             各警察署によれば、大阪府、滋賀県、愛知県、三重県で11名が死亡し、住宅被害は大阪をはじめ17府県で合わせて300棟以上が一部損壊や床下浸水などの被害を被ったと報じられています。

                             

                             テレビ映像で衝撃だったのは、高潮被害による冠水で、連絡橋のタンカーが衝突したシーンです。

                             

                            <連絡橋にタンカーが衝突>

                            (出典:時事通信社)

                             

                             

                             この連絡橋は、関西国際空港と対岸を結ぶ唯一の連絡橋なのですが、この衝突事故により、関空の利用客ら約8,000人が一時孤立しました。

                             

                             簡単にトラックが倒れ、屋根が飛び、ベランダごと飛んでいくほど強風だったのが今回の台風21号ですが、高潮による恐怖というものをまざまざと見せつけたといえます。

                             

                             地震や津波や洪水被害というのは、報道された映像をみれば、その恐ろしさは理解できるでしょうが、高潮の恐ろしさはイメージが難しいと思われます。

                             

                             ある人によれば、”高潮(たかしお)”という名前が悪いのでは?と指摘する人もいます。高いところで塩を撒くのか?イメージがしにくいのです。

                             

                             過去、日本人の命を一番多く失わせた自然災害は高潮だったという説があります。時は江戸時代で、1856年(安政3年)8月に起きた「安政3年の大風災」と呼ばれる出来事です。これは猛烈な台風が江戸城のすぐ西を通り、江戸一帯を暴風と高潮が襲ったもので、「安政江戸地震(1855年11月)」からようやく立ち上がった江戸の町を破壊しつくしたとされています。

                             

                             「安政江戸地震」は、1855年11月11日(安政2年10月2日)に発生し、マグニチュード6.9〜7.4で、江戸で震度6を記録した直下型地震です。そのあと1年後の8月に「安政3年の大風災」で巨大台風が江戸を襲い、高潮で水位がものすごく上がって海面がずっと上昇し、江戸の町にゆっくりと大量の水が流れ込んで、10万人の人々が命を落としたとされています。

                             

                             このように高潮は、めちゃくちゃに怖い災害です。

                             

                             土木学会の試算によれば、経済被害で一番被害が大きいのは南海トラフ地震で1400兆円。次いで首都直下型地震が750兆円。洪水が60兆円ほどで、例えば東京都内の荒川が決壊すると60兆円とのシミュレーションが試算されています。その一方で高潮は100兆円を超えるとのこと。つまり高潮は、超巨大洪水の2倍弱の経済被害をもたらすのです。

                             

                             今回被害が出た大阪は確かに大変な被害だったのですが、もっと被害が大きくなる可能性もありました。

                             

                             高潮被害は津波と似ているのです。いわばバキュームカーのように低気圧が海面を吸い上げて海面が高くなります。あと50僉60儚ぬ未高かったとしても不思議ではありません。例えば1週間ずれて同じような感じの台風21号が来た場合、1m以上潮位が高くなる可能性は十分にあります。

                             

                             今回の高潮の潮位は329僂畔麁擦気譴討い泙垢、防潮堤は3mでした。この防潮堤は高潮対策のための防潮堤で、それを超えてきたのです。

                             

                             津波対策堤防も防潮堤といっていますが、大阪の場合は津波よりも高潮になる可能性が高い箇所がたくさんあると言われています。大阪府の防潮堤は、ある意味で高潮対策のための投資といえるでしょう。

                             

                             台風21号の大阪上陸は9/4(火)AM2:00でしたが、満潮時刻はAM5:10です。満潮時間と上陸時間がずれたことで、何十センチか低くなったと考えられます。

                             

                             また台風21号は955hPa(ヘクトパスカル)で上陸しましたが、1961年(昭和36年)9月16日に第二室戸台風では925hPa(ヘクトパスカル)で大阪に上陸しました。


                             もし低気圧が第二室戸台風レベルにまで低下した状態で大阪に上陸した場合、30僂らい潮位が高くなった可能性があります。

                             

                             一番恐ろしいシナリオは大潮の満潮です。半月に1回ほど、太陽と月と地球が一直線に並び、太陽と月の引力と地球が回転して遠心力が加わった「起潮力」が最大になり、地球表面の海水面の満潮と干潮の差が大きくなる時期を大潮と言いますが、もし大潮の満潮と台風上陸が重なっていたら、40僉50僂蝋發なった可能性があるのです。

                             

                             さらに台風21号は速度が早かったことも幸いです。大阪上空に滞在する時間が短かったから、この程度の被害で済んだともいえるのです。なぜならば台風は自転車を運転する速度でゆっくり進むといわれています。もし、自転車の速度のようにゆっくり台風が来た場合、バキュームカーで海面をずっと吸い上げている状態なので、風がずっと吹き続けるだけでも潮位が高くなります。

                             

                             こうしたことを考えますと、普通に潮位があと1m高い状態となり、大阪で数時間も潮位が高い状態が続くとなれば、水が”ずぶずぶ”と大阪市内に入ってきて、最悪の状態になっていたことも想定されるのです。

                             

                             大阪は海抜ゼロメートル地帯が広がっているため、海から水がずぶずぶ入ってしまえば、湖のようになってしまうのです。東京も海抜ゼロ地帯がありますが、地形的には大阪の方が高潮の被害がひどくなるということが想定できます。もし、悪条件が重なって大阪がそうなっていたら、100兆円超の被害があったかもしれません。その可能性があったのが、今回の台風21号だったといえるでしょう。

                             

                             

                             というわけで、今日は「地震・津波・洪水・土砂災害・高潮の中でも一番怖いのは高潮です!」と題し、高潮の恐ろしさをお伝えしました。今回のこうした経験を将来世代に向けて活かさなければならないことは明らかです。

                             そしてその方策とは、躊躇なく国債を発行して財源を確保し、速やかに国土強靭化を進めることです。今年は大阪北部地震では配管の損傷やブロック塀問題、西日本豪雨では治水・治山事業の大切さ、台風21号では防波堤・防潮堤の大切さ、こうしたことの必要性を十分に認識する人々が増えたのではないでしょうか?

                             自然災害オンパレードの日本に住む私たち日本人が税金を納めるのは、政府内で国家でお金を貯めるために税金を納めているのではありません。お金をいくら貯めても、何ら国力の増強にもなりませんし、多くの日本国民の生命と財産を守ることができません。

                             もし、この経験をしてもなお、日本には存在しない財政問題におびえて「国債発行によるスピーディーな財政出動での国土強靭化の必要性」を理解できない政治家や公務員は、一刻も早くその職を辞していただきたいと私は思うのです。

                             

                             

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                            台風21号と北海道地震による経済被害

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                               台風21号と北海道地震で被害に遭われた皆様には、お見舞い申し上げます。

                               

                               今日は「台風21号と北海道地震による経済被害」と題して論説します。

                               

                               下記は時事通信による北海道地震の記事です。

                              『時事通信 2018年09月06日 土砂崩れ現場=北海道地震
                              6日午前3時8分ごろ、北海道の胆振地方中東部を震源とする地震があり、北海道安平町で震度6強の揺れを観測した。気象庁によると、震源の深さは37キロで、地震の規模(マグニチュード)は6.7と推定される。余震とみられる地震も相次いでおり、同庁が警戒を呼び掛けている。土砂崩れや家屋倒壊が多数発生し、2人が死亡、1人が心肺停止。厚真町で39人が安否不明となっている。道内の全約295万戸で停電が発生した。(後略)』

                               

                               

                              <北海道の厚真町の山崩れの様子>

                               

                              (出典:時事通信社の動画映像の1シーン)

                               

                               上記の写真は、時事通信社の動画映像のシーンですが、山体が崩壊し、田畑が被害を受けている厚真町の様子です。

                               

                               台風21号では東北地方の果樹園で収穫前のリンゴが大量に落ちる大被害がありましたが、北海道地震では台風21号に加え、今回の地震による山体崩壊での山崩れで田畑がこのような大被害を受けております。

                               

                               農業被害がどのくらいになるのか?政府による支援が必要だと思います。何しろ、食糧自給率の低い日本にとって、北海道は日本の国民の胃袋を満たすための農作物を多く供給できる都道府県の1つであります。

                               

                               被害の全容を解明すると同時に、並行して土砂をよけて田畑を再生したり、余震の対策などの対策が、早く打たれることを望みます。

                               

                               今回の北海道地震では、地震発生と同時に苫小牧市内全域が停電に見舞われました。その結果、屋外の信号機・街路灯が消え、札幌と室蘭を結ぶ主要幹線の国道36号線では、車が交差点に差し掛かるたびに速度を落として安全確認をしながら徐行運転をするという様子の映像も報道されました。また総務省、消防庁、あるいは地元の消防によれば、震度5弱を観測した新日鉄住金室蘭製作所では火災が発生しました。

                               

                               北海道では地震の前に、台風21号でも大きな被害を受けました。その後に震度6強の地震の発生です。台風21号の被害でもかなり強い風で農業被害が中心でした。北海道は農業を中心とした経済被害が相当広がることでしょう。

                               

                               関西も大きな経済被害が予想されます。なぜならば関西空港は今もなおストップし、再開のめどが立っていません。関西空港の閉鎖もまた大きな経済被害になるでしょう。

                               

                               日本ではこうした自然災害は普通に予想され、どこでも起こり得ます。台風が来た直後に大地震、台風が来ている間に大地震、台風が来る前に大地震、24時間どこでも起こり得ます。安全なところは日本にはありません。

                               

                               北海道地震は震度6強です。私は東日本大震災で福島県いわき市に在住しており、震度6弱を経験していますが、とても立っていられませんでした。当時は建物の中にいたのですが、建物内のホールの中敷きの壁が倒れそうになるくらいしなって、何人かの人々が壁を抑えていました。私はそれを「あっ!あの壁が倒れたら、中にいる人が大けがするか最悪は死ぬだろう!」と思って、壁を抑えようと立ち上がろうにも立ち上がれず、見ていることしかできませんでした。幸いにも揺れが収まって壁が倒れることは無かったものの、当時は本当に怖い思いをしました。今回の北海道地震の震度6強は、どのくらい続いていたのか?ということもありますが、立っていられない大きな揺れであったことには間違いないでしょう。

                               

                               マグニチュードは6.7とされています。マグニチュードとは岩盤が割れる岩盤の大きさを意味します。東日本大震災ではマグニチュード9だったため、今回の7も、かなり大きいといえます。東日本大震災では数百キロの岩盤がすべて割れとされ、マグニチュード6.7は、それと比べれば小さいですが、直下で発生しているため、室蘭から札幌にかけて相当の広範囲で被害が出ている状況です。

                               

                               JR北海道では、地震の影響で停電し、北海道新幹線を含む多くの列車が運行できない状態になっているとも報じられました。気象庁は今後1週間程度、最大震度6強程度の地震に注意して欲しいと呼び掛けていますが、北海道にお住まいの方は、くれぐれも安全にご注意いただきたく思います。

                               

                               

                               というわけで今日は「台風21号と北海道地震による経済被害」と題して論説しました。

                               安倍政権が地震・豪雨対策で1兆円に上る補正予算を組むと報じられています。金額が独り歩きするのは危険ですが、そもそも1兆円規模で足りるのでしょうか?国交省の役人にしろ、地方自治体の人々にしろ、災害に遭った道府県選出の国会議員にしろ、財務省の緊縮財政に染まり、今必要な支出、短中期的に考えられる支出、長期的な支出、すべてどのくらい必要なのか?プロジェクトを考えることができる人材は、どのくらいいるのでしょうか?

                               「お金を貯めることが大事で借金は悪いこと」という考え方は、資本主義の否定そのものです。「借金を増やすことはできない」という頭でいると、復興すらままならず、二次災害、三次災害で経済にダメージを与え続けることになるでしょう。

                               今回の北海道地震で発生した山体崩壊は植林などの治山事業、建物の倒壊については耐震補強を基準通りやれば、相当安全になり、建物の倒壊確率を下げることができます。今からでも遅くないので、必要なことは国債発行を躊躇せず、お金がどれだけ必要なのか?出していただき、建設国債などを発行して速やかに政策を実行に移して欲しいと思うのであります。


                              財政規律ガーとか言って、国債発行を躊躇させる輩は、人殺しと同じです!

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                                 今日は「財政規律ガーとか言って、国債発行を躊躇させる輩は、人殺しと同じです!」と題して論説します。

                                 

                                  先日、台風21号が関西を中心に大きな傷跡を残したと思ったら、今度は北海道の胆振地方の中東部で震度6強の強い揺れを観測する地震が発生しました。震度6強が安平町、震度6弱が千歳市ということで、大規模な停電が発生して大変危険な状態でした。

                                 

                                 潮位の変化はあっても、津波の心配はないとのこと。とはいえ、厚真町で山体が崩壊して、大規模な山崩れで家屋が相当飲み込まれました。震度5弱の室蘭では製鉄所が燃えていたりと、震災発生当初は未明だったこともあって、被害の全容がすぐにわからない状況でしたが、夜が明けて被害の大きさが判明しました。

                                 

                                 厚真町の山体崩壊による大規模な山崩れを見ますと、未明に発生した地震は別な意味で怖いと思います。もちろんその時間その時間で、例えばお昼時であれば昼食準備で火を使っている状態で火災が発生しやすかったりするわけですが、未明の地震の場合は、停電で真っ暗になるということが怖いと思うのです。今回の地震では、札幌市では停電で信号が止まり、恐る恐るドライバーは自動車を運転していたことでしょう。

                                 

                                 その北海道には、台風21号による大雨、強風の被害も広がりました。台風21号は、東北各地でも大きな傷跡を残し、果樹園では収穫目前のリンゴの多くが落ちてしまいました。北海道は農業地域であり、北海道もまた農作物被害が出ています。

                                 

                                 今回の台風と地震で思うこと、それは国土強靭化を急ぐこと、それしかないと思うのです。

                                 

                                 国土強靭化は、ゆっくりのんびりやっても意味がありません。例えば、予算がないから、税収が不足しているから、国債発行に頼ってはいけないからなどと、予算を少しずつかけて、ゆっくり対策をやって、例えば15年後に完成する目標で対策したとしても、その15年の間に、今回のように台風や地震で、人が死んだり、山が崩れたり、建物・工場などが倒壊したりするのです。

                                 

                                 もし、国債を躊躇なく大量に発行し、今年来年くらいで3年後くらいを目安に、強靭化対策をすれば、それ以降十数年は安全になります。

                                 

                                 しかしながら、国債発行を躊躇するような財政規律があり、国債発行を躊躇しているために、こうして災害で人が死んでいるのです。

                                 

                                 堤防を作ったり、地震対策を行うということは、将来自然災害の発生によって失う損失を回避することであり、それこそが国土強靭化の投資の原資です。どうせお金がかかるのですから、しかも定期的に自然災害が来るのがわかっているわけで、水災害でいえば、毎年毎年どこかで発生しています。

                                 

                                 内陸型の地震の発生確率はなかなかわからないものですが、全国でいえば6月の大阪北部地震、そしてこの9月の北海道地震と、台風と同じで、日本列島のどこかで必ず発生しています。

                                 

                                 変な財政規律とか言っている国会議員、御用学者、エコノミスト、アナリストら、こうした人に日本人が殺されているということを、日本人は早く気付かなければなりません。

                                 

                                 国債を発行して、この数年以内に国土強靭化を徹底的にやる。国債を発行して国土強靭化のために政府支出拡大をすれば、そのこと自体が、政府支出増=生産増=所得増 となって、経済成長につながり、デフレ脱却に資します。

                                 

                                 経済的なことも重要ですが、何よりも重要なことは人が死ななくて済むことで、命が救われるのです。そう考えると、国債発行を躊躇する輩は、人殺しと同じであると思うのです。

                                 

                                 

                                 というわけで、今日は「財政規律ガーとか言って、国債発行を躊躇させる輩は、人殺しと同じです!」と題し、論説しました。

                                 2018/07/11発売の雑誌「中央公論(2018年8月号)」において、「『国難』としての自然災害と日本経済」という表題で、東京大学名誉教授の吉川洋氏が論説しました。

                                 その中で、公共事業費拡大を否定しています。具体的には、現在の国費ベースの年間6兆円で公共事業費の拡大を続けた場合、日本は自然災害をきっかけに「亡国」の財政破綻に陥ると主張しています。

                                 2018年8月号の中央公論は7/11発売の雑誌であるため、6月中には原稿を書いていたことでしょう。その後に発生した西日本豪雨、台風21号、北海道地震の惨状をみて、吉川氏はどんなコメントするのか?「国債発行」が「亡国」の財政破綻に陥ると主張を続けるのか?

