韓国の水産物の検査強化について

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    JUGEMテーマ:通商政策

     

     新潟県で震度6強の地震が発生しました。被災地の皆様におかれましては、お見舞い申し上げます。まだ余震も続いているようですので、くれぐれも安全にお気を付けていただきたく思います。

     

     さて、今日は通商問題について取り上げたく、「韓国の水産物の検査強化について」と題して論説します。

     

     下記は産経新聞の記事です。

    『産経新聞 2019/05/30 11:28 厚労省が韓国産ヒラメなど水産物輸入規制強化を発表 輸入規制に対抗

     厚生労働省は30日、6月1日から韓国産のヒラメと、韓国など複数の国から輸入される生食用冷蔵むき身アカガイ、タイラギガイ、トリガイ、ウニについて、全国の検疫所で検査体制を強化すると発表した。韓国産ヒラメについては、検査量を全輸入量の20%から40%に引き上げる。他の貝類などについては10%から20%に引き上げる。

     厚労省によると、昨年度はアカガイ、タイラギガイ、トリガイは全量を韓国のみから輸入し、ウニは米国や中国、韓国など計10カ国から輸入している。輸入実績を踏まえると、検査強化対象の大半は韓国産となる見通しだ。韓国は東京電力福島第1原発事故を受け福島など8県産水産物の輸入を禁止しているが、検査強化は科学的根拠に基づいた日本政府による対抗措置の意味合いが強い。

     菅義偉官房長官は記者会見で、検査強化について「近年、対象の輸入水産物を原因とした食中毒が発生しており、食中毒が増加する夏場を控え国民の健康を守るという観点から行う」と説明した。

     韓国による日本産水産物の輸入禁止をめぐっては、貿易紛争を処理する世界貿易機関(WTO)の上級委員会が4月、輸入禁止を不当とした1審の判断を破棄し、事実上、日本が逆転敗訴した。日本政府はWTOに異議を唱えるとともに、韓国政府に規制の解除を求めてきたが、韓国は「上級委の決定を尊重する」(康京和(カン・ギョンファ)外相)として応じていない。』

     

     

     上記記事の通り、今月1日から、韓国から輸入するヒラメなどの水産物へのモニタリング調査を強化するというニュースです。

     

     特定国の水産物の輸入を規制強化するのは極めて異例で、韓国が福島第一原発事故後、福島県などの8つの県の水産物の輸入規制を続けていることを受けた事実上の対抗措置と言われています。

     

     検査を強化する輸入水産物は、韓国産ヒラメのほか、生食用のむき身の赤貝、とり貝、うになどで、特に韓国産ヒラメについては全量モニタリング検査を、現在の20%→40%に引き上げるとしています。

     

     記事では韓国が福島など8つの県の水産物の輸入規制への対抗措置といわれていますが、食中毒になるのは普通に回避されなければならないものであり、対抗措置とか関係なく普通にやればいいだけの話です。

     

     そもそも食中毒特有の症状である嘔吐や下痢をもたらす寄生虫がいるかもしれないというリスクを抱えて韓国から水産物を輸入していたことの方が間違っています。

     

     記事では対抗という意図があると報じられているものの、普通に日本の主権の範囲内でやっていることであり、韓国からとやかくいわれる筋合いもなければ、福島原発事故による輸入規制の仕返しでも何でもありません。

     

     韓国は日本産の水産物の輸入規制を巡って、貿易紛争を処理するWTOの上位委員会で、韓国の輸入規制を不当とした一審の判断を破棄して事実上日本が逆転敗訴しました。しかしながら11の国と機関は、WTOに異議を唱えた日本の支持を表明したともいわれています。

     

     仮にWTOが公正な貿易をやろうとしているので、韓国の振る舞いが不公正だとしても、WTOのルールから考えれば、韓国の立ち回りはダメという可能性もあったり、上級委員会が逆転敗訴と判断したように韓国の立ち回りはOKとなったり、いろいろです。

     

     福島県の漁業関係者にとっては、WTO逆転敗訴は、確かに残念でしょうし、腹立たしいという気持ちが理解できないことでもありません。

     

     しかしながら、韓国にとっては日本の水産物が嫌なら嫌で輸入しなかったとしても、韓国の主権の範囲内であれば、全然OKなのでは?と思います。

     

     そもそも主権の範囲で、査証発給や発給停止で人が来るのを拒むこともできます。同様にモノが入ってくるのを拒むのもOKと考えることもできるはずです。

     

     そう考えれば、貿易を自由にしなければならないと思い込む発想の方が誤っているのでは?と私は思います。

     

     

     というわけで今日は「韓国の水産物の検査強化について」と題して論説しました。

     経済発展とは、本当ならば、輸出に頼らないでやるということが王道です。確かに韓国がやっていることは腹立たしい限りですが、だからと言って韓国の立ち回りを非難したとしても、あくまで彼らの主権の範囲でやっていることであり、我が国はどうしようもできません。

     輸出に頼らずとも、日本は自国で内需拡大ができる国です。資源こそありませんが、資源以外は川下から川上まで、日本国内でできる者が多く、水産業も韓国に輸出せずとも、日本国内で費消できるよう、実質賃金の上昇を通じて値上げしても売れる環境を作ってあげること、それが漁業関係者にとっても望ましいのでは?と私は思うのです。

     

     

    〜関係記事〜

    グローバル輸出で稼ぐというのは、自国の繁栄を他国の犠牲の上に作るエゴむき出し政策です!


    中国共産党によって人権と民主主義が脅かされている香港を支援する米国と何もしない日本

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       今日は「中国共産党によって人権と民主主義が脅かされている香港を支援する米国と何もしない日本」と題して論説します。

       

       下記は時事通信のニュースです。

      『時事通信 2019/06/16 「完全撤回」求め再びデモ=逃亡犯条例改正、規模は縮小−香港

      【香港時事】香港で身柄を拘束した容疑者の中国本土への移送を可能にする「逃例」改正に関して、反対派の民主派団体が16日、香港で大規模デモを行った。香港政府は改正の無期限延期を決めたが、デモではあくまで「完全撤回」を主張。参加者数は未発表だが、9日の100万人デモからは大幅に縮小したとみられる。
       午後3時(日本時間同4時)に始まったデモでは、香港島中心部の公園から立法会(議会)前までの約4キロを「延期ではなく撤廃を」などと叫びながら行進。香港政府トップの林鄭月娥行政長官の辞任と、12日の大規模な抗議行動で警察が催涙弾などの武力を行使したことへの憤りも併せて訴えた。
       参加者の多くが黒い服を着用し、政府や警察への「怒り」を表現。友人と参加した女子学生(17)は「同じ学生に暴力を振るった警察が許せない。改正案も、完全撤廃されるまではまたいつ審議が始まるか分からず、今の状態では納得できない」と話した。』

       

       

       上記の記事は、前回も取り上げた”逃亡犯条例改正案”についての続報です。中国寄りの香港政府が、無期限延期としたものを、完全撤回を求めて再びデモが発生したと報じています。

       

       前回のデモでは103万人もの人が参加したと報じられましたが、今回は規模が縮小したとのこと。この”逃亡犯条例改正案”を起案した人は、林鄭月娥(キャリー・ラム)氏という方で、香港初の女性の行政長官です。林鄭月娥氏は、中国政府の後押しを受けて当選し、行政長官に就任しました。因みに今年2019年4月8日には、安倍総理とも表敬訪問で来日しています。

       

       この”逃亡犯条例改正案”のきっかけとして、香港人の男性が、恋人だった台湾人女性を殺害し、犯人の香港人男性が香港に逃げてしまった事件がきっかけであることを、前回ご説明させていただきました。そして、犯人引き渡し条例が香港と台湾で締結されていないため、台湾警察が逃げてしまった香港人男性を逮捕したくてもできないという状況になっていたということもお話しさせていただきました。

       

       林鄭月娥氏は「このままでは香港が世界の犯罪者の逃げ場になってしまう!香港をそんな街にしたくない!」と言い張って、103万人の反対デモがあっても関係なく”逃亡犯条例改正案”の成立をやり抜くと言っていました。

       

       しかしながら、デモ活動によって”逃亡犯条例改正案”の審議は、無期限延期となりました。

       

       ところが、香港の人々は無期限延期では納得せず、完全撤回を求めて再びデモ活動を再開したというのが今回のニュースです。

       

       この香港の状況に対して他国の反応はといえば、米国のポンペオ米国務長官は民主派リーダーと会談して条例改正に懸念を表明し、英国とカナダ政府は共同声明で反対を表明しました。EUも林鄭月娥氏に対して、懸念を申し入れしています。

       

       一方で日本はどうか?といえば、何もしていません。

       

       米国は香港に対して一番激しく動いているにとどまらず、台湾に対しても動いています。

       

       具体的には、香港の民主主義と言論の自由を守るため、そして台湾の独立を守るため、2019年3月25日に米国議会は、超党派で中国を監視する「危機委員会」というものを設立しました。

       

       米国では、浸透国策を行う中国共産党政権の戦略に対して、より強力な外交、防衛、経済措置を取らないと米国の存在の根幹を脅かすと宣言してしまうほど、米国の対中国に対する嫌悪感は増しているものと思われます。

       

       そして、この委員会では、次のような発言がなされています。

       

      一、通信機器大手・ファーウェイ(HUAWEI)による5G通信技術の拡大を通じた中国によるインターネットの占拠を見逃してはいけない。

      一、米国の国防省や大学、ハイテク企業は、中国政府の代理人による何らかの浸透工作を受けている。例えば、中国から派遣された研究員は、米国の技術を入手することに注力している。

      一、中国共産党は、すでに冷戦を始めている。号砲などはない。すでに(冷戦は)始まっており、米国社会に工作は浸透している。米国は立ち上がって戦わなければならない。

      一、中国共産党による実際的な脅威は、最終的に、全世界を支配する野心的な計画の一つだ。

      一、過去のソビエト連邦と同様に、共産主義の中国は、米国と自由主義に対するイデオロギーの脅威がある。我々は、最終的に共産主義体制の性格から生じるこれらの問題に対処しなければならない。

      一、中国は、古代中国の戦略家・孫子の理論に基づいて、大きな紛争を発生させることなく、米国を敗北させようとしている。

      一、中国の核兵器は、新型ミサイル、爆撃機、潜水艦など急速に最新化している。中国の核兵器は「地下の万里の長城」と呼ばれる長さ3万6000キロのトンネル複合施設に建設され、保管されている。実際の兵器庫内の弾頭数はわかっていない。

       

       

       以上の発言から、この委員会は、中国の脅威を政府の政策策定者と米国国民に認識させることを目的とし、中国を監視・調査しているのです。

       

       また、2015年には香港にある書店の「銅鑼湾書店(どらわんしょてん)」の店主が何者かに誘拐されたという事件が発生しました。この書店は、習近平に批判的な本が置かれていたため、反政府分子として中国の特殊部隊によって誘拐されたとされる事件です。

       

       この店主は林栄基氏という方ですが、中国当局に身柄を拘束された後、釈放されました。

       

       釈放された林栄基氏氏は、もし「逃亡犯条例」が香港議会で成立してしまえば、再び中国に送還される恐れがあるとして、2019/04/25に台湾に亡命しています。

       

       この事件で米国は、自由と民主主義が守られているはずの一国二制度で、中国と違って香港は自由で民主主義のはずなのに、どうもそうでなくなってきていると考え、米国政府、特に米国議会が動き、中国を監視するための委員会を作って、香港の自由と民主主義が中国共産党政府によって奪われていないだろうか?という調査をしています。

       

       さらに委員会は、香港人権民主主義法という法律まで作ろうとしています。

       

       この法律の趣旨は、香港において香港の人権と民主主義が守られていること自体が香港・米国両国の国益に叶うとして、米国が香港のためにもっと強力にコミットしろ!というものです。

       

       そこまでして香港の人権と民主主義を守ろうと激しく動く米国に比べ、日本はどうかといえば、日本は何もしていません。

       

       私は、香港のために日本は米国よりも激しく動くべきでは?と思います。なぜならば香港には外資系企業がたくさんありますが、一番数が多いのは日系企業で、次に多いのは米国企業であって、一番多いのは日系企業なのです。

       

      <在香港外国企業数(国・類別、2017年)>

      (出典:みずほ銀行 香港特別行政区投資環境資料 2018年9月 より)

       

       

       上記の通り、在香港海外企業数は日本が一番多い。そのため、香港には日本人関係者がたくさんいます。

       

       香港在留の日本人、ビジネスマン、ジャーナリスト、観光客、出張している人など、このような日本人が香港に数多くいる一方で、仮にも”逃亡犯改正条例案”がいつの日か可決されるとなれば、そうした日本人の身の安全が危うくなります。

       

       本来ならば、日本も米国と同じことができるはずなのに、日本の国会は何もしていないというのが現状です。

       

       

       というわけで今日は「中国共産党によって人権と民主主義が脅かされている香港を支援する米国と何もしない日本」と題して論説しました。

       米国の議会は委員会を作り、香港の人権民主主義法という法律を作って香港のために米国が動くということを法律で表明している一方、日本は何もしていません。

       台湾に対しても、台湾旅行法を成立させ、台湾を国家として認めた米国ですが、日本は台湾に対しても中国から守ろうという動きを全くしていません。

       日本はアジアの中で何をしているのか?と、経済分野だけでなく国家の安全保障に対しても、その存在価値を問われるようになってしまうものとと、私は現況を憂うばかりです。

       日本の国会議員も、中国に毒されていない議員らが超党派で立法するなどして、香港と台湾を中国から守って欲しいと、私は強く思います。

       

       

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      安倍首相のイラン訪問の成果について

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         今日は安倍首相のイラン訪問について意見したいと思います。

         

         下記は日本経済新聞の記事です。

        『日本経済新聞 2019/06/14 23:37 首相、タンカー攻撃「断固非難」 日米首脳が電話   トランプ氏、イラン訪問に謝意

         安倍晋三首相は14日夜、トランプ米大統領と約30分間電話した。トランプ氏は首相のイラン訪問について謝意を伝えた。中東ホルムズ海峡近くで日本などのタンカー2隻が攻撃を受けた事件に関して話し合った。首相は協議後、「いかなる者が攻撃したにせよ、船舶を危険にさらす行動に日本として断固非難する」と強調した。

         両首脳は中東地域の安定へ日米で連携する方針を申し合わせた。首相は「すべての関係国が緊張を高める行為は厳に慎むべきだ」と訴えた。「地域の平和と安定、世界の繁栄のために今後とも国際社会と緊密に連携しながら努力を重ねたい」と述べた。

         首相は12〜14日にイランを訪れ、最高指導者ハメネイ師やロウハニ大統領と会談した。「軍事衝突は誰も望んでおらず、現在の緊張の高まりを懸念している」として米国との対話を促した。ハメネイ師は「核兵器の製造も保有も使用もしない。その意図はないし、すべきではない」と語った。

         トランプ氏はイランとの話し合いに消極的だ。13日にはツイッターで「個人的には(イランと)取引するのは時期尚早だ」と記した。

         タンカー攻撃を巡ってポンペオ米国務長官は記者会見で「イランに責任がある」と語った。収集した情報や使用された武器を総合的に検証した結果と説明した。日本政府は証拠を示すよう米政府に求めた。イランは事件の関与を否定している。

         電話協議に先立ち首相は都内の会合で、イラン訪問について「緊張緩和に向けてできる限りのことをしたいとの思いで訪問した」と説明した。「様々な困難が伴うが、絶対に武力衝突があってはならない」と強調した。』

         

         

         上記は日本経済新聞の記事です。安倍首相は日本時間で6/12(水)にテヘランでロウハニ大統領と会談しました。その後、翌日の6/13(木)朝にオマーン湾で、日本の国華産業(株)が保有する石油タンカーと、台湾の台湾中油が保有する石油タンカーが攻撃を受けました。未だ犯人は特定できていませんが、日本の安倍首相、米国のトランプ大統領がともに非難したというニュースです。

         

         タンカー攻撃の前に、そもそも安倍首相のイラン訪問について意味があったのか?と私は思います。安倍首相がイランを訪問した理由は、米国とイランが対立しており、仲介役として今回イランを訪問したということになっています。

         

         もともと米国とイランがなぜ対立して緊張が高まってしまったのか?イランによれば、その理由は、米国がイランに仕掛けた経済戦争が原因であると主張しています。イランは、米国側がこの経済戦争をやめれば、地域と世界に前向きな進展が訪れるだろうと述べており、さらにイランとしては相手国が米国だろうがどこの国であろうと、いかなる戦争も始める側にはならないが、もし戦争を仕掛けられれば、断固たる措置を取るとして、米国をけん制していました。

         

         もちろんロウハニ大統領は米国との戦争は望んでいません。今回の会談でロウハニ大統領は、米国のトランプ政権に対して、特に原油禁輸制裁の停止を要求していることについて、安倍政権に対してトランプ大統領に伝達することを依頼したとされています。

         

         なぜ米国がイランに経済戦争を仕掛けたか?というと、2015年7月にオバマ政権のときに米国はイランと核合意をしました。ところがトランプ大統領は、オバマ政権が合意した内容が手ぬるいということで2018年5月に一方的に破棄しました。特にイランが悪いことをしたわけではなく、イランからみれば米国政府と2015年7月に合意した内容を守っているにもかかわらず、トランプ大統領が一方的に勝手に破棄したという状況であるため、どちらかといえばイランの主張の方に正当性があるものと私は思います。

         

         一方、日本とイラクの関係でいえば、『海賊と呼ばれた男』という小説にもなった物語にある通り、第二次大戦直後に、出光さんという人の日章丸というタンカーで、英米石油資本を敵に回したイランから、日本が石油を輸入したときから、日本とイラクの友好関係が始まっています。

         

         第二次大戦後、民主主義の高まりにより、イランが自国の石油は自国の裁量で売らせて欲しいと主張したところ、英国が激怒しました。そして英国はイランを封鎖して、イランから原油を出すタンカーは撃沈すると宣言しました。

         

         このように世界の石油資本を敵に回して四面楚歌だったイランを、日本の出光さんが日章丸というタンカーをイランに派遣し、イギリス海軍に撃沈されるかもしれないというリスクを背負って、原油の輸入に成功し、イランの原油輸出を助けたのです。

         

         その後、イラン革命が起きて、パフラディ―国王を米国がかくまったために米国とイランは戦争状態となり、イランは米国と仲が悪くなりましたが、日本だけは上述のような歴史的な経緯があって仲が良いのです。

         

         そこで今回、米国とイランの緊張が高まった状況を緩和するための仲介役を買って出たとされています。もちろん、これでうまく緊張が緩和できるような成果が出れば、大きな手柄になったといえるでしょう。

         

         実際は、今回の外交はどうだったか?といえば、成果は乏しいものだったのではないでしょうか?

         

         そもそも核合意を巡って対立を深めていた米国とイランですが、日本にとっては核合意は関係のない話です。そのため、安倍首相は米国から聞いた話をロウハニ大統領に伝言しただけに過ぎず、一方でイランからは米国に対して経済戦争を辞めるように伝えて欲しいと言われただけです。正直なところ「安倍首相のイラン訪問=”ガキ”の使い」と言われても仕方がないのでは?といえます。

         

         2015年7月に米国とイランで合意された核合意とは、オバマ政権が働きかけて歴史的にイランと和解し、イランのみならず国際社会で外交を良好に進めるということでイランも承諾して合意したものです。

         

         ところがトランプ大統領が勝手に反故にしました。一方で欧州各国は核合意を守っていると思って核合意に沿った対応をしているため、「なぜ急に反故にするのか?」というのがイラン側にあるのも無理はありません。

         

         トランプ大統領が勝手に反故にしたのも、トランプ大統領が嫌悪している前大統領のオバマ政権が決めたことだからというだけがその理由です。

         

         万一、この程度の安倍首相の外交でうまくいくとするならば、トランプ大統領が「ちょっとカッとなって冷静さを失ってしまった!ロウハニ大統領さん、申し訳ない!」と謝ることぐらいしかありえず、果たしてそんな話になるのか?といえば、案の定、そうはならなかったというのが今回のイラン外交だったと私は思うのです。

         

         

         というわけで今日は「安倍首相のイラン訪問の成果について」と題して論説しました。

         経済では、目立った成果が出ていない安倍首相が、外交で得点を稼ぎに行ったのでは?と思われても仕方がないかもしれません。

         米国とイランの緊張の高まりは、米国とイランの核合意の件の対立の問題であったため、イラン訪問で日本に何ができたのか?非常に不明だったといえます。

         例えば米国が「ロウハニ大統領さん、ゴメン!オバマ政権の合意でいいや!」となれば対立となる障害はなくなるものの、米国は「核開発を辞めろ!許さない!」といっているわけで、トランプ大統領が「ごめん!前のオバマ政権の合意のままでいいよ!」というはずがないのは、事前にわかっていたと考えれます。

         となれば、今回のイラン訪問に何か意味があったのか?私にはまったく理解できません。経済で成果を出せない安倍首相が得点稼ぎをしようと思ったものの、外交でも得点を稼げなかった。これが事実なのだろうと私は思います。


        ”逃亡犯条例改正案”に反対している香港のデモ活動は日本人にとって他人事ではない!

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           今日は香港で発生のデモについて取り上げたく、「”逃亡犯条例改正案”に反対している香港のデモ活動は日本人にとって他人事ではない!」と題して論説します。

           

           下記は産経新聞の記事です。

          『産経新聞 2019/06/15 22:16 香港、リーダーなき反政府デモの「勝利」 テレグラム利用で情報共有

          【香港=藤本欣也】中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」の改正案をめぐり、多くの香港市民が参加して繰り広げた反対運動はひとまず、立法会(議会)審議の無期限延期という譲歩を当局から勝ち取った。一連のデモは「リーダーなき反対運動の勝利」だったとの見方が広がっている。

           香港では、2003年に国家分裂行為などを禁じる「国家安全条例」案が撤回に追い込まれている。この際は民主派グループが50万人規模のデモを組織した。14年に民主的な行政長官選の実現を目指したものの失敗に終わった「雨傘運動」では、学生組織が20万人規模のデモを行った。

           民主派の区諾軒・立法会議員は今回の改正反対運動について「これまでのデモとの違いは、リーダーが存在しないことだ」と指摘する。地元ジャーナリストも「香港政府は今回、誰と交渉したらいいのか分からなかった」という。

           区氏によると、改正反対運動で多くの参加者が利用したのが、携帯電話用の通信アプリ「テレグラム」だ。ロシア人が創設したアプリで、最大20万人のグループを作ることができるという。メッセージが暗号化されて送られるため、保秘性が高いことでも知られる。

           実際、改正反対運動に関するグループの一つには約2万9千人が参加していた。こうしたグループが多数存在し、反対デモに関する情報を共有していた。あるグループでは「犬に注意」などの隠語を使って、警察などの治安部隊がどこにどれだけ配置されているか−といった情報を知らせるものもあった。

           地元ジャーナリストによると、こうしたアプリを通じて情報を得た多くの学生らは今回、当局の追跡をかわすため共通の対策をとっていたという。

           マスクやヘルメット、ゴーグルを多用し、いつも以上に身元を特定しにくくしていたのもその一つ。また、地下鉄やバスを利用してデモに参加する際、当局による追跡が容易なICカードではなく、現金を使っていたようだ。

           9日のデモには主催者発表で103万人が参加し、反対運動に弾みがついた。こうした中、テレグラムは12日、大量のデータを送りつける「DDoS(ディードス)攻撃」を受けていると公表。運営会社は13日、攻撃の大半は中国からだったと明らかにしている。

           

           

           上記の通り、香港で発生のデモについてのニュースですが、産経新聞はデモ側の勝利を伝えています。

           

           そもそもこの香港のデモについて、なぜこのようなデモが発生したのか?を振り返ります。

           

           産経新聞の記事にもありますが、香港のデモについて時系列に並べますと下記の通りです。

           

           2003年:”国家安全条例に反対”で50万人規模のデモ

           2014年:民主的な行政長官選実現を目指した学生規模20万人の雨傘運動

           2019年:”逃亡犯条例改正案”に反対する103万人規模のデモ

           

           今回の”逃亡犯条例改正案”に反対するデモのの規模は、実に103万人という数字は、ものすごい規模といえます。

           

           いったいなぜこんなことが起きたのか?といいますと、ロイター通信やウォールストリートジャーナルやBBC等の海外メディアのみならず、日本のメディアでも報じられていますが、きっかけは台湾で発生したある殺人事件が発端です。

           

           この殺人事件は、2018年2月、香港人男性が恋人だった台湾人の妊婦を台湾で殺害したというものです。

           

           そしてこの事件自体が台湾で発生した事件であるため、本来ならば台湾の警察当局は捜査のために、この香港人男性を逮捕しなければならないのですが、犯人の男性は香港に逃げ帰ってしまったのです。

           

           ここで困ったことが生じました。実は香港と台湾の間で、容疑者を引き渡す枠組みがなかったのです。通常であれば、この香港の警察が香港人男性を逮捕して台湾に引き渡すということが行われるのですが、香港と台湾との間で容疑者逃亡犯を引き渡す協定が結ばれていませんでした。

           

           そこで香港政府は、この事件をきっかけとして”逃亡犯条例改正案”を作り、香港と台湾との間で容疑者を引き渡すと言い始めました。現実には香港政府は容疑者を関係した相手国に引き渡すという協定を英国や米国など20か国と締結しています。

           

           因みに日本の場合、「犯罪人引き渡し条約」というのを締結している国は、米国と韓国の2か国だけです。死刑制度が残っていることが要因であるという言説もあるようなのですが、現時点では2か国のみである一方、香港政府は英国や米国など20か国と締結しているのです。

           

           しかしながら香港政府との締結国20か国の中に、台湾のみならず中国とも締結していませんでした。

           

           そこで今、中国よりになっている香港政府が、台湾で発生した殺人事件をきっかけとして、”逃亡犯条例改正案”を通じて、中国とも犯罪人の引き渡し協定を締結しようとしているのです。

           

           即ち、”逃亡犯条例改正案”の目的は、香港政府が台湾と中国の両方の国に対して、容疑者を引き渡すことを可能にするというものです。

           

           この香港政府が打ち出した”逃亡犯条例改正案”について、台湾政府は反対を表明しています。なぜならば、台湾が香港政府とそのような条約を締結するとすれば、中国とも締結することになるからです。

           

           仮に香港政府が台湾と中国の両方の国に対して容疑者を引き渡すことが可能になった場合、香港にいる台湾人が何らかの関係で香港で逮捕され、中国政府が「その容疑者の身柄を引き渡して欲しい!」といえば、中国政府に身柄を引き渡されてしまうことになります。端的にいえば、香港にいる台湾人が中国本土に移送されるというリスクが高くなるのです。

           

           皆様もご承知の通り、香港は英国の統治下にあり、透明性が高い司法制度を持っていまして、香港が中国に返還された後も、「一国二制度」が保障されていました。

           

           透明性が高い司法制度を持ち、「一国二制度」が補償されているからこそ、欧米系企業による投資が集まり、国際金融都市の地位を確立し、日系企業もまた香港への投資をしています。

           

          <在香港外国企業数(国・類別、2017年)>

          (出典:みずほ銀行 香港特別行政区投資環境資料 2018年9月 より)

           

           

           このように英国、米国のみならず、日本もまた統括事務所、地域事務所、香港事務所で1,378もの企業が投資をしています。

           

           仮に”逃亡犯条例改正案”が通ってしまえば、中国政府に最初に狙われるのが香港の民主活動家だったとしても、当然ながら香港人だけではなく、米国人、英国人、日本人だったとしても、香港政府が容疑者だといってでっち上げられて逮捕され、中国政府が身柄引き渡しを要求すれば、中国に身柄を引き渡されてしまうことになるでしょう。

           

           例えば日本のマスコミや、You-tuberやブロガーなど、中国に対して徹底的に反中国の発信をしている人だったとして、その人が香港ならば安全だと思い、香港にやってきたとして、香港で事件をでっちあげられて香港で逮捕されるというシナリオも普通にあり得ます。

           

           もし、でっち上げられた事件で逮捕されて、中国に引き渡されたとなれば、中国の裁判にかけられることになります。そして裁判にかけられる前に、拷問にかけられることになるでしょう。最悪、政治犯として裁判で有罪になった場合、死刑判決を言い渡され、臓器のドナーとして”生きたまま臓器を摘出されて殺されてしまう”ということもあり得るのです。

           

           結果は、デモ活動が功を奏し、”逃亡犯条例改正案”は無期限で延期となりましたが、いつかまた”逃亡犯条例改正案”が出てくるかもしれず、全く油断はできないものと私は思います。

           

           

           というわけで今日は「”逃亡犯条例改正案”に反対している香港のデモ活動は日本人にとって他人事ではない!」と題して論説しました。

           ご承知の通り、この「杉っ子の独り言」は、「反グローバル」「反緊縮財政」「反構造改革」を中心に論じていますが、「反中国・反韓国」の論調でも報じています。

           もし皆様が中国を往訪する際には、くれぐれも「杉っ子の独り言」のブログの閲覧を控えていただきたく思います。

           何しろ、ファーウェイやZTE(中興通訊)の電子部品が入った携帯端末で「杉っ子の独り言」をアクセスすると、反中国のブログを読んでいるということで、いわれなき罪をでっちあげられ、逮捕されることがあるかもしれないと、私はリアルに感じています。(今はそんなことないかもしれませんが、いずれそういう日が来るかもしれません。)

           かつて学生の頃、中国武術の南拳を習い、大学時代に第二外国語で中国語を学び、2002年には楽天証券を通じて香港株を初めて買って今もなお保有を継続する私ですが、40代になって中国に対する見方は全く変わりました。

           日本の民主主義や言論の自由が、財政破綻問題などで仇となっている日本ですが、だからといって中国の属国になってしまえば、反民主主義となって言論の自由がなくなり、中国共産党政府の意向に沿わない人々は、みんな政治犯で逮捕され、中国共産党の外貨獲得目的のため、あるいは中国人の富裕層らのための臓器ドナーの餌食となってしまうなんて日がくるかもしれないのです。

           今回の事件を通じて、中国の危険な実態というものを皆様に知っていただきたいものと改めて私は思います。

           

           

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          政府の機能・役割を小さくするとは、政府が国民を守らなくなることを意味する!

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            JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

            JUGEMテーマ:経済成長

             

             今日は「政府の機能・役割を小さくするとは、政府が国民を守らなくなることを意味する!」と題して論説します。

             

             皆さんは、”小さな政府”というキーワードをお聞きしたことがあるかもしれません。

             

             この”小さな政府”という語彙について、どのようにお感じになるでしょうか?