                                 学者として過去の論説に過ちを認め、躊躇なく国債発行すべきと主張を転じていただけるのであれば、それは称賛すべきだと思いますが、国債発行を止める論説を続ける場合は、私は厳しく反論せざるを得ません。

                                 どうか、吉川洋氏に限りませんが、多くの学者やエコノミスト、アナリストらが、財政支出を躊躇することの過ちに早く気付くことを私は祈っております。

                                 

                                <中央公論 2018年8月号の冊子と見出しの抜粋>


                                マスコミが報じない兵庫県の六甲砂防ダムの活躍(六甲山系グリーンベルト)

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                                   今日は「マスコミが報じない兵庫県の六甲砂防ダムの活躍(六甲山系グリーンベルト)」と題して論説します。

                                   

                                   またまた大型台風が近づいていますが、日本は本当に自然災害大国であることを身にしみて感じます。もちろん温暖化の影響という指摘もありますが、それ以前に台風や地震や火山噴火や冬には豪雪もあるわけで、自然災害オンパレード国であることに違いありません。

                                   今年7月に起きた西日本豪雨では多くの人々が亡くなりました。特に真備町の小田川の決壊は、本来治水・治山事業に予算をちゃんと配分していれば防げた可能性が高く、小田川の決壊で多くの人々が命を落としたことについて、政府関係者には猛省していただきたいと思うのです。

                                   

                                   毎日新聞の記事では、西日本豪雨で決壊した一部の砂防ダムを取り上げていました。その一方で兵庫県では、六甲山脈の六甲砂防ダムがあったおかげで死者が2名に留まりました。

                                   

                                   死者行方不明者は多い順に広島県(114人)、岡山県(64人)、愛媛県(27人)の3件とされています。

                                   

                                   広島県では住宅の裏山が崩壊して斜面沿いに土砂が住宅に押し寄せたり、斜面を切り開いて作られた造成地での被害など、2014年の土砂災害と似た被害状況だったとのこと。また砂防ダムが決壊して大量の土砂が住宅を襲って15人の方が命を落としています。

                                   

                                   岡山県では倉敷市真備町で小田川が決壊し、43名のほとんどの方が水死で命を落としました。

                                   

                                   上述の通り、広島県、岡山県を中心に多くの方が命を落とした西日本豪雨でしたが、兵庫県でも西日本豪雨があったにもかかわらず、死者がなぜ2名に留まったか?を報じている記事はあるのでしょうか?

                                   

                                   六甲山麓の兵庫県神戸市では、過去80年で3回ほど集中豪雨が発生し、1938年、1967年、2018年(今年)と、1時間に400个鯆兇┐觸乎羚覬が六甲山脈に降った歴史があるのです。

                                   

                                  <六甲山の災害史の抜粋>

                                  年号(西暦) 詳細
                                  昭和13年(1938年)

                                  阪神大水害

                                  7/3 49.6

                                  7/4 141.8

                                  7/5 270.4

                                  総降雨量461.8

                                  死者671名、行方不明24名、堤防決壊14、道路決壊69、橋梁流失57

                                  昭和42年(1967年)

                                  7月豪雨

                                  7/7 10.1

                                  7/8 41.7

                                  7/9 319.4

                                  総降雨量371.2

                                  死者90名、行方不明8名、河川決壊29、橋梁流失37、山崩れ141、がけくずれ168、道路崩壊162

                                  平成30年(2018年)

                                  西日本豪雨

                                  総降雨量483.0

                                  死者2名、行方不明者2名

                                  (出典:国交省ホームページ 近畿地方整備局のサイトから引用)

                                   

                                   1938年のときは、砂防堤防が整備されておらず、671人の方が亡くなっています。これは大変だということで、砂防ダムを174基整備し、1967年の豪雨のときには、死者行方不明者98人にまで激減しました。治水事業にお金をかけたことで、死者が7分の1程度にまで減少しました。

                                   

                                   それでも98人もの命が奪われたということで、そこからまた半世紀以上ずっと努力しました。平成7年には阪神淡路大震災があったこともあり、山の斜面の崩壊や地割れが多数発生したため、その後の豪雨災害を予見して、六甲山地を一連の樹林帯(グリーンベルト)として守り育て、土砂災害に対する安全性を高める取り組みをしてきたのです。

                                   

                                   この取り組みは「六甲山系グリーンベルト整備事業」と呼ばれ、整備の目的として下記の4つを掲げていました。

                                  ・土砂災害の防止

                                  ・良好な都市環境、風致景観、生態系および種の多様性の保全・育成

                                  ・都市のスクロール化(無秩序な市街化)

                                  ・健全なレクリエーションの場の提供

                                   

                                  <六甲山系グリーンベルト整備事業のイメージ>

                                  (出典:国交省のホームページ 近畿地方整備局のサイトから引用)

                                   

                                   

                                   上述の取り組みが功を制し、過去100年で483个箸い集中豪雨が襲来した今年、兵庫県での死者行方不明者は4人です。兵庫県の被害状況は、それほど報道されていませんでしたが、もし治水・治山事業をやっていなかった場合、普通に800人くらい死亡者が発生していてもおかしくなかったでしょう。

                                   

                                   こういう情報こそ、公共の電波でテレビやラジオや新聞といったマスコミが報道し、共有しなければならないと私は思います。

                                   

                                   

                                   というわけで、今日は「マスコミが報じない兵庫県の六甲砂防ダムの活躍(六甲山系グリーンベルト)」と題し、論説しました。

                                   そもそも土石流というのは、谷筋でしか発生しません。谷筋に砂防ダムを作れば、土砂災害はゼロにまでできるというのが、この六甲山脈の事例であるといえます。このことは災害対策におけるプライオリティの高い事業とは何か?の答えそのものです。

                                   ハザードマップを作り、避難のための避難所を作るとか、そうした対策も必要ですが、本当に必要なのは事前防災です。治水・治山事業は、砂防ダムがないところには新たに建造し、既設の砂防ダムであれば頑強に作られているか?調査して頑強でなければ補強するなどを、まずやるべきです。そうした技術的な対策があって初めて被害はゼロにできます。

                                   上述をすべて完了していた場合、実際に豪雨が発生しても、逃げる必要はなく、完全に守ることができます。こうした治水・治山事業に限らず、防波堤防潮堤などの公共事業には、躊躇なく建設国債を発行して予算をつけるべきであると、改めて思うのです。

                                   

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                                  生徒の9割が中国人で占める日章学園九州国際高校(宮崎県えびの市)について

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                                     今日は「生徒の9割が中国人で占める日章学園九州国際高校(宮崎県えびの市)について」と題して論説します。

                                     

                                     皆さんの中には、表題をみて驚かれる方がいるかもしれません。宮崎県えびの市に生徒の9割が中国人が占めているという高校があるのをご存知でしょうか?

                                     

                                     その名も日章学園九州国際高校という学校です。この学校は、生徒数減少で生き残りのため、中国人の受入を始めたということで、今や生徒の9割が中国人になってしまったとのことです。

                                     

                                     サーチナというサイトの記事をご紹介します。

                                    『サーチナ 2018/05/01 16:12 日本に中国人生徒9割の高校が出現、動揺する日本人=中国メディア

                                     中国メディア・今日頭条は26日、日本に生徒の9割が中国人という高校が存在するとしたうえで、日本のネットユーザーの反応を紹介する記事を掲載した。

                                     記事は、先日NHKのニュース番組の中で「人びとを震撼させる内容」が放送されたとし、宮崎県えびの市にある私立高校を紹介。生徒の9割が中国人で、校内で中国の国歌である「義勇軍進行曲」を歌い、学校からお小遣いまで支給されるのだと伝えた。
                                     この学校ではかつては日本人生徒がほとんどだったが、少子化で入学者がどんどん減っていったため、日本の大学に留学する意欲のある中国の生徒を集めて中国国内の系列校で2年間、日本で1年間学んでもらい、日本の有名大学への進学を目指すという方式を採用するようになったとのことである。
                                     記事はまた、この私立学校のケース以外にも「人口の過疎化に対処すべく、一部の自治体で外国人留学生を頼みの綱にしている。自治体が日本語学校を開いて留学生を集め、お小遣いまであげるのだ」としている。(後略)』

                                     

                                    <日章学園九州国際高校の2018年度入学式の様子>

                                    (出典:Webサイト「netgeek media innovation」より)

                                     

                                     

                                     上記の通り、校内では中国の国家「義勇軍進行曲」が謳われ、学校からお金が支給されると報じられています。

                                     

                                     この学校の校長先生は日本人ですが、中国語を礼讃する授業をしています。もはや売国奴としか言いようがありません。学校の窮状に対して、えびの市の議員や、宮崎県知事、宮崎県選出の国会議員は、対策を講じたのでしょうか?そもそもなんでこのようなことになったのでしょうか?

                                     

                                     理由は少子高齢化で生徒が集まらないことが原因であるとしています。そこで外国人留学生の受け入れを促進するため、月14万円程度の手当てを出し、学費免除もしています。

                                     

                                     とはいえ、これは優遇しすぎであり、この制度は即刻廃止にするべきです。日本人を優遇すべきで、なぜ中国人などの外国人を優遇するのか?意味が分かりません。

                                     

                                     逆に海外留学生から、たくさんのお金を取るべきでしょう。なぜならば、米国がそうしているからです。

                                     

                                     米国は海外留学生からたくさんのお金を取ります。自国民ファーストだから当たり前であり、日本は価値観が歪んでいるとしか言いようがありません。

                                     

                                     少子化の問題でいえば、生徒がいない大学は残してはいけないのです。なるべく生徒を集中化して生徒数が維持できるようにし、それでも生徒が少なくなって残す場合は、大学を職業専門学校に変えていくなど、利用方法はいくらでもあります。

                                     造船技術者の不足、林業の技術者の不足、航空機のパイロット、建設・土木業の技術者の不足などなど、海に囲まれて資源が少ない日本の基礎となる業種において、人手不足で圧倒的に日本人技術者が不足しています。造船業でいえば、本当に外国人労働者でいいのでしょうか?

                                     

                                     私は日本人が就業すべきだと考えます。そうした分野で日本の若者やニートを職業に手を付けさせて就業させるために、職業専門学校に変えていき、学費を免除するなどすれば、日本の若者が技術者として育成され、就業しやすくなるでしょう。

                                     

                                     日本人の若者の人材育成をせず、中国人を育成するとは、価値観がめちゃくちゃで、アノミー(無秩序)が浸透してしまって、何が正しいのか?間違っているのか?判断ができなくなってしまっているのではないでしょうか?

                                     

                                     また東京都内ではコンビニエンスストアの店員は外国人店員ばかりです。

                                     

                                     なぜこうなったのでしょうか?

                                     

                                     少子高齢化でコンビニエンスストアのアルバイトが不足するという環境があり、日本の大学では少子化で生徒が集まらないという事情がありました。そこに目を付けたブローカーによって、中国とかベトナムなどの海外の若者を日本に連れて来日させ、留学生ということで日本の大学に在籍させて、コンビニの現場に送り込むというビジネスができてしまったのです。

                                     

                                     外国人留学生は在留期限があり、3〜5年という期限はあるものの、本来であれば完全自動レジの普及など、機械化の方法でコンビニ業界は人手不足を乗り切るべきだったのですが、外国人留学生を安い賃金で受け入れるという方法で凌ぎました。

                                     

                                     その結果、大学の現場が留学生だらけとなり、その究極が今回ご紹介した宮崎県えびの市の日章学園九州国際高校であると言えるでしょう。

                                     

                                     どんな問題でも、頭のいい人がビジネスとして成立させてしまうというのは、ある意味で怖いことです。

                                     

                                     さらにそれだけではありません。工場では人手不足でベトナムなどからも若者を留学生として来日させていますが、5年間も労力をかけて人材育成して育てたのに、その育てた人を帰国させなければならないという声が、工場の現場からも出ているとのこと。

                                     

                                     こうしたことは、移民を大量に受け入れて移民大国となったドイツの初期のときと同じです。

                                     

                                     ドイツでは、同じように3〜5年間かけて育てた外国人を帰国させるのは、おかしいのでは?と文句が出たため、育てた外国人を残すことを認めました。そしてそれは本人だけを残すのではなく、家族を呼び寄せることも可能にしたため、ドイツは移民国家となったのです。

                                     

                                     

                                     というわけで今日は「生徒の9割が中国人で占める日章学園九州国際高校(宮崎県えびの市)について」と題して、論説しました。日本人の税金が外国人、しかも仮想敵国で反日の中国人のために使われ、貧困に苦しむ日本人(授業料が払えず進学をあきらめる日本人)に配分されないというのは、どう考えてもおかしいと思いますが、いかがでしょうか?

                                     国益が何かを考えず、ビジネスになれば、お金が儲かればいいといった発想で、そのノリで規制緩和もどんどんしていくとなると、間違いなく日本は移民国家となって滅びていくのだと思います。

                                     そもそも食ってくためには仕方がないという環境を作り出した原因は、デフレ放置です。デフレは物・サービスの値段が下がることで、婚姻が減少して少子化が進みます。

                                     人がいないからと言って、安易に仮想敵国の中国人を頼って、しかも学費免除までして受け入れるという価値観に、どうしても私は賛同できません。こうした問題についても、国会で取り上げていただき、すぐに制度を改めていただきたいものと、私は思います。

                                     

                                     

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                                       今年は9/1〜9/2が土日であるため、東京都内の小中学校は、明日9/3から学校が始まるということになります。特に小中学校では夏休みの宿題は終わっていると思いますが、まだやり残していませんでしょうか?今日は夏休みの宿題に関してのニュースをご紹介します。

                                       

                                      『NHK NEWS WEB 2018/08/29 17:15 フリマアプリ 3社 “夏休みの宿題”出品掲載を禁止へ

                                       インターネット上で利用者どうしが品物を売買するフリマアプリなどに「夏休みの宿題に使えます」などという宣伝文句で読書感想文や自由研究のレポートなどが出品されるケースが相次いでいることから「メルカリ」、「楽天」、「ヤフー」の3社はこうした出品の掲載を禁止することを決めました。


                                      決して他人事ではないイタリアで発生した高架橋崩落事故について

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                                         今日は、先月発生したイタリアの高速道路の高架橋崩落のニュースを取り上げ、論説したいと思います。

                                         

                                         まずはBBCとロイター通信のニュース記事をご紹介します。

                                         

                                        『BBC 2018/08/15 イタリアの橋崩落、死者少なくとも37人に 犠牲者には子どもも

                                         イタリア北西部のジェノバで14日、高架橋が崩落し通行中の車数十台が巻きこまれた事故で、生存者の救出活動が続いている。

                                        マッテオ・サルビーニ内相は、巻き込まれた車は45メートルの高さから落下しており、少なくとも37人が死亡したと発表した。これには8歳と12歳、13歳の子どもが含まれている。

                                         また、これまでに16人が負傷し、行方不明者は4〜12人とされている。

                                         イタリア各地から約250人の消防隊員がクライミング装備を使い、捜索犬と共に生存者を探している。

                                        救助隊員のエマニュエレ・ジッフィ氏はAFP通信に対し、「希望は捨てていない」と話し、救助隊は「最後の犠牲者を確保するまで昼夜を問わず」活動すると述べた。

                                         高架橋の別の部分がさらに崩落する危険があり、近隣からは400人以上が避難した。

                                         大雨の中で起きた橋の崩落の原因は現時点で明らかになっていないが、構造の安全性に問題があった可能性が指摘されている。

                                        サルビーニ内相は、崩落の責任の所在を必ず明らかにすると表明した。

                                         崩落が起きたモランディ橋は1960年代に建造され、有料道路A10が通っている。近くの港からイタリアの保養地リビエラやフランス南部の地中海沿岸地域に物資を運ぶ重要なルートとなっている。(後略)』

                                         

                                        『ロイター通信 2018/08/17 02:48 イタリア橋崩落事故、EUの歳出規制とは無関係=欧州委

                                        [ブリュッセル 16日 ロイター] - 欧州連合(EU)執行機関の欧州委員会は16日、イタリアの高速道路橋崩落を巡り、歳出制限と無関係との認識を示した。

                                         イタリアのサルビーニ副首相兼内相は、EUの歳出規制がなければインフラをより良好に保つことができたとの見方を示唆している。

                                         欧州委報道官は、イタリアが2014─20年の間に交通網インフラ向けにEUから25億ユーロを受け取っていると反論。4月には同国の高速道路向けに約85億ユーロの投資計画を承認したという。

                                         報道官は「合意された財政規律には、加盟各国が特定の政策優先課題を設定できる柔軟性を持たせてあり、インフラの開発や維持管理を優先課題にすることも可能だ」と指摘。

                                         EU規則に基づくと、高架橋を運営するアトランティア(ATL.MI)傘下のアウトストラーデ・ペル・イタリアが安全維持面の責任、イタリア当局は監督責任が問われるとも述べた。』

                                         

                                         

                                         上記のニュースは、イタリアの高速道路の高架橋の一部がおよそ200メートルにわたって崩落し、自動車30台が巻き込まれて、37人が死亡したというニュースです。高架橋の下に人が埋まって亡くなった方もおられるということで、大変な大惨事でした。

                                         

                                         この高架橋はモランディ橋とかポルチェヴェーラ高架橋(以下「モランディ橋」)などと呼ばれ、1960年代に建設されたものです。これまでも老朽化による危険性が何度か指摘されていたようで、おととし2016年にイタリア議会で構造やコンクリートの強度巡って議論が行われていました。

                                         

                                         今回のモランディ橋の崩落した原因について、専門家によれば橋を上に吊り上げるケーブルが腐っていて切れてしまったのでは?と指摘しています。

                                         

                                         過去の補修工事が実施され、問題が認識されていたと考えられるのですが、政府支出が十分に行われず、対策が取られなかったのでは?という指摘があります。

                                         

                                         引っ張り上げているケーブルが切れて床板が落ちてしまったという状況は、決して他人事ではありません。1960年代になると50年から60年くらい経っています。もともとコンクリート構造物の寿命は、およそ50年程度といわれているため、寿命が来て崩落したという普通の話です。

                                         

                                         アメリカでは、1930年代にたくさんの橋梁を作り、50年ほど経った1980年代に、今回のイタリアの橋の崩落事故と同じような状況が訪れました。ニューヨーク市内のブルックリン橋、ウェストバージニア州とオハイオ州を結ぶシルバー橋など、巨大な橋がたくさん崩落したり潰れたという時期があったのです。

                                         

                                        <ニューヨーク市のマンハッタンのブルックリン橋>

                                         

                                        (2014年12月31日に杉っ子がニューヨークを訪問した際、ハドソン川クルージングに参加したときに撮影したもの)

                                         

                                         上記の写真はブルックリン橋ですが、このブルックリン橋は、1981年にケーブルが破断して、橋を通行していた日本人カメラマンが死亡するという事故が発生しました。その他、米国では1973年にマンハッタンでウエストサイドハイウェイが部分崩落したり、1983年にもコネチカット州でマイアナス橋という橋が崩落しています。

                                         

                                         こうして橋の崩落事故が相次いだ米国は、ガソリン税を高くして、橋の維持更新を徹底的にやりました。その結果、今回のイタリアのような痛ましい事故はなくなりました。

                                         

                                         日本は1950年〜1960年の高度成長期に、インフラをたくさん作っています。ちょうど50年以上経過している頃であり、イタリアと同じような状況になっていると考えられます。コンクリートの場合、中身が見えないため、中が腐食しているか否か?外から見てもわかりません。大丈夫と思ってもダメな橋もあるかもしれません。今回のイタリアの高架橋崩落事故が、日本でも発生する可能性は、十分にあるでしょう。

                                         

                                         イタリアのモランディ橋のケーブルは、外がコンクリートで覆われていたため、中がどうなっているか?全部の状況を把握できませんでした。

                                         

                                         もし、今ちゃんと予算をつければ、コンクリートの中を診断する検査もできます。日本では東証一部上場企業で、土木管理総合試験所(証券コード:6171)という会社が、「Road-S(ロードス)」というソフトを開発しました。この「Road-S」は、3Dレーダーを使い、コンクリートや橋の強度を自動で分析します。特徴としては、従来1卻析するのに1か月ほどかかったのですが、この「Road-S」を使えば、数秒で完了してしまうのです。このソフトが使えば、コンクリートや橋の強度を分析する作業が効率的に行うことができ、補強を着手すべき優先順位がスピーディーに判明してコスト削減につながります。

                                         

                                         もちろん日本企業の「Road-S」を使わなければいけないというわけではありませんが、きちんと予算をかけて維持更新のコストをしっかりかければ、インフラは守ることができます。いうまでもなく、そのコストもまたGDPにカウントされます。GDP3面等価の原則で「政府支出=生産=所得」となるからです。所得も発生するのでコストをかけた分、税収増にもなります。

                                         

                                         ところがイタリアも加盟するEUでは、マーストリヒト条約により、「財政赤字対GDP比3%以下」もしくは「政府の負債対GDP比率60%以下」を満たさない場合、報告書を作成して是正するという決まりがあります。

                                         

                                         ロイター通信の記事では、EUの報道委員の発言として、財政規律はあっても支出の内容までは踏み込んでなく各国の判断に委ねる柔軟性があると主張しています。とはいえ、財政規律がある以上、仮にイタリアが高架橋などのインフラの補強にばかり支出してしまえば、ダブリン協定に基づくアフリカ難民(南アフリカ→サハラ砂漠→無政府状態のリビア→地中海→イタリアのルートで来る難民)の対策費や、将来生産性向上のための投資にお金を使うことができなくなってしまいます。

                                         

                                         そもそも「財政赤字対GDP比3%以下にせよ!」の3%には、学術的な根拠がありません。金融危機が発生して世界経済が混乱するような場面では、むしろプライマリーバランス赤字化させ、赤字幅を増やさなければなりません。イタリア政府が真にイタリア国民の幸せを願うのであれば、主権が縛られる国際協定EUからの離脱しか方法はないでしょう。既にイギリスがEUを離脱を決意したのは、こうした財政における内政干渉が国家を弱体化させるという判断があったからだと思われます。

                                         

                                         日本でも「公共事業は無駄だ!」「借金は将来世代にツケを残す!」として予算削減に邁進しています。民主党政権が「コンクリートから人へ!」で削減したのは事実ですが、安倍政権ですらプライマリーバランス黒字化が残っているために、公共事業を削減しているのです。

                                         

                                         その日本では過去に、中央自動車道の笹子トンネル事故で9人が亡くなった事故が発生しました。維持更新コストにしっかり予算を付けない場合、1980年代に相次いで橋が崩落した米国のように、笹子トンネル事故のような事故も今後多発していくということが予想されるでしょう。

                                         

                                         笹子トンネル事故も、検査して維持更新コストをかけていれば、発生しえなかったはずです。2012年以降、あれほどの大きな事故が発生していないため、多くの日本人は忘れているかもしれませんが、公共事業削減を続け散る日本においても、そうした危険性が年々高まっているといえます。

                                         

                                         減価償却という概念があるため、投資したものは一定のコストを払わなければ維持できないという常識を知っていただくと同時に、その維持コストそのものが、GDP3面等価の原則により「維持コストの支出=維持コストのためのサービスの生産=サービスを提供した事業者の所得」で、経済成長につながるということをも合わせて知っていただきたいです。

                                         

                                         

                                         

                                         というわけで、今日は先月発生したイタリアの高架橋崩落事故を取り上げました。笹子トンネル事故では、民営化が影響したのでは?という指摘があります。なぜならば民営化したときに予算を30%も削減しました。というより、予算を30%削減することを条件に民営化したのです。

                                         その結果、検査がされなかったのでは?という疑義が濃厚であり、もし国家水準で十分に費用をかけて検査をすれば、笹子トンネルの事故は発生しなかった可能性があるわけです。

                                         なぜ民営化したのか?となれば、それは言うまでもなく緊縮財政です。小さな政府論を推進し、政府の事業をどんどん民営化していきました。その結果、コスト削減自体が、GDP3面等価の原則で、コスト削減=生産削減=所得削減で、経済成長を抑制します。

                                         さらには、緊縮財政がデフレ脱却を阻害するというだけではなく、トンネルや橋を崩落させて人を殺すこともあるということ。そのことを私たちは忘れてはならないと思います。


                                        借入金の否定=資本主義の否定(信用創造機能とは何か?)

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                                           今日は、銀行の役割で大きな機能の一つ「信用創造」について論説します。

                                           

                                           皆さんは、銀行というと国民から預金を受け入れて、その預金に利ザヤを乗せて貸し出すのが銀行だと思っていないでしょうか?いわば、株式市場やその他の金融仲介業者と変わらず、預金者から投資家へお金を受け渡しをしているだけのように思っていませんでしょうか?

                                           実際には、銀行は同一の預金を複数回にわたって融資として貸し出すことができます。

                                           

                                           下図は、預金3000万円を2回貸し出しに回した場合の信用創造の仕組みのイメージです。

                                           

                                          <信用創造の仕組み>

                                           

                                           

                                           上図は、XYZ銀行が、預金3000万円をもとに、個人Aさんに貸し出し、法人C社に貸し出しているというシミュレーション図です。個人Aさんは住宅を建築し、B建設に3000万円を支払います。

                                           結果、B建設はXYZ銀行にあるB建設の口座に3000万円預金して、3000万円がXYZ銀行に戻ってきます。

                                           次に、戻ってきた3000万円をC社に貸し出しします。C社はD社に3000万円の物・サービスを購入し、D社に3000万円支払います。D社は支払いを受けた3000万円を、XYZ銀行のD社の口座に預金します。

                                           

                                           この結果、XYZ銀行は預金が9000万円に増えます。元手は3000万円でしたが、9000万円に増えるのです。こうした仕組みが信用創造機能です。資本主義の仕組みとは、借入金を増やしていって経済のパイを拡大していくというものなのです。

                                           

                                           バンクとノンバンクという言葉が使われることがありますが、バンクとは正にこの信用創造の仕組みを持つからこそバンクです。ノンバンクは、信用創造の仕組みを持ちません。

                                           

                                           例えば、消費者金融でいえば、銀行から借り入れる、社債で投資家からお金を集める、株式発行で投資家からお金を集めるなどして、集まったお金に利息を乗せてお金を貸し付けます。

                                           

                                           生命保険会社や損害保険会社の貸し付けも同様です。保険料という名目でお金を集める、銀行から借り入れる、社債で投資家からお金を集める、株式会社の場合は株式発行、相互会社の場合は基金の名目でお金を集めるなどして、集まったお金に利息を乗せて貸し付けます。

                                           

                                           よくある誤解なのですが、銀行は外部からお金を調達して、調達したお金に利ザヤを乗せて貸し出しているという誤解です。上図でいえば6000万円のお金を調達してから3000万円ずつ個人Aさん、法人C社に貸し出していると思いがちです。

                                           

                                           XYZが、消費者金融や保険会社であれば、何らかの名目で6000万円集めない限り、個人Aさん、法人C社に貸し出すことはできません。XYZは銀行ですので、信用創造機能によって無からお金を作り出すことができるのです。

                                           

                                           このように、バンクとノンバンクの違いとは、信用創造機能を持つか持たないか?ということです。

                                           

                                           バンクは信用創造機能を持つため、3000万円を貸付金と記帳するだけで無からお金を生み出して貸し出すことができます。一方で、もし準備預金という規制がない場合、XYZ銀行は記帳するだけで貸し出せるとなると、無限にお金を貸すことができます。

                                           

                                           そこで法定準備預金という規制をかけて、貸付金の一部を日銀当座預金に預け入れなければならないように義務付けています。上図では準備預金率1%とし、貸付金の1%を日銀当座預金に預け入れなければならないというシミュレーションになっています。

                                           

                                           上図は、日銀当座預金の預金準備率が1%であるため、XYZ銀行は、信用創造機能によって預金が9000万円に増えたので、日銀当座預金に90万円預けたということを示しています。

                                           

                                           銀行はお金を手に入れなくても、無からお金を作り出すことができます。銀行以外のノンバンクは無からお金を作り出すことはできません。

                                           

                                           多くの人は3000万円を銀行が貸すためには、預金準備率1%だとすれば、日銀当座預金に預けるための30万円と、貸し出すための原資3000万円で、合計3030万円資金調達してから、やっと3000万円貸し出すことができると思われる人が多いでしょう。

                                           

                                           とはいえ一般人だけでなく、経済学者やアナリスト、エコノミストであっても、このことを知らない人は多いのではないでしょうか?

                                           

                                           家計簿発想で国家の財政運営を考えることは大変愚かなのですが、資本主義というものが借入金を増やしていって、経済のパイを拡大させる、それは即ち銀行の信用創造機能そのものであるということを、経済学者、アナリスト、エコノミスト、国会議員らでさえ知らない人は多いと思われます。

                                           

                                           そうでなければ、借金=悪と考えて「政府の負債を増やすなんてとんでもない!」という発想は出てこないはずです。資本主義は負債を増やして経済のパイを拡大し、経済成長していくものであり、借金=悪と考えることは、資本主義の否定に他なりません。

                                           

                                           今の日本はデフレであるため、民間企業は負債を増やしにくい環境です。なぜならば、デフレで物・サービスの値段を下げないと売れない状態ですので、銀行から借り入れて負債を増やして投資しようにも、儲かりにくく、借入金の返済に窮してしまう可能性があるからです。

                                           

                                           このように民間企業はデフレで負債を拡大しにくくても、政府は負債を拡大することは可能です。なぜならば通貨発行権を持つからです。地方自治体は通貨発行権を持たないため、プライマリーバランス黒字化の発想があってもやむを得ません。それとて地方自治体の首長や都道府県の知事や地方選出の国会議員らが、地方交付税交付金の分配を多く配分するよう要求し、財源は国債発行で何ら問題がありません。

                                           

                                           何が言いたいかといえば、景気が悪いときは政府が負債を拡大し、デフレ脱却して民間が負債を拡大しやすい環境になって、実際に民間企業が負債を拡大し始めたら、政府は負債の拡大を抑制すればいいのです。デフレのときは、デフレ脱却のために政府が国債増刷するということで何ら問題ありません。

                                           

                                           

                                           

                                           というわけで、今日は銀行が持つ「信用創造」について論説しました。何が何でも「借金=悪」というのは、デフレ化における家計簿の発想、企業経営の発想です。デフレ化の場合は、借金の元本は相対的に価値が高くなりますし、家計は負債を相続しますので、ある意味で合理的です。とはいえ何が何でも「借金=悪」とすることは資本主義の否定であり、通貨発行権を持つ政府は自国通貨建ての負債を増やしても財政破綻することはありません。

                                           家計は相続します。企業は倒産します。国家は破綻しません。利益追求不要のNPO法人であり、通貨発行権を持つのが政府です。デフレ下では、政府しか負債を拡大することができません。

                                           また民間であろうと政府であろうと、負債を拡大すれば、経済成長していくということをご理解いただきたく、「借金をひたすら増やすことは無責任だ!バラマキだ!」という考えこそ、資本主義の否定であって間違っているということを、多くの人々に気付いていただきたいと思うのです。

                                           

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                                             今日は、時事通信の「携帯電話会社が儲けすぎ」という記事について取り上げます。

                                             

                                             時事通信の記事を2つ紹介します。

                                            『時事通信 2018/08/27 携帯電話「OECDの倍」 菅長官

                                             菅義偉官房長官は27日午前の記者会見で、携帯電話料金の4割引き下げを提唱する理由について、「わが国の料金は経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の2倍程度で、高い水準だ」と指摘した。

                                             菅氏は、新規参入する楽天が既存事業者の半額程度に料金を設定する方針を公表していることに触れ、「競争をしっかり行えば下げられる余地がある」と強調。「利用者にとって分かりやすく、納得できる料金サービスの実現にしっかり取り組んでいく」との考えを重ねて示した。』

                                             

                                            『時事通信 2018/08/24 携帯料金下げ、取り組む余地=端末価格も「高い」−野田総務相

                                             野田聖子総務相は24日、情報通信審議会(総務相の諮問機関)で携帯電話料金の引き下げなどに関する議論が始まったことについて、「料金の低廉化はわれわれが命令することではないが、まだ取り組む余地はある」と述べ、値下げの実現に期待感を示した。盛岡市内で記者団の取材に応じた。

                                             総務相は「通信費は家計の中でも大きな部分を占めている」と指摘。その上で「専門家が知恵を絞り、企業が気づかなかったことをどんどん出していただきたい」と語り、審議会での活発な議論を求めた。また、携帯電話の端末価格も高いとの認識を示し、「中古市場の拡大などを通じ低廉化したい」と述べた。

                                             

                                             

                                             上記の通り、携帯電話料金が高い、携帯電話の端末機器が高い、ということで、携帯電話会社(NTTドコモ、AU、ソフトバンク)と、携帯電話を製造している会社に対して、批判している記事です。

                                             

                                             菅官房長官も野田総務相にしろ、当選回数が多い著名な国会議員ですが、こうした記事を見ると、「だから日本は、いつまで経ってもデフレ脱却ができないんだ!」と思わざるを得ません。

                                             

                                             「国債増刷」「財政支出増」で普通に需要創出すれば、「需要>供給」のインフレギャップを生じさせます。このインフレギャップを生産性向上で埋めるべく、民間企業が設備投資をすれば、一人当たり生産性向上によって実質賃金UPの原資が生み出されます。労働分配率の問題で、インフレギャップを埋めた分のすべてが労働者の賃金UPになるわけではないものの、実質賃金UPの原資が生み出されれば、企業は賃金UPすることができるのです。

                                             実質賃金がUPすれば消費が増え、その結果「需要>供給」のインフレギャップが生じます。これをまた生産性向上でギャップを埋めれば、また実質賃金UPの原資が生み出されます。こうして循環的に経済成長することが可能です。

                                             

                                             にもかかわらず、菅官房長官にしても、野田総務相にしても、携帯電話料金が高い、携帯端末機が高いと批判しています。デフレ脱却を標榜して登場した安倍政権ですが、結局、マクロ経済を理解していないため、料金を下げさせるとか、携帯端末機の中古市場を整備するなどという発言になるのです。

                                             

                                             携帯電話料金を下げれば、携帯電話会社の売上、利益が減少します。その結果、携帯電話会社の社員は賃金の上昇率が抑制され、消費を減らす可能性があるのです。携帯端末機の中古市場を拡大して携帯端末機そのものの値段も下げさせるというのも、携帯電話の端末機を製造している富士通や京セラなどの会社の売上、利益が減少します。

                                             

                                             ●GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出(※)

                                             ※純輸出=輸出−輸入

                                             ●税収=名目GDP×税率×税収弾性値

                                             

                                             何が言いたいかと言えば、携帯電話料金の引き下げ推奨、携帯端末機の価格引き下げ推奨、いずれもインフレ対策です。名目需要を削減する政策であるため、どちらも税収を減収させます。デフレを促進させます。

                                             

                                             なんでこんな発言が出るのか?溜息しか出ません。

                                             

                                             携帯電話の端末機が高いというのも余計なお世話です。私は通信業界で働いているわけではありません。ですが、マクロ経済的に間違っているこうした発言を見聞きすると、政治家の人々が経済を理解していなさすぎといわざるを得ないのです。

                                             

                                             以前も説明したことがありますが、下図は付加価値の積み上げイメージです。

                                             

                                            <スマートフォンが小売価格3000円で販売される場合の付加価値の積み上げイメージ>

                                             

                                             

                                            <付加価値の金額の積み上げイメージ>

                                             

                                             

                                             小売価格3000円のスマートフォンを消費者が3000円払った場合、輸入分の付加価値200円は控除されて、2800円がGDPとなります。

                                             

                                             ●GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出(※)

                                             ※純輸出=輸出−輸入

                                             ●税収=名目GDP×税率×税収弾性値

                                             

                                             野田総務相は、携帯電話の端末機が高いので、中古市場を拡大して端末機の価格を下げさせると述べています。中古品の流通市場を拡大して競争を激化させるということですが、これは「供給増」の政策であり、インフレ対策です。

                                             

                                             例えば、輸入はGDPにカウントされないため、原材料の輸入を引き下げる努力を求めるとか、レアアースなどの原料に変わる新素材の開発に期待するということであれば、まだ理解できます。

                                             野田総務相の発言は、そういうことではなく、単に3000円のスマートフォンを値下げしなさいといっているだけでしょう。

                                             

                                             であるならば、仮に3000円のスマートフォンが2000円になったとして、A社〜G社の付加価値2800円→1800円とすれば、生産金額が1000円減少することになります。

                                             

                                             生産金額が1000円減少した場合、GDP3面等価の原則で、生産金額=消費金額(支出)=分配金額(所得)ですから、A社〜G社で1000円分の所得が減るのです。

                                             

                                             結局、携帯端末機が高いとか、携帯電話料金が高いなどと批判して、引下げ努力を求めるというのは、デフレ促進化させることに気付いていないのではないでしょうか?