             

             少子高齢化だから公務員は少なくなった方がいい!とか、これからは規制を取っ払うためにも政府は小さい方がよい!とか、ポジティブ思われている方、相当数居られるかと思います。

             

             一方で私は、もともと「反緊縮財政」「反グローバル」「反構造改革」の論調で、記事を書いております。

             

             「反緊縮財政」についていえば、ただでさえ年々国家予算が増えており、国債を増刷して政府が中心となって負債を増やしていかなければならないのに、なぜ政府が負債を増やさず、消費増税10%で国民から徴収しようとしているのか?と聞きたいくらいです。

             

             百歩譲って消費税の税収全額が公共事業に使われているならまだしも、一部は誰の所得にもならない「”いわゆる”国の借金」と呼ばれている政府の負債の返済に回しているというのが実態です。

             

             全体的な予算は増えていても、私たちのモノ・サービスを政府が買うお金、即ち家計に支払われるお金は減っています。

             

             財務省が2025年までにプライマリーバランス黒字化という目標を掲げている以上、政府の予算が増えたとしても、他の予算を削減しするなどして、実際に私たちに支払われるお金は減り、日本国民の貧困化政策は続いていると言えるのです。

             

             特に国家の財政を語るとき、国債(政府の負債)の償還・利払いは、予算と分けるべきです。

             

             なぜならば、国債の償還資金は、誰の所得にもならないからです。その一方で日本国民の所得になるものを容赦なく削減し、例えば地方交付税交付金や、教育費、防衛費、防災・減災費用など、特に中国が経済成長して防衛費を伸ばしている状況下で、日本は防衛費を減らしています。さらに公共事業を削減し、医療介護費用といった社会保障費については法律があるために支出を増やさざるを得ないもののそれすら抑制しています。

             

             平成から令和に年号が変わっても、こうした緊縮財政が続いているという現実を改めて知っていただきたいと私は思います。

             

             また「反構造改革」でいえば、竹中平蔵氏に象徴されるように、一部の投資家・企業だけが儲かり、他の国民を貧困化させるような構造改革については、国民は反対すべきです。

             

             例えば郵政民営化、電力自由化、種子法廃止、水道法改正など、20年以上も、こうした一部の投資家・企業だけが儲かり、他の国民が損をするという流れがずっと続いています。

             

             「緊縮財政」「グローバリズム」「構造改革」は3点セットで語られることが多く、いずれも政府の機能・役割を小さくするという話です。

             

             政府の機能・役割を小さくするというと聞こえはいいかもしれませんが、政府の機能・役割を圧縮して小さくすれば、政府のコストが下がるという意味で、政府が国民を守らなくなっていくということを意味します。

             

             安全の基準を緩和して、今まで守ってきたものを、もう守りませんということでもあります。

             

             例えば、種子法廃止でいえば、国民の種は政府が守るということで、国と地方自治体とで圃場を管理するための予算がついていたのですが、種子法廃止によって予算が付かなくなりました。これは食糧の種を政府は守らないということ。国民の食糧安全保障については、国家として国民を守る努力をしないということであり、その代わり国民は自己責任で・・・という発想こそ、「緊縮財政」「グローバリズム」「構造改革」の3点セットです。

             

             私たち日本国民は、「政府の役割は小さいほうがいい」という言説に、ずっと騙され続けてきたのだと思います。

             

             

             というわけで今日は「政府の機能・役割を小さくするとは、政府が国民を守らなくなることを意味する!」と題して論説しました。

             

             

             


            就職氷河期世代の就労促進について

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              JUGEMテーマ:雇用不安

               

               今日は「就職氷河期世代の就労促進について」と題して論説します。

               

               まずは朝日新聞の記事を紹介します。

              『朝日新聞 2019/06/11 20:01 就職氷河期世代、3年で正規雇用30万人増へ 骨太原案

               政府は11日の経済財政諮問会議(議長=安倍晋三首相)で、今年の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」の原案を公表した。30代半ばから40代半ばとされる就職氷河期世代について、今後3年間で正規雇用者を30万人増やす数値目標を含めた支援プログラムを設けることが目玉だ。骨太の方針は、今月下旬にも閣議決定する。
               最低賃金(時給)については、毎年3%程度引き上げ、全国平均で1千円にする安倍政権の目標について「より早期に」実現するとした。成長戦略にも盛り込む70歳以上の高齢者雇用の促進など、労働関連の施策が目立った。人手不足が深刻化する中で働き手を増やすなどして、生産性を上げる狙いだ。
               就職氷河期世代への支援プログラムの主な対象となるのは、1993〜2004年に大学や高校などを卒業した人のうち、非正規雇用や引きこもり状態にある100万人。就職相談体制や人材育成プログラムを整備。正規雇用した企業への助成金も見直して、企業側へのインセンティブ(動機づけ)も強化する。
               経済政策については、10月の消費税10%への引き上げを明記した上で、来年度予算で景気の落ち込みを食い止める新たな臨時・特別措置を検討するとした。また、米中貿易摩擦などで今後、景気悪化のリスクが顕在化したときには「機動的なマクロ経済政策をちゅうちょなく実行する」と掲げた。
               新たな在留資格「特定技能」がスタートした外国人材については、偽造在留カードを発見しやすくするなどの不法滞在者対策を強化するとした。また、厚生労働省の「毎月勤労統計」などの不正問題を受け、政府統計については「事案の再発防止にとどまらない抜本改善を行う」として、人材育成を行うことを挙げた。(北見英城)』

               

               上記の通り、バブル崩壊後の不況期に就職活動した就職氷河期世代を対象とする就労支援プログラムについて報じたニュースです。非正規雇用などで安定した収入を得られない人も多いことから、正規社員として雇用してもらえるよう能力向上を後押しし、職場定着を手助けする内容になっています。

               

               就職氷河期世代とは、1993年〜2004年頃に高校大学を卒業した現在の30代半ば〜40代半ばの世代のことをいいます。

               

               私は、こうした就労支援の方向性について異を唱えるつもりはありません。とはいえ、やっていることがすっとんきょな話だと指摘しておきたいです。

               

               なぜならば、就労支援をしたいのならば、まず「デフレを終わらせろ!」ということであって、やっていることが「何やってんの?」という話です。

               

               消費増税10%引き上げすればデフレ脱却がますます遠のくだけの話。機動的なマクロ経済政策って具体的に何なの?といえます。このような抽象的な表現、しかも消費増税の悪影響は、ずっと続くものなのに、対策は臨時・特別措置ということなので、恒久的な財政出動をすることになりません。

               

               キャッシュレス払いのポイント還元は期間限定である一方、消費増税10%は期間限定ではなく、消費減税されるまでずっと続きます。それどころか家計簿発想の経済財政諮問会議の連中は、お金がどうやって生み出されるのか?を知らない。資本主義は誰かが借金しないと経済成長しないことを知らない。国家の財政運営を家計簿や企業経営と同じ発想でモノを考え、選挙で選ばれているわけでもないのに、勝手に政策提言し、しかもそれが経世済民とは真逆の日本を発展途上国に陥れる政策であるという、最悪の集団です。だから2019年10月に消費増税した後、今度は「消費税率は15%でなければだめだ!」「欧米諸国並みの水準にしなければだめだ!」などと意味不明なことをいって、また消費税率を引き上げにかかります。

               

               欧米諸国は、インフレで賃金も上昇しているので消費税率を20%とかにできるだけの話なのに、そうしたことを知らずして10%引き上げたら、すぐ「15%にすべき!」となるでしょう。はっきり言って頭が悪い連中です。マクロ経済を何も知らないど素人です。

               

               消費増税しておきながら就労支援とは、泥縄もいいところと言いたい。

               

               企業側にインセンティブを働かせるために助成金を見直すとして、具体的には35歳以上の就労困難者を受け入れた企業に支給される特定求職者雇用開発助成金の対象要件を緩和するとしていますが、こうした政策は、いわばバンドエードと同じです。

               

               リンチしてボコボコにして骨折させるくらいの乱暴な政策をやっておきながら、バンドエードを渡して「はい!おしまい!」という話です。

               

               バンドエードは、あった方がないより”まし”ではあるものの、その前に乱暴な政策を辞めようよ!と私は思います。

               

               

               というわけで今日は「就職氷河期世代の就労促進について」と題して論説しました。


              コンビニ各社24時間営業見直し問題と運輸業・建設業・介護事業の人手不足問題

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                JUGEMテーマ:コンビニ

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                JUGEMテーマ:外国人労働者問題

                 

                 今日はコンビニ各社24時間営業見直し問題と合わせ、運輸業・建設業・介護事業の人手不足問題について意見したいと思います。

                 

                 下記は時事通信の記事です。

                『時事通信 2019/05/23 18:28 セブン経営陣、板挟みに=「加盟店」か「株主」か−総会

                 セブン&アイ・ホールディングスは23日、東京都内の本社で定時株主総会を開いた。井阪隆一社長は、傘下のコンビニエンスストア最大手セブン−イレブン・ジャパンで起きた24時間営業をめぐる加盟店とのトラブルについて、「大変申し訳ない。反省している」と陳謝し、加盟店への支援を強化する考えを示した。ただ、店への配慮よりも高収益の維持や株価上昇に期待する株主は多く、経営陣は板挟み状態の中で難しいかじ取りを強いられている。

                 セブン−イレブンをめぐっては2月、大阪府の加盟店が無許可で24時間営業を中止した問題をきっかけに、店のオーナーの苦境ぶりが表面化。企業イメージやビジネスモデルを揺るがす事態に発展し、株価は約3割も下落している。
                 井阪氏は株主に対し「人手不足や売上高の伸びの鈍化などでオーナーの将来不安が増していることも問題の発端だ」と説明し、短期で解決するのは難しいと理解を求めた。その上で「新しい考え方、価値観に変えていくチャンスだ。最適な解を見つけたい」と強調し、深夜に店を閉める実証実験に加え、省力化投資や新規出店の抑制などを通じて加盟店の不満を抑える方針を示した。
                ただ、店の設備投資には多額の費用が必要。時短営業に関しても、多くの店舗に認めれば本部の収益減を招く恐れがある。さらに、オーナーの要求に押されてロイヤルティー(経営指導料)の減額にまで踏み込む事態になれば、グループを支える高い収益力は維持できなくなる。
                 株価下落の背景には、こうした収益面の先行き不安があり、総会では株主から「どうしても株価には上昇してもらいたい」と悲痛な声が上がった。
                 取締役選任など5議案はいずれも賛成多数で可決された。所要時間は1時間45分(前年は1時間55分)。出席した株主は596人(同619人)だった。』

                 

                 

                 上述の記事の通り、セブン&アイ・ホールディングスの株主総会の記事です。セブン−イレブン・ジャパンで起きている24時間営業を巡る問題で、株価が下落。株主総会で株主から「株価上昇を!」という声が出たと報じています。

                 

                 深夜に店を閉める実証実験と、小売サービス業という供給力を削減する実証事件の一方で、省力化投資と新規出店の抑制をやると報じています。

                 

                 省力化投資とは、ローソンで取り組んでいるような、レジロボやRFID電子タグや塗布半導体を活用した自動レジの投資を指しているものと思われます。

                 

                 新規出店の抑制は、セブン&アイ・ホールディングスとしての供給力の補強を抑制するということで、1店舗当たりの売上高・粗利益を向上させるという取り組みです。

                 

                 省力化投資と新規出店の抑制は、コンビニオーナーの生産性向上と1店舗当たりの売上高・粗利益向上につながる話であり、歓迎されるべきです。

                 

                 では、深夜に店を閉めるというのはどう考えるべきでしょうか?

                 

                 私はかつて学生時代、セブンイレブンで深夜シフトでアルバイトをしていたことがありました。東京都杉並区の高円寺駅近くで、環状7号線沿いだったこともあり、深夜でもお客さんは絶えることはなかったと記憶しています。もちろん日中に比べれば少ないものの、スキーシーズンになりますとリフト券とか夜に車で途中で買うお客様も多かったです。

                 

                 しかしながら私がバイトしていたころのセブンイレブンは、20年以上前の話であって、今は人手不足に悩むという相次ぐ報道をみて、「大変な状況になっている!」と感じておりました。

                 

                 実際、人手不足による倒産というのは、昨今ではマスコミが頻繁に報道するものの、過去にもあった話です。というより人手不足による倒産というか、低賃金労働者不足倒産といってもよいです。

                 

                 安い労働者しか雇用できない企業が倒産するという話であり、高い給料を払える企業は人手を確保できて倒産しません。いうなれば、「時給700円しか払えなくて。それ以上高い給料を払うと倒産してしまう。というかそれくらいしか儲けがない。」という会社が倒産していっているといえるでしょう。

                 

                 この状況は賃金が上昇していくプロセスともいえるのです。

                 

                 そのため、人手不足だから安い外国人労働者の受け入れを拡大しよう!というのは、せっかくのデフレ脱却の芽を摘む愚策としかいいようがありません。

                 

                 また、日本の人手不足は、局地的な現象ともいえます。例えば建設業や、宿泊業、飲食サービス業、医療福祉業、運輸業など、人手不足産業と、そうではない産業とで大きな格差があります。

                 

                 人手不足の原因の特徴としては、下記がその特徴です。

                 

                ●運輸業は労働者の時間が長くて給与水準が低い

                ●建設業は休日が少ない

                ●介護事業は賃金が安い

                 

                 このような分析があります。

                 

                 普通の人が考えれば、労働時間が長くて給与水準が安いとか、誰も行きたくないに決まっています。

                 

                 経営者の方の中には、「いやぁー!そうは言っても、うちは給料上げたんだけどそれでも人が来ないんだよね!」という経営者の方もおられるかもしれません。それははっきり言えば、給料を上げたというその上げ幅が不足している、ただそれだけのことです。

                 

                 では、こうした業界はどうしたら人手不足を解消できるでしょうか?

                 

                 業界で給料を引き上げることに加え、休暇が取りやすい環境を作ることです。休暇が取りやすいというのは、周りの雰囲気とかそういうことではなく、単位当たり労働コストを引き下げる生産性向上のための投資を行い、一人当たりの生産性を向上させることで時間を創出し、休暇が取りやすくさせるということです。

                 

                 そして政府の役割とは、日本の労働力を必要な業界へ投入していくような構造に変えていくということです。確かに3Kと呼ばれるキツイ・キタナイ・キケンというような過酷な労働だったとしても、賃金が高ければ人が集まります。

                 

                 かつては建設業でとび職という職業があり、バブル崩壊までは普通に年収1000万とか稼げたのですが、今は500万〜600万も稼げるかどうか?ということで、若い人はとび職をやりません。

                 

                 もしとび職が1000万とか2000万とか稼げて、技術が身に就けば安全なしごともできるようになって給料がちゃんと稼げる職業になっていたことでしょう。

                 

                 また運輸業も同じです。昔、菅原文太という俳優が主役の映画で「トラック野郎」という作品がありました。最低運賃規制を取っ払った規制緩和に加え、免許制から許可制に代わって運輸業に参入しやすくしたことから、運賃がものすごく下落し、それに伴ってドライバーの賃金も下がりました。

                 

                 今では大卒でトラックドライバーをやる人など、ほとんどいないでしょう。何しろ運賃自由化と規制緩和で、ドライバーの労働時間は長いのに賃金が安いわけですから、そんなところで働きたいという人は、少ないに決まっています。

                 

                 介護事業も同様で、キツイ・給料が超安いという状況では、良い人材が来るのは極めてレアなケースです。パワーアシストスーツの投資ができるようになれば、一人が2人分、3人分、4人分の仕事ができるようになり、賃金UPの原資が生み出されますが、介護報酬を引き上げるどころか、介護報酬を引き下げるという抑制につながる緊縮財政をやっているため、賃金を上げにくい状況となっていて、結果、介護事業も人手不足で嘆くというおかしなことになっています。

                 

                 しかしながら、運送業でいえば昔のように平均賃金よりも高い給料水準だったら、介護事業でいえば業種平均並みに賃金がもらえるならば、必ず今よりも人手を確保することができて、倒産しなくても済みます。

                 

                 したがって賃金を上げていくのが一番大事だといえ、その原資を生み出すために規制を強化したり、政府が発注する仕事は単価を高く発注する、介護報酬を引き上げるなどの政策が必要です。

                 

                 

                 というわけで今日は「コンビニ各社24時間営業見直し問題と運輸業・建設業・介護事業の人手不足問題」と題して論説しました。

                 そもそも人手不足がなぜ起きるか?というと、キツイ仕事なのに給料が安いということに尽きるでしょう。それは労働力に見合わないということでもあります。

                 労働力に見合わないというのは、コンビニの場合、24時間という夜間に働かせるにもかかわらず、なんでこんなに給料が安いの?ということであり、夜中コンビニで働かせたいならば、時給を2000円とか2500円とか払うしかありません。ただしそれだけ時給を払えば、人手は確保できて倒産しなくても済むのです。

                 コンビニで時給を2000円とか2500円とか払うためには、外国人労働者を安く雇用するというのではなく、RFIDタグや完全自動精算のレジロボを導入するなど、一人当たり生産性の向上のための投資が必要であることを、コンビニの経営層の方々には改めて認識していただきたいと私は思うのです。

                 

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                金融庁の”一人当たり老後資金2000万円必要”との報告書について

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                   今日は「金融庁の”一人当たり老後資金2000万円必要”との報告書について」と題して論説します。

                   

                   まずは日本経済新聞の記事を紹介します。

                  『日本経済新聞 2019/06/03 21:02 人生100年時代、2000万円が不足 金融庁が報告書     

                   金融庁は3日、人生100年時代を見据えた資産形成を促す報告書をまとめた。長寿化によって会社を定年退職した後の人生が延びるため、95歳まで生きるには夫婦で約2千万円の金融資産の取り崩しが必要になるとの試算を示した。公的年金制度に頼った生活設計だけでは資金不足に陥る可能性に触れ、長期・分散型の資産運用の重要性を強調した。

                   金融審議会で報告書をまとめ、高齢社会の資産形成や管理、それに対応した金融サービスのあり方などを盛り込んだ。

                   平均的な収入・支出の状況から年代ごとの金融資産の変化を推計。男性が65歳以上、女性が60歳以上の夫婦では、年金収入に頼った生活設計だと毎月約5万円の赤字が出るとはじいた。これから20年生きると1300万円、30年だと2千万円が不足するとした。

                   長寿化が進む日本では現在60歳の人の25%は95歳まで生きるとの推計もある。報告書では現役時代から長期積立型で国内外の商品に分散投資することを推奨。定年を迎えたら退職金も有効活用して老後の人生に備えるよう求めた。

                   

                   上記の記事は、日本経済新聞のみならず、国内紙だけでなくロイター通信なども報じているため、目にした人も多かったと思います。そもそも「2000万円貯めろ!」といわれても、「そんなの無理だ!」「年金制度はどうなる?」と思われた方、多いと思います。金融業界の関係者の声としては、証券業界は貯蓄から投資への大きなチャンスと考え、銀行業界も窓販を通じてNISA・iDeCoで投資信託の拡販のチャンスなどのコメントが紹介されています。

                   

                   私は、この前の土日、金融審議会の市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理(令和元年6月3日)」という56ページの資料を読ませていただきました。

                   

                   所感をいえば、「今後日本が、経済成長しないことが前提になっている」ということです。さらに「公的年金の受給に加えて、就労継続、支出の削減、資産形成・運用が必要」として、NISA・iDeCoの活用を進めており、金融機関の金融商品販売が促進されるような煽り方・言説が顕著です。

                   

                   もし、30歳の方が、60歳までの30年間、初期投資0円で、毎月積み立てで2000万円を年率1.0%で運用できたとして、どのくらい貯金をしなければならないか?というと、48,000円です。全く運用しない場合は、56,000円となります。

                   

                  <年率1.0%で運用できたと仮定した場合の60歳まで2000万円貯めるための毎月の積立額のシミュレーション>

                   

                  <年率0.0%で全く運用しないと仮定した場合の60歳まで2000万円貯めるための毎月の積立額のシミュレーション>

                  (出典:新生銀行)

                   

                   

                   いかがでしょうか?運用利回りが1%違うだけで、月々の拠出額が1万円以上変わります。そしてこれは何を意味するでしょうか?

                   

                   端的にいえば、毎月の給料から48,000円〜56,000円、年間では57.6万円〜67.2万円は、消費として使ってはいけないということになります。

                   

                   ではGDPや税収との関係を見るとどうなるか?というと、GDPと税収の関係は下記のとおりです。

                   

                   名目GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出(※)

                   ※純輸出=輸出−輸入

                   税収=名目GDP×税率×税収弾性値

                   

                   皆さんが稼ぐ給料から毎月資産形成のため、30歳の人の場合は、年間57.6万円〜67.2万円は、貯金や投資信託を買うために消費をしてはいけないということになります。

                   

                   これは、ものすごいデフレ圧力となり、デフレ促進策です。なぜならば将来2000万必要だから貯金や投資をして資産形成しなさいという、この資産形成に要した金額は、GDP3面等価の原則でいう「消費」「生産」「所得」に該当しません。即ち資産形成に要したお金は、誰かの消費でもなければ、誰かの生産でもなければ、誰かの所得にもならないため、税収増加にも貢献しません。

                   

                   年金だけでなく医療費・介護費といった社会保険は、経済成長が前提となっており、それはGDPの成長を意味します。GDPの成長は人口減少と関係ありません。たとえ人口が減少しようとも、政府支出を増やして防波堤・防潮堤、高速道路・高速鉄道、老朽化したインフラ整備、火山噴火予知、北朝鮮や中国に対抗する防衛整備、国際リニアコライダーなど科学技術分野への投資、酷暑に備えたエアコン設置などなどなどなど・・・。リスクが高すぎ、もしくは儲かりにくいために民間企業では投資がしにくいものの需要がある投資分野はたくさんあります。そうしたリスク高すぎて民間企業が手を出せない、もしくは儲かりにくくて民間企業が投資しにくい、だけど需要は高いというものが、災害大国日本だからこそ、たくさんあります。そしてそうした分野は利益追求が不要な政府しか投資できません。

                   

                   その政府が支出するお金はどこから調達すればいいのか?政府は銀行からお金を借りる必要はなく、政府が国債を発行して日銀当座預金を調達して、その日銀当座預金を担保に政府小切手で支払えば済む話です。国債を発行して政府小切手で民間企業に支払い、民間企業が政府小切手を銀行に持ち込んでからやっと、預金が生み出されます。

                   

                   国民から集めた税金でなければ支出ができない、もしくは国民から税金を集めてからでなければ支出ができない、といった考えこそ誤りであり、資本主義とは誰かが負債を増やさない限り経済成長もできなければ、預金を生み出すこともできないのです。

                   

                   仮にも57.6万円〜67.2万円を全額投資信託や国内株式・外国株式を買ったとしても、GDPにカウントされるのは、証券会社に支払う手数料に加え、投資信託の場合は、投資信託委託会社や信託銀行に手数料がかかるのですが微々たるもので、高いものでも購入時に3%、毎年払う手数料でせいぜい1.5%とか、そのくらいです。

                   

                   購入時の販売手数料は、これまたデフレ圧力で銀行窓販ですと3%とかかかるものがある一方、ネット証券ではノーロード投信などといって販売手数料ゼロ円の投資信託もあります。

                   

                   年間でかかる手数料は信託報酬と呼ばれるものがあり、これは販売会社と投資信託委託会社と資産を保全管理する信託銀行に払うものですが、これも高いもので1.5%程度です。

                   

                   何がいいたいかと言えば、トヨタ自動車のカローラを200万円買った場合と、投資信託を200万円買った場合とでは、GDP二カウントされる金額ははるかに違うということです。

                   

                   カローラを200万円買った場合、200万円が全額が個人消費の支出となり、支出200万=生産200万=所得200万です。一方で投資信託を200万円買った場合は、手数料が4%だったとして、支出8万円=生産8万円=所得8万円となります。

                   

                   以上はGDP3面等価の原則でいう消費というものについて、モノを買った場合と金融商品を買った場合で比較しました。

                   

                   もう1つ別の角度から、日本国民全員が2000万円銀行預金を増やすという場合、日本の人口が1億3000万人とすれば実に2000万円×1億3000万人=2600兆円の預金が新たに創出されなければなりません。

                   

                   昨日、銀行預金はどうやって生み出されるか?という記事を書いた通り、誰かが負債を2600兆円の増やさなければ、2600兆円の預金は創出されません。

                   

                   2600兆円ものお金を、誰が借りてくれるのでしょうか?銀行預金は誰かが借りてくれなければ生み出されないのです。

                   

                   また銀行預金は、借入返済することで消滅してしまいます。

                   

                   そのため、借金=悪と考えて、個人が住宅ローンを繰り上げ返済し、企業は自己資本比率を引き上げて財務の健全性を高めるなどといって銀行借入を返済してしまうと、銀行預金は減少します。さらに政府までもが1000兆円の借金は将来世代にツケを残すといって、消費増税や所得税・法人税を引き上げてその税収で返済してしまった場合、やはり銀行預金は消滅してしまうのです。

                   

                   デフレで個人も企業もお金を借りようとしない状況で、むしろ借金返済を推進する状況でかつ政府までもが緊縮財政で借金をせず、むしろ消費増税で借金を返済しようとしているとするならば、これはもう最初から2600兆円の預金は創出されず、2000万円貯金をすることは不可能ということになります。

                   

                   では、どうすればいいのか?といえば、経済成長しかありません。経済成長こそ、年金制度を維持し、医療・介護保険制度を維持し、いや維持するどころかより多く利益が受けられるバージョンアップを図ることですら可能にします。

                   

                   しかしながら、銀行預金は誰かが負債を増やさない限り生み出されない以上、家計や企業はお金を借りるのは難しいため、代わりに政府が2600兆円の政府小切手を発行して公共事業をやらなければならないということになります。

                   

                   ところが、金融審議会の市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理(令和元年6月3日)」には、日本が経済成長するというシナリオが全くなく、財政出動すべきと指摘するどころか、むしろ緊縮財政を継続することが前提となっています。

                   

                   緊縮財政の継続が前提となっている時点で、この報告書で指摘している国民2000万円の預金が必要というのは、全く矛盾しているということに金融庁の職員は気付いていない。この時点で、この報告書は読むに値しないものと私は思います。

                   

                   

                   というわけで今日は「金融庁の”一人当たり老後資金2000万円必要”との報告書について」と題して論説しました。

                   このような報告書に踊らされて、将来不安を掻き立て、毎月消費を減らして貯金・投資を増やさなければ・・・と煽られ、むしろデフレを促進しているということに気付かないことこそ、今の日本が深い病に犯されているということの証左です。

                   このままでは日本は中国とGDPで10倍くらい差が付き、そうなったら軍事費は20倍もの差が付くことになります。私たちの将来の子どもやお孫さんが、中国の属国となるような日本を引き渡してはいけない。そのためには緊縮財政を辞めさせなければならない!と改めて強く思うのです。

                   

                   

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                     今日もMMT理論について取り上げたく「政府支出を拡大すればインフレ率が抑制できなくなるという言説に対する反論」と題して論説します。

                     

                     まず前回、政府は銀行預金を借りているわけではないということをご説明しました。おさらいになりますが、プロセスを整理しますと下記の 銑Г箸覆蠅泙后

                     

                    <政府支出によって(財政赤字にすることで)、預金が生み出されるプロセス>

                     ‘本銀行が銀行に日銀当座預金を貸し出す

                     (市中の銀行は、銀行預金は負債勘定となるため、自行に銀行預金を持つことはできない)

                     ∪府は国債を発行し、銀行が持つ日銀当座預金を借り入れる

                     F銀当座預金の所有者が銀行名義から政府名義に代わる

                     (日銀当座預金は、政府と銀行しか保有できず、一般企業や一般人は保有できない)

                     だ府は日銀当座預金を担保に政府小切手を発行して、企業に公共事業の支払いをする

                     (=政府に赤字が発生=財政赤字が発生=企業に黒字が発生)

                     ゴ覿箸論府小切手を銀行に持ち込み、預金と交換する

                     Χ箙圓論府小切手を日銀に持ち込み、日銀当座預金と交換する

                     日銀は政府小切手を政府名義の日銀当座預金で決済する

                     

                     

                     

                     上図の通り、 銑Г鮟腓砲笋辰討いと、上図が上から下の方に降りてくる形で、オペレーションされます。結果、政府が財政赤字を作り出すことで、民間企業に黒字がもたらされるということがご理解いただけるかと思います。

                     

                     そして信用創造機能は、政府が銀行からお金を借りる場合も、個人が住宅ローンで借りる場合も、企業が設備投資で借りる場合も同じであると説明しました。

                     

                     その一方で、例えば私的なお金の貸し借りで、私が友人にお金を貸したとしても、私が手元に持っているお金を貸しているだけですので、信用創造機能がありません。即ち預金が生み出されるわけではありません。

                     

                     また生命保険会社が住宅ローンで個人にお金を貸しつけたとしても、保険料という名目で集めたお金を貸しているので、信用創造機能はなく、新たに預金が生み出されるわけではありません。

                     

                     同じように信用創造機能を持たない金融機関、例えば消費者金融も同様です。消費者金融が消費者にお金を貸すという行為は、記帳してお金を貸すというように預金を生み出すわけではなく、他人資本・自己資本問わず、事前に手元にお金を調達しておき、それを貸し付けるというのが消費者金融です。これは商工ローンも同じです。

                     

                     ところが銀行貸付だけは、事前に手元にお金を用意する必要がなく、また預金を集めて溜まってから貸し出すわけではないのです。まさに”万年筆マネー”と呼ばれる通り、記帳する(通帳に金額を記載する)だけでお金を貸しつけることができるのです。

                     

                     歴史的には、この仕組みが最も古いのは、英国のイングランド中央銀行で、歴史上初の中央銀行の設立ということで、1694年に設立されています。英国は1688年の名誉革命の1年後、1689年に第二次100年戦争が勃発して、ウイリアム3世がフランスのルイ14世と激突し、1815年のワーテルローの戦いでナポレオンを駆逐するまで戦いが続きます。

                     この第二次100年戦争にて、英国が対フランスに対して戦いを優位に進めることができた理由の一つとして、このイングランド中央銀行が通貨発行権を持ち、”万年筆マネー”で戦費を好きなだけ調達できたということが要因の一つとして挙げられています。

                     

                     現在の日本では、さすがに戦争で戦費を調達する必要はありませんが、災害大国であるために、地震対策や津波・高潮対策の防波堤・防潮堤や酷暑対策で冷房設置のほか、火山噴火予測や中国・北朝鮮からの防衛など、需要は山ほどあるわけで、こうした需要に日銀が”万年筆マネー”で公共事業を増やすことで経済成長し、GDP3面等価の原則で、政府支出増=生産増=所得増となって、日本国民は豊かになることができます。

                     

                     なぜこの話を改めて取り上げたか?と申し上げると、皆様の中に多くの人々が誤解していること、それは、政府は銀行預金を借りて公共事業をやっていると思われている方が多いと思っておりまして、事実として政府は銀行預金を借り入れているのではないということを改めて周知させたいと思ったからです。

                     

                     この誤解は、MMT理論そのものが解決してくれます。

                     

                     そして、MMT理論のもっとも簡単な理解方法として押さえておくべきことは下記の通りです。

                     

                    MMT理論の簡単な理解方法

                    ●日本、米国、英国のような自国通貨を発行できる政府(政府+中央銀行)は、債務不履行そのものがあり得ない

                    ●デフォルト(=財政破綻)の事例は外貨建て国債のみ

                    ・アルゼンチン(自国通貨ペソ)はドル建て債務による破綻

                    ・アイルランド(自国通貨クローネ)はユーロ建て債務による破綻

                    ●政府は変動為替相場制であれば、いくらでも好きなだけ支出ができる

                    ●ただし供給の制約があると、欲しいものが買えなくなるという事象が発生し得る

                     

                     

                     直近では、「インフレ率が制御できなくなるので、MMT理論なんて夢物語だ!」とする反論があるようです。

                     

                     何をバカな!消費増税すればインフレ率を抑えることができるでしょうに・・・と、アホな反論です。というよりマイルドなインフレ率、例えば2%程度のインフレ率ならば、これは国民が豊かになるので、インフレ率を抑える必要がありません。

                     

                     それどころかインフレ率を制御する方法は消費増税に限りません。消費増税を含めて過度なインフレ率を抑制する具体的な方法は下記の通りです。

                     

                    上限規律(インフレ率を4%以下に抑える)の具体的な対策

                    ●金融政策における金融引き締め(公定歩合引き上げ、法定準備預金利率引上げ、国債売りオペレーションによる公開市場操作)

                    ●財政支出の長期投資計画を立てておき、期間中インフレ率が4%を超えてしまったならば、終了年次を先延ばしにして投資速度を落とし、単年度の支出を削減(ただし、インフレ率が2%を下回れば再び加速させる)

                    ●所得税、法人税の「累進性」を高く設定

                    ●インフレ率が安定的に一定水準を超えれば、自動的に消費税を増税し、中長期的にインフレ率を下落させる(ただし、インフレ率が2%を下回れば、消費税の減税をする)

                     

                     

                     このように、インフレ率を制御できない系の反論自体、「何言っているの?」という話です。そもそもマイルドなインフレ率自体を退治するということは、「インフレが悪」という何の学術的根拠もない、間違った見解の持ち主の人が持つ発想です。そして「借金=悪」という発想は、資本主義の否定だということに気付いていない愚者です。

                     

                     

                     というわけで今日は「政府支出を拡大すればインフレ率が抑制できなくなるという言説に対する反論」と題して論説しました。

                     私は、今年5月のGW、英国のロンドンに行き、イングランド中央銀行博物館を往訪しています。そこではインフレ率2%が正常な状態として、それ以上は過激なインフレ、0以下はデフレということで、2%前後にインフレ率が推移するよう金融政策によって調整するのが中央銀行の役割であるという説明書きを見ました。

                     2%という数字が学術的に根拠があるかというと、難しい問題だと思いますが、少なくてもマイルドなインフレは許容しなければ、資本主義として機能しないと言えるものと思います。2%〜4%くらいのインフレ率が継続すれば、少しずつ経済成長して、少しずつ実質賃金も増えて、みんなが豊かになれる。それがマイルドなインフレ率を許容する結果なのだと私は思います。

                     

                     

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                    税金の役割とは何なのか?