                                             

                                             デフレ脱却を標榜して誕生した安倍政権ですが、菅官房長官にしろ、野田総務相にしろ、マクロ経済の基本であるGDP3面等価の原則を理解していないから、こうした発言が出てくるのでしょう。

                                             

                                             いかにも家計にやさしいと思わせる発言ですが、携帯電話引下げの政策は、デフレ脱却とは真逆のインフレ対策です。家計簿の発想が抜けきれないので、コスト削減という発想しか出ないわけです。普通にインフラ整備のために国債を増刷して、政府支出拡大をすれば、デフレ脱却できるのに、大変残念な発言としかいえません。

                                             

                                             

                                             

                                             というわけで、今日は「GDP3面等価の原則を理解していない政治家の携帯電話料金・端末機価格批判!」と題して、論説しました。


                                            国土強靭化・地方創生どころか、国土脆弱化・地方衰弱化が進む日本

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                                               今日は「国土強靭化・地方創生どころか、国土脆弱化・地方衰弱化が進む日本」と題して論説します。

                                               

                                               首都直下型地震や東京湾巨大洪水など、被害を大きくさせないためにも、東京一極集中の緩和の必要性が叫ばれています。しかしながら現状は一極集中の緩和どころか、むしろ悪化しているといえます。

                                               

                                              1.人口増減率の分析から見えてくること

                                              2.地方創生がうまくいかない理由とは?

                                              3.大地震に備えるためのインフラ耐震化への投資効果は大きい!

                                               

                                               今日は上記の順に論説し、日本の国土脆弱化・地方衰退化が進む現状認識と、政府の取り組みについて取り上げ、課題・問題点と解決策をお話ししたいと思います。

                                               

                                               

                                               

                                              1.人口増減率の分析から見えてくること

                                               

                                               下記は総務省のホームページに掲載されている2016年度の都道府県別の対前年人口増減率の一覧です。

                                               

                                              <表1:2016年度 推計人口>

                                              (出典:総務省ホームページの人口推計資料)

                                               

                                               

                                               

                                               表1のうち、全国平均と白抜き数字を拾ってみました。

                                               

                                              <表2:全国と3大都市圏など主な都府県の2016年度対前年人口増減率>

                                              都府県2016年総人口
                                              (千人)
                                              2016年度対前年
                                              人口増減率(%)
                                              全国126,933▲1.3
                                              埼玉7,289△3.2
                                              千葉6,236△2.1
                                              東京13,624△8.0
                                              神奈川9,145△2.0
                                              愛知7,507△3.2
                                              大阪8,833▲0.8
                                              福岡5,104△0.6
                                              沖縄1,439△4.0

                                               

                                               表2の通り、東京への人口増減率は8.0%増加で、圧倒的に人口流入しているということがわかります。

                                               

                                               

                                               

                                               一応、日本政府は地方創生行政をやり、国土強靭化政策をやっています。目的はいずれも東京一極集中の緩和解消と思われます。ところが、実態は一極集中解消どころか、緩和すらされていないというのが、総務省の人口推計から読み取れるのではないでしょうか。

                                               

                                               一極集中緩和というのであれば、少なくても東京への人口流入がゼロもしくはマイナスになっていなければならないでしょう。

                                               

                                               また表2で取り上げた都府県以外は、すべて人口は流出です。3大都市圏以外の流出量を、まずゼロにするという取り組みも必要であると考えます。

                                               

                                               東京は、13,624千人×8%≒11万人 で約11万人が人口流入しています。11万人の人口が流入する一方、表2で取り上げた都府県以外の道県は、すべてマイナスです。

                                               

                                               下表の表3は2010年〜2015年の数値ですが、この東京の人口流入増のトレンドは、ここ数年続いています。

                                               

                                              <表3:全国と3大都市圏など主な都府県の2010年〜2015年の人口増減率>

                                              都府県2010年総人口
                                              (千人)
                                              2010年〜2015年の
                                              人口増減率(%)
                                              全国128,057▲0.8
                                              埼玉7,195△1.0
                                              千葉6,216△0.1
                                              東京13,159△2.7
                                              神奈川9,048△0.9
                                              愛知7,411△1.0
                                              大阪8,865▲0.3
                                              福岡5,072△0.6
                                              沖縄1,393△2.9

                                               

                                               3大都市のうちの大阪圏、名古屋圏が、ほぼ人口がプラスマイナスゼロで、11万人超の人口が東京圏(東京・千葉・埼玉・神奈川)に流入しているということがわかります。これは、11万人が東京圏に流入する一方、地方から11万人が流出しているともいえます。

                                               そしてこれは、首都直下型地震の想定被害者数が増加することを意味し、その増加の対象者が毎年11万人ずつ増えているともいえます。

                                               

                                               国土強靭化どころか国土脆弱化が進み、地方創生どころか地方衰弱化が進んでいるという実態が、総務省の人口総計から読み取れます。データをみる限り、国土弱体化・地方衰弱化が進んでいるとしかいえません。

                                               

                                               政府は地方創生の政策を進めてきたといっていますが、どのような政策を進めていたのでしょうか?

                                               

                                               「ふるさと納税」などの政策は、クソの役にも立ちません。インフラ整備という政府支出を行わず、ふるさと納税と称して地方自治体に税収確保を競争させている点で、むしろ「ふるさと納税」は地方衰弱化を促進している可能性もあります。インフレならまだしも、デフレで競争激化させれば普通に経済は停滞するからです。

                                               

                                               また地方創生行政の中で、政府は東京への流入人口をゼロにするという目標を立て、本社を東京都以外に移転した場合の補助、税制優遇などの政策メニューを出していました。

                                               

                                               今から3〜4年前は東京への人口流入は10万人程度だったので、これをゼロにするという目標だったわけですが、ゼロになるどころか11万人に増えているわけですから、政府が用意した政策メニューは何の成果も出ていないと言われても仕方がありません。

                                               

                                               

                                               

                                              2.地方創生がうまくいかない理由とは?

                                               

                                               なぜ、政府が行う地方創生政策は、うまくいかないのでしょうか?

                                               

                                               こういう問いかけをすると、民間の活力を活かしていないからという人がいるかもしれません。「どんどん民営化させれば地方創生がうまくいく!」と。

                                               

                                               日本が好景気でインフレの状態であれば、無駄削減や民営化は、マクロ経済的に正しいですが、今はデフレ状態ですので民営化させれば普通に経済は悪化します。今いる公務員を非公務員にすることは、雇用が安定しているのに安定されなくなるとなれば、間違いなくその公務員だった人は消費を抑えるでしょう。民営化して利益追求となれば、消費や投資を厳選せざるを得ず、消費と投資を厳選するということは消費・投資の抑制に他なりません。GDP3面等価の原則で、消費=生産=分配 ですので消費が減れば分配(誰かの所得)が減るのは、誰でも理解できるかと思います。

                                               

                                               政府の地方創生行政が成果を出せずにいる理由は簡単でインフラ対策をやらないからです。本来は地方のインフラ整備をすべきところ、地方創生行政では議論すらされず、地方を競わせる「ふるさと納税」などをやっているわけです。

                                               

                                               ある会社がつぶれそうなときに、その会社は設備投資の議論をせず、工夫だけで会社を盛り上げると言っているのに等しい。ライバル社はITやAIなどの新しい設備を入れてガンガン新しい新設備を導入して、単位当たり労働コストの削減に取り組んでいるのに、その会社は工夫だけで乗り切ろうとしている。これではライバル社に勝てるはずがありません。

                                               

                                               インフラ整備をせずして、地方分散化など、絶対にできません。

                                               

                                               例えば、全国の新幹線整備でいえば、北陸新幹線ができて以来、金沢の周辺や富山では工場の立地が進み、オフィスができたりしています。インフラ整備をすれば、地方分散化が進むのは、明々白々です。

                                               

                                               ところが今の政府はインフラ整備をやらず、工夫だけで頑張ろうということであるため、地方分散化ができないのです。

                                               政府が地方分散化を謳っても、本気か?と疑われても仕方ないといえます。

                                               

                                               新幹線だけではありません。高速道路整備や都市開発など、政府が地方に投資をすることで民間の投資を誘発し、ようやく人口の流れが変わっていくのです。

                                               

                                               今の日本は何をやっているかといえば、地方にインフラを作るのはもったいない。人が多い東京に作ったほうが効果的だからとして、道路を立派にし、東京オリンピックを控えて地下鉄を作っています。

                                               

                                               国交省の関東運輸局が「運輸政策審議会答申第18号」ということで、東京圏における高速鉄道に関する基本計画というものを打ち立て、混雑緩和などを目的に、高速鉄道を中心に、地下鉄、モノレール、新交通システム、路面電車を含む鉄道の整備計画を立てています。

                                               

                                               この「運輸政策審議会答申第18号」は、2000年1月27日に打ち出された計画ですが、22路線の公共交通の鉄道を作ると計画して20路線着手する一方、関西では「運輸政策審議会答申第10号(1988年5月31日)」で13路線作ると計画したのに着工したのは1路線だけであり、関西という第二の都市圏ですら、東京圏とこれだけの格差がある状態。

                                               となれば、鳥取や島根や新潟などの山陰地方や東北、四国、九州などは、もっとやっていないということが明白です。

                                               

                                               当然、東京に人が集まるに決まっているのです。

                                               

                                               

                                               

                                              3.大地震に備えるためのインフラ耐震化への投資効果は大きい!

                                               

                                               少し古いですが、日本経済新聞の記事を紹介します。

                                              『日本経済新聞 2018/06/07 南海トラフ被害、20年間で最悪1410兆円 土木学会が推計 インフラ耐震化で3〜4割減

                                               土木学会は7日、南海トラフ巨大地震が発生した際に20年間の経済的な被害が最悪1410兆円に上るとの推計を発表した。建物の被害のほか、交通インフラが寸断されて工場が長期間止まる影響なども考慮した損害額1240兆円を盛り込んだ。首都直下地震は778兆円とした。インフラの耐震化などに南海トラフ地震は約40兆円、首都直下地震は約10兆円投じれば、被害額は3〜4割減るという。

                                               政府の地震調査委員会は南海トラフ地震の発生確率を今後30年で70〜80%、首都直下地震を70%程度と推定している。

                                               巨大地震の被害推計は内閣府も公表している。南海トラフ地震については地震や津波で受ける建物の被害を最大約170兆円、首都直下地震で同約47兆円と見積もった。だが、20年間という長期に及ぶ経済活動の被害額は盛り込んでいない。

                                               阪神大震災で神戸市が受けた経済活動の被害などを考慮し、20年という期間を定めた。交通インフラの寸断や生産活動の停止などに伴う経済的な被害額を新たに推計し、南海トラフ地震は1240兆円、首都直下地震は731兆円とした。地震や津波で壊れる建物や工場などの直接被害は内閣府の試算を活用した。

                                               道路や港湾、堤防といったインフラの耐震工事などの対策で、被害がどの程度減らせるかも試算した。南海トラフ地震では約40兆円の投資で509兆円、首都直下地震では約10兆円で247兆円減るという。

                                               土木学会はいずれの地震による被害を「国難」級だと指摘。特に首都直下地震については、道路や河川など公共インフラの対策投資だけでは不十分で、抜本的に東京一極集中を緩和し、地方への機能分散を進める必要があると強調した。首都圏の経済活動の3割を地方に分散できれば、首都直下地震による被害額は219兆円軽減できると試算している。

                                               地震のほかに、高潮や洪水による14カ月間累計の被害推計も公表した。東京湾で巨大高潮が起きれば最悪110兆円、東京荒川巨大洪水で62兆円と見積もった。』

                                               

                                               上記記事の通り、土木学会の試算で南海トラフ地震の被害は20年で1,410兆円、首都直下型地震でも778兆円と推定されています。

                                               

                                               その一方でインフラの耐震化工事などの対策を打てば、交通インフラが寸断されずに済み、工場が長期間止まるといった影響が緩和される旨を指摘しています。

                                               

                                               具体的には、南海トラフ地震のインフラ耐震化対策で40兆円投ずれば、被害額は3割〜4割(420兆円〜560兆円)程度減るということです。首都直下型地震に備えてインフラ耐震化対策で10兆円投ずれば、やはり被害額は3割〜4割(230兆円〜311兆円)程度減るのです。

                                               

                                               さらにいえば、東京一極集中を緩和して首都圏の経済活動の3割を地方に分散化すれば、首都直下型地震の被害額は219兆円軽減できるとも指摘しています。

                                               

                                               これ、人口減少のトレンドが続こうと続かなかろうと、地震などの自然災害は明日起きるかもしれないわけであり、インフラ耐震化対策は、間違いなく需要です。この需要は短期的に利益が出るものではありません。明日起きなければ、1年以内に地震が起きなければ、10年以内に起きなければ・・・というわけで、利益追求の株式会社組織では投資するのは困難です。

                                               

                                               こうした利益がすぐに出ない投資こそ、政府の出番でしょう。何しろ通貨発行権を持ちますので、財源はいくらでもあります。加えてマイナス金利でタダに近い金利で国債増刷ができますので、これはもうやるしかないと、マクロ経済を理解している人であれば、理解ができるでしょう。

                                               

                                               ところが、プライマリーバランス黒字化があると、お金を使ったらダメという家計簿の考え方となり、上述の発想は出てこないのです。

                                               

                                               ありもしない財政問題を気にして、とにかく今年の政府支出を削減する、これが政府の行政の一番重要な基準としてやってきました。その結果、日本は国土脆弱化、地方衰弱化が進んでしまっているのです。

                                               

                                               まさにプライマリーバランス黒字化が日本を壊し、今もなお壊し続けていると言っても過言ではありません。

                                               

                                               

                                               

                                               というわけで「国土強靭化・地方創生どころか、国土脆弱化・地方衰弱化が進む日本」と題して論説しました。私はマスコミなどが報じる悪質なウソの一つに「公共事業は無駄だ!インフラ整備は無駄だ!」というのがあるとよく主張します。インフラ整備こそが日本の将来繁栄につながり、「公共事業は無駄だ!」といった論説がウソ・デタラメであることを、皆様にご理解いただきたいと切に思うのです。

                                               

                                               

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                                                JUGEMテーマ:豊洲市場移転問題

                                                 

                                                 東京都の小池知事は、2018/7/31に、今月10月に築地市場から移転する豊洲市場について安全宣言をしました。今日はこの問題について取り上げたいと思います。

                                                 

                                                 

                                                 毎日新聞の記事を紹介します。

                                                『毎日新聞 2018/07/31 20:22 豊洲市場 小池知事が安全宣言 10月開場へ申請

                                                 築地市場(東京都中央区)の移転に伴い開場する豊洲市場(江東区)について、小池百合子都知事は31日、専門家が安全性を認めたことなどを踏まえ「安全、安心な市場として開場する条件を整えることができた」と表明した。市場業者が風評被害払拭(ふっしょく)のために求めていた「安全宣言」にあたる。都は10月11日の開場に向け、近く農相に市場開設の認可を申請する。

                                                 豊洲市場を巡っては2016年8月、小池知事が「安全性に疑問がある」と移転延期を表明。翌月、建物地下に土壌汚染対策の盛り土がないことが発覚し、17年1月には地下水から環境基準の最大79倍のベンゼンなどの有害物質が検出された。

                                                 このため、都は建物の地下空間にコンクリートを敷いて有害物質侵入を防ぐなどの対策工事を進め、7月30日には都の専門家会議が「安全性が確保された」との結論を示した。

                                                 現在も地下水から基準値の170倍のベンゼンが検出されている地点があるが、地上部の空気に含まれる有害物質は基準値を下回っている。【森健太郎】』

                                                 

                                                 

                                                 

                                                 上述の通り、都が建物の地下空間にコンクリートを敷いて有害物質侵入を防ぐなどの対策工事を進めて安全性が確保されたとしています。

                                                 

                                                 朝日新聞の記事で問題と思うのは、「建物の地下に土壌汚染対策の盛り土がない」「地下水から環境基準の最大79倍のベンゼンなどの有害物質が検出」と報じていることです。

                                                 

                                                 土木工学的には、盛り土はない方がいいのです。

                                                 

                                                 上図の通り、盛り土があると表面張力によって毛管現象を引き起こして、杭伝いに汚染水が地下から上昇してコンクリートに到着します。そのコンクリートの目地などから水が染み込んで、汚染水が地表に出てくる可能性があるのです。

                                                 左図のように盛り土がない方が、地下水を遮断できますので安全です。この空間をピットというのですが、今回は重機が入るくらいの広さのピットということなので、極めて安全性が高いといえます。

                                                 そもそも地下水を使うわけではないため、ベンゼンが検出されようが、ヒ素や六価クロムが検出されようが、関係ありません。むしろ盛り土にしていた方が危険と無関係ではなくなります。

                                                 

                                                 逆に築地市場は、周りがオープンになっているため、ねずみや害虫が入り放題であり、その上、築地市場からもベンゼンなどの有害物質が検出されています。

                                                 有害物質が検出された背景としては、築地市場が戦後、敷地内にあった米軍のドライクリーニング工場で有害な有機溶剤が使用されていた疑義があり、土壌汚染されている可能性があるのです。

                                                 

                                                 また耐震性の観点からも盛り土よりも地下空間でピットにした方が、耐震性が強化されます。

                                                 

                                                 「豊洲は危ない!」という当初の発言は、明らかに小池知事の誤りです。2年が経過して予定通り豊洲移転するとしても、2年という期間を空けて移転が遅れたことについては、断罪すべきであると考えます。

                                                 

                                                 なぜならば、小池知事の今回の安全宣言は、今までは安全ではなかったが、自分(=小池知事)のおかげで安全になったということになるわけですが、もともと豊洲市場のほうがはるかに安全だったのです。

                                                 

                                                 当時の小池知事は、築地市場はコンクリートで地表を覆っているから安全だと言っていましたが、豊洲市場もコンクリートで覆われています。

                                                 

                                                 築地市場は安全で、豊洲市場は危険であると言った過去の発言を、小池知事は忘れているのでしょうか?

                                                 

                                                 小池知事の安全宣言とは一体何なんでしょうか?

                                                 

                                                 当時地下水から高濃度のヒ素、ベンゼン、シアンが出て危ないと言っておきながら、その後で築地からも有害物質が検出されたのです。

                                                 

                                                 こうしたことについて、マスコミは口を噤んだまま。豊洲市場で有害物質が検出された時の報道に比べ、築地市場で有害物質が検出された時の報道は、より静かに報道されました。

                                                 

                                                 小池知事の嘘について、本来ならマスコミは厳しく指摘するべきなのですが、マスコミは存在価値がないマスごみであるがゆえに叩かないのでしょうか?

                                                 

                                                 それとも小池知事はグローバリズムを推奨する人物だから、肩入れして築地市場での有害物質の検出について静かに報じたのでしょうか?

                                                 

                                                 今回、東京都は2017年12月から、地下空間の床にコンクリートを打ち、換気設備とか揚水ポンプを設置する追加工事を行って、これが完成したので安全宣言をしたとのこと。

                                                 

                                                 一方でその豊洲新市場は2年遅れでようやく2018年10月に開場の見通しになったわけで、2年も遅れているのです。

                                                 

                                                 築地市場のマグロの仲卸業を営む男性によれば、

                                                『駐車場不足の懸念から顧客に正式な店舗の移転が出せないでいる。そのため2年間、都の準備が凍結して準備が全く進んでいない。今回の騒動は時間と税金の無駄だったのでは?この2年間はいったい何だったんだ?』

                                                という声が出ているのです。

                                                 

                                                 私たちが改めて理解すべきことは、公共事業が遅れるということは、巨大な損害を出しているということです。よくマスコミは「維持費で〇〇億円も余計にかかった」などと報じることがありますが、維持費などはどうでもよく、完成されていれば普通に便益が発生します。

                                                 

                                                 2年間便益が発生すべきところ、便益が発生していないという意味で、発生していたであろう便益×2年分の利益が、東京都民、日本国民は得ることができなかったということです。

                                                 

                                                 西日本豪雨で、本来治水事業・治山事業が早く着手されていれば、自然災害から守られて命を落とさずに済むという便益を得られたであろうにもかかわらず、ありもしない財政問題を理由に着工が遅れて、岡山県の小田川が決壊し、広島では砂防ダムがないところで土砂災害が発生して、多くの人の命が失われるということが、現実的に起きています。

                                                 

                                                 公共事業は本当は国民の生命・財産を守り、将来の生産性向上や科学技術振興によって国民を豊かにするなど、巨大な意味があるにもかかわらず、それが遅れるというのは、大変にダメなことです。

                                                 

                                                 本当は公共事業は全て速やかに着手されるべきです。豊洲市場の開場が2年遅れたことについて何とも思わないというのは、公共事業の巨大な意味を理解していないという感性と同じであり、本当は国民は2年遅れたことについて、もっと激怒するべきです。

                                                 

                                                 

                                                 

                                                 というわけで今日は「小池知事の豊洲市場の安全宣言とは、いったい何なのか?」と題し、論説しました。

                                                 

                                                 

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                                                悔しいですが、あまりにも正しすぎる中国の鉄道建設を中心とした内需拡大政策

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                                                   今日は、「悔しいですが、あまりにも正しすぎる中国の鉄道建設を中心とした内需拡大政策」と題し、中国が鉄道投資を1兆円上積みしたというニュースについてご紹介します。

                                                   

                                                   下記は日本経済新聞の記事です。

                                                  『日本経済新聞 2018/08/14 18:00 中国、鉄道投資1兆円上積み 貿易戦争受け内需創出  

                                                  【北京=多部田俊輔】中国政府は2018年の鉄道建設投資を1兆円超上積みする方針だ。計画している四川省とチベット自治区を結ぶ鉄道路線などの建設工事を増やす。地下鉄の新規建設の認可も再開した。鉄道建設は08年の景気対策の柱だった。米中貿易戦争で鉄鋼などの需要低迷の恐れがあるため、鉄道建設で国内需要を創出し、国内経済を下支えする。

                                                   中国国有の鉄道会社、中国鉄路総公司がこのほど中国の経済政策をかじ取りする国家発展改革委員会との共同会議で決めた。鉄道建設投資は18年は年初計画の7320億元(約12兆円)から1割増に相当する680億元超を上積みし、8000億元超にする。

                                                   中国の鉄道建設計画を巡っては、李克強(リー・クォーチャン)首相が7月下旬にチベット自治区の鉄道建設現場を視察し「内陸部のインフラの不足を速やかに補う必要がある」と発言。中国鉄路総公司は省ごとの子会社に追加投資の候補を挙げるよう通達を出していた。

                                                   上積みする投資は20年以降に着工する予定だった鉄道建設の前倒しに充てるのが柱で、李首相が指摘した四川省とチベット自治区を結ぶ鉄道など内陸部の鉄道整備などが対象となる見通し。米中貿易戦争の影響を受けている山東省や江蘇省などの鉄道整備を優先する案も浮上している。

                                                   地下鉄の新規建設計画の承認も再開する。地下鉄は地方政府が投資主体となる仕組みで、地方財政健全化を目的に、許認可権を握る国家発展改革委員会は17年に新規承認を凍結した。このほど吉林省長春市の地下鉄の新規計画に承認を出した。

                                                  中国の鉄道関係者によると、高速鉄道の投資1億元につき、橋梁や線路などに鋼材3300トン使うことが多い。今回の投資上積みで鋼材の需要は200万トン以上増える見通し。17年の中国から米国への輸出量118万トンを上回っており、貿易戦争で減少する輸出カバーを狙うとみられる。

                                                   一方、鉄道事業を運営する中国鉄路総公司の経営実態は厳しい。17年の総収入は1兆元を超え、税引き後利益も18億元で過去最高を更新したが、負債総額は約5兆元で、支払った利息は760億元にのぼる。18年は当初、投資減で財務改善をめざしていたが、政府の要請に応えて後回しになった格好だ。(後略)』

                                                   

                                                   

                                                   上述の日本経済新聞の記事の通り、中国政府は、2018年の鉄道建設投資を1兆円上積みするとのニュースです。

                                                   四川省とチベット自治区を結ぶ鉄道路線や地下鉄の新規建設の認可を再開するそうです。背景としては、米中貿易戦争で鉄鋼などの需要低迷の恐れがあるために、鉄道建設で国内需要を創出して国内経済を下支えするとのこと。

                                                   

                                                   私は、高校時代に中国武術の南拳を学び、大学で第二外国語を中国語を学び、社会人になって2002年に中国株を買い(江蘇高速道路有限公司:HK0177 で今も保有継続しています。)、2010年には上海万博にも行きました。そして2011年にはハノイから国境を越えて中国入りする観光に行き、2017年9月には湖北省の武漢を往訪、十堰市の武当山に登山しました。

                                                   

                                                   かつては中国が好きだったのですが、歴史を調べていくうちに、仮想敵国であることを知り、2010年9月7日の尖閣諸島中国漁船衝突事件が発生して以来、嫌中となりました。

                                                   

                                                   日本のマスコミは北京に支局を置くため、中国のネガティブな記事が書けません。実際は国際法違反であるエスニッククレンジング(民族洗国)を公然とやっており、とんでもない国家なのですが、そのことを記事にすることができないのです。

                                                   

                                                   日本は中国の属国になったことはありませんが、朝鮮半島は常に属国の歴史です。日本がデフレを放置して、自国の発展途上国化を進めていくと、やがて中国とGDPで10倍程度の差が付き、軍事費で20倍程度の差がつくことでしょう。

                                                   

                                                   そういう意味では日本は早くデフレ脱却をするべきなのですが、中国の鉄道建設投資1兆円上積みするというこの政策は、大変悔しいのですが、極めて正しい政策です。中国政府は正しすぎます。

                                                   

                                                   もともと経済成長するためには需要がなければいけません。

                                                   

                                                   では、需要とは何でしょうか?人口でしょうか?

                                                   

                                                   経済成長の言葉の定義は、GDP拡大なのです。

                                                   

                                                   GDP拡大のためには、GDPの算出式を理解する必要があります。

                                                   

                                                   GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出(※)

                                                   ※純輸出=輸出−輸入

                                                   税収=名目GDP×税率

                                                   

                                                   上記式の通り、個人消費といえば人口かもしれませんが、何も経済成長は個人消費でなくても政府支出で拡大することが可能なのです。

                                                   

                                                   本来は外需依存ではなく、内需中心に経済成長していくと、これは強靭な経済になります。何しろ、他国の影響を受けにくくするからです。

                                                   

                                                   内需中心の経済成長であれば、米国とトルコの貿易戦争のように「何かあれば関税を引き上げるぞ!」と外交カードを持たれて脅される心配がなくなります。自力の力で他力本願とならずに経済成長することができるという点で、本来は内需主導で経済成長するのが望ましいわけです。

                                                   

                                                   とはいえ、現実的には内需だけでなく外需も合わせて経済成長していくわけですが、外需がダメなら内需を増やさなければならないというのは、当たり前の話です。

                                                   

                                                   これから貿易戦争が起きるという状況下では、中国は内需シフトを強めていくことでしょう。しかも鉄道を作るというのが今回のニュースです。

                                                   

                                                   鉄道を作るということは、単に内需拡大するだけでなく、完成した鉄道インフラが生産性を高め、さらなる成長を促します。このことをストック効果といいます。

                                                   

                                                   もし、中国政府が単に中国人民にお金を配るだけなら、需要が増えるだけでストック効果が発生しません。中国はストック効果が生まれる鉄道インフラ投資をやるということなので、単に内需主導で需要拡大のフロー効果を享受するのみならず、ストック効果の拡大をもたらすという意味で、あまりにも正しすぎる政策です。

                                                   

                                                   ではなぜ、中国が正しい政策をやる一方で、日本にはそれができないのでしょうか?

                                                   

                                                   原因は、プライマリーバランス黒字化目標を是とする緊縮財政です。

                                                   

                                                   プライマリーバランス黒字化目標があって、政府は支出を増やせないのです。

                                                   

                                                   特にこの過去3年間は、社会保障費以外は年間300億円しか増やしておらず、中国政府が1兆円鉄道投資をやるという報道があっても、おそらく日本で鉄道投資を1兆円増やすという発想は出てこないでしょう。

                                                   

                                                   中国の新幹線投資はもともと年6〜7兆円程度投資しているのに比べ、日本の新幹線投資は年間750億円程度なのです。日本の新幹線投資額年間750億円は、今回の中国政府の鉄道投資上積み分1兆円の7.5%程度にしかなりません。

                                                   

                                                   日本は消費増税をして個人消費を削減し、代わりに外需を増やして埋め合わせをしているという状況。これはこれで経済成長していたとしても、強靭な経済成長とはいえません。むしろ外需依存という国力弱体化の最悪な方向に向かっているといえます。

                                                   

                                                   仮想敵国の中国ですが、経済政策は正しすぎます。日本の政治家は見習って欲しい、そう思うのであります。

                                                   

                                                  <中国湖北省の十堰駅から出発して終点の漢口駅に到着した特急列車>

                                                  (2017/09/17に杉っ子が漢口駅で撮影)

                                                   

                                                  <杉っ子が漢口から乗車した特急列車(右)と上海・広州から来た寝台特急列車(左)>

                                                  (2017/09/16に杉っ子が十堰駅で撮影)

                                                   

                                                   

                                                   

                                                   というわけで今日は「悔しいですが、あまりにも正しすぎる中国の鉄道建設を中心とした内需拡大政策」と題して論説しました。

                                                  外需よりも内需シフトすること、日本も同じことが求められているのに、全くそうした声が出ないことに、私は危機感を覚えるのです。

                                                   このままですとインフラ整備で後れを取り、中国に後塵を拝し、中国の属国化する可能性が極めて高いです。中国人に日本人が使われるなどということを、私たちの先祖は望んでいたでしょうか?

                                                   存在しない財政問題や公共事業は無駄という間違った論説に加え、日本は小国だったなどという自虐的な歴史観が原因で、現代人は正しい知見を持つことができないでいることが、解決を困難にしているとしかいいようがありません。

                                                   我が国が未来をもってさらに発展するのか、発展途上国化に気付かず凋落して中国の属国になるのか?私たちの現在の世代の人々が真剣に考え、知見を高めて正しい政策を議論していく必要があるものと、私は考えます。

                                                   

                                                   

                                                  〜中国の洗国に関する関連記事〜

                                                  「高度な能力や資質を有する外国人を受け入れる」の欺瞞と「中国による洗国(せんこく)」の恐怖

                                                  外国人労働者を送り込み、国際法違反行為の民族洗国(エスニッククレンジング)によって「日本の抹殺」を企てる中国!

                                                  発展途上国化する日本!その日本の軍事予算の20倍を使う中国共産党に対して、我が国は如何にして立ち向かえるか?

                                                   

                                                  〜新幹線に関する関連記事〜

                                                  北陸新幹線の開業効果について

                                                  強制的にインフレにする恐るべき新幹線の効果

                                                  日本の運命を決定する長崎新幹線車両(「フル規格」に賛成!「FGT」は反対!)

                                                  祝!JR九州、JR西日本の反対により、フリーゲージトレイン計画が崩壊!

                                                  地方創生にはインフラ整備が必要です!(JR四国・JR北海道の再国有化)

                                                  四国新幹線の署名活動について


                                                  日銀が保有する国債は、地球が崩壊して滅亡するまで放置でOK!

                                                  0

                                                    JUGEMテーマ:年金/財政

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                                                     今日は、「日銀が保有する国債は、地球が崩壊して滅亡するまで放置でOK!」と題し、産経新聞の記事を紹介したうえで、下記1〜5の順で論説したいと思います。

                                                     

                                                     

                                                    1.マイナス金利導入の意味とは?

                                                    2.マネタリーベースを増やせばマネーストックが増えるのは本当か?