                    ゼロからお金を生み出すことができるのが銀行です!

                    借入金の否定=資本主義の否定(信用創造機能とは何か?)

                    日本には財政問題は存在せず、金融緩和だけでは景気が良くなるわけがありません!

                    国債は何兆円まで発行できるのか?(管理通貨制度について学ぼう!)

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                    親日家の投資家ジム・ロジャーズ氏が指摘する日本の財政破綻に反論する!

                    憲法改正で財政規律条項を入れる動きに反対!

                    日銀が保有する国債は、地球が崩壊して滅亡するまで放置でOK!


                    公共事業などの政府支出は銀行預金で借りているわけではありません!

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                       今日はMMT理論について、読者の皆様にご理解を深めていただこうと思いまして、「公共事業などの政府支出は銀行預金で借りているわけではありません!」と題して論説します。

                       

                       以前、「MMT理論の批判論に対する反論!」でも取り上げました”銀行”、”日銀”、”政府”、”企業”の主体別にバランスシートを作成し、財政赤字によって預金が生み出されるということをご説明しました。その時の資料を、プロセスごとに改めて掲載させていただきます。

                       

                       預金が生み出されるのは、政府が公共事業として財政支出したときにはじめて、銀行預金が生まれます。この事実は非常に大きなポイントです。公務員の給料、例えば自衛官の給料、消防署職員の給料、警察官の給料、学校の先生の給料、裁判官の給料など、皆さんの税金を徴収し、そこから給料を払っているというのも違います。”まず支出ありき!”で、スペンディング・ファースト(=spending first)で、国債を担保に支出をするというのが事実です。同様に公共事業もまた集めた税金で施行するのではなく、国債を担保に、例えば建設国債(4条公債)を発行して生み出されたお金で支出します。

                       

                       確かに政府のバランスシートで、歳入と歳出という貸借対照表を作成するものの、政府は通貨発行権を持つだけことに加え、政府は経世済民を目的とする利益追求が不要かつ黒字である必要がないNPO法人であり、外貨建て債務を保有しない限り財政破綻そのものがありません。確かに円建て日本国債は、政府の貸借対照表では負債勘定となるものの、返済が不要な負債であるということが、企業の負債、家計の負債とは根本的に異なります。

                       

                       では表題の「公共事業などの政府支出は銀行預金で借りているわけではありません!」が正しいとするならば、政府支出はどうやってやるのか?皆さんがお持ちの銀行預金は、どうやって生み出されるのか?について、プロセスを整理しますと下記の 銑Г箸覆蠅泙后

                       

                      <政府支出によって(財政赤字にすることで)、預金が生み出されるプロセス>

                       ‘本銀行が銀行に日銀当座預金を貸し出す

                       (市中の銀行は、銀行預金は負債勘定となるため、自行に銀行預金を持つことはできない)

                       ∪府は国債を発行し、銀行が持つ日銀当座預金を借り入れる

                       F銀当座預金の所有者が銀行名義から政府名義に代わる

                       (日銀当座預金は、政府と銀行しか保有できず、一般企業や一般人は保有できない)

                       だ府は日銀当座預金を担保に政府小切手を発行して、企業に公共事業の支払いをする

                       (=政府に赤字が発生=財政赤字が発生=企業に黒字が発生)

                       ゴ覿箸論府小切手を銀行に持ち込み、預金と交換する

                       Χ箙圓論府小切手を日銀に持ち込み、日銀当座預金と交換する

                       日銀は政府小切手を政府名義の日銀当座預金で決済する

                       

                       

                       上記の通り、文字にすると上述の 銑Г箸覆蠅泙后

                       

                       これをプロセスで一つ一つ見ていくと下記の通りとなります。下記は、100の政府支出することで、預金100が生み出されるシミュレーションです。

                       

                      ‘本銀行が銀行に”日銀当座預金100”を貸し出す

                      (市中の銀行は、銀行預金は負債勘定となるため、自行に銀行預金を持つことはできない)

                       

                      ∪府は”国債100”を発行し(”借金100”を増やし)、銀行が持つ”日銀当座預金100”を借り入れる

                      (=銀行は国債を担保にして”日銀当座預金100”を政府に貸し付けた=”銀行は国債100”を買った)

                       

                      ”日銀当座預金100”の所有者が銀行名義から政府名義に代わる

                       

                       

                      だ府は”日銀当座預金100”を担保に”政府小切手100”を発行して、企業に”公共事業100”の支払いをする

                      (=政府に赤字が発生=財政赤字が発生=企業に黒字が発生)

                       企業は政府から”政府小切手100”を受け取る

                       

                      ゴ覿箸蓮廟府小切手100"を銀行に持ち込み、”預金100"と交換する

                       

                      Χ箙圓蓮廟府小切手100"を日銀に持ち込み、”日銀当座預金100"と交換する

                       

                      日銀は”政府小切手100”を政府名義の”日銀当座預金100"で決済する

                       

                       

                       銑Г鬚っつけると下図の通りです。

                       

                       

                       

                       いかがでしょうか?政府が国債を発行することで、財政赤字が生まれ、反対側で企業には黒字で預金が生み出されるというプロセスがご理解できるでしょうか?

                       

                       これがまさしく信用創造です。

                       

                       政府が負債を増やすことで預金が生み出されました。これは住宅ローンでも企業の設備投資による借り入れも同じです。

                       

                       多くの人は政府は、税金を集めて、その集めた税金を歳入とし、公務員の給料や公共事業は歳出として支出すると考えているかもしれませんが、実際は公共事業などの政府支出は銀行預金で借りているわけではないのです。

                       

                       

                       というわけで今日は「公共事業などの政府支出は銀行預金で借りているわけではありません!」と題し、銀行預金を借りて政府支出をしているわけではないことに加え、政府支出によって預金が生み出されるというプロセスについてご説明しました。

                       

                       

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                      マスコミが報じないメキシコ国境で繰り広げられる麻薬戦争・人身売買

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                        JUGEMテーマ:安全保障

                        JUGEMテーマ:移民

                         

                         一昨日6/7(金)に「経済よりも安全保障を重視するトランプのメキシコへの関税戦略」と題して、メキシコ関税について取り上げました。その直後、トランプ大統領が6/8(土)に対メキシコ関税を見送るという報道が出たため、今日は「マスコミが報じないメキシコ国境で繰り広げられる麻薬戦争・人身売買」と題し、この問題を取り上げたいと思います。

                         

                         まずは日本経済新聞の記事をご紹介します。

                        『日本経済新聞 2019/06/08 18:24 対メキシコ関税、土壇場で見送り 再燃リスクなお

                         【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領は7日、メキシコからの全輸入品への関税発動を見送ると発表した。関税で脅すトランプ流「ディール」で譲歩を引き出し、自動車メーカーなどの供給網が寸断される事態は回避された。ただ米国への不法移民の流入が止まるかは不透明で、トランプ氏が再び関税を持ち出すリスクがある。産業育成など国家戦略に関わる中国との貿易戦争も激しく、世界経済の重荷は残ったままだ。

                         「メキシコが移民を食いとめる強硬な措置を取ることで合意した」。5%の関税を発動する10日の期限が迫るなか、欧州歴訪から帰国したトランプ氏はツイッターで宣言した。メキシコの提案を受け入れる代わりに関税発動を「無期限」で停止すると表明した。

                        両国の合意内容は(1)メキシコがグアテマラ国境付近に国家警備隊を配置し、メキシコ経由での不法入国を防ぐ(2)米国に不法入国して保護申請した移民をメキシコ側に戻して待機させる――などだ。トランプ氏は8日、「メキシコが大量の農産品を購入することで合意した」ともツイートした。

                         米国のメキシコからの輸入総額は2018年が3465億ドル(約38兆円)で、中国に次ぐ2番目の輸入相手国だ。メキシコにとって米国は輸出の8割弱を占め、関税がかかれば景気後退に入るとの懸念が浮上していた。

                         トランプ氏が5月30日に関税発動を表明すると、メキシコ政府は外相ら閣僚がワシントン入りし、米政権や議会幹部に譲歩案を持ち込んだ。7日に関税回避が決まると、「忍耐強く交渉したことが結果に結びついた」(メキシコの有力経済団体)と安堵のムードに包まれた。

                         米国も中国のみならず、メキシコとも貿易戦争に突入すれば副作用は免れない。対メキシコ輸入の4割弱を占める自動車など産業界や議会は反対に回った。米国とメキシコにまたがる供給網が寸断されれば、業績悪化は避けられない。米産業界は関税回避を歓迎するとともに、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定の早期批准を促す構えだ。

                         日本の自動車大手幹部は「ほっとした」としつつも、「関税を巡る突発的な動きが今後もあると思うと頭が痛い」との本音をもらす。

                         トランプ氏は関税カードを切ることで、メキシコ政府から移民対策を巡る譲歩を引き出した。20年の米大統領選の再選に向け、自らの成果として有権者にアピールするのは確実だ。

                         ただメキシコの対策が効果を上げるかは読めない。国家警備隊は創設されたばかりで、すぐにグアテマラ国境付近に6千人規模の部隊が送れるわけではない。共同声明には、期待した効果が得られなかった場合は追加措置を検討すると明記した。移民対策の実効性が伴わないと判断すれば、「タリフマン(関税男)」を自称するトランプ氏が再び強硬手段に打って出るリスクも捨てきれない。

                         

                         

                         上記記事の通り、6/10(月)から発動予定だった対メキシコ関税について、トランプ大統領が見送ることになりました。

                         もともとは明日6/10(月)にメキシコに対して関税5%をかけるということで、世界は大騒ぎすることになったのですが、トランプ大統領は現地日時6/7(金)、日本時間では6/8(土)の朝方、ツイッターで関税をかけることについて、無期限で中止すると発表しました。

                         

                         記事にも記載されていますが、メキシコ政府の外相などの閣僚がワシントンDCに来ており、彼らはペンス副大統領とポンペオ国務長官らと協議し、不法移民問題で合意したとされています。

                         

                         その合意内容の中身とは、メキシコ政府が不法移民を取り締まる警察官の数を増やし、米国の警察との連携するという内容で、6/4(火)から始まっていたようです。

                         

                         具体的には米国の警察が、不法移民の隠れ家を探す方法や、検問設置方法などのノウハウをメキシコ警察に教えるという内容が始まっているとのこと。

                         

                         もともとメキシコより南のグアテマラなどの国々から、アシュラム・シーカーズ(asylum-seekers)という不法移民の保護施設に収容されることを求める人々が大量にメキシコに流入しています。そうした人々らは、米国の設備が優れた保護施設に入ろうと国境を渡ってくるのですが、中には麻薬の運び屋が混ざっていて、大量に入ってくる不法移民の中から、麻薬の運び屋を見抜くのは至難の業といえるでしょう。

                         

                         そこで米国の警察がメキシコ警察にノウハウを教え、メキシコ政府も不法移民を取り締まる警察官を増やすということで、米国・メキシコの両政府が本気で不法移民について対策をやろうとしているとすれば、それは歓迎すべき方向だと私は考えます。

                         

                         何しろ、トランプ大統領の対メキシコ関税の狙いの一つとして、米国で麻薬を売ることで巨額の利益を上げている麻薬密売組織から、米国市民を守りたいということはあるでしょう。

                         

                         ところが、中南米のグアテマラなどから北上してメキシコに入国した移民が米国に入ってくるというの実態について、日本のマスコミは全く報じていません。少なくても日本経済新聞の記事からは、全く読み取れません。

                         

                         またもう一つ麻薬問題と別の大きな問題として、ペドファイリング(小児・幼児を対象とした性的愛好者)問題というのがあります。

                         

                         日本ではあまりなじみのない問題なのですが、米国国内にはペドファイリングという異常者が、富裕層を中心に多数いるようで、そうした富裕層ら向けに、メキシコの小さな子供たちを国境越えさせ、人身売買が行われているのです。

                         

                         このことはニューズウィークなど、米国のマスコミでは取り上げられていますが、日本のマスコミは一切報じていません。

                         

                         ドイツのメルケル首相がシリア難民を無制限に受け入れると宣言した2015年の年の大晦日に、ケルン事件という大量の婦女暴行事件が発生したことも報じておらず、私はマスコミに対して大変憤りを感じているのですが、このペドファイリング問題や麻薬問題を報じないこともまた怒りを感じます。

                         

                         トランプ大統領は、こうした麻薬問題、ペドファイリング問題を解決すべく、関税引き上げというものを武器を使って、メキシコ政府を動かしたともいえます。

                         

                         メキシコへの関税中止は、未来永劫続くか?不明です。

                         

                         しかしながら、不法移民に対する対策の実効性がなければ、経済よりも安全保障を重視するトランプ大統領は、容赦なく関税で脅すなり、実際に関税をかけていくことになるでしょう。そして結果的に米国経済にとっていい方向に向かうことになるでしょう。

                         

                         ところが日本経済新聞の記事もそうですが、トランプ大統領のやり方が強引すぎるなど、非難のコメントやネガティブな論説が多い。実際に中国やメキシコはルールを守らず、米国の国益を脅かし続けてきました。

                         

                         ルールを守らない相手に対して、トランプ大統領は容赦なく関税という武器を使い、結果的に米国の言うことを聞かせ、米国国民ファーストの結果を出しています。

                         

                         それと比べて日本の総理大臣安倍首相は、総理在任期間が歴史的な長さになりつつあるものの、それに見合った結果を出しているでしょうか?

                         

                         トランプ大統領は、失業率も3.8%と過去50年間で最低水準にまで引き下げ、実質賃金は年率2.8%の上昇と、経済でも成果を出していますが、マスコミは全く評価せず、報道しない。そして日本人は「トランプさん!勘弁してよ!」みたいな言説が蔓延っています。

                         

                         それどころか日本では実質賃金の数値を改ざんしたり、2019年1月〜3月のGDP速報も、プラスとなったものの、輸入激減で景気がめちゃくちゃ悪いという状況で、安倍政権の経済運営は全く成果が出ていないのですが、「いざなぎ越え景気」などと報じているのが日本です。

                         

                         そもそも今回のメキシコ問題について、移民対策を放置していたメキシコ政府について、マスコミが全く報じず、メキシコ国境では麻薬戦争やペドファイリング人身売買問題が絡む問題であることも日本のマスコミは全く報じていません。

                         

                         メキシコ以外の中南米の国から不法移民がメキシコに不法入国し、そしてメキシコ政府は簡単に許し、しかも米国を目指して北上する不法移民に対してメキシコ政府は何もしてこなかったのです。米国民ファーストを掲げるトランプ大統領にとっては、関税の措置は当然の帰結ともいえるでしょう。この件は、全面的にメキシコが悪いと思うのは私だけでしょうか?

                         

                         いずれにしても、中南米の麻薬戦争もペドファイリング問題も、ぜひ解決していただきたい大変な事案だと思いますし、メキシコへの関税引き上げをチラつかせて、結果的にメキシコ政府が動くならば、それはいい方向であると私は思います。

                         

                         

                         というわけで今日は「マスコミが報じないメキシコ国境で繰り広げられる麻薬戦争・人身売買」と題して論説しました。

                         日本経済新聞は読むに足らない新聞だと私は考えます。経済新聞という名前がついているものの、経済については全くの無知であって、トランプ大統領の経済の成果を正しく報じるべきです。

                         またメキシコの国境問題についても、麻薬問題・ペドファイリング問題も絡めて報じていただかないと、日本の国民のみならず、世界の人々らが、トランプ大統領は単に異常で頭がおかしいという印象を持つだけになってしまいます。

                         今一度、マスコミは真実を報道しなければ、その存在価値すらないものと、改めて思った次第です。

                         

                         

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                        デフレ放置では銀行というビジネスは成り立たない

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                           今日は「デフレ放置では銀行というビジネスは成り立たない」と題して論説します。

                           

                           下記は朝日新聞の記事です。

                          『朝日新聞 2019/05/19 22:00 地方銀行7割が減益 収益モデル崩れ、日銀への恨み節も

                           地方銀行の経営が厳しさを増している。全国の地銀の2019年3月期決算を朝日新聞が集計したところ、最終的なもうけを示す純利益が全体の7割で減っていた。人口減で資金需要が先細るうえ、アベノミクスによる超低金利政策で金利収入は減少の一途。経営改善のため、支店の削減や手数料値上げなど、利用者へのしわ寄せも広がる。

                           全国の地銀のうち、19日までに決算が未発表の但馬銀行(兵庫)を除き、102行分を集計した。最終的なもうけを示す純利益(単体)は、7割の72行が減益・赤字転落。一般企業の売上高にあたる経常収益(同)は全体の6割が減っていた。赤字は、不動産向け融資の不正があったスルガ銀行(静岡)と第二地銀の大正銀行(大阪)だった。

                           第一地銀(63行)と比べ、規模の小さな第二地銀(39行)は減益企業の比率が高い。地域別では、甲信越(新潟・山梨・長野)は6行中5行、四国4県は8行中7行がそれぞれ減益になった。一方で、観光や建設関連の産業が堅調な沖縄は3行中2行が増益だった。

                           多くの地銀に共通するのは、高齢化で預金が積み上がる一方で、人口や企業が減って成長見込みのある貸出先が少ない苦境だ。アベノミクスによる異次元の金融緩和で超低金利政策が続き、追い打ちをかける。金利収入は減少の一途で、地銀が取引先に貸す際の金利は1%を切る。

                           「名古屋金利」とも呼ばれ、低金利競争が激しい東海地方に至っては「金利ゼロで貸す地銀もある」(地銀関係者)ほど。お金を貸して利息を受け取る銀行の収益モデルが、成り立ちにくくなっている。

                           地銀からは日本銀行への恨み節も聞こえる。西日本フィナンシャルホールディングス(福岡)の谷川浩道社長は「当初は短期間ということで(16年から)マイナス金利政策が導入されたが、時間が経ち、金融機関の多くはへたりこんでいる」と嘆く。日銀は少なくとも20年春ごろまで超低金利を続ける構えで、地銀には「冬の時代」が続く。(後略)』

                           

                           

                           上記は朝日新聞の記事ですが、地銀の経営環境は苦しく、7割ものが減益となったとのこと。

                           

                           記事の見出しでは「日銀への恨み節も」とありますが、日銀を恨んでも仕方がありません。デフレなので金融緩和は必須です。負債の増加を伴わない財政出動では、経済のパイが増えることになりません。デフレ脱却のためには「金融緩和」と「財政出動」のポリシーミックスしかありません。

                           

                           その意味では私は「財政出動」をしない安倍政権を批判していますが、「金融緩和」の継続は必要との立場であり、朝日新聞の見出しの「日銀を恨む」というのはお門違いと言わざるを得ません。

                           

                           ”金融緩和すればデフレ脱却できる”という言説は、いわゆるリフレ派と呼ばれるもの。既に第二次安倍政権が誕生して6年以上が経過しますが、2013年こそ財政出動したものの、その後は緊縮財政をやっているため、「金融緩和」だけでは当然にデフレ脱却ができないという状況が続いています。そしてデフレを放置すると、当然のことながら銀行の経営が苦しくなります。

                           

                           また、人口減少による資金需要の先細りと日銀によるマイナス金利政策の影響で、経営には一段と厳しさが増しているとありますが、マイナス金利政策の影響で貸出金利が押し下げられて、地銀の痛手になっているという言説でいえば、前段の「人口減少による資金需要の先細り」というのがウソ・デタラメです。

                           

                           人口減少と資金需要の増減は、全く相関関係はありません。資金需要の増減は、需要があるかないか?であり、経営者がお金を借りて投資するしないの経営判断するときに考えることは、金利が安いからでもなければ、法人税が安いからということではありません。需要があるかないか?です。

                           

                           銀行のビジネスモデル、即ち銀行はどうやって利益を上げるでしょうか?

                           

                           当たり前ですが、貸し出しを通して金利で儲けます。昨今は金利で稼げないからフィービジネスということで、投資信託や保険の窓販に力を入れる銀行が多いですが、銀行の本業は貸し出しで儲けるということに他なりません。

                           

                           闇金ウシジマくんという漫画がありますが、例えば100万円貸して10日で5割の金利を払うとなれば、お金を貸すだけでぼろ儲けができます。実際は10日で5割ではなく、2%とか3%とか4%とかで課して儲けるというビジネスモデルです。

                           

                           ところが今、誰もお金を借りようとしません。なぜならばデフレだからです。

                           

                           デフレとは、モノ・サービスの値段を値下げしないと売れにくい環境であるため、お金を借りてまでして在庫を仕入れる、設備投資をするということが困難なのです。モノ・サービスの価格を値下げすれば、売上は減少となるため、借入金の返済が難しくなるリスクがあります。一方でモノ・サービスの価格を値下げせず、むしろ緩やかな物価上昇となっている環境では、相対的に借入金の元本の価値が減少するのみならず、売上が増加によって粗利益が増加しやすくなるため、借入金の返済は容易になります。

                           

                           今後の将来見通しが明るくなり、物価も緩やかな上昇するならば、経営者はお金を借りやすくなりますし、お金を借りて投資しようとします。法人税がいくら安かろうが、どれだけ金利が低かろうが関係なく、経営者は、値段の価格という名目需要と、個数がさばけるか?サービスをたくさん数多く買ってくれるか?という実質需要に着目し、経営判断をするのです。

                           

                           このようにして需要があれば、お金を年率3%で1000万借りて投資し、例えば3年くらい後で1500万儲かって、金利を単利で90万払っても410万は手元に残る(儲かる)から、投資しようと判断する。これが資本主義の姿です。

                           

                           銀行経営が苦しいのはデフレだからであり、デフレであれば銀行は死ぬしかありません。銀行というものは聞こえはいいですが、やっていることは消費者金融と似ていて、お金を貸して儲けるというビジネスモデルであり、お金を借りても失敗しやすいデフレではお金借りても大損するだけなのでお金を借りようとはしないのです。

                           

                           しかもこうした状況にもかかわらず、2019年10月消費増税10%を実行しようとしています。ウォール・ストリート・ジャーナルの記事もご紹介します。

                           

                          『ウォール・ストリート・ジャーナル 2019/05/20 05:53 日本の銀行さらに弱体化か 消費増税なら再び試練

                           日本の銀行は同国経済の枠組みの中で、最も影響を受けやすいぜい弱な存在だ。安倍晋三首相が消費増税の断行を主張しているが、増税でさらに弱体化しかねない。

                           格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは16日、日本の銀行の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。政策金利を小幅なマイナス圏に維持している日銀が引き下げの主因だ。

                           日本の金利は、経済成長が比較的弱いため、低水準にある。これは、10月に予定されている消費税の2%引き上げにより悪化の一途をたどるであろう問題だ。

                           低金利は日本国内の利ざやを縮小させ、銀行の融資収入を圧迫している。ヘッジファンド、ホースマン・キャピタルのポートフォリオマネジャー、シャノン・マコナヒー氏は、地銀が手掛ける新規融資の金利は、損益トントンに必要な業界の水準をはるかに下回っていると指摘する。同氏は日本の地銀に対して空売り派だ。

                           日銀当局者は窮地にある。政府が前回消費税を引き上げた2014年には、増税が景気回復の腰を折った。日銀はこれを受け、野心的な債券買い入れプログラムをさらに拡大して対応した。しかしながら、低金利が要因となり、今回はそのような対応が行われる可能性は極めて低いだろう。今年に入り日銀の副総裁に就任した雨宮正佳氏は、とりわけ銀行の収益性を巡る懸念を声高に唱えている。

                           日銀が何をしようとも、日本の銀行は打撃を受ける。何ら介入がなければ、日本経済は消費増税で減速するだろう。企業や家計への貸し出しを収益の柱とする地銀は、特に影響にさらされやすい。日本はすでに、中国景気の悪化による余波に苦しんでいる。

                           株式投資家にとっては、日本の地銀のぜい弱性は目新しい材料ではない。安倍氏が首相に就任した2012年末以降、一段と拡張的な経済政策が実施されたことで、日本株全体ではおよそ50%値上がりした。地銀に限ると、同期間に10%値下がりしている。

                           しかし、日本政府が消費増税を断行すれば、同セクターの問題は悪化する一方だろう。そして、日銀ができることは何もない。

                           

                           

                           記事にある通り、消費増税で日本経済は弱体化、あるいは銀行セクターの経営問題はさらに悪化するとの指摘、全くその通りです。

                           

                           地銀の経営基盤が弱くなっているということで、金融庁は地銀の合併を推進していますが、それは問題の根本的な解決でなく、むしろ問題の先送りです。地銀同士が合併しようと、メガバンクと合併しようが、”デフレではお金を借りない”ことに変わりなく、消費増税はデフレを悪化させるだけだからです。

                           

                           マイナス金利とか人口減少による資金需要の先細りなどという朝日新聞の言説は全く関係ありません。デフレ放置であるがゆえに銀行のビジネスモデルが成り立っていないということを指摘しなければなりません。

                           

                           

                           というわけで今日は「デフレ放置では銀行というビジネスは成り立たない」と題して論説しました。

                           

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                             今日は「経済よりも安全保障を重視するトランプのメキシコへの関税戦略」と題して論説します。

                             

                             2019/05/30朝方、トランプ大統領はメキシコに対する関税というツイッターを放ちました。中国に対する貿易戦争を吹っかけると思いきや、今度はメキシコです。具体的にはメキシコの輸入品に対して5%の関税をかけるとツイッターで発表しました。

                             

                             なぜトランプ大統領がメキシコの輸入品に対して関税をかけることにしたか?といえば、メキシコ国境からの不法移民問題です。

                             

                             トランプ大統領にとって、メキシコ国境問題は、自身がメキシコに壁を作るといって取り上げてきた大きな問題です。この問題に対してメキシコ政府が対処していないことに対する制裁として関税をかけることを表明したのです。さらにトランプ大統領は、メキシコ政府が不法移民問題に対応しなければ、段階的に関税を引き上げ、10月に関税を最高の25%に引き上げるとしています。

                             

                             米国とメキシコは、もともとカナダを含めた北米貿易自由協定のNAFTAというものがあります。NAFTAはEUに似てグローバリズムの象徴であり、大企業やグローバリズム官僚やマスコミにとっては大変都合がいいものです。

                             

                             しかしながら中小企業、労働者、庶民にとってはNAFTAはグローバリズムそのものであり、トランプ政権が誕生して以降、米国政府はNAFTAの見直しに着手していました。

                             

                             そして2018/10/02、新たな米国・メキシコ・カナダの3か国間におけるNAFTA新協定「USMCA」を合意しました。

                             

                             まだ合意の段階で批准されていないのですが、理由はトランプが関税を使い始めたからです。中国に対しての貿易戦争以前に、トランプ大統領が関税を使い始めた発端は、鉄鋼とアルミニウムに対する関税でした。

                             

                             メキシコとカナダの鉄鋼とアルミニウムに対して関税をかけていて、その関税がかかったまま「USMCA」の協議だったので、カナダ議会、メキシコ議会が「USMCA」への批准に消極的で、鉄鋼とアルミニウムに対する関税は大きな障害となっていました。

                             

                             そこでカナダをメキシコは報復関税ということで、米国から輸入していた農畜産物に対して関税をかけました。米国の農家は、一番近くて一番たくさん買ってくれていたメキシコとカナダに関税をかけられて、苦しい立場でした。

                             

                             関税報復合戦をこの3か国でやっていたのですが、少し前、トランプ大統領は鉄鋼とアルミニウムの関税を撤廃したため、カナダ、メキシコ、米国のUSMCAを批准するための障害がすべてなくなり、これでやっと北米で安定的な貿易ができるようになったと思ってすぐ直後に、5/31突然トランプ大統領はメキシコに対して関税をかけることにしたのです。

                             

                             下記はロイター通信の記事です。

                            『ロイター通信 2019/05/31 14:23 対メキシコ関税、トランプ米大統領の無謀な戦線拡大

                            [サンフランシスコ 31日 ロイター BREAKINGVIEWS] - トランプ米大統領が貿易戦争で無謀な戦線拡大に踏み出した。30日、メキシコ国境からの不法移民流入に同国が十分に対応していないとし、6月10日以降メキシコからの輸入品すべてに5%の関税を課すと表明。移民の流入が止まるまで関税率を段階的に引き上げるとしている。

                             だが、米国は中国との通商交渉が停滞しており、追加の関税引き上げが発動される可能性もある。他国・地域との通商交渉もほとんど進展していない。

                             トランプ大統領は、メキシコとの休戦を宣言したばかりだった。同氏は今月、カナダとメキシコに対する鉄鋼・アルミニウム関税を撤廃すると表明。これにより、カナダ・メキシコ両国では、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の批准に道が開かれたとの見方が浮上していた。

                             しかし、今回の対メキシコ関税表明で、米国3位の貿易相手国であるメキシコがUSMCAの批准に動くかどうか不透明になった。メキシコは、鉄鋼関税を課された際と同様、報復措置に出るかもしれない。

                             特にメキシコは、豚肉、リンゴ、各種チーズなど米国の農産品を報復関税の標的にしている。昨年の米国からの輸入額は2650億ドルに達する。

                             さらに悪いことに、トランプ政権は、中国をはじめ他国との通商交渉が行き詰まっている。米政府は今月、中国が約束を撤回したとして、2000億ドル相当の中国製品に対する関税を10%から25%に引き上げた。また、中国からの全輸入品に関税を課す手続きにも着手している。

                             欧州連合(EU)や日本との通商交渉も、ほとんど進展していない。

                             貿易戦争の戦線拡大で、米国はすでに痛みを感じ始めている。トランプ政権は先週、米中貿易戦争の長期化で打撃を受けている農家を支援する160億ドルの救済策を発表。

                             共和党が実現した減税の効果が薄れる中、米連邦準備理事会(FRB)は、今年の国内総生産(GDP)伸び率の予想中央値を年率2.1%に下方修正した。

                             こうした事態に対しては、身内の共和党からも批判が強まっている。同党のチャック・グラスリー上院議員は、今回の対メキシコ関税について、関税権限の乱用だとの見解を示した。

                             トランプ氏は2020年の大統領選を見据えているのだろうが、ここまで戦線を拡大すれば、同氏も米経済も、戦争の負担に耐え切れなくなる。(後略)』

                             

                             

                             上記の記事はロイター通信の記事ですが、今回のメキシコへの関税について、ロイター通信は”無謀”とネガティブに報じています。

                             

                             それもそのはず、USMCAを批准する障害がなくなった矢先に関税をかけるということであるため、「これはおかしい!」と多くの人が思ったはずです。

                             

                             トランプ大統領にとって関税とは何なのでしょうか?