                                                    3.「日銀当座預金の意味」と「バンクとノンバンクの違い」について

                                                    4.法定準備預金制度について

                                                    5.産経新聞記事に対する私見

                                                     

                                                     

                                                     

                                                     まずは産経新聞の記事を紹介します。

                                                     

                                                    『産経新聞 2018/08/18 21:58 「出口」戦略の障害の懸念も 利上げで債務超過… 日銀資産、戦後初のGDP超え

                                                     日銀の総資産が膨張したことで、将来的に大規模金融緩和を手じまいする「出口」戦略を開始した際に財務体質が悪化する懸念が強まっている。日銀が国債購入で放出したお金は金融機関が日銀に預ける当座預金に入る仕組みで、金利水準を引き上げればその利払い費が増加するからだ。最悪の場合、日銀の自己資本8兆円が消失して債務超過に陥る恐れもあり、出口を検討する際の障害になる。
                                                     三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは「もし総資産の規模を保ったまま利上げに踏み切れば、債務超過もあり得る」と指摘する。
                                                     問題は日銀の収入となる保有国債の利息と、支出となる当座預金の利払い費の差額だ。平成29年度末の国債保有額は448兆円で、利息は1兆2211億円に上る。対する当座預金は378兆円で、利払い費は1836億円。差額の1兆円余りが日銀の収益となる。
                                                     当座預金の金利はマイナス金利政策下で0.1〜マイナス0.1%に抑えられている。ただ、出口戦略で金利を引き上げれば保有国債の金利(29年度は0.28%)を超え、利息の受け取り分を支払い分が上回る“逆ざや”になりかねない。仮に1%利上げすれば単純計算で3兆7千億円規模の利払い費が追加発生するため、数年で日銀の自己資本を食い潰してしまう。
                                                     日銀も出口での損失に備え27年から国債の利息収入の一部を年数千億円規模で引き当てており、国債の購入規模も減額している。また、実際の出口戦略では、まず資産規模を減らしてから利上げに移るといった手法も考えられるため、「逆ざやに陥らないよう工夫して対策を取るだろう」(市川氏)との見方が強い。
                                                     ただ、資産規模ばかり膨らみ、対策のハードルを上げているのは事実だ。日銀は先月の金融政策決定会合で欧米の中央銀行にならいフォワードガイダンスと呼ばれる指針を導入し、超低金利を当面続ける姿勢を明確にした。市場では2%の物価上昇目標達成は難しいとの見方が強まっており、終わりの見えない金融緩和をいつまで続けるのか改めて問われている。(田辺裕晶)』

                                                     

                                                     

                                                     上記の記事は、日銀の金融緩和が継続していることについての懸念をしている旨のニュースです。どのような懸念があるかといえば、2013年以降、アベノミクスの金融緩和で、コアCPI(生鮮食品の価格変動を除く消費者物価指数)で2%上昇の目標を立てていましたが、未だ日本はデフレのため、2%の物価目標達成は難しいと言われています。

                                                     

                                                     デフレ脱却には財政出動が必要ですが、謂れのない借金問題が原因で、国債増刷すらせず、財政出動は無駄遣いとして財政出動をしていません。政府の積極的な財政出動によって需要創出をしない限り、2%の物価目標達成は未来永劫できないでしょう。

                                                     

                                                     物価目標率に関していえば、私はもともと日銀の物価目標はコアCPIではなくコアコアCPI(エネルギー価格と生鮮食品の価格変動を除く消費者物価指数)で、2%目標を設定すべきと思っております。なぜならば原油価格が上昇するだけでコアCPIは上昇するからです。

                                                     日本は原油輸入国ですから、原油価格が上昇しても日本人の所得増にはつながらず、カタールなど中東諸国の所得が増えるだけであり、日銀の物価目標がデフレ脱却だとするならば、輸入価格の物価上昇が主な原因でコアCPIが2%達成できたとしても、GDPは輸入は控除するため、GDP拡大どころか、むしろ伸びを抑制してしまうのです。

                                                     

                                                     

                                                     

                                                    1.マイナス金利導入の意味とは?

                                                     

                                                     日銀の物価目標がコアCPIかコアコアCPIかどちらがふさわしいかという話題はさておき、日銀は2016年1月29日からマイナス金利を導入しました。

                                                     

                                                     理由は金融緩和で、日銀が市中(三菱東京銀行、三井住友銀行、みずほ銀行などメガバンクほか、地銀や信金・信組といった金融機関)から国債を買い取って、銀行の日銀当座預金を増やしていますが、資金需要がなく貸し出しが伸び悩んでいるからです。

                                                     

                                                    <日銀当座預金とマイナス金利のイメージ>

                                                     

                                                     

                                                     上図はマイナス金利のイメージ図です。上図を見れば一目で明らかですが、日銀当座預金全額にマイナス金利をかけるわけではありません。基礎的残高とマクロ加算残高を除く日銀当座預金部分のことを政策金利残高と呼んでいますが、この部分にマイナス金利をかけるのです。

                                                     

                                                     ではマイナス金利導入の意図は何でしょうか?

                                                     

                                                     それは「新規に日銀当座預金に積まないで貸し出しを増やしなさい!」という意図です。

                                                     

                                                     とはいえ、物・サービスの価格を下げないと売れないというデフレ環境下では、資金需要が伸び悩むのは当たり前です。デフレでお金を借りてビジネスをしても儲からないため、銀行への借金の返済が滞る可能性を恐れて、お金を借りてまでしてビジネスをしようとはしないのです。

                                                     

                                                     

                                                     

                                                    2.マネタリーベースを増やせばマネーストックが増えるのは本当か?

                                                     

                                                     「市中に出回っているお金」のことをマネーストックといい、「市中に出回っているお金+日銀当座預金」のことをマネタリーベースといったりもしますが、リフレ派と呼ばれる人々が、「マネタリーベースを増やせば、マネーストックが増える」と考え、財政支出をせず金融緩和だけで景気が良くなると主張してきました。

                                                     

                                                     これは1976年にノーベル経済学賞を受賞したミルトン・フリードマン氏が唱えたマネタリーベースを操作することでマネーストックを増減できるという考え方に基づくものです。私は、この意見には全く賛同できず反対の立場です。

                                                     

                                                     なぜならば需要がない限り、日銀当座預金の残高をどれだけ増やしても、貸し出しが増えることはありません。理由は企業が借入して投資しても、物・サービスの値段を下げないと売れないデフレ化では儲かりにくいため、借入金の返済が滞る可能性が高いからです。つまりマネーストックを増やすことを目的に、マネタリーベースを増やすべく日銀当座預金をどれだけ増やしても、残念ながらマネーストックが増えることはないのです。

                                                     

                                                     事実、現在の日本は日銀が国債を買い取って日銀当座預金を増やす形で、マネタリーベースが増やしていますが、物価上昇率2%目標は達成できていません。

                                                     

                                                     

                                                     

                                                    3.「日銀当座預金の意味」と「バンクとノンバンクの違い」について

                                                     

                                                     もともと日銀当座預金は「お金」であることには間違いありません。ただし一般の支払い(資材などの代金の支払い、従業員などの給料の支払いなど)に使うことができません。物・サービスを買うお金ではないのです。

                                                     

                                                     もちろん銀行は日銀当座預金を取り崩して現金に換えることは可能です。とはいえ、譲渡性という点で日銀当座預金は、現金紙幣、銀行預金、小切手、約束手形などに比べて劣っています。

                                                     

                                                     また日銀当座預金は、私たち家計分野や企業が口座を持つことができず、法定準備預金ということで銀行が保有します。銀行は記帳するだけでお金を貸すことができます。信じられないかもしれませんが銀行は、資金を調達して利ザヤを載せて貸すのではなく、記帳するだけでお金を貸し出すことができます。

                                                     

                                                     例えば皆さんが住宅ローンを3000万借り入れるとして、3000万円の現金をみたことがあるでしょうか?おそらくないでしょう。銀行は預金が集まるのを3000万円待つことなく、貸付金3000万円、お金を借りる人に借入金3000万円とするだけで、お金を貸すことができます。この3000万円借りた個人は、住宅建設会社に建設代金を3000万円支払います。現金で払った場合は、建設会社は受け取った3000万円を銀行に預けるでしょう。もしくは振込払いの場合は、建設会社の預金残高が3000万円増えるでしょう。

                                                     

                                                     こうして裏付けなく3000万円貸し出したお金は、銀行に預金という形で戻ってきます。このとき、経済のパイが3000万円増えることとなりますが、このことを信用創造といいます。バンクと呼ばれる銀行は信用創造の機能を持ちます。経済のパイを拡大する機能を持ちます。ところが、ノンバンクの場合は信用創造の機能がないため、有償無償問わず他から何らかの名目(借入金、社債、新株発行、保険料などの何らかの名目)で調達した上で、利息を付して貸し出します。

                                                     

                                                     消費者金融、商工ローン会社であれば、銀行から有償で借りて、さらに金利を乗せて貸したり、株式を発行・社債を発行・銀行から借り入れなどで調達したお金に金利を乗せて貸す。生命保険会社であれば保険料を集めて、そのお金に金利を乗せて住宅ローンとして貸し出す。などなど。

                                                     

                                                     上述の通り、銀行というバンクはお金を貸し付ける際に資金調達などしなくても、自身のバランスシートに「貸付金」、借主の通帳に「借入金」と記帳するだけでお金を貸すことができて、経済のパイを拡大する信用創造機能を持ちますが、ノンバンクは資金を調達して貸し出すビジネスモデルであるため、信用創造の機能はありません。これがバンクとノンバンクの決定的な違いです。

                                                     

                                                     

                                                     

                                                    4.法定準備預金制度について

                                                     

                                                     銀行などのバンクは、記帳するだけでお金を貸せるため、規制がないと制限なく貸し出しができてしまいます。そこで法定準備預金という制度で、日銀当座預金に日銀が定めた利率の分の現金を預けなければならないと規制しています。

                                                     例えば、法定準備預金の利率が1%だった場合、3000万の住宅ローンを個人に貸し付けたとすれば、その銀行は1%に相当する30万円を日銀当座預金に預ける必要があるのです。

                                                     

                                                     この日銀当座預金には通常は利息が付きません。もともと利息が付かない日銀当座預金でしたが、リーマンショックで世界的に金融危機が訪れた2008年10月から、日銀は日銀当座預金の残高に0.1%の金利をつけることにしたのです。それが先ほどの図の基礎的残高に対する△0.1%です。

                                                     

                                                     とはいえ、日銀は政府が55%の株式を持つ株式会社組織です。日銀と政府は親子関係にあるため、日銀が買い取った国債の金利は国庫納付金として、一般会計に入ります。

                                                     

                                                     本来であれば、利息が付かない日銀当座預金に対して、各銀行の残高の0.1%相当の利息を日銀が銀行に払うということは、一般会計に入るお金の一部が民間の銀行に渡されていることを意味します。

                                                     

                                                     

                                                     

                                                    5.産経新聞記事に対する私見

                                                     

                                                     こうしたことを踏まえますと、産経新聞の記事は、明確に間違っていると断言できます。

                                                     

                                                     産経新聞の記事によれば、日銀の2017年度の決算資料から、日銀当座預金残高が378兆円あり、日銀が銀行に払う利息は1836億円にも上るとのことです。この利息は、上述の「4.法定準備預金制度について」の後段で述べている通り、本来一般会計に入るべきお金を、銀行の経営の補助のごとく銀行に渡しているものです。

                                                     

                                                     もともと日銀当座預金は利息は付きません。ブタ積預金といって金利が付かない口座が日銀当座預金です。

                                                     

                                                     そのため、本来銀行は資金を効率よく運用するため、できるだけ不要な資金を日銀当座預金に預けないで最小限の残高に留めるということをします。

                                                     

                                                     例えば、今日の定期預金は普通預金と金利が同じ水準なので意識しないかもしれません。皆さんの家計では、金利の低い普通預金の残高はなるべく少なくして、残りは少しでも金利が高い定期預金に預けるということをするはずです。

                                                     

                                                     そうした発想と同様に銀行は、日銀当座預金は法定で定められた利率以上に預けないようにするというのが、本来の姿です。

                                                     

                                                     ではなぜ今、銀行は日銀当座預金の準備利率を超えてお金を預けるのでしょうか?

                                                     

                                                     お金を借りてくれる人がいないからです。銀行といえば聞こえはいいですが、消費者金融と比べれば、信用創造の機能があるだけであり、預ける人しかおらず、借りてくれる人がいなければ銀行の経営は破綻します。何しろ銀行の貸借対照表上では、預金は負債だからです。

                                                     

                                                     とすれば産経新聞の記事の「(準備預金の利率を)仮に1%に利上げすれば・・・」というくだりは、何のために1%利上げするの?ということになりませんでしょうか?まさかマイナス金利環境で貸し出しが伸び悩む環境の中、経営が悪化する銀行の補助金を増やすために1%利上げするのでしょうか?これは、もう意味不明としかいいようがありません。真の意味で正常化というのであれば、日銀当座預金の利息0.1%付与を、0.0%に戻すことこそ、正常化です。

                                                     

                                                     だいたい「出口戦略」を語る人の論説の中に、肥大した日銀のバランスシートとして、日銀の金融緩和政策は将来の日銀の経営破綻リスクが高まるなどと、ウソをまき散らす人が多い。「出口戦略」というそれっぽいことを語る人は、なぜか日銀のバランスシートの拡大(=日銀の負債と資産の両方が増えること)を問題視します。

                                                     

                                                     日銀といえども、負債だけ増えるというファンタジーなことはありません。反対側で必ず資産も増えます。簿記が少しわかる人なら理解できるはず。負債が増えて資産が増えるわけですから、日銀の総資産が増えることはあってバランスシートは拡大しても、純資産が減るわけではないのです。仮に日銀のバランスシートが拡大・肥大化して何か問題あるのでしょうか?真に問題にすべきことは、国債を増刷せず市中の国債を買い取り続けた場合、市中の国債が尽きてしまうことではありませんか?

                                                     

                                                     日銀が保有する国債が増えること自体は極端な話どうでもよく、地球が崩壊して滅亡するまで放置でOK!なのです。

                                                     

                                                     日銀の当座預金の金利が上昇して日銀の純資産を食いつぶすという論説は、全くをもってデタラメです。記者クラブで財務省職員からそうした説明があったのか?記事を書いた真相は不明ですが、産経新聞の記事には残念に思います。

                                                     

                                                     

                                                     

                                                     というわけで、今日は「日銀が保有する国債は、地球が崩壊して滅亡するまで放置でOK!」と題して論説しました。日銀の金融緩和は、財政出動とセットになってこそ、景気浮揚策として十二分に寄与しますが、財政出動をしなければ貸し出しは増えず、景気浮揚効果はありません。

                                                     とはいえ、市中の国債(民間の銀行や信金・信組が保有する国債)を、日銀が買い取ることで、実質的な政府の負債が減少し、新規の国債発行を容易に消化できる環境を作り出していることに意義があります。つまり国債増刷の環境を整えているということです。であるからこそ、「新規に国債増刷」「積極的な財政出動」という政策が打てます。

                                                     にもかかわらず、謂れのない借金問題や、公共事業が無駄であるとか、税金の無駄遣いなどとして、「積極的な財政出動」をしないから、いつまでたっても景気が良くならないのです。

                                                     一刻も早く多くの国民が「積極的な財政出動」こそ、早急に行うべき政策であることに気付いていただくため、私はこの言論活動を続けていきたいと思うのであります。

                                                     

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                                                      JUGEMテーマ:省庁の情報

                                                      JUGEMテーマ:行政

                                                       

                                                       皆さんはよく、”日本は人口が減少するから、「小さな政府」を目指すべきだ!”という論説を目にすることがあるでしょうか?