                             

                             私が思うところ、経済政策としてやっているのではなく、安全保障の政策として関税を使っているということを、改めて思います。もし経済政策として関税を使うのであれば、むしろ鉄鋼やアルミニウムの関税を撤廃し、メキシコと経済的にいい関係に向かわせ、自由貿易を謳歌する方向を選ぶでしょう。にもかかわらず、このタイミングでメキシコに関税をかけたのはなぜか?

                             

                             経済政策を考えれば、一番やるべきではないタイミングで一番やるべきではないことをやっているともいえます。それでもなぜメキシコに対して関税を引き上げるか?といえば、経済政策よりももっと大事なもの、それは国家の安全保障を守るためにやっていると思われるのです。

                             

                             中国に対しても同様です。対中国の貿易赤字を減らしたいという思いもあるかもしれませんが、それよりも、もう1段階高いレベルで、中国によって米国の技術が盗まれ、国家機密・軍事技術が盗まれるということ、これは国家安全保障上の危機であるということ、これが最大の理由だからこそ、関税を使っていると思われます。

                             

                             ファーウェイ制裁も、ファーウェイという会社を経済的につぶしたいというよりも、ファーウェイの部品などが消費財に組み込まれると、様々な機密が漏れるということを懸念し、ファーウェイ製品に対して関税で制裁をしているということに他なりません。

                             

                             となると全く同じ位置付けにされている日本とEUの自動車の米国への輸入の数について、トランプ大統領は「日本車とEUから来る車の輸入数、この恐ろしく多い数は、国家安全保障上の危機であるとしています。理由はGMやフォードがつぶれてしまうからです。

                             

                             トランプ大統領は米国民ファーストの元、GMとフォードを本気で守ろうとしていることがうかがえます。

                             

                             こうしたことを踏まえ、これから始まる日本と米国の貿易協議について、これは単なる経済的な問題ではないということを、メキシコに対する関税で日本政府は考えなければならないし、私たち一般国民も認識する必要があるものと私は思います。

                             

                             日本では、つい最近もジャパンディスプレイが官民ファンドが誘導して中国・台湾企業のコンソーシアムへの売却をしました。半導体のエルピーダメモリも守ることはしませんでした。東芝ですら、政府は資金を出して救済するということをしません。米国はリーマンショック、サブプライムローンのとき、リーマンブラザーズ証券は救済しなかったものの、AIGグループやシティーグループといった金融大手、あるいはGMやフォードといった自動車製造大手の経営危機の時も政府が資金を出して救済に乗り出しましたが、日本は特定の企業だけを救出することが不公平なのか?政府の介入が自由競争に反するということなのか?そのまま放置プレーです。

                             

                             いかに安全保障や技術流出を危惧することよりも、今お金を出すのを躊躇し、お金を貯めることだけを考えて安全保障へのコストは極力引き下げようとしている。これでは日本はデフレ脱却もできず、発展途上国化が進み、技術開発もできず自然災害が発生しても多くの人が直接被害で命を落とし、物資が届かないなどの二次災害でさらに多くの日本国民の命が脅かされる。発展途上国とは、まさにそういうことです。

                             

                             トランプ大統領の政策は経世済民に適っている一方、日本の当局の政策は日本国民の安全保障や経世済民について真剣に考えているとは思えません。

                             

                             

                             というわけで今日は「経済よりも安全保障を重視するトランプのメキシコへの関税戦略」と題して論説しました。

                             経済よりも安全保障が大事というのは全くその通り。安全保障が確立されていないところに経済や経営は成り立ちません。お金をいくらたくさん持っていようが抱えていようが、無政府状態のリビアでビジネスをしたり、生活するのは極めて困難です。

                             日本の中枢にいるお偉方の人らも、目先の金儲けや目先のお金よりも、安全保障を重視していただきくということを、より政府が鮮明に打ち出していただきたいものと私は思うのです。


                            日本の携帯電話業界と5Gについて

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                               今日は「日本の携帯電話業界と5Gについて」と題して論説します。

                               

                               5Gといえば、米国のトランプ大統領のファーウェイ締め出しのニュースもまた5G関連ニュースなのですが、日本政府の取り組みはどうなっているのでしょうか?

                               

                               5Gに関連して、KDDIと楽天モバイルが2023年度までに、スマホなどの携帯電話がつながらない圏外地域を解消するという報道がありました。これは過疎地に基地局を整備する計画を総務省に提出したというもので、総務省は補助金で過疎地の共同整備を促す方針です。

                               

                               山間部など人が住んでいるのに、大手キャリアの電波が届かない地域の電波環境の改善につながるため、非常に良い取り組みだといえます。

                               

                               さらに新幹線のトンネル内の圏外についても、全線が圏外から解消される予定とも言われています。

                               

                               携帯電話は単に通話機能だけではなく、お財布携帯や特急列車のチケットや航空券のチケットにもなり、いわば基礎インフラのようなものになっており、郵便局が郵便サービスを全国津々浦々サービスを提供しているが、ようやく携帯電話も郵便サービスと同じになろうとしているということになります。

                               

                               政府側も総務省が中心となって補助金を出すというのは、携帯電話サービスについてある意味で公共サービスと思っていることの証左ともいえ、これは便利になってよいことです。

                               

                               一方で5Gについては、総務省はNTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルに電波を割り当てました。4Gと比べて一定時間に100倍のデータ量を送ることができる高速大容量の通信サービスが2020年春から本格的に始まります。

                               

                               第5世代のファイブジェネレーションともいわれる5G技術は、最初の頃は日本が中心でした。5Gはファーウェイ封じなどと米中貿易戦争の要因の一つとなっている通り、韓国か?米国か?中国か?ということで、日本は中心ではなくなってしまっています。

                               

                               これもひとえにデフレを放置してきたことが要因で、技術開発投資が進まないということが原因です。

                               

                               イノベーションというのは需要に引っ張られて技術革新が進むものなのですが、20年間もデフレが続いている状況では、新しい次世代のモノを作ることができなくなってしまいます。

                               

                               次の6Gで日本が躍り出るというのは既に難しい状況であることに違いなく、デフレを放置してきたことで、日本の技術開発がここまで凋落してしまったということでもあります。

                               

                               少しずつダメになっていくというのは恐ろしいもので、気付いた時には手遅れというわけで、今から気付いてデフレ脱却しても、おそらく7Gくらいからやっと日本が勝てるか?どうかというところだと私は思います。

                               

                               5Gはスマートフォンに2時間の映画を3秒でダウンロードができるといわれ、利用者に大きなメリットがある一方、データ量が増えるため、通信料金は上がる可能性があります。

                               

                               日本の携帯電話料、通信料金は世界に比べて高いと言われていますが、先ほどのスマホの圏外地域解消のための基地局整備の投資がようやく行われようとしている状況であり、それ以外の基礎インフラの投資は圧倒的に遅れてしまっています。

                               

                               本来、基礎インフラにしっかり投資をしておけば、公共側でいろんな負担をすることで、民間がメリットを享受するというのが投資の基本的な形なのですが、「公共事業は悪!」ということで削減してきたツケが、こうして5Gで覇権を握る土俵にすら乗らないという形で表れてしまっているといえます。

                               

                               

                               というわけで今日は「日本の携帯電話業界と5Gについて」と題して論説しました。

                               公共事業でしっかりと基礎インフラを投資しておけば、民間投資を誘発し、5Gの覇権を日本が握っていたということも当然あり得た話です。そうすれば、料金の値下げ、安い料金での通話を可能にすることもできます。

                               無駄削減、コンクリートから人へ!など、公共事業を削減してきたツケが、こうした通信分野にも及んでいるというのは、大変残念なことと私は思うのです。


                              米国にとって安全保障上の脅威となっている日本とEUの米国への自動車輸出台数について

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                                 今日は「米国にとって安全保障上の脅威となっている日本とEUの米国への自動車輸出台数について」と題して論説します。

                                 

                                 トランプ大統領が中国のファーウェイを排除するということで、米中貿易戦争が激しさを増す中、日本やEUの自動車と自動車部品への関税についても注目する必要があります。

                                 

                                 なぜならばトランプ大統領は、ファーウェイを排除する理由について国家安全保障を損なうという表現をしているのですが、全く同じ表現を日本とEUに対しても使っているのです。

                                 

                                 ブルームバーグの記事をご紹介します。

                                『ブルームバーグ 2019/05/21 17:02 豊田自工会会長:トランプ大統領の判断「大変残念」−輸入車脅威論

                                 日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は21日、米国のトランプ大統領が輸入車や自動車部品を国家安全保障に対する脅威としたことについて「大変残念」に思うなどとする内容の声明を発表、日系自動車メーカーの米国での貢献が歓迎されないようなメッセージに業界として驚いていると表明した。

                                 豊田会長は声明で、米通商拡大法232条調査への判断に関してトランプ大統領が米国への輸入車や部品が国家安全保障に関する脅威と位置づけたことについて遺憾の意を表明。自工会の会員企業は累計約510億ドル(約5兆6000億円)を米国に投資して28州に生産拠点を持ち9万3000人以上の直接雇用を創出するなど米国社会に貢献しているとし「日系自動車メーカーの長年にわたる米国での投資と雇用への貢献が歓迎されないかのようなメッセージには日本の自動車産業として大変驚いている」と述べた。

                                 米商務省は自動車・同部品の米国への輸入を調査した結果、1980年代以降、米国の地場の自動車メーカーの市場シェアが低下し、安全保障が損なわれていると結論付けた。トランプ大統領はこれに同意すると言明。日本や欧州連合(EU)などから輸入する自動車・同部品への追加関税発動を180日延期し、合意に向けて交渉を進めるよう通商代表部(USTR)に指示した。

                                 これに対してトヨタは17日の米国での発表で、トランプ大統領の主張に反論。「われわれの投資が歓迎されていないとのメッセージをトヨタに送るものだ」と異例の強い表現で指摘していた。

                                 豊田会長は声明で、輸入車や部品が米国の安保上の脅威になることはないと確信しているとし、トランプ大統領にトヨタの思いを理解してもらい、日米両政府間の協議が両国の自動車産業や経済の発展につながる結果になることを強く願っているとした。

                                 

                                 

                                 上記記事はトヨタ自動車の豊田章男社長が、トランプ大統領の考えに対して遺憾の意を表明したというニュースです。

                                 

                                 私は別に「輸出で稼いではいけない!」というつもりはありませんが、輸出は他国の雇用を奪うということが起こり得ます。例え、豊田章男社長が、米国で雇用を創出して米国国内の経済に貢献しているとしたとしても、米国にはクライスラーやフォードといった米国発の自動車産業が存在します。クライスラーやフォードにとっては、技術力が高くかつ生産性が高いということで、価格競争もある日本の自動車は脅威に映るに決まっています。

                                 

                                 何が言いたいか?といえば、自国産業で自動車が作れない国ならば、トヨタ自動車の投資は歓迎されるでしょう。自国産業で品質は日本車並みとはならないものの、結果的にクライスラーやフォードといった米国の自国産の自動車産業がつぶれそうになるとなれば、米国ファーストを掲げるトランプ政権にとってはトヨタ自動車もファーウェイと同じに映るということは十分に考えられます。

                                 

                                 自動車産業における日米の関係は、1600年代のキャラコ産業における英国インドの関係を似ています。英国では産業革命による生産性向上も相まって、インド産のキャラコ産業と対抗する形で綿製品をインドに輸出しました。その際、軍事力を背景に関税をゼロにさせて輸出しました。

                                 

                                 結果、インドのキャラコ産業は大打撃を受け、ダッカ(今のバングラディッシュの首都)、スラート、ムルシダバードといった綿産業で栄えた都市は、綿布産業が壊滅状態となりました。そしてインド国民は貧困にあえぐこととなり、餓死者が多発して白骨死体の山ができたとのこと。英国のインド総督府が着任の際、高原に白骨が広がっている風景を見て嘆いたという話があるほど、インドは没落しました。

                                 

                                 輸出というのは、そういうものです。もし米国に自動車を作る技術がなければ、投資は歓迎されるでしょうが、それでもいずれ自国で作られるようになりたいと人は思うようになります。

                                 

                                 技術支援といえばそれまでですが、輸出を伸ばし続けるというのは、結果的に通商政策でその国と絶対に摩擦が生じます。最悪は、武力行使による戦争ということも普通にあり得るのです。

                                 

                                 記事の話に戻りますが、トランプ大統領は日本とEUの自動車と自動車部品の輸入への追加関税について、実施の判断を6カ月延長すると表明しました。とはいえ、日本とEUからの自動車の輸入台数は、米国の安全保障を損なうほど多いと述べています。

                                 

                                 米国政府が表現として用いている「国家安全保障を損なう!」という表現は、ファーウェイに対しても使っていますが、日本とEUに対しても同じ表現を使っています。

                                 

                                 オーストラリアやカナダやニュージーランドがファーウェイ排除に追随する一方、EUがファーウェイ排除に同調しないのは、この自動車問題があるからといえます。

                                 

                                 トランプ大統領がなぜ5月に来日したか?といえば、この自動車問題を交渉するために来たわけです。

                                 

                                 令和になって新しくなった天皇陛下に会うために来日したわけでもなく、大相撲で優勝力士に優勝カップを渡すことが目的で来日したわけでもありません。

                                 

                                 一番の目的は国家の安全保障を損なうほど、日本から米国への自動車の輸入台数は多すぎることについて、「何とかしろ!」と言うために来日したのです。

                                 

                                 

                                 というわけで今日は「米国にとって安全保障上の脅威となっている日本とEUの米国への自動車輸出台数について」と題して論説しました。

                                 米国のトランプ政権、そして米国議会は、ファーウェイ問題のみならず、日本とEUの自動車問題に対しても、自国の国家安全保障問題ということで言い寄ってきます。

                                 これは米国が本当に変わったということであり、従来のグローバリズムの発想で「一緒に儲かればいいじゃん!」という時代が終わったことを意味するものと私は思います。と同時にこれからは「反グローバリズム」「自国民ファースト」という厳しい時代になったといえますし、そのことを私たち日本人も自覚する必要があるものと私は思うのです。 


                                平成の災害と公共事業費について

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                                   令和が始まってから1ヶ月を過ぎました。今年も間もなく梅雨の時期が始まるでしょう。

                                   平成の最後の年、2018年は大阪北部地震に始まり、西日本豪雨、台風21号、台風24号、北海道胆振地震、酷暑と災害続きでした。そこで今日は「公共事業は無駄だ!」とする言説がいかに罪深いことなのか?改めて認識していただきたく「平成の災害と公共事業費について」と題して論説したいと思います。

                                   

                                   ある番組のインタビューで、平成はどんな時代だったか?アンケートによると昭和時代と比べて戦争がなくていい時代だったという回答が多く散見されました。

                                   私は戦争云々よりも、グローバリズムの進展によって日本的なものが破壊され、インフラはボロボロになって緊縮財政によって発展途上国化が進んで、他国と比較しても経済成長率で著しく後塵を拝した最悪の年だったのでは?と考えております。

                                   

                                   人為的な政策のミスは横に置いて考えたとしても、確かに平成は、明治、大正、昭和と違って戦争がない時代でした。しかしながらその一方で、地震・津波・豪雨・火山噴火などの自然災害の猛威に苦しめられました。

                                   

                                   1991年(平成3年)は雲仙普賢岳が噴火し、火砕流によって多くの犠牲者が出ました。そして1995年(平成7年)は阪神淡路大震災、2011年(平成23年)は東日本大震災が発生。平成最後の年は、熊本地震、北海道地震、豪雨、台風、猛暑(酷暑)と続きました。

                                   

                                   平成の災害について私は2つ指摘できると考えます。

                                   

                                   一つ目は明確に平成後半から地球温暖化の影響と思われますが、海水温・気温が上昇し、台風・大雨が発生しやすくなりました。暖かくなると海水温が上昇して蒸発し、大気中の水蒸気量はものすごい量になりやすくなっていると思われます。2018年の西日本豪雨では、すさまじい水蒸気量が日本列島の上空に上がり、それが全部西日本列島に落ちてきて、西日本豪雨が発生しました。その後も、同じ場所を台風21号、台風24号と大型台風が襲いました。

                                   

                                   少なくても海水温の上昇というのは、昭和時代にはなかったのではないでしょうか?

                                   

                                   確かに昭和時代にも伊勢湾台風などの大型台風はありましたが、これだけ連続して豪雨が発生するというのは温暖化の影響によるものといえるでしょう。

                                   

                                   二つ目は平成7年の阪神淡路大震災から、地震活動期に入ったと解釈する地震学者が多くいるようです。昭和時代は大きな地震がありませんでしたが、平成時代は大きな地震が、阪神淡路大震災以降、東日本大震災、熊本地震、北海道胆振地震と発生しました。 昭和時代も、昭和南海トラフ地震や新潟地震がありましたが、これだけ頻度があるということはなかったのではないでしょうか?

                                   

                                   結果、第二次安倍政権が2013年に発足して間もなく、国土強靭化基本法が成立しました。これは土木関係者らが、日本のインフラがメンテナンスをほとんどやっていないため、ヤバイと警鐘を鳴らしていたのです。

                                   

                                   その前の民主党政権では、「コンクリートから人へ!」と称し、地震とは別に八ッ場ダムの工事を止めるという暴挙をやりました。仮にも八ッ場ダムの工事を止めて、大洪水が発生したらどうなっていたのでしょうか?民主党政権はどう責任を取ったでしょうか?

                                   

                                   八ッ場ダムの工事にかけるお金は、明らかに政府支出として予算消化されるため、八ッ場ダム工事にかかわる予算の全額が、GDP3面等価の原則により「政府支出=生産=所得」となって経済成長し、税収増をもたらし、自然災害から国民を守るということで、設備投資がしやすい環境を生み出すなどの効果があったわけですが、民主党は「コンクリートから人へ!」として”子ども手当”という現金配布の政策をやりました。

                                   

                                   当然のことながら、子ども手当だろうが、○○手当だろうが、その金額のすべてが消費に回るとは限りません。住宅ローンや自動車ローンなどの借金返済や貯金に回った場合は、その金額分だけ経済成長が抑制されることになります。GDP3面等価の原則で考えれば、借金返済と貯金は、誰の所得も生み出さず、誰かの生産にも該当せず、消費に該当しないのです。

                                   

                                   2012年12月には、中央自動車道の笹子トンネルで天井が崩壊し、何の罪もない人が命を落としましたが、これはインフラ老朽化が原因です。

                                   

                                   公共事業こそ、日本を救う。それは所得や税収増をもたらすだけでなく、安心・快適な生活ができるよう生産性が向上して所得が増えるという点で、日本を救うだけでなく、デフレ脱却にも資するものです。

                                   

                                   一石二鳥どころか三鳥も四鳥もある公共事業。そのインフラの維持更新投資も同様の効果があります。

                                   

                                   ところがこれからは社会保障や教育にお金をかけることを優先すべきとして、インフラなんかにお金を使う必要はないとし、老朽化対策はもとより八ッ場ダムを含めた治水事業、地震対策など、こんなのはやらなくてよい!ということで「コンクリートから人へ!」のスローガンのもと、民主党政権ではインフラへの公共事業費を毎年7000億円も削減しました。

                                   

                                   公共事業を削減したということでいえば、小泉政権のときも毎年7000億円削減していまして、今の安倍政権もまた2013年のときこそ公共事業を増やしたものの、その後は削減し、リーマンショック以前の水準ですら予算を確保していないという状況です。

                                   

                                  <公債発行額の推移(1989年〜2017年)>

                                  (出典:内閣ホームページ掲載資料「平成29年度予算のポイント」から引用)

                                   

                                   

                                   上記は公債発行額の推移ですが、4条公債即ち建設国債は、ほとんど増やしていません。特例公債即ち赤字国債は増加傾向にあるものの、デフレ脱却できていないということから、赤字額をもっと増やさないといけないくらいデフレが深刻な状況ともいえます。

                                   

                                   いちおう昨年の2018年12月に、防災、減災、国土強靭化のための3か年緊急対策が閣議決定され、2020年までの3年間で7兆円を使うことになっています。

                                   

                                   具体的には7兆円は河川、砂防、道路、学校の耐震化に充当されます。最も重要なポイントは、7兆円というと大きな金額に聞こえるかもしれませんが、3か年緊急対策は、あくまでも緊急対策ということであって、ケガをしたところにバンドエードを貼る程度の話に過ぎないということです。

                                   

                                   本当にやらなければならない事業は、例えば南海トラフ地震の大津波、首都直下型地震に対する対策などがありますが、それらは全く対策に入っていません。あくまで2018年に大災害が続いたからバンドエードを貼っておこうというもの。そのため7兆円もお金をかければもう十分だ!ということではないのです。

                                   

                                   財務省は日本国民の敵といってもいいでしょう!その財務省は、3か年の緊急対策を終わったら、7兆円を普通にゼロにしようとしています。インフラに関する老朽化・強靭化対策でようやく1兆円積み増したものの、3年終わったら緊急対策7兆円は「ハイ!おしまい!」としてゼロにしようとしています。

                                   

                                   全くをもって「ふざけるな!」という話です。

                                   

                                   7兆円は、あくまでも2018年に続いた大災害に備えるための予算であり、国土の状況は全く強靭化されません。もっと抜本的な対策を4年目、5年目、6年目と継続しなければならないと私は思います。

                                   

                                   ところが財務省は削減する気が満々なので、「ふざけるな!」と言いたくなるのです。

                                   

                                   まず日本国民の生命が一番大事だと私は考えます。

                                   

                                   その後、起きて欲しくないですが、災害発生後、その被害を最小限に食い止めるということです。日本維新の会などは「ハード対策よりもソフト対策にシフト」などと言っています。そのような災害発生時の対策があるとなしとでは全く被害状況は変わるでしょうが、インフラが破壊されてしまったら大きな被害となる確率は高くなるわけで、老朽化したインフラへの整備投資は急務であるといえるでしょう。

                                   

                                   インフラさえ残っていれば、大災害が発生時に避難経路になるだけでなく、物資の輸送によって命を救うこともできます。

                                   

                                   とにもかくにもインフラが大事であり、「人よりコンクリートへ!」が、災害大国日本にとっては正しい道なのだと私は考えます。

                                   

                                   

                                   というわけで今日は「平成の災害と公共事業費について」と題して論説しました。

                                   緊縮財政を継続中の日本では、既に橋やトンネルが崩れかかっている場所が多数あります。デフレ脱却という経済もそうですが、人命を第一にするという点からも、財務省に対して、一刻も早く老朽化インフラに対する予算をしっかりとつけていただきたいものと、私は思います。

                                   

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                                  生産年齢人口減少のスピードが早い我が国こそ、インフラ投資が必要である!


                                  ファーウェイつぶしの目的は5G技術の覇権を取らせないためか?

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                                     トランプ大統領は5/10(金)00:00に、中国から米国への輸入品2000億ドル分(日本円で約22兆円分)に対して、関税25%をかけたという記事を、5/18の記事(日本はトランプ大統領の関税カードの使い方を学ぶべきです!)で取り上げました。

                                     

                                     それを第一弾とするならば、第二弾としてファーウェイつぶしという”もう一つの手”を打ってきました。これはトランプ政権が思い付きでやっているのではありません。とりわけ米国政権が2018年に入ってから、ファーウェイとZTE(中興通訊)排除をしてきたわけですが、孟晩舟CFOのカナダでの逮捕など、目の敵にされてきたファーウェイ。なぜ米国がファーウェイをそこまでしてつぶそうとしているのか?を論じたく、今日は「ファーウェイつぶしの目的は5G技術の覇権を取らせないためか?」と題して論説します。

                                     

                                     2019/05/16、米国の商務省は、米国の企業に対して政府の許可なく安全保障のリスクがある外国の通信機器を使ってはならないという発表をしましたが、これはファーウェイを指していました。

                                     

                                     下記はロイター通信の記事です。

                                    『ロイター通信 2019/05/17 07:18 米商務省、ファーウェイを規制リストに正式に追加 即日発効

                                    [ワシントン 16日 ロイター] - 米商務省は16日、米政府の許可なく米企業から部品などを購入することを禁止する「エンティティーリスト」に中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]と関連68社を正式に追加した。

                                     商務省報道官は、措置は直ちに発効するとし、日本やカナダ、ブラジル、英国、シンガポールなど20カ国以上にあるファーウェイ関連企業が含まれると述べた。

                                     商務省は、取引許可を求める申請は「推定却下」の方針に基づいて審査されるとした。

                                     貿易を専門とする弁護士ダグラス・ジェイコブソン氏は、商務省が取引を許可する可能性は極めて低いとの見方を示した。

                                     トランプ米大統領は前日、米企業が安全保障上のリスクがある企業から通信機器を調達することを禁じる大統領令に署名した。

                                     米国は、ファーウェイのスマートフォンや通信機器が中国政府のスパイ活動に使われていると主張している。

                                     米議会議員や政権当局者は、ファーウェイが米国のサプライヤーに依存していることを踏まえると、今後同社の製品販売に影響が及ぶと指摘している。

                                     前出のジェイコブソン氏は、ファーウェイに製品を販売している米企業にも影響が波及するとし、「ファーウェイへの締め付けを意図した措置だが、最終的には米企業も不利益を被る」と述べた。

                                     アナリストは、ザイリンクス(XLNX.O)など複数の半導体銘柄の目標株価を引き下げた。ザイリンクスは7.3%安で取引を終えた。クアルコム(QCOM.O)も4%下落した。』

                                     

                                     

                                     米国は2018年8月に、米国防権限法によって、米国政府や関係機関においてファーウェイとZTEの機器の使用を禁じましたが、上記のロイター通信の記事の通り、米国の企業にまで広げました。

                                     

                                     ファーウェイについては、様々な情報がありますが、東洋経済新聞社が2011年12月1日寄稿で、企業戦略という特集記事でファーウェイについて取り上げています。

                                     

                                     創業者は任正非(レン・ツェンフェイ)CEOですが、1944年に生まれ、建築関連の学校を卒業後、人民解放軍の工兵団(土木・通信を専門とする技術者部隊)に入団。最終的には副連隊長に相当する階級まで昇進しました。1987年に工兵団が解散され、解放軍の将校仲間とともに資本金2500ドルを元手にファーウェイを設立したとのこと。わずか30年で中国最大、世界有数の通信機器メーカーにのし上げたという点で、任正非は非常に立派な経営者であることは間違いないでしょう。

                                     

                                     その任正非の娘の孟晩舟(モウ・ワンシュウ)氏が昨年カナダで、イランとの制裁違反ということで逮捕され、今もなおバンクーバー近くで拘留されています。

                                     

                                     孟晩舟はファーウェイの副会長でCFOになっています。年間売上高は1,050億ドルと、日本円で11兆円もあります。しかも170か国に展開して社員は18万人います。

                                     

                                     日本でも2018年度の大卒を募集し、初任給40万円ということで大変な話題になりました。(「日本人が中国人を安い賃金で雇う」ではなく「中国人が日本人を安い賃金で雇う」時代へ!

                                     

                                     特にスマホは人気があります。例えば新宿のビックカメラとユニクロが合体化したビックロに行きますと、ファーウェイ製品がたくさん宣伝されているだけに留まらず、上りのエスカレーターでは、ステップにファーウェイの広告が掲載されているなど、ビックカメラはファーウェイ専門店か?と突っ込みたくなるほど、人気があります。(私は絶対に中国製品は使いませんが・・・。)

                                     

                                     人気がある理由の一つに、カメラの性能が良いという声があります。にもかかわらず、なぜこの会社が問題になっているか?といえば、民間企業である株式会社であるものの中国政府との関係が強いというのが、その批判の第一の理由です。

                                     

                                     先述の通り任正非自身、人民解放軍出身ということもあり、中国共産党のハッカーのためにこの会社を創設したのでは?という疑惑もあり、この会社自身が海外におけるビジネスを通じて、米国や日本の企業の知的財産権を盗んできたと言われています。

                                     

                                     日本でも名だたる企業が今もなお提携会社としてアニュアルレポートに掲載されています。具体的な企業名でいえば、京セラ、ジャパンディスプレイ、パナソニック、住友電工、村田製作所が挙げられます。「WIN−WINな関係で世界へ!」というスローガンのもと、こうした名だたる企業の技術を盗んできたのでは?という疑義があり、今もなお、盗み続けているのでは?ということも考えられます。

                                     

                                     しかもファーウェイは、中国共産党政府から巨額の補助金を受けています。

                                     

                                     巨額の補助金を受けているため、ファーウェイ製品は品質が良く低廉な価格で提供するわけですが、そこが批判されているのです。

                                     

                                     一方で会社の経営形態は、中国共産党のように閉鎖的ではなく、むしろ開放的で米国に近いとされ、従業員持ち株制度によって株主のほとんどが従業員であり、かつわざと非上場にしていることもあって、株主の顔色をうかがうことなく、利益のほとんどをR&Dにつぎ込むことができます。

                                     

                                    <ファーウェイの研究開発に関する指標>

                                    2016年度研究開発費:764億人民元(約1兆2,789億円)

                                    研究開発従事者数:約80,000人(全従業員の45%以上)

                                    研究開発拠点:15か所

                                     

                                     

                                     上記の研究開発費2016年の約1兆2,789億円は、日本でいえばトヨタ自動車の研究開発費に匹敵します。トヨタ自動車の2018年3月期における研究開発費は、1兆642億円でファーウェイよりも低いです。

                                     

                                     2018年3月期の数値ですが、下記を参考にしてください。

                                     

                                    トヨタ自動車:1兆642億円

                                    NTTドコモ:917億円

                                    KDDI:201億円

                                    武田薬品:3,254億円

                                    京セラ:582億円

                                    信越化学:517億円

                                     

                                     いかがでしょうか?1兆2,789億円という研究開発費は突出しています。これは株主に配当する必要がなく、その分を投資につぎ込めるということで、非上場にしていることは、その一因といえるでしょう。

                                     

                                     ファーウェイは写真のスペックで人気があると述べましたが、一番の売りは次世代通信規格5Gです。そして、2012年米国の下院議会の情報委員会が1年かけて、ファーウェイとZTEの2社を調査しました。

                                     

                                     その結果、2社が米国の技術を盗み、中国政府から補助金を得てアンフェアな競争をしていると指摘。この2社は米国の安全保障上の脅威であると断定したのです。

                                     

                                     今回、トランプ大統領はファーウェイ排除の理由に、国家安全保障上の脅威であるという言い回しをしていますが、それと全く同じ言い回しを2012年に米国議会が使っているのです。

                                     

                                     米治安当局筋によれば、2012年前後、ファーウェイは米国内施設に電子装置による盗聴が不可能な機密保持の部屋が儲けられていることが発覚。世界の情報当局の施設にある設備と似通ったものであり、米国が警戒感を強める一因となりました。

                                     

                                     そうした過去の事件は、直近でもウォールストリートジャーナルが2018年12月24日報じています。それによれば、アメリカのフットボールチームのレッドスキンズが、TwiiterでファーウェイとフリーWi-Fiの供給契約を結んだと発表。対中経済安全保障検討委員会のメンバー、マイケル・ウェッセル氏は、別の委員会メンバーと協議し、中国メーカーによる供給をストップさせました。

                                     

                                     何しろNFLのVIP観戦のスイートルームには、著名人や政府関係の要人も利用します。フリーWi-Fi契約をファーウェイと結べば、そうした人らの会話などの情報が洩れる可能性は極めて高い。米国政府の要請で、レッドスキンズはフリーWi-Fi設備の供給メーカーを他の企業に変更しましたが、適切な判断といえるでしょう。

                                     

                                     このように米国側はファーウェイに対してかなり前から直近までずっと警戒をしていたのです。そして今回正式にトランプ大統領がファーウェイを締め出し、排除するという決定を下しました。

                                     

                                     しかも米国のみならず、米国の友好国に対しても同じ対応を求めるということを始めました。既にオーストラリアやカナダやニュージーランドが同じ対応をする旨を決定している一方、欧州は従っていません。理由は欧州とアフリカは4G機器が相当普及していて、他社と互換性がないために既にファーウェイの4Gを選んでいる欧州とアフリカは5Gにおいてもファーウェイしか選べなくなってしまうというのが、その理由のようです。

                                     

                                     なぜファーウェイの機器がそれだけ広がっているのかといえば、政府の補助金が入って安くなっているからです。グローバリストらが好きな自由貿易といっても、中国のように政府の補助金が入った状態で自由貿易となれば、たちまち価格競争で日本のメーカーは勝てないでしょう。

                                     

                                     といって日本の電子部品メーカーは、消費財メーカーに供給せず、京セラや村田製作所のようにファーウェイに供給し、しかもその技術が盗まれ続けていて、日本人が気付いていないとしたら、我が国は相当安全保障に対して鈍感といえます。

                                     

                                     当局が本来、規制すべきところ、「自由貿易が正しい」と馬鹿の一つ覚えで、そうした規制をかけるという声も出さない。「中国と仲良くやれば利益が稼げる」という発想で、日本の安全保障など二の次という思考回路になっているとしか私には思えません。

                                     

                                     5Gは私たちの日常では、3時間の動画が3分で早くダウンロードができるくらいに思っている日本人が多いと思いますが、それ以上に軍事分野において、5Gの覇権を制すものは軍事を制すという実態があり、米国は安全保障上の危機感を感じて、今回のファーウェイ締め出しの判断を下したものと思います。

                                     

                                     

                                     というわけで今日は「ファーウェイつぶしの目的は5G技術の覇権を取らせないためか?」と題して論説しました。

                                     

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                                       今日は「反論になっていない財務省の”増税不要論”への反論」と題して論説します。

                                       

                                       まずは共同通信の記事をご紹介します。

                                      『共同通信 2019/04/17 19:01 財務省「増税不要」に反論 13年ぶり地方公聴会を5月に

                                       財務省は17日、国有財産の売却や積極的な財政出動といった増税に頼らない手法で政府債務の解消を目指す、いわゆる「増税不要論」への反論をまとめた。10月からの消費税増税に向け、インターネット上などで盛んに活動している増税反対派に対抗した。増税の理解を得るため13年ぶりとなる地方公聴会を5月に開く。

                                       財務相の諮問機関「財政制度等審議会」の分科会に同日、財務省が提出した資料によると、道路やダムといった国の財産の多くは売却が難しく、政府の借金返済には充てにくい。

                                       積極的な財政出動でインフレを起こし国の借金を帳消しにする「シムズ理論」は、「現実的ではない」と断じた。

                                       

                                       

                                       上記共同通信の記事について下記1〜4の順で論説します。

                                       

                                      1.シムズ理論とは?

                                      2.財務省が誤解していることとは?

                                      3.MMT理論とその批判論について

                                      4.MMT批判論に対する反論

                                       

                                       

                                       

                                      1.シムズ理論とは?

                                       

                                       上記は「シムズ理論」への批判という書き方になっていますが、実際はMMT理論(モダンマネタリーセオリー)への批判とすり替えていると思われます。MMT理論の破壊力がすさまじく、MMT理論をシムズ理論にすり替えて批判していると私は考えます。

                                       

                                       シムズ理論は、2011年にノーベル経済学賞を受賞したクリストファー・シムズ氏による理論で、記事では、積極財政をすることでインフレを引き起こし、実質的な借金の価値が減るという趣旨で取り上げられています。

                                       

                                       しかしながらシムズ理論は、通貨発行権を持つ日本政府と、中央銀行である日本銀行を、統合政府ととらえる点は、事実であって優れた考え方です。なぜならば、日本政府と日本銀行と統合政府として考えますと、実質的に返済しなければならない政府の負債(日本国民への返済)は減少していることになるからです。

                                       

                                       日本銀行はJASDAQに上場しており、55%の株式を日本政府が保有します。そのため、日本銀行の親会社は日本政府ということになり、日本政府にとって日銀は連結子会社となります。連結子会社の日銀が、親会社の日本政府が発行した国債を買い取るとなれば、その債務は帳消しになります。

                                       

                                       これはある会社において本店と支店の取引があった場合、連結損益計算書作成時に相殺したり、CMS(キャッシュマネージメントシステム)で、子会社が親会社からお金を借りるという取引があった場合、連結貸借対照表作成時に相殺するということと、全く同じです。

                                       

                                       

                                       

                                      2.財務省が誤解していることとは?

                                       

                                        すり替え論と思われるのは、 先述の共同通信の記事にある「道路やダムの売却が難しく、政府の負債の返済に充当できない」という言説も同様です。政府の借金=政府の負債(Government Debt)は、政府が借り入れているものであって、日本国民が銀行預金や生命保険・損害保険・社会保険料などを通じて日本政府に貸し付けているものであって、国民一人当たり800万円の貸付金が生じているのです。

                                       

                                       そもそも財務省は次の点を誤解しています。

                                      ●政府の目的は財政健全化でもなければ緊縮財政推進でもない

                                      ●財政健全化の定義は「政府の負債を減らすこと」ではなく、政府の負債対GDP比率を引き下げること

                                       

                                       財務省設置法第3条には「健全な財政の確保」というのが明文化されていますが、消費増税で実質賃金が下落して貧困化が進み、生活が苦しくなって自殺者が増えるということがあっても、明文化されている「健全な財政の確保」がゆえに増税や緊縮財政(公共事業削減など)を推進するとするならば、これは「個人の尊重、生命・自由・幸福追求の権利の尊重」と明文化している憲法13条と齟齬が生ずるものと私は思います。

                                       

                                       そして財政健全化の定義は「政府の負債を減らすこと」ではなく、政府の負債対GDP比率を引き下げることです。もし日本政府が「今日以降、日本政府の財政と日本銀行を統合して扱います!」と宣言してしまえば、それだけで財政健全化が達成されたことになり、デフレ脱却に向けた財政拡大の障害は普通になくなります。

                                       

                                       ところがそうなると困る人たち、即ち財務省やマスコミなどこれまで財政破綻を煽ってきた人々らにとって不都合なことが生じます。不都合なこととは何か?といえば、消費増税はやる必要がなく、公共事業を削減するといった緊縮財政も、間違っていたということになります。要は「今まで主張してきたことは間違っていました!ゴメンナサイ!」ということになり、自分たちの立場・メンツが丸つぶれになるのです。

                                       

                                       同じようにMMT理論についても、彼らにとっては自分たちの存在を揺るがしかねないヤバイ理論であるため、猛烈なMMT理論批判をしています。

                                       

                                       

                                       

                                      3.MMT理論とその批判論について

                                       

                                       そのMMT理論は、ニューヨーク州立大学のステファニー・ケルトン教授が提唱している理論で、本ブログでも最近取り上げている話題の一つです。MMT理論の要点は、端的に下記の3つです。

                                      ー国通貨建ての債務について、ミクロ経済学でいう予算制約は受けない

                                      ∩瓦討旅餡箸蓮∪源困伴要について実物的な限界という制約を受けることはあり得る

                                      政府の赤字は民間の黒字である

                                       

                                       にもかかわらず財務省は上記 銑に対する反論と関係のない反論をしています。具体的には2019/04/17に財務省はMMT理論への批判について、24ページにもわたる資料として関係者に配布しています。

                                       

                                       その中で、MMT理論への批判の言説をたくさん取り上げています。一部を抜粋して原文を皆様にご紹介します。

                                       

                                      ■2019年3月15日 黒田日銀総裁会見

                                      MMTというのは、最近米国でいろいろ議論されているということは承知していますが、必ずしも整合的に体系化された理論ではなくて、いろいろな学者がそれに類した主張をされているということだと思います。そのうえで、それらの方が言っておられる基本的な考え方というのは、自国通貨建て政府債務はデフォルトしないため、財政政策は、財政赤字や債務残高などを考慮せずに、景気安定化に専念すべきだ、ということのようです。

                                       

                                      ■ポール・クルーグマン ニューヨーク州立大学、経済学者 2019年2月12日 ニューヨークタイムスへの寄稿

                                      債務については、経済の持続可能な成長率が利子率より高いか低いかに多くを左右されるだろう。もし、これまでや現在のように成長率が利子率より高いのであれば大きな問題にならないが、金利が成長率より高くなれば債務が雪だるま式に増える可能性がある債務は富全体を超えて無限に大きくなることはできず、残高が増えるほど、人々は高い利子を要求するだろう。つまり、ある時点において、債務の増加を食い止めるために十分大きなプライマリー黒字の達成を強いられるのである。

                                       

                                      ■ジェローム・パウエル FRB議長 2019年2月26日 議会証言

                                      自国通貨で借りられる国にとっては、赤字は問題にならないという考えは全く間違っている(just wrong)と思う。米国の債務は国内総生産(GDP)比でかなり高い水準にある。もっと需要なのは、債務がGDPよりも速いペースで増加している点だ。本当にかなり速いペースだ。歳出削減と歳入拡大が必要となるだろう。

                                       

                                      ■ローレンス・サマーズ 元財務相長官 2019年3月4日 ワシントンポストへの寄稿

                                      MMTには重層的な誤りがある(fallacious at multiple levels)。まず、政府は通貨発行により赤字をゼロコストで調達できるとしているが、実際は政府は利子を払っている。全体の貨幣流通量は多いが、政府によってコントロールできるものではない。第2に、償還期限が来た債務を全て貨幣創造し、デフォルトを免れることができるというのは間違っている。幾つもの途上国が経験してきたようにそうした手法はハイパーインフレを引き起こす。インフレ税を通じた歳入増には限界があり、それを超えるとハイパーインフレが発生する。第3に、MMT論者は閉鎖経済を元に論じることが典型的だが、MMTは為替レートの崩壊を招くだろう。これはインフレ率の上昇、長期金利の上昇、リスクプレミアム、資本逃避、実質賃金の低下を招くだろう。・・・保守にとってもリベラルにとっても、そんなフリーランチは存在しない。

                                       

                                      ■ウォーレン・バフェット バークシャー・ハサウェイCEO 2019年3月15日 ブルームバーグインタビュー

                                      MMTを支持する気にはまったくなれない(I'm not a fan of MMT − not at all)。赤字支出はインフレ急上昇につながりかねず、危険な領域に踏み込む必要もなく、そうした領域がどこにあるのか正確にはわからない。(We don't need to get into danger zones, and we don't know precisely where they are.)

                                       

                                      ■ジャネット・イエレン(前FRB議長) 2019年3月25日 クレディ・スイス主催アジア投資家会議

                                      現代金融理論(MMT)は支持しない(not a fan of MMT)。この提唱者は何がインフレを引き起こすのか混乱している(confused)それ(MMT)は超インフレを招くものであり、非常に誤った理論(very wrong-minded theory)だ

                                       

                                      ■クリスティーヌ・ラガルド(IMF専務理事) 2019年4月11日 記者会見

                                      MMTが本物の万能薬だとわれわれは思っていない。MMTが機能するようなケースは極めて限定的である。現時点でMMTが持続的にプラスの価値をもたらす状況の国があるとは想定されない。(理論の)数式は魅惑的だが、重大な注意事項がある。金利が上がり始めれば(借金が膨張して)罠にはまる。

                                       

                                       

                                       よくもまあこれだけの批判言説をまとめたものです。ある意味で財務省連中の執念を感じます。自分たちのメンツがつぶれて、今まで言ってきたことが間違っていたと恐れるならば、人はここまでできるものなのか?と思います。何しろ上記は1/4程度を抜粋したものなのです。

                                       

                                       

                                       

                                      4.MMT批判論に対する反論

                                       

                                       これらの言説に対して反対論を申し上げます。

                                       

                                       国債の「新規」発行は、金利高騰をもたらしません。むしろ下げます。例えば1億円の国債の新規発行&政府支出したとしても、下記の事象をもたらしますが、銀行当座預金は変わらないため、金利高騰はありません。

                                       

                                      「銀行の1億円国債購入」=「日銀当座預金1億円縮小」

                                      「政府支出を受注した業者の1億円小切手の銀行での換金」=「日銀当座預金1億円増加」

                                       

                                       そして市場においては1億円の資金供給を意味します。その資金が市中の国債マーケットに流入すれば、むしろ金利は下がることになります。つまり金利は「インフレ/経済成長」によって、資金需要が拡大して初めて上昇するのです。

                                       

                                       また「インフレ率に歯止めがかからない・・・」に対しては、例えばインフレ率2%以上4%以下に抑える下記のような具体的な政策が存在します。

                                       

                                      (1)上限規律(インフレ率を4%以下に抑える)の具体的な対策

                                      ●金融政策における金融引き締め(公定歩合引き上げ、法定準備預金利率引上げ、国債売りオペレーションによる公開市場操作)

                                      ●財政支出の長期投資計画を立てておき、期間中インフレ率が4%を超えてしまったならば、終了年次を先延ばしにして投資速度を落とし、単年度の支出を削減(ただし、インフレ率が2%を下回れば再び加速させる)

                                      ●所得税、法人税の「累進性」を高く設定

                                      ●インフレ率が安定的に一定水準を超えれば、自動的に消費税を増税し、中長期的にインフレ率を下落させる(ただし、インフレ率が2%を下回れば、消費税の減税をする)

                                       

                                      (2)下限規律(インフレ率を2%以上にする)の具体的な対策

                                      ●米国でやっているような雇用保障プログラム

                                      →日本は生産年齢人口の減少で失業率が低いので、むしろ「賃上げ」のための対策の方が、現時点では効果があると思われる。

                                      ●実質賃金を下げる消費税の減税、最低でもインフレ率が安定的に一定水準(例えば2%)を超えるまで「増税凍結」

                                      ●長期家投資計画を立て、インフレ率が2%を超えるまで迅速投資し(投資速度を上げ)、単年度の支出を拡大させる

                                      ●法人税の投資減税・賃上げ減税(&外形標準課税減税)

                                      ●所得税、法人税の「累進性」を高く設定(低所得者減税)

                                      ●金融政策については、もちろん「緩和」で現状の通り

                                       

                                       上記の具体的な政策が普通に存在しますし、政策施行にあたって制約はありません。このようにMMT理論は「金利」の真実である、国債の「新規」発行が金利高騰をもたらさず、むしろ下げるという事実が盲点になっていると私は思います。

                                       

                                       

                                       というわけで今日は「反論になっていない財務省の”増税不要論”への反論」と題して論説しました。

                                       日本は「インフレ」「金利高騰」を恐れるあまり、デフレを放置しすぎました。確かに過剰なインフレや金利高騰は回避すべきであるという言説は、その通りです。

                                       しかしながら、だからといってこれ以上デフレを放置することが正しいか?といえば、いいはずがありません。デフレ放置によって、貧困と格差が広がり、国力が衰退し、揚げ句には中央政府も地方政府も財政が悪化してしまったからです。

                                       金利とインフレ率と資金供給量の現実的関係を見据えるMMT理論は、過剰なインフレとデフレと戦わなければならないことをのみならず、「金利高騰リスク」の大半が杞憂に過ぎないことも教えてくれています。

                                       今こそ、勇気をもって「インフレ率2%の安定的実現」に向けた積極財政を展開していただきたいと毎度ながら私は思います。

                                       

                                       

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                                      日銀が保有する国債は、地球が崩壊して滅亡するまで放置でOK!


                                      大阪都構想が実現した場合に忍び寄る日本にとっての最悪シナリオ

                                      0

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                                         今日は大阪都構想に関連して「大阪都構想が実現した場合に忍び寄る日本にとっての最悪シナリオ」と題して論説します。

                                         

                                         6/9投票の堺市長選挙について私は注目しています。なぜならば大阪において「大阪都構想」と関連しており、しかも今、急激に「大阪都構想」が進展し始めているからです。「大阪都構想」というのは、本来「大阪都=大阪市廃止」構想と呼ぶのが正しいです。

                                         

                                         なぜならば「大阪市」という自治体を廃止して、その財源と権限の一部を新しく創設する「大阪府」に移譲し、残った財源・権限をいくつかに分割して特別に財源権限の少ない「特別区」を複数設置するものだからです。

                                         

                                         一フレーズで言うと上述の「言い回し」になるのですが、要するにこの改革をすれば大阪市民の自治は大きく縮小することは確実です。

                                         

                                         因みに維新の会が主張する「二重行政」なるものが、デタラメであることは過去記事「欺瞞満載の大阪都構想」をご参照賜りたく思います。

                                         

                                         大阪都構想とは、地方行政についての常識を持つ人からすれば、誰もが反対するような代物といえます。にもかかわらず、大阪の人々の暮らしや未来のことは度外視し、党利党略で大阪都構想を推し進めようとしています。

                                         

                                         下記は産経新聞の記事です。

                                        『産経新聞 2019/05/25 21:06 維新・公明が大阪都構想で最終合意、1年後めどに協定書

                                        大阪市を廃止し特別区に再編する大阪都構想をめぐり、大阪維新の会代表の松井一郎大阪市長と公明党大阪府本部の佐藤茂樹代表ら両党幹部が25日、大阪市内で会談し、1年後をめどに制度案(協定書)を完成させ、速やかに住民投票を実施することで最終合意した。公明はこれまで都構想に反対していたが、賛成の立場も明確にした。これにより来年秋ごろにも、2回目の住民投票が実施されることが確実となった。

                                         終了後に共同会見に臨んだ松井氏は、平成27年5月の前回投票で僅差で否決されたことを踏まえ、「もう一度、住民にはかるチャンスをいただいた。必ず賛成多数にしたい」と意欲を示した。佐藤氏は「特別区設置に賛成の立場からしっかり議論し、住民の判断に資する協定書を作っていきたい」と述べた。

                                         都構想をめぐる両党の協議は、4月の統一地方選後この日が3回目。公明側からは都構想賛成に転じるにあたり、高齢者が交通機関を割安で利用できる「敬老パス」の維持など、住民サービスを低下させない▽移行コストを最小限に抑える▽全特別区に児童相談所を設置する−といった4つの条件が提示され、維新側はいずれも了承した。

                                         維新はこれまで、都構想に公明の協力が得られない場合、次期衆院選で公明現職のいる関西の6選挙区に対抗馬を擁立する構えを見せてきた。この点については両党の協議事項になっていないというが、松井氏は会見で「4月の統一選で熾烈(しれつ)な戦いをして、わだかまりがあったが、少しずつときほぐして合意できた。信頼関係が高まればおのずと答えは出る」と、衆院選での対決回避を示唆した。

                                         公明は維新が大勝した4月の府知事・大阪市長のダブル選や統一地方選の結果を受け、今月11日に「民意を重視する」と住民投票への協力を表明。19日に初めて行われた両党の幹部協議ではさらに踏み込み、都構想に賛成する方針も伝えていた。

                                         住民投票の実施には、府市両議会での制度案の議決が必要。維新は市議会で過半数に届かず、他会派の協力が不可欠だった。』

                                         

                                         

                                         上記記事の通り、2020年の秋に2回目の住民投票を行うこととなりました。日本維新の会としては「大阪都構想の実現」は絶対に必要です。

                                         

                                         なぜならば、「大阪都構想の実現」に失敗すると統制は縮小し、将来消滅する深刻なリスクに直面するからです。そのようなリスクに危機感を持つ彼らは、大阪の人々の暮らしや未来の発展を度外視し、デマや詭弁にまみれたプロパガンダを含め、ありとあらゆる手口を使って大阪都構想を実現させようとしているというわけです。

                                         

                                         公明党としては、党勢維持のためには、自民党との適切か関係を維持して政権内の地位を確保する必要があります。そのため公明党は大阪小選挙区の6議席を何としても守りたいと考えており、大阪で人気のある日本維新の会が6議席に対立候補をぶつけられれば、6議席すべてを失う可能性があります。

                                         

                                         それを恐れてきた公明党は、日本維新の会の要求をしばしば応じてきたという経緯があります。実際に2015年5月に行われた「大阪都構想=大阪市廃止」の住民投票の実施は、公明党が「維新の脅し」に屈したためといわれており、今回も公明党は日本維新の会に対立候補擁立という脅しをかけられていました。

                                         

                                         今年の夏には衆参同日選挙があるかもしれないというこの状況で、日本維新の会に対立候補を擁立されたくない公明党は、大阪の人々の暮らしや未来の発展を度外視し、日本維新の会の要求を全て応じるという方針を打ち出しました。

                                         

                                         大阪の公明党支持者や創価学会会員たちは、こうした公明党の動きについてどう思っているのか?気になるところです。

                                         

                                         仮にこうした協力に応じたとしても、大阪都構想が実現すれば、日本維新の会にとって用済みとなります。そのため日本維新の会が勢力拡大する過程で、公明党を排除する方向になると予想できます。

                                         

                                         もし大阪都構想が実現した場合、単に公明党が排除されるというだけの話では終わりません。私たち日本国民は、最悪なシナリオを想定する必要があります。

                                         

                                         まず1,500億円の経費がかかります。これはこれで支出増ですから、GDP3面等価の原則で「支出増=生産増=所得増」となるので、一時的に大阪の経済は良くなるでしょう。ところが、その後は徹底した緊縮財政となるため、ダメになっていきます。じわっとダメになっていくため、おそらく気付くのに10年くらいはかかるかもしれません。いわばゆでガエルのようなものです。

                                         

                                         何しろ日本維新の会のホームページには下記のような記述が公表されています。

                                        (出典:日本維新の会のホームページ)

                                         

                                         

                                         順不同で並べましたが、なぜ上記を取り上げたか?といえば、いずれもデフレ加速政策だからです。消費増税凍結を謳っているものの、「身を切る改革」というフレーズに代表される緊縮財政を実施するとしています。

                                         

                                         この発想こそ、典型的な家計簿財政で、スペンディングファースト(政府支出は集めた税金で執行するものではないこと)の原則を知らない発想です。

                                         

                                         人件費カットをすれば、質の悪い人しか来ません。官の給料が高いのは、民間がデフレで給料が下がっているからに過ぎません。

                                         

                                         政府系金融機関の民営化とかも、やる必要が全くありません。

                                         

                                         このように大阪万博で大変なところに大阪都構想をやるとなれば、大阪府職員、大阪市職員は疲弊し、緊縮財政を進めていくことでじわじわっとダメになっていき、大阪が廃れていくことを10年くらいたって気付くことになるでしょう。

                                         

                                         そうなってからでは遅いですし、もっと最悪のシナリオは、橋下徹氏が民間人として内閣に入り、大阪都構想でやろうとしている身を切る改革を、日本全国で推進するという羽目になるかもしれません。

                                         

                                         緊縮財政が一番ダメなのは、「支出減少=生産減少=所得減少」で、デフレ期に緊縮財政をやると、さらにデフレが深刻化して所得が減少して税収も減収してしまう点です。さらにいえば税収が減収するだけではなく、どんどん貧困化して発展途上国化が加速していくことになるということも最悪といえます。

                                         

                                         都構想は「一回やってみてダメだったら戻せばいい!」というものでもありません。一度やってダメになった場合、元に戻すのは簡単ではないのです。その意味で党利党略で日本維新の会がやろうとする大阪都構想を支持することに転換したことは、誠に遺憾と私は思います。

                                         

                                         

                                         というわけで今日は「大阪都構想が実現した場合に忍び寄る日本にとっての最悪シナリオ」と題して論説しました。 

                                         

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                                           ついに英国のメイ首相が5/24付で辞任を発表しました。まさにブレグジットは最終局面を迎えようとしているのでは?と思っております。そこで今日は「メイ首相辞任と英国ポンドの相場の行方について」と題して論説します。

                                           

                                           下記はロイター通信の記事です。

                                          『ロイター通信 2019/05/24 18:27 メイ英首相、6月7日に党首辞任 EU離脱巡る混迷深まる可能性

                                          [ロンドン 24日 ロイター] - メイ英首相は24日、6月7日に保守党党首を辞任すると表明した。欧州連合(EU)離脱を巡る混迷の責任を取った形だが、7月末までに就任するとみられる次期首相はEU離脱に対しメイ氏より強硬な路線をとる公算が大きいため、EUとのあつれきが増すと同時に、政治的な混迷が一段と深まる可能性がある。 

                                           保守党はメイ氏の辞任を受け、通常7月下旬に始まる夏季休暇前に新党首を選出すると表明。メイ氏辞任の翌週に新党首の選出に着手する。

                                           党首選への立候補をすでに表明し、メイ氏の有力な後任候補と目されているボリス・ジョンソン前外相は訪問先のスイスで、英国は条件などで合意がないままEUから離脱する用意を整えておく必要があるとの考えを示した。

                                           ハント外相もメイ首相の辞任表明から数時間後に党首選への出馬を表明。このほか英BBC放送によると、英与党・保守党の議員で構成する「1922委員会」のグラハム・ブレイディ委員長も、党首選への出馬を準備するために委員長を辞任した。

                                           最大野党・労働党のジェレミー・コービン党首は、「国民に英国の将来を決定する選択肢を提供する」ために次期首相は総選挙を実施する必要があるとの立場を表明。メイ氏の辞任が早期解散総選挙につながる可能性もある。

                                           メイ氏は首相官邸前で「新たな首相がEU離脱に向けた取り組みを率いることが、この国の最善の利益だということが私にははっきりした。そのため、私は本日、保守党党首を6月7日金曜日に辞任することを表明する」と述べた。

                                           同氏は涙をこらえながら「私は、自分の人生で名誉だと感じていた職を近く辞任する。2人目の女性首相だが、絶対に私が最後ではないはずだ」と発言。「辞任はするが恨みはない。自分が愛する国に仕える機会を持てたことを心からいつまでも感謝している」とし、「EU離脱を実現できなかったことは非常に心残りであり、これからもずっとそう感じるだろう」と述べた。

                                           自身の後任は、2016年の国民投票の結果を尊重するためコンセンサスを見いだす必要があるとも語った。

                                           英ポンドは、メイ首相の辞任表明後に一時上昇したが、その後下げに転じた。

                                           英国のEU離脱の期日は現在は10月31日。スペインは、英国が条件などで合意しないままEUを離脱する「ハードブレクジット」はほとんど回避できないとの見方を示した。』

                                           

                                           

                                           すでにご承知の通り、そして上記記事の通り、5/24に英国のメイ首相が辞任を表明しました。なぜメイ首相が辞任に追い込まれたのか?そして、次の首相は誰になるのか?注目されています。

                                           

                                           TVの報道では、メイ首相がダウニングストリート(首相官邸)の前で、涙をこらえながらコメントし、踝を返して背中を向けて首相官邸に入っていく様子が報道されました。

                                           

                                           もともとメイ首相はブレグジットの日を、3月末から10月末までに延期した後、何をやっていたか?と、野党労働党と妥協するための案を作る協議をやっていました。

                                           

                                           メイ首相は妥協案について労働党のコービン首相が賛成すると思ったようなのですが、メイ首相の辞任をわかっていたコービン首相は、メイ首相の次の首相がそれを反故にする可能性が高いと思って賛成しませんでした。

                                           

                                           保守党は保守党でメイ首相に対する怒りが鬱積し、メイ首相の不信任動議案を出す動きが活発化していました。

                                           

                                           結果的にメイ首相は、労働党との交渉が決裂。その間に英国国内では大変なことが起きていて、具体的には与党保守党の支持者がメイ首相にあきれ返って、新しくできたブレグジット党を支持するようになりました。テレビでは、与党保守党の支持者のイギリス国民がインタビューで「もう二度と保守党は支持しない。だまされた!」と発言していたのを私も見ました。

                                           

                                           そしてこのブレグジット党は多くの支持を集め、5/26に開票だった欧州議会選挙において、英国ではEUから離脱を掲げるブレグジット党が最多議席を獲得するにまで至るという大躍進を遂げました。一方で保守党と労働党は大きく議席を減らしました。

                                           

                                           この一連の動き、特にメイ首相の辞任とブレグジット党の大躍進は、グローバリズムと反グローバリズムの戦いにおいて、英国国内における反グローバリズム側の勝利がほぼ確定しようとしている私は思っています。

                                           

                                           今後展開が予想されることとしては2つあると考えます。

                                           

                                           一つは英国議会の中ではEU離脱したとしても、関税同盟には残るべきということで、関税同盟に残りつつEU離脱するというものです。二つ目は合意なき離脱です。

                                           

                                           株式市場などのマーケット関係者は合意無き離脱を恐れていますが、私は個人的には合意無き離脱になる可能性が高いと思っています。

                                           

                                           なぜならば合意なき離脱というのは、米国のトランプ政権と組むということを意味します。トランプ大統領はメイ首相にこの案を推奨し、EUと何も約束しない形で米国と協定を結ぼうと提案していました。

                                           

                                           ところがメイ首相はトランプ大統領のおすすめ案の逆をやってしまいました。メイ首相の妥協案とは、一見するとEU離脱の形なのですが、実際はその後もEUに縛られる案で、実質的にブレグジットを骨抜きにする案だったのです。

                                           

                                           そういう意味では「ちゃんとEUを離脱する」という形をメイ首相が選んでいたら、状況は変わっていた可能性があったのですが、そうはならなかった。それが保守党やイギリス国民からの反発を呼び、結果的に辞任に追い込まれてしまったというわけです。

                                           

                                           EU離脱については、上述の通り2つの可能性を申し上げましたが、英国ポンドの相場はどうなるか?下記は英国ポンドのチャートです。

                                           

                                          <英国ポンドのチャート>

                                          (出典:ヤフーファイナンス)

                                           

                                           英国ポンドは、今年5月に入ってから、2.5%ほど下落し、今もなお下落を続けています。3年前の2016/06/23に国民投票でEU離脱が決まった時の暴落時に付けた安値まで入っていませんが、それに近い水準まで下がってきました。

                                           

                                           マーケットではメイ首相の辞任がほぼ織り込まれ、次は合意なき離脱を織り込もうとしているのでは?と私は推測します。そう考えますと、ここからさらに英国ポンドが下落することは考えにくいものと予想してます。

                                           

                                           日本株は消費増税が延期・凍結される、もしくは消費減税でもない限り、買うべきではないと思いますが、経済が絶好調でまだまだいける米国株と同様に、英国の為替相場や株式市場においても、反グローバリズム側の勝利の確定がはっきりするにつれ、結果的に内需主導で国力が強化され、経済成長が加速が予想されることから堅調に推移していくのでは?と私は思います。

                                           

                                           

                                           というわけで今日は「メイ首相辞任と英国ポンドの相場の行方について」と題して論説しました。

                                           

                                          〜関連記事〜

                                          本質的に全く同じ現象の”英国のブレグジット問題”と”トランプ大統領のロシア疑惑”

                                          ブレグジットでホンダが出て行くことは、ユーロに加盟していない英国には関係のない話です!