                                                       「小さな政府」は、1976年にノーベル経済学賞を受賞したミルトン・フリードマンが主張していたのですが、彼こそ新古典派経済学の元祖であり、規制緩和で民営化を推進することを唱えていた学者です。彼は「小さな政府」論を支持すると同時に、マネタリストともいわれ、マネタリーベースを増やせば、マネーストックをコントロールして増やせるという主張もしていまして、私は正直、あまり評価していません。

                                                       

                                                       そこで今日は「小さな政府論は正しいのか?」と題し、日本経済新聞の記事をご紹介したいと思います。

                                                       

                                                      『日本経済新聞 2018/08/02 厚労省の分割検討 政府・自民、20年にも 生産性向上へ政策強化  

                                                       自民党は今月にも厚生労働省(総合2面きょうのことば)の分割を念頭に置いた提言を安倍晋三首相に渡す。これを受け、政府は分割への検討を本格化する。2001年に誕生した厚労省は働き方改革など新たな政策需要に対応しきれていないと判断した。政策立案を強化し、生産性を高める。20年を目標に旧厚生省と旧労働省の業務の2分割による新体制を発足させる計画だ。

                                                       党行政改革推進本部(甘利明本部長)は01年の1府12省庁の中央省庁再編を検証し、月内にも首相に提言する。20年近くが経過して浮かび上がった問題点を洗い出し、課題を列挙する。

                                                       厚労省は07年に旧社会保険庁の年金記録を巡り、年金記録の持ち主が分からなくなった「消えた年金」問題が発覚。その後も年金の個人情報流出や支給漏れなどの不祥事が相次いだ。行革本部幹部は提言について「厚労省の現体制は限界に来ている」とのメッセージを送るのが主眼と説明する。

                                                       労働行政はかつては労働組合を意識した賃上げなど労働環境の改善に傾斜していた。今は働き方改革に象徴されるように日本全体に目配りした政策が求められる。厚労省分割構想の底流には生産性向上への期待がある。

                                                       国会の要因もある。厚労省が国会に法案を提出しても審議する委員会は衆参厚生労働委員会だけ。答弁にあたる閣僚も1人しかいない。厚労省を分割すれば、閣僚も2人になり、委員会も2つになるので、法案審議を加速できる。

                                                       自民党内には総務省、経済産業省など複数の省にまたがる現在の情報通信行政の統合や総合的な通商戦略を担う「日本版通商代表部」を創設する案もある。政府内は厚労省に加え、内閣府や総務省、国土交通省などを創設した01年のような大がかりな再々編には否定的な意見が多い。

                                                       抜本的な省庁再々編に慎重なのは憲法改正や経済再生など看板政策と並行させるのは時間的に厳しいとの認識がある。

                                                       首相が9月の党総裁選で3選したとしても任期は21年9月までだからだ。厚労省分割などに限定した小幅な再編にとどまる公算が大きい。

                                                       政府は01年に厚生省と労働省を統合した際、その理由を「社会保障政策と労働政策を一体的に推進する」と主張した。

                                                       日本のように年金や医療、労働を一つの省で扱う国は世界では珍しい。米国は社会保障、年金、労働政策を複数の省庁で分担。英国やフランス、ドイツも複数に分けている。

                                                       政策研究大学院大学の竹中治堅教授は「厚労省は閣僚の守備範囲があまりに広く、分割すれば意思決定が早くなる利点がある」と評価する。半面「社会福祉問題と労働問題は密接に関連しており、単に省庁を切り離せば解決するというわけではない。国会改革も同時に進める必要がある」と話す。』

                                                       

                                                       

                                                       

                                                       上記記事の通り、厚労省の分割を検討するというニュースです。厚生労働省といえば、今から11年前の2007年に、旧社会保険庁の年金記録を巡り、消えた年金などといわれ、年金記録の所有者がわからなくなったという問題が発生しました。

                                                       

                                                       その後も、年金の個人情報流出、支給漏れなど、不祥事が相次ぎました。

                                                       

                                                       この厚生労働省の分割は、2020年を目標に旧厚生省と旧労働省を2分割するというものですが、記事の詳細を読めば、誰でも納得ができるものと思われます。

                                                       

                                                       とすれば、2001年1月6日に再編統合した省庁再編は、いったい何だったのか?ということになります。

                                                       

                                                       例えば国交省でいえば、運輸省、建設省、北海道開発庁、国土庁の4つを全部1つにしました。全部一つに再編したときの議論は、「効率化する」ことが狙いでした。

                                                       

                                                       国交省の場合は、大臣が4人いたのが1人になった結果、4つあった委員会は1つになりました。当時は「効率化」が大義名分で1つにしたものの、今回の見直し議論では、大臣が1人しかいないから「非効率」であるとし、委員会が1つだと審議が遅いから2つの委員会に分けるとしています。

                                                       

                                                       これは当時の省庁再編の議論と、全く完全に正反対の逆の話です。

                                                       

                                                       当時省庁再編の目的としては、縦割り行政による弊害をなくし、内閣機能の強化、事務および事業の減量、効率化などが謳われていました。1つに集中した結果が「非効率」であるとするならば、当時の再編前のままでよかったのでは?という話になります。

                                                       

                                                       しかも、今回の議論はなぜか厚労省の分割だけが対象です。とするならば、建設省と運輸省、文部省と科学技術庁は、”ゆっくりのまま非効率でいい”と主張しているのと同じです。

                                                       

                                                       ついでにいえば、委員会が1つだと審議のスピードが遅くなるため2つに分けるというのは、速度という点では遅いとしても、権限に関しても議論すべきと思います。

                                                       

                                                       例えば財務省は、収入と支出が一体化して権限が集中しており、世論操作や政治家やマスコミへの影響力が集中しているので解体するか分割するべきという議論もあります。

                                                       

                                                       そうした議論も含め、省庁再編とは何だったのか?小さな政府を目指すというのは、本当に正しかったのか?改めて議論する必要があるのではないでしょうか。

                                                       

                                                       特に財務省については組織の在り方を見直す議論があってしかるべきで、公文書偽装作成を平気で行い、緊縮財政を主導して日本を亡国に追いやる組織といえます。財務省の人事制度が、GDPを拡大することが目標ではなく、増税をすることと出ていくものを抑制する緊縮財政をした人が評価されるという人事制度であるために、政府支出が思うようにできず、他国と国力でどんどん差を付けられ、日本が発展途上国化しているということを認識すべきです。

                                                       

                                                       そのため財務省の組織の在り方を含め、省庁再編についてもう一回見直すという声があってもいいと思います。ところが日本経済新聞の記事では、それをせず、なぜか小幅な改革に留まると報道されています。

                                                       

                                                       できることならば、財務省の人事制度の見直しや組織の在り方にまで踏み込み、全体的な見直しをしてもいいはずであると私は思うのです。

                                                       

                                                       

                                                       

                                                       というわけで今日は「小さな政府論は正しいのか?(厚労省の分割問題について)」と題し、論説しました。

                                                       現在、厚労省が国会法案提出している審議する委員会について、衆参厚生労働委員会だけ答弁に参加する閣僚が1人しかいないので、分割して2人にするとするならば、閣僚が2人、委員会が2つとなって法案審議を加速できるとしています。

                                                       もし、それが本当ならば、2001年1月6日に行った省庁再編によって、様々な法案の審議を減速せしめたといっているのと同じであり、失敗だったのでは?ということにならないでしょうか?

                                                       失敗か否か?という評価は横に置いたとしても、プライマリーバランス黒字化を是とする財務省については、この際、人事評価制度、組織の在り方を見直すべきではないかと思っておりまして、今回の報道の行方を見守りたいと思います。

                                                       

                                                       

                                                       

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                                                         トルコリラが急落しましたが、今日はトルコの米国に対する報復関税について取り上げます。

                                                         

                                                         下記はロイター通信の記事です。

                                                        『ロイター通信 2018/08/16 04:48 米政府、トルコの報復関税を批判 米国人牧師解放でも関税緩和せず

                                                         [ワシントン 15日 ロイター] - 米ホワイトハウスは15日、トルコ政府が米輸入品に報復関税を課す方針を打ち出したことについて「誤った方向に向けた措置」として批判した。トルコによる米国人牧師拘束やその他の外交問題を背景に、両国の関係は悪化。

                                                         トルコ政府はこの日、乗用車やアルコール、たばこなど一部の米国製品に対する関税を2倍に引き上げた。トランプ大統領が前週、トルコから輸入するアルミニウムと鉄鋼の関税を引き上げることを承認したと発表したことを受けた動き。

                                                         サンダース報道官は記者団に対し「トルコが関税措置を導入したことは実に遺憾であり、間違った方向に向けたステップだ。米国がトルコに課した関税は国家安全保障上の利益を踏まえた決定だったが、トルコの措置は報復に過ぎない」と語った。

                                                         その上で、米政府はトルコの経済情勢とリラ相場の動向を注視しているとした。また、トルコが直面する問題は長期トレンドの一環であり、米国の講じた措置によるものではないと強調した。

                                                         サンダース報道官はまた、トルコが身柄を拘束している米国人牧師のアンドリュー・ブランソン氏を解放したとしても、米国の関税措置の緩和にはつながらないと言明。ただ制裁措置の緩和にはつながる可能性があるとの認識を示した。

                                                         同報道官は「ブランソン氏が解放されても関税措置は解除されない。関税措置は国家安全保障に絡んでいる。ただ制裁措置はブランソン氏を含む、米国が不当に身柄を拘束されていると認識する人々の解放に関連して導入されており、(解放された時点で)解除を検討する」と述べた。』

                                                         

                                                         

                                                         上記の通り、トルコ政府が乗用車やアルコール類などの米国産品に追加関税を課すと発表しました。

                                                         

                                                         トランプ大統領がトルコから輸入するアルミニウム・鉄鋼の関税を倍に引き上げ、トルコの通貨のリラ急落の一因となりましたが、トルコ政府の米国産品追加関税を課す動きは、このトランプ政権の対応に対する報復措置です。

                                                         

                                                         また、米国ホワイトハウスの当局者は、トルコ国内で軟禁状態にある米国人牧師について、一週間以内に何らかの対応を取らない場合は、米国はさらなる行動に出るとして、牧師を解放するまで圧力をかけ続けることを示しています。

                                                         

                                                         もともと今回の米国の対応は、トルコ産のアルミニウム・鉄鋼の関税引き上げは、トルコで軟禁状態にある米国人牧師のアンドリュー・ブランソン氏が拘束されているというのがきっかけの一つとされています。

                                                         

                                                         トルコの通貨リラの急落で世界経済に混乱を引き起こした両国関係が一段と悪化して、対立が泥沼化していく可能性もあるでしょう。

                                                         

                                                         米国はトルコ産のアルミニウム・鉄鋼の関税引き上げに対し、トルコ政府は、乗用車120%、アルコール類140%、タバコ60%などなど、様々なものを追加関税の対象にしています。

                                                         

                                                         こうした両国の動きは、必然的ともいえます。

                                                         

                                                         大きな背景として、グローバリズムが世界中を席巻していたからです。

                                                         

                                                         もし、グローバリズムの進み具合が弱ければ、報復するとかしないとか、貿易戦争などと言われていますが、何されても関係がありません。したがって、報復関税が大きく影響をもたらすということは、米国とトルコの関係が深く結びすぎているからに他なりません。

                                                         

                                                         もともと国家のガバナンス、即ち政治的なコントロール内にグローバリズムを進めていく分には、安定的にグローバリズムの環境が保たれることもあり得ます。

                                                         

                                                         ところが、政治的なコントロール以上に自由貿易を進めてしまった場合、こうした格好で急に引き締めるということが起きて、リスクが大きくなるのです。

                                                         

                                                         グローバリズムで関税を引き下げ、他国と関係を深くしていくと、政権が代わって方針が変わるなど、このようなリスクは普通に存在します。その意味で、今回の両国の対応は、政府の政治的なコントロール以上に自由貿易を進めてしまったことによる当然の結果といえるでしょう。

                                                         

                                                         

                                                         

                                                         というわけで、今日は「米国とトルコの貿易戦争」と題し、ロイター通信の記事を紹介しました。今回の米国とトルコ間のお互いに関税強化する動きは、ある意味で第一次世界大戦や第二次世界大戦が引き起こされた状況と似ています。

                                                         グローバリズムは自国で考えた場合、輸出は射撃であり、相手国に失業増という傷を残す一方、輸入は味方の損害です。グローバリズムは、結果は自己責任としていますが、自己責任となった業種の供給力が崩壊すれば、その業種について他国依存となります。これが何かをきっかけに関税引き上げという形で、外交カードになってしまうのです。外交カードを持たれると、その分言いたいこと、やりたいことができなくなります。即ち国力の弱体化、安全保障の弱体化です。

                                                         この米国とトルコのやり取りを見ていますと、グローバリズムが戦争や紛争を導くきっかけになっていることの一例であり、グローバリズムを過度に推進することは危険であるということが、よく理解できるのでは?と考えます。


                                                        トランプ大統領が米国証券取引委員会(SEC)に対して、企業の四半期決算を半期へ変更提案!

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                                                           今日は、トランプ大統領が企業の決算について、現状四半期決算を義務付けているものを、半期へ変更提案したというニュースを取り上げ、日本における株式市場に与える影響や上場企業の決算業務について、私見を述べさせていただきます。

                                                           

                                                           下記はロイター通信の記事です。

                                                           

                                                          『ロイター通信 2018/08/18(土)00:02配信 米大統領、四半期決算の半期への変更提案 SECに調査要請

                                                           [ワシントン/ニューヨーク 17日 ロイター] - トランプ米大統領は17日、 米証券取引委員会(SEC)に対し企業に決算を四半期ごとでなく半期に一度発表することを許容した場合の影響を調査するよう要請したことを明らかにした。米企業幹部との話し合いを経てこうした要請を行ったとした。
                                                           米国では現在、公開企業は3カ月ごとに年4回決算を発表しているが、トランプ大統領の提案では決算発表は年2回に軽減され、欧州連合(EU)、および英国と歩調を合わせることになる。
                                                           トランプ大統領はツイッターで「これにより柔軟性が増し、資金の節約もできる」との考えを示した。そのうえで、多くの財界首脳との協議を経てSECに変更について検討するよう要請したと表明。ある企業幹部は決算発表を半期に一度とすることはビジネス強化に向けた1つの方策となると語ったとした。ただ具体的にどの企業の幹部がこうした見解を示したかについては明らかにしなかった。
                                                           トランプ氏はこのほど、休暇先のニュージャージー州のゴルフクラブに多くの大手企業の幹部を招いている。
                                                           トランプ大統領はその後、記者団に対し「(企業決算発表を)年2回とすることを望んでいるが、どうなるか見たい」と述べ、退任が決まっているペプシコ<PEP.O>のヌーイ最高経営責任者(CEO)からこの件を提起されたと明らかにした。
                                                           これについてヌーイCEOは、ロイター宛ての電子メールで「市場参加者の多くやわれわれビジネス・ラウンドテーブル(財界ロビー)会員は、より長期的な視点に立った企業のあり方について議論を重ねている。わたしの発言にはこうしたより広範な事情が背景としてあるほか、米国と欧州で異なる決算方式の調和を目指そうという意図も含まれている」と述べた。
                                                           四半期ごとの決算発表を廃止するにはSEC委員による採決が必要となり、独立機関であるSECに大統領が変更を命じることはできない。また、SECはトランプ氏が任命したクレイトン委員長の下で規制緩和に向けた措置を取ってきたが、公表された資料によると、四半期決算発表の廃止は現在は議題に挙がっていない。
                                                           SECのクレイトン委員長は午後に入り発表した声明で、決算発表の頻度について検討し続けるとの立場を表明。トランプ大統領は「米企業を巡る主要な検討事項」にあらためて焦点を当てたとした。
                                                           マサチューセッツ工科大(MIT)のスローン・スクール・オブ・マネジメントの上級講師、ロバート・ポーゼン氏は「企業決算の発表が四半期ごとから半期ごとに変更されれば、投資家はタイムリーな情報を得ることができなくなり、インサイダー取引が行なわれる恐れが著しく高まる」と指摘。企業が短期的に市場に監査されることを避けたいなら、次四半期の業績見通し公表をやめることで解決できるとの考えを示した。
                                                           また、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏とJPモルガン<JPM.N>のダイモンCEOは今年6月、米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙への寄稿で、採用、投資、研究・開発に向けた支出が抑制されているため、四半期ごとのガイダンス公表をやめるよう呼び掛けた。ただ四半期決算発表の廃止は提案していない。

                                                           

                                                           

                                                           上記記事の通り、トランプ大統領が、企業に義務付けている四半期決算について、半期決算への変更を提案したというニュースです。このニュースは米国のニュースではありますが、日本の上場企業の決算開示ルールについても影響が出るかもしれません。

                                                           

                                                           米国における四半期開示の状況は下表のとおりです。

                                                          (出典:金融庁の「金融審議会金融分科会第一部会」の資料の「諸外国における四半期開示の状況」から抜粋)

                                                           

                                                           

                                                           上表の通り、米国の四半期開示の状況は1934年から開始され、現在の四半期報告書制度は1970年から導入されていました。

                                                           一方で、日本では遅れて2000年代に入ってから整備され、日本の企業の決算開示ルールについては、次のような流れで今日に至っています。

                                                           

                                                          <2003年4月:証券取引所が上場企業に四半期開示を義務付け>

                                                          四半期業績の概況として、売上高の開示を義務付ける

                                                           

                                                          <2004年4月:証券取引所が四半期開示の拡充>

                                                          四半期財務・業績の概況として、連結決算ベース(連結財務諸表を作成していない場合は個別決算ベース)の「売上高」「営業利益」「経常利益」「四半期(当期)純利益、純資産」及び「株主資本の額」のほか、要約された「貸借対照表」「損益計算書」を開示することを義務付ける

                                                           

                                                          <2009年11月:金融商品取引法上の制度として義務付け>

                                                          金融商品取引法上の制度として、上場企業などを対象に「四半期報告書制度」の導入する

                                                           

                                                           

                                                           上記の流れで注視すべきは2009年11月の金融商品取引法上の制度としての義務付けです。もともと2003年4月から始まった四半期開示義務は、証券取引所の自主ルールという位置づけであり、いいかえれば法律(有価証券取引法、金融商品取引法などの法律)によってオーソライズされたものではありませんでした。

                                                           

                                                           そのため、2003年4月以降の開示義務付けが始まったものの、仮に開示情報に虚偽記載があっても、証券取引法などの法律に基づくものではないため、罰則の対象になりませんでした。結果、投資家が虚偽記載された情報を信じて株式を買って損害を被ったとしても、証券取引法に基づく民事責任を求めることはできなかったのです。

                                                           

                                                           法律にお詳しい方であれば、民法の不法行為責任709条で損害賠償請求ができるのでは?とお思いの方もおられるかと思います。とはいえ、一般的な話でいえば、民法の不法行為責任709条で、投資家が経営者に虚偽記載の過失責任を問うのを立証することは、極めて難しいということも想像できるでしょう。

                                                           

                                                           そのため、投資家保護という観点から、四半期決算の開示ルールについて金融商品取引法上の制度とすれば罰則の対象にできるということで、2009年11月から制度改定したのです。

                                                           

                                                           記事では、米国の著名投資家のウォーレン・バフェットらが、採用、投資、研究開発の支出が抑制されるので、四半期ガイダンス公表をやめるよう呼びかけたが、廃止までは提案していないとしてトランプ大統領の提案に対して、完全に賛同したわけではないとしています。

                                                           

                                                           私はウォーレン・バフェットの四半期ガイダンス公表の中止については賛成ですし、トランプ大統領の提案の通りさらに踏み込んで半期決算に変更するというのは、大賛成の立場です。