                                          EU加盟後に国民の所得が激減したイギリス

                                          地球上の世界は、英国が歴史を動かしてきたという史実

                                          EU離脱案が2度も否決された理由の一つである北アイルランドとアイルランドの国境のバックストップ問題

                                          EU加盟のデメリット(主権を失うこと)に気付いたイギリス人

                                          メキシコの壁の建設により減少した不法入国者

                                          否決されてしまった英国のEU離脱案

                                          ”ちゃんとEUから離脱しろ!”との与党保守党の声とメイ首相の苦悩


                                          実質GDP△2.1%と名目GDP△3.3%を読むリテラシー

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                                            JUGEMテーマ:経済成長

                                             

                                             今日は「実質GDP△2.1%と名目GDP△3.3%を読むリテラシー」と題し、改めて2019年1月〜3月のGDPについて、輸入8兆円マイナスの意味について触れたいと思います。

                                             

                                             予想に反して1月〜3月のGDPは年率換算で△2.1%とプラスになりました。GDPは端的にいえば、下記で構成されます。

                                             

                                             GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出(※)

                                             純輸出=輸出−輸入

                                             

                                             

                                             前回5/22のブログ「中身がボロボロの2019年1月〜3月のGDP1次速報の数値」でも取り上げた数値実額を見てみましょう。

                                             

                                            <実質GDPの10-12と1-3の数値実額>

                                            民間設備投資:87.7兆円→87.4兆円(▲3,000億円)

                                            在庫投資:1.8兆円→2.5兆円(△7,000億円)

                                            公的固定資本形成:24.6兆円→25.0兆円(△4,000億円)

                                            輸出:93.2兆円→90.9兆円(▲2兆3,000億円)

                                            輸入:96.8兆円→92.3兆円(▲4兆5,000億円)

                                             

                                            <名目GDPの10-12と1-3の数値実額>

                                            民間設備投資:90.6兆円→89.6兆円(▲1兆円)

                                            在庫投資:1.9兆円→2.5兆円(△6,000億円)

                                            公的固定資本形成:26.6兆円→27.1兆円(△5,000億円)

                                            輸出:101.1兆円→97.6兆円(▲3兆5,000億円)

                                            輸入:102.9兆円→94.7兆円(▲8兆2,000億円)

                                             

                                             

                                             上記の通り、実質GDPで輸入は4兆5,000憶円のマイナス、名目GDPで輸入は8兆2,000億円のマイナスです。輸入が大きく落ち込んでいるというのは、日本人の購買力の低減を意味します。

                                             

                                             名目GDPでいえば、8兆円の輸入減は名目GDPは△1.5%、年率換算で△6%寄与します。したがって、8兆円の輸入減がなかりせば△6%がはげ落ち、△3.3%+▲6.0%=▲2.7%となります。

                                             

                                             実質GDPでいえば、4.5兆円の輸入減は名目GDPは△0.9%、年率換算で△3.6%寄与します。したがって、8兆円の輸入減がなかりせば△3.6%がはげ落ち、△2.1%+▲3.6%=▲1.5%となります。

                                             

                                             実際は小数点などの影響で、小数点第1位以下の数値は、少し異なることはあるとはいえ、輸入減が今回のGDPのプラスに貢献したことは事実といえるでしょう。

                                             

                                             とはいえ、日本人の購買力の激減ともいえるほどの輸入の大きな落ち込みは、日本が未だデフレから脱却できず、景気が悪いといえるのです。輸入の大きな落ち込みがなかりせば、実質GDP▲1.5%、名目GDP▲2.7%という数値がそれを物語っています。

                                             

                                             しかしながらこうしたGDPを分析する手法や、中身を見ないと、新聞記事で「あぁ!GDPは予想に反してプラスだ!日本は景気がいいんだ!だったら消費増税やってもOKだね!」という発想になります。

                                             

                                             実際は景気が悪すぎてGDPがプラスになっているという状況であることを知らない人の発想です。実際に、個人消費は減少し、投資も減少し、輸出も減っていて、内需も外需もボロボロの状況です。輸入はGDPから控除されるということを知らない人は、中身の数字の意味が理解できないでしょうし、そもそも中身を見るという習慣もない。即ちリテラシーがないということでもあります。

                                             

                                             2019/05/21に消費増税のリスクを訴える有識者会議が行われ、岩田規久男前日銀副総裁は、多くの経済指標が悪化を示す現状で消費増税を実施すれば、デフレが脱却できないどころか、不況を引き起こし、アベノミクスは失敗だったと判断されかねないと懸念を示しました。そして「安倍総理は2012年に”デフレ脱却まで消費増税をしない”といっていた。」と指摘し、消費増税は辞めるべきである旨の意見を述べられています。

                                             

                                             この岩田規久男総裁はリフレ派で、金融緩和だけをやればデフレ脱却できるという意見の張本人であり、私はかつて批判していましたが、今は考えを改められ、実にまともなことをおっしゃっています。

                                             

                                             安倍総理が2012年に「デフレ脱却まで消費増税をしない」といっていたとすれば、今やっていることは全く違います。もし増税10%にしたら、5%→10%を実施した総理大臣として、アベノミクスで日本経済を破壊した張本人ということになるでしょう。

                                             

                                             

                                             というわけで今日は「実質GDP△2.1%と名目GDP△3.3%を読むリテラシー」と題して論説しました。

                                             有識者と呼ばれる人は、少なくても数字を読むリテラシーが備わっているべきであるというのは私だけでしょうか?

                                             国会議員は有識者に含まれるのか?わかりませんが、国会議員も当然、こうした数字のリテラシーが備わっているべきであり、備わっていない人は国民に迷惑をかけ続けるだけですので、職を辞していただきたいと私は改めて思うのです。


                                            消費増税最大26%まで引き上げを!と財政破綻を煽る外国機関(OECD・IMF)の正体

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                                              JUGEMテーマ:年金/財政

                                              JUGEMテーマ:税金と確定申告

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                                               今日は「消費増税最大26%まで引き上げを!と財政破綻を煽る外国機関(OECD・IMF)の正体」と題して、日本の財政破綻を煽る海外機関の正体について論じます。

                                               

                                               下記はロイター通信の記事です。

                                              『ロイター通信 2019/04/15 消費税最大26%まで引き上げを=OECD対日報告

                                              [東京 15日 ロイター] - 経済協力開発機構(OECD)が15日公表した対日経済審査報告書は、日本経済の人口減少に対して警鐘を鳴らし、プライマリーバランス(財政の基礎的収支)を黒字化するためには消費税率を最大26%まで引き上げる必要があると指摘した。

                                               日銀の金融緩和の継続やジェネリック(後発)医薬品の普及による医療費削減、外国人労働者の拡充なども提唱している。

                                              同日都内の日本記者クラブで会見したグリア事務総長は「消費税率の10%への引き上げは不可欠」と指摘し、その後も「徐々に税率を引き上げることが財政改善につながる」と強調した。

                                               報告書は日本経済について、2050年までに人口が1億人程度まで減少することに伴う高齢化と債務拡大という長期の課題に直面しているとし、財政持続性を担保する具体的な計画を示すべきと指摘。税収拡大の手段として主に消費税が望ましいとしている。

                                               消費税のみにより十分な水準の基礎的財政黒字を確保するためには、税率を20━26%まで引き上げる必要があるとしている。今年10月に予定されている10%への引き上げの影響は、各種対策の効果によって2014年の増税より大きくないとしている。

                                               財政の持続性確保の手段として、社会保険料の改革の必要性を強調。在宅医療の拡充やジェネリック医薬品の利用拡大、環境関連税制の引き上げなどを挙げている。

                                               日銀の金融政策については、費用とリスクを緊密に監視しながら、物価上昇率が持続的に2%の目標を上回るまでの間、金融緩和を持続すべきとしている。日銀の国債保有額が国内総生産(GDP)の85%と、他国と比較して高い水準にある点も指摘している。

                                               また日銀による上場投資信託(ETF)の買い入れは、銘柄によって株価の過大評価につながるかもしれず、市場の規律を損ないつつあるとして懸念事項に挙げている。

                                               金融監督当局について、金融機関に対し、リスク負担が増大している分野におけるリスク管理の改善を促すべきとしている。

                                              日本経済の先行きに関しては、貿易摩擦が企業の先行きを不透明にしており、投資にも影響している点を懸念。日本企業は中国の内需鈍化に対して脆弱、と指摘している。日本経済の民間消費を下支えするためには、基本給上昇率の引き上げが重要と強調している。』

                                               

                                               

                                               上記ロイター通信の記事の通り、2019/04/15、OECDが日本の財政健全化のためには、消費税を20%〜26%にまで引き上げる必要があると試算したという報告書を公表しました。

                                               

                                               この報告書を書いた人は、誰でしょうか?

                                               

                                               記事には「クリア事務総長が・・・」としてあたかも権威のある人が、日本の財政が異常であるようなことを指摘しているという風に書いてありますが、実はOECDの報告書を書いたのは、日本の財務官僚です。

                                               

                                               OECDは確かに権威ある国際機関ではありますが、OECDには事務次官として元財務官が出向し、財務省の意向に沿った発言をさせているのです。

                                               

                                               こうした構図は、IMF(国際通貨基金)でも同様です。IMFは日本に対して消費税を上げるよう勧告をしてきたことがたびたびありました。理由は、財務省がIMFに副専務理事というポストを持っており、そこには歴代の財務官OBが就任しているからです。

                                               

                                               IMFでいえば、日本は投票権で2位となっていますが、直近では経済成長が著しい中国が、増資で2位の日本を抜くことが確実となったため、米国のムニューシン長官は2019/04/11、IMFが増資をすることで中国の影響力が増大することを懸念し、増資そのものに反対しています。

                                               

                                               そのような状況ではあるものの2位という地位は世界的にも影響力は大きく、文書を財務省に都合がいいように書かせ、自分たちがやりたい政策(消費増税を始めとする緊縮財政)をバックアップさせているのです。

                                               

                                               即ち「増税しなければ日本の財政が破綻する」ということを権威ある外国機関に言わせ、「財政再建が必要だ!」というイメージを作っているのです。

                                               

                                               実際は、日本はデフレから脱却できておらず、1997年の消費増税3%→5%以降、GDPは20年間以上も伸び悩み、中国にすらGDPで抜かれてさらに差をつけられようとしています。

                                               

                                               消費税は消費に対する罰則課税であり、増税すればするほど、消費を減らす方向になることは確実です。たばこ税を増税すればたばこの販売が減少し、炭素課税を課せば、二酸化炭素を出さないように炭素を削減するようになるのと、何ら変わりありません。

                                               

                                               そして消費税そのものが消費に対する罰則というのは、マクロ経済でいうGDP3面等価の原則でいえば、消費減少=生産減少=所得減少 となって国民が貧困化するという話です。結果税収も伸び悩みます。税金とは私たちの所得から徴収するため、消費減少=生産減少=所得減少となれば、法人税や所得税が落ち込んで税収も下がるのです。

                                               

                                               にもかかわらず、財務官僚は外国機関を使って平気で国民が貧困化する政策を口にします。

                                               

                                              『朝日新聞 2019/04/29 23:04 増税再延期なら「日本の信用失う」 IMF副専務理事

                                               国際通貨基金(IMF)の古沢満宏・副専務理事が25日、朝日新聞のインタビューに応じ、今年10月に予定されている消費税の引き上げが再び延期されれば、「日本の政策決定についての信用が失われるリスクがある」と述べた。国際的にも約束している財政の健全化に、政府が着実に取り組むことを求めた。
                                              IMFはこれまでも、日本は将来的には消費税率を少なくとも15%まで段階的に引き上げるべきだと提案している。古沢氏は「(増税を前提にした)予算も組んでおり、(延期すれば)教育や社会保障などで資金の手当てに支障が出る恐れがある」との懸念も示した。(後略)』

                                               

                                               上記の朝日新聞の記事も、先ほどのロイター通信の記事と同じで、権威あるIMFに出向している財務官僚の古川氏は、政府に財政の健全化に取り組むよう、インタービューで回答しています。この回答は財務官僚が直接回答していますが、IMFの提言として文書を出す際も、財務省が原稿を書いて言わせているのです。

                                               

                                               

                                               というわけで今日は「消費増税最大26%まで引き上げを!と財政破綻を煽る外国機関(OECD・IMF)の正体」と題し、その正体は財務官僚であることをお伝えしました。

                                               OECDの消費税率26%とか、そもそも試算に根拠があるのか?といえば、根拠は全くありません。2019年10月に消費増税10%になったらなったで、今度は「15%にすべき!」とか「20%にすべき!」となるだけです。

                                               財務省が直接言うだけでなく、権威ある外国機関を使って多めの数字を言わせ、消費増税を着実に実行させていこうとするのが財務省の戦略です。

                                               とはいえ本ブログの読者の方であれば多くの方がご理解されていると思いますが、消費増税そのものがリーマンショック発生となる可能性が高く、デフレ脱却をさらに遠のかせます。これを隣の中国がほくそ笑み、日本の技術や国土を安く買っていくのです。

                                               こうしたことからもデフレ脱却は必須であり、消費増税10%をやれば着実に中国の属国になる日が近づいてしまうことになるでしょう。

                                               そのためにも財政破綻を煽る人々らの間違いを指摘し、消費増税が不要でむしろ消費減税が必要であることを改めて主張したいと私は思います。

                                               

                                               

                                               


                                              財政黒字を目指して消費増税で自滅する日本と、財政赤字を拡大して進化する可能性がある中国

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                                                 米中貿易戦争が激しくなり、株価は下落基調が続いています。杉っ子こと私は現在、日本株30銘柄、中国株1銘柄、ベトナム株17銘柄、米国株投資信託1銘柄を保有していますが、経済音痴な日本の政策当局には、ほとほとあきれてものが言えません。このままですと、日本はチベットやウイグルのように知らず知らずのうちに中国に消されてしまうかもしれません。

                                                 私はトランプ大統領のような政治家が日本にいれば、少しは株式市場が、まだ小ましになると思っているわけですが、中国株もなかなか手放しにくいと思ってもおります。理由は、米中貿易戦争によって中国が進化する恐れがあると思っているからです。

                                                 そこで今日は「財政黒字を目指して消費増税で自滅する日本と、財政赤字を拡大して進化する可能性がある中国」と題して論説します。

                                                 

                                                 日本経済新聞の記事を紹介します。

                                                『日本経済新聞 2019/05/23 23:11 ファーウェイ、スマホ開発困難に 英アームが取引停止     

                                                【広州=川上尚志、シリコンバレー=中西豊紀】中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)への米国の輸出禁止措置が同社のスマートフォン(スマホ)戦略の根幹を揺るがし始めた。中核半導体の技術を握る英半導体設計大手アーム・ホールディングスが取引停止の方針を決め、新規開発が困難になったとの見方が広がっている。 

                                                 「米政府の規制に従う」。アームが22日出した声明にスマホ業界関係者は息をのんだ。ソフトバンクグループ傘下で英国に本社を置くアームにも米制裁の網が及ぶことが明確になったためだ。

                                                 アームはスマホ用半導体の設計で9割のシェアを持ち、同社の技術なしにスマホを製造するのは困難とされる。ファーウェイもスマホに使う中核半導体「キリン」を内製化しているが、基盤技術はアームからライセンス供与を受けている。

                                                 米商務省は「市場価格に基づき米国由来の部品やソフトウエアが25%を超えれば海外製品も禁輸対象になる」としており、米国発の知的財産も計算に含まれる。アームは2004年、米半導体設計のアルチザン・コンポーネンツを買収した。この際に得た知的財産を使っているため、取引停止の必要が出たもようだ。

                                                 ファーウェイは現行モデルのライセンスを使い続ける権利は押さえているとみられ、すぐに生産停止に追い込まれることはなさそうだが、今後の半導体開発ではアームの協力を得られなくなる可能性が高い。

                                                 中国の半導体専門の大学で副教授を務める張芸蒙氏は日本経済新聞の取材に「当面の影響は大きくないが、アームの技術協力を受けずに新しい半導体を開発するのは難しくなる」と述べた。

                                                 米グーグルのスマホ用基本ソフト(OS)「アンドロイド」もアームや米インテルなどが手掛ける半導体技術にのみ対応している。仮にファーウェイが半導体を独自開発しても、アンドロイドは使えない可能性もある。

                                                 ファーウェイの胡厚崑(ケン・フー)副会長兼輪番会長は23日、ドイツでの講演で「我々は多くの分野で事業を続けるための計画を持っている」と語ったが、アームを代替する技術の開発は難航が避けられない。

                                                 一方、半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は23日、ファーウェイ向けの出荷を継続する意向を表明した。規制対象となる25%の基準について「米国製の半導体製造装置の使用は算入する必要はない」との意見を米大手法律事務所から得たと説明、「25%までは距離がある」と述べた。

                                                 東芝は23日、ファーウェイ向けに電子部品の出荷を全面再開したと明らかにした。具体的な製品は明らかにしていないが、データを高速処理するシステムLSI(大規模集積回路)などとみられる。出荷を一時見合わせていたが、米規制に抵触しないと判断した。

                                                パナソニックも米規制に該当しない製品は供給を続ける。中国パソコン大手レノボ・グループも取引を継続する方針だ。

                                                 ファーウェイは米国製品が調達できなくなる事態に備え、中核部品やOSを独自開発する方針を強調してきた。米CNBCは22日、同社幹部が「グーグルなどのソフトを使えなくなった場合、独自OSを準備する」と語ったと報じた。19年末までに中国向け、20年前半には海外向けに実用化できるという。』

                                                 

                                                 

                                                 上記の記事の通り、ファーウェイ離れが世界に波及しています。米国による事実上の輸出禁止規制の影響が世界企業に広がり始めました。

                                                 

                                                 日本の通信大手3社は、米国のグーグル関連ソフトが使えなくなる懸念から、ファーウェイの最新機種であるP30の発売延期・予約停止を発表しました。その一方で、通信会社を自由に選べる格安SIMフリーの端末を扱う格安スマホの一部は、計画通りに発売する方針とも報じられています。

                                                 

                                                 マスコミの論調の中には、米国に分があり、中国がいよいよヤバイ!というトーンの論調もあります。私も、中国が米国債で売却するという反撃に出るなどというシナリオは、残念ながら米国のIEEPAやUSA-Freedom Actなどの米国内の法律により、デジタル資産で保有する米国債の資産を凍結するということが可能であるため、勝ち目はないとみています。

                                                 

                                                 その一方で別なシナリオもあり得ると思っていまして、反中の私であっても中国株は、まだ保有を継続しようと悩むシナリオがあるのです。

                                                 

                                                 例えば、中国は自国の会社でOSを作ろうとしています。もちろん現時点の技術水準では、失敗する可能性もあるでしょう。しかしながらだからといって、それが原因でファーウェイが衰退していくというシナリオが皆無だとまでは言いませんが、衰退していく可能性は低いかもしれないとも思っています。

                                                 

                                                 なぜならば中国人は14億人と人口が多く、所得がどんどん上昇しています。今の中国は、中国国内に、日本の所得と同じくらいの所得階層の人の地域が、大陸の中にポコンと1つあるくらいの状態で、今なお、それが拡大してどんどん豊かになっていっています。

                                                 

                                                 14億人もの人口を抱えるとして、仮に14億にが豊かになれば、日米欧の経済規模を超える可能性も十分にあります。今の状況のように米国のモノを使わざるを得ないという状況が続けば、今の状況が保存されるかもしれません。しかしながら米中経済戦争を通じて孤立化することを通して進化するというシナリオがあるのでは?とも私は思っています。

                                                 

                                                 かつて米国は日本企業を円高にすることを通して日本経済に大打撃を与え、日本をつぶそうとした歴史があります。しかしながら、そのことを通して却って日本は超円高に耐えられる筋肉質のものすごい強い国になりました。

                                                 

                                                 いま日本が落ちぶれているのは、デフレに突入し、デフレによって自滅しただけです。事実でいえば、1997年の消費増税5%から始まった緊縮財政によってデフレに突入し、その後もデフレ対策をやらず、規制緩和や公共事業削減や医療介護費抑制を通じてカネカネカネと国家ぐるみでお金を使わないことを継続してきました。さらに2014年4月の消費増税8%で、日本経済は自滅に次ぐ自滅をしました。未だ2019年10月の消費増税ですら、中止・延期もしくは減税という話が確定せず、さらに毒を飲むことになろう10%増税を予定通り施行というシナリオさえ消えていません。

                                                 

                                                 中国は中国共産党による一党が支配する国であり、日本のような自滅をするとは考えられません。事実、米中貿易戦争となるや否や、外需が伸びないと考えて鉄道投資を1兆円積み増して6兆→7兆への財政拡大を発表。さらに一帯一路で外需を取り込み、中国製造2025で国内需要拡大という政策もあり、マクロ経済的にはGDPが拡大する豊かになる政策を次から次へと行っています。

                                                 

                                                 日本は1997年の構造改革基本法が制定され、消費増税5%施行後、デフレに突入しましたが、デフレ対策をちゃんとやっていれば、米国を抜いて覇権国になっていた可能性がありました。日本がつぶれたのは、緊縮財政で自爆して自滅したからに他なりません。アホな財務省や、アホな経済学者らが原因で、自滅して潰れました。

                                                 

                                                 中国は地政学を研究して一帯一路をやり、マクロ経済の王道のケインズ経済学もやっており、いわば自前のMMT(現代貨幣理論)を実行しているといえるのです。

                                                 

                                                 したがって国力が増強される可能性は高く、具体的には自前でOSを作り、米国や日本の技術を盗んで製造2025によって自前で半導体や高品質の電子部品が作れるようになる可能性を、現時点で全否定することが私にはどうしてもできません。

                                                 

                                                 そのため、トランプ大統領が米中貿易戦争を仕掛けて、一時的に中国が傷ついたとしても、逆にそれによって進化してしまうというシナリオもあり得るのでは?と思うのです。

                                                 

                                                 実際に中国と貿易している国はたくさんあり、欧州も中国に対して一枚岩となっていません。だからトランプ大統領がどれだけ中国をつぶそうとしても、中国が負けない可能性もあると思うと、その隣国に位置する私たち日本も脅威を感じざるを得ないと私は思います。

                                                 

                                                 

                                                 というわけで今日は「財政黒字を目指して消費増税で自滅する日本と、財政赤字を拡大して進化する可能性がある中国」と題して論説しました。

                                                 

                                                 

                                                 

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                                                消費増税10%実施は、日本発のリーマンショック級危機か!

                                                安倍首相の経済アドバイザー 本田悦朗氏(駐スイス大使)「増税凍結が望ましい!」

                                                ”合わせ技”リーマンショック

                                                ついに消費減税5%という言説が登場!

                                                乗数効果について

                                                増税して政府の財政を健全化させることは憲法13条違反です!

                                                財政法第4条について(公共事業の費用は国債発行して何ら問題なし!)

                                                「日銀の円建て国債購入が財政法第5条による財政ファイナンスに該当する」との指摘に対する反論

                                                政府の黒字は国民の赤字、政府の赤字は国民の黒字です!

                                                デフレ脱却のためには財政赤字の拡大が必要です!

                                                財政赤字を増やそうとしたイタリア政府


                                                MMT理論の批判論に対する反論!

                                                0

                                                  JUGEMテーマ:銀行

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                                                   みなさまの中には、銀行は預金者の預金に利息をつけて貸し出すと思われている方、多いのではないでしょうか?

                                                   

                                                   私もかつて20代のころ、商社や卸売業・小売業が商品製品を仕入れて利益を乗せて売るという行為と同様に、銀行もお金を仕入れて利息をつけて貸し出すと思ってました。ところが、これが実はウソだったというのが、MMT理論です。

                                                   

                                                   MMT理論は、ニューヨーク州立大学のステファニー・ケルトン教授が提唱している理論なのですが、特段目新しい理論でも何でもなく、事実を淡々と整理しているものです。 

                                                   

                                                   消費増税の延期・凍結観測が出る一方、マスコミは消費増税を肯定的な発言をしている政治家のコメントを取り上げ、しきりにそれを打ち消そうとしています。すべては財務省職員が、そのように仕向けているというのが真実であり、消費増税の黒幕こそ財務省であることは、本ブログの読者であればご理解いただけるかと思います。

                                                   そんな中、MMT理論についても過去に取り上げておりますが、改めて今日は「MMT理論の批判論に対する反論!」と題して下記の順で論説します。

                                                   

                                                   

                                                  1.もっとも簡単なMMTの理解

                                                  2.政府は財源の心配がないのなら、税金は何のためにあるのか?

                                                  3.MMTに対する批判の内容について

                                                   

                                                   

                                                   

                                                  1.もっとも簡単なMMTの理解

                                                   

                                                   日本、米国、英国のような自国通貨を発行できる政府(政府+中央銀行)は、債務不履行そのものがあり得ません。政府+中央銀行の組み合わせは、日本であれば日本政府+日本銀行、米国であれば米国政府+FRB、英国であれば英国政府+イングランド中央銀行です。ドイツのようにユーロに加盟してる国は、欧州中央銀行が共通通貨を発行するため、日米英とは異なり、ドイツは債務不履行は起こり得るのです。

                                                   

                                                   そして自国通貨を発行できる政府は、変動為替相場制を導入さえしていれば、いくらでも好きなだけ支出することができます。そのため、財源の心配は一切無用です。

                                                   

                                                   ただし、供給に制約があれば、欲しいものが買えなくなるという点で困ることが起こり得ます。例えば、フリーランチのお店があったとして、いくらでも好きなだけランチを注文できるので、お金の心配は無用ですが、数に限りがあると、注文してもランチが出てきません。

                                                   

                                                   

                                                   

                                                  2.政府は財源の心配がないのなら、税金は何のためにあるのか?

                                                   

                                                   政府は通貨を定めます。具体的には円、ドル、ポンドなどです。政府は国民に総税を課し、法定した通貨を「納税手段」とします。その結果、通貨は納税義務の解消手段という価値を持つのです。

                                                   

                                                   そして、納税義務の解消手段という価値を持つ通貨が、取引手段や貯蓄手段としても使われて流通しているというのが事実です。

                                                   

                                                   そう考えますと租税とは、財源確保の手段ではなく、経済を調整する手段ともいえます。

                                                   

                                                   税負担を軽くした場合、通貨の需要(納税負担)が低くなるため、国民はお金よりもモノ・サービスを欲しがり、物価は上昇するインフレ圧力が生まれます。

                                                   

                                                   税負担を重くした場合、通貨の需要(納税負担)が高くなるため、国民はモノ・サービスよりもお金を欲しがり、物価は下落してデフレ圧力が生まれます。

                                                   

                                                   したがって基本的に増税すればするほど、デフレが深刻になっていくのです。

                                                   

                                                   また、高所得者により重い所得税を課した場合、所得格差を是正しますが、これは温室効果ガス排出に税を課すと温室効果ガスを抑制するというのと同じでもあります。即ち、消費に税を課すと、消費を抑制するのです。

                                                   

                                                   

                                                   

                                                  3.MMTに対する批判の内容について

                                                   

                                                   政策担当者や経済学者、エコノミスト、アナリストら、MMT批判の内容は主に下記2つに収斂されます。

                                                   

                                                  〆眄赤字の拡大はインフレを招く

                                                  ∈眄赤字の拡大は、民間貯蓄の不足を招き、金利を高騰させる

                                                   

                                                   確かに、財政赤字を拡大すれば、需要過剰(供給不足)となるのでインフレになります。これは事実です。

                                                   

                                                   とすれば、デフレや低インフレの状況下であれば、財政赤字を拡大しても何ら問題がないと言っていることと同じです。というより、「〆眄赤字の拡大はインフレを招く」という言説そのものが、デフレ脱却には財政赤字の拡大が効くという事実を認めたことになります。

                                                   

                                                   そして「〆眄赤字の拡大はインフレを招く」という言説は、財政赤字を削減して財政黒字にしようとすればするほどデフレになるということを認めたことにもなるのです。

                                                   

                                                   そうはいっても”財政規律”がなくなるってどうなの?本当に大丈夫なの?という意見があるかもしれません。しかしながらその意見は、そもそも財政規律とはプライマリーバランス(基礎的財政収支)を黒字にすることではなく、GDP比対政府負債残高でも何でもないことを知らない意見といえます。

                                                   

                                                   もし財政規律はインフレ率にしようと決めれば、財政赤字になることで心配になるのはインフレ率になります。そのため例えばインフレ率4%になったら財政赤字の拡大をやめようと決めれば、そうすればいいだけの話です。

                                                   

                                                   「∈眄赤字の拡大は、民間貯蓄の不足を招き、金利を高騰させる」という言説は、そもそも根本的な事実誤認です。財政赤字の拡大が、民間貯蓄の不足を招くということはあり得ません。

                                                   

                                                   これは何もMMT理論固有の理論でも何でもなく、単なる事実です。

                                                   

                                                  <財政赤字にすることで預金が生み出されるプロセス>

                                                   

                                                   

                                                   上記のイメージ図の通り、政府が財政赤字を拡大することで、預金が生み出されるのです。このイメージ図は、政府がお金を借りた場合をイメージして作成したものですが、企業が設備投資をする場合ならば、「政府」が「企業」に代わり、住宅ローンの場合は、「政府」を「家計」に読み替えればOKです。

                                                   

                                                   デフレでモノ・サービスの値段を下げないと売れにくい状況では、企業は設備投資ができず、個人も住宅ローンなどが組みにくいという状況下であっても、政府は国家が他国に乗っ取られるなど存続しなくなることがない限り、理論的には財政赤字を拡大することは可能です。

                                                   

                                                   と同時に預金を生み出すのは、借り入れを増やしたときであるということが、上記のイメージ図で理解ができるかと思います。

                                                   

                                                   端的にいえば、銀行は個人から企業から集めた預金をもとに貸し出しをしているというのが事実誤認であり、銀行が貸し出しをすることで預金が生まれるというのが真実を表しています。

                                                   

                                                   そのため、銀行員が借り手の口座に「1000万円」と記帳すれば、1000万円の預金が生まれるのですが、この場合の借り手は、政府でも企業でも個人でも構いません。

                                                   

                                                   政府はインフレ率という意味での財政制約があったとしても、それ以外の財政制約はありません。ミクロ経済でいう予算制約は、企業や家計では当てはまりますが、政府は全く当てはまらないということも事実です。

                                                   

                                                   

                                                   というわけで今日は「MMT理論の批判論に対する反論!」と題して論説しました。

                                                   MMT理論の批判者は、今さら「財政危機はありませんでした!」とは言えず、今さら「”貸し出しによって預金が生み出される”

                                                  という事実を知りませんでした!」とも言えず、今まで財政危機を煽ってきた人々らのメンツがつぶれるという理由で、批判しているにすぎません。自分の地位・立場が崩れるという理由でMMT理論を批判し、ウソの財政破綻を煽っているというのが、悲しいことに現実です。

                                                   こうした人々らが自らの過去の言説に対して過ちを認めた時に初めて財政赤字を拡大して成長を取り戻せます。そうすれば、日本はデフレのどん底から這い上がり、世界の覇権を握れるくらいにまで発展を取り戻せるものと思っております。

                                                   そのため、過去の間違った言説を振りまいた人が過去の言説の過ちを認めたときに、その人を許すだけの寛容になることも必要なのではないか?と私は思うのです。

                                                   

                                                   

                                                   

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                                                  ”政府は借金し放題”という”現代金融理論”について

                                                  グリーン・ニューディール政策と現代金融理論

                                                  親日家の投資家ジム・ロジャーズ氏が指摘する日本の財政破綻に反論する!

                                                  憲法改正で財政規律条項を入れる動きに反対!

                                                  日銀が保有する国債は、地球が崩壊して滅亡するまで放置でOK!


                                                  中身がボロボロの2019年1月〜3月のGDP1次速報の数値

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                                                    JUGEMテーマ:経済成長

                                                     

                                                     今日は、5/20に内閣府から発表されたGDP速報値について取り上げ、「中身がボロボロの2019年1月〜3月のGDP1次速報の数値」と題して論説します。

                                                     

                                                     下記は日本経済新聞の記事です。

                                                    『日本経済新聞 2019/05/20 1〜3月GDP、年率2.1%増 個人消費は0.1%減     

                                                     内閣府が20日発表した1〜3月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除く実質で前期比0.5%増、年率換算では2.1%増だった。2四半期連続のプラス成長となった。10〜12月期は年率換算で1.6%増だった。住宅投資や公共投資の増加がプラス成長に寄与した。QUICKが集計した民間予測の中央値は前期比0.1%減で、年率では0.3%減だった。

                                                     生活実感に近い名目GDPは前期比0.8%増、年率では3.3%増だった。名目でも2四半期連続のプラスになった。

                                                     実質GDPの内訳は、内需が0.1%分のプラス、外需の寄与度は0.4%分のプラスだった。

                                                     項目別にみると、住宅投資は1.1%増で、3四半期連続でプラスだった。持ち家を中心に持ち直しの傾向がみられた。公共投資は1.5%のプラスだった。』

                                                     

                                                     

                                                     上記の通り、内閣府が発表した1〜3月GDPの1次速報値は、実質で前期比0.5%増(年率換算2.1%増)、名目は0.8%増(年率3.3%増)となりました。記事では住宅投資と公共投資の増加がプラス成長に寄与したと報じられています。

                                                     

                                                     この件について、内閣府のホームページに掲載のCSVファイルを掲載し、実際に中身を見ていきたいと思います。

                                                     下記は実質GDP・名目GDPの季節調整系列の実額です。(数字が小さくてゴメンナサイ。)

                                                     

                                                    <実質GDP・名目GDPの季節調整系列の実額(字が小さくてゴメンナサイ)>

                                                    (出典:内閣府のホームページに掲載のCSVファイルから引用)

                                                     

                                                     このブログサービスの画面の構成の関係で、大きすぎる図は横にはみ出してしまうため、数字が小さくなってしまうことをご容赦ください。

                                                     

                                                     字が小さくなっている部分(図の赤く丸した部分)を改めて大きく取り上げます。

                                                     

                                                    <実質GDPの10-12と1-3の数値実額>

                                                    民間設備投資:87.7兆円→87.4兆円(▲3,000億円)

                                                    在庫投資:1.8兆円→2.5兆円(△7,000億円)

                                                    公的固定資本形成:24.6兆円→25.0兆円(△4,000億円)

                                                    輸出:93.2兆円→90.9兆円(▲2兆3,000億円)

                                                    輸入:96.8兆円→92.3兆円(▲4兆5,000億円)

                                                     

                                                    <名目GDPの10-12と1-3の数値実額>

                                                    民間設備投資:90.6兆円→89.6兆円(▲1兆円)

                                                    在庫投資:1.9兆円→2.5兆円(△6,000億円)

                                                    公的固定資本形成:26.6兆円→27.1兆円(△5,000億円)

                                                    輸出:101.1兆円→97.6兆円(▲3兆5,000億円)

                                                    輸入:102.9兆円→94.7兆円(▲8兆2,000億円)

                                                     

                                                     

                                                     日本経済新聞の記事では指摘がされていない点がありまして、合わせて見ていただきたく思います。実質GDPと名目GDPの違いについては、関連記事をお読みいただきたく。簡単にいえば実質GDPは直接計算できません。名目GDPを統計算出し、定点観測している物価指数を表すGDPデフレーターを増減して実質GDPを算出します。

                                                     イメージ的には、実質GDPは、商品製品の個数・サービスの回数、名目GDPは、商品製品の値段・サービスの値段ととらえていただければと思います。

                                                     

                                                     そしてGDPと税収の関係は下記の通り。

                                                     

                                                     GDP=個人消費+設備投資+政府支出+純輸出

                                                     純輸出=輸出−輸入

                                                     税収=名目GDP×税収弾性値×税率

                                                     

                                                     

                                                     話を戻しまして実質GDP数値の内容でいえば、輸出と輸入が大きく落ち込んでいることが分かります。輸出の大きな落ち込みは、米中貿易戦争や世界的なデフレでスロートレード(貿易量の減少)によって落ち込んでいると思われますが、一番の要因は米中貿易戦争による影響が大きいと考えられます。

                                                     輸入の落ち込みは、日本がデフレで海外のモノを買うことができるほど、国内消費が旺盛ではないということで、その証拠に個人消費と設備投資はマイナスです。

                                                     在庫投資については見方が微妙で、増えたら増えたで投資が増えたとみる一方、在庫が売れずに積み上げてしまったと考えることもできるため、ポジティブにもネガティブにも捉えられます。

                                                     公的資本形成とは、公共事業を指します。2018年度に2次補正予算で2.7兆円の予算を付けた影響で増えていると思われます。

                                                     

                                                     こうしてみますと、数字的にインパクトが大きいのは”輸入の減少”です。実質GDPで▲4兆5,000億円、名目GDPで▲8兆2,000億円となり、今回のGDP寄与で最も大きく影響した項目です。

                                                     

                                                     GDPをカウントするとき、上記式の通り輸入は控除(マイナス)されます。何が言いたいかといえば、輸入のマイナス、即ち実質GDP4兆5,000億円、名目GDP8兆2,000億円が前期比同水準レベルで推移してプラスマイナスゼロだった場合、GDPは下記の通りとなります。

                                                     

                                                    実質GDP:▲1.3%(実質実額で、534.8兆円→537.6兆円 ⇒ 534.8兆円→533.1兆円 ▲1.7兆円)

                                                    名目GDP:▲2.7%(名目実額で、549.4兆円→554.0兆円 ⇒ 549.4兆円→545.8兆円 ▲3.6兆円)

                                                     

                                                     もしも輸入の減少がなかりせば、1-3のGDPは大きなマイナスだったというのが日本経済の第1四半期の統括です。

                                                     いかがでしょうか?GDPがプラスになったといっても、全然喜べる数字ではないということがご理解いただけるのではないでしょうか?

                                                     

                                                     日本経済新聞の記事には個人消費もマイナスと報じていますが、日本は国力が強い内需国であって、個人消費はGDP530兆円のうち300兆円(約6割弱)を占めます。普通、内需が冷え込むと購買力が下がるため、輸入は減少する傾向にあるのですが、米中貿易戦争などの要因があるとしても、輸入の大きなマイナスについて注目している新聞記事は、私が見る限りありませんでした。

                                                     

                                                     

                                                     というわけで今日は「中身がボロボロの2019年1月〜3月のGDP1次速報の数値」と題して、2019年1月〜3月のGDP1次速報値について論説しました。

                                                     この状況で、消費増税をするなど、鼻で笑うほどあり得ない状況であることを改めて申し上げたいと私は思うのです。

                                                     

                                                     

                                                    〜関連記事〜

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                                                       今日は「トランプ大統領の国連の武器規制条約からの撤退の意味とは?」と題して論説します。

                                                       

                                                       下記は日本経済新聞の記事です。

                                                      『日本経済新聞 2019/04/27 04:34 トランプ氏、武器貿易条約の署名撤回 「主権渡さず」     

                                                      【インディアナポリス=関根沙羅】トランプ米大統領は26日、通常兵器の取引を規制する国際枠組みである武器貿易条約(ATT)への署名撤回を発表した。米中西部のインディアナ州インディアナポリスで開催された全米ライフル協会(NRA)の年次総会で明らかにした。地球温暖化対策の「パリ協定」やイラン核合意などの国際的な枠組みからの離脱に続き、米国の主権を重視する姿勢を改めて示した。

                                                       トランプ氏はNRAの基調講演で「私の政権下では米国の主権を誰にも引き渡さない」と宣言。壇上で、米議会に対してATTへの批准プロセスを直ちにやめるよう命じる文書に署名した。ATTは、通常兵器がテロリストの手に渡って使われる事態を防ぐため兵器の取引を規制する国際条約で2014年に発効した。米国は13年にオバマ政権が署名したが、米議会は批准していなかった。

                                                       ホワイトハウスは、ATTは無責任な兵器移転の問題の解決策としては不十分な上、米国による他国への兵器販売を制限すると説明した。現時点で日本を含め約100カ国がATTに加盟しているが、武器輸出大国の中国やロシアなどは加盟していない。

                                                      NRAは約500万人のメンバーを抱える全米最大規模の銃ロビー団体だ。NRAは16年の米大統領選でいち早くトランプ氏への支持を表明しており、銃保有者や銃業界はトランプ氏の重要な支持基盤だ。NRAはATTは合衆国憲法修正第2条によって保障される銃保有の権利を脅かすと批判していた。

                                                       トランプ氏はATTの署名撤回を発表することで支持基盤にアピールする狙い。トランプ氏が「外国の官僚があなたたちの合衆国憲法修正第2条を踏みにじることは許さない」と述べると、会場からは歓声があがった。』

                                                       

                                                       

                                                       上記日本経済新聞の記事の通り、2019/04/26に米国で、トランプ大統領がATTへの署名を撤回すると発表しました。ATTとは、"Arms Trade Treaty"の略で、国連の武器貿易条約のことです。この条約は、核兵器のような大量破壊兵器ではなく、手榴弾などの通常兵器の輸出や輸入を規制するための条約で、平和達成のために武器の貿易をコントロールすることが目的の条約です。

                                                       

                                                       トランプ大統領は、この武器貿易条約から脱退すると、2019/04/26に発表しました。この件では日本経済新聞の記事を紹介させていただきましたが、他紙も報道しているものの、ほとんどの人が「またトランプ大統領がおかしなことをいっている!」くらいにとらえている人が多いかと思います。

                                                       

                                                       そもそもこの武器貿易条約というのはどういう条約か?といいますと、2013年に国連で採択されたものです。米国もこれに賛成し、多くの国100か国以上の国々が賛成して成立した条約です。

                                                       

                                                       2013年のとき、米国大統領はオバマ大統領だったのですが、オバマ政権がこの条約に賛成し、当時の国務長官だったジョン・ケリー氏が署名しています。しかしながら米国議会の上院がこの条約の批准を拒否しました。

                                                       

                                                       米国というのは大統領が何でも好きにできるわけではありません。実は議会、特に上院と下院でも上院が強いのです。特に外交に関するものは上院が責任を持っているため、上院が批准しない限り、トランプ大統領がいくら署名したとしてもダメなのです。

                                                       

                                                       2013年の時もオバマ大統領は武器貿易条約を批准したかったので、これを認めて署名したのですが、米国の上院は拒否しました。

                                                       

                                                       少し話を戻しますが、この条約は何を規制しているのか?といえば、具体的には、戦車、軍用ヘリ、小型銃、手榴弾などの核兵器のような大量破壊兵器以外の武器の貿易を規制するものです。

                                                       

                                                       なぜトランプ大統領は、この条約からの撤退を決めたのでしょうか?

                                                       

                                                       理由は米国の国家主権を侵害するというのが、その理由です。

                                                       

                                                       この条約は一見、世界の武器を減らすということで、平和的で聞こえがいいように思えるのですが、実際は中国や北朝鮮やイランがやっている武器の密輸に対しては何も制限をしていません。そのため、普通の武器輸出入を規制する一方で、密輸はそのまま放置するというものでもあります。

                                                       

                                                       2019/04/26トランプ大統領は、武器貿易条約への署名撤回発表と同時に、ホワイトハウスが声明を出しています。ホワイトハウスの発表によれば、「トランプ大統領は国家主権を守るために、国連武器貿易条約を撤回する」と発表しているとのこと。ところが実際は、この武器貿易条約に参加した国はたくさんあり、例えば英国もその一つです。

                                                       

                                                       英国はこの条約に参加した後、同盟国のサウジアラビアに武器を輸出しようとしたのですが、CAAT(Campaign Against Arms Trade)、Avaaz、アムネスティなどの団体が反対運動を起こし、英国に対して裁判所に訴えてきた団体もあるとのこと。この訴えにより、英国はサウジアラビアに武器を輸出することを断念せざるを得なくなってしまいました。

                                                       

                                                       もし米国が英国と同様にこの条約に参加していた場合、米国が同盟国を守るために同盟国に武器を売るということができなくなるでしょう。具体的にいえば、中国共産党政権から台湾を守るために、台湾に武器を売るということも、おそらくこの条約によって規制されてできなくなってしまうことでしょう。

                                                       

                                                       TPPもそうですし、EUやシェンゲン協定も然りですが、国連の条約は国際法であり、国家の主権の上に位置されます。国連のグローバリズムルールは、国家主権の上にくるのです。

                                                       

                                                       トランプ大統領は「私たちは選挙で選ばれていない責任が伴わないグローバル官僚たちに国家主権を絶対に譲らない!」といっています。

                                                       

                                                       この発言の意味は、英国のブレグジットが分かりやすいでしょう。ブレグジットで考えれば、英国は今でもEUに属しており、そこから出ようとしている状況です。そしてそのEUを取り仕切っているのはEU委員会という組織であり、この組織は世界でいえば、国連に相当するグローバリズム的な組織です。

                                                       

                                                       そのEU委員会の委員は誰なのか?といえば、何の責任も負わないグローバル官僚たちです。

                                                       

                                                       そのグローバル官僚たちが、選挙で選ばれている人たちによって構成される各国の国家主権の上にくるというのが、グローバリズムの構図であり、国連とはまさにその構図です。

                                                       

                                                       だからトランプ大統領は「選挙で選ばれていないグローバル官僚なんかに、大事な国家主権を絶対に譲らないぞ!」といっているのです。もちろん武器輸出で儲かるならば何をやってもいいということではありません。米国の法律に基づいて責任をもって武器の輸出は行われるため、国連の武器貿易条約は不要というのがトランプ大統領の立場でもあり、上院の主張でもあります。

                                                       

                                                       記事では全米ライフル協会の年次総会の場で、トランプ大統領の発言があったことを報じていますが、この全米ライフル協会は、米国の中でも大きなロビー団体の一つであり、強大な力を持っています。

                                                       

                                                       全米ライフル協会は、銃を持つことの自由を訴えている団体で、日本人の人がそう聞くと危険な右翼団体と誤解しがちですが、実際は全く違います。象徴的に銃を持つ自由を訴えているものの、彼らが真に訴えたいのは、自由と国家主権の大切さです。

                                                       

                                                       トランプ大統領は来年2020年に大統領選挙の再選がかかっているため、リップサービスでライフル協会の場で発言したという見方もあるかもしれません。選挙に勝つためにはそうかもしれませんが、武器貿易条約の撤回の意味は、国家主権を守るということではないでしょうか?

                                                       

                                                       国家主権が国際法で規制され、肝心な時に国家が何もできなくなってしまったら、その国家は存続することが危うくなることさえあり得ます。

                                                       

                                                       そのため、国家主権を守るために国連の武器貿易条約から撤退するという判断をされたのは、ある意味で正しい判断であると私は思います。

                                                       

                                                       

                                                       というわけで今日は「トランプ大統領の国連の武器規制条約からの撤退の意味とは?」と題して論説しました。 

                                                       米国には国家主権を大切に思うアメリカ人がたくさんいるのだと改めて思います。その一方で私たちは国家主権を何よりも大切にするという考え方が欠けているような気がします。

                                                       国家主権よりも自由、ナショナリズムよりもグローバリズムという発想は、世界的には周回遅れであり、多くの日本人もマスコミ報道に流されず、国家主権を大切にするという考え方を多くの人に持っていただきたいものと私は思うのです。


                                                      血税3,500億円を突っ込んだジャパンディスプレイ社を800億円で中国企業に売ろうとしている日本の官民ファンド

                                                      0

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                                                         皆さんは、ジャパンディスプレイという会社をご存知でしょうか?

                                                         

                                                         スマートフォンやタブレットなどのディスプレイを作る会社で日本のハイテク技術を象徴するような素晴らしい会社なのですが、この会社が中国の手に落ちるかもしれないという状況であることをご存知の方は少ないかと思います。

                                                         

                                                         そこで今日は下記の順、

                                                        1.失敗IPOだったが技術力があるすごい会社

                                                        2.中台コンソーシアムへ売却の経緯と日本のハイテク技術が流出するという問題点

                                                        3.中国を通じた技術流出を阻止しようとしている米国トランプ政権

                                                        4.中台コンソーシアムへの売却を進めたのは誰か?

                                                        でご説明したく、「血税3,500億円を突っ込んだジャパンディスプレイ社を800億円で中国企業に売ろうとしている日本の官民ファンド」と題して論説します。

                                                         

                                                         

                                                         

                                                        1.失敗IPOだったが技術力があるすごい会社

                                                         

                                                         株式投資でIPOをやっておられる方でしたら、ジャパンディスプレイについて、上場失敗IPOとして記憶がある人もいるかもしれません。今から5年以上前の2014/03/19が上場日だったのですが、公募価格900円に対して、初値は769円。その後も株価は低迷し続け、一度も公募価格900円を上回ることはありませんでした。

                                                         

                                                        <ジャパンディスプレイ(証券コード:6740)のチャート>

                                                         

                                                         

                                                         

                                                         上記チャートの通り、5/17(金)の終値は57円ですが、チャートは見事に右肩下がりのチャートであり、IPOで買われた方は、ひどく損をしたということになります。

                                                         

                                                         株式投資という観点からは、大変イメージが悪い会社かもしれないジャパンディスプレイですが、この会社は実はものすごい会社なのです。

                                                         

                                                         何がすごいか?といえば、日本の名だたるハイテク企業のソニー、日立、東芝の液晶パネル事業を統合してできた会社なのです。しかも、その3社になる前に統合されていたのが、三洋電機、セイコー、パナソニックです。これら6社6大企業が一つの日本企業となったのがジャパンディスプレイであり、経済産業省が主導して一つにまとめました。そして、産業改革機構が、官民ファンド(以下「INCJ」)として、2,000億円の出資を受け、2012年に発足しました。

                                                         

                                                         まさに日の丸企業であり、日の丸を背負って作られた企業といえます。

                                                         

                                                         この液晶パネル業界というものは、日本がリードしてきた分野なのですが、その後、中国や台湾の企業が台頭し、コストが安いということでどんどんシェアが奪われていきました。そんな中で発足したのがジャパンディスプレイなのです。

                                                         

                                                         

                                                         

                                                        2.中台コンソーシアムへ売却の経緯と日本のハイテク技術が流出するという問題点

                                                         

                                                         そのジャパンディスプレイが発足した後、経営判断で誤りがあったといわれています。どういう誤りか?といえば、液晶パネル主体で行く判断をした時点で、既に世界の業界は液晶パネルではなく有機ELパネル、特にスマートフォンの画面では有機ELパネルを起用する方向に向かっていました。

                                                         

                                                         にもかかわらず、ジャパンディスプレイは頑なに液晶パネルで行くと判断。その理由はジャパンディスプレイの最大顧客がアップル社であり、iPhoneのパネルを作っていたことが背景にあります。

                                                         

                                                         ところがアップル社に引っ掻き回され、アップル社の要請でアップル社のためだけに大きな工場を設備投資した後に、アップルがもう時代は液晶パネルではなく有機ELパネルに転換してしまったため、ジャパンディスプレイは韓国のサムスン電子と組まざるを得なくなってしまったのです。

                                                         

                                                         そうした不幸なこともあって、どうにもならなくなり、何期も赤字決算を続けて身売りすることになりました。

                                                         

                                                         その身売りした先がどこなのか?というと、なんと相手は中国です。

                                                         

                                                         中国は日本のディスプレイ技術を狙っていました。そのジャパンディスプレイを作らせたINCJは官民ファンドで、日本政府が95%近くを出資し、残り5%を民間企業が出資しています。そのため、官民ファンドといっても、実質的には、政府のお金がほとんどであるというのが実態です。そういう意味では事実上日本国民の税金で成り立っている投資ファンドともいえます。

                                                         

                                                         政府の投資ファンドということで、政府の保証で投資ができるという利点はあるものの、その資金の出し手は日本国民の税金ということになります。

                                                         

                                                         では、日本政府の投資ファンドのINCJは、ジャパンディスプレイに投資した額は、いくらになるでしょうか?

                                                         

                                                         当初2,000億円から始まり、その後追加投資で2度の750億円の追加出資を合わせますと、合計で3,500億円も出資しています。その多くは日本国民の税金なのですが、今年4月、そのジャパンディスプレイを中国・台湾のコンソーシアムに、たったの800億円で売却することが決定しました。

                                                         

                                                         3,500億円もつぎ込んで、挙句の果てに中国・台湾企業にわずか800億円で売却するということについて、皆さんはどのようにお感じになるでしょうか?

                                                         

                                                         確かにジャパンディスプレイの経営は大変厳しい状況で運転資金がない状況で、中台コンソーシアムから総額800億円の金融支援を受けると2019/04/12に発表がありました。

                                                         

                                                         これだけ日本国民の税金が投入されたジャパンディスプレイですが、中台コンソーシアムから金融支援を受けるということは、非常に問題があるといえます。

                                                         

                                                         お金が無駄になるということもさることながら、一番の問題は仮想敵国の中国に最先端技術を取られるということです。

                                                         

                                                         ジャパンディスプレイの技術は大変すばらしく、特に液晶パネル分野では、フレキシブル液晶パネルという柔らかい素材のフレックスというのがあり、そうした技術を子会社が持っています。

                                                         

                                                         そのような高い技術を持つ子会社を傘下に抱えているにもかかわらず、経営が悪いというだけで中台コンソーシアム傘下に入ってしまうのが大変な問題で、技術が奪われてしまうのです。

                                                         

                                                         そして買収する中国と一緒に組んでいる台湾の会社ですが、台湾は来年総裁選挙があります。

                                                         

                                                         その台湾の総裁選挙に早くも立候補している人で、シャープを買収した台湾のホンハイの郭台銘(テリー・ゴウ)CEOが立候補を表明しています。台湾ホンハイは純粋な台湾企業ではなく、中国系台湾企業といわれており、郭台銘が来年2020年1月に総統になってしまった場合、台湾のハイテク業界は、親中国になるどころか、台湾全土が親中国になっていく可能性があります。

                                                         

                                                         

                                                         

                                                        3.中国を通じた技術流出を阻止しようとしている米国トランプ政権

                                                         

                                                         ここで問題は今、米国のトランプ政権、そして米国議会は中国に対して関税引き上げで貿易戦争を仕掛けています。その戦略の先には、台湾を中国から守ろうともしているのです。

                                                         

                                                         米国は1979年に中華人民共和国と国交を開始して以降、台湾との外交は自粛し、非公式な関係を保ってきました。

                                                         

                                                         米国ではトランプ大統領が就任して以降、この非公式な関係を見直して、2018/03/16には、台湾旅行法(Taiwan Travel Act)という法律を制定しました。この法律により、実質的に米国は台湾と友好関係を公式に結んだこととなる一方、一つの中国を訴える中国が反発したのです。

                                                         

                                                         1年前の少し古い記事ですが、ロイター通信の記事を紹介します。

                                                        『ロイター通信 2018/03/02 14:33 トランプが「台湾旅行法」に署名すれば戦争に発展=中国国営英字紙

                                                         中国国営英字紙チャイナ・デイリーは2日、米国で台湾との関係強化を目指す「台湾旅行法」が成立した場合、台湾を巡る戦争に発展する可能性があると警告した。

                                                         同法の内容は、全レベルの米政府職員に台湾への渡航と当局者との面会を許可し、同時に台湾当局者に対し「敬意のこもった条件で」訪米し米政府当局者と会うことを許可するもの。トランプ米大統領の署名を待つばかりとなっている。

                                                         チャイナ・デイリーは論説記事で、法案が成立すれば台湾の蔡英文総統は台湾の主権をいっそう強く主張することになるだけだ、と強いトーンで主張。「蔡総統が主権を主張すれば、中国では台湾の離脱を阻止するための『反国家分裂法』発動が避けられなくなるだろう」と述べた。

                                                         さらに「その場合、米国は国内法に基いて台湾のために行動を起こさざるを得ず、地獄に転落するのは簡単だという見解に実態を与えるだけだ」と警告した。

                                                         中国は蔡総統が正式な独立を志向しているとみているが、総統自身は現状を維持したいとしている。

                                                         一方、台湾側は「台湾旅行法」を歓迎した。

                                                         

                                                         上記の通り、トランプ大統領が「台湾旅行法」に署名すれば戦争に発展すると中国国営紙が報じたとする記事です。

                                                         

                                                         なぜトランプ大統領、そして米国議会は台湾を中国から守ろうとしているのでしょうか?

                                                         

                                                         それは台湾を通じて技術を奪われないようにしたいからに他なりません。

                                                         

                                                         これからの世界の覇権は、ビックデータの時代であり、5Gを始めとするハイテク技術をどこが握るか?で、まさに世界の覇権が決まるといわれています。

                                                         

                                                         中国は軍事力も伸ばしていますが、技術力でも世界覇権を握ろうとしており、そのために重要な位置が台湾であるからこそ、トランプ政権は、米国が守らなければならないと思っているわけなのです。

                                                         

                                                         現時点でも台湾は中国から武力的圧力に晒され、蔡英文政権は米国のトランプ政権に兵器を売って欲しいと要望し、実際にトランプ政権は兵器を台湾に売る方向ですすめています。

                                                         

                                                         それでも米国のトランプ政権は、最新鋭のジェット機や、潜水艦などは売ることはありません。なぜならば台湾の軍隊を通じて中国に技術が行ってしまうことを恐れているからです。

                                                         

                                                         そのくらいトランプ政権は台湾を心配し、1日も早く台湾を中国から切り離さなければならないと考えているのでしょう。

                                                         

                                                         

                                                         

                                                        4.中台コンソーシアムへの売却を進めたのは誰か?

                                                         

                                                         そんな状況下でありながら、日本のジャパンディスプレイが中台コンソーシアムに売却するということで、それをすすめたのはいったい誰なのか?というと、なんとINCJ、即ち日本政府の官民ファンドです。

                                                         

                                                         日本政府は、追加金融支援で出ていくお金が惜しいということなのでしょうか?

                                                         

                                                         これも「カネカネカネ」で技術やノウハウよりもお金という発想でものを考えているとしか私には思えません。

                                                         

                                                         この土曜日5/18に、中台コンソーシアムは、別の出資者の資金調達も要求するというニュースが朝日新聞で報じられています。

                                                         

                                                        『朝日新聞 2019/05/18 JDIに別の出資者の資金調達も要求 中台連合が新条件

                                                         経営再建中の液晶パネル大手ジャパンディスプレイ(JDI)が、出資の受け入れ交渉をしている中国・台湾の企業連合から、出資条件の見直しを要求されていることが分かった。JDIは4月、中台連合に最大800億円の資金を出してもらうと発表したが、中台連合は金融支援の条件として、新たな出資者を加えて資金調達をするよう求めている。JDIは債務超過寸前で、綱渡りの資金繰りが続いている。新たな出資者が見つからなければ、再建は暗礁に乗り上げる。

                                                         複数の関係者によると、中台連合がJDIの資産を査定したところ、想定以上に経営状況が悪く、追加の出資者を金融支援の条件につけたという。最大800億円の金融支援のうち数百億円を別の出資者から調達するよう求めており、この条件を満たさなければ交渉は進まないという。
                                                         JDIは海外の投資ファンドなどに出資を打診しているが、今のところ新たな出資者は見つかっていない。大株主である官民ファンドのINCJ(旧産業革新機構)もJDIへのさらなる支援には慎重という。JDIは4月、INCJからつなぎ融資200億円を受けたが、中台連合との交渉がまとまらなければ、今後1〜2カ月で資金繰りが行き詰まる可能性がある。』

                                                         

                                                         

                                                         上記の通り、中台コンソーシアムが追加資金を募るよう要求したというのがこの記事です。

                                                         中台コンソーシアムへの売却を中止すべくINCJが追加支援をするべき!と思うのは、私だけでしょうか?