                                                           

                                                           ネガティブな意見として、もし四半期決算を半期決算に変更されると、企業の負担が減る一方で、投資家にとっては年4回決算状況の把握できたのが年2回となる点の悪影響を指摘する意見もあります。

                                                           

                                                           しかしながら、私は、企業の負担で将来のためにねん出すべき投資・研究開発費が、決算業務で費消される、もしくは十分な投資・研究開発費が費やせないというのであれば、トランプ大統領の提案は最適解であると考えます。

                                                           

                                                           企業の負担もさることながら、株式市場も年4回の決算で株価が右往左往することによるボラティリティ(=価格変動)も抑制できる効果があると思います。

                                                           

                                                           株価のボラティリティ抑制効果は横に置き、投資・研究開発費が十分に捻出できるということは、GDP拡大に寄与します。

                                                           

                                                           GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出(※)

                                                           ※純輸出=輸出−輸入

                                                           

                                                           ウォーレン・バフェットが指摘する投資・研究開発費の捻出抑制が、半期決算によって払しょくされるならば、上記式の設備投資が増えやすくなり、GDPが拡大しやすくなるということになります。GDP3面等価の原則により、設備投資が増えれば、投資(=消費)=生産=所得 ですので、米国国民の所得が増えるということになるわけです。

                                                           

                                                           つまり四半期決算を半期決算に変えることで、米国経済は、より力強く経済成長できるというわけです。

                                                           

                                                           もし、日本も半期決算になれば同じ経済効果が期待できるでしょう。

                                                           

                                                           

                                                           

                                                           というわけで、今日はロイター通信の「トランプ大統領が米国証券取引委員会(SEC)に対して、企業の四半期決算を半期へ変更提案!」を取り上げて論説しました。

                                                           米国は言うまでもなく日本のマスコミにも不人気なトランプ大統領ですが、1兆ドル(≒110兆円)のインフラ投資、NAFTA見直しによる関税強化、他国との関税の見直しなど、米国民ファーストを着実に実行に移しています。

                                                           また金融危機の引き金になりかねない銀証ファイアーウォール撤廃を見直すためのグラス・スティーガル法の復活なども注目すべき経済政策です。

                                                           上述の政策は、いずれも米国経済を強化し、米国国民の所得を増やし、国力強化につながる政策ばかりであり、日本もトランプ大統領の政策を見習うべきであると思います。


                                                          治水事業費を削減したのは民主党政権だが、安倍政権も治水事業費を増やしていない!という事実

                                                          0

                                                            JUGEMテーマ:経済成長

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                                                             今日は、相次ぐ異常気象で、国家としてはどういう対策が必要なのか?検証しながら、「治水事業費を削減したのは民主党政権だが、安倍政権も治水事業費を増やしていない!という事実」と題して論説します。

                                                             

                                                             世界的な異常気象の話題が絶えない今年の夏ですが、日本では海水温の異常な上昇により、西日本豪雨に象徴されるような災害が頻するようになりました。

                                                             

                                                             そこで今日は

                                                            1.災害対策費を政府は増やしているのか?

                                                            2.民主党政権が治水事業費を削減したのは事実だが、安倍政権も治水事業費は増やしていないという事実

                                                            3.今後対応すべき課題

                                                            の順に論説したいと思います。

                                                             

                                                             

                                                             

                                                             

                                                            1.災害対策費を政府は増やしているのか?

                                                             

                                                             そもそも政府は災害対策費を増やしているのでしょうか?

                                                             

                                                             豪雨は、30年前比で1.7倍にまで発生頻度が増えているため、普通に考えるならば単純に災害対策費も1.7倍以上に増やさなければならないでしょう。

                                                             

                                                             ところが日本は災害対策費を減らしています。

                                                             

                                                             それはなぜか?プライマリーバランス黒字化目標があるからです。1997年に構造改革基本法が制定されて以来、公共事業の削減を始めました。そこに竹中平蔵氏がプライマリーバランス黒字化目標というコンセプトを、国家の財政運営に持ち込み、日本はデフレ対策ができないどころか、安全保障のための十分な支出ができなくなってしまったのです。

                                                             

                                                             これだけ豪雨が激甚化しても、予算は削減され続け、対策は一向に進みません。

                                                             

                                                             作るべき砂防ダムは作られないため、今もなお、土砂災害で大勢の人が命を失う危険にさらされているのです。

                                                             

                                                             今回の西日本豪雨もまた、作るべき砂防ダムの設置計画はあったものの、財政問題を理由に作ることを留保、または着工開始が遅れました。その結果、西日本豪雨では岡山県の小田川が決壊したり、古い砂防ダムが決壊したりするなどして、大勢の人々が亡くなりました。岡山県の小田川の堤防決壊では50人近くの人が亡くなったのが、象徴的です。

                                                             

                                                             もし堤防強化などの治水事業に予算が付けられ、対策を早期に着手していれば、今回の事故で命を落とした人々が助かった可能性は濃厚です。

                                                             

                                                             実は、計画された治水対策はたくさんありました。それらに予算をつけて早期着手していれば、死者は普通に半分以下になっていたことが想像できます。

                                                             

                                                             

                                                             

                                                             

                                                            2.民主党政権が治水事業費を削減したのは事実だが、安倍政権も治水事業費は増やしていないという事実

                                                             

                                                             下記は、公共事業費と治水事業費の推移のグラフです。

                                                             

                                                            (出典:財務省の予算資料、国交省の予算資料、内閣府のホームページなど)

                                                             

                                                             

                                                             上記グラフを作ってみますと、下記の通り分析ができます。

                                                            ●総じて公共事業費は1998年をピークに減少傾向にある

                                                            ●治水対策費も1998年をピークに減少傾向にあり、2008年に40%近く削減されて、それ以降2016年まで横ばい

                                                            ●現在の治水対策費の水準はピークの約半分程度である

                                                            ●金融危機が発生した1998年は小渕恵三政権が第二次補正予算で公共事業費を増額した

                                                            ●小泉純一郎政権は支持率が高かったが、公共事業費を毎年削減してきた

                                                            ●リーマンショックが発生した2009年に麻生太郎政権が、一時的にプライマリーバランス黒字化目標を棚上げし、公共事業費を増やした

                                                            ●民主党政権になって2010年、公共事業を削減し、治水事業も削減した

                                                            ●民主党政権は、2011年においても3.11の東日本大震災が発生したにもかかわらず、公共事業を削減している

                                                            ※2011年度は菅直人内閣は、第4次補正予算(第1次補正予算2011/05/02成立、第2次補正予算2011/07/25成立、第3次補正予算2011/11/21、第4次補正予算2012/02/08)まで組んだが、実額にしてわずか0.3兆円と低い水準の支出に留まっている

                                                            ●2012年度は補正予算が前年比2.1兆円増加の2.4兆円を組んだが、これは安倍政権が誕生して2013/02/26に成立したもの

                                                            ●2013年度以降の第2次安倍政権下においても、治水事業はピークの半分程度のトレンドを踏襲している

                                                             

                                                             

                                                             治水事業費だけでグラフを見てみると下記のとおりです。

                                                            (出典:国交省のホームページに掲載の公表数値)

                                                             

                                                             

                                                             上記の通り、2009年の麻生政権で1兆3,192億円の治水事業費が、2010年の民主党政権で8,073億円にまで減少しています。確かに民主党政権で激減させたことは事実です。

                                                             

                                                             とはいえ、2002年〜2009年にかけて、少しずつ右肩下がりで治水事業費が削減されており、2013年度以降においても低水準の8,000億円前後で安倍政権も治水事業を増やしていません。

                                                             

                                                             もし、安倍政権が治水事業を1兆5,000億円〜2兆円程度の予算をつけているならば、批判を免れると考えてもいいと思いますが、安倍政権ですら8,000億円前後で治水事業を増やしていないのです。

                                                             

                                                             

                                                             

                                                            3.今後対応すべき課題

                                                             

                                                             異常気象に対して、どういう対策をとればいいか?といえば、治水事業を徹底的に実施するしかありません。多くの人々が、次の台風で洪水などで命を落とすかもしれないからです。そしてその台風は、来週来るかもしれないですし、来月来るかもしれない、何しろ日本は、海外の他国と比べて、屈指の自然災害のオンパレード国であり、災害安全保障のための需要は無限です。

                                                             

                                                             2年前の2016年、台風がこないとされていた北海道でさえ、4つの台風(7号、11号、9号、10号)が来ました。特に2016年8月29日〜8月31日北海道に接近した台風10号では、上陸こそしなかったものの、爆風と爆雨をもたらし、南富良野町で空知川の堤防が決壊、帯広市でも札内川の堤防が決壊、そして芽室町でも芽室川が氾濫して道路や住宅が浸水、JR線や道路も壊滅状態になっただけでなく、道東の十勝総合振興局で新得町と大樹町で二人が死亡、清水町でも行方不明者が出ました。

                                                             

                                                             この2016年8月の北海道で大被害をもたらした台風10号は、複雑な動きをした台風ということで1951年(昭和26年)に気象庁が統計を取り始めて以来、初めて東北地方の太平洋側に上陸した珍しい進路ということで取り上げられました。

                                                             

                                                             この夏の酷暑に限らず、”気象庁が統計を取り始めて以来”が増えつつあり、過去のトレンドとは異なるトレンドになっている点で注意が必要です。何しろ北海道でも台風が4つも襲来して、人が亡くなってしまうということが起きる時代です。

                                                             

                                                             異常気象の緊急対応をすべきということが、誰が見ても明らかです。

                                                             

                                                             では具体的には何をすべきでしょうか?

                                                             

                                                             短期的な視点と、長期的な視点での対策の両方が必要と考えます。

                                                             

                                                             短期的な対策でいえば、今年から2年くらいのスパンでみて、小田川の堤防のような治水事業は、可及的に速やかにすべて着手・実行に移すべきです。合わせて砂防ダムの治山事業も同様に行うことが必要です。

                                                             

                                                             その際、国債が発行できないから予備費の範囲内とか、余っている財源を充当するとか、そういう家計簿発想、企業経営の発想ではなく、必要なお金はいくらなのか?必要額を開示させ、不足する財源は、躊躇なく国債発行する、これが最大のポイントであり、最適の解決策です。

                                                             

                                                             国債を発行したら借金が増えると思われる方、おられるかもしれませんが、円建て国債でマイナス金利でタダ同然で借りられる状況です。国債不足に陥っている債券市場も正常化します。財政法第4条では公共事業について赤字国債は認められませんが、建設国債は普通に認められます。例えば国会で治水事業・治山事業で20兆円必要と決まれば、20兆円国債発行することは普通に可能なことです。

                                                             

                                                             中長期的な対策としては、江戸時代の徳川家康の利根川東遷は60年かかりましたが、そのくらいの中長期スパンでのスーパー堤防の建設や防波堤防潮堤の設置、火山噴火予測など、これらの先行きが長い対策については、財政出動で行うために臨時に特別措置法を制定するなどの対応も検討課題です。

                                                             

                                                             短中期の対策、中長期の対策の両方を議論し、とにかく躊躇なく国債を発行すること、これが大事です。

                                                             

                                                             今年の夏は大阪北部地震、西日本豪雨、酷暑による熱中症などで、大勢の方が亡くなっています。また次の自然災害がいつ発生するか誰にも予測できません。このような過酷な自然環境にある日本だからこそ、災害安全保障に対する需要は無限にあり、プライマリーバランスを赤字化して躊躇なく国債発行することが必要であると私は考えます。

                                                             

                                                             

                                                             

                                                             というわけで今日は「治水事業費を削減したのは民主党政権だが、安倍政権も治水事業費を増やしていない!という事実」と題して、民主党政権だけが治水事業費を削減したというのは、間違っているということと、喫緊の課題としての解決策について論説しました。

                                                             

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                                                               今日は、「小中学校のエアコン設置を国の補助でやることは、経済成長に寄与します!」と題して論説します。

                                                               

                                                               

                                                               下記は日本経済新聞の記事です。

                                                              『日本経済新聞 2018/07/25 08:33 世界の異常気象「地球温暖化と関係」 国際機関

                                                               【ジュネーブ=細川倫太郎】世界気象機関(WMO)は24日、スイス・ジュネーブの国連欧州本部で記者会見し、世界各地で記録的な猛暑が広がっていると発表した。北極圏では30度、米国では50度を超えた。今月に西日本を襲った豪雨災害も含め、WMOは一連の異常気象は「温暖化ガスの増加による長期的な地球温暖化の傾向と関係している」と分析した。

                                                                欧州では特に北部で高気圧が停滞し、例年より高温の日が続く。WMOによると、ノルウェー北部バルドゥフォスでは17日に33.5度を記録。スウェーデンでは今月半ばに50カ所以上で森林火災が発生。WMOはスカンディナビアとバルカンの両地域では、高温と乾燥で森林火災の危険性が高まっていると警戒を呼びかけた。ギリシャのアテネ近郊でも山火事が発生し、死傷者が出た。

                                                              一方、米国カリフォルニア州のデスバレー国立公園で8日、52度を観測。同公園では、1913年7月に最高気温56.7度を記録している。ロサンゼルス近郊のチノでも48.9度に達した。

                                                               中東ではオマーンの首都マスカット近郊で6月28日、1日を通して気温が42.6度までしか下がらず、強烈な猛暑日となった。北アフリカでも各地で熱波が襲い、アルジェリアのサハラ砂漠では5日に51.3度を記録し、モロッコでも史上最高となる43.4度を観測した。

                                                               WMOの記者会見では気象研究担当のパオロ・ルティ氏が説明。WMOの今後の見通しとして「極端な異常気象はしばらく続く」と予測。「人の健康や農業、生態系など様々な分野に影響が広がっている」と懸念を表明した。一部地域では雨も降らないため、水不足への懸念も強まっている。(後略)』

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               上述の通り、異常気象は世界的に広がっております。日本でも連日危険な暑さが続いており、7/22には埼玉県熊谷市で国内観測史上最高の41.1度を記録しました。

                                                               

                                                               異常気象というのは、これまで30年の歴史で一度もないくらいの暑さ、寒さということで、記事によれば、WMOが今後もこのトレンドが続くことを予測している旨を報じています。

                                                               

                                                               日本では熱中症対策で菅官房長官が全国の小中学校のエアコン設置のための政府の補助を検討する考えを示しています。何しろ今年は、洪水・豪雨災害で500人以上の人が亡くなっており、東京都23区では7月だけで70人以上の方が亡くなっています。全国でいえば200人超の人々が猛暑で亡くなっています。

                                                               

                                                               

                                                               西日本豪雨級の熱中症被害が、今年の酷暑で発生していると捉えることもできるため、菅官房長官のエアコン設置のための国の補助というのは、正しい判断といえます。

                                                               

                                                               昔はエアコンを稼働させず、汗をかく方が健康であるという考え方もあったかもしれません。エアコンを設置ていても稼働させなかったりする家庭も多かったでしょう。

                                                               

                                                               今年はエアコンをつけないと熱中症で命を落とす可能性があるため、エアコンが設置されているならば稼働させ、設置されていないのであれば設置を急ぐ必要があるものと考えます。

                                                               

                                                              (出典:nippon.comが文科省の資料を基に作成したものを引用)

                                                               

                                                               

                                                               上記は、全国公立小・中学校の冷房設備率の2017年までの推移です。グラフの通り2017年度時点で、普通教室で約50%、特別教室で30%強となっており、普通教室と特別教室で合わせて41.7%程度に留まっています。

                                                               

                                                               昔はゼロに近かったでしょう。私の小中学校ではどうだったか?1978年〜1989年が該当しますが、記憶はありません。ですが、上記グラフからみる限り、1978年〜1989年では、おそらく設置されていなかったと思われます。

                                                               

                                                               そういう意味では「41%も設置されているんだ!」という見方もあるかもしれませんが、今後もこの酷暑がトレンドとして続くということであれば、極力100%設置を目指すべきであると考えます。

                                                               

                                                               これを国の補助でやることは、何ら問題ありません。政府最終消費支出でGDP成長に寄与します。なぜならば、政府最終消費出=生産=所得で、GDP3面等価の原則により、例外なく必ずGDPが拡大して経済成長します。そして所得が発生すれば、税収増にも寄与する。そして所得を得た人は、消費を増やすことができる。これは所得を得た人がどのくらい消費か?は不確実ですが、すべて貯金や借金返済になることはないでしょう。とはいえ、財政支出額以上に所得を創出するのは、間違いありません。

                                                               

                                                               経済効果はいうまでもありませんが、酷暑という自然災害から子供たちの命を守ることができます。何よりも学校の先生も含め、快適な環境で教育サービスが供給できることにもなるわけです。

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               というわけで、今日は「小中学校のエアコン設置を国の補助でやることは、経済成長に寄与します!」と題し、論説しました。ぜひ、政府には躊躇なく国債を発行していただき、エアコン設置プロジェクトを実行に移していただきたいです。それ以外のプロジェクト、例えば国際リニアコライダーなどもあります。デフレですので、この際政府がそうした長期プロジェクトをすべて政府支出で実行に移せば、普通にデフレ脱却することができます。

                                                               日本には財政問題は存在しませんから、躊躇なく国債を発行して政府支出によって公共事業を行う、これがいま日本政府に求められているのです。

                                                               

                                                               

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