                                                         

                                                         

                                                         

                                                         というわけで今日は「血税3,500億円を突っ込んだジャパンディスプレイ社を800億円で中国企業に売ろうとしている日本の官民ファンド」と題して論説しました。

                                                         米国はかつてリーマンショックのとき、リーマンブラザーズ証券は破綻してしまいましたが、AIGやシティーグループに税金を投じて救済しました。また、GMやクライスラーなどの自動車産業に対しても、税金を投じて救済しています。

                                                         リーマンブラザーズ証券は、証券業務であって製造する技術は何もありません。それでもその後の金融不安を引き起こさないために、保険会社のAIGやシティーグループを救済しています。いうまでもなく自動車産業は技術の塊であるため、普通に政府が救済しました。

                                                         なぜ日本政府は、ジャパンディスプレイへの追加支援をしないのか?これまでにもシャープや半導体のエルピーダメモリも然りですが、経営は自己責任ということがあったとしても、デフレ放置という日本政府の政策責任という情状酌量の余地があるのではないでしょうか?

                                                         さらにいえば、安全保障上もシャープやエルピーダメモリの技術が他国に奪われるということが問題がなかったのか?「カネカネカネ」とお金がもったいないとしてお金に固執し、技術はどうでもいいような日本の今の風潮に、私は絶望的に思います。

                                                         これを解決するためには、まず国力とは何なのか?お金の価値とはどういうものなのか?MMT理論を正しく理解するなどの知見を通じて、事実・真実を日本国民が知るようにならなければ、やがて日本という国は発展途上国に落ちぶれていくどころか、中国の属国になってしまうでしょう。

                                                         技術力か?お金か?といえば、技術力を選択する、そのように考える国民が増えていくよう正しい事実・真実を広めていきたいと改めて思うのです。

                                                         

                                                         

                                                        〜お知らせ(賛同できる方は、ぜひクリックください!)〜

                                                        平成政治からの決別を!令和の政策ピボット

                                                        反緊縮財政、反グローバリズム、反構造改革


                                                        日本はトランプ大統領の関税カードの使い方を学ぶべきです!

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                                                          JUGEMテーマ:ドナルド・トランプ

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                                                           今日は「日本はトランプ大統領の関税カードの使い方を学ぶべきです!」と題して論説します。

                                                           

                                                           トランプ大統領は、世界が注目する米中の貿易交渉について、5/10(金)00:00をもって米国の輸入品2000億ドル分(約22兆円相当分)に対して、関税を25%に引き上げました。その後、残りの3000億ドル分(約33兆円相当分)についても関税を25%に引き上げるとの報道がありました。

                                                           

                                                           ブルームバーグ紙の記事を紹介します。

                                                          『ブルームバーグ 2019/05/13 12:33 米、33兆円相当に最大25%の対中追加関税−6月終盤にも発動

                                                           米通商代表部(USTR)は13日、最大25%の追加関税を賦課する予定の中国からの輸入品3000億ドル(約33兆円)相当について、今後の手続きと詳細なリストを公表した。米当局者の説明によれば、公聴会などを経て発動は早くて6月終盤となる見通し。

                                                           トランプ米大統領はこの日これに先立ち、6月下旬に大阪で開催される20カ国・地域(G20)首脳会合に合わせて中国の習近平国家主席と会談する計画を明らかにしており、両国間の溝が一段と深まる中で会談が実現すれば、極めて重要な意義を持つ。

                                                           USTRは産業界などから追加関税計画に関する意見を募るとともに、6月17日に公聴会を開くとしている。追加関税の対象には子供服や玩具、携帯電話、ノートパソコンなど生活必需品が含まれる。医薬品もしくはレアアース(希土類)は適用除外とする方針。

                                                           トランプ大統領が新たな追加関税の導入に踏み切れば、中国からの輸入品のほとんど全てが米制裁関税の対象となる。また、トランプ氏が再選を目指す中で、米中貿易戦争の影響が多くの米有権者の懐を直撃することにもなる。

                                                           

                                                           トランプ大統領が習主席と会談するとしているG20大阪サミットは6月28、29両日に開かれるため、米国の新たな対中追加関税が同月終盤に発動することになれば、既に激化している貿易戦争を巡るリスクはさらに高まる見込みだ。

                                                           中国財政省は13日、米国からの輸入品600億ドル相当に6月1日から追加関税を課す報復措置をウェブサイトで発表。トランプ大統領が「中国は報復すべきではない。 悪化するだけだ!」との警告をツイート後、2時間足らずでの発表だった。25%の新税率が2493品目に適用され、他の製品も5−20%の関税の対象になるという。

                                                           

                                                           トランプ大統領は13日、中国の報復措置公表を受け、「ある程度の報復はかまわないが、極めて大規模な報復であってはならない」と述べ、中国に対して米国の通商措置に過剰反応しないよう求めた。ハンガリーのオルバン首相との会談に際し、ホワイトハウスで語った。

                                                          米景気後退も

                                                           トランプ大統領は同日夜、中国との通商協議が成功するかどうか「3、4週間程度」で分かるだろうと発言。「どうなるか知る由もないが、大成功を収めると感じている」と話した。

                                                           ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストらはリポートで、米関税引き上げにより、米金融当局が重視する基調インフレ指標は押し上げられる見通しであり、貿易摩擦がさらに激化すれば消費者物価は一段と上昇し、米経済成長を抑制しかねないと分析した。

                                                           中国の関税引き上げは、米国が先週、中国からの輸入品2000億ドル相当への米追加関税率を従来の10%から25%に引き上げたことへの報復措置だった。トランプ大統領は13日、合意がまとまりつつあったのに中国が約束を破ったと非難。「中国の習主席と私の多くの友人に対し、もし合意に至らなければ企業は中国を脱出せざるを得なくなるため、極めて大きな打撃を受けると警告したい。素晴らしい合意がほとんどまとまっていたのに、中国は後退した!」とツイートした。』 

                                                           

                                                           

                                                           

                                                          <米中間における貿易構造(2017年)>

                                                          (出典:三井住友銀行のアナリストレポートの中国国家統計局から作成した資料を引用) 

                                                           

                                                           上記は米中貿易構造を示した三井住友銀行のアナリストレポートに記載のグラフです。中国から米国へ輸出される製品は、2017年度の数値で5,056億ドルです。そしてブルームバーグの記事の通り、トランプ大統領が5/10(金)に2000億ドル分の輸入中国製品に対して25%の関税引き上げ、そして6月には、3000億ドル分についても25%に関税を引き上げるということですので、ほぼ中国からの輸入品全てに対して、関税を25%に引き上げたということになります。

                                                           

                                                           5/10以降も、中国の劉鶴副首相、米国のムニューシン長官、USTRのライトハイザー代表ら3人が並んで写真撮影するというシーンがあり、引き続き交渉が続いていました。また習近平総書記はトランプ大統領あてに書簡を送っています。とはいえ協議を続けてゴールが見えるかというと、見通しは立っておりません。

                                                           

                                                           それどころかブルームバーグ紙の記事の通り、5,000億ドルの製品の残りの3,000億ドルについても10%→25%への引き上げを表明したということで、この第二弾のものすごいカードをちらつかせて中国に揺さぶりをかけています。

                                                           

                                                           中国は大国というプライドもあり、実際にトランプ大統領の言うとおりに合意してしまったら、中国としてはメンツがないということで何とかごまかそうとしてきたと思われますが、トランプ大統領は逃しません。本当に容赦しません。

                                                           

                                                           トランプ大統領は「関税が好きだ!」ともいっており、先行して引き上げた2,000億ドル分の関税収入も5兆円ほど入ってきているはずです。この5兆円自体が貿易赤字を削減することになるので、トランプ大統領自身、関税はすごくいいものであると述べているのです。

                                                           

                                                           一方、中国側から見ると、関税の出費で貿易赤字になるのは痛いですが、何よりも問題は米国の技術を盗めなくなってしまうこと、これが中国にとって一番厳しい話です。

                                                           

                                                           中国はこれまで、世界の工場と言われて人口が多いだけで、マーケットで安売りをしているだけと言われるのではなく、技術立国として世界一を目指しており、とにかくすべて自分でできるようにしようと国力強化へ急速に動いています。

                                                           

                                                           そのため、中国は米国から技術を徹底的に盗まなければならないのですが、それができなくなるということが一番厳しいともいえるのです。

                                                           

                                                           とはいえ、中国が米国から技術を盗むことは完全な犯罪であり、盗みです。これを絶対に許さないとするトランプ大統領の姿勢こそ、絶対に正しいといえると、私は考えます。

                                                           

                                                           2019/05/09にトランプ大統領はフロリダで講演をしています。その中で、今までのオバマ政権の運営を批判しています。

                                                           

                                                           具体的には米国の製造業の雇用のうち、25万人の雇用が失われたとし、その原因はオバマ政権が中国に優しすぎで甘かったからだと述べています。

                                                           

                                                           オバマ政権は、中国が米国の工場を奪い、米国人の仕事を盗むということを平気で許し、そして中国が自由に米国の経済を盗み、知的財産を盗み、米国の産業を破壊してきたとも述べています。

                                                           

                                                           これらの言説をトランプ大統領は、”steal"や”rob”という語彙を多用し、中国がとにかく米国から盗みまくっていると表現。これがトランプ大統領の考えの中心であるといえるでしょう。

                                                           

                                                           トランプ大統領の考えとして、単に貿易赤字が膨大で赤字額を削減したいというのでもありません。なぜならばトランプ大統領が貿易赤字額が少しでも削減できれば満足すると思ったのか、中国は大豆を買いましょうとか穀物を買うような話を匂わせ、実際にその手を使ってきたのですが、トランプ大統領は全く満足しませんでした。

                                                           

                                                           要するに知的財産権、ハイテク技術などを盗むということを絶対に許さない、米国人の仕事を盗むこと、雇用を奪うことを絶対に許さない、米国人ファーストの確固たる考え方を前面に出しているともいえるでしょう。

                                                           

                                                           中国に対する関税について、トランプ大統領はフロリダの講演の中で、中国が米国国民の労働者をだまし、米国人の仕事を奪うのを辞めない限り、関税は続けるとはっきり言っています。

                                                           

                                                           したがってほぼすべての貿易に対して残り3,000億ドル以上の製品についても関税をかけるというとんでもない恐ろしいカードを使うことに、全く躊躇しないでしょう。

                                                           

                                                           こうしたトランプ大統領の関税の使い方、米国の中国に対する戦い、これらを見ていると、日本も中国に対して学ぶべきでは?と私は思います。

                                                           

                                                           例えば民主党政権の時、尖閣諸島問題というのがありました。この事件は、中国の漁船が尖閣諸島に入ってきて領海侵犯をしてきたというもので、当時日本の海上保安庁が中国の漁船を捕まえて船長を逮捕しました。

                                                           それに対して中国は「中国固有領土の尖閣諸島沖で、中国漁船の船長を日本が逮捕するとは、とんでもない話だ!賠償しろ!」と言ってきました。その時の政府の対応は、ただ何も答えず黙っていただけ。しかも船長をビジネスクラスで中国に返しました。

                                                           

                                                           ちょうどその事件と同じ時に日本企業のフジタの社員が逮捕されました。これはそもそも中国側の招聘を受けて、フジタの社員が中国に行ったのですが、それを逮捕して賠償請求しろと言ってきたのでした。

                                                           損害賠償を主張すべきは日本側であって、日本の漁民たち、尖閣沖で漁業をやっていた漁民への補償問題があり、本来ならば民主党政権は、それを中国に損害賠償すべきでだったのではないでしょうか?

                                                           

                                                           日本こそ、今のトランプ大統領のように、中国の輸入品に関税をかけるべきです。もしトランプ大統領が日本の首相だったら中国の製品に関税をかけていただろうと思われます。何しろ日本は中国から製品を買う必要はありません。

                                                           

                                                           これは韓国についても同じです。天皇への発言で韓国に制裁すべきだ!という意見がありましたが、全くその通りであり、トランプ大統領であれば韓国製品に即座に高関税をかけていたでしょう。

                                                           

                                                           

                                                           というわけで今日は「日本はトランプ大統領の関税カードの使い方を学ぶべきです!」と題して論説しました。

                                                           韓国のサムスン電子製のスマートフォンやテレビなどの家電製品もそうですし、中国のHuawei製品もそうですが、本来ならば日本は関税をかけるべきなのです。特に韓国の場合、天皇陛下に対して不敬罪を犯したということで、関税をかける大義名分が存在します。

                                                           中国についても韓国がやっていることと同様に、日本の技術を盗み、日本の雇用を奪ってきたことは明白ですし、安全保障をも脅かしている状況なわけで、Huawei製品などの中国製品に関税を高関税をかけるべきでしょう。

                                                           中国や韓国に対しての関税の使い方について、今回のトランプ大統領の関税の使い方を、私たち日本も参考にするべきであると私は思うのです。

                                                           

                                                           

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                                                          消費増税10%実施は、日本発のリーマンショック級危機か!

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                                                            JUGEMテーマ:経済成長

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                                                             今日は「消費増税10%実施は、日本発のリーマンショック級危機か!」と題して論説します。

                                                             

                                                             安倍政権の側近の萩生田光一氏が消費増税延期をコメントし、4/23には週刊ポストで「消費増税5%への減税が必要!」という言説が出てきたりして、消費増税について雰囲気がガラリと変わった感があります。

                                                             

                                                             昨年の暮れ12月末の時点では、消費増税をするのかしないのか?5分5分くらいのイメージでしたが、4分6分くらいになったような気がします。

                                                             安倍首相の本音は、消費増税10%をやりたくないということだと思われます。何しろアベノミクスがうまくいっていないのは、2014年10月の消費増税8%が原因であるということが、事実でもあると同時に安倍首相も「消費増税8%に引き上げても、消費はV字回復するから大丈夫!」という言説に騙されたと思っている可能性は多分にあります。

                                                             

                                                             米国ではトランプ大統領の経済政策がうまくいっており、実質賃金の上昇率は年率3.2%、失業率は3.8%と過去50年で最低水準にまで下がっています。

                                                             ところが日本は消費増税8%によって、デフレ促進となりました。デフレ脱却を標榜して誕生した第2次安倍政権ですが、明らかにアベノミクスは失敗しています。

                                                             以前にもお見せしたグラフですが、2015年の実質賃金の▲0.8%という数値を100として指数化した折れ線グラフです。

                                                             

                                                            <2015年を100として、1990年〜2018年の期間における実質賃金指数の推移>

                                                            (出典:厚労省のホームページの毎月勤労統計の資料の数値を引用)

                                                             

                                                             オレンジ色の折れ線グラフが示す通り、2014年4月に消費増税8%を施行以降、実質賃金指数は、リーマンショック時ですら回復していないのです。

                                                             米国のトランプ政権の経済運営が好調なのとは対照的に、日本は消費増税8%に加え、緊縮財政によって経済成長できず、国民の貧困化が進んでいるともいえます。

                                                             日本の失業率は米国の3.8%よりも低いという指摘もありますが、それは単に少子高齢化が進んでいて生産年齢人口の減少という環境に起因するものであり、残念ながらアベノミクスとはほとんど関係ありません。むしろアベノミクスでは雇用の質が悪い非正規社員の雇用が増えているというのが実態です。

                                                             

                                                             こうして明らかに消費増税8%は失敗だったという言説が溢れ始め、ついには消費増税延期どころか消費減税5%という言説も登場するなど、状況はガラリと変わりました。

                                                             

                                                             もちろん緊縮財政を推進する財務省を中心としたマスコミは、幼児教育無償化の財源として消費増税10%は避けられないなど、火消しに躍起です。メディアリテラシーが高い人であれば、最近の日本のマスコミ報道で、消費減税の言説をチョロチョロと紹介しながらも、「消費増税10%は決まった!」とか既成事実化しようとする記事も多く見受けられることに、お気付きかと思います。

                                                             

                                                             そんな中、昨日次のような記事がありましたのでご紹介します。

                                                             

                                                            『ロイター通信 2019/05/16 19:58 インタビュー:消費増税凍結必要、実施なら日本発リーマン級危機も=本田氏

                                                             [東京 16日 ロイター] - 前スイス大使で安倍晋三首相の経済アドバイザーとして知られる本田悦朗氏(TMI総合法律事務所顧問)は16日、ロイターとのインタビューの中で、10月に予定されている消費税率引き上げを実施すれば、デフレ脱却が難しくなるだけでなく、日本発のリーマン・ショック級の危機誘発になりかねず、「増税凍結」が適切と述べた。

                                                             また、消費増税を前提とした教育無償化などの財源は、赤字国債発行で充当し、日銀の量的金融緩和で対応すれば、財政・金融の両輪がそろって回り、「一石二鳥」の効果が期待できると主張した。

                                                            <無償化財源は「人材育成国債」発行で>

                                                             本田氏は、大規模な金融緩和と財政出動を重視するリフレ派の代表的な論客。2012年末の第2次安倍政権発足以降、3党合意に基づいた消費税率の引き上げに一貫して反対してきていた。

                                                             特に2014年4月の消費税率5%から8%への引き上げは、「予想以上に長期間にわたり深刻な悪影響を与えた」とみる。

                                                             今年10月に予定通り増税すると、「実質賃金と期待インフレ率が大きく下落し、予想実質金利上昇、デフレに戻ってしまうリスクがある」と懸念。期待インフレ率の低下を招き、実質金利の高止まりから円高リスクを増大させることにもなりかねないと危機感を示した。

                                                             政府は、リーマン・ショック級の事態が起きない限り、予定通り増税するとの見解を繰り返しているが、「むしろ消費増税により日本発でリーマン・ショック級の事態が起きる可能性を懸念すべきだ」と述べた。

                                                             また「単なる増税延期では、いつか増税すると人々は考えるため、消費を手控えてしまうので、増税は凍結すべき」との考えだ。

                                                            消費増税による増収分は、教育無償化など社会保障の安定財源に充てられることが決まっている。このため政界や市場関係者には、増税延期は難しいとの見方が少なくない。

                                                             こうした見解に対し、本田氏は「増税凍結を受けた(消費増などによる)税収増で充て、それでも足りない財源は赤字国債で補えばよい」と提案。「『赤字国債』という名称のイメージが悪ければ『人材育成国債』などではどうだろう」と指摘。国債発行額が増発されれば、日銀が買い入れることの可能な国債の量も増えるため「量的緩和に効果があり、一石二鳥」と主張し、財政と金融が連動して政策効果を上げる利点に注目するべきだとした。

                                                             今の時点での増税凍結は、軽減税率やポイント還元に対応した企業などから反発を招くとの見方もあるが、「今回の増税は税率が10、8、6、5、3%と5種類もの多岐にわたり複雑すぎる上、9カ月の時限措置では恒久増税のショックを和らげる効果も疑問。まだ対応できていない小売店も多く、(増税凍結は)大きな問題にはならないのでは」との見方を示した。

                                                             今後の財政再建のあり方について「消費増税の実施時期はあらかじめカレンダーで決めず、物価や成長率など経済状況を目安にすべき」との見解を示した。

                                                             また「日本の消費税率は確かにスウェーデンなどと比較して低いが、税収に占める間接税比率は十分大きい。財務省悲願の直間比率改善は既に達成されている」と述べた。

                                                             今後の政策運営では「財政赤字を急激に減らさないよう、財政出動を継続してほしい」とした。

                                                             米国などで議論されている国債発行と中央銀行の買い入れをセットにした現代金融理論MMTについては「定義がよく分からない」と慎重な立場。「無制限な国債発行は不可能で、国の純債務を名目国内総生産(GDP)で割った比率が、収束する状態が財政の持続性に重要」と強調した。

                                                             また「財政状況を改善するためにこそ、まずはデフレからの完全脱却が必要。名目成長率が名目金利を上回っている限り、財政状況は改善し、現在その条件を満たしているにもかかわらず、これを壊すべきではない」と強調した。』

                                                             

                                                             

                                                             上記は安倍政権の経済アドバイザーである本田悦郎氏へのインタービューです。本ブログでも本田悦郎氏の論説をご紹介したことがあります。( 安倍首相の経済アドバイザー 本田悦朗氏(駐スイス大使)「増税凍結が望ましい!」 )

                                                             

                                                             消費増税10%に増税すればデフレ脱却が遠のくとはまさに仰る通りです。また最近のマスコミが幼児教育無償化の目玉政策があって消費増税の税収を充当することになっているから、消費増税は避けられないという見方に対しても、本田悦郎氏は、赤字国債を発行すればよいとしています。まさに私がよくいう「国債発行」と「財政出動」の組み合わせで、国債不足も解消できる旨の論説をされておられます。

                                                             

                                                             最後のMMT理論については、中立の立場というか、よくわからないというお立場のようで、そこは少し残念ですが、消費増税についての考え方は、ほぼ私と同一見解です。

                                                             

                                                             赤字国債の「赤字」というイメージで、「借金が悪だ!」とか「借金を将来世代に先送りするのはダメ!」とか、間違った言説が広まっているわけであり、MMT理論のポイントの一つである政府の赤字は民間の黒字、政府の黒字は民間の赤字ということが理解できれば、MMT理論も自ずとご理解できるものと私は思います。

                                                             

                                                             それにしても、消費増税10%が、日本初のリーマンショック級の危機の発生という言説までされておられます。これまた全くその通りであり、欧米諸国と比べて消費税率が低いからとか、これらもクソな言説です。

                                                             

                                                             欧米諸国はケチケチのドイツですら公共事業を1996年比で30%増やしているわけで、公共事業を減らし続けて物価も上昇せず、初任給も1997年から20万円前後で20年以上も変わらないという事実もあり、欧米との消費税率の比較なんか何ら意味がありません。

                                                             

                                                             消費税率を高くしているのは、過激なインフレを抑制してマイルドなインフレにするために消費税率を20%にしておくということはありますが、それは経済が絶好調すぎて投資が過熱が止まらないような状況下であれば、検討の余地はあります。

                                                             

                                                             とはいえ、そもそも消費増税という選択肢そのものがインフレ対策なのですが、未だ日本ではインフレにすらなっていませんので、消費増税という政策自体、選択肢にすら入らないというのが正しい考え方なのです。

                                                             

                                                             

                                                             というわけで今日は「消費増税10%実施は、日本発のリーマンショック級危機か!」と題して論説しました。

                                                             本田悦郎氏が消費増税についてインタビューに答えたロイター通信の記事をご紹介させていただきましたが、皆様はどう思われたでしょうか?「消費増税すべきだ!」などという言説は、鼻で笑うくらい経済をまるで分っていない音痴な人だということが、よくご理解いただけたのではないでしょうか?

                                                             今後行われる日米の通商協議でも、消費増税は輸出補助金の増額ということで米国政府からも懸念されており、最悪通商協議で消費増税するなら米国産の農産物や自動車を最低限○○だけ買え!みたいなミニマムアクセス米ならぬミニマムアクセスカーみたいな要求を飲まざるを得なくなるかもしれません。

                                                             こうしたことを考えても、安倍首相には早々に消費増税の凍結もしくは消費減税5%のメッセージを出していただきたいものと思うのです。

                                                             

                                                             

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                                                               今日は「白血病治療薬”キムリア”の健康保険適用決定について」と題して論説します。

                                                               

                                                               下記は日本経済新聞の記事です。

                                                              『日本経済新聞 2019/05/16 1回3349万円の白血病治療薬、保険適用を決定

                                                               1回の投薬で、3349万円もする白血病治療薬が公的な医療保険でカバーされるようになる。厚生労働省は15日、白血病など血液のがんで高い治療効果が見込まれる「キムリア」の保険適用を決めた。

                                                               厚労省が同日開いた中央社会保険医療協議会(中医協)で、キムリアの公定価格(薬価)を3349万円にする案を示し、承認された。22日から保険適用する。

                                                               キムリアはスイス製薬大手ノバルティスが開発した。CAR-T(カーティー)と呼ばれる新たながん治療法の薬だ。患者の免疫細胞に遺伝子操作を加えて、がん細胞への攻撃力を高めてから体内に戻す。国内では初の保険適用になる。海外では米国や欧州、カナダ、スイスなどで製造・販売の承認を得ている。 

                                                               治療対象は白血病の患者で抗がん剤が効かなかった人などに限定する。対象は216人と見込まれている。市場規模は72億円だ。

                                                              投与は1回で済む。ノバルティスの試験では、若年の白血病患者で8割に治療効果が見られた。

                                                               超高額薬でも患者の負担は抑えられそうだ。公的医療保険は患者の窓口負担が現役世代で3割だ。これに加えい療費の負担が重くなりすぎないよう1カ月あたりの自己負担の上限を定めた高額療養費制度がある。

                                                               例えば、年収が約500万円の人がキムリアを使った場合、40万円程度の負担で済む。大部分は税金と社会保険料で賄う。患者が加入する健康保険組合の負担は大きい。

                                                               キムリアは米国では約5200万円の価格がつき、日本国内の薬価に注目が集まっていた。米国では効き目に応じて患者から支払いを受ける成功報酬型が採用されている。日本では効果の有無に関係なく保険適用されるため、薬価を抑えることができたようだ。

                                                               医療の進歩に伴い、治療費が高額になるケースは増えている。健康保険組合連合会によると、2017年度に1カ月の医療費が1千万円以上かかった件数は532件で、5年前に比べ2倍に増えた。

                                                               近年、抗がん剤のオプジーボやC型肝炎薬のソバルディやハーボニーなど高額な薬が相次ぎ登場した影響とみられる。高額療養費の支給総額は2016年度で2兆5579億円となっている。保険財政を圧迫するとの懸念も根強くある。

                                                               ただ、薬価の過度な引き下げは製薬会社の開発意欲をそぐといった問題がある。フランスでは抗がん剤など代替性のない高額医薬品の自己負担はない一方、薬によって全額自己負担を求めるなど区別している。日本でも市販品で代替できる医薬品を公的保険から外すなど制度の見直しが必要になりそうだ。』

                                                               

                                                               

                                                               上記記事の通り、白血病患者には朗報のニュースです。免疫細胞に遺伝子操作を加え、がん細胞への攻撃力を高めてから体内に戻すというがん治療薬のキムリアという薬が、公的保険の対象になったというニュースです。

                                                               

                                                               このキムリアという白血病治療薬は、記事にもある通り、1回投与で3,349万円かかるという高額な薬なのですが、公的保険適用になることで、3割負担かつ高額療養費制度の対象となるため、年収500万円の人がキムリアを使っても40万円程度で済むと報じられています。

                                                               

                                                               以前に、本庶佑氏がオプジーボという薬で使われる「PD−1」という分子の発見で、2018年にノーベル医学生理学賞を受賞したことを記事に取り上げたことがあります。その際も、公的保険適用は正しいという主張をさせていただきました。

                                                               

                                                               オプジーボは小野薬品工業という日本企業が製造・販売する薬ですが、キムリアは、スイス製薬大手のノバルティス社が製造する薬であるという点が少し違います。

                                                               

                                                              イメージ図 100万円かかる医療費用の一部を社会保険負担した場合>

                                                               

                                                               

                                                              <イメージ図◆100万円かかる医療費用の全額を患者が負担した場合>

                                                               

                                                               なぜならばオプジーボの小野薬品工業のように日本企業であれば、オプジーボが売れれば売れるほど、製造・販売すべてGDPとしてカウントされます。それは100%自己負担としようが、健康保険適用で自己負担30%としようが、製造・販売に関わる粗利益相当額がすべてGDPとしてカウントされます。ただ100%自己負担としてしまうと、お金を払える人は限られるため、需要が抑制される一方、健康保険適用とすれば自己負担30%かつ高額療養費制度の対象となることで自己負担額をかなり抑えることができるため、需要は増大することになるでしょう。

                                                               

                                                               ただキムリアの場合はノバルティス社というスイスの製薬大手と報道されているので、このビジネスに関わるもの全額が日本のGDPとはならず、ライセンス料などの名目でスイスからの輸入と同じ扱いで、その分がGDPから控除されます。スイスの企業の所得になるのですから、当たり前といえば当たり前です。

                                                               

                                                               また、この記事から読み取ることができないのですが、ノバルティス社は日本法人もありまして、ノバルティスホールディングスジャパン(株)という持ち株会社に、医薬品事業を営むノバルティスファーマ(株)、その製造部門子会社の日本チバカイギー(株)などの子会社がぶら下がっています。そのため日本国内で当該法人が製造・販売するかもしれません。

                                                               

                                                               とはいえ、日本で製造販売したとしても、ライセンス料などの名目で、親会社のスイスのノバルティス社にお金が流れるのは、致し方ないことでしょう。

                                                               

                                                               何しろ日本で、キムリアのような医薬品が開発されれば、小野薬品工業のオプジーボと同じ効果となるわけですが、こればかりは仕方がありません。

                                                               

                                                               いわば対中国の軍事拡大に対抗して「米国のF22戦闘機を日本国内ですべて作れればいいなあ!でも日本では戦闘機を作れないから米国から輸入するしかない。でもライセンス生産で三菱重工が組み立てるならば、日本にも少しは雇用が生まれるからまだましか!」という感じです。

                                                               

                                                               財務省の発想は、おそらくそんな思考回路は全くないに決まっています。出ていくお金を抑制したい!ただそれだけです。その結果、国民皆保険という素晴らしい仕組みが崩壊しようが、日本が中国の軍事拡大で安全保障が脅かされようが、緊縮財政で食糧を作る農家が減っていざという時に飢えるリスクが増えようが、そんなことは関係ありません。以前にも取り上げた通り、財務省設置法第三条の「健全な財政運営」の通り、キムリアで支出が増える分、消費増税などの増税か、他の工業事業を削るということをやることでしょう。何しろ彼らの頭の中は国家の財政運営を家計簿と同じ発想で運営するというバカげた発想なのです。

                                                               

                                                               

                                                               というわけで今日は「白血病治療薬”キムリア”の健康保険適用決定について」と題して論説しました。

                                                               デフレなので政府がお金を使うに限るわけですが、キムリアはスイスのノバルティス社に流れるお金もあるという見方があるため、小野薬品工業のオプジーボとは若干異なります。とはいえ、緊縮財政で科学技術への投資も増やさず、大学への補助なども削減するなど、緊縮財政で出ていく金を抑制して貯め込もうと「カネカネカネ」とやっているので、日本国内でキムリアのような医薬品が出るとも出ないともいえませんが、投資をしない以上出る確率は極めて低い。本来ならば、科学技術予算を多く投じて、結果、日本の製薬会社でキムリアのような素晴らしい医薬品が開発され、健康保険適用されれば、日本人すべてがベネフィットを受けます。

                                                               もちろん一義的には医薬品会社が儲かりますが、その儲かったお金は必ず皆さんの製品を買う購買力になるからです。医療安全保障を担う医薬品会社が儲かることを、一部の特定企業が儲けるなんてずるい!などと考えず、いざ病気となったら低廉な料金で素晴らしい治療が受けられるというベネフィットがあると理解するべきであると私は思うのです。

                                                               

